以前の「ひとこと」 : 2022年8月後半
それぞれの日の記事へのリンクです
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8月16日(火) あやとりのCG、あやとり、他
8月後半、お盆休み最終日です。
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結び目描画ソフトであやとりのパターンを作ってみるシリーズ、少し手間をかけて作ったものをご紹介します。
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図 1 左右の糸の絡みは本物のあやとり作品よりシンプルにしましたが、中央部分の構造はオリジナル通りです。
ちなみにこれが計算を始める初期状態です。1か所座標を間違えてしまいました。
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図 2 これは、実物のあやとりをこんな風に取って、これを見ながら座標を決めてゆきました。
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図 3 基本は上下左右に対称なので、第一象限の点だけに座標値を入れています。○印が射影図の頂点で、×印はそこで高さ(奥行き)を変えることを示しています。
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図 4 あやとりを取って、それを眺めながらこの図を作って、そこから三次元座標の値を順にテキストファイルにして、結び目描画ソフトに読み込んで計算します。1時間くらいかかったと思います(もっとだったかも)。でもCGにできると、サイズや視点をいろいろ変えてみることができて、苦労した甲斐がありました。
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昨日「平面上に10個の点があり、そのうちどの3点も一直線上に無いとき、内部に別の点を含まない凸五角形が存在する」という定理をご紹介して、例としてこんな図をご覧いただきました。
内部に別の点を含まない凸五角形はどこ? 上記の答の図をこちらに置きました。
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小さな結び目を使った創作あやとりです。これはちょっといいかも、と思っています。
普通のダブルハートのパターン(射影図としては「エガラウィナゴ」と同じです)に、2つの小さな結び目の輪が集合のベン図のように重なっているのがいいなあと思っています。
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国際あやとり協会(日本)のサイトの「あやとりトピックス」に、228: 「パターンあやとり」のすすめ その2:継続処理「4隅の小さな輪の処理」を使って という記事が掲載されました。あやとり協会の吉田さんの記事です。ありがとうございます。
パターンあやとり の「四隅の小さな輪の処理」をいろいろと活用して下さっています。(今回の内容はちょっと専門的かなあと心配しています。あやとり協会のサイトの閲覧数はどのくらいなのか存じませんが、ご覧くださった方々がどんな印象を持たれるのか、興味がありますし若干不安も感じています。)
「あやとりトピックス」は、最新のものがNo.228です。2001年から記事が公開され始めていて、No.100が2004年7月(前川淳さんの「折り鶴」の取り方がNo.100の記念に公開されています)で、最初の4〜5年は多くの記事が書かれていましたが、一時期はかなり低調になりました。最近また活発に記事が掲載されていて、楽しみにしています。
2022年は8月15日までの件数です 今年は「あやとりトピックス」だけでなく、他のコーナーも充実してきていて素晴らしいです。ぜひお訪ねください。
<おまけのひとこと>
今日はごみの日で、妻がまとめてくれたごみを車で出しに行きました。私がごみを車に積もうとして玄関を開けた途端に雨がざあっと降り始めて、ほんの数歩歩いただけでけっこう濡れました。ごみを出してきて、家に入ってしばらくしたら雨がやみました。私がごみ出しをしているほんの10分〜15分くらいの間だけ、雨が降ったのでした。日頃の行いがよっぽど悪いのかなあと思いました。
8月17日(水) あやとりのCG、あやとり、他
お盆休みも終わりました。今日からまた仕事です。今日は簡単な更新です。
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昨日のこのあやとりのCG(中央の部分はビヤトエイディオウィナゴというあやとりです)、連続的に変化するgifアニメーションにしてみました。
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ビヤトエイディオウィナゴ
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最後まで計算すると小さなトーラスのかたちになって、「自明な結び目」であることがわかります。眺めていて飽きません。
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小さな結び目を使った創作あやとりです。人差し指の構えから、親指・小指に合計4つの小さな結び目を作ってみます。
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図 1a:4つの結び目(1) 図 1b:4つの結び目(2) 図1aと図1bは何が違うかというと、小さな結び目を作るときに親指・小指に巻き付ける糸が外側か内側かの違いがあります。図1aの作り方だと、両手を左右に引くと結び目が締まってしまいます。図1bから、以下のあやとりを取ってみました。
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hh220817-1 いまひとつかたちが決まらないです。
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以下は自分のためのごくごく内輪の話です。(まあ全てのトピックが「自分のため」なのですけれども。)
例年、8月16日の送り盆は父の墓参りをします。雑木林のすぐ隣なので、枝や葉っぱがたくさんたまってしまいます。春のお彼岸以来なので、お墓の周りをきれいにするのに1時間以上かかってしまいました。大汗をかきました。下の写真は仕事を始めて30分くらい経ったところで、ようやく半分くらいをきれいにしたところです。
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お墓 セミがたくさん鳴いていました。セミの抜け殻がいくつもありました。
今年はその後、祖母のお墓、祖父のお墓に回りました。祖父が亡くなったのは第二次大戦中の1944年、一人っ子の私の母がまだ6歳のときだったそうです。女子師範学校を出ていた祖母が学校の先生をしながら親子二人の母子家庭で母を育ててくれたそうです。祖母は小諸の旧家の出で、祖父と死別した後は旧姓に戻り、お墓も小諸の一族のお墓の一角にあります。祖母が亡くなったのは1972年、ちょうど50年前です。
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祖母の墓 祖父のお墓は上田市から群馬県に抜ける鳥居峠の近くにあります。目印にしていた温泉がなくなってしまって、通り過ぎてしまって引き返しました。峠なので、折り返せる場所がなかなかなくて、峠を越えて群馬県側をだいぶ下ってしまいました。
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祖父の墓 台座のところがすっかり苔むしてしまっていたので、お掃除しました。どなたかが手向けて下さった御線香が残っていました。まわりにあるお墓は一族の方々のものだと思うので、そこをお参りされた方が上げて下さったのだと思います。
学生時代に脳科学を専攻したおかげで、「意識」とか「心」とは何なのか、どんな物理現象によってそれらは生ずるのか、そもそも生き物(人間)はなぜ「心」「意識」を持っているのか、といったことにずっと興味を持ち続けています。なぜ心があるのかというと、それは心があるほうが種として(遺伝子として)生存に有利だったからです。「お墓参り」という行動は、明らかに生きている人のため、もっというとお参りしている本人(自分)のためだと思っています。人は、自分に少しでも近いものを未来に残したいという行動を無意識に取るのだと思います。「近い」というのは、血縁があったり、親族であったり、同じ地域の出身だったり、同じ国の人であったり、同じ人種であったり、同じ哺乳類であったり、同じ地球の生物であったり… といろいろな階層があると思いますが、そういう行動原理をたまたま獲得した種が、結果的に生き延びてきているのかなあと思います。
もちろん、そういう原理が遺伝情報の中にどのように記述されているのか、またそれがどのように「発現」しているのかは全くわからないですし、そういうことが常に意識されているわけでもない。ただ、そのように解釈するとわかりやすい、理解しやすい、ということです。まあ、そんな風に理解ができたとして、それで上手に生きることができるようになるか、というとそれはまた別問題ですけれども。
…と、そんなようなことをいろいろ考えながら丸一日、一人でゆっくり車を運転して3か所のお墓を巡りました。蒸し暑くて大汗をかきました。改めてこうやって一人でゆっくりいろいろなことを考える時間というのは自分にとって価値のある貴重な時間だなあと思います。
<おまけのひとこと>
今日は仕事で大事な報告があります。ちょっと大変…
8月18日(木) 「泥棒とお巡りさん」(その1)、あやとり
グラフ上のゲーム、パズルの話とあやとりの話です。
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「泥棒とお巡りさん」というゲームというかパズルがあります。私が思い出すのは、GAMEDESIGNさんのサイトのフラッシュゲームなのですが、今はフラッシュプレーヤーのサポートが終了して、遊べなくなっています。画像だけ掲載させていただきます。
「警官と泥棒」GAMEDESIGN 警官と泥棒が互いに1歩ずつ、線で結ばれた丸い場所に移動することができます。プレーヤーは警官を担当していて、次に警官が移動できる候補の2か所が白い枠でハイライトされています。このどちらかを選ぶとそこに警官が移動し、それに伴って泥棒も1歩動きます。警官が泥棒のいる場所に同時に移動できれば警官の勝ちです。
このゲーム、普通に泥棒の後を追いかけてゆくと捕まえることができないのです。種明かしの動画がYouTubeにありました。https://youtu.be/9lBsWuvp9vQです。パズルが好きな方でしたらご存じかと思いますが、ヒントは「パリティ」です。
この「警官と泥棒」のパズルというかゲーム、英語では Cops and Robbers と呼ばれます。盤面は場所(頂点)と道(辺)で表現されるので、いわゆるグラフ理論のグラフになっています。上のGAMEDESIGNさんの盤面を頂点と辺で表すとこうなっています。
図 2:Cops and Robbers このグラフは頂点が15あります。ということは、お巡りさん(Cで表します)と泥棒(Rで表します)の位置の全ての状態を数え上げると、同じマスにはいないものとして15×14通りの配置が考えられます。また、それに加えて大事な情報として、その配置の時「次に動くのはどちらなのか」という手番の情報があります。それぞれの配置に対して次の手番がCなのかRなのかで二通りの状態がありますから、全部で420通りの場合があることになります。双方は最善を尽くすものとします。捕まえることができればCの勝ち、どこかで同じ盤面と手番の状態が現れれば泥棒が勝ち、ということになります。
なお、この「警官と泥棒」のゲームを始めるときは、まず警官Cが好きなマスに自分の駒を置き、それを見て次に泥棒Rが好きなマスに自分の駒を置き、以降は警官が1歩動き、泥棒が1歩動くというのを繰り返します。シンプルなルールでは、自分の手番では必ず動かなければいけない(移動をパスすることはできない)です。
例えば、下の図3のように極端にシンプルな盤面を考えてみましょう。
図 3 警官Cが置かれたマスの対角線上のマスに泥棒Rの駒を置きました。以下、警官が先に動くので、泥棒は決して捕まりません。泥棒は常に警官の向かい側のマスに逃げることができます。
一方、下の図4のように道を1本だけ増やしてみます。
図 4 警官Cが近づくと泥棒Rは逃げますが、逃げた先に赤い辺が繋がっているため、泥棒は捕まってしまいます。
このように、グラフのかたちによって警官Cが勝つグラフと泥棒Rが勝つグラフが決まります。どんなグラフだったら警官が勝つのか、またどんなグラフだったら泥棒が勝つのかを研究している論文をいくつか見かけたのです。明日以降少しご紹介しようと思います。
(つづく) ○
昨日のあやとりをちょっとだけ改良したものを取ってみました。
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hh220817-1 hh220818-1 最初の「人差し指の構え」の次に左右の人差し指の輪を交換しています。また、最後の「焼け焦げた葉のククイの終了処理」の前に、親指・小指は回転させず、人差し指・薬指を半回転しています。昨日のもの(上左)よりはましになったかなあ…
<おまけのひとこと>
「警官と泥棒」の話の説明に手間取ってしまって思いの外遅くなってしまいました。
8月19日(金) 「泥棒とお巡りさん」(その2)、あやとり
グラフ上のゲーム、パズルの話とあやとりの話です。
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グラフの上の「警官と泥棒」(Cops and Robbers)というゲームの話をしています。警官(C)が場所を決め、泥棒(R)がそれを見て自分の場所を決め、後はグラフの辺に沿って交互に1手ずつ動かして、警官が泥棒を捕まえる(=同じ頂点に入る)と警官の勝ち、というゲームです。
このゲーム、素朴なルールでは「泥棒は自分の手番のときに必ず動かなければならない」ということになっています。たとえばこんなグラフ(盤面)を考えてみます。
図 1 最初に警官(C)が頂点2に自分のコマを置き、泥棒(R)は唯一安全な頂点5に自分のコマを置いて、こんな風にゲームが進行することを考えてみます。
最初の状態はこうです(図2)。次に動くのが警官(C)なので、青い太文字にしてあります。警官が移動可能先の頂点を赤くしています。
図 2 頂点2〜5の四角形の中をぐるぐる追いかけていても、泥棒は決して捕まりません。そこで警官は一度頂点1に移動して、ある意味「手番を譲り」ます。そうすると、盤面の配置は同じで、手番だけを泥棒(R)に渡した状況を実現できます(図3)。
図 3 次は泥棒(R)が動かなければなりません。移動可能先の頂点3も頂点4も警官(C)が次に踏み込める場所なので、泥棒は捕まってしまいました。
ところが同じ盤面で、「泥棒は動いても動かなくても良い」という風にルールを変更すると、このグラフは泥棒に必勝戦略があるグラフに変わります。グラフ上の Cops and Robbers を研究した論文では、一般的に「泥棒は(警官も)自分の手番のときに動きたくなければ動かなくても良い」というルールを採用しています。
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たとえば次の6頂点のグラフ、このグラフは泥棒と警官のどちらに必勝戦略があるでしょうか?「泥棒は動かなくても良い」というルールにしますが、「動かなければならない」でもこの場合は同じです。
図 4 ちなみにこのグラフは全ての頂点の次数(辺の数)が4です。全ての頂点の次数が同じグラフを「正則グラフ」(regular graph)と言って、この場合は4正則グラフになります。
なおこれは正八面体の骨格のグラフになっています。
図 5 (つづく) ○
親指・小指に小さな結び目をつくるところからのあやとりの3つ目です。
これはちょっと面白いかなあと思いました。
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人の顔が覚えられない…専門家が解説する「相貌失認」の基礎知識 という記事がありました。prosopagnosia(相貌失認) という機能障害というふうに解釈されるのですね。私は人の顔を覚えるのが苦手なので、思い当たる節があります。動物のお医者さん というマンガで有名な 佐々木 倫子に 忘却シリーズ という連作があります。これが「人の顔を覚えられない」という主人公が、その特性のために様々な事件に巻き込まれるというコメディでした。これももう40年近く前の作品なんだと気が付いて驚いています。
<おまけのひとこと>
グラフ上のゲームの説明、グラフの説明(用語など)をどこまで書くか、迷っています。おかげで大した内容ではないのに時間がかかってしまっています。
8月20日(土) 「音楽の肖像」、他
週末なのでいつもとは違う話題です。20日(土)、21日(日)の二日分を日曜日の午後にあわてて書いています。
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図書館で音楽の肖像(画・文/堀内誠一 ・詩/谷川俊太郎、小学館(2020))という本を見かけて借りてきたら、大当たりだったのです。上記のリンク先の小学館のサイトで最初の数ページを試し読みできますのでぜひご覧になってみて下さい。
表紙がまず素晴らしいです。
「音楽の肖像」表紙 試し読みで公開されているページです。
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「音楽の肖像」モーツァルト このように、左側に絵が、右側にエッセイが書かれています。右側には単色の線画の絵が書かれているページが多いです。この絵と文を書いているのが堀内誠一で、ページをめくると谷川俊太郎の詩がある、という構成でたくさんの音楽家が取り上げられています。
堀内誠一と言えば名作絵本のぐるんぱのようちえん(西内 ミナミ 作 / 堀内 誠一 絵、福音館書店(1966))を思い出します。たろうのおでかけ(村山 桂子 作 / 堀内 誠一 絵、福音館書店(1966))のほうが、より堀内誠一らしい絵かもしれません。
この本のイラストとエッセイは、ヤマハが音楽教室などでPR本として配布していたリーフレットに掲載されていたものなのだそうです。なんて素晴らしい、なんて贅沢な、と感心します。まず、絵がすばらしいのです。それぞれの作曲家の雰囲気をよく伝えつつ、絵の技法もかなり変えながら描かれる絵にまず感心します。また、エッセイが良いのです。その作曲家について個性的な視点での感想が述べられたり、ご自分がヨーロッパでその作曲家の曲の演奏会を聴いたときのエピソードが語られたり、楽しく読ませていただきました。
これは入手して持っていてもいいかも、と思いました。
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This Flowchart Will Help You Decide Which Board Game To Play(このフローチャートは、どのボードゲームをプレイするかを決めるのに役立ちます)という記事があったのです(英語です)。
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ボードゲームフローチャート(JULIE ZEVELOFF) 最初の質問が「プレーヤーの中には子どもはいる?」から始まって、かなり納得感のあるチャートになっています。(「かなり」と書いているのは、知らないゲームも出てくるためです。)ボードゲームに詳しい方、ご覧になってみると面白いかもしれません。また、自分なりにこういったフローチャートを作ってみたらもっと面白いかもしれません。
<おまけのひとこと>
グラフの上のゲームの話、準備中です。
8月21日(日) 「カモメのジョナサン(完成版)」、あやとり
本の話とあやとりの話です。
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カモメのジョナサン完成版を図書館で借りてきて読みました。1970年代にブームになったとき、まだ小学生だったのですがとても好きな本でした。カモメの写真がたくさんある、文章の量はそんなにはない本です。Part 1 から Part 3 の3つの部分からなっていて、当時、特に Part 2 が不可解でした。「何かを極める」物語で、私の乏しい本の知識の中で類似点がある作品として思い浮かぶのは中島敦の短編名人伝です。(「全然違うだろう」という意見もあろうかと思います。)
この本はとても好きだったので、英語の勉強用によくある、原書のページごとに主だった単語や熟語を解説した読本の付いた英語版の本も買って持っています。
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「カモメのジョナサン完成版」と「日本語解説付き原書」 最近はあまり見かけなくなった外箱付の本で、2冊が一緒に入っています。初版が1974年3月10日(第一刷)、私が持っているのは1978年の第17刷で、700円です。(当時は消費税はありません。)
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原書と日本語の解説書 著者のリチャード・バックは飛行機を操縦するので、飛行に関する用語がたくさん出てきます。この日本語版解説では、そういった用語の意味する飛行運動についても図示されていて、それもありがたかったです。
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開いてみたところ 当時私は「語学の勉強は書き写すと効果がある」ということを信奉していて、夏休みなどの長期休暇のときに、Part 1 を一生懸命ノートに書き写してみたりしました。でも残念ながらこの歳になっても英語は苦手なままです。
Part 4、良かったですが個人的には Part 3 でおしまい、のままでも良かったと思いました。もっとも、当時わくわくして何十回も読んだものと、歳をとってすっかり「すれっからし」になってから高々1〜2回読んだのとでは比べ物にならないなあとは思います。
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「カモメのジョナサン」が流行っていた当時、言葉遊びのクイズみたいなのがあったなあと思ってちょっと検索してみたらカモメのジョナサンのなぞなぞ(5問)というページがありました。ちょっと懐かしかったです。
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創作あやとりです。
手順2. の「中指を半回転ひねる」効果が面白いです。これもいろいろ派生や展開が考えられるかもしれません。
<おまけのひとこと>
今日は妻の誕生日で、雑貨屋さんに行ったりお寿司を食べに行ったりしました。雑貨屋さん、結局私のものばっかりたくさん買ってしまいました。明日以降ご紹介します。
8月22日(月) 多面体の花瓶
ランダムっぽい多面体の話です。今日はあやとりはお休みです。
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昨日、こんな花瓶を買いました。セール中で4,400円のものが半額になっていました。ベトナム製だそうです。向きを変えていろいろな方向から写真を撮ってみました。
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写真 1 写真 2 写真 3 真上から覗き込んでみました。底面は七角形、花を生ける口の部分は五角形です。
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写真 4 お店には同じ花瓶が5つ並んでいて、微妙に色合いとかが異なっていましたが、かたちは同じでした。(厳密には若干違っているようでした。)「手作りなので色や形は完全に同じではありません」という注意書きがありました。よくよく見比べて、一番気に入ったものを買ってきました。かわいそうに展示だなの一番下の段の目立たない場所に置かれていて、私は最初見逃しました。私が好きそうなものを目ざとく見つけてくれる妻が「これ、見た?」といって教えてくれたのでした。
家に帰って眺めて楽しんでいます。いい感じです。
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3年ほど前、ランダムっぽい多面体というのを紙模型とCGで作っていました。当時はファイルサイズが小さいアニメーションしか公開できなかったので、その当時作ってあったもう少しサイズが大きなアニメーションを載せておきます。
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多面体のアニメーション 奇跡のような美しい対称構造を持つ正十二面体や正二十面体はたいへん美しいと思うのですが、こういうランダムっぽい自然な感じの多面体もいいなあと思うのです。(ランダムをどう定義するかにもよりますが、凸多面体の分布(偏り)という観点で見たとき、必ずしもランダムというわけではないのですが。)
<おまけのひとこと>
今日は勤務先の事業所に出社するのですが、会社の最寄りの高速道路のインターチェンジのETCゲートが老朽化によりリニューアル工事が始まるとのことで、これから3か月はゲート数が半減します。渋滞が予想されるので、いつも以上に早く行こうと思っていたのですが、もう5時を過ぎてしまいました。急がないと…
8月23日(火) Cops and Robbers、あやとり
グラフの上の追跡ゲームの話とあやとりの話です。
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グラフの上の「警官と泥棒」(Cops and Robbers)というゲームの話の続きです。警官(C)が場所を決め、泥棒(R)がそれを見て自分の場所を決め、後はグラフの辺に沿って交互に1手ずつ動かして、警官が泥棒を捕まえる(=同じ頂点に入る)と警官の勝ち、というゲームです。先週の金曜日に正八面体骨格の上のゲームはどちらが勝つでしょうか、という話を書きました。これは簡単で、泥棒(R)は常に警官(C)の相対する頂点に逃げ続けることができるのです。
正八面体骨格上のCops and Robbers A GAME OF COPS AND ROBBERS(M.AIGNER and M.FROMME,1984) という論文があります。今回ご紹介をはじめた「警官と泥棒」というグラフ上のゲームは、この論文からご紹介を始めたものでした。
例えば分岐のない一本道のグラフだったら警官(C)が必ず勝つことは明らかです。また、全ての頂点の間に辺があるグラフ(完全グラフといいます)であれば、最初に泥棒がどこに自分のコマを置いても、次に警官は泥棒のいる頂点に移動できるので警官が勝つのは自明です。
また、グラフの中に閉路(ループ)が無いグラフを木と言います。木のグラフも、警官(C)が必ず勝つのは明らかだと思います。一方、4以上のループがあったら泥棒を捕まえることはできません。
図 2a:木 図 2b:木ではない(ループがある) 次に、警官(C)の数を増やすことを考えます。最初に全ての警官(C1、C2、C3、…、Cn)をグラフの異なる頂点に配置し、次に泥棒(R:これは1つだけです)は警官の布陣を見て自分の頂点を決めます。警官の手番ではすべての警官は隣の頂点に移動してもいいし、動かなくてもいいです。同じ頂点に複数の警官は入れません。泥棒の手番では、泥棒は隣の頂点に移動してもいいし動かなくてもいいです。警官の手番のとき、警官が泥棒のいる頂点に移動できれば警官の勝ちです。
与えられたグラフGにおいて、泥棒を捕まえるのに必要な警官の人数をcop numberと言って c(G) と表記します。木のグラフT なら c(T)=1、完全グラフKnなら c(Kn)=1、などと書きます。頂点数が4以上の閉路(ループ)Lnなら c(Ln)=2(n>3) です。ループは警官が二人いれば十分です。
では、グラフ理論では超有名なピーターセングラフ、
図 3:Petersen graph このグラフの cop number はいくつでしょう? 警官は何人必要でしょうか? 少なくとも一人では無理そうですが…
(つづく) ○
こんなあやとりを取ってみました。以前もご紹介したことがある気がするのですが、見つけられませんでした。ちゃんと「あやとりの記録」を更新しておかないとダメです。
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昨日の花瓶、玄関に飾ってみました。
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写真 1 写真 2 影のせいで、一見、花瓶が左に傾いているような印象を受けます。また 写真2のほう、稜が4本集まるやや不自然な次数4の頂点があります。(ランダムな位置に取られた3つの平面は平行な面の組がない限り1点で交わりますが、ランダムに取られた4つ目の平面が偶然その1点を通る確率はゼロなのです。)
<おまけのひとこと>
グラフ理論をいろいろ調べていると面白い話題がたくさんあるのですが、軽くご紹介できる(そもそも私がちゃんと理解できる)トピックにまとめるのがちょっと大変です。
8月24日(水) Cops and Robbers(その2)、あやとり
グラフの上の追跡ゲームの話とあやとりの話です。
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昨日ご紹介した A GAME OF COPS AND ROBBERS(M.AIGNER and M.FROMME,1984) という論文の話、いったん今日でおしまいにする予定です。(「警官と泥棒」のグラフ上のゲームの話はもう少し話題があります。)
改めてこのゲームのルールをおさらいしておきます。
- n人の警官(C1,C2,…,Cn)をグラフ上の頂点に配置
- 泥棒(R)を空いた頂点に配置
- 警官の移動フェーズ:全ての警官は現在位置の隣の(辺で繋がった)空いた頂点(もしくは泥棒のいる頂点)に移動してよい。
全員が動いてもいいし、1つも動かなくても良い。- 泥棒の移動フェーズ:泥棒は隣の空いた頂点に移動してもよい。動かなくてもよい。
- 以下、警官と泥棒の移動フェーズを繰り返す。
上の論文で示されている定理を2つほどご紹介します。
定理 3. 最小の次数(頂点に集まる辺の数)が n のグラフ G が 長さ3の閉路も長さ4の閉路も持たないとき、G の cop number(警官が勝つのに必要な人数)C(G)はn以上である。 昨日のピーターセングラフはこの条件を満たす(3-閉路や4-閉路を持たない)グラフで、全ての頂点の次数が3のグラフです。従って、警官側が勝つためにはコマは3つ以上必要です。
Petersen graph 実際には3つで十分で、例えば下の図のように警官を初期配置すると全ての頂点は次の1手で警官が移動可能ですから、泥棒コマをどこに置いても捕まってしまいます。
図 1
定理 5. 最大の次数(頂点に集まる辺の数)が高々3以下のグラフ G において、任意の隣接する辺が長さ5以下の閉路に含まれるとき、G の cop number(警官が勝つのに必要な人数)C(G)は3以下である。 実はピーターセングラフも「定理.5」の条件を満たしています(確認してみて下さい)。ですのでCは3つで十分であることがわかります。
同様に、定理3.と定理5.から、正十二面体グラフもcop numberは3であることがわかります。
図 2 警官のコマCを1つの頂点に置くと、そのコマは隣接する3頂点も含めて4つの頂点を「守っている」ことになります。正十二面体の頂点は20ありますから、3コマでは最大でも12頂点までしか守れません。なのでピーターセングラフとは違って、警官の布陣が終わった後に、泥棒が置ける安全な頂点が1つもない、ということは起こりません。でも、3コマで十分ということがわかる、というのが面白いと思います。
アブストラクトゲームのファンとしては、警官コマ3つ、泥棒コマ3つで正十二面体グラフの上で追跡ゲームが成立する(泥棒にも勝つチャンスがある)ようにするにはどんなルールを追加したらよいのか、ぼんやり考えてみたりしています。例えば
案1:警官コマに1〜3の番号を振って、警官の手番の時に、1手目は1のコマだけ、2手目は2のコマだけ、3手目は3のコマだけが動ける(以下同様に…)
案2:泥棒だけが通れる特別の通路(例えば正十二面体の対角線を1〜2本用意して、泥棒だけはそこを通れることにする)を作る
案3:警官コマ1つは「交番」ということにして、動かさない。動ける警官コマは「交番」に入ることはできる。とか。いずれにせよゲームが少し長くなるだけで、「警官必勝」か「泥棒必勝」のどちらかになることには変わりはないのですが。
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昨日のあやとりの派生です。
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hh220824-1 これ、実は上下対称ではないのです。そこが気に入らないのですが、うまく修正できませんでした。
<おまけのひとこと>
グラフ上のゲームの論文、その後もいろいろ研究されていて、面白いのです。ただ、面白さを簡潔に記述するのが難しいです。(書き手(=私)の能力が低いためです。)
8月25日(木) メビウス・ラダー、あやとり
グラフ理論のグラフの話とあやとりの話です。
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TOPOLOGICAL SYMMETRY GROUPS OF MOBIUS LADDERS(Erica Flapan, Emille Davie Lawrence:2013)という数学の論文の冒頭に、こんな有機化合物の構造式が出ていてびっくりしたのです。
Figure 1 of above paper これは、メビウス・ラダー(メビウスのはしご)という構造なのだそうです。図2左のはしごのかたちをぐるっと輪にして、上下を交差してつないだかたちです。
図 2:メビウス・ラダー この、メビウスの梯子のグラフ(メビウスラダーグラフ)は、梯子の横棒の数(上下の輪っかをつなぐ辺の数)をnとしたとき、Mn と表記したりするようです。下に、M4からM7の例を載せておきます。頂点の数は2nになります。
図 3:メビウス・ラダー メビウスラダーグラフMnが面白いなあと思ったのは、上の図のように2nの頂点を円周上に等間隔で配置して正2n角形を作ると、向かい合う頂点を結ぶn本の辺が存在するように変形できるのです。これは少なくとも直観的ではないと思います。上下の頂点の対応関係がどうなっているかわかりますか? 下の段の2n角形の外周の2n-閉路は、上の段の「ひねった梯子」のグラフではどの部分に相当しているでしょうか?
(つづく) ○
昨日のあやとりを変形してみました。
模様としては「まあまあ」の出来栄えかなと思いました。
<おまけのひとこと>
時間切れ、といか時間オーバーです。
8月26日(金) ワグナーグラフ、数学の問題、あやとり
グラフ理論のグラフの話とあやとりの話です。
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昨日のメビウス・ラダーグラフですが、頂点数8のものを特にワグナーグラフ(Wagner graph)と呼ぶそうです。
図 1:ワグナーグラフ 昨日、上記の2つの表現は同じだということを言いましたが、上の左の表現で外周の8-閉路は右のメビウス・ラダーではどこに相当するでしょう? という問いかけをしました。対応する頂点に番号を振って、8-閉路の辺に色付けしてみました。
図 2:8-閉路 1→2→3→…→8→1 の閉路と、辺1-5, 2-6, 3-7, 4-8 があることから、この2つは同じグラフであることが確認できます。図の右の「メビウス・ラダー」の表現だと、交差している辺のあたりの頂点が特別なもののように見えてしまいますが、図の左で明らかなようにこのグラフにおいてはどの頂点も等価で、他の頂点と性質が違う特別な頂点はありません。この2つのグラフがグラフとしては「同じ」である、というところが面白いなあと思うのです。
ワグナーグラフはこんな風に表現することもできます。
図 3:別表現 いずれにせよこのグラフは「非平面的」で、頂点の位置をどのように配置しても、平面上では辺が少なくとも1か所は交差してしまいます。ワグナー(Wagner)は、1937年に「グラフGが平面グラフであることの必要十分条件は、Gが完全グラフK5および完全二部グラフK3,3をマイナーとして含まないことである」という定理を発表しています。これをちゃんと説明すると長くなるので、たとえばこちらの駆け足で学ぶ「グラフマイナー定理」などをご覧ください。
ところで、ワグナーグラフのいくつかの表現を見ていたら、これを単位距離グラフ(全ての辺が同じ長さの直線になっているグラフ)にできないだろうか? と思ったのです。平面上では無理そうですが、3次元ならできそうな気がしました。
(つづく) ○
こんな数学の問題を見かけました。数年前の私立中学だったかの入試問題らしいです。(数字はちょっと変えました。)
x の値を求めなさい、という一次方程式の問題です。馬鹿正直に計算するとけっこう面倒くさいことになりますが、気が付くと簡単です。答は載せませんが、真面目に計算したくない、考え方を知りたい、という方はこちらのヒント1(別窓で開きます)をご覧ください。それでもピンと来ない場合、ヒント2をどうぞ。
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単発でご紹介できるあやとりのストックが何かあったっけ? と思って探しても適当なものが見つからなかったので、今朝即興で取ってみたあやとりです。
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hh220826-1
- 人差し指の構え
- 人差し指の輪を手前に半回転ひねる
- 四隅の小さな輪の処理(1つ隣)
- 薬指で、人差し指の向こうの糸を取る
- 内側3本指で「ガイアナの星」
- 中指の輪を外す
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
これも、両手から外してかたちを整える必要があるあやとりです。(頑張れば両手の間で調整もできなくはないですが、ちょっと大変です。)
<おまけのひとこと>
だいぶ秋の気配になってきました。
8月27日(土) ワグナーグラフを3次元の単位距離グラフにしてみる
すみません今日は軽い更新です。
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昨日ご紹介したワグナーグラフ、3次元空間内に単位距離グラフ(3次元でも単位距離グラフと呼んでもよいのでしょうか)にしてみることにしました。2パターン作ってみました。
図 1a 図 1b これ、横から見たらどんなふうに見えると思いますか? 12本のストローとタコ糸で模型を作ってみたくなりました。このかたちを長さを固定したロッド(棒)12本で作ったとき、この2つの表現のかたちは互いに変形できるでしょうか。タコ糸ではなくてゴムで作れば変形可能にできそうですが。
(つづく) ○
昨夜、地下室でふとイルカの島(原作:アーサー・C・クラーク:1963年)の1994年の文庫本を手に取って、1時間ほど読んでしまいました。大好きなジュブナイルSFです。書かれたのは約60年も前で、物語の想定年代は西暦2010年〜2020年くらいだと思います。今回改めて意識したことが2点あります。1つ目は国際リモート電話会議のシーンで、「この時間だと米国と欧州は(寝ている時間だから)急な会議はお願いできないので…」ということで連絡先を選ぶところとか、ビデオ通話は使わず音声だけでの会議にした、というところでした。 昔この本を読んだ時、自分が生きている間に海外とのリアルタイムのリモート会議を普通にやるようになるとは思っていませんでした。2つ目は「人類は平和に共存できるとは50年前は誰も想像できかった、今ではノーベル平和賞の対象を探すのが大変だ(笑)」といったトピックが出てくるシーンです。本当にそんな争いのない世界になっていたら良かったのに、そのためにはいったいどうしたらいいんだろうか、と改めて思いました。
<おまけのひとこと>
すみません、今日はあやとりの話を書く時間がありませんでした。
8月28日(日) D-TRAX
すみません、28日(日)と29日(月)の2回分をまとめて更新しています。
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単位距離グラフの模型を作るべく、材料を探しに100円ショップに行ったのです。そうしたらついこんなものを買ってきてしまいました。
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D-TRAX これは D-TRAXという製品です。こちらにダイソーさすがすぎる…!大人もハマる“お値段以上”のおもちゃ「D-TRAX」詳細レポというレビューがありました。
D-TRAXシリーズは、「スタート・ゴールセット」「ボード(2枚)セット」「ストレート(6個)セット」「カーブ(6個)セット」「交差、落下(2つずつ)セット」「問題カードセット」の6種類あります。「スタート・ゴールセット」にはビー玉と10問の問題カードも付いていて、「このパッケージだけでは遊べません。問題カードの例を作るには、このパッケージ以外にボードセット1、ストレートセット2、カーブセット2、交差・落下セット1が必要です」と書かれています。指示通り、全部で7セットを店内用のカゴに入れ、さらに遊んだ後の収納が欲しくなるよね、と思ってA4サイズの厚手のクリアケースを1つ買いました。全部で税込880円でした。
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D-TRAXを収納 構想もデザインも素材も良くできていると感心します。同じ水平面内で長く転がそうとすると、途中で止まってしまうことがあります。コンパクトなので、あっといいうまにゴールしてしまう感じがします。
後、欲を言うと「2連/3連ストレートブロック」とか「透明な橋脚ブロック」とかがあると見栄えが良いかなあと思いました。ブロックを置くからには、そのブロックをビー玉に通ってほしいと思うのです。ビー玉が通らない、単なる「支え」のブロックは透明で目立たないものが使えると良いのになあと思いました。
昔、Boyon Golo(ボヨンゴロ)というボールを転がすおもちゃをご紹介したことがあります。(今見ると写真が酷いです。)ボヨンゴロのほうは、コースのブロックと同じ素材で作られた樹脂製のボール(中に重りは入っていると思いますが)を使っているので、ビー玉よりも若干ゆっくり転がった記憶があります。D-TRAXも別の素材のボールを使うともう少しゆっくり転がってくれるかもしれません。でも止まりやすくなってしまうかもしれません。
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即席のお味噌汁に刻み油揚げを入れて、かんたんなお味噌汁を作ったのです。そうしたらこんなかたちのワカメが浮かんできて驚きました。
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<おまけのひとこと>
この土日は妻が東京の娘のところに遊びに行っていました。土曜日の朝、妻を駅まで送って、いったん自宅に戻った後、床屋さんの開店時刻に合わせて床屋に行って、車にガソリンを入れて、100円ショップに行って、その後で少し食料を仕入れて、あとはずっと家にこもっていました。
8月29日(月) ワグナーグラフを3次元の単位距離グラフにしてみる(その2)、あやとり
単位距離グラフの話とあやとりの話です。
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一昨日、ワグナーグラフを単位距離グラフにしてみた、というCGをご紹介しました。
これを一般的な視点から見てみたものです。四角反柱の頂点の構造になっています。
図 1a 図 1b 対称軸まわりに回転するアニメーションにしてみました。
図 2a 図 2b 図1a、図1bの視点から横方向に回転するCGも作ってみました。ファイルサイズが大きいので別窓で開くようにしました。こちらとこちらです。
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あやとりです。「Qの構え」から、シンプルな幾何学模様が作れないか試してみたものの1つです。
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- Qの構え
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- 左中指を中央のQの輪に上から入れ、右掌の糸を下から取る
- 右薬指で右親指向こうの糸を取る
- 右親指で左中指向こうの糸を左手の近くで(Qの輪の左側で)取る
- 右小指の輪を右薬指に移す
- 右薬指の2本の輪をそのまま右小指に移す (右側完成)
- 左人差し指で、中央のQの輪の左の糸を左中指の輪の下から取る
- 左親指で、左人差し指手前の糸と左中指手前の糸を取る
- 左親指の2つ目の輪(左人差し指にかかる輪)をナバホ取り
- 左中指の輪を左小指に移す
- 左人差し指の輪を外す
素朴で良いかたちだと思います。でも、親指・小指の輪が二重になっています。ここはもう一工夫したいところです。
<おまけのひとこと>
今週の木曜日に今度の対外発表の社内確認のための事前の発表会を設定したのですが、その際に上司のスケジュールを確認したところ、8/31(水)に「○○さん」(私の苗字です)という予定が入っていて、ハテ何だろう?心当たりがないなあと思っていました。今朝もう一度スケジュールを確認すると、私ではない別の方のようでした。ほっとしました。
8月30日(火) AIによる自動画像生成を試す、あやとり
自動画像生成の話とあやとりの話です。
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話題になっている Stable Diffusion という、自然言語(英語)で記述された説明を基に画像を生成してくれるというシステムを試してみたのです。結論から言うと、私が試したシステム(DreamStudio Lite)ではイメージしたような画像は生成できませんでした。オンラインのベータ版だからかもしれません。
Stable Diffusion については、例えば高性能画像生成AI「Stable Diffusion」無料リリース。「kawaii」までも理解し創造する画像生成AIとか言葉で指示した画像を凄いAIが描き出す「Stable Diffusion」 〜画像は商用利用も可能とかに載っていますので解説や試し方はそちらをご覧ください。
私が最初にイメージしたのは、サンスーシ宮殿のこの絵
で、人間の代わりに擬人化されたネコが演奏する画像ができないかな、と思ったのです。欲しい画像については詳しく書いたほうが良い、と書かれていたので、こんな記述をしてみました。
A cat playing a harpsichord and a cat playing a flute are illuminated by candles in a European court. The King of Cats, in fine clothes, stands by his side with a flute in his hand. ヨーロッパの宮廷で、ハープシコードを演奏するネコとフルートを吹くネコがろうそくの照明に照らされている。猫の王様が立派な服装をして、フルートを片手に持って傍らに立っている。 そうしたら、こんな画像が得られました。
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生成画像 1 うーん、ぜんぜんイメージと違う…
次に、もっとものすごくシンプルに“A cat playing a piano.”(ピアノを弾くネコ)で合成してみました。
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生成画像 2:ピアノを弾くネコ まあこれが出てくるのはもちろん凄いと思うのです。思うのですが、これもまたイメージとは違います。そこで、“A cat playing the piano in the style of Hayao Miyazaki.”(宮崎駿風に、ピアノを弾くネコ)としてみました。
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生成画像 3:ピアノを弾くネコ(宮崎駿のように) …なるほど。
欲しい絵について言葉で説明して、その説明から絵が合成されるというのはとても興味深いです。こんなことができるようになったのだなあと思いました。
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昨日のあやとりから、親指・小指の二重の輪のうち片方を内側に落としてみました。
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- Qの構え
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- 左中指を中央のQの輪に上から入れ、右掌の糸を下から取る
- 右薬指で右親指向こうの糸を取る
- 右親指で左中指向こうの糸を左手の近くで(Qの輪の左側で)取る
- 右小指の輪を右薬指に移す
- 右薬指の2本の輪をそのまま右小指に移す (右側完成)
- 左人差し指で、中央のQの輪の左の糸を左中指の輪の下から取る
- 左親指で、左人差し指手前の糸と左中指手前の糸を取る
- 左親指の2つ目の輪(左人差し指にかかる輪)をナバホ取り
- 左中指の輪を左小指に移す
- 左人差し指の輪を外す
- 左右の親指・小指の二重の輪を、二重ナバホもしくは逆ナバホ
すみません、取り方がまだ安定していなくて、説明が不親切です。微妙に左右非対称になっているところがいまひとつだなあと思いつつ、ここ数週間ずっと飾ってあります。
このあやとり、以前ご紹介したシシドユキオさんの「8つのダイヤモンド」と似ているなと思ったのです。画像を並べてみました。
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hh220830-1(上と同じ) 「8つのダイヤモンド」 SHISHIDO yukio 1981 交差や絡みが違ったりしているため、「似ている」という印象を持たないかもしれません。「8つのダイヤモンド」のほうは上下2段に3つのダイヤモンドが並んでいる感じが強いですし、今日ご紹介した左のほうは中央に武田菱のような斜めの2×2の存在を強く感じます。
<おまけのひとこと>
先日出題した (x-2)/2021 + x/2022 +(x+2)/2023 = 6 という一次方程式、このテキスト(文字列)をgoogleで検索に入れると途中経過も含めて解いてくれるのですね。そういえばgoogleってそういうこともしてくれるのでした。もちろん愚直に計算していましたが。
8月31日(水) サムナンプレ、あやとり、他
月末なので単発の軽い話題です。
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最近、タブレット端末やPCで「サムナンプレ」と呼ばれるパズルを解いています。PCだとこんなサイトでブラウザで遊べたりします。(ちなみにこのリンク先のサイトでは、難易度を4段階で選べますが、さらに難易度が高い問題が得られるアプリもあります。)
先日解いたこの問題が、ちょっと面白い手筋があったので記録しておきました。
図 1:サムナンプレの例題 画像、ちょっと大きすぎました。普通の「数独」のルール(縦横のそれぞれの行・列の9マスと、3x3のブロックには1〜9の数字が1つずつ入る)に加えて、指定された「ひとつながり」のブロック(この図では色分けしてあります)に入る数字の合計が、小さな数字で表された数になるようにします。1つの色ブロックには同じ数字を入れることはできません。
このように全く数字が入っていないところから始めるのが楽しいです。
サムナンプレ(sum number place)は、1行・1列・1ブロック(3x3)の合計が45である、ということが重要な手掛かりです。1行・1列・1ブロックから1マスだけはみ出している、とか、逆に1マスだけ欠けている、という状況が見つかると、そのはみ出したマス、欠けているマスの値が一意に決まります。
この例題は難易度が高いので、そのように簡単に決まるところは見当たりません。でも、真ん中の行が2マスはみ出していることがわかります。
図 2:手がかり 31+29=60 なので、A+B = (60-45) = 15 ということがわかります。ということは、(A,B) は (6,9)か(7,8)のどちらかです。
図 3:4行の合計 図3のように、4行ずつの合計を考えると、それぞれ45×4=180になっているはずです。ここからAとBは一意に定まります。
このあたりまでは普通の手筋ですが、今回面白かったのが図4の赤枠の部分です。
図 4 4つの色ブロック 9,14,17,10 があります。なのでこの赤枠の合計は 9+14+17+10 = 50 です。ということは C+D+E = 5 です。3つの異なる数字の和の最小値は 1+2+3=6 なので、C,D,E の中には同じ数が入っているはずです。可能性があるのは(1,1,3)もしくは(1,2,2)です。CとDは同じ行、DとEは同じ列にあるのでそれぞれ異なります。ということは、(C,D,E)は(1,3,1)か(2,1,2)のいずれか、ということになります。
この部分、非常に重要なヒントになりました。普通の数独に慣れた方、サムナンプレも楽しいですよ。
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あやとり、Qの構えからの発展の研究です。
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- Qの構え
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- 親指・小指の輪を手首に落とす
- Qの左右の縦の糸を親指・小指にかける
- 「ガイアナの星」
- 人差し指を外す
- 手首の糸を親指・小指にかける
- 親指・小指で逆ナバホ
手順3の状態からいろいろ試せそうです。
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昨日の朝撮ったアサガオの写真です。
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もう夏も終わり、といった感じになってきました。8月も今日で終わりです。
<おまけのひとこと>
昨日の朝、急ぎの仕事が飛び込んできて忙しくなってしまいました。まあありがたいことではあります。