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以前の「ひとこと」 : 2022年11月前半


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11月1日(火) NEW 8 PUZZLE、あやとり

 11月になりました。今年もあと2か月です。



 NEW SEVEN PUZZLEというページを公開されているJuananさんとメールのやり取りをさせていただいています。このページに、新たに “NEW 8 PUZZLE” と “NEW CROSS PUZZLE” というアイディアが紹介されています。ぜひご覧ください。

 ニューエイトパズル、リンク先にも駒の移動規則が説明されていますが、自分用に図を作ったので紹介しておきます。

NEW 8 PUZZLE : by Juanan

 駒の移動ルールはニューセブンパズルとよく似ています。

 中央の2つのピースを取り出して、

Take out the two pieces in the center,

 そのピースを並び順を変えずに左から、もしくは右から入れます。

insert them from the left or from the right without changing the order.

 気になるのは、この手順だと任意の並びは作れないかもしれない、というところです。サム・ロイドの有名な15パズル(リンク先は「パズル遊びへの招待・オンライン版」です)が14と15のピースを入れ替えると解けないように、このニューエイトパズルも任意の初期状態からは解ける場合と解けない場合があるのではないかと思ったのです。

 この問題が起こらないようにするには、例えばこんなピースのセットにするというアイディアもあります。

ニューエイトパズルのデザイン案

 ランダムな並びの初期位置から、★マークのピースは左に、●マークのピースは右に集め、白いピースを中央に集める、というルールです。いかがでしょうか。



 さて、この「ニューエイトパズル」の操作の状態遷移がどうなっているのか、もっとピースの数が少ない盤面で考えてみることにしました。ピースの数が4だとしましょう。これならば状態の数は4の階乗ですからたった24通りの並びしか存在しません。この4つの数字の並びに対して、ニューエイトパズルと同様に中央の2ピースを順序を変えずに左端か右端に移動するとします。1234から始めて、24通り全ての状態に行かれるでしょうか。それともこの操作では作れない状態があるでしょうか。

NEW 4 PUZZLE の状態遷移を考えてみる

(つづく)



 ナウルを始めとする南太平洋で広く知られているというあやとりの定型手順にアムワンギヨという操作があります。自分にとってわかりやすい説明手順を書いてみました。

sf221101-1:アムワンギヨ
  1. 人差し指の構え
  2. 全ての指を1回転ひねる (例えば「全部向こうへ」ひねる)
  3. 親指の輪を人差し指に移す(上の輪にする)
  4. 小指の輪をつまんで外し、人差し指の下の輪に下から上へ通して親指に移す
    (もしくは、親指を人差し指の下の輪に上から入れ、小指の手前の糸を取り、小指を外す)
  5. 人差し指の上の輪を親指に移す(上の輪にする)
  6. アムワンギヨの輪の入れ替え処理(1回目)
    1. 親指の上の輪を親指と人差し指ではさむ(親指・人差し指で指の輪ができる)
    2. 親指の下の輪を向こうへ半回転ひねって人差し指に移す(上の輪にする)
      (指の輪に沿って動かす)
    3. 親指と人差し指ではさんでいた親指の輪を親指の根元に落とす
      (親指と人差し指の先端は離す)
    4. 人差し指の上の輪を親指に移す(上の輪にする)
  7. アムワンギヨの輪の入れ替え処理(2回目)
    1. 親指の上の輪を親指と人差し指ではさむ(親指・人差し指で指の輪ができる)
    2. 親指の下の輪を向こうへ半回転ひねって人差し指に移す(上の輪にする)
      (指の輪に沿って動かす)
    3. 親指と人差し指ではさんでいた親指の輪を親指の根元に落とす
      (親指と人差し指の先端は離す)
    4. 人差し指の上の輪を親指に移す
      (2回目は親指の輪の上下は区別しなくてよい)
  8. 親指の2つの輪を一緒に手前に1回転ひねる
  9. ダンスの舞台の終了処理
    1. 小指で、親指の向こうの2本の糸を掌に握りこむ(薬指を添えても良い)
    2. 親指で、人差し指の手前の糸を取り、親指の2本の糸をナバホ取り(外した2つの輪を覚えておく)
    3. 人差し指の輪を手前に半回転ひねって親指に移す
    4. ナバホ取りで外した2本の糸を人差し指で向こうから手前・上へ取る
    5. 親指を外す
    6. 人差し指と小指で押さえている2本の糸を外周として展開する

 「ナウルの太陽」から「アムワンギヨ」をやってみました。ナウルの伝承あやとりにいかにもありそうです。(すみません調べていません。)

hh221101-1 hh221101-2
  1. 人差し指の構え
  2. ナウルの太陽
  3. アムワンギヨ
  1. 人差し指の構え
  2. ナウルの太陽(1回目)
  3. ナウルの太陽(2回目)
  4. アムワンギヨ

 いままで、終了処理としてのアムワンギヨをあまり研究したことがなかったのですが、この機会にいろいろな開始処理・装飾処理からアムワンギヨで仕上げるというのを試してみています。明日以降いくつかご紹介します。



 先日、「二段ばしご」を連続で取る話をご紹介して、二段ばしごを終了処理として使えるという話を書きました。そのときに「二段ばしご」→「二段ばしご」というあやとりをご紹介しました。

hh221023-1
「二段ばしご」→「二段ばしご」

 昨日、あやとり協会の吉田さんからこんな写真を送っていただきました。

JY221101-1

 内側が二重になっています。すごくいいですね。使われている糸の素材もこのあやとりに合っている気がします。


<おまけのひとこと>
 今日は雨が降っています。妻が私の部屋の石油ストーブ(ブルーフレーム)をきれいに掃除してくれました。気持ちよく使えてありがたいです。






11月2日(水) NEW 4 PUZZLEの解析、あやとり、他

 パズルの状態遷移の話とあやとりの話とカプセルトイの話です。



 偶数個のピースを横一列に並べて、中央の2つ(偶数個なので中央は2つになります)のペアを、並び順を変えずに左端か右端に移動するという操作について考えてみています。昨日、ピースの数を4つにして、状態遷移を調べてみたいという話を書きました。今日はその結果です。

NEW 4 PUZZLE の状態遷移を考えてみる

 全ての状態を用意します。中央の2つの数字に下線を引いてあるのは、次にこのペアが動くということをわかりやすくするためです。

図 1:全ての状態

 何から始めても同じですが、1234から始めて、左もしくは右にペアを移した時にどの状態になるか、図を作ってみました。

図 2:NEW 4 PUZZLEの状態遷移

 まずわかることとして、「NEW 4 PUZZLE は任意の初期状態から24の全ての状態に変えることはできない」ことがわかりました。15パズルと同様、全ての状態は2つのグループに分けられ、同一グループ内ならば任意の状態に変えることができますが、別グループの状態は作ることができません。上の図には12の状態が登場していますが、ここに出てこない残りの12の状態も同じ状態遷移図を描くことができます。

 次にわかることは、全ての状態は出力が2本、入力が2本あります。これも考えてみると当たり前で、ある状態からの変化する方向は中央のペアを左に移すか右に移すかの2つの選択肢しかありません。また、別の状態からこの状態に変わるのは、左移動の結果なのか右移動の結果なのかどちらかですから、入力が2つであるのも当たり前と言ってよいでしょう。

 また、この操作は同じ方向(左なら左)に3回連続して行うと元に戻ります。上の図で、赤い矢印だけをたどると3回で元に戻りますし、青い矢印も同様です。

 頂点の数が12で全ての頂点の次数が4というと、思い出す多面体があります。その多面体の頂点に12の状態を対応させられないでしょうか。

(つづく)



 「アムワンギヨ」の研究の続きです。今日は「エガラウィナゴ」からの「アムワンギヨ」です。

hh221102-1
  1. 5本指の構え
  2. エガラウィナゴ
  3. アムワンギヨ

 これも絶対にナウルで取られていたあやとりだと思います。若干張力を緩めに整えてみたのでやや「丸っこい」雰囲気です。とても美しいデザインだと思います。これがあやとりでものの1分もかからずに取れる、というのは感動的です。(かたちを整えるのにはもう少し時間がかかります。)

 今回、背景とのコントラストが強いほうが画像処理で背景を消しやすいと思って濃い色のあやとり紐で取ってみたのです。そうしたら確かに背景はきれいに消せましたが、今度はあやとり紐のテクスチャがよく見えなくて、糸の交差部分がどちらが手前なのかよくわからない写真になってしまいました。



 先週、名古屋に行ったときに帰りの特急列車までに少し時間があったので、東急ハンズ名古屋店にある地球研究室というところに行ったのです。そうしたら、ストームグラスのカプセルトイがあったので1回やってみました。500円でした。

ストームグラス
説明書

 ストラップタイプのものでした。付属の説明は極めて簡素なものでしたが、ストームグラスは検索するといろいろ情報があります。容器が小さいためか、結晶の様子はあまり変化しないような気もします。机の上に置いて観察してみたいと思っています。


<おまけのひとこと>
 先週の出張で中央西線の特急「しなの」に乗ったのですが、ありがたいことにかなり人が少なかったのです。(JRとしては嬉しくないでしょうけれども、利用者の立場ではありがたいです。ただ、採算が取れなって鉄道が無くなるのは困るので、適度に利用者がいるほうが好ましいとは思います。)1つの車両に10人はいなかった気がします。おかげさまで周囲には誰もいなかったので列車の中であやとりをやっていたのですが、そこで「アムワンギヨ」をいろいろ研究できたのでした。






11月3日(木) NEW 4 PUZZLEの状態遷移図、あやとり、他

 今日は「文化の日」、国民の祝日です。



 数字を4つ並べて、「中央の2つの数字のペアを取り出して左端もしくは右端に移動する」という操作で数字列がどんなふうに変わってゆくかという状態遷移図を描いてみたという話の続きです。昨日の状態遷移図、

NEW 4 PUZZLEの状態遷移図

 これは立方八面体グラフになっていることに気が付きました。立方八面体を一般的な視点から見たところ(図1a)と対称性が高い方向から見たところ(図1b)のCGを作ってみました。

図 1a:立方八面体 図 1b:立方八面体

 過去に何度もCGを作っているのですが、色遣いとか視点位置とかがしっくり来なくて、今回も新たにPovrayのコードを書きました。

 上の図1bの対称性が高い視点の図を基に、NEW 4 PUZZLE の状態遷移図を作り直してみました。

図 2:NEW 4 PUZZLE の状態遷移図

 NEW 7 PUZZLE でもそうだったのですが、中央のピースを左・右・左・右…と交互に移動してゆくと最初の配置と逆順にすることができるのです。NEW 4 PUZZE もこの性質があって、1234 から 右→左→右 と動かすと逆順の4321になりますし(図3a)、左→右→左 でも同じ結果になります(図3b)。大変美しい対称性の構造だと思います。

図 3a:右→左→右 図 1b:左→右→左



 立方八面体といえば思い出すのが、2018年2月にご紹介した六角魔方陣です。この気付きと考察はとても面白かったのです。これは、もとはといえばarXiv.orgで面白そうな論文を見つけたのがきっかけでした。最近は忙しくて新着論文のチェックができなかったりしています。面白い情報を見落とさないようにしたいと改めて思いました。



 「アムワンギヨ」の研究の続きです。今日は「ビヤトエイディオウィナゴ」からの「アムワンギヨ」です。

hh221103-1
  1. 5本指の構え
  2. ビヤトエイディオウィナゴ
  3. アムワンギヨ

 「エガラウィナゴ」の次なら「ビヤトエイディオウィナゴ」、というのはご想像通りかもしれません。以前だったら今日のあやとりを見て「複雑だなあ」と思ったかもしれません。今はとてもシンプルですっきりしたあやとりに見えます。これもナウルのあやとり手法を知っている人ならきっと試しているだろうと思われるものです。

 あやとり紐は昨日の反省をふまえて色の薄いものにしました。背景を消してもあやとり紐がちゃんと見えて、糸の重なりの上下がわかりやすくて、紐の影も目立たないようにしたいのですが、なかなかうまくゆきません。



 在宅勤務をするときに仕事をしている部屋で暖房を使い始めました。昔からの石油ストーブのアラジンのブルーフレームを愛用しています。もう30年以上使っています。たまたま妻が留守だった日に、ふと思い立って焼きじゃがを作ってみました。アルミフォイルにじゃがいもをくるんで、ストーブの上に載せておくだけです。

写真 1:ブルーフレームで焼きじゃが作り

 30分くらいほったらかしにして、手袋をはめてじゃがいもをひっくり返してもう30分くらい焼きました。

 青い炎がきれいです。

写真 2:ブルーフレームの炎

 焼き上がりました。串を刺してみるとすっと通りました。大丈夫そうです。

写真 3:焼けたじゃがいも

 とても美味しかったのです。肝心の中身の写真を撮る前に食べてしまいました。


<おまけのひとこと>
 ブルーフレームの写真の背景に写っているドアの隙間から白いケーブルが見えますが、これは有線ネットワークのケーブルです。地下室のルータから20mのケーブルを配線しています。これのおかげでリモート会議もとても快適です。






11月4日(金) トーナメントとリーグ戦、あやとり

 総当たり戦の結果の解釈に関する話とあやとりの話です。



 昨日、多分半月ぶりくらいにhttps://arxiv.org/を見に行ったら、いろいろ面白いものがあったのです。今日はその中から1つ、軽いトピックをご紹介します。参照した論文はLandau on Chess Tournaments and Google's PageRank(Rainer Sinn, Gunter M. Ziegler, 2022)、「チェストーナメントにおけるランダウ(の提案)と、グーグルのページランク」です。

 チェスでも野球でもサッカーでもいいのですが、勝ち・負け・引き分けが存在する競技で、複数の競技者(チーム)が優劣の順位を決めるために、トーナメント戦やリーグ戦が行われます。日本では「トーナメント戦」というと、高校野球の甲子園大会のように一度でも負けたらそれで終わりで、最後まで負けなかったチームが最強で、せいぜい三位決定戦があるくらいで、それ以下のチームの優劣はわからない、という方式をトーナメント戦と呼びます。一方、プロ野球やプロサッカーリーグや将棋の名人戦のA級順位戦のように総当たり戦で、全員(全チーム)が試合数は平等な場合を「リーグ戦」と呼びますが、これは世界的にはマイナーな呼称のようです。

 上記の論文で「チェストーナメント」と呼んでいるものは、日本語では「リーグ戦」に相当する総当たり戦のことを言っています。論文のアブストラクト(あらまし)に、ランダウが18歳のとき、1895年に書いた最初の数学の論文で、このチェストーナメントの結果の優劣の評価方法について論じていることが書かれています。ランダウというとまず連想するのがランダウ=リフシッツ理論物理学教程のランダウですが、あのランダウは1908年生まれで、この論文のランダウ(Edmund Landau:1877-1938)とは別人です。

 例えば、総当たり戦での「勝ち点」を、勝てば1点、引き分けたら1/2点、負けたら0点とします。現在でも用いられている勝ち点の方式は、相手が強かろうが弱かろうが勝てば1点、引き分けたら1/2点として、その勝ち点を合計した数値が大きいほうが強い、という尺度です。この方式だと勝ち点が同じになる場合もよくあるので、それに次ぐ尺度を設けているルールもあります。(例えばサッカーの得失点差とか。)

 ランダウが1895年の論文で課題提起しているのは、「相手の強さに関わらず同じ勝ち点で良いのだろうか?」ということなのだそうです。スポーツの強さというのは単純な物理量のように一つの物差しで測れないようなものが多く、戦術や戦法やタイプによって相性や得手不得手があったりするからこそ面白いという面もあると思います。陸上競技のように厳粛な物理量として評価指標が定まっている競技もありますが、それすらその大会で一緒に競技する相手との心理的な駆け引きがあったりします。

 ランダウの提案は、プレーヤー(チーム) No.1, 2, 3, …,n はそれぞれ未知の「強さ」のパラメータ xi を持っていて、i番のプレーヤーに勝ったら勝ち点は xi、引き分けたらxi/2 だとして、強さパラメータのベクトルX=(x1,x2,…,xn)を決めたら良いのでは、というものだそうです。

 n人の総当たり戦の勝ち点の表は n x n の正方行列Aで表すことができます。対角成分は0です。実は、未知の強さベクトルX は、行列Aの固有ベクトルになります。ただしこのときの固有値は正で最大のものだとします。(ペロン=フロベニウスの定理という線形代数の定理があって、成分が正の実正方行列には唯一の最大実固有値があって、それに対応する固有ベクトルの各成分は正になるということが証明されているそうです。勝ち点行列の成分は正なので、この定理により強さベクトルが定まることが保証されます。)

 なんだか納得感のある仮説ですが、実はこの方法には欠点もあるそうで、ランダウ自身が最初の論文の中でその欠点に言及しているそうです。例えばプレーヤーA,B,Cで総当たり戦をして、Aは2勝0敗、Bは1勝1敗、Cは0勝2敗だったとします。明らかに順位は A-B-C の順だと考えるべきですが、ランダウの方法だと、BとCの強さパラメータが同じになってしまうのだそうです。これは具合が悪いです。

 なお、上記の論文の後半では、googleのページランキングのアルゴリズムがランダウの提案した考え方に基づいているということが説明されています。また、こちらの論文https://www.math.uni-bielefeld.de/baake/frettloe/papers/bl-pf.pdfでは、ドイツのプロサッカーリーグの2003年から約10年間のリーグ戦の結果を、同様に最大固有値に対応する固有ベクトルを計算することで、従来の尺度と比較しています。この論文では勝ち点はサッカーの流儀に合わせて「勝てば3点、引き分けは1点」で計算しています。



 「アムワンギヨ」の研究の続き、今日は「ひねりのないサンフィッシュ」に装飾処理を施してから「アムワンギヨ」仕上げです。

hh221104-1
  1. ひねりのないサンフィッシュ
    1. 人差し指と中指に輪を掛ける
    2. 右手の親指小指で、左手の人差し指と中指の間の左手の甲の糸を取る
    3. 左手の親指小指で、右手の人差し指と中指の間の右手の甲の糸を取る
    4. 左手の人差し指・中指を外側に半回転ひねってひねりを無くす
      (ここが「ひねりのない」サンフィッシュ特有)
    5. 左手のみ「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの処理
    6. 右手の人差し指・中指の輪を外す
  2. それぞれの掌の糸を2つの輪の間からその手の側の中指で取る
    (左右で取り合うのではない)
  3. ダブルハートの処理のような手順
    1. 中指の手前で左右に水平に横切る糸を薬指で向こうから取る
    2. 中指の向こうで左右に水平に横切る糸を人差し指で手前から取る
    3. 人差し指の手前の水平の糸を反時計回りに半回転ひねって両親指に掛ける
      (その糸は人差し指からは外す)
    4. 薬指の向こうの水平の糸を時計回りに半回転ひねって両小指に掛ける
      (その糸は薬指からは外す)
    5. 親指・小指でナバホ取り
  4. アムワンギヨ
    1. 人差し指の構え
    2. 全ての指を1回転ひねる (例えば「全部向こうへ」ひねる)
    3. 親指の輪を人差し指に移す(上の輪にする)
    4. 小指の輪をつまんで外し、人差し指の輪に下から上へ通して親指に移す
    5. 人差し指の上の輪を親指に移す(上の輪にする)
    6. アムワンギヨの輪の入れ替え処理(1回目)
      1. 親指の上の輪を親指と人差し指ではさむ(親指・人差し指で指の輪ができる)
      2. 親指の下の輪を向こうへ半回転ひねって人差し指に移す(上の輪にする)
        (指の輪に沿って動かす)
      3. 親指と人差し指ではさんでいた親指の輪を親指の根元に落とす
        (親指と人差し指の先端は離す)
      4. 人差し指の上の輪を親指に移す(上の輪にする)
    7. アムワンギヨの輪の入れ替え処理(2回目)
      1. 親指の上の輪を親指と人差し指ではさむ(親指・人差し指で指の輪ができる)
      2. 親指の下の輪を向こうへ半回転ひねって人差し指に移す(上の輪にする)
        (指の輪に沿って動かす)
      3. 親指と人差し指ではさんでいた親指の輪を親指の根元に落とす
        (親指と人差し指の先端は離す)
      4. 人差し指の上の輪を親指に移す
        (2回目は親指の輪の上下は区別しなくてよい)
    8. 親指の2つの輪を一緒に手前に1回転ひねる
    9. ダンスの舞台の終了処理
      1. 小指で、親指の向こうの2本の糸を掌に握りこむ(薬指を添えても良い)
      2. 親指で、人差し指の手前の糸を取り、親指の2本の糸をナバホ取り
        (外した2つの輪を覚えておく)
      3. 人差し指の輪を手前に半回転ひねって親指に移す
      4. ナバホ取りで外した2本の糸を人差し指で向こうから手前・上へ取る
      5. 親指を外す
      6. 人差し指と小指で押さえている2本の糸を外周として展開する

 すみません、取り方の手順を全部展開して書くと長いですね。こういう定型手順を組み合わせたあやとり手法を「パターンあやとり」と呼んでいるのですが、パターンあやとりはプログラミングに似ているなあと改めて思います。共通な手順に名前を付けてライブラリ化しておくとものすごく単純になるのです。


<おまけのひとこと>
 マウスの乾電池の残量が少ないという警告が出始めて半月くらいになります。ついに反応しなくなってきたので、さきほど電池を替えました。最近はイヤフォンもワイアレスが普通なのだそうです。先日の出張のとき、名古屋の地下鉄のホームで「列車とホームの隙間にワイアレスイヤフォンを落とされる事故が増えております。ご注意ください。」という音声案内が流れていました。有線ならば「命綱」が付いているのでそういう事故はありませんでしたが、小さくて失くしやすい、落としやすいといった課題もあるのですね。






11月5日(土) x2+x、あやとり、他

 数式の軽い話題とあやとりの話です。いくつか新しい話題を仕込んでいるのですが、結局公開するところまで整理が追いつかず、今日は軽い話題になりました。



 x と x2 を掛けると x3 になります。これは x がどんな値でも成り立ちます。

 では、x と x2足すと x3 になるのはどんな場合でしょうか。 x=0 というのが自明な解ですが、それ以外にはどうでしょう?

(つづく)



 もう1つ、x2+x にちなんだ話題です。こんな二次方程式を見かけました。上のトピックの x とは無関係です。

 x の値を求めて下さい。解の1つ目は簡単ですが、2つ目、どうやって見つけましょうか。



 アムワンギヨの終了処理の研究、だんだんオリジナルっぽくなってきました。今日はシシドユキオさんの「エイト展開」からのアムワンギヨです。

hh221105-1
  1. 中指の構え
  2. 左右の中指の輪を交換する
  3. エイト展開
    1. 親指の輪を向こうへ半回転ひねって薬指に移す
    2. 中指の輪を親指に移す
    3. 薬指の輪を人差し指に移す
    4. 親指の輪を、人差し指の輪の下から上へ通して中指に移す
    5. 親指で、全ての糸の下を通って小指の向こうの糸を取る
    6. 親指で、人差し指手前の糸を上から下、手前へひねって取る
      (親指にもともと掛かっていた輪は自然に外れる)
    7. 小指手前から人差指手前の糸にかかる糸を、親指で人差指の輪の中から取る
      (ここがわかりにくい)
    8. 人差し指の上の輪と、小指の輪を外す
    9. 小指を上から中指の輪の中に入れ、人差し指向こうの糸を取り、中指を外す
      (人差指の糸は外さない)
    ここでパターンを中央に寄せておく
  4. アムワンギヨの終了処理
    1. 全ての指を向こうへ1回転ひねる
    2. 親指の輪を人差し指に移す(上の輪にする)
    3. 小指の輪をつまんで外し、人差し指の輪に下から上へ通して親指に移す
    4. 人差し指の上の輪を親指に移す(上の輪にする)
    5. アムワンギヨの輪の入れ替え処理(1回目)
      1. 親指の上の輪を親指と人差し指ではさむ(親指・人差し指で指の輪ができる)
      2. 親指の下の輪を向こうへ半回転ひねって人差し指に移す(上の輪にする)
        (指の輪に沿って動かす)
      3. 親指と人差し指ではさんでいた親指の輪を親指の根元に落とす
        (親指と人差し指の先端は離す)
      4. 人差し指の上の輪を親指に移す(上の輪にする)
    6. アムワンギヨの輪の入れ替え処理(2回目)
      1. 親指の上の輪を親指と人差し指ではさむ(親指・人差し指で指の輪ができる)
      2. 親指の下の輪を向こうへ半回転ひねって人差し指に移す(上の輪にする)
        (指の輪に沿って動かす)
      3. 親指と人差し指ではさんでいた親指の輪を親指の根元に落とす
        (親指と人差し指の先端は離す)
      4. 人差し指の上の輪を親指に移す
        (2回目は親指の輪の上下は区別しなくてよい)
    7. 親指の2つの輪を一緒に手前に1回転ひねる
    8. ダンスの舞台の終了処理
      1. 小指で、親指の向こうの2本の糸を掌に握りこむ(薬指を添えても良い)
      2. 親指で、人差し指の手前の糸を取り、親指の2本の糸をナバホ取り
        (外した2つの輪を覚えておく)
      3. 人差し指の輪を手前に半回転ひねって親指に移す
      4. ナバホ取りで外した2本の糸を人差し指で向こうから手前・上へ取る
      5. 親指を外す
      6. 人差し指と小指で押さえている2本の糸を外周として展開する

 最初の中指の構えで左右の中指の輪を交換しています。これにより、仕上がりの中央の88の、左右に2つ並んだ8の字が交差ではなく絡みになります。

 このあやとりの手順は「中指の構えから中指を交換してエイト展開→アムワンギヨ」と書けば、上の表のように膨大な説明を書かなくて済むのですが、「エイト展開」も「アムワンギヨ」もおそらく私はすぐに忘れて調べ直すので、そのときのために長々と書いておくことにします。



 「少し異端の折鶴万華鏡」(赤井逸著、文芸社:2010) という本を図書館で見かけて借りてきました。

 冒頭に正方形ではない用紙から折る折り鶴の話が紹介され、それを基に正方格子ではない格子から様々な連鶴を折るという内容です。著者の方は1928年生まれで、物理がご専門のようです。冒頭、この本が前提としている用紙についてこんな記述がありました。

  1. 最初に用意するのは正方形、または長方形、の用紙とする。
  2. 最初だけ、鋏を使用する。定木・物差し・ぶんまわし・分度器などの用具は、一切使わない。

 「ぶんまわし」なんて久しく耳にしない単語です。おそらく著者は敢えてこの言葉を使われているのでしょうけれども2010年に出版された本にこの言葉が使われているのが面白いなと思いました。自分はいつこの言葉を覚えたのだろう、と思いました。



 上記の本の冒頭に前川淳さんの「正方形から折り出す変形折り鶴」が紹介されていたのでやってみました。普通の折り鶴の羽根は前後対称ですが、この折り方は後退翼みたいになります。

写真 1 写真 2

 面白いですがうまく折れませんでした。


<おまけのひとこと>
 昨日はやたらとくしゃみが出て、ティッシュペーパー1箱がほとんど空になりました。発熱は無いのですが、鼻の調子が悪くて大変です。






11月6日(日) x2+x の話、あやとり、他

 昨日の数式の軽い解説とあやとりの話です。すみません今日は出かける用事とかがあって、夕方の更新です。(明日の朝はいつもの時間に更新する予定です。)



 昨日、x + x2 = x3 という式を満たす x は? という話を書きました。指数法則を間違えたような印象を強くするために、x1 + x2 = x3 と表記を変えてみました。これは普通に解けばこうなります。

 有名な黄金比です。実は今準備しているトピックが黄金比が関係する話なのですが、そこに Φ + Φ2 = Φ3 という関係が出てきて、まあ確かにその通りなのですけれども、ちょっと面白いなと思ったのがこの話を独立してご紹介したきっかけだったのでした。



 もう1つのほう、

 これは解の1つが √3 なのは気が付くと思います。もう1つの解は -√3 、のはずはなくて、これをどうやって求めるのが簡単でしょうか? という話を昨日は書いたのでした。この方程式を 下の2次関数がx軸と交わる点を求める問題だと考えます。

 この二次関数の軸は x=-(1/2) にあることは簡単にわかります。(例えば微分すると dy/dx = 2x + 1 となって、放物線の頂点は傾きがゼロなので、2x + 1 = 0 から求まります。)解の1つである√3は、軸からの距離が 1/2 + √3 です。ということは、もう1つの解は軸から(1/2 + √3) だけマイナス側にあるということですから、解は -1 -√3 です。

 二次方程式の解の公式に入れたり解と係数の関係を計算したりするよりも楽なのではないかと思うのですがいかがでしょうか。



 今日は更新が遅くなってしまったので、以前取ってご紹介しそびれていた、特に脈絡のないあやとりのご紹介です。

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  1. 人差し指の構え
  2. 人差し指を向こうへ半回転ひねる
  3. 4隅の小さな輪の処理(1つ隣の糸で)
  4. ダブルハートの処理
  5. 親指・小指を内側に1回転ひねる
  6. 人差し指を向こうへ1回転ひねる
  7. 焼け焦げた葉のククイの終了処理

 各手順の詳細は省略しています(すみません)。まあこの手順ならこうなるよね、という出来上がりです。期待したほど良いデザインになりませんでした。



 今朝、妻が「下の部屋のカーテンを開けたらネコがこっちを見ていて目が合った」と言いに来てくれたので、カメラを持って行ってみました。

 確かに見ていました。私が窓に近づいたら立ち去ってしまいました。人間を信用しない、用心深いのは生き延びるために良いことだと思います。

 日の当たった室内側の床がガラスに映ってしまったため、ネコの向こう側の地面(敷石)が見えなくて妙な写真になってしまいました。


<おまけのひとこと>
 最近またご紹介したいあやとりが増えてきています。






11月7日(月) アンマンの椅子のタイリング、あやとり、他

 タイリングの話とあやとりの話、他です。



 https://arxiv.org/ で見かけた論文からの話題です。Fractals Generated by Modifying Aperiodic Substitution Tilings(Kah Heng Lee:2022)「非周期的置換タイリングの変更によって生成されるフラクタル」という論文です。著者はシーメン大学マレーシア校の方のようです。(リンク先はマレーシア留学ネットというサイトのこの大学の紹介のページです。)

 ロバート・アンマン(Robert Ammann)が1977年に発表した「アンマンの椅子」(Ammann chair) という平面図形があります。

図 1 : Ammann chair

 縦横比が黄金比の平方根になっている長方形から、それと相似な長方形を切り取ったかたちをしています。

 このかたち(タイル)を、その縦横比と同じ比率で相似拡大します(図2)。左をT1、拡大したものを T2と呼ぶことにします。

図 2

 T1 と T2 を図3のように組み合わせると、さらに一回り大きな相似な T3 になるのです。T1、T2、T3 の高さはそれぞれ黄金比の平方根の 4乗、5乗、6乗になっています。(余談ですが、上の図2の右のT2の横幅を見るとΦ3 = Φ2 + Φ になっているのです。昨日のトピックはこの図が基になっています。)

図 3

 これは、以下同様に継続することができます。図を作ってみました。クリックすると拡大するので、拡大図でご覧ください。

図 4

 T1 と T2 の大小2種類の相似な基本タイルを使って、このようにどんどん相似拡大してゆくタイルを構成することができるのです。拡大されたそれぞれのステップで使われている基本タイルの数がフィボナッチ数列になっているのがわかります。

 とても面白いと思ったのでした。



 石野さんのあやとりサイトあやとりしてみようマット IIという作品が紹介されています。あやとり研究書の古典のC.F.Jayne の No.836 として完成形だけが紹介されていたものの手順をH.C.Maude氏が取り方を復元したものであると説明されています。

 このマットIIは、人差し指の構えから指の輪をひねらず、さらにアムワンギヨの親指の輪をひねる処理もせずに仕上げられています。冒頭の人差し指の構えからの輪をひねるところは省略せず、親指の2つの輪を手前にひねるところだけを省略したらどうなるだろうと思ってやってみました。

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  1. 人差し指の構え
  2. 全ての指を向こうへ1回転ひねる
  3. 親指の2つの輪をひねらないアムワンギヨの終了処理
    1. 親指の輪を人差し指に移す(上の輪にする)
    2. 小指の輪をつまんで外し、人差し指の輪に下から上へ通して親指に移す
    3. 人差し指の上の輪を親指に移す(上の輪にする)
    4. アムワンギヨの輪の入れ替え処理(1回目)
      1. 親指の上の輪を親指と人差し指ではさむ(親指・人差し指で指の輪ができる)
      2. 親指の下の輪を向こうへ半回転ひねって人差し指に移す(上の輪にする)
        (指の輪に沿って動かす)
      3. 親指と人差し指ではさんでいた親指の輪を親指の根元に落とす
        (親指と人差し指の先端は離す)
      4. 人差し指の上の輪を親指に移す(上の輪にする)
    5. アムワンギヨの輪の入れ替え処理(2回目)
      1. 親指の上の輪を親指と人差し指ではさむ(親指・人差し指で指の輪ができる)
      2. 親指の下の輪を向こうへ半回転ひねって人差し指に移す(上の輪にする)
        (指の輪に沿って動かす)
      3. 親指と人差し指ではさんでいた親指の輪を親指の根元に落とす
        (親指と人差し指の先端は離す)
      4. 人差し指の上の輪を親指に移す
        (2回目は親指の輪の上下は区別しなくてよい)
    6. 「親指の2つの輪を一緒に手前に1回転ひねる」を省略
    7. ダンスの舞台の終了処理
      1. 小指で、親指の向こうの2本の糸を掌に握りこむ(薬指を添えても良い)
      2. 親指で、人差し指の手前の糸を取り、親指の2本の糸をナバホ取り
        (外した2つの輪を覚えておく)
      3. 人差し指の輪を手前に半回転ひねって親指に移す
      4. ナバホ取りで外した2本の糸を人差し指で向こうから手前・上へ取る
      5. 親指を外す
      6. 人差し指と小指で押さえている2本の糸を外周として展開する

 このあやとり、整えるのがものすごく大変でした。でも整えてみると美しい見事な斜め格子状のパターンが現れました。嬉しくなってしまいました。

 おまけで、冒頭の人差し指の構えの直後に左右の人差し指の輪を交換するバージョンも作ってみました。

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 これは整えるのがさらに大変でしたが、想定通り中央の対称軸のところが交差から絡みに変わりました。



 100円ショップのセリエで、TRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)用の多面体さいころが売っていました。迷ったのですが多面体好きとしては見過ごすことができず買ってしまいました。

多面体さいころ

 これをこの値段(7個セットで税込110円)で販売するのはすごいなあと思います。これは成型品でしょうからコストは金型で決まるはずで、大量に生産すれば1個あたりの金型のコストは下がりますから、大量生産を前提とした価格なのだと思います。100円ショップならではの製品だと思いました。一方でさいころというのは全ての面が等確率で出現することが期待されます。100円ショップの製品は「安かろう悪かろう」ではないものがほとんどで企業努力にはとても頭が下がりますが、この多面体さいころも品質が良いといいなあと思いました。それにしてもこれ、そんなに売れるんでしょうか…


<おまけのひとこと>
 多面体さいころ、こんなに安価に購入できるなら学校の確率の授業の教材にしたらどうだろう? と思いました。例えば普通の6面体さいころ2つを同時に振って得られる合計の数字と、十二面体さいころ1つの出目とを比べると何が同じで何が違うでしょう、とか。(例えば何かすごろくのようなゲームをやるとき、6面体さいころ2個と十二面体さいころ1個だったらどっちが有利でしょうか? とか。)でも転がりやすくて止まりにくくて、ちゃんとさいころステージを用意しないと教室が大混乱になりそうですね。






11月8日(火) アンマンの椅子のタイリング(その2)、あやとり、他

 タイリングの話とあやとりの話、他です。



 昨日ご紹介した「アンマンの椅子」のタイリング、手作業で作った図があまりきれいではなかったので、CGで図を作ることにしました。まずは分割数を増やしてゆくCGを作ってみることにしました。

T3 T4



T5 T6

 タイルの境界線の太さは基本タイルの大きさに比例しているので、だんだん細くなってゆきます。

 これをもっと大きな画像でT16まで分割してみたものをアニメーションにしてみました。こちらです。(別窓で開きます。)

 これ、どんなふうにプログラミングしているかというと、それぞれのタイル Tn は必ず第3象限で同じ向きで座標軸に接するようにします。

T1 T4

 最初にT1とT2だけ定義しておいて、あとはこんな風に再帰的に定義してゆくことができます。

 こんなにシンプルにプログラムが書けて気分が良いです。



 上記のように Tn が定義できたので、こんな風に半平面にタイリングしてみました。

半平面のタイリング

 これもアニメーションにしてみました。こちらです。(別窓で開きます。) 非常に面白い非周期的タイリングだと思います。



 昨日お話したマット IIという作品、自分でも取ってみました。手順は省略します。最後の「ナウルの終了処理」(親指を二重ナバホ・小指を逆ナバホ→カロリン展開)は省略しています。ここで止めるほうが個人的には好みです。

sf221108-1(Jayne836)

 最初の「人差し指の構え」の直後に人差し指の輪だけひねるとどうなるかなと思ってやってみました。

hh221108-1

 あんまり面白くないな…



 おもちゃのびっくりチキンを真顔で演奏する動画に「最高」「大好き」の声 選曲はまさかのモーツァルト という記事で紹介されていたMozart - Queen of the Night on The Chicken | Vinheteiro | という動画がものすごく面白いのです。

 この動画を公開されているVinheteiro氏は音楽プロデューサー兼ピアニストだそうで、例えばこちらのTop 10 Most Difficult Piano Pieces(最も難しい10曲のピアノ作品)という動画を見ると、これらの有名曲を軽々と弾きこなしている様子がわかります。


<おまけのひとこと>
 地元の本屋さんに取り寄せをお願いしていた本が今日届いているはずです。図書館で借りて気に入った本なので、すでに手元にあるので急いではいませんが、受け取りに行かれるかな…






11月9日(水) Jaap Scherphuis氏のタイリングのページ、あやとり

 タイリングのサイトの話とあやとりの話です。



 今日はここに書く題材を準備していないことに今朝気が付きました。最近、タイリングについて調べている中でとても面白いサイトがあったのでそのご紹介をすることにしました。今日のメイントピックはこれだけです。

 こちらのTilings(Written by Jaap Scherphuis) というサイトです。

様々なタイリングパターン

 上記のような、凸多角形だけでなく様々なかたちのタイリングが紹介されています。Javaアプレットを使った生成ツールも公開されています。セキュリティの問題で、ブラウザからはJavaアプレットが実行できなくなってしまったと書かれています。私も昔Javaアプレットで様々なパズルを公開していたので気持ちはわかります。

 上記のページには凸多面体の様々なタイリングが紹介されていて、パラメータを変えたときに連続的に変化する様子がアニメーションで見られるようになっています。また、凸でない多面体については別にNon-convex Tilesというページがあって、これがまた見ていて面白いのです。

 それぞれの小さな画像をクリックすると大きなサイズで見ることができます。感動的です。この膨大な画像を準備する手間を考えると頭が下がります。



 「アムワンギヨ」の研究です。4本指の構えからやってみました。

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4本指のアムワンギヨ
  1. 4本指の構え
  2. 全ての指を向こうへ1回転ひねる
  3. 人差し指の輪を中指に移す
  4. 中指の2つの輪を人差し指に移す
  5. 人差し指が二重のアムワンギヨ

 想像通りです。4本指の構えから3本指の処理に移行するときに内側の2つの輪を1本の指に集めるというのは定石ですが、このあやとりのように各指の輪をひねる場合「ひねってから集める」「集めてからひねる」の2通りの手順が考えられます。この手順は可換ではありません(=順番を変えると出来上がりの結果が変わる)。

(つづく)



 昨夜は皆既月食でした。夕方の18時過ぎから欠け始め、20時くらいには完全に地球の影になりました。天候も良くとても観測しやすい時間帯でした。昨日は在宅勤務だったので、18時半くらいから居間のこたつに座ったまま、お酒を飲みながら月をずっと見ていました。こんな風にゆっくり観察できて幸せでした。


<おまけのひとこと>
 会社の福利厚生の一環として、クラウド型サンクスカードというのが導入される、という案内があったのですが、すっかり忘れていました。「まだ利用していない方は試してみて下さい」という催促を受けてサイトにアクセスしてみたら、1か月近く前にカードを受け取っていたということがわかりました。まずい…






11月10日(木) 正七角形ベースの等長菱形タイリング、あやとり

 タイリングの話とあやとりの話です。



 そういえば今年はまだ Bridges(数学・美術・音楽・建築・文化の架け橋をテーマとした国際会議) の2022年の論文をちゃんと見ていなかったなと思って見に行ってみました。今年の発表も面白いものがたくさんありました。

 今日はその中から1つだけ、Ptolemy, the Regular Heptagon, and Quasiperiodic Tilings(Peter Stampfli and Theo P. Schaad:Bridges 2022 pp.135-142) のご紹介です。

 この論文は、正七角形の対称性を活かした非周期的タイリングを提案しています。下の Figure.2 のような3種類の菱形(3種類のうち左右のものは菱形の一部分しか描かれていません)を準備します。

Figure 2 of above paper

 正七角形は円に内接しますから、正七角形の1辺に対する中心角は (2/7)π、円周角は π/7 です。上の図の3つの菱形の鋭角は、左から π/7、(2/7)π、(3/7)πです。それぞれの菱形の鈍角は、順に(6/7)π、(5/7)π、(4/7)πということになります。菱形の1辺の長さを同じにして、各頂点の回りの角の和が2πになるようにできればタイリングできます。

 圧巻なのが論文の6ページ目いっぱいに描かれたFigure.4 (下の図)です。

Figure 4 of above paper

 大変美しいと思います。各頂点の回りが(14/7)πになるように菱形が集められているというのがわかります。このパターンの理解を助けるため、同じ形の菱形でも場所によって異なる彩色になっているという工夫も素晴らしいです。



 昨日の段階でおそらく想像が付いたかと思うのですが、「アムワンギヨ」の研究、今日は5本指の構えからのものです。

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5本指のアムワンギヨ
  1. 5本指の構え
  2. 全ての指を向こうへ1回転ひねる
  3. 中指の輪を薬指に移す
  4. 人差し指の輪を薬指に移す
  5. 薬指の3つの輪を人差し指に移す
  6. 人差し指が三重のアムワンギヨ

 5本指の構え(ナウルの構え2)から5本すべての指の輪を向こうへ1回転ひねり、内側3本の指の輪をまずは薬指に順に集め、それを人差し指に戻します。最初から人差し指に集めると完成形が変わります。(アムワンギヨの冒頭で、親指の輪を人差し指の指先に移した後、小指の輪を人差し指の根元の輪を通して親指に移しますが、人差し指の輪が三重のアムワンギヨの場合、この「小指の輪を人差し指の根元の輪を通す」ときの人差し指の根元の輪の重なり具合が違うと出来あがりが変わるのです。)

 通常の「アムワンギヨ」「人差し指が二重のアムワンギヨ」「人差し指が三重のアムワンギヨ」は、「焼け焦げた葉のククイ」「小さな聖なる円」「聖なる円」の関係とよく似ています。

sf221101-1:アムワンギヨ 焼け焦げた葉のククイ
hh221109-1
4本指のアムワンギヨ
小さな聖なる円
hh221110-1
5本指のアムワンギヨ
聖なる円

 右側の写真は昨年3月29日にご紹介したものです。まだホワイトボードとマグネットによるあやとりの記録方法を取り入れる前だったので、三脚にカメラを立ててタイマー撮影していたころです。



 ついでにもう1つ、今日の「人差し指が三重のアムワンギヨ」(5本指の構えからのアムワンギヨ)に対して「アルタイル→アクエリアス処理」をしてみました。

hh221110-2

 要は左右の縦の二重の糸にかかる3つの輪のうち、上の輪を外周の上辺に、下の輪を外周の下辺に移動したものです。


<おまけのひとこと>
 今日の最後の画像、背景を白に飛ばす処理を失敗しています。すみませんやり直す時間がないのでこのまま公開します。






11月11日(金) 折り紙の箱、あやとり

 折り紙の箱の話とあやとりの話と昔の写真です。



 手元の長方形のメモ用紙で要らなくなったものをただ捨てるのはもったいないので、なんとなく小さな箱を折ってみたりしています。

写真 1

 この折り方、昔展開図を載せたのですが探してもみつかりません。図を作り直しました。

長方形の用紙から折り紙の箱

 この折り方で折った箱の写真は見つけたのですが…(こちら

 この箱は縦横比4:3の用紙から折るとちょうど立方体の箱になります。身の回りによくある1:√2の用紙だと、4:2.82…くらいなのでちょっと細長いです。今回使ったメモ用紙はさらに細長かったので、普通に折ると上の写真の左上のようにかなり細くて容量が小さな箱になってしまいました。そこでいろいろ折り方を変えてみました。薄皮付きピーナツを3粒ほど入れてみていますが、これは箱の大きさをイメージしやすいようにという目的です。

 この小さな箱たちは、食卓でちょっとしたごみ入れに使っています。薄皮付きピーナツは薄皮をむいて食べるのが好きなのですが、むいた薄皮を入れておくのに重宝しています。

 下の写真のように適当に重ねて置いておいて、1つずつ取って使っています。

写真 2



 あやとり、「アムワンギヨ」の研究はまだ続いているのですが、今日はちょっと別のものをご紹介します。

hh221111-1
  1. 「ひねりのないサンフィッシュ」
  2. CW90:パターンを時計回りに90度回転
  3. パターンを人差し指・中指に移す
  4. TTF拡張処理(2本指→4本指)
  5. 親指・小指の輪をつまんで外し、左右の人差し指と中指それぞれの 
    「結び目」パターンの中を通して元の指に掛け直す
    (このようなかたちになる)
  6. 親指の輪を、人差し指の輪の中からつまんで外し、親指に掛け直す
  7. 小指の輪を、中指の輪の中からつまんで外し、小指に掛け直す
  8. 焼け焦げた葉のククイの終了処理
    1. 親指・小指の内側の糸を、人差し指・中指の輪を通して取り合う
      人差し指向こうの糸と中指手前の糸を逆の手でつまみ上げて、その下を通して親指・小指の糸を取り合う
    2. 人差し指・中指の輪を外す

 これを普通のサンフィッシュから取ったのがこちらでした。

 この出来上がりを見て、以前ご紹介した、テントの幕から親指・小指を内側に1回転ひねってひねりを無くしたあやとりとそっくりだなあと思ったのです。

hh211017-1(再掲)

 よくよく見ると糸の交差の上下が違っていますが、これは「同じ」と見なせるあやとりだと思いました。



 このあやとりを見て、さらに思い出したことがありました。2007年5月にINAXギャラリー「世界あやとり紀行」を見学させていただいたことがあったのです。そのときの写真を少し大きなサイズで再掲したいと思います。

「世界あやとり紀行」写真 1

「世界あやとり紀行」写真 2

「世界あやとり紀行」写真 3

 この2番目の写真が「テントの幕」そのものなのですが、全体の大きさに対して紐が非常に細いため、親指・小指のひねりがほとんど効いていないのです。なので「ひねりを無くしたテントの幕」と同じに見えるのです。



 さらに「おまけ」です。このとき大阪からの帰りに乗ったのが500系の新幹線でした。実は500系に乗ったのはこのときが初めてだった気がします。

新大阪ホーム(2007.05.17) 500系新幹線車内(2007.05.17)

 あわてて撮っているのでひどい写真ですが、懐かしいです。


<おまけのひとこと>
 昔の写真を大きなサイズで載せ直す、というのも良いかもしれないなと思っています。でも、あやとりの系統的な整理をするほうが優先かな。






11月12日(土) ストリングアート手法による作画(その1)、あやとり

 ストリングアートの自動生成の話とあやとりの話です。



 Bridges 2022 に、A Greedy Algorithm for Generative String Art(Baptiste Demoussel, Caroline Larboulette, and Ravi Dattatreya : Bridges 2022, pp.63-70)という論文があったのです。この論文のリファレンスに載っていたartrapid.comというサイトでは、画像をアップロードすると、その画像に基づいてストリングアートを生成してくれるのです。これがものすごく面白くて、今朝から3〜4時間ほどすっかり遊んでしまいました。

 いろいろな画像を試してみたのですが、まずは人の顔が面白いかなと思いました。有名な「顔」から生成したストリングアート図案をいくつかご紹介します。

例 1:artrapid.comで生成 例 2:artrapid.comで生成

例 3:artrapid.comで生成 例 4:artrapid.comで生成

例 5:artrapid.comで生成

 使う糸の色を変えたり、本数を変えたりできます。デフォルトだと2,500本の糸が張られます。画像をクリックするとオリジナルのサイズ(700 x 700 pixel)の画像を表示します。そうすると1本1本の線がよく見えますが、逆に画像全体としては「顔」の印象が薄くなります。非常に面白いと思います。

 上記のサイトでは、こうしてデザインしたものを実際に作成してくれるというサービス(ビジネス)をしているようです。生成されたデザインから、実際に2,500本とかの糸を掛けてゆくのはとても大変な作業だと思います。どの程度自動化されているのか興味があります。

(つづく)



 日本語話者と英語話者の真理観の大きな違いが明らかに 〜真偽判断に道徳・政治的要因の影響を強く受ける日本人〜 というプレスリリースがありました。リンク先をご覧いただく前に、まずは以下の質問の答を考えてみて下さい。

説明文:
 
人の外見と知性の間には、まったく相関関係がないとします。花子は頭がよくて、美人です。
太郎は花子について、"彼女は美人だけど、頭がいい!"と言いました。
質問: 太郎が言ったことは真ですか?/本当ですか?

 質問は「真か?」と「本当か?」の2問あります。この2つの問いに差があるかどうかも含めて、ご自分の考えを決めてからリンク先を見ることをお勧めします。(学校の試験のように「正解」が決まっているわけではありません。)



 今日は時間がなくなってしまったので、今日のあやとりのご紹介は伝承作品を取ってみたものだけです。

sf221112-1
ガウラ

 この後、二本指の状態から二段ばしごの処理をしてみましたが、あんまり面白くなかったです。


<おまけのひとこと>
 ストリングアート、手元のいろいろな写真や画像で試してみました。明日、もう少しご紹介しようと思います。






11月13日(日) ストリングアート手法による作画(その2)、あやとり

 ストリングアートの自動生成の話とあやとりの話です。



 昨日ご紹介したartrapid.comというサイトで遊んだ結果をもう少しご紹介します。今日はネコの画像からのストリングアートです。マッピングが終わった後で、張られる糸の本数を指定できるのですが、その本数をだんだん増やしてみました。

600本(artrapid.comで生成) 1,000本(artrapid.comで生成)

1,600本(artrapid.comで生成) 2,400本(artrapid.comで生成)

4,000本(artrapid.comで生成)

 アニメーションファイルも作ってみました。こちらです。この絵が直線だけで描かれているというのが本当にすごいと思います。



 白地図でやったらどうだろう? と思ったのです。

→ 
北海道 artrapid.comで生成

→ 
長野県 artrapid.comで生成

 画像のサイズの関係で縮小したものを載せていますが、画像をクリックすると元の解像度の画像を表示します。そちらでみると、むしろデザインされた地図の輪郭はわかりにくくなるような気がします。ストリングアートの実物を作ったとすると、むしろ少し離れてみたほうが表現されている線画が認識されやすいのだと思います。



 一方、元画像は載せませんがこんな多面体の静物画っぽいものも作ってみました。

正十二面体:artrapid.comで生成

 これがそれらしく見えるというのは本当に面白いです。

(つづく)



 あやとりの話です。石野さんのサイトで紹介されているエオエン カダマというあやとりを取ってみたのです。最後の工程は「二本指の終了処理」(と私が呼んでいる手順)ですが、そこを省いて中央のパターンを作ってみました。

 どんなふうに整えるのが良いのだろうと思って試行錯誤してみたのです。手順としては全く同じで、整え方だけを変えてみました。

sf221113-1
エオエンカダマの試み1
sf221113-1
エオエンカダマの試み2

 どちらもきれいだと思いました。石野さんのサイトには国際あやとり協会の文献のリファレンスが掲載されていたので、見に行ってみました。意図されたデザインは下記のようなもののようでした。(仕上げの左右の部分はシンプルに変えています。)

sf221113-3
エオエンカダマの試み3

 なるほど、と思いました。この手順、なかなか面白いです。あやとりとしては「試み1」や「試み2」のように、自分の好みのかたちに整えても良いと思います。ただその場合、そのあやとりをオリジナルの名称で呼ぶのは誤解を招くと思いますが。



 リビングでこのページの更新作業をしながらNHKの日曜美術館の「よみがえる諏訪の仏たち」を横目で見ていたら、冒頭で諏訪東京理科大の三代沢正先生が登場してびっくりしました。大学に移られる前、15年前くらいの上司です。映像の中に、やはり昔一緒に仕事をしていたデザイナーの内堀法孝さんも映っていました。以前一緒に仕事をしたことがある方々がこうやって活躍されているのが嬉しいです。


<おまけのひとこと>
 いろいろ調べたりPCで試してみたりしていると、あっという間に数時間が過ぎています。お休みはありがたいです。






11月14日(月) ストリングアート手法による作画(その3)、あやとり

 ストリングアートの自動生成の話とあやとりの話です。



 artrapid.comというサイトで遊んでいます。実は同じサイトにトライアル版としてCMYK(test page)というページがあって、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色(カラープリンタのインクと同じです)でストリングアートを作成できる機能が試験公開されていました。そちらも試させてもらいました。

猫:カラー(artrapid.comで生成) モナリザ:カラー(artrapid.comで生成)

 カラー版は生成された画像そのものを近くで見ると単色版よりさらに粗い感じがあるため、小さく縮小しました。(クリックすると元のサイズの 700x700 pixel の画像を見ることができます。)カラー版は C,M,Y,K の4つの単色版のストリングアートが重ねられているのですが、上記のページでは4色それぞれの糸の本数を指定することができます。上の画像は手作業で少しいじってみた結果です。

 人の顔やネコの顔は、単色のほうがきれいかなと思いました。



 風景だったらどうだろうと思って、単色版とカラー版を作ってみました。手持ちの写真の中からストリングアートにしてみたくなる画像を探して試してみました。

二本の木 単色版(artrapid.comで生成) 4色版(artrapid.comで生成)

 自宅の前の道を挟んだ向かい側の2本の木です。2年ほど前の冬に撮った写真で、すっかり葉が落ちたところです。カラー版のストリングアート、ふしぎな雰囲気があります。

碓氷第三橋梁 単色版(artrapid.comで生成) 4色版(artrapid.comで生成)

 こちらも2年ほど前、確か3月初めころに撮った、廃線になった信越本線が碓氷峠を越える路線のレンガ積みの橋(通称「めがね橋」)の写真です。細部の表現はできない手法ですが、「これは何の絵でしょう?」と尋ねたら、アーチ橋だということくらいはわかるのではないでしょうか。

 こんなことをやっていたら、休日の半日くらいがあっという間に経ってしまいました。



 現物のストリングアート作品をどうやって作っているのかなと思って少し検索してみました。まず、手作業でやっている動画 I Wrote an Algorithm to Draw Portraits from Thread | Thread Art がありました。これは大変そうですが楽しそうです。

 また、専用の装置を作成した動画 String Art Machines がありました。素晴らしいです。

 さらに、産業用ロボットでやっている動画 The making of a Thread Portrait with Robots - String Art もありました。ピンの下穴を空けるところから自動化されていてすごいです。張力が掛かるので、円周の外側に傾けて下穴をあけているのが良いです。ピンを差し込むところは手作業なのですね。その後の糸を張ってゆくところの動き、テーブルを回転させずに律儀に全てのピンのところに移動しているのが良いです。このロボットのプログラム、見事だと思います。



 あやとりの話です。昨日エオエン カダマというあやとりをご紹介しました。

sf221113-3:エオエンカダマ

 このあやとりの手順とほとんど同じなのがナウルの妖精です。これも取り方が復元されたあやとり作品だそうです。

sf221114-1:ナウルの妖精

 こうしてみると、エオエンカダマの目的のかたちに納得感があります。全くの想像ですが、先に「ナウルの妖精」が作られ、その対称性を上げる工夫をした結果得られたのが「エオエンカダマ」なのかなあと思いました。対称性が高くていろいろな整え方ができるエオエンカダマの手順、開始処理として活用できそうだなと思いました。またパターンあやとりの世界が広がりそうです。


<おまけのひとこと>
 先週の火曜日に会社の偉い方から情報提供をメールで依頼され、すぐに「手元の資料はこちらですが、追加が必要でしたらご指示をお願いします」と御返事を書いたのです。折り返しのご連絡がなかったので必要ないのかなと思っていたら、金曜日の夕方に「こんな情報が欲しいのですが」という追加の依頼がありました。納期は11月14日 (月)のうちに、ということでした。もう少しはやくそのご希望を伺えたら良かったなあと思いました。偉い立場の方は処理すべき事柄が膨大で、こういうことがあるのはある意味当然だと理解はしています。今日はそのための準備をします。






11月15日(火) コッホ曲線の変形、あやとり

 フラクタル図形の話とあやとりの話です。



 The Kochawave curve, a variant of the Koch curve(Remy Sigrist:2022)「コッホ曲線とその変形」という論文があったのです。コッホ曲線というのはフラクタル図形として有名なもので、こんな図形です。

コッホ曲線

 これは、下の図のように線分AEを3等分して、中央の3分の1の部分を正三角形の2辺で置き換えるという手続き1つのステップとして、新たにできたA-B-C-D-E の4つの線分に対しても同じように3等分して中央を正三角形の2辺で置き換えるという手続きを再帰的に行ったものです。

コッホ曲線の生成規則

 上記の論文では、この1つの変換の手続きを下の図のように変えてみたらどうなるか、という提案です。

コッホ曲線の変形の生成規則

 その結果こんな変形コッホ曲線ができたそうです。

生成された変形コッホ曲線

 面白い図がいろいろ載っているので論文をご覧ください。



 今日のあやとりは試行錯誤の途中経過だけです。あんまり面白くないかもしれません。

hh221115-1
  1. 人差し指の構え
  2. 輪をひねらずに「アムワンギヨ」

hh221115-2
  1. 人差し指の構え
  2. 人差し指のみ向こうへ1回転ひねる
  3. 「アムワンギヨ」

hh221115-3
  1. 人差し指の構え
  2. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  3. 人差し指を向こうへ半回転ひねる
  4. 「アムワンギヨ」

 「なるほど、そうなるのか」という感じです。



 最近、ホットサンドメーカーにはまっています。ハムカツをはさんで焼いてみました。これは2回目くらいに作ったもので、やや焼きすぎています。

お昼を作って食べた

 キャベツのスープは妻が作ってくれてあったものをもらいました。


<おまけのひとこと>
 先週末に急遽依頼された仕事、昨日の午前中で報告を済ませました。少し気が楽になっていますが、今週はまだ大変な予定がいくつもあります。






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