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以前の「ひとこと」 : 2022年1月後半


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1月16日(日) 図形の問題の解説、折り紙の星のオーナメント

 昨日の図形の問題の解説と、折り紙の話です。



 昨日ご紹介したこの問題ですが、「幾何学的な解法がうまく思いつかない」と書いておいたら、古い友人からメールを頂きました。感激です。ありがとうございました。

 いただいたメールの解法の説明のテキストを(敢えて)画像で表示をさせていただきます。

 彼はとてもセンスがある方で、はるか昔にこんな紙のパズル

 を手渡したら、まだ小さかったお子さんをだっこしたままあっという間に解いてくれたのが印象に残っています。自分が悪戦苦闘したパズルだったので、あまりにあっけなく解かれているのに唖然としたのをよく覚えています。

 また、こんなバウムクーヘンを一緒に作って遊んだこともありました。

 まだ今の家に引っ越す前なので、たぶん30年近く前になります。なつかしいです。

 ちなみに私の解はこんな感じです。(画像をクリックすると別窓で大きく表示します。)



 YouTubeの 折り紙立体星かざり というのを見て、まねして折ってみました。

 

 1対√2の長方形(シルバー長方形)を細長く二等分して1対2√2の用紙を2つ用意して、それをまったく同じに折ってその2つのユニットを組み合わせています。

 シルバー長方形を細長く二等分して合同なユニットを2つ作って組み合わせるというと、前川淳さんの菱形十二面体を連想します。この星のオーナメントは、菱形十二面体よりは組み立てるのは簡単でした。

 この「星のオーナメント」は、動画では6角形のものも紹介されていますが、六角形、八角形に限らず原理的にN角形が作れるはずで(もちろん制約はありますが)、7角形とか作ったらきれいなのではないかなと思いました。


<おまけのひとこと>
 昨夜は「どんど焼き」でした。自分の地区のやぐらは家からは見えない位置にあるのですが、隣の地区のやぐらは家の南側の小さな谷をはさんだ向こう側で、よく見えるのです。今年も健康で暮らせますように、と思います。






1月17日(月) パターンをつくる(その1)、他

 パターン(模様)を作ってみる話です。



 こんなパターン(模様)の作り方を知りました。今日は手順のご紹介です。

 図1のような格子を考えます。説明のためにあまり大きくない格子を使っていますが、もう少し大きいほうがいいでしょう。縦線と横線にランダムに0か1を割り当てます。

図 1

 最初に横線から考えましょう。一番上の横線は 0 です。0 のときは最初の区間から1つおきに太い横線を描きます(図2)。新しく描いた線を赤で示します。

図 2

 上から2番目の横線は 1 です。1 のときは最初の区間を飛ばして、その隣から1つおきに太い横線を描きます(図3)。(新しく描いた線を赤で示します。)

図 3

 同じようにして、全部の横線を描きます(図4)。

図 4

 縦線も同様です(図5)。

図 5

 この2つを重ねるとどうなるでしょう?

 実は、上の例は小さすぎてあんまり面白くないので、もう少し大きな盤面を用意してみました(図6)。ランダムに0と1のラベルを作るのをどうしようかと思ったのですが、横線はネイピアの数(e=2.7182818284590…)、縦線は円周率(π=3.14159265358979…) を当てはめてみました。それぞれの数字が偶数か奇数かで0,1を決めればよいです。

図 6

 上記のルールに従って横の破線、縦の破線を描いてみて下さい。どんな模様ができるでしょうか?

(つづく)



 あやとりっぽい画像を見かけると反応してしまいます。【謎解き30問】金田一少年の事件簿R 謎の人物Dからの挑戦状の回答と解説 というページの謎29に、こんな図が載っていたのです。

 この不思議なあやとりは何だろう? と思ったのです。想像ですが、名前が付いている伝承あやとり作品の絵を使うと、問題を解くキーとなる言葉が「あやとり」なのか、それともその作品名なのかわからなくなるので、敢えてこんな絵柄を使ったのかなと思いました。



 1月5日(水)に車を定期点検に出したら、部品交換が必要ということで、15日(土)に車を一日預けました。代車はスウィフトでした。

 

 スポーツタイプとかではなくて普通のモデルでしたが、アクセルの反応が軽快で、運転して楽しい車でした。


<おまけのひとこと>
 昨年、12月上旬ころに妻の冬用のブーツのかかとの部分の縫製が開いてきてしまっていたので、ホームセンターの靴や傘を修理してくれるサービスに預けたのです。「数日かかります」とのことでした。翌週は忙しくて取りに行けず、二週間後に取りに行ったら「実はブーツのかかとの部分が硬くて針が通らないので、設備のある工場のほうに送っているため、もう少し時間がかかります」とのことでした。年が明けて二週間、まだ連絡がなくてどうしたんだろうと思って、昨日出かけたついでにもう一度状況を聞きに行ったのです。そうしたら「まだ工場のほうから連絡がないのです。催促しているのですが…」ということでした。まさかそれほど時間がかかるとは思っていなかったので、驚いています。その作業で得られる修繕費から考えると、こんなに手間を掛けたら明らかに赤字ではないかと思います。まさか失くしたとかではないよね…と不安になっています。
 以前、傘の修理をお願いしてみたことがあるのですが(石突が取れてしまった)、その時はその場できれいな修理は難しいと判断してもらったので諦めたのです。今回もそうしてもらったほうがお互い良かったのだろうなと思いました。






1月18日(火) パターンをつくる(その2)、他

 パターン(模様)を作ってみる話のつづきです。



 昨日、正方格子の縦横の線に0か1のラベルをランダムに振って、それに基づいて1つおきに格子の枠線を太線でなぞるというあそびをご紹介しました。昨日の小さなサンプルの縦線と横線、

 この2つを重ねて描くとこうなりました。

 これだけ見ても、何が面白いのかよくわからないかなあと思います。なので昨日、「もう少し規模の大きいもの」ということで、横に円周率、縦にネイピアの数を置いて、偶数奇数で0,1のラベルを生成したものをやってみてほしいとご紹介したのでした。結果はこんな図になりました。

 これは面白いと思います。パターンをもっとはっきり認識するために、もともとの格子(青い線)を消して、領域ごとに色をぬってみようと思います。何色必要でしょうか? 平面上の領域は最大で4色で塗り分けられることが証明されていますが、4色必要でしょうか?

(つづく)



 International String Figure Association(国際あやとり協会)のメンバーの更新手続きをさせていただいたのですが、そのメールに、あやとり協会の過去の文献や石野さんのサイトを参考に、パターンあやとりの世界あやとりの記録 というページを作って公開していますということを書いたのです。そうしたら、リンクをさせてもらっても良いか、という返信をいただきました。「嬉しいです、光栄です、お願いします」と回答したところ、Links to Other String Figure Web Sites(他のあやとりサイトへのリンク) のページの On line instructions のリストの末尾に掲載していただくことができました。感激です。しばらくあやとりのコンテンツのご紹介を休止していますが、また再開したくなりました。

 改めて上記のページのリスト、素晴らしいです。



 1年半くらい前に、100円ショップで購入した都道府県マグネットシートというおもちゃをご紹介したことがありました。

 妻から遠慮がちに「そろそろ冷蔵庫ではなくてあなたの部屋に飾ってほしいんだけど」と申し出がありました。あやとりをディスプレイするためにたくさん買ってあるホワイトボードに移設することにしました。

 

 よく、日本地図で北海道と沖縄を実際の位置ではなく別枠で表示しているものがありますが、そんな感じのレイアウトにしないとおさまりませんでした。あやとりと一緒に掛けて飾ってあります。


<おまけのひとこと>
 トンガの火山の噴火、大変なことになっているようです。トンガという国は人口は10万人ちょっとなので、日本の地方都市くらいの人数です。面積は720平方キロで、対馬と同じくらいの面積なのだそうです。気候への影響ももちろん心配ですが、10万人のうちの8万人くらいが被災しているらしいという情報もあり(推測なのでしょうけれども)、国際的に支援すべきだろうと思いました。






1月19日(水) 一目刺しのパターン(その1)、他

 パターン(模様)を作ってみる話のつづきです。



 一昨日からご紹介しているパターンですが、これを描き始めたのは先週arXivで公開された Loops and Regions in Hitomezashi Patterns(Colin Defant, Noah Kravitz:2022) という論文を見かけたのがきっかけでした。日本の一目刺し(刺し子の一種)の技法で正方格子で作れる模様についての分析をしている論文です。“Hitomezashi” って何だ? と思って開いてみたら、日本語の「一目刺し」でした。

 例えば、昨日のパターン(横方向に円周率、縦方向にネイピアの数を取って、各桁の数字の偶奇を使って生成したパターン)を塗り分けてみるとこんな風になりました。

図 1

 面白いと思います。上記の論文では、この手法で生み出された模様は必ず2色で塗り分けられること、それぞれの領域の幅と高さはいずれも奇数になっていることなどが述べられています。

 手作業でこの模様を作るのは楽しいですが、そうはいってもいろいろ実験するのは大変なので、プログラムで自動生成できるようにしました。横軸に円周率、縦軸にネイピアの数をそれぞれ30桁まで取ってみて作った図です。

図 2

 すみません、プログラムの都合で縦軸は図1とは逆になっています。(下から上に「ネイピアの数」の数字を並べています。)

 これも同様に2色に塗り分けてみました。今のところ色を塗るのはペイントソフトで手作業でやっています。

図 3

 自動生成できるようになったので、いろいろ実験してみることにしました。

(つづく)



 昨年末、12月に職場でカレンダーをもらってきたのを自宅の自室のドアに掛けています。わりと大きいので、他に掛ける場所がなかったのです。リビングに掛けようとしたら妻が困った顔をしたので、自室に持ってきました。

 

 欧州の企業の日本法人からいただいたカレンダーらしいのですが、前月と翌月のカレンダーが再生紙っぽい紙で上下に用意されていて、それぞれがちゃんと毎月独立にめくれるようになっています。さらに、今日の日付を表す赤いカーソルがついていて、それを動かすことができるようになっています。これ、後半になって残りの月数が少なくなるとカレンダーの厚みが薄くなるので、それに備えてカーソルの透明な帯の張力を変えられるようになっています。芸が細かいです。

 欧州のカレンダーなので、複数の言語で月の名前や曜日の名前が書いてあります。また、祝日が日本と違います。左端には一年を通しての第何週目かが書かれています。いろいろ日本のカレンダーとは流儀が異なりますが、面白がって掛けてみています。

 パッと見て1月31日が見当たらない感じがするのも面白いです。月によっては今月(2022年1月)のように6週間にまたがることがあって、その時は日本のカレンダーだと、よく斜線で1マスに2つの日付を併記することがありますが、このカレンダーは下に翌月分の表示があるのでそれでよしとしているのですね。月ではなく週を基準にしている感じが強いです。


<おまけのひとこと>
 大相撲初場所、地元力士の関脇御嶽海を応援しています。いつも勝ち越せるか終盤まで手に汗握る展開なのですが、今場所は中日8日目で単独で全勝で勝ち越しを決めました。横綱照ノ富士と唯一優勝争いができる星で、これは自分のためというより角界のために終盤までがんばらないといけないはず、と思っていたら昨日10日目に負けてしまいました。ああやっぱりいつもの御嶽海なのか…と思いましたが、最後まで応援します。






1月20日(木) 一目刺しのパターン(その2)

 一目刺しのパターンを作ってみる話のつづきです。



 今週は月曜日から正方格子の縦・横の線に1つおきに線分を描いて作るパターンの話をしています。この規則で、様々な「一目刺し」のパターンが作れるのです。

 昨日は、ランダムに0,1を生成する「種」として、横方向に円周率、縦方向にネイピアの数を使ってみましたが、縦と横を同じ「種」にしてみました。まずは「ネイピアの数」です。

図 1a 図 1b

 右上がりの45度の直線が対称軸になっています。(画像をクリックすると少し大きな画像が別窓で開きます。)

 円周率でも同じことをやってみました。

図 2a 図 2b

 ランダムに生成したパターンも味わい深いですが、逆にシンプルに規則的なものを作ってみることにしました。



 まずは最初にシンプルなものを3つ、ご紹介します。

図 3a 図 3b 図 3c

 それぞれ、縦横のパターンは、{0,1} のどんなシーケンスから生成されているでしょうか?

(つづく)


<おまけのひとこと>
 昨年10月に聴講したシンポジウムがとても面白かったので、社内の技術紹介の発表会で報告したいと申し出ておいたのです。それが事務局側の都合で延期になっていて、来週実施されることになりました。当初の感動や興奮がすっかり冷めてしまって気乗りがしませんが、聴講者が多分100〜200名くらい(もちろん完全リモート参加です)なので、あまり手は抜けないなあと思っています。まだ準備は白紙です。






1月21日(金) 一目刺しのパターン(その3)

 一目刺しのパターンを作ってみる話のつづきです。



 昨日ご紹介したシンプルなパターンをどうやって生成しているかをご説明して、その表記ルールを決めることにします。まずはこのパターンです。

{0},{0}

 これは下図のように、横軸(x方向)の数字の並びも縦軸(y方向)の数字の並びも全て同じときにできるパターンです。0でも1でもマクロに見れば同じです。

図 1

 なので、このパターンは{0},{0}と表すことにしました。


 続いてこのパターンです。

{01},{0}

 同様の表記で、これは {01},{0} です。

図 2

 西洋のお城の城壁の縁のような四角いぎざぎざが縦方向に並んでいます。これが {0},{01} ならば横方向になります。このパターンには閉領域はありません。無限に続く縦の縞模様です。


 昨日の3つ目のパターンはこれでした。階段のような斜めのパターンです。

{01},{01}

 これは {01},{01} と表記できます。このパターンにも閉領域はありません。

図 3

 これはマクロに見ると左上から右下への斜めのぎざぎざの線が並んでいます。これが {01},{10} というようにY方向の数字を1つずらすと、マクロに見た斜め線は右上から左下に方向が変わります。



 表記方法を決めたので、いくつか実験したものをご紹介します。まずは周期3のパターンです。縦横どちらも{001}です。

図 4:{001},{001}

 大小2つの十字型のパターンです。このパターンがこんなシンプルなルールで生成できるというのはとても面白いと思います。

 周期4です。{0001}ではなく{0011}を試してみました。

図 5:{0011},{0011}

 縦横{001}よりもむしろシンプルになりました。

 上の2つの例を組み合わせてみました。{0011},{001} です。

図 6:{0011},{001}

 十字型が千鳥配置になっています。縦と横が非対称です。

 面白くていろいろなパターンを作ってみています。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 プログラムでパターンを自動生成できるようになると、いろいろ試すのが簡単になります。このトピック、思いがけず長引いています。この後どっちの方向に発展させてみようかなと楽しみに考えています。






1月22日(土) 一目刺しのパターン(その4)

 週末ですが、一目刺しのパターンを作ってみる話のつづきを書きたいと思います。



 今週は17日(月)から正方格子の縦・横の線に1つおきに線分を描いて作るパターンの話をしています。途中の説明は省略しますが、昨日、X軸方向とY軸方向の 0,1 のパターンを中カッコ {} でくくった0と1の並びで表現する表記法を決めました。今日は、その表記法を使って系統的にパターンを調べたものをご紹介します。

 本日ご紹介するのは、X方向とY方向のパターンは同じで、数字は全部ゼロで1つだけ1がある、というパターンです。XとY方向の数字の並びが同じなので、{...},{...} ではなく {...}2 と書くことにします。 本日ご紹介するのは {0}2、{01}2、{001}2、{0001}2、{0...01}2、という系列です。各図の左側は線だけのもの、右側は領域を2色に塗り分けたものです。

図 1:{0}2

図 2:{01}2

図 3:{001}2

図 4:{0001}2

図 5:{00001}2

図 6:{000001}2

図 7:{0000001}2

 図1は線のパターンの周期が1、図2は周期が2、図3は周期が3、・・・図7は周期が7です。まず、周期が偶数のときと奇数の時で領域の繋がり方のマクロな特徴が違います。奇数の時は無限に広がる1枚の「背景」(図では青い色で統一しています)の上に、縁がぎざぎざの正方形のパターンが並ぶかたちになっています。周期が偶数の時には、「背景」の領域は1つおきに斜めに伸びていて、基本は斜めの縞模様のパターンです。

 また、青と白の面積の比ですが、周期が偶数の時は面積は常に1対1です。一方、周期が奇数の時は、最初の図1の{0}2 のときが白対青=1対3で最も偏っていて、Nが大きくなるほど比率は1対1に近づいてゆきます。

 ここでは縦方向と横方向の周期・パターンは同じものをご紹介しましたが、{0...01} のパターンを縦と横で異なる周期で生成したとすると、偶数同士のときは斜め、偶数と奇数の時は縦もしくは横の縞模様になり、奇数同士のときは長方形の格子構造になりそうです。

(つづく)



 余談ですがこのパターン、すべての角は直角なはずですが、なんとなく Z のように鋭角に見えます。カフェウォール錯視みたいです。

 3DCGから減色処理をして塗りつぶしているため、黒い線の内側に細い白い部分があるせいかもしれません。図を描いて調べてみようかなと思いました。


<おまけのひとこと>
 会社で「こんなこともやりませんか」という話が来て、基本嬉しい話ではあるのですが、具体的にはどうしたものかと思っています。この週末はそれについて考えないといけないかなと思っています。水曜日の2件の報告というか発表の準備も片方はまだ白紙ですし…






1月23日(日) 錯視、一目刺しのパターン(その5)、フォント

 昨日のパターンの話の続き、他です。



 最初に、昨日のカフェウォール錯視みたいなパターンをもう少しかっちりした図にしてみました。いずれもブラウザの機能で4分の1のサイズで表示しているつもりです。画像をクリックすると別窓で開きます。

図 a 図 b

 目の粗いものと細かいものと2つ図を用意してみました。白い部分に斜めのグレーな線が見えるような気がしたり、全体を眺めると不均一なムラのようなものが見えたりする気がします。さらに、ご紹介しませんがこの図の上にグレーの水平線や垂直線を描いてみると、それがまっすぐに見えなかったりして面白いです。

 シンプルなパターンなので錯視の対象として研究されているかもしれません。



 1月17日(月)からご紹介している、正方格子の縦・横の線に1つおきに線分を描いて作るパターンの話の続きです。

 本日ご紹介するのは {01}2、{0011}2、{000111}2、{0...01...1}2、という系列です。0と1が同数並ぶパターンです。図1は再掲です。

図 1:{01}2

図 2:{0011}2

図 3:{000111}2

図 4:{00001111}2

図 5:{0000011111}2

図 6:{000000111111}2

 0と1が同数、偶数個並ぶ場合と奇数個並ぶ場合で明確にパターンが異なります。規則性はわかりやすいと思います。

(つづく)



 こんなフォントを見かけました。これ、読めますか?

ヒント:ひらがなです。 (←ほとんど白の文字にしています)

(つづく)


<おまけのひとこと>
 いろいろやっていたら更新時刻が遅くなってしまいました。






1月24日(月) 剛体折り紙シミュレータ、他

 折り紙のシミュレータの話です。



 先週主に紹介していた一目刺しのパターンの生成ですが、まだストックがあるのですが今日は違う話題にします。

 Rigid Origami Folder(折り紙の剛体折り) というシミュレータがあったので、喜んでダウンロードして試してみました。2014年に公開されたもののようです。ありがたいです。

 バイナリをダウンロードしてzipファイルを解凍すると、以下のようなフォルダができます。

 [linux],[osx],[win32] がそれぞれ Linux, MacOS, Windows の環境の実行形式が入っているフォルダで、[models]には折り紙のモデルを定義した *.obj ファイルが入っています。[demo]フォルダには、windows の バッチファイル(*.bat) やUnix系OSのシェルスクリプト(*.sh) が入っています。私はWindows環境で試しています。

 最近のWindowsは、正規にインストールしたのではない実行ファイルは警告が出るようになっているので、バッチファイルを見てコマンドラインから実行してみました。サンプルの1つ、正三角形のパターンを折ってみます。

 操作はキーボードから行えます。一部を表記します。

 
 GUI keys:
 Help:
 	?: Show this message
 Display:
 	v: Show vertex id
 	c: Show creases
 	g: Show creases in groups
 	f: Show folding map path
 	a: Show assistant crease lines 
 	q: Show deformation
 	C: Random colors
 Control:
   ESC: Quit
 	p: Find path
 	r: Fold to initial status
 	t: Fold to final status
 	,: Fold forward continuously
 	.: Fold backward continuously
 	]: Fold forward one step
 	[: Fold backward one step
 	+: Increase frames
 	-: Decrease frames
    


 gifアニメーションにしてみました。

 

 これは1ステップずつキーボードから進めて、それをキャプチャして画像を保存するという地道な作業で作っています。

 これは面白いですね。先月あたりに折った立体的な周期的パターンなどを試してみたくなりました。

(つづく)



 昨日の不思議なフォント、個々の文字画像を背景を透過するgifファイルにしてもう少し文字間を詰めてみました。

 種明かしをすると、美大生が考案した読めない「日本語」に驚き! で公開されている日吉拓哉氏のデザインされた50音の画像から、各文字画像を切り出して並べてみたというものです。濁音や半濁音、小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」みたいな文字は一覧にはなかったので、ちょっとだけパーツを追加してみたりさせていただきました。そういった文字もデザインされているようなので見てみたいです。

 上記の画像、日本語が読める人なら一度認識してしまうと当たり前に読めてしまうのですが、知らないと悩むでしょうね。面白いと思いました。称賛の声がたくさんある中で、「(この文字デザインの)価値がわからない」といった反応もありました。それもそれで立派な意見だとは思います。ただ、これはデザインの領域の話であって、そもそも「読みやすさ」を追求したものではないわけです。たとえば都道府県章というのがありますが、これが「読めない」「価値がわからない」と言っているような印象を持ちました。



 大相撲初場所(正式には一月場所と言うのだそうですね)で、関脇御嶽海が横綱照ノ富士を破って優勝しました。とても嬉しいです。長野県出身の幕内力士は、佐久出身の「大鷲」(最高位が前頭三枚目、1978年に引退)以来、長野県出身の大関は江戸時代の雷電以来、ということです。子供のころ、父が自宅で個人経営の製材業をやっていて、建築関係なので朝8時から夕方5時までの仕事でした。5時になると帯鋸やおがくずの集塵機などの運転を止め、工場(こうば)の掃除をいっしょにやったりしていました(毎日ではありませんでした)。丸太から柱材を製材するので、破材がたくさん出て、それを薪にして積み重ねて乾燥させて風呂を焚いていました。風呂焚きは小学校1年生のときからの私の仕事で、なたで薪を割って火を焚いていました。

 大相撲があるときは、5時過ぎから中入り後の取り組みをいつもテレビで見ていました。勝手口のすぐ外にある風呂釜のかまどから、相撲中継の声がよく聞こえました。琴風のファンだったことを覚えています。地元の力士を応援したかったので、大鷲には注目していたのですが、華々しい活躍はあまりありませんでした。それでも幕内に居るだけでものすごく大変なことなんだ、というのは後になってわかりました。

 御嶽海が優勝して、大関もほぼ確実と言われています。本当に感慨深いです。


<おまけのひとこと>
 今週は26日がとても大変な日で、今日もそのための準備で忙しいです。






1月25日(火) 剛体折り紙シミュレータ用デザイナー

 折り紙のシミュレータの話のつづきです。



 昨日ご紹介した剛体折り紙シミュレータ用のデザインができるwebアプリケーションが合わせて公開されています。こちらのOrigami Pattern Designerからリンクされているhttp://turing.cs.gmu.edu/opd/index.html です。

 早速試してみました。こんなパターンを作ってみて、PCにダウンロードしてシミュレータにかけてみます。

 そうしたら、山ほどWarning(警告)が出た挙句、こんな出力になりました。

 これ以上変形しません。また、対角線の折り線が入っていない小正方形が描画されません。何か誤解しているみたいです。

 ほかにもこんなパターンも試してみました。いずれもここが変形の限界です。

 まだこのシミュレータ(もしくはデザイナー)の使い方がわかっていないようです。デザイナーで出力されるモデルはテキストファイルで、頂点と面を定義しているのが読み取れますが、折れ曲がりをどのように定義しているのかがまだよく理解できていません。シミュレータのソースコードが公開されているので、それを調べるほうが実ははやいかもしれないなと思ったりしています。(そんな時間はないはずなのですが…)



 skechup をちょっといじってみています。

 まだよくわからない…


<おまけのひとこと>
 折り紙シミュレータのデザイナーをいろいろ試していたら、遅くなってしまいました。今日は他の話題にすれば良かったです。






1月26日(水) 一目刺しのパターン(その6)、他

 一目刺しのパターンの話に戻ります。



 二日ほど剛体折り紙シミュレータの話をはさみましたが、もう少しだけ一目刺しのパターンのご紹介を続けます。パターンを生成するルールを記述するのに{0011}2といった表記を用いていますが、これは1/17(月)から順を追ってご紹介していますので、必要に応じてご確認ください。

 本日ご紹介するのは {0011}2、{00011}2、{000011}2、{0000011}2、という系列です。先日はゼロが並んでいて最後だけ1、という系列をご紹介しましたが、この系列は最後の2つが1で、それ以外がゼロです。ゼロの数を増やしていくとどうなるだろう? という実験です。図1の{0011}2は再掲です。

図 1:{0011}2

図 2:{00011}2

図 3:{000011}2

図 4:{0000011}2

 ゼロの数が偶数のときと奇数の時で振る舞いが異なります。ゼロをもっと増やすとどうなってゆくかは想像できると思います。

 0が奇数個のときの(図2とか図4の)トゲの生えた十字型のパターン、四角形ですけれどもなんとなく雪の結晶を連想します。背景を青、前景を白に塗っているせいかもしれません。



 ちなみにこれらのパターンは無駄にpovrayで3DCGとして生成しています。そのため、視点を変えて透視図法を変えるとこんな絵が作れたりします。

図 5

 こういう図を作ってみるのも楽しいです。



 英語圏の算数のサイトを見ていたら、こんな掛け算の覚え方のコツが載っていました。

図 6

 掛け算の6の段、6に偶数を掛けると結果の1桁目は掛けた数と同じになる、というものです。このパターン、言われてみるまで意識したことがなかったです。

 これ、なぜこうなるのか説明できますか?

(つづく)


<おまけのひとこと>
 今日はたくさんの人を対象とした発表会での発表(リモートです)と、夕方の定時後に複数の本部の偉い人が集まるところでの報告があって、今月のハイライト、という感じの日です。他にも重たい会議があって大変です。
 今日は母の誕生日で、チョコレートを送っています。今日は忙しいので電話とかはする時間はなさそうです。ごめんなさい。






1月27日(木) 一目刺しのパターン(その7)、他

 一目刺しのパターンの話です。いったん最終回です。



 一目刺しのパターンの話を1月17日(月)から書いてきましたが、今日でおわりにしたいと思います。最後にご紹介するのは末尾が 101 になっている系列です。 既出の{0101}2={01}2、{000101}2、{0000101}2、という系列です。

図 1:{0101}2={01}2

図 2:{00101}2

図 3:{000101}2

図 4:{0000101}2

 図2のパターンが美しいと思ったのです。このパターンを記述するコードが {00101}2 で済む、逆に言うと縦・横が {00101} のパターンから生み出される模様が図2である、ということがとても面白いです。図2のパターンを文字情報だけで記述してくださいと言われたら、けっこう苦労すると思うのです。こんな例に巡り合えて楽しかったです。



 大学のプレスリリースをたまに見たりしていると、本題とは関係ないところで「おもしろい」と思うことがあります。高効率発光するナノシリコンとLEDをデザイン という広島大学のニュースリリースを見たら、材料物質としてこんな図が載っていました。

 8つのケイ素を頂点、12の酸素を稜とした立方体骨格です。稜は酸素による共有結合なので折れ曲がっています。これはシルセスキオキサンという一連の構造のうち、8つの頂点に水素が配位された最もシンプルなもののようです。

 リンク先の図3には、立方体構造だけでなく五角柱、六角柱の構造の物質も生成できることが述べられています。

 かたちとして単純に面白いです。(もちろん上の図は模式的なもので、ケイ素の間には酸素がはさまっているので、それぞれの稜は折れ曲がっています。)分子模型を作ってみたら面白そうです。



 昨日、こんな掛け算の性質をご紹介しました。6に偶数を掛けると、答の1桁目は掛けた数になるというものです。

 こんな風に説明するのがシンプルかなと思いました。

 「6は5+1で、5は偶数を掛けると10の倍数になるから」というのが説明です。


<おまけのひとこと>
 御嶽海が大関になって嬉しいです。伝達式の口上で、難しい熟語とかを使うのではなく「感謝の気持ちを大切にし」と言っていたのが自然で心からの言葉のように思えて良かったです。






1月28日(金) 正多角柱の上下の頂点をずらして結ぶ(その1)、他

 多面体の話です。



 上下の面が正多角形の正多角柱を考えます。正八角柱で考えてみることにします。図1は正八角柱の骨格を示したものです。上下の正八角形の対応する頂点どうしを結んでいます。上下の頂点を結ぶ線(稜)を、ひとつずつずらしていってみましょう(図2〜図4)。

図 1 図 2
図 3 図 4

 縦の線が伸び縮みするゴムだったとすると、上の正八角形をだんだんねじっていったように見えます。

 次に、正多角柱の側面を張ってみます。1つ隣の頂点を結んだ線(図2の青線)は側面の長方形の対角線になりますので、側面に含まれていることになります(図5)。

図 5

 次に2つ隣を結ぶ線(図3の緑線)と3つ隣を結ぶ線(図4の赤線)に注目してみます。これらは角柱の内側を通っています。この2本の線と、正八角形の各辺は三角形を作りますので、その面を張ってみました。上側の八角形の辺を使った8枚の三角形(図6の緑の三角形)と、下側の八角形の辺を使った8枚の三角形(図7の赤い三角形)です。

図 6 図 7

 さて、図5、図6、図7の面を全て張るとどうなるでしょう?

(つづく)



 北海道大学のプレスリリースに、光の入射角度のちがいが生物時計の光反応性に影響することを発見(山仲勇二郎:2022年1月21日) という記事がありました。目に光が入る角度を変えることで、人間の体内時計に影響がある可能性がある、という研究です。

 この研究では眼球面に対して上方55度と下方28度からの光の入力を実験的に比較しています。下方28度のほうが影響が大きいのだそうです。いったいこれはなぜなのか、どんな仮説が検討されているのか知りたいと思いました。プレスリリースによると、Sleep and Biological Rhythms で公開されたとのことですが、これは日本睡眠学会の公式英文誌のようで、調べてみたのですが論文にはたどり着けませんでした。(最新のものは会員でなければ公開されないということはよくあるので、そのためかもしれません。)

 私は一日の生活のサイクルがとんでもなく前倒しになってしまっています。今日も午前2時くらいには目が覚めて眠れなくて、本を読んだり今日の更新の図を作ったり(説明用の各ステップの図は作っていなかったので、色付けを変えたりして用意しました)しています。今これを書いている朝5時過ぎには、朝食も済ませています。外はまだ真っ暗です。在宅勤務の日には(今日もそうなのですが)、更新を終えて外がまだ暗いうちから仕事を始めるので、日に当たりません。妻が心配してくれて、体内時計をリセットするためにしっかり朝日を浴びたほうが良いと進めてくれて、朝8時くらい(仕事を始めて2時間後くらい)にコーヒーを淹れてくれるのです。それはリビングの朝日の入るところで外を眺めながら飲むようにしています。眼球面に対して下方から光を浴びるほうが良いのかなあ、でもそれはあまりに短絡的だよな、と思いました。そもそも普通に生活していて光が下方から当たるってどんな場合でしょう? 仰向けに寝転んでいるとき? 頭を北向きにして寝転んで日に当たるといいのかな?


<おまけのひとこと>
 バカなことを書いている気がします。






1月29日(土) 折り紙のハートの箱、他

 折り紙の話です。週末なので軽い話題を。



 Youtubeの折り紙動画 折り紙ハート箱と、折り紙ハートバルーン を見て、自分でも折ってみました。

 

 手前の単色の2つが「折り紙ハート箱」、奥の黒字に白い星模様のものが「折り紙ハートバルーン」です。いずれも正方形の不切一枚折りです。

 「箱」なので開閉できます。ハートの上の部分が下の写真のように開きます。

 

 きっちり折らないときれいにふたが閉まりません。また、「ふた」の部分が紙が多重になって重たいため、中が空っぽだと冒頭の写真の向きでは安定しません。なので中に重石としてコイン(十円玉)を入れています。

 このかたち、正三角形とその半分の30-60-90°の直角三角形から成る多面体のかたちになっています。多面体として作ってみてもいいかもしれないと思いました。



 「双子素数を十進法で表記すると同じ桁数であることを証明せよ」という問題がありました。これは、こういう問題が好きな子なら小中学生でも解けそうな良い問題だなと思いました。



 東京子ども図書館の松岡享子さんが1月25日に亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りいたします。私にとっては松岡享子さんと言えば「くまのパディントン」(福音館)です。「くまのパディントン」「パディントンのクリスマス」「パディントンの一周年記念」「パディントンフランスへ」「パディントンとテレビ」の5冊を愛読していました。外箱に入った装丁で、それぞれが違った色の背景色でデザインされていました。

 検索してみても、当時の装丁の本の画像はほとんどみつからなかったのですが、パディントンの世界に浸る|くまのパディントン展@Bunkamura ザ・ミュージアム という福音館書店のサイトに、展示会で飾られている本の写真がありました。縮小して掲載させていただきます。

 これです。懐かしい…

 このシリーズは基本は連作短編集のような構成で(「くまのプーさん」「プー横丁に立った家」もそうでしたが)、1冊にいくつかのお話が入っているのですが、本の表紙を見ると、それぞれの本の中の特に好きだった話やエピソードが思い浮かびます。もう何十年も読んでいないのですが。ブラウンさん一家の人々、骨董屋のグルーバーさん、お隣の気難しいカリー氏。部屋を改装(怪装?)する話、マガジンラックを作ろうとしてダイニングテーブルを切ってしまう話、グルーバーさんと骨董品のせりに行く話、園芸に目覚める話…。 ココアに少量の塩を入れると美味しいとか、園芸の才能があることを「緑の手を持っている」ということとか、英国のガイ・フォークスの風習とか、レストランのフィンガーボールとか、実はこのシリーズから学んだことはたくさんあったのだなあと思いました。

 日本では午前と午後の休憩時間は10時と3時で、「おじゅうじ」「おさんじ」と呼ばれたりしていましたが、イギリスでは11時と4時なのだ、ということもこの本から知りました。(ドリトル先生の本の中にも「4時だ。ちょうどお茶の時間だ。」というのが出てきたと思います。「航海記」の最後に帰ってきたときのシーンだったかな。)

 松岡享子さんの訃報に接し、いろいろ思い出したことをつらつらと書いてしまいました。


<おまけのひとこと>
 週末でのんびりしていたら遅くなってしまいました。






1月30日(日) おりがみのはこどうぶつ、他

 今日も折り紙の話です。



 古本のリサイクルショップの全国チェーン店のbookoffに行ったらおりがみのはこどうぶつ( 木村良寿:ヴォーグ社 2017)という本があったので買ってきました。(古書での購入で申し訳ないのですが。)

 冒頭に載っていた「はこくじら(Cube-Whale)」をまず折ってみました。立体で、折り紙らしい造形です。折り紙用紙の表裏の利用の仕方もシンプルで無駄がありません。良いデザインだと感心しました。

 

 

 ちなみにおなかの側はこんな感じになっています。

 

 この「はこくじら」は、箱なのですが中に何かを入れるというよりは「かぶせる」ように使う感じです。もっと大きな紙で折れば、何かのカバーのような使い方もできるのかもしれませんが、表面が寒色系の色で裏面が白の用紙でないと「くじら」っぽくならないと思います。ちなみに15cm角の標準的な折り紙用紙から折ると、立方体の部分の1辺の長さは3.5cmくらい、くじらの頭から尾の先までの体調は9cmくらいのものができています。



 この木村良寿氏(1959年生まれだそうです)の「はこおりがみ」の本に掲載されている一連の作品は、ほとんどが基本設計が同じです。最初に「座布団折り」(下図(2).正方形の折り紙用紙の4つの頂点を正方形の中心に集める折り方)をして、厚みが二重になった一回り小さな正方形を作って、それを裏返して縦横三等分に折る、という手順です。最初、ここがよくわかりませんでした。

 最後の上図(4).で縦横三等分した9つの正方形のうち、中心にくる正方形が「はこくじら」の頭部の上の面になります。ここに余計な折り筋を付けないように、冒頭の「座布団折り」では中心にしるしを付けずに折ることが推奨されていて、ここがまず普通の折り紙よりもハードルが高いです。

 こちらの手づくりタウン(こちらもヴォーグ社のサイトのようです)の「はこどうぶつ」のページでは、数ページを「立ち読み」することができます。この「はこくじら」も折り方の前半が載っています。



 昨日、「双子素数を十進法で表記すると同じ桁数であることを証明せよ」という問題をご紹介しました。これはイアン・スチュアートの「迷路の中のウシ」(共立出版:2015)の4章「跳躍チャンピオン」の中にちらっと書かれていたものです。双子素数はいずれも奇数で、差が2のものです。連続する2つの奇数で桁数が違うものと言えば、小さいほうは 9999....9 、大きい方は 1000...01、という数字しかあり得ません。1000..01 のほうは素数のことも素数でないこともありますが(たとえば 11 や 101 は素数ですが、1001 は 7 x 11 x 13 なので素数ではありません)、999....99 のほうは必ず 9 で割り切れるので、双子素数で桁数が異なるペア、というのは十進法ではあり得ないのです。

 では、十進法でなければ、双子素数で桁数が違うペアは存在するでしょうか? たとえばそれは何進法のときのどのペアでしょう?


<おまけのひとこと>
 折り紙というのも図を読み解くパズルのようで楽しいです。






1月31日(月) おりがみのはこどうぶつ(その2)、他

 1月の最終日です。すみません今日も軽い話題ということで折り紙の話です。



 昨日ご紹介したおりがみのはこどうぶつ(木村良寿)から、2枚組の「はこしゃち」です。「しゃち」なので黒い折り紙で折ってみました。

 

 なんとなく、ホバークラフトとか水中翼船のような高速船を連想しました。かっこいいかたちな気がします。

 2枚組で、「はこ」の下半分と上半分をそれぞれ1枚の同じ寸法の不切正方形で折ります。基本構造は昨日ご紹介した「ざぶとん折り」から裏返して縦横を三等分に谷折り、と同じです。ただ、この「しゃち」の場合は最初の「ざぶとん折り」の表裏を交互に折りました。

 

 普通の15cm角の折り紙で折ると、体長12cmくらいになります。

 

 「しゃち」なので黒い折り紙で折ったら、写真を撮るのに苦労しました。黒の諧調がつぶれてしまうのです。上の写真は画像処理でガンマカーブを調整して黒の諧調を広げる処理をしています。本の写真では濃い赤紫のような色が使われていました。それでも充分「しゃち」に見えます。



 この本、英訳されて海外で発売されているのですね。

 

 日本語の「かわいい」ということばは英語で “kawaii” という形容詞として使われるようになってきていると聞きます。表紙には “KAWAII PAPER MODELS” という表記が、裏表紙の解説の冒頭には “chunky, kawaii,blocky and adorable” (chunky:分厚い、どっしりした、kawaii:カワイイ、 blocky:ブロック状の、adorable:愛らしい) といった形容が並んでいます。

 英語版では48枚の折り紙用紙が添付されているのですね。日本のように折り紙用紙が簡単に手に入るわけではなさそうです。



 昨日の朝日新聞(2022年1月30日(日))の読者の投稿記事にこんなことが書かれていました。74歳の男性の記事で、昨年初孫が生まれた、という話です。

大人になったとき、コロナ禍の時代に生まれたことが、語り草になるだろう。そのとき、人類は大きな試練を乗り越えて、さらに素晴らしい世界を作りあげたのだと誇れるようにと切に願っている。(明石市:榎本和彦)

 すごく共感しました。昔、NHKのテレビで放映されていた「未来少年コナン」というアニメがありましたが、その最後の回にラオ博士が最期に同じようなことを言っていたなあと連想しました。



 朝日新聞と言えば、連載小説の「また会う日まで」(池澤夏樹)が今日1月31日が最終回でした。昔は新聞の連載小説を毎日読むのはまどろっこしくて苦手でした。(「まどろっこしい」という言葉の使い方が不適切かもしれません。)興味がある話はその先が知りたくなって、毎日ちょっとずつ読むというのが性に合わなかったのです。でも最近はようやくそいういう楽しみもわかってきた気がします。この連載は、戦時中の話がメインなので重たいエピソードも多かったですが、非常に楽しみに読ませていただきました。



 誰かと話をしていると、自分が受け取った情報と、そこから感じたことや思ったことを時系列で順に話をしてくれる人がいます。「今日こんなことがあった、自分はそこでびっくりしてこんなことを言った(やった)、そうしたら次にこうなって、こういうことがわかって、で次にこうしたらこうなって…」みたいな話し方です。たとえば以前、たまに電話で母と話をしたりするとそんな話し方をされることがありました。(最近はコロナ禍でほとんど外出しないせいか、そんな風に話したいエピソードすらなさそうで、それはそれで心配しています。) 「途中の話は後でいいから、で結局どうなったか先に教えて」と言いたくなることがあります。

 伝える側としては、自分が何を見聞きしてどう感じたかを順を追って話すことで最も共感を得られるだろうと思って話してくれているのはわかるのです。結論だけ先に言っても、それでは伝えたいことが充分に伝わらないのではないか、という感じなのだと思います。その気持ちに寄り添って、まずはちゃんと聴くというのが大切なのだな、と思います。思ってもなかなか実践できなかったりしています。まだまだ未熟です。


<おまけのひとこと>
 桁数の違う双子数は何進法でしょうか、という話を書く時間が無くなりました。まあいいか…






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