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以前の「ひとこと」 : 2022年9月後半


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9月16日(金) もう1つの七角形と五角形のタイリング、あやとり

 9月も後半になりました。



 先週、こんな七角形と五角形のタイリングの塗り分けの話をしていました。

七角形と五角形のタイリング(A)

 これは、昔ご紹介した2種類のサイズの円による最密充填から作れるものだと後で気が付きました。

2種類の寸法の円の平面充填(A)

 ということは、別のタイプの「2種類の寸法の円の平面充填」からもタイリングパターンを作れるはずです。このパターン

2種類の寸法の円の平面充填(B)

 から、こんな多角形のタイリングパターンを作ってみました。

図 1

 これは、円の充填の図を利用させていただいて以下のように作図しています。隣接する円の共通接線を引きます。七角形は1種類しかないので、1つ作図できれば十分です。

図 2a 図 2b

 五角形のほうは、七角形を6つ並べておいて、その内側を120度で3等分するとできます。

図 3

 パターンの枠組みが作図できたので、さっそく塗り分けを試してみることにします。まずは素朴に七角形の部分だけを3色で塗り分けてみました。

図 4

 これだと5色必要になってしまいました。

図 5

 このパターンを4色で、全ての色の面積が同じになるように塗り分けるにはどうしたらいいでしょうか?

(つづく)



 テントの幕という素晴らしく美しい伝承あやとり作品があります。これは親指と小指に二重の輪がひねってかかった状態になっていて、強い張力をかけることでパターンが長方形になるのですが、これを手から外してマグネットボードに固定すると、四隅の二重のねじれた輪が強すぎて、ディスプレイとしてはなかなかきれいにまとまりません。そこで、ちょっとだけ工夫をしてみました。

hh220916-1 hh220916-2

 四隅の輪が二重ではなく一重になっているのがわかるかと思います。

 「テントの幕」は、人差し指の構えから左右の人差し指の輪をそれぞれの手の手首に落とし、親指と小指の内側の糸を取り合います。ここで親指と小指の輪が二重になりますが、よくある手順ですがこの状態で「親指を二重ナバホ、小指を逆ナバホ」して、親指と小指の輪を一重にします。あとは「テントの幕」の手順を継続すると上記のような仕上がりになります。

 上の右のものは同様な手順を大きいテントの幕に対して施したものです。飾るにはこのほうがかたちが整いやすいです。



 あやとり協会のあやとりトピックスの最新の記事が同じあやとり?というもので、たいへん興味深かったです。私も同じあやとり、似たあやとりというページを作ったりして、考察したことがあります。



 赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学 −寝た子を起こさずベッドに下ろすには?−というプレスリリースが理化学研究所のサイトにありました。こういう研究を真剣にやっているというのはとても素晴らしいと思うのです。


<おまけのひとこと>
 朝、シャワーを浴びた後、浴室の中の水滴を完全にふき取る、という習慣をもう10年くらい続けています。シャワーを浴びている時間と浴室の中を拭いている時間が同じくらい掛かっているような気がします。でもこれをやらないのはなんとなく気持ちが悪くてやめられなくなってしまいました。別にきれい好きなわけでもお掃除が特別好きなわけでもないし、整理整頓もどちらかというと苦手で、自分の部屋の中はいつも散らかっているのですが…






9月17日(土) 伝承あやとり、JR森宮野原駅、他

 三連休です。いつもと少し違う内容です。



 先日、9月4日に書きましたが「越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)」というところに行ったとき、帰りにJR森宮野原駅に寄りました。その時の写真をいくつか載せておきます。

 森宮野原駅はJR飯山線の駅で、最大積雪記録(7.85m)を示す標柱が立てられています。この駅は長野県の北端の栄村の中心地にある駅で、年間を通して人が住んでいて鉄道が走っているところでこれほどの積雪が観測されるのは世界でも類がないのだそうです。

 本来鉄道で訪れるべきで、車で訪問するのは申し訳ないのですが、一度はこの駅に降り立ってみたいと思いつつ、機会がありませんでした。せっかく駅の目の前を車で通ったので、立ち寄らせてもらうことにしました。線路のわきの駐車場から見たホームの写真です。

写真 1:森宮野原ホーム

 お目当ての積雪の標柱です。てっぺんの赤い線が7.85mの高さです。

写真 2:積雪の標柱

 喜んで標柱などを眺めていたら、踏切の警報機が鳴り始めました。列車が入ってくるようです。2時間に1本くらいしか走っていないので最初から列車を見るのは期待していなかったのですが(調べていなかった)、偶然の幸運に大喜びしました。

写真 3:上り列車が到着

 二人旅の女性があわてて線路を渡ってホームに向かっていました。そのうちのお一人がスマートフォンで到着する列車の写真を撮っていました。

 上り列車がホームに停車しました(写真4)。一両編成です。ほぼすべての窓に人がいるのが見えます。それなりの乗車率でほっとしました。

写真 4:上り列車が停車

 列車と積雪標柱を視野に入れるとこんな写真になりました(写真5)。

写真 5:駅名票と積雪標柱と上り列車

 まもなく下り列車もやってきました(写真6)。森宮野原駅では一日に数回、上り下りの列車の行き違いがあるようです。

写真 6:下り列車もやってきた

 下り列車は二両編成でした。

写真 7:下り列車は二両編成

 上り下りの列車を見送った後、駅舎を見学させていただきました。

写真 8:森宮野原駅舎

 時刻表の写真を撮ればよかったなあとか、駅前の消火栓(積雪対策で、とても高い位置に設置されている)の写真を撮ればよかったなあ、などと心残りがあります。今度こそ鉄道利用で来たいです。

 (栄村の消火栓の写真、こちらにありました。ページの上から8つ目くらいの写真です。画像へのリンクはこちら。)



 石野さんのあやとりしてみようで公開されている伝承あやとり作品を2つ取ってみました。「雲間の太陽」と「パロボラッチョ」です。幾何学的なパターンのあやとりが好きな私としては、とても心惹かれるあやとり作品です。

sf220917-1
雲間の太陽
sf220917-2
パロボラッチョ

 面白い手法のあやとりです。少しこの手法を研究してみたくなりました。(私の取り方、ひょっとしたら間違っているかもしれません。そうだったらごめんなさい。)



 昨日、お昼にちょっと車で近所に出かける用事があったのですが、帰宅して車を入れようとしたら、ギアが入らないのです。私の車はマニュアルトランスミッションではなくて、AGS(オートギアシフト)と呼ばれるクラッチペダルのない2ペダルマニュアルで、手動でギアを機械的に入れるのではなく、入れるギアを電気的に指令して、車がそれに従ってギアを入れてくれるシステムです。(私が車を買った時にはマニュアル車の設定はなかったのです。)

 車を停めてバックギアに入れたら、しばらくモーターがうなる音がして、インパネに黄色い歯車マークのエラー表示が出ました。ギア周りのエラーでしょう。ギアをニュートラルにして、Dレンジに入れ直してみたのですが、エラーは変わりません。ギアを指定できるマニュアルモードにしてみてもダメでした。そうこうするうちにお隣の方の車が来て(うちの前の道は狭いので行き違いができる場所が限られています)、私の車が邪魔になってしまいました。お隣の車は気を利かせて下がってくれました。道路が多少傾斜していたので、ニュートラルにしてブレーキを離すと車が前進してくれました。それでいったん退避場所に車を退避することができました。(その後で事情を説明しておわびしました。)

 一度エンジンを切って立ち上げ直したら、今度はちゃんとギアが入りました。でも、出先でこんなことになったら恐ろしいので、ディーラーに連絡をして症状を説明し、調べてほしいとお願いしました。幸い、昨日の夕方に車を持ってゆくことができました。

 解析用のPCを接続して調べてもらったら、どうやら速度センサーの異常らしいということでした。これから部品を取り寄せると来週になってしまうということで、今週末は車は預けて帰ってきました。(電子制御になると、メカ的には異常が無くてもこういうことになるのですよね。)代車は2日間は借りられるということで、代車を出してもらいました。

代車


<おまけのひとこと>
 この4月から診ていただいているかかりつけ医の先生が漢方薬がご専門なのですが、1か月半おきに新しい薬を試している状況です。今回また薬を替えてみましょうということになりました。できるだけ他の条件が変わらないように、忠実に服用するように心がけています。






9月18日(日) Felix Mindt-Paturi さんの創作あやとり、小宮祭

 あやとりの話と地区のお祭りの話です。



 石野さんのあやとりしてみようというサイトには、世界の素晴らしいあやとり作品が多数、全て取り方の説明付きで紹介されています。今朝の時点で598作品が紹介されていて、そろそろ600になります。恐るべき分量です。

 あやとりというのは再現芸術なので、音楽の演奏や舞踊に似ていると思うのです。ごく一部の才能がある天才は即興で素晴らしく演ずることができます。おそらく大部分の人はそんな才能には恵まれていないので、何度も練習して覚えます。それすらできない(私のような)記憶力が残念な人は、手順を記述したもの(音楽なら楽譜、あやとりなら取り方の手順書)を見て再現することになります。私は、子どものころに繰り返し取って手に覚えさせたほんの数種類のあやとりだけは何も見ないで取れますが、大人になって覚えたあやとり、例えば「四段ばしご」ですら(恥ずかしながら私、子どものころは知らなかったのです)すぐに忘れて取り方を確かめたりしています。仮にあやとり協会の「あやとり検定」を準備無しで受けたら不合格間違いなし、と思っています。

 今日は、あやとり協会のFelix Mindt-Paturi さんの創作あやとりを2つご紹介します。

sf220918-1
アルタイル
((c) 1988 Felix Mindt-Paturi)
sf220918-2
アクエリアス((c) 1988 Felix Mindt-Paturi)

 この手順、特に「アルタイル」から「アクエリアス」を取る手順は参考になりそうです。ちょっと試してみたくなりました。

(つづく)



 今日は地元の地区の「小宮祭」というお祭りがあります。長野県の諏訪地域にある諏訪大社では、6年ごとに「御柱祭」(おんばしらさい、みはしらまつり)と呼ばれる、昔から続くお祭りが春に行われています。地域の一大イベントで、会社の勤務カレンダーもこの年にはお祭りに合わせて変更になったりします。春のお祭りが終わると、今度は各地区の中小の神社で、同じ流儀で「小宮祭」が行われます。本宮のお祭りが終わった後、初夏のころからずっと準備をします。

 今は地区の行事からも縁遠くさせていただいてしまっていますが、我が家の子供たちが小さかったころは、地区の子供会やPTAの行事としても小宮祭は大切なイベントで、大変お世話になりました。3回前の2004年の小宮祭では、我が家の息子も曳行する御柱に乗らせてもらったりしました。(2004年9月27日のひとこと)。

 当時はサーバの容量が小さかったのと「個人情報」の観点を考えて、ごく小さな写真だけ載せておきました。今回、18年も前の写真なので、「デジタルリマスター」ということで、当時の写真を少し大きくして再掲載しておきたいと思います。

2004年9月の小宮祭(1) 2004年9月の小宮祭(2)

 朝から盛んに花火が鳴っています。台風が近づいてきていて、風が強くて雨が降りそうな心配な天気です。


<おまけのひとこと>
 修理に出している車、部品の手配が時間がかかりそうで、1週間近くかかってしまいそうという連絡がありました。来週の出勤はどうしようかな…






9月19日(月) モビール、あやとり、他

 雑貨屋さんで買ったモビールの話とあやとりの話、他です。



 先日、こんなモビールを買いました。椅子のかたちのデザインで、黒が3つ、赤が1つです。非常に軽いので、天井に鋲で止めています。

写真 1:モビール 写真 2:モビール

 部屋の中に誰もいないと空気の動きがほとんどないのでじっと止まっていますが、近くに眺めに行くと人間の身体の動きなどでわずかな空気の動きが生まれて、ゆっくりと回転を始めます。壁にうつる影がまた美しいのです(写真2)。

 先月、贔屓にしている雑貨屋さんに行ったとき、こんなパッケージを見たのです(写真3)。かわいそうに売れ残ってしまったみたいで、元の値段が4,200円(税別)だったのが半額になっていました。このシリーズのモビール、昔から気になっていたのでこの機会に買うことにしたのでした。

写真 3:パッケージ 写真 4:開けてみた

 買って帰ってパッケージを開けてみました(写真4)。4つの椅子は丈夫な紙でできていて、四角柱の構造になっていて、たたまれています。これを自分で立体的に形を整える必要があります。パッケージングも工夫されていて、かさばらず傷めず、取り出したときに糸が絡まってしまわないようにうまく配置されています。再びこの箱に納める機会があるかどうかわかりませんが、うまく箱に戻すのは難しそうです。

 このモビール、数年前に作り付けの棚を拵えて過去に作った多面体模型や本を詰め込んである書斎スペースに吊るしてあります。ときどき行って眺めています。これが入手できて幸せです。



 昨日ご紹介した Felix Mindt-Paturi さんの創作あやとりのテクニック、「アルタイル」から「アクエリアス」に変換する手順を試してみることにしました。

 この処理を適用できる状態は限定されています。5本指の状態(親指から小指までの5本の指すべてにそれぞれ輪が掛かっている状態)から「焼け焦げた葉のククイの終了処理」(=内側3本の輪を通して親指・小指の内側の糸を取り合い、内側3本の輪を外す)を行ったところが起点となります。

 この起点を一番簡単に作るには…と思って、「聖なる円」から始めてみることにしました。

sf220919-1聖なる円 hh220919-1
「アルタイル→アクエリアスの処理」を追加

 上の左の写真、「聖なる円」の完成形の中に、少し大きな丸い磁石が左右に2つずつ貼ってあります。「聖なる円」は親指と小指でパターンを張っていますが、その状態から写真のマグネットの位置に人差し指・中指を入れて親指・小指を外し、その後人差し指と中指の位置に改めて親指・小指を入れ直して展開すると右の写真のようになります。これが「アルタイル→アクエリアス処理」をした結果です。(今右の写真を見たら、中央左上のループだけ「捩れ」があります。これは単に整え方を間違えただけです。直す時間がないのでそのまま載せますが、不注意でした。)

 この処理が適用できるあやとりはそれほど多くないですが、いくつか試してみることにしました。

(つづく)



 家の前の小さな花壇に植えたアサガオが元気です。先月、もう夏も終わり…みたいなことを書きましたが、今年は暑かったせいか、むしろ少し涼しくなってきてアサガオがますます元気になってきました。

アサガオ(1)

 青いアサガオ、「ヘブンリーブルー」という西洋アサガオのようです。

アサガオ(2)

 まだつぼみがたくさんあって、これからも咲きそうです。

アサガオ(3)

 アサガオと言えば、先日朝顔の種を庭に600個植えた話というweb日記を読みました。ひょっとしてうちの花壇も来年以降、放っておいても勝手にアサガオが育つかもしれないなあと思いました。



 雑誌数学セミナー(日本評論社)の2022年10月号(通巻732号)の冒頭のコラムに、「無人島へ1冊持って行くなら平均律……阿原一志」という記事がありました。阿原先生はバッハの平均律の第1巻を全曲録音して公開されていらしたな、と思いました。私も平均律は特に好きなので、読んでいていろいろ共感しました。誰の演奏がお勧めかと問われるとグールドと答えるようにしているけれど、実際は自分で弾くのが一番好き、というところなど大変共感します。私ならグールドではなくリヒテル(リンクはYouTubeのリヒテル演奏のバッハの平均律2巻全曲です)を推しますが。

 平均律の動画を見ていたら、グルダのバッハ「平均律クラヴィール曲集」からという動画がありました。電子楽器のオルガンの音色で奏でられる第2巻16番(ト短調)、続けて有名な第1巻1番(ハ長調)をピアノで演奏しています。楽器の音色と曲(順番も含めて)の選択が素晴らしいです。



 デイリーポータルZのセロハンや金網の折り紙を見せたら子どもに尊敬されたという記事が良かったです。


<おまけのひとこと>
 台風、心配です。どうか大きな被害がありませんように、と思います。






9月20日(火) フーガのテーマ、あやとり、他

 すみません今日も軽い話題です。



 バッハの平均律クラヴィーア曲集の話の関連で、お休み中に読んだ本の中に、平均律1巻の最後の24番のロ短調のフーガのテーマが音階の全ての12の音を使っている、という記述があって興味を惹かれました。そういう発想をしたことがありませんでした。楽譜を見て確かめてみました。

バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻 第24番 ロ短調のフーガのテーマ

 (この図を作ってみたかったのでした。)

 そういえば昔、CDやレコードなどの音源で使われている鍵盤楽器の音律を調べるときにこの曲の冒頭のテーマの各音符の振動数を分析すると良い、という話をどこかで読んだことがあった気がしました。12音全部がそれぞれ和音ではなく単音で鳴っているので(最後の二分音符はトリルになってしまいますが)、分析しやすい、ということでした。その時にはこのテーマが「12音すべてを使っている(しかも音の長さも同じ)」というところはあまり気にならなかったのでした。



 昨日の「アルタイル→アクエリアス処理」ですが、昨年ご紹介した「アンドロメダ」に似たあやとり

hh210516-1:アンドロメダに似たあやとり

 に適用してみました。

hh220920-1
  1. エガラウィナゴ(人差し指・薬指を外す前まで)
    1. 5本指の構え(ナウルの構え2)
    2. 「ナウルの太陽」のような処理
      1. 親指で薬指手前の糸を取る
      2. 中指で親指向こうの糸を取り、親指を外す
      3. 親指を下から人差し指の輪の中に入れ、人差し指の向こうの糸を親指の腹で下に押し下げ、 
        その他の全ての糸の下を通って小指の向こうの糸を下から取って戻す
      4. 小指の輪を外す
      5. 中指の上の輪を向こうへ半回転ひねって小指に移す
  2. 人差し指・薬指の輪を向こうへ半回転ひねる(ねじれを解消する)
  3. 焼け焦げた葉のククイの終了処理
    1. 5本指全ての輪を向こうへ1回転ひねる
    2. 親指・小指の内側の糸を、内側三本指の輪の中を通して取り合う
    3. 内側三本指の輪を外す
  4. アルタイル→アクエリアスの処理
    1. 前の手順で人差し指・中指・薬指から外した3つの輪を分ける位置で、
      掌の2本の糸を人差し指と中指で握る
    2. 親指・小指を外す
    3. 人差し指の位置に親指を下から入れ、同時に中指の位置に小指を下から入れ、
      人差し指と中指を外す
    4. 親指と小指で展開し、かたちを整える

 これ、なかなか気に入ったのでそのまま飾ってあります。



 妻が浴室の水滴をふき取るため、吸水性が高いスポンジを買ってきたのです。素晴らしい企業努力の製品だと感心しました。ただ、私が使ってみたらいまひとつ使い勝手が良くなかったので「私は使わないかな」と言ったら、「じゃあ家の中の2か所で使いたいから半分に切ってくれる?」と言われたので、2つに切りました。

 外側は乾燥するとかなり固くなります。もともとの(切断する前の)スポンジは200mlの水分を含むことができるのだそうです。切ってみたら、内側は柔らかい感じでした。


<おまけのひとこと>
 浴室内の水分をふき取りたい場所は、必ずしも平面だけとは限らないのですが、そういうところは普通のタオルのほうがやっぱり使い勝手が良いのです。使い分ければいいのですが、結局手間が余分にかかる気がします。せっかくの新製品、うまく使いこなせなくてごめんなさい、という気分です。






9月21日(水) あやとり、封筒から箱

 2つの三連休の谷間なのですが、妙に仕事が忙しいです。すみません今日も軽い話題です。



 最近取った中でも特に気に入ったあやとりができたのです。このところご紹介している「アルタイル→アクエリアスの処理」の1つです。現代創作あやとりの作品の中でも特に好きなケルトのタペストリーからの派生です。

"Celtic Tapestry" by Joseph Ornstein

 「ケルトのタペストリー」は上の写真の状態のまま、今でも壁に飾ってあります。当時はとても複雑なあやとり作品に見えたのですが、今見ると必ずしも複雑だという印象は持たなくなりました。でもやっぱりバランスの良い作品だなあと思いますし、普通に取って両手の間できれいにかたちが整いやすいという点も価値が高いあやとり作品だと思います。

 さて、この「ケルトのタペストリー」を応用したあやとり、こんな手順でこんな出来上がりになりました。

hh220921-1
  1. ケルトのタペストリーの途中まで(内側3本指の輪の交換まで)
    1. 5本指の構え(ナウルの構え2)
    2. ケルトのタペストリーの輪の交換手順(略説明)
      1. 薬指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、親指に移す(上の輪にする)
      2. 人差し指の輪を薬指に移す
      3. 親指の上の輪をつまんで外し、中指の輪に上から入れ、人差し指にかける 
  2. 中指を向こうへ1回転ひねる
  3. 焼け焦げた葉のククイの終了処理
    1. 親指・小指を外側に1回転ひねる
    2. 親指・小指の内側の糸を、内側三本指の輪の中を通して取り合う
    3. 内側三本指の輪を外す
  4. アルタイル→アクエリアスの処理
    1. 前の手順で人差し指・中指・薬指から外した3つの輪を分ける位置で、
      掌の2本の糸を人差し指と中指で握る
    2. 親指・小指を外す
    3. 人差し指の位置に親指を下から入れ、同時に中指の位置に小指を下から入れ、
      人差し指と中指を外す
    4. 親指と小指で展開し、かたちを整える

 これ、本当にきれいだと思うのです。ちなみにこの写真で使ったあやとり紐は新色で、先日買ってきたものです。まだ「曲げ癖」が残っているところがあって、かたちを整えるのに若干苦労しました。



 ビジネス向けの雑誌を出している出版社から定期購読を勧めるダイレクトメールが来ました。なんで自宅の住所を知っているんだろう? と思いつつ、裏が白くてメモ書きできる紙や丈夫で折り紙や工作に使えそうな紙は取り分けて、あとは処分させてもらいました。中に、定期購読申込みの返送用の横長の封筒が入っていました。「横長かぁ…箱にしにくいな」と思いながらこんな風に折ってみました。のりもはさみもセロテープも定規も何も使わず、適当に折っています。それでも意外と安定するものです。

 封筒のふたの部分が意外な効果を発揮してくれて、おもしろいかたちの箱になりました。卓上の使い捨てのごみ入れにしようと思います。(「使い捨て」とか言いつつ、かたちや大きさや使い勝手が気に入ると、底の面に厚紙を敷いて補強したりして、汚れがひどくなるまで使い続けたりすることもあります。)


<おまけのひとこと>
 今日は午前午後と大事な会議があるのですが、まだ準備が終わっていません。急がないと。






9月22日(木) あやとり、加古里子の絵本

 あやとりの話と絵本の話です。



 5本指の構えからはじめるあやとりで気に入っているものに、内側3本指でガイアナの星を作るパターンがあります。

hh210608-1

 このあやとりにちょっとだけ手を加えて、「アルタイル→アクエリアスの処理」を適用してみました。

hh220922-1a hh220922-1b
  1. 5本指の構え(の直前の中指を取り合う前まで)
  2. 内側3本指で「ガイアナの星」(中指は外さない)
  3. 中指を向こうへ1回転ひねる
  4. 焼け焦げた葉のククイの終了処理
    1. 親指・小指を外側に1回転ひねる
    2. 親指・小指の内側の糸を、内側三本指の輪の中を通して取り合う
    3. 内側三本指の輪を外す
  5. アルタイル→アクエリアスの処理
    1. 前の手順で人差し指・中指・薬指から外した3つの輪を分ける位置で、
      掌の2本の糸を人差し指と中指で握る
    2. 親指・小指を外す
    3. 人差し指の位置に親指を下から入れ、同時に中指の位置に小指を下から入れ、
      人差し指と中指を外す
    4. 親指と小指で展開し、かたちを整える

 完成写真は2枚ありますが、左がゆるく取ったもの、右がそれを引き絞ったものです。左のほうがいいかな。

 ちなみに今日の写真のあやとり紐も先日買ってきた新色です。「紺」なはずなのですが写真はグレーに見えます。



 気に入ったあやとりはこんな風に自分の部屋に飾ってあります。

あやとりを飾る

 今日のものは右上です。この写真だと紺に見える気がします。飾ってあるあやとりは徐々に入れ替わってゆきます。飾ってあるあやとり紐は飾ってある間は使えないので、新しい紐が欲しくなるのです。愛用しているのは1本130円の長さ3mのアクリルの紐です。染料の影響なのか、色によって摩擦などの物理特性が違う気がします。

 上の写真の4つのあやとりのうち、左下のものだけは2.4mの紐を輪にして使っていますが、それ以外の3つは3mの紐です。複雑なものは長い紐でないと作りにくくて仕上がりもきれいになりませんし、単純なものは長い紐だと出来上がりが大きく横長になりすぎてバランスが悪いのです。適切な長さの紐を使うことも大事です。



 先日、福音館書店の「かがくのとも絵本」シリーズのあなたのいえ わたしのいえ (加古里子:1969年6月1日「かがくのとも」発行)を店頭で見かけて、つい買ってしまいました。

「あなたのいえ わたしのいえ」(加古里子)

 この絵本、とても好きだったのですが持っていませんでした。最初は月刊絵本「かがくのとも」の1冊として1969年に発行され、1972年に「かがくのとも傑作集」に取り上げられたようです。月刊絵本のときは中綴じのペラペラなつくりでしたが、「傑作集」になったところで立派な厚い表紙がついて背表紙もある平綴じになったのだと思います。私が買ったのは 2021年12月20日の第43刷のものです。たいへん長寿な絵本で、作者の加古里子さんが2018年に亡くなった後にも版を重ねているところが素晴らしいです。

 最後のページに作者のこんなあとがきが書かれています。

家の造りを屋根、壁、出入口、床、窓の順に並べたこの本をみて、専門の建築家はきっと笑われるでしょう。しかし、まだ戦災の名残が残っていた当時、浴室、台所、トイレのない寄宿舎などに住む人が大勢いたのです。そうした所の子に「自分が住んでいる所も立派な家だ」と思ってもらえるように描いたのが、上に述べた5つの要素となりました。その後…(後略)

 このあとがきでは2011年3月11日の東日本大震災のことにも触れられているので、それ以降に書かれたあとがきなのだと思います。昔この絵本を読んだ時、なぜ台所やお風呂などの話が屋根や壁と同様に書かれていないのだろう?と思ったのですが、こんな理由があったのだと初めて知りました。

 上の福音館書店のリンクの「みんなの感想」の冒頭に、子供のころに何度もこの絵本を読んだという建築士の資格をお持ちで家に関わる仕事をされている方のコメントがありました。この絵本、専門の建築家だって笑ったりなんかしないだろうな、と思いました。


<おまけのひとこと>
 連休の谷間なのですが、リモート会議、それも外部との会議が多くて充実しています。






9月23日(金) 3次元閉曲線の凸包が内包する球、あやとり、他

 三次元の幾何の話とあやとりの手法の話、他です。



 先日途中まで読んだ本にザルガラーという数学者が登場したのですが、ザルガラーの予想(?)に関係したShortest closed curve to contain a sphere in its convex hull(Mohammad Ghomi, James Wenk:2022) という論文がつい最近公開されたのを見かけました。3次元空間の閉曲線を考えて、その閉曲線を含む凸包に注目します。集合X(この場合だと閉曲線を構成するすべての点の集まりのことです)の凸包というのは、上記の論文の冒頭にも書いてありますが「その集合を含む半空間(3次元空間を平面で2つに切り分けたときのどちらか片方)全ての共通部分」です。3次元閉曲線の凸包が単位球(半径1の球)を含むという条件を満たすような閉曲線を考えたとき、その閉曲線の中で長さが最も短いものはどんなかたちか? というのが議論の対象です。

 論文の冒頭に、条件を満たす閉曲線は少なくとも長さが4π必要であるということが書かれています。論文の最初の図(Figure.1)を引用します。

Figure.1 of above paper.

 半径1の球をぴったり含む1辺の長さが2の立方体を考えて、その立方体の4つの面にそれぞれ1つずつ、半円の円弧を配置した閉曲線が描かれています。この立方体がこの閉曲線の凸包ではなく、凸包は半径1で高さが2の円柱を二等分して、片方を90度回転させたかたちになります。

 この閉曲線は円周の半分が4個分なので円周2つ分で長さが4πなのは明らかだと思いますし、この凸包に半径1の球がぴったり入ることも明らかだと思います。この曲線のことを baseball curve(ベースボールカーブ:野球ボール曲線)と呼ぶみたいです。確かに野球のボールの縫い目はこういう構造をしています。



 上記の論文が引用しているザルガラーの論文がこちらにあったのです。無料でpdfがダウンロードできました。ところがこれがロシア語で書かれているようで、私には読めませんでした。図だけ眺めてみました。図4、これは正四面体の面を巡る閉曲線でしょうか。

Figure.4 of above paper.

 図7、これはベースボールカーブでしょうか。

Figure.7 of above paper.

 この論文が英訳されたものもあるようなのですが、それは無償では閲覧できませんでした。



 ここ数日試している「アルタイル→アクエリアスの処理」ですが、これは5本指の状態から「焼け焦げた葉のククイ」の処理をして、人差し指・薬指の輪を上下に移すという手順でした。同じことを4本指の状態で試したらどうなるだろう? と思ってやってみました。

 まずは先日もご紹介した、5本指の例として一番基本かなあと思う聖なる円(親指の二重ナバホ、小指の逆ナバホの前まで)と、それに「アルタイル→アクエリアス処理」を施したものです。(先日とは違う写真です。)

聖なる円 アルタイル→アクエリアス処理

 同じことを4本指の構えから始めてみました。内側の輪は2つしかないので、それぞれを上下に振り分けます。

小さな聖なる円 4本指のアルタイル→アクエリアス処理

 これはもう少し短い糸で取ったほうがかたちが決まりやすいかも、と思って取り直しました。

hh220923-1

 さらに、この系列の基本である焼け焦げた葉のククイです。(出来上がりの対称性を意識して、右と左の人差し指の輪をひねる方向を逆にしています。)これはそもそも内側の輪が1つしかないので、この例では左は下へ、右は上へ移動しています。

焼け焦げた葉のククイ hh220923-2
3本指のアルタイル→アクエリアス処理

 これはまあやりすぎです。

 4本指になると、仕上がりがさらに不安定になります。技の1つとして知っていても良いかも、くらいです。



 お休みなのでもう1つトピックを。こんな記事を見かけました。

 安全な車社会に自動運転車の「目」が貢献 〜「目」を持つ自動運転車で交通事故リスクの低減を目指す〜

 今後、路上に自動運転車が増えてきたとき、歩行者や自転車などから見て、自動運転車がこれからどのような挙動を示すのかがわかりにくいのではないか、というところを問題意識として、「自動運転車の意図(これからどう動こうとしているのか)を周囲の人間がわかりやすくするにはどうしたらよいか」ということを考えた結果、「自動車に目玉をつけてそれを動かそう!」という手段を考えて、実際に作って実験してみた、という研究です。

自動運転車の目(1)

 こんな、カートゥーンアニメの車みたいな目玉を付けて、それがモーターで動くのだそうです。

自動運転車の目(2)

 なんだかかわいくて可笑しいです。

自動運転車の目(3)

 こんな実験の写真を見ると、確かに「これから右に曲がるよー」という雰囲気を感じて微笑ましいです。

 確かに効果はありそうだなと思いますし、真剣にこういう研究をやっているのは素晴らしいと思います。また、本来「車の行き先を示す手段」としてウィンカーがありますが、上手に活用すればウィンカーよりも表現力は豊かかなあとも思います。一方でウィンカーと違って後ろからは見えませんし(併用するのでしょうか)、これで「交通事故低減」と言われると、ちょっと違うのではという気もします。

 車が賢くなっていったとき、「自分の動きや意図を表出しているからそれを理解して避けてね」という使い方であってはいけないと思うのです。あくまでも「危険な可能性があったら減速する、止まる」ことは必須であり、安全を実現する責任は車側に無ければならないと思います。その上で、(安全を実現するためにやむを得ず)減速や回避や停止をする頻度を下げるために、このような「意図の表出」を活用することはとても良いと思います。

 もちろんそんなことは十分承知の上で研究されていると思いますが。

 検索してみたら、この内容を紹介している記事がありました(こちら)。


<おまけのひとこと>
 すみませんいろいろ書いたり写真を撮り直したり説明用のCGを作ったりしていたらおそくなってしまいました。






9月24日(土)France is Bacon、あやとり、他

 週末なので今日も軽い話題です。(最近軽い話題が多いです。)



 Knowledge is Power. France is Bacon.という記事があったのです(英語です)。

 子どものころに間違って理解していた言葉という話題で、 When I was young my father said to me: “Knowledge is power, Francis Bacon.” I understood it as “Knowledge is power, France is bacon.” (子供のころ、父から「知は力なり フランシス・ベーコン」という言葉を聞いたのです。私はそれを「知は力なり、フランスはベーコンなり。」だと思い込みました。)というエピソードが語られています。その後に続く話がおもしろいのです。誰かが「知は力なり。」と言った言葉に続けて著者が「フランスはベーコンなり(France is Bacon.)」と言っても、みんな重々しくうなずくだけで特に変なことを言ったという反応はなかった、とか、先生に「知は力なり、フランスはベーコンなり。(“Knowledge is power, France is bacon.”)」の意味を尋ねたら、前半の「知は力なり」の部分はたっぷり時間をかけて説明してくれたのに後半には言及がなく、その説明の後で「フランスはベーコンなり?(France is Bacon?)」と重ねて先生に問いかけても、単に Yes. という答が返ってきただけだった、とか、本当に可笑しいです。

 最後に“the penny dropped.” という表現が出てきます。これは「腑に落ちた」みたいな慣用句なのだと思います。google翻訳では「ペニーが落ちた」という、そのままの訳でした。そのすぐ後の “mondegreen” という単語や、“go down a rabbit hole” (ウサギの穴に落ちる)という表現、これも知りませんでした。mondegreen は聞き間違いによる誤解、特に歌の歌詞の聞き間違いを指す言葉のようです。日本語だと「空耳」でしょうか。

 こういう、内容が可笑しくて英語としても比較的易しい文章は、高校生くらいの英文解釈の教材に良さそうだなと思いました。



 昨日の4本指の「アルタイル→アクエリアス処理」を、以前から気に入っている「内側3本指でガイアナの星」に適用してみました。

内側3本指でガイアナの星→焼け焦げた葉のククイの終了処理

 上のものは昨年4月後半に載せた写真ですが、今見ると仕上げの整え方が雑です。まあそれはともかく…

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 こんな感じになりました。



 メスのうなぎというパプアニューギニアのあやとりを取ってみました。石野さんのサイトでは難易度は☆1つでいちばんやさしいグループですが、意外と戸惑ったので、自分なりの取り方のメモを載せておきます。

メスのうなぎ
  1. 人差し指の構え
  2. 親指で、人差し指手前の糸を上から押える
  3. 人差し指で、親指の手前の糸を上から向こうへひねって取る
    (もともと人差し指にかかっていた輪は自然に外れる)
  4. 親指で小指向こうの糸を取る
  5. 小指で小指向こうの糸を押さえる
  6. 中指を小指の輪の中に入れ、親指手前の糸を押さえ、小指の糸を外す 
    (中指と薬指で親指手前の水平な糸を向こうへ持ってゆく感じ)
  7. 小指で中指向こうの糸を取り、中指の糸を外す
    (向こうへ持って行った糸を改めて小指に移す感じ)
  8. (ここで意表をついて)親指を外す

 きれいな六角形ができるパターンで、これも何か装飾ができないかなと思っています。(まだ満足できる例が見つかっていません。)



 あやとり協会の吉田さんから「アルタイル→アクエリアス処理」をやってみました、という写真を2ついただきました。ありがとうございます。また「テントの幕の額を一重にするところは、小さなアムワンギヨの最後の処理と同じですね。」というコメントもいただきました。その通りです。コメントをいただけるととても励みになります。ありがとうございます。


<おまけのひとこと>
 週明けの水曜日に出張報告会を企画しているのですが、その宣伝を大々的に社内にやりすぎて、リモート聴講の出席の返信がたくさん来ていて、ちょっと準備にプレッシャーを感じています。まだ何もしていません。結局準備は明日、かな…






9月25日(日)ブリダンの橋(ビュリダンの橋)、あやとり、他

 三連休も今日で終わりです。更新、午後になってしまいました。



 Truth and Falsity in Buridan's Bridge(Paul Egre:2022)という論文を見かけたのです。“Buridan's Bridge”(ビュリダンの橋)って何だろう? と思いました。論文自体は記号論理の式が出てきていて、パラドックスに関する内容のようでした。

 調べてみると、Buridan's bridgeという英語のWikipediaのページがありました。ビュリダンの橋というのはこんなパラドックスなのだそうです。(上の論文の中にも全文が引用されています。)

ソクラテスは川を渡ろうとして、プラトンに守られた橋にやって来ます。
二人は次のように話します:
プラトン:「ソクラテスよ、あなたが最初に話した命題であなたが真実を話すなら、私はあなたが渡ることを許しましょう。しかし、もしあなたが真実ではない命題を話したら、私はあなたを確実に水に投げ込みます。」
ソクラテス:「あなたは私を水に投げ込むでしょう。」

 「プラトンがソクラテスを水に投げ込む」が真実だとしたら、ソクラテスは真実を話したのですから橋を無事通ることが許されなければなりません。しかしその場合、「水に投げ込む」は真実ではないことになります。真実ではないのだから、水に投げ込まれることは無いはずです。一方、「プラトンがソクラテスを水に投げ込む」が真実ではないとしたら、ソクラテスは真実ではない命題を放したのですから水に投げ込まれなければなりません。ところが「水に投げ込む」が真実ではないなら、水に投げ込まれることは起こらないはずです。

 このパラドックスは知らなかったのですが、ビュリダンは、(このパラドックスは)ソクラテスが話した命題がその時点では真か偽かを決められない第3の状態である、という解釈をすることでパラドックスを回避できる(解決できる)と論じているそうです。

 ちなみに「ビュリダンの橋」でgoogle検索してみると、「ビュリダンのロバ」というエピソードがたくさん出てきます。これはこれで面白いです。



 昨日のメスのうなぎというあやとりからの装飾処理、平凡ですがこんなものを取ってみました。

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  1. メスのうなぎ
    1. 人差し指の構え
    2. 親指で、人差し指手前の糸を上から押える
    3. 人差し指で、親指の手前の糸を上から向こうへひねって取る
      (もともと人差し指にかかっていた輪は自然に外れる)
    4. 親指で小指向こうの糸を取る
    5. 小指で小指向こうの糸を押さえる
    6. 中指を小指の輪の中に入れ、親指手前の糸を押さえ、小指の糸を外す 
      (中指と薬指で親指手前の水平な糸を向こうへ持ってゆく感じ)
    7. 小指で中指向こうの糸を取り、中指の糸を外す
      (向こうへ持って行った糸を改めて小指に移す感じ)
    8. (ここで意表をついて)親指を外す
  2. パターンを人差し指と薬指に移す
  3. TTF拡張処理(2本指→4本指拡張)
    1. 以下を同時に行う
      • 薬指の向こうを結ぶ水平な糸の中央付近を右小指で上から手前・下・向こうへとひねって取る
      • 人差し指の手前を結ぶ水平な糸の中央付近を右親指で上から向こう・下・手前へとひねって取る 
    2. 左小指で右小指の小さな輪の向こうの糸を下から取る
    3. 左親指で右親指の小さな輪の手前の糸を下から取る
  4. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  5. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
    (すみません説明は省略です)

 うーん、あんまり面白くないな…



 昨日はお彼岸でお墓参りに行きました。こんなナンバープレートを見てちょっと驚きました。(ひらがなの部分と大きな4桁の番号のところは消しました。)

アルファベットを含むナンバープレート

 調べてみると、【くるま問答】えっ! ナンバープレートに、アルファベットが入っているのはなぜ?とか「アルファベット入りナンバープレート」増加中 どんな意味がある?などの解説記事がありました。ずいぶん前からあるのですね。知りませんでした。


<おまけのひとこと>
 三連休も残り半日弱になりました。休み中にやらなければいけないと思っていたことがほぼ手つかずです。憂鬱…






9月26日(月) テーブルセンター、あやとり、他

 雑貨の話とあやとりの話です。



 雑貨屋さんでこんなテーブルセンターを買ってきました。

図 1:テーブルセンター

 麻の葉の模様が美しいです。同じお店で先月かったランダムな凸多面体のデザインの花瓶を真ん中に載せてみました。

図 2:花瓶

 いろいろ組み合わせてみたいです。

 こういう雑貨を店頭で現物を見て選べるというのはありがたいことだと思っているので、応援としての購買行動をしています。



 昨日のメスのうなぎというあやとりからの装飾処理、「焼け焦げた葉のククイの終了処理」バージョンです。

hh220926-1
  1. メスのうなぎ
    1. 人差し指の構え
    2. 親指で、人差し指手前の糸を上から押える
    3. 人差し指で、親指の手前の糸を上から向こうへひねって取る
      (もともと人差し指にかかっていた輪は自然に外れる)
    4. 親指で小指向こうの糸を取る
    5. 小指で小指向こうの糸を押さえる
    6. 中指を小指の輪の中に入れ、親指手前の糸を押さえ、小指の糸を外す 
      (中指と薬指で親指手前の水平な糸を向こうへ持ってゆく感じ)
    7. 小指で中指向こうの糸を取り、中指の糸を外す
      (向こうへ持って行った糸を改めて小指に移す感じ)
    8. (ここで意表をついて)親指を外す
  2. パターンを人差し指と薬指に移す
  3. TTF拡張処理(2本指→4本指拡張)
    1. 以下を同時に行う
      • 薬指の向こうを結ぶ水平な糸の中央付近を右小指で上から手前・下・向こうへとひねって取る
      • 人差し指の手前を結ぶ水平な糸の中央付近を右親指で上から向こう・下・手前へとひねって取る 
    2. 左小指で右小指の小さな輪の向こうの糸を下から取る
    3. 左親指で右親指の小さな輪の手前の糸を下から取る
  4. 全ての指を外側に1回転ひねる
  5. 焼け焦げた葉のククイの終了処理
    (すみません説明は省略です)

 あたらしいあやとり紐はまだ「曲げぐせ」が残っていて、うまくかたちが決まらないです。この後、上記に続いて「4本指のアルタイル→アクエリアス処理」もやってみたのですが、どうにもかたちが整いませんでした。



 前回(9/14)からちょっと間があいてしまいましたが、「デッキチェアの構え」シリーズでご紹介しそびれていたものをもう少し載せます。

 丸と三角という伝承あやとり作品があります。

sf220926-1
丸と三角

 これを、(逆)デッキチェアの構えからやってみました。

hh220926-2
  1. 「デッキチェアの構え」
    1. 「Qの構え」
    2. 親指・小指の輪を手首に落とす
    3. Qの左右の縦の糸を親指・小指にかける 
  2. 「丸と三角」(説明略)
  3. 手首の糸を親指・小指にかける
     (もともとの輪の上=指先側に)
  4. 親指・小指でナバホ取り

 あんまり面白くない…(なのでこんな風に「おまけ」のように載せました)



 お彼岸でお墓参りに行ったとき、墓地の入り口付近の隣の工場のコンクリート塀をふと見るとなんだか違和感がありました。

塀の穴?

 塀に穴があいていて、そこにコンクリートブロックが詰めてあります。

塀の穴!

 このコンクリートブロックが原因で穴があいてしまったのか、別の理由で穴があいてしまったところをコンクリートブロックでふさいでいるのか、どっちだろう? と思いました。おそらく後者だろうなと思います。でも、この位置にこのかたちの穴があいているなんて、意図的にあけた可能性もあるなと思いました。だとすると何かのときに臨時の排水管を通すためにわざわざ穴をあけて、ふだんはコンクリートブロックでふさいでいるのだろうか、とも思いました。でもそれならそれでもう少しきれいに開けたい気もします。真相はわかりません。


<おまけのひとこと>
 昨日は、先日参加した学会の報告会用の資料を作りました。聴講した発表から面白かったものを10件ほど選んで、予稿集から図や写真などを切り貼りして報告資料にまとめました。報告時間、足りなそうです。今日ははやく行かないといけないです。






9月27日(火) あやとり

 今日は時間が無くてあやとりの話だけです。



 テントの幕のアレンジです。

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  1. 「ガイアナの星」の3本指の構え
    1. はじめの構え
    2. 右人差し指で左掌の糸を上から手前へひねって取る
    3. 左人差し指で右掌の糸を右人差し指の輪の中から上から手前へひねって取る
  2. 左右の人差し指の輪を交換する
  3. テントの幕の処理(親指・小指を一重にするタイプ)
    1. 人差し指の輪に全ての指を下から入れて輪を手首に落とす
    2. 親指・小指の内側の糸を取り合う
    3. 親指で二重ナバホ、小指で逆ナバホ
    4. 以下、「テントの幕」を取る(説明略)

 中心部分の4つの菱形(ダイヤ)の間が全て「絡み」になっているところがお気に入りです。水平な鏡像対称面上にある中央左右の2つの絡みは手順1.の「ガイアナの星の3本指の構え」由来で、垂直な鏡像対称面上にある中央上下の2つの絡みは手順2.の「左右の人差し指の輪を交換する」に由来します。



 未熟なナッツという伝承あやとり作品を「デッキチェアの構え」から取ってみることにしました。

sf220927-1
未熟なナッツ

 4枚の花びらのようですが、上側は糸の交差、下側は糸の絡みになっています。

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  1. 「デッキチェアの構え」
    1. 「Qの構え」
    2. 親指・小指の輪を手首に落とす
    3. Qの左右の縦の糸を親指・小指にかける 
  2. 「未熟なナッツ」(説明略)
  3. 手首の糸を親指・小指にかける
     (もともとの輪の上=指先側に)
  4. 親指・小指でナバホ取り

 これはちょっと面白いかなあ。



 昨日の午後は半日まるまるかけて社内の「プレゼンテーション研修」の講師というかコメンテータを担当してきました。今の若い人たちはそつなく優秀だなあと感心しました。


<おまけのひとこと>
 帰り、53kmの高速道路の走行中の2か所で工事による渋滞があって、時間がかかって大変でした。重要な社会インフラである高速道路を適切にメンテナンスしてゆくことはとても大切だと理解してはいるのですが、でも渋滞は無いに越したことはないです。






9月28日(水) あやとり、他

 今日も時間が無くてあやとりの話がメインです。



 今日もテントの幕のアレンジです。

hh220928-1
  1. 「ガイアナの星」の3本指の構え
    1. はじめの構え
    2. 右人差し指で左掌の糸を上から手前へひねって取る
    3. 左人差し指で右掌の糸を右人差し指の輪の中から上から手前へひねって取る 
  2. 親指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外し、親指に掛け直す
  3. 小指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外し、小指に掛け直す
  4. テントの幕の処理
    1. 人差し指の輪に全ての指を下から入れて輪を手首に落とす
    2. 親指・小指の内側の糸を取り合う
    3. 以下、「テントの幕」を取る(説明略)

 手順2.と3.で親指・小指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外して掛け直すという処理をしていますが、これは「親指・小指を内側に1回転ひねる」としても同じです。つまり、この部分は「大きいテントの幕」と同じです。中央の模様の左右4か所に「絡み」ができていますが、これが「ガイアナの星の3本指の構え」から始めた効果(変化)です。



 出来上がりがシンプルな伝承あやとり作品を「デッキチェアの構え」の中に配置してみる試み、今日はチャラタの巣で試しました。

sf220928-1
チャラタの巣

 一見左右対称のように見えますが違います。

hh220928-2
  1. 「デッキチェアの構え」
    1. 「Qの構え」
    2. 親指・小指の輪を手首に落とす
    3. Qの左右の縦の糸を親指・小指にかける 
  2. 「チャラタの巣」(説明略)
  3. 手首の糸を親指・小指にかける
     (もともとの輪の上=指先側に)
  4. 親指・小指でナバホ取り

 真ん中が「チャラタの巣」であることはわかりますが、もう少し整えようがあったかもしれません。まあこれはこんなものかな。



 窓からネコが見えました。写真を撮ってみました。下のQVGA(320×240)ではどこにネコがいるのかわからないと思いますが、クリックしてXGA(1024×768)の画像を見ていただくとわかるかと思います。

ネコ(1)

 光学ズーム目一杯です。ネコがこっちを見ました。

ネコ(2)

 さらに、カメラに内蔵の機能のデジタルズームも加えました。ネコは興味がなさそうに向こうを向いてしまいました。

ネコ(3)

 昔はこんな写真、なかなか撮れなかったよなあと思います。



 昨日は東京に日帰りで出張でした。東京駅から山手線外回りに2駅、新橋まで乗りました。進行左側(山手線の外側)の風景を眺めていたのですが、外側に大小の円を組み合わせたような格子がはまっているようにみえるビルがあったように見えたのです。色は肌色というかグレーがかったピンク色というか、そんな感じでした。確か有楽町を出てすぐくらいでした。YouTubeに山手線一周の車窓動画が公開されていたので、該当区間をじっくり見てみました。2016年のものと2020年のものを見てみたのですが、昨日見たと思ったビルは見つかりませんでした。私の見間違いか、それとも2020年の動画撮影以降に建物や外装が変わったのか…

 おそらくまたこの区間に乗る機会がありそうなので、もう一度よく見てみようと思いました。


<おまけのひとこと>
 お彼岸を過ぎて、日の出がだいぶ遅くなりました。もう5時を過ぎたのに素とはまだ完全に真っ暗です。今日も盛りだくさんな一日です。充実しているのは良いことだと思います。






9月29日(木) 有楽町のビルの話、あやとり

 山手線の中から見かけたビルの話とあやとりの話です。



 昨日、山手線外回りで有楽町駅を出てすぐ、「外側に大小の円を組み合わせたような格子がはまっているようにみえるビル」があったような気がする、と書いたら、驚いたことに「オエノングループ旧本社ビル跡地」の再開発で建築中のホテルでは? という情報をいただきました。Kさん、いつもありがとうございます。感激です。(6月にメールいただいた私の愛した街とその替え歌の情報もとても嬉しかったのです。)

 私はYouTubeの2020【4K全区間車窓】山手線 外回り(東京→東京)JR Yamanote Line Train (from Tokyo to Tokyo) という動画で、2分27秒あたりで有楽町を発車するのですが、そこから約1分間を何度も見て、「おかしいな、見つからないな」と思っていたのです。ストリートビューを見る、という発想がでてきませんでした。

 ストリートビューで「スターバックス前からの写真が2022年9月で、それらしいものが見えました」とKさんから教えていただいたので、そのあたりを見てみました。ありました! ありがとうございます。これです。すっきりしました。

ビル(1)

 ストリートビューのリンクはこちらです。首都高の上からの視点の、2022年8月の写真です。車の少なさ、光の方向からして早朝の写真のようです。ストリートビューは同じ場所の過去の写真も見られるのですが、2021年6月にはそこには建物が見当たらず、2020年2月には別の建物があるのがわかりました。

 格子の部分を拡大してみました。「複数のサイズの円で平面を埋めつくす」というのが面白いなと思っているので気になったのでした。全体がランダムなわけではなく、種類は2種類だけで、それを(おそらく)ランダムに配置しているのかな、と思いました。片方は一重、もう片方は二重になっているようです。向きもすべて同じになっているようです。

ビル(2)

 視点を変えて見上げたところです。ストリートビューの視点や視野の操作、不慣れなのでなかなか思ったようにコントロールできません。

ビル(3)

 高速道路の上からではなく、下に降りた視点の画像です。これは早朝ではなく明るい昼間の写真ですが、不自然なくらい色鮮やかな画像です。

ビル(4)

 東京は本当に目まぐるしく変わっているのだな、と改めて思いました。

 出先でちらっと見たものを自宅で調べられる、画像を確認できるというのはすごいなあと改めて思います。(我ながら自動車や家電に驚いている古代の人みたいです。)今回は自力では情報にたどり着けませんでしたが、わずかなテキスト情報から的確な情報をいただけた、ということも驚きですし大変感謝しています。ありがとうございました。



 あやとりの話です。「アルタイル→アクエリアス処理」を試してみたらちょっと面白い結果になった事例のご紹介です。

 タイガーショベルノーズキャットフィッシュというあやとりがありますが、このあやとりの派生で、4本指の構えの段階で人差し指と中指の輪を入れ替え(人差し指→薬指、中指→人差し指、薬指→中指)、親指・小指を内側に1回転ひねってタイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理を行ったものです。(過去に同じものを掲載していると思います。)きれいな斜め格子状のあやとりで気に入っているものの1つです。

SF1.

 ここを出発点に、下の画像のマグネットの位置に人差し指・中指を上から入れてパターンを保持し、そこに親指・小指を改めて入れ直します。

SF2.ここに親指小指を入れる

 それぞれの掌の縦の二重の糸にかかっている2つの輪が上下に移動します。

SF3.広げる

 上下に移動した部分はほぐれて、最後はこんなシンプルなかたちになります。

hh220929-1

 これも過去にご紹介している気がしますが、その時は多分別手順だったと思います。ここからさらにTTF拡張処理(2本指→4本指拡張)とか、親指・小指が二重なのでそれを二重ナバホ・逆ナバホなどで一重にするとか、いろいろ発展が試せそうです。


<おまけのひとこと>
 更新が遅くなってしまいました。






9月30日(金) ガジュマルの鉢植え、あやとり

 先日買った鉢植えの話とあやとりの話です。



 先日、こんな鉢植えを買いました。

ガジュマル

 決め手になったのは植木鉢のかたちです。これ、四角反柱なのです。(もしくは反角錐台)

四角反柱

 2017年12月に、角柱と反角柱のCGをご紹介しています。



 7月10日にご紹介したこのあやとり

hh220710-1(再掲)

 に続いて、「アルタイル→アクエリアス処理」をしてみました。

hh220930-1
  1. 「パプアニューギニアの亀」
  2. 人差し指の輪を中指に移す
  3. 親指の輪を人差し指に、小指の輪を薬指に移す
  4. TTF拡張処理(5本指→3本指)(説明略)
  5. 全ての指を外側に1回転ひねる
    (親指・人差し指は手前へ、中指・薬指・小指は向こうへ)
  6. 焼け焦げた葉のククイの終了処理
  7. アルタイル→アクエリアス処理

 このほうがいいかな…


<おまけのひとこと>
 今日もまた更新が遅くなってしまいました。






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