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以前の「ひとこと」 : 2022年1月前半


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1月1日(土) 小町算、本、あやとり

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。



 年初なので、2022の小町算のご紹介から始めたいと思います。といってもノーヒントだとたいへんなので、9個の数字をどういう風に使うかまでを提示します。まずは昇順(1,2,3,4,5,6,7,8,9)からです。

123, 45, 6, 7, 8, 9

 123=1728, 45, 6, 7, 8, 9 の6つの数字をこの順番で使って、四則演算だけで2022を作って下さい。途中にカッコを入れる必要があるかもしれません。(ないかもしれません。)べき乗が出てくるのが残念なところです。

 次は降順です。

9, 8, 7, 6, 543, 2, 1

 543という3桁の数が出てきますが、それ以外の 9,8,7,6,2,1 は単独で使います。こちらも、この順番で四則演算だけで2022を作ってください。

 12の三乗というと、ラマヌジャンのタクシー数 1729 を思い出します。 1729は、123 + 13 であり、103 + 93 でもあります。このように二通りの異なるやり方で立方数(ある数を三乗した数)の和で表される数の中で最小なのが 1729 なのです。



 自分がラマヌジャンの 1729 のエピソードを最初に知ったのはどの本からだっただろう? と思って思い出そうとしています。候補は講談社ブルーバックスのゼロから無限へ(著:コンスタンス・レイド 訳:芹沢 正三,1971)か、児童書の「科学者の目」かなあと思うのですがはっきりしません。

 「科学者の目」は、たくさんの科学者の簡単な伝記とエピソードが数ページずつ書かれた本で、小学校のころの愛読書の1冊でした。検索してみると、新版 科学者の目(かこさとし 文と絵、童心社 2019)がみつかりました。今日はじめてこの本の作者がかこさとしだったことを知りました。なるほど道理で挿絵も素晴らしいし文章もすばらしいわけです。ただ、もくじを見るとラマヌジャンは載っていません。とするとこの本ではなかったのか…

 「科学者の目」は本当に素晴らしい本で、この本から名前や業績を知った偉人はたくさんいます。上記の童心社のページの「試し読み」から、冒頭のかこさとしの言葉や取り上げられている41名の科学者の名前を見ることができます。また、最初のナウマンのページは読むことができます。

 冒頭にこんなことが書かれています。

 科学というものは本来、人類が築き上げた知恵や工夫の寄り集まりなのですから、人びとの生活が豊かで楽しくならないというのは、この社会のどこかでまちがった科学の使い方をしていたり、人びとが科学をよく知らなかったりおそれているのをよいことにして、一部の人のためにだけ利益がゆくようにしているからだと言えましょう。(かこさとし「新版 科学者の目」冒頭のことばより引用)

 もくじを眺めながら、私はこの本の影響を強く受けているなあと改めて思いました。この「新版 科学者の目」、数十年ぶりに読んでみたくなりました。



 年が明けましたが、あやとりの話は昨日のつづきです。

 
hh220101-1
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 人差し指の輪を、中指の輪の中からつまみ出して外し、人差し指に掛け直す
  3. 中指の輪を、人差し指の輪の中からつまみ出して外し、中指に掛け直す
  4. ダブルハートの処理
  5. 親指・小指の輪を外側に1回転ひねる
  6. 焼け焦げた葉のククイの終了処理

 中央部分の糸の重なり方は昨日や一昨日のものよりもこちらのほうが好みかなあと思います。(大部分の方にとっては違いが細かすぎて興味を持っていただけないかもしれないなあと思いつつ書いています。)


<おまけのひとこと>
 「一年の計は元旦にあり」です。今日は何をやろうかな。






1月2日(日) 小町算の解、本、あやとり、他

 昨日の2022にちなむ小町算の解と、本の話のつづきです。



 昨日の2022を作る小町算(数字の1〜9をすべて1回だけ使った計算で目的の数を作る遊び)で、数の分解のしかたまでは提示しておきましたが、今日はその答を載せたいと思います。

123, 45, 6, 7, 8, 9 → 解はこちら
昇順

9, 8, 7, 6, 543, 2, 1 → 解はこちら
降順

 それぞれ、別窓で小さな画像が開きます。電卓アプリで計算した式と答の画像です。



 昨日のラマヌジャンのエピソードを調べたくて、自分の「ゼロから無限へ」をひっぱりだしてきて探してみました。ありました。

 
表紙 p.176

 改めて今この本を見てみると、基本は四則演算と整数のべき乗しか使っていないのです。また、筆算の表記が多用されており、小学生でも興味があれば1つ1つの過程を追ってゆくことができるようになっています。でも、かなり高度なことも書かれていて、例えば「5」の章では、オイラーの整数の分割の理論と五角数の関係の話が紹介されているのですが、そこに多項式の無限乗積の逆数の話が出てきます。

 この本では、まず分母の多項式の掛け算を1つ1つ筆算で計算した例が掲載され、「これをみると、初めの方の項は次々と決定してゆき、計算を先にのばしていっても、これらはもはや変わらないことがわかると思う」と書かれています。さらにその後で、割り算の筆算で求まった多項式(の頭のほうの10項くらい)で1を割って、その係数が例示されているのです。なるほどこうやるのか、ということがものすごくわかりやすいのです。



 昨年のあやとりを整理しつつ、紹介しそびれていたものを拾って掲載しています。昨年6月にご紹介していたパターンの最後の処理だけを変えたもの、未紹介でした。

 
hh220102-1 hh210623-1
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 隣り合わせ2本ずつを互いに絡ませる処理
    • 親指と人差し指の輪を互いに絡ませる
      1. 親指の輪を、人差し指の輪の中からつまみ出して外し、
        親指に掛け直す
      2. 人差し指の輪を、親指の輪の中からつまみ出して外し、
        人差し指に掛け直す
    • 小指と中指の輪を互いに絡ませる
      1. 小指の輪を、中指の輪の中からつまみ出して外し、
        小指に掛け直す
      2. 中指の輪を、小指の輪の中からつまみ出して外し、
        中指に掛け直す
  3. 親指・小指の輪を外側に1回転ひねる
  4. 焼け焦げた葉のククイの終了処理
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 隣り合わせ2本ずつを互いに絡ませる処理
    • 親指と人差し指の輪を互いに絡ませる
      1. 親指の輪を、人差し指の輪の中からつまみ出して外し、
        親指に掛け直す
      2. 人差し指の輪を、親指の輪の中からつまみ出して外し、
        人差し指に掛け直す
    • 小指と中指の輪を互いに絡ませる
      1. 小指の輪を、中指の輪の中からつまみ出して外し、
        小指に掛け直す
      2. 中指の輪を、小指の輪の中からつまみ出して外し、
        中指に掛け直す
  3. 親指・小指の輪を外側に1回転ひねる
  4. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理



 今朝は寒いです。外の温度計の表示はマイナス15℃でした。

 朝6時くらいに撮った写真です。まだ真っ暗だったので、露光時間が1.0秒、ISO1600相当での撮影です。手持ちだったのでさすがにブレ気味の写真になってしまいました。コントラストやガンマ補正をかけて、縮小してトリミングしてシャープネスなどをかけてある程度見られる画像に加工しています。


<おまけのひとこと>
 そろそろ休み明けの報告の準備を始めないと間に合わない感じです。






1月3日(月)ラマヌジャンの問題 、折り紙の「たからぶね」、「春の海」

 ラマヌジャンつながりでラマヌジャンの問題と、折り紙、音楽の話です。あやとりの話はお休みです。



 ラマヌジャンが作ったというこんな問題があるのだそうです。

 この2式を満たす実数(x,y)を求めなさい、という問題だそうです。それぞれの式が表すグラフをxy平面上にプロットしてみることをお勧めします。実数解なので、ルート(根号)の中身は負ではありません。ということは、x と y の値の上限、下限は素直に決まります。

(つづく)



 大晦日の夕方から昨日2日のお昼過ぎまで、息子が帰省してきていました。2日間のんびり過ごしたのですが、1月2日の晩の「初夢」には、折り紙で「たからぶね」を折って枕の下に入れて寝るのが昔からの習慣になっています。

 2日の晩には東京で娘(息子からすると姉)に会うというので、手元のメモ用紙で「たからぶね」を折って渡しました。別の折り紙で入れ物を折って、紐を掛けてちょっとしたパッケージにして渡したのですが、写真を撮るのを忘れていました。「覚えていたら、面倒でなければ開けたところで写真を取ってほしい」とお願いしておいたら、昨夜写真を送ってもらいました。

 

 

 表裏が同色の用紙で折ると、きれいに二等分するのがちょっと難しいです。そのため若干精度が悪いです。



 簡単な折り方の図を作ってみました。上記の写真のものは「やっこさん」から折るやり方ですが、下の図は「風車」「二そうぶね」から折るやりかたです。

 ちょっと余計な線もありますが、普通に折るとこんな感じの展開図になります。用紙の内側(折り紙の白い色の側)から見たところで、赤線が谷折り、青線が山折りです。

 これは、以下のような手順で折れます。

  1. 折り紙を正方形の対角線で三角に二等分する
    両方の対角線で谷折りする
  2. 折り紙を左右の辺で観音開きに折る
  3. 折り紙を上下の辺で観音開きに折る
  4. 裏返して4つの頂点を中央に合わせて折る
    「ざぶとん折り」と呼ばれることがあるようです

 あとは立体的にかたちを整えるとできます。



 お正月なので、宮城道雄の「春の海」をフルート(私)とピアノ(妻)でやってみました。楽譜はドレミ出版の「フルート名曲31選」からです。

 こんな感じの楽譜です。

 お正月に買い物などに行くと、至る所でこの曲が流れています。

 いろいろあって、ここ数か月は楽器にさわっていませんでした。運指をすっかり忘れています。音もひどいです。かなり退化しました。悲しい…


<おまけのひとこと>
 今朝は3が日ということで朝はお雑煮をいただきましたが、それ以外はもういつもの生活かなあと思っています。






1月4日(火)ラマヌジャンの問題のグラフ 、あやとり、ボードゲームFINESSE

 ラマヌジャンの問題のグラフと、あやとり、ボードゲームの話です。



 昨日ご紹介したこちらの連立方程式の問題ですが、

 グラフを描いてみました。

 青い線が √x+y=7 、緑の線が x+√y=11 です。陽関数(y=f(x))のかたちで考えると、青いほうは y=-√x (放物線の下半分)を7だけy軸方向に平行移動したものですし、緑のほうは、y=(x-11)2、ただし x = 11-√y ≦ 11 なので、x は 11以下です。

 xとyの値を 0,1,2,3…とプロットして放物線を描こうとすると、自然に交点が見つかるのです。昨日「グラフを描いてみて下さい」と言ったのはそのためです。

 ちなみにこの問題は有名らしくて、YouTubeのこちらとかこちらとかに解説が載っていました。(どちらの動画の解説も個人的にはいまひとつでしたが…)



 これも割と好きなあやとりです。ナウルの構え2から内側3本指でガイアナの星を取って、全部むこうへひねってダンスの舞台、です。

 
hh220104-1
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)の中指を取り合う前まで
  2. 内側3本指で「ガイアナの星」
  3. 中指を外す
  4. 全ての指を向こうへ1回転ひねる
  5. 人差し指の輪を中指に移す
  6. 中指の2つの輪を人差し指に移す
  7. ダンスの舞台の終了処理

 4本指の「ダンスの舞台」の斜め格子状の網目の中央に横8の字型っぽい(正確には違います)パターンがあるのが良いのです。

 これ、てっきり紹介済みだと思ったら未紹介だったみたいです。ずいぶん前に取ったあやとりなのですが、この手順でこの完成形になるのか自信がなくて、今朝取り直して確認しました。



 昨年の8月にご紹介したFINESSE(フィネス)というゲームを、帰省した息子が相手をしてくれました。

 お互いにしっかり考えるので、時間がかかりました。ようやく勝負がついて、赤コマ側が投了したところです。

 

 写真だと盤面の状況がわかりにくいかなと思ったので、図にしてみました。

 

 赤コマをで、オレンジのコマをで表しています。手番はですが、が緑の大きな円に入るのを止める手段がなく、投了となりました。

 オリジナルの16色を見分けるゲーム盤だと、おそらく見落としが多数発生して運の要素で勝負がつきやすいのだと思います。上記のように16種類のマスを見分けやすくすると、見落としが少なくなるおかげで妨害されやすく、勝負が長引きます。面白いのですがけっこう疲れます。「もう1回やろう」とはなりませんでした。

 これ、各々持ち駒を3個にして、盤面を6×6 = 36 にして、12色にしたらゲーム性はどうなるだろう? と思いました。もしくは、4×4の16マスにしてコマを2つで8色、ただし移動はチェスのナイト(八方桂馬)にする、とか。あんまりおもしろくないかな。


<おまけのひとこと>
 三が日で体重が増えました。せっかく暮れに体重が減ったのに、それを上回る増加量です。






1月5日(水)ボードゲーム「ショコリー」、あやとり

 ボードゲームの話とあやとりの話です。



 お正月に「ショコリー」というボードゲームをやりました。3人用のゲームです。写真はゲームが終了した状態です。

 

 これはチョコレートをモチーフとしたゲームです。正方形のカードが48枚と、マーブルチョコ型マーカー12個が1セットです。カードには、2×2の4ブロックのチョコレートが描かれていて、各ブロックはブラックチョコ(黒)、ミルクチョコ(茶)、ホワイトチョコ(白) のいずれかが描かれています。4ブロックとも同じ色のカードはありません。2色のカード、3色のカードがあります。

 ゲームの目的は、自分の色が繋がっている領域(島)をできるだけ大きくすることです。面積が最大の島だけに注目します。島は、必ずブロックの辺が接していなければなりません。(頂点だけでつながっているものは別の島とみなします。)写真では、ブラックの最大の島が24、ミルクの最大の島が25、ホワイトの最大の島が27です。接戦でしたがホワイトの勝利です。

 カードは、最初のカード以外は必ず場のカードに少なくとも1辺(2ブロック分)が接するように置きます。その際、少なくとも1ブロックの色が隣接するようにします。カードは2段目までは積むことができます。2段目のカードを置くときは、下にカードが無いブロックがあってはいけません。また、少なくとも2枚以上のカードにまたがって載せる必要があります。2段目のカードにはマーカーを置きます。1段目のカードにマーカーを置くと、そのカードの上には別のカードを重ねることができません。

 カードは最初に4枚ずつ持って、最初にプレイする人が自分の色を決め、2番目にプレイする人が残りの2色の内の1色を選び、3人目は残った色が自分の色になります。カードを1枚プレイしたら、場札から1枚引きます。全てのカードがプレイされたら終了です。

 発展ルールとして、3人プレイのときは、自分のカードをプレイする前にカードを交換するための交渉をすることができます。これがなかなか良かったです。

 こちらの【ルール紹介】ショコリー(Schokoly)【レビュー】という記事に丁寧に説明されていました。

 ちなみにこのゲーム、「セカンドストリート」というリサイクルショップのチェーン店で見かけて衝動買いしたのです。なんと売価は110円でした。この値段だったのでピースが足りないとか汚れがあるとかを警戒したのですが、まあそれでもこの値段ならいいかと思って買ってみたら、中身はちゃんとしていて足りないピースやパーツもなく、きれいでした。でも二人でやってみたときにはピンと来なくてお蔵入りになっていました。3人でやってみることができて良かったです。



 これも未紹介でした。取り方の記録が少し丁寧に書いてあったので、それをそのまま載せておきます。

 
hh220105-1a
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 人差し指と中指の輪を入れ替える
    1. 人差し指の輪を薬指に移す
    2. 中指の輪を人差し指に移す
    3. 薬指の輪を中指に移す
    4. 人差し指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、人差し指に掛け直す
  3. ダブルハートの処理
    1. 小指を向こうへ、親指を手前へ半回転ひねる
    2. → 図形中央部が、手前から三角形・菱形・菱形・逆三角形になっている




    3. 小指の手前の糸を下から手前側の菱形の中を通して上に引き出し、両人差し指にかける
    4. 親指の向こうの糸を下から向こう側の菱形の中を通して上に引き出し、両薬指にかける
    5. 人差し指の手前の水平な糸の中央付近をつまんで反時計回りに半回転ひねって小さな輪を作り、
      その輪に両親指を入れてその糸を人差し指から外しながら両手を左右に引く
    6. 薬指の向こうの水平な糸の中央付近をつまんで時計回りに半回転ひねってちいさな輪を作り、
      その輪に両小指を入れてその糸を薬指から外しながら両手を左右に引く
    7. 親指・小指でナバホ取り
  4. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
    1. 親指で小指手前の糸を取り、小指で親指向こうの糸を取る
    2. 人差し指・中指を掌の2本の糸を越えて自身の輪の中に上から入れ、
      親指・小指を外して展開する

 ダブルハートの処理で、糸をどこから手前に引き出すのか、複数の選択肢があります。それを記録するために、こんな書き方をしています。



 昨日、小淵沢駅で「ワインのめし」という駅弁を買ってきて、夜にワインを飲みながら食べました。これは良いです。感心しました。製造元の「丸政」は応援したくなります。


<おまけのひとこと>
 今日は午前と午後、我が家の2台の車をそれぞれ点検に出します。






1月6日(木)本の本の話、あやとり

 本に関する本の話とあやとりの話です。

 この年末年始休みに、図書館で20冊くらい本を借りました。また、古本屋さんのチェーン店の book off で10冊くらい本を買いました。その中から2冊ほどご紹介します。



 「本を守ろうとする猫の話」(夏川草介:小学館:2017年)。リンク先のサイトで試し読みができます。

 祖父が経営する古書店で祖父と二人暮らしをしている男子高校生が主人公です。物語の冒頭で祖父が亡くなり、遠方の親類に引き取られることになった彼は、閉店する古書店の掃除をしたり整理をしたりする中で不思議な猫と出会います。その猫は、「本を守るためにお前の力を借りたい」と言って、いくつかの不思議な世界に彼を導きます。ファンタジー小説ですが、読んで楽しかったです。

 こういった作品が書かれ、出版されているということは良いことだなあと思います。



 「桜風堂ものがたり」(村山早紀村山早紀:PHP研究所:2016年)。本屋大賞2017で入賞している作品だそうです。書店員の仕事がよくわかる本でした。

 「本を守ろうとする猫の話」と不思議と設定が似ていると思う点がありました。こちらの本にも猫が出てきます。本屋さん(こちらは古書店ではなく書店です)が重要な舞台になっています。孤独な若い男性が主人公です。(孤独、と言ってよいのかわかりませんが。)こちらはファンタジーではありませんが、やや不思議なことも語られます。

 文庫本が出ていること、続編もあることがわかりました。読んでみたいです。

 私は電子書籍や通販で本を買うのは好きではなくて、できるかぎり実店舗で購入したいと思っています。「暮しの手帖」で記事になった茅野駅前の今井書店、駅前の本店にはあまり行く機会が無いのですが、富士見町のアグリモール今井書店(今井書店ふじみ店)には毎月何度か行っています。多分毎年何万円かはここで本を買っていると思います。魅力的な本を置いてくれていて、感謝しています。

 諏訪市の誠林堂書店も好きな本屋さんです。店舗の半分近くは文房具を置いているのですが、この地域で紙工作用の様々な色、厚さの紙を取り揃えていてくれる唯一のお店です。ありがたいと思っているので、カッターの替刃や木工用ボンド、きれいな色のボールペンとか、極力ここで買うようにしています。もちろん本も買います。



 昨日のあやとり、ちょっとわかりにくかったかなあと思ったので長い糸で取り直しました。

 
hh220105-1b
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 人差し指と中指の輪を入れ替える
    1. 人差し指の輪を薬指に移す
    2. 中指の輪を人差し指に移す
    3. 薬指の輪を中指に移す
    4. 人差し指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、人差し指に掛け直す
  3. ダブルハートの処理
    1. 小指を向こうへ、親指を手前へ半回転ひねる
    2. → 図形中央部が、手前から三角形・菱形・菱形・逆三角形になっている
         
    3. 小指の手前の糸を下から手前側の菱形の中を通して上に引き出し、両人差し指にかける
    4. 親指の向こうの糸を下から向こう側の菱形の中を通して上に引き出し、両薬指にかける
    5. 人差し指の手前の水平な糸の中央付近をつまんで反時計回りに半回転ひねって小さな輪を作り、
      その輪に両親指を入れてその糸を人差し指から外しながら両手を左右に引く
    6. 薬指の向こうの水平な糸の中央付近をつまんで時計回りに半回転ひねってちいさな輪を作り、
      その輪に両小指を入れてその糸を薬指から外しながら両手を左右に引く
    7. 親指・小指でナバホ取り
  4. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
    1. 親指で小指手前の糸を取り、小指で親指向こうの糸を取る
    2. 人差し指・中指を掌の2本の糸を越えて自身の輪の中に上から入れ、
      親指・小指を外して展開する

 途中の段階での写真も別の糸で取ってみました。このパターンからいろいろやってみたくなります。


<おまけのひとこと>
 昨日、車を点検に出しました。妻の乗っているマツダ車はまだ新車なので特になにもありませんでしたが、私が乗っているスズキ車は、部品交換で1万2千円ほどかかりました。それだけでなく、駆動系の部品から異音がするということで、部品を取り寄せてもらって、10日後くらいに交換作業をしてもらうことになりました。2万5千円ほどかかります。まあ7年目で12万キロ以上乗っているので仕方がありません。
 スズキのディーラーでお正月のくじを引かせてもらって、「大吉」で袋麺の「チャルメラ」5個パックを貰いました。袋麺、好きなので嬉しいです。それに付属のスープが粉末状なのが嬉しいのです。量の調節ができるのがありがたいです。






1月7日(金)数学定数の近似、あやとり

 小町算系の話とあやとりの話です。



 こんな計算をみかけました。1から9までの数字を1回ずつ使った、いわゆる「小町算系」の計算です。本来の「小町算」は、1,2,3,4,5,6,7,8,9 をその順番で使って、四則演算と数字の結合(並んだ数を2桁や3桁の数として使ってよい)だけで100を作るパズルです。これと類似の様々な数字のあそびを「小町算の系統のパズル」と呼んだりします。日本独特の呼び方です。

 htmlの書式で書くと (1+9-46×7)3285 です。指数が何階建てにもなっていて、とても普通には計算できません。電卓ソフトとかExcelで計算しようとしてもエラーになります。

 ところが実はこれ、鮮やかに変形できるのです。この式の一部分、カッコの中の右側の項に注目してみます。

9-46×7 = 9-442 = 9-284 = 3-285

 ということは…

(つづく)



 昨日のあやとり、終了処理の直前に外側の指をひねる手順を加えてみました。

 
hh220107-1 hh220105-1b(再掲)
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 人差し指と中指の輪を入れ替える
  3. ダブルハートの処理
  4. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  5. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 人差し指と中指の輪を入れ替える
  3. ダブルハートの処理

  4. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 

 模様としては今日のもののほうが好みかなあと思いました。


<おまけのひとこと>
 新型コロナウイルスの陽性者がまた増え始めたようで心配しています。






1月8日(土)数学定数の近似の解説、ほか

 昨日の計算の解説と、そこから派生した話です。



 昨日の式変形でわかった方には蛇足な説明ですが、昨日の (1+9-46×7)3285 が近似している数について解説したいと思います。

 もう一度、式変形を書いておきます。マイナスの指数なので、逆数になります。4a = (22)a = 22a ですが、92b = (32)2b = 3(2×(2b)) = 3 2(b+1) となっていることに注意してください。

 これを元の式に戻すと、こうなります。

 ここで、有名な極限値を思い出す必要があります。

 (私は40年くらい前に高校生のころに当時の「数III」という科目で習いましたが、今はいつどんな科目名で学ぶのかわかりません。) この式 (1+9-46×7)3285 はまさにこの極限値のかたちをしているのです。これは極めて精度の高いネイピアの数 e の近似値になっているのでした。感動しました。

 これは、数学の面白いトピックなら何でも載っている Wolfram の Mathworld のe Approximations の冒頭に紹介されていました。それによると、Problem of the Month (August 2004)というサイトで R. Sabey 氏が公開されたのが最初のようです。素晴らしいです。



 さて、この3285という数、どのくらい大きいのでしょう? 電卓で桁数を調べてみました。ある数を普通に十進法で書き表した時に数字がいくつ並ぶかを調べるためには10を底とする対数(常用対数)を調べるとわかります。log(3)× 285 を計算してみました。

 西洋式の3桁区切りだと読めないので、東洋式の4桁区切りにして、読み下してみました。

 18𥝱(じょ)4577(がい)3452(けい)5360(ちょう)9014(おく)5387(まん)3569.… です。とてつもなく大きな数です。繰り返しますが、これは桁数です。この数自体、普通の人が容易に読み下せないほど非日常的な巨大な数ですが、それでも桁数は高々26桁にすぎません。3285という数を仮に十進法で書いたとしたら、そこに並んでいる数字の数がこの18𥝱(じょ)4577(がい)…だけあるのです。気が遠くなりそうです。



 上で書いた𥝱(じょ)という文字、実は表示するのが厄介でした。これは日本の「国字」だそうで、htmlソース中では 𥝱 とすることでこの漢字をブラウザで表示させています。このようにこの文字を表示するのが難しいということ自体、こんな桁数の数字は日常使わないことを端的に表しているなあと思いました。国家予算とかでも(けい)の単位まではそろそろ見かけるようになってきましたが、(がい)とか𥝱(じょ)とかが使われるようになる日が来るのでしょうか。ジンバブエのスーパーインフレみたいなのはごめんですが。


<おまけのひとこと>
 大きな数の話を調べて書いていたら時間がなくなってしまいました。今日はこの話題のみにします。






1月9日(日)Ed Pegg氏の迷路、ほか

 ちょっと変わった迷路の話です。



 こんなタイプのパズル(迷路)を知りました。Mathematica や Mathworld で有名な Wolfram Reserch Inc. のチーフサイエンティストのEd Pegg氏(リンクはFacebookです)が5年ほど前に考案されたものだそうです。

【初期状態】
  左の5×5の盤の中央のマスに、コマ(コイン)を2つ置きます 
【動かし方】
  1ターンごとにどちらか片方のコマを選び、他のコマのマスの 
  矢印の方向に1マス動かして下さい
【目的】
  2つのコマを再び中央のマスに戻してください

 これを読んだだけだと、ルールがわかりにくいかもしれません。一例をご紹介します。半透明な赤と青のコマを使って図示してみたいと思います。

  1. 中央のマスに赤と青のコマを置きます
  2. 赤を、青のコマが指している「左」に動かしました
  3. 再度、赤を(青のコマが指している)「左」に動かしました
  4. 今度は青を(赤のコマが指している)「下」に動かしました
  5. 続いて赤を(青のコマが指している)「上」に動かしました
  6. 青を、(赤のコマが指している)「下」に動かしました

 さて、困りました。この状態では赤は(青が指している)「左」に行けません。青は(赤が指している)「下」に行けません。迷路としては「行き止まり」です。

 このパズルは「新しいタイプの迷路」と名付けられているのですが、それはこのように至る所に「行き止まり」があるからなのです。

 このパズルは94手解があるそうです。上記のFacebookに解が公開されているので、トレースして確かめました。確かめるだけでも大変でしたが楽しかったです。

 適当な大きさの紙に書き写して盤を作って、コマを2つ用意して遊んでみて下さい。私はパソコンの中で遊んでみましたが、楽しいですよ。



 「ライオンのプライド 探偵になるクマ」(前田 まゆみ 文&絵:2021年:創元社)という本を見かけて買いました。リンク先の創元社のサイトでは、「クリック立ち読み」で20ページも公開して下さっています(太っ腹)。

 日本語でも、数詞・助数詞というのがたくさんあって、日本語を母国語にする私でもあやふやなものや知らないものがたくさんあります(たとえばこちらの数詞・助数詞の読み方というサイトは面白いです)。英語でも、 「XXXの集まり(群れ、束、…)」というのを表現するのに、一般的には “a group of XXX” で通じることが多いそうですが、例えば a flock of birds (鳥の群れ)とか、bunch of grapes(ブドウの房)とか、特有の言い方があります。

 シュルツのコミックのピーナツで、ルーシーとライナスの姉弟の会話を読んだことがあります。ライナスが「僕のブドウの群れ(group of grapes)」を取ったね!」と怒っているのに対して、ルーシーが「ブドウのだって?」と答えます。ライナスが「群れ(group)」と再度いうと、ルーシーが「ブドウは(bunch)って言うの。群れ(group)じゃないの。」と言って、ブドウの実を全部食べ終わった枝(茎?)だけをライナスに渡す、というマンガです。

 本のタイトルにもなっていますが、ライオンの群れは Pride of Lions と呼ぶそうです。私はこれを「野生のエルザ」という古い本で知りました。野生動物と人間とのかかわりに関していろいろ考えさせられる本です。

 … すみません話が逸れました。「ライオンのプライド 探偵になるクマ」とても面白いです。見開き1つごとのトピックが内容が濃くて、少しずつ読みながらいろいろ連想を膨らませたり、関係することを調べてみたりしています。

 冒頭の「Herd of Dears(鹿の群れ)」、オスの鹿はStag、メスの鹿はDoeということ、またこの Doe は ドレミの歌の英語の歌詞の最初のド “Doe, a deer a female deer” になっているということは知りませんでした。ドレミの歌の歌詞、英語で覚えてみたくなりました。

 これも立ち読みで読めるページですが、「Gang of Elks(ヘラジカの群れ)」に、「オスのヘラジカは発情期になると 1,000km 四方近くの広い範囲を移動する」と書かれていて仰天しました。日本列島の本州が南北1,500km、最大幅が300kmです。1,000平方キロの間違いではないかなあと思ったり、いやいや、渡り鳥のキョクアジサシみたいに毎年北極圏と南極圏を往復している鳥もいるんだし、1,000平方キロだとすると単に1辺が30km程度になるので、「広い範囲」とは言えないよなあ、やっぱり1,000km平方なのかなあと思ったりしています。



 昨日1月8日(土)は、毎年楽しみにしているニコリの「新春漢字抜け熟語」パズルをたっぷり1時間近くかけて楽しみました。一応辞書やPCやスマートフォンなどで検索することなしに全部の漢字を決めて、なんとなく怪しい熟語に関しては終わった後で調べて確かめる、という楽しみ方をしました。毎年1月の第2週の週末に新聞に掲載されるのを楽しみにしています。

□波□文□
□航□時□
□方□□伎

 あたりが入り口になりました。昨年は漢方薬の名前で知らないものがありました。今年は舞台芸術系の単語、仏教系の単語がありました。今年も知らない言葉を知ることができました。(きっと覚えられないと思いますが。)この「漢字抜け熟語パズル」というのは完全に日本語に基づくパズルですけれども、非常に楽しめます。できれば複数の人が一緒に考えると面白いと思います。



 昨日、図書館や本屋さんに行ったときに近くの駅で駅蕎麦を食べたのですが、券売機のお釣りを取り忘れたのです。券売機から出て来たチケットを妻が「これ出すね」とカウンターに出してくれたのですが、そのときに「待って、ポイントカードがあるから一緒に出すから」とあわててポイントカードを取り出していたら、お釣りを取り忘れたのでした。

 蕎麦を食べながら、「あれ、お釣り取ったっけ?」と妻に尋ねたら「取ったよ」と言うのです。確かめに行こうと思ったら、次の人がチケットを買っていました。その人がカウンターに「お釣りの取り忘れがあったんですけれど」と出していたので、「あ、すみません、それ私の取り忘れです」といって受け取りました。ちゃんと余分のおつりを申告してくれてありがたかったです。


<おまけのひとこと>
 お正月休みからこの連休にかけて、本屋さんで買ったり古書店(book off)で買ったり、図書館で借りたりした本をたくさん読んでいます。マンガや小説、随筆やエッセイから、人文系の本や自然科学の本、数学の本など様々です。






1月10日(月)Ed Pegg氏の迷路(その2)

 昨日の迷路の話のつづきです。



 昨日、Ed Pegg氏の迷路をご紹介しました。ルールを再掲しておきます。

【初期状態】
  左の5×5の盤の中央のマスに、コマ(コイン)を2つ置きます 
【動かし方】
  1ターンごとにどちらか片方のコマを選び、他のコマのマスの 
  矢印の方向に1マス動かして下さい
【目的】
  2つのコマを再び中央のマスに戻してください

 このパズルの解を確かめてみました。下の縮小画像ではよくわからいと思いますので、詳細をご覧になりたい方は画像をクリックしていただくと別窓で大きな図が開きます。

 

 盤面の図が10あります。それぞれの図の下に、RBの文字が10ずつ書いてありますが、これが赤および青のコマを動かすことを表しています。最後の Step 90 の図の下には4つ(B,R,B,B)しか書かれていませんが、これはこの解が94周期なので、4つ動かすと初期状態に戻るからです。「もう片方のコマのマスの矢印の方向にコマを動かす」というルールに慣れるため、一度この解をトレースしてみると良いと思います。



 このパズル、趣味のプログラマがちょっとプログラムを書いて解析するのにちょうどよいくらいの規模です。(パズルのルールそのものもアセンブラの間接参照命令みたいですし。)2つのコマの位置によって決まる盤面の状態を状態遷移図の1状態だとすると、コマが1つ動くことによって別の状態に遷移するモデルと考えることができます。状態の数は、5×5マスだったら、2つのコマを区別するならば 25×25 - 25 = 600 通りです。(2つとも同じマスにいる状態は二重に数えてしまっているのでそのぶん引き算しています。)

 コマが動けなくなっている場合はそこから遷移はできません。2つのコマのうち1つしか動けない場合は遷移先は決まってしまいます。どちらのコマも動ける場合は、そこが状態遷移の分岐点になります。計算機で全部の「状態」を生成して、2つのコマを動かせるか否か、動かせる場合は次はどの状態になるのかのリンクを張ってゆくと、全体像を知ることができます。

 状態遷移図を描いてみると、このパズルが「迷路」になっていることがよくわかります。



 具体的な例をやってみます。5×5だと大変なので、3×3のモデルを考えてみます。(これも紹介されていた盤面です。)

 タテヨコだけで斜めは使っていないシンプルな盤面です。これを分析してみましょう。実は、動きを記録するには2つのコマを区別すると非常に楽になるのですが、単に状態を分析するだけならコマを区別する必要はありません。1手前にどちらのコマを動かしたかとは無関係に、常に(動かせるのであれば)どちらのコマを動かしてもいいからです。

 この盤面でもまず中央に2コマを置くことにします。二重枠になっている盤面はどちらのコマも動かせる状態、黒い太枠は動けなくなってしまった状態、それ以外は次に動かせるコマが1つしかなく、選択の余地がない状態です。

 ご覧のように、動けなくなる状態への分岐が2か所ある、周期6のサイクルに引き込まれました。

 ほかの状態からも始めてみましょう。左上のマスに2コマ置いてみました。

 これは分岐もサイクルもなく、一本道で5手で動けなくなりました。

 上中央に2コマを置いてみました。

 分岐があわせて4か所ありましたが、どの選択肢を選んでも結局は動けなくなって終わりました。

 このパズルに関する様々な検討や分析が Wolfram community の Other Way Maze で公開されています。ここでは2つのコマは区別して議論されていますが、興味深い結果がたくさん書かれています。



 さらに問題を単純化して、盤面を 2×2 の 4マスにしてしまいましょう。2つのコマを区別しないなら、状態の数は全部でいくつでしょう? また、盤面の矢印の向きを工夫して、周期解を作ることはできるでしょうか?

(つづく)


<おまけのひとこと>
 このパズルが面白くて、ほかのこと(読んだ本の話とか、ちょっと作ってみたものの話とか、あやとりの話とか)を書く時間が取れないです。今日は三連休の最終日ですが、明日からの準備をしなければなりません。(いつも追いつめられてからやります。)






1月11日(火)Ed Pegg氏の迷路(その3)、本

 昨日の迷路の話のつづきと本の話です。あやとりの話はしばらくお休みかもしれません。(もう1シリーズ、ストックはあるのですが…)



 一昨日からご紹介している、「各マスに矢印が描かれた盤に2つのコマを配置して、他のコマのマスの矢印に従ってコマを動かす」というパズルですが、昨日の3×3の盤面にはループが存在することをご紹介しました。

 このループをよく見てみると、9つのマスのうち5マスしか使っていません。その5マスだけに限定した盤面を考えてみることにしました。

 5マスに2つのコマを置く置き方は、コマを区別しないならば、(1)2つのコマが同じマスにあるのが5通り、(2)2つのコマが違うマスにあるのが(5×4)÷2=10通り、の合計15通りです。この15の状態の状態遷移を調べてみました。ループ及びそこに引き込まれるパターンが1つと、デッドロックに陥るパターンが2つになりました。

loop

 ループに引き込まれる状態2つのうち、図の右下の状態だけがコマが2つとも動けますが、ループに入らない遷移をしてしまうとデッドロックに陥ります。

dead lock 1

 このパターンは、2ステップでデッドロックにはまるパターンです。

dead lock 2

 こちらは別々の状態から同じデッドロックにはまるパターンです。

 以上で15通りの状態全てを調べました。これがこの盤面の状態遷移図の全てになります。



 実はこのループ、仮にコマを区別することにすると、1周(6遷移)するごとにコマが入れ替わるのです。1つのコマに注目すると、12ステップで元に戻ります。

 2つの天体が互いの周囲を回りながら運動しているような美しい軌道だと思います。これを美しいと思うのは、2つのコマがいずれも盤面の5つのマス全てを訪れていること、2つのコマは全く同じ軌道を時間差で描いていること、でも同時に同じマスに入ることはないこと、これがわずか5マスで実現されていること、が大変すばらしいです。この例は面白いです。

(つづく)



 地元の本屋さんに行ったとき、平積み展示されていた宇宙船地球号 操縦マニュアル(バックミンスター・フラー 著 , 芹沢 高志 翻訳:ちくま学芸文庫:2000)を見て、なつかしくて買ってきました。原著は1969年に出版されていますから、50年以上前の本です。大学のころ(1980年代の後半です)に所属していた研究室が「生命現象を統合的に理解する」ことを目的とした研究を行っていて、そのときにヘルマン・ハーケンの生物物理学的な「シナジェティクス」という概念に関連して、フラーの「シナジー」についても議論していた記憶があります。その当時、松岡正剛氏や梶川泰司氏のお話も伺いました。

 久しぶりに読むと、あらためてこの本、おもしろいです。感想を書きたいのですが、今朝は時間切れです。

 それにしてもこういう本を平積みにしてお勧めしてくれる富士見町の今井書店、すばらしいです。


<おまけのひとこと>
 今日の午後に報告があって、その資料は昨日だいたいまとまったのですが、朝9時からの打ち合わせの準備がまだできていません。移動中の車の中で考えを整理しようという算段です。






1月12日(水)Ed Pegg氏の迷路(その4)

 迷路の話のつづきです。



 1月9日からご紹介している、「各マスに矢印が描かれた盤に2つのコマを配置して、他のコマのマスの矢印に従ってコマを動かす」というパズルですが、周期解がある2×2の盤面をご紹介します。

 コマを区別しなければ、この盤面に配置できる場合の数は (4×3÷2)+4 で、全部で10通りになります。そのうち4つがサイクルになっています。

 この盤面の矢印は上下の方向しかないので、コマは左右には動きません。左の列のコマは左の列、右の列のコマは右の列にずっと存在し続けます。動けるコマは常に1つかなくて、左右の列のコマが交互に上下移動を繰り返します。

 コマが2つとも左の列にある場合の3パターンの遷移図です。コマが2つとも動ける配置が1つあって、どちらを動かしてもデッドロックになります。

 逆に、コマが2つとも右の列にある場合の3パターンの遷移図です。

 この盤面は、1×2 の独立した2つの盤面にコマが1つずつあるものが、たまたま隣接しているだけ、という風に見えます。とすると、2つのコマが別々の盤面に載っているという派生を考えてみることができそうです。

(つづく)



 国際あやとり協会から、メンバーシップ登録の1年間の期限が今月で終了しますのでよかったら更新してください、という案内メールをいただきました。無償でこれだけの活動をして下さっている事務局の方々には本当に頭が下がります。ありがたいことです。さっそく会員登録の更新のメールを書きました。



 雑談です。

 昨日はいろいろな会議や報告で忙しかったのです。準備した割には午後の報告はうまくいきませんでしたが、準備しなかった割には午前中の打ち合わせはうまくいきました。まあそれはいいのですが、定時後に帰ろうとしたら、高速道路が事故で渋滞が9kmという情報が飛び込んできました。急遽会社の食堂でラーメンを食べて腹ごしらえして、2時間ほどいろいろやりながら珍しく定時後に会社で過ごしたのですが(朝は始業時刻より1〜2時間はやく仕事を始めているので、帰りは早く帰っています)、それでもまだ渋滞の長さは短くなっていませんでした。仕方なく一般道で帰ることにしました。所要時間はおそらく渋滞であっても高速を使うほうが短いかもしれないとは思ったのですが、眠くなりそうだったのである程度緊張感を持って運転したほうが良いだろうと判断しました。結果的に1時間半くらいの移動時間で帰宅はできました。


<おまけのひとこと>
 今年も忙しくなりそうです。暇よりは忙しいほうがありがたいです。






1月13日(木)Ed Pegg氏の迷路(その5)

 迷路の話のつづきです。



 引き続き、1月9日からご紹介している「各マスに矢印が描かれた盤に2つのコマを配置して、他のコマのマスの矢印に従ってコマを動かす」というパズルの話題です。昨日、2つのコマがそれぞれ2マスを行ったり来たりする周期解(フリップフロップ)をご紹介しました。これを2マスずつの2つの盤面と考えることができました。今日はその発想を拡大して、2×2の2つの盤面を考えます。以下のような、ボードAとボードBを用意します。

Board A Board B

 どちらのボードも、単独で2つのコマを置いてEd Pegg迷路のルールを適用してみると、最長でも2手程度でデッドロックしてしまいます。(対称性が高いので全部の場合を調べるのが簡単です。同じマスに2つのコマがある場合、隣接するマスにコマがある場合、対角線上にコマがある場合の3通りを考えれば良いです。)

 では、この2つのボードにそれぞれ1つずつコマを置いて、相手のコマのあるマスの矢印の方向にコマが動かせるというルールでコマの動きを追いかけてみましょう。このように、コマが同じ位置にある場合(ケース1)と、

Case.1

 コマが対角線上にある場合(ケース2)を考えてみます。

Case.2

 その後、コマがどうなるか追いかけてみて下さい。この2組のボードの状態は、4×4=16通りです。16状態の状態遷移図はどのようになるでしょうか?

(つづく)



 もう1つ話題を用意していたのですが、時間がないのでパスします。実は、昨年末の12月24日(金)の夕方に、とあるところから「社内で意見集約をして報告してください」という依頼があって、その納期が1月12日(水)終了時まで、だったのです。私がまとめる時間が必要なので、12日のお昼までに回答を下さい、と関係者にお願いしてありました。ところが、年末年始は有給休暇を消化するのに極めて良いタイミングなため、人によっては12月25日(土)から1月10日(月)まで連休という方もいて、納期である昨日の朝に催促のメールを出したら、「今日中には返事をするからちょっと待って(そんな納期ムチャですよ…)」という方が続出しました。依頼元には「すみません13日(木)朝8時までには回答しますのでちょっと納期を数時間遅らせてください」とお願いしたのです。それをこれからなんとかします。(あと3時間…)


<おまけのひとこと>
 一昨日の高速道路の事故による渋滞、私は一般道で帰ったのでいつもより30分程度余計にかかっただけで済みましたが、高速道路で帰った方は軒並み3時間くらいかかったそうです。一般道を選択して良かったです。

 雨が雪に変わったものが凍り付いて、防犯砂利みたいにじゃりじゃり音がしています。こうなると普通の樹脂製の雪かきスコップでは手に負えません。厄介です。






1月14日(金)Ed Pegg氏の迷路(その6)、他

 迷路の話の最終回とお菓子の話です。



 今週ずっと書いてきた、Ed Pegg氏の「各マスに矢印が描かれた盤に2つのコマを配置して、他のコマのマスの矢印に従ってコマを動かす」というパズルの話の最終回です。昨日の 2×2 の2つの盤面にコマを1つずつ置いて、このパズルのルールを適用してみました。

 昨日のこの状態から始めると、

Case.1

 こんな8状態のループになります。

Case.1

 もう一方の状態(コマが対角線上にある場合)はどうなるかというと、

Case.2

 こちらも前とは異なる8状態のループになるのです。

Case.2

 最初、1つめのループをみつけたとき、「残りの8状態はこのループに引き込まれるのだと面白いな」と思ったのですが、そうではなく別のループになったのには驚きました。任意の初期状態から初めて、行き止まりになることもなく分岐ができることもなく(=常に片方のコマだけが動ける)、必ず2つのコマが交互に動く周期解になるのがとても面白いです。

 まだまだ遊んでみる余地がいろいろありそうですが、この話題はいったん今日までとしたいと思います。楽しかったです。



 こんなクッキーを買いました。

 

 

 

 検索してみると、全国いろいろなところのおみやげになっているみたいです。


<おまけのひとこと>
 今日は雪です。夜中に眠れなくて、明け方うとうとしていたら遅くなってしまって妻が起こしてくれました。感謝です。今日は時間がなくて簡単な更新です。






1月15日(土)図形の問題、他

 図形の問題の話と、昨日終わりにしたはずの迷路の話のおまけの話です。



 こんな図形の問題を見かけたのです。

 正方形ABCDがあります。辺CDを1:3に内分する点をPとします。対角線BD上に点Qを取って、角AQPが直角になるようにします。QPと対角線ACの交点をRとするとき、三角形DQR(図の赤い三角形)の面積と正方形ABCDの面積の比を求めて下さい、という問題です。比がわかればいいので、正方形の1辺の長さは計算しやすいように好きに決めていただいてかまいません。

 この問題、座標系を導入して計算したら簡単に答は求まったのですが、幾何の手法でのうまい解き方が思い付いていません。答がわかったからまあいいか、と思って真剣に考えていないからかもしれません。いかがでしょうか。

(つづく)



 昨日で最終回と宣言した、Ed Pegg氏の「各マスに矢印が描かれた盤に2つのコマを配置して、他のコマのマスの矢印に従ってコマを動かす」というパズルの話の補足です。4回目のご紹介の時、下記のような2×2の盤面にコマを2つ置いたときの状態遷移図をご紹介しました。

 これと同じことを、矢印をすべて斜めにしても実現できるはず、と思って考えたのが下の図です。

 これ、状態遷移図が全く同じになるかというと、そうではないのです。周期4のサイクルができるのは同じですが、それ以外の6つの状態(同じマスに2つのコマがある場合と2つのコマが対角線上にある場合)はいずれもデッドロック状態で動けないのです。こちらのほうが盤面も状態遷移図も美しいなあと思いました。なので補足のご紹介です。



 リゾナーレ八ヶ岳のブック&カフェや雑貨屋さん、コーヒー屋さんのファンで、時々行っています。ブック&カフェの本棚は壁1面分しかないのですが、厳選された品揃えで、行くとだいたい何か買ってきます。

 こちらは本ではないのですが、雑貨屋さんで見かけたペットボトルカバーが気に入って買ってきました。

 

 年明けから会社にも持って行って使っています。(周囲の誰からもコメントはありませんが。)


<おまけのひとこと>
 先日の車の定期点検で不具合が見つかったので、部品を手配してもらいました。今日はその交換作業をしてもらいます。終日かかる予定ということで代車を用意してもらえることになっています。代車、何かな。






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