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以前の「ひとこと」 : 2021年12月後半


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12月16日(木) 8分の4立方体(前川淳)、あやとり

 12月も後半になりました。今年もあと半月です。



 「折る幾何学」(前川淳:2016)より、8分の4立方体を折ってみました。

 

 正方形から折るのユニット3色×2の6枚組です。これ、立体的なユニットなので折るのが(理解するのが)ちょっと難しかったです。また、私の折り紙の技術が稚拙なため、完成形のかたちの精度があまりよくないです。でも面白い美しいかたちだと思います。



 昨日の「焼け焦げた葉のククイ」からの「DTF拡張処理」、今日は4本指の構えから始めてみました。少しだけ丁寧に手順を記載してみました。比較のために昨日のものもそのまま隣に載せておきます。

 
hh211216-1 hh211215-1(再掲)
  1. 四本指の「焼け焦げた葉のククイ」
    1. ナウルの構え1(4本指の構え)
    2. 親指・中指は手前へ、人差し指・小指は向こうへ1回転ひねる
    3. 人差し指と中指の輪を通して親指と小指の内側の糸を取り合う
      (取った糸を指先に保持する)
    4. 人差し指と中指の輪を外す
  2. DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
    1. 親指の上の輪を人差し指に移す
    2. 小指の上の輪を薬指に移す
  3. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  4. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 
  1. 焼け焦げた葉のククイ
  2. DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
  3. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  4. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 

 この系列としては、次は「ナウルの構え2(5本指の構え)」からになりますが、これはあまりきれいになりませんでした。


<おまけのひとこと>
 報告の準備や会議の準備が立て込んでいて忙しいです。






12月17日(金) 8分の4立方体のユニット、あやとり、他

 昨日のユニット折り紙のユニットの話とあやとりの話です。



 昨日の8分の4立方体の完成形がわかりにくいかもしれないと思ったのでCGを作ってみました。

図 1

 2x2x2の8つの立方体を1つおきに間引いたものです。上の段と下の段の2つを取り除くアニメーションを作ってみました。

図 2

 こういうのを作るのは楽しいです。



 このユニットの仕上げ方が意外と難しかったので、普通の15cm角の折り紙で折って写真を撮ってみました。

 

 メモがわりです。



 DTF拡張処理→タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理、今日はエガラウィナゴから始めてみました。

 
hh211217-1
  1. エガラウィナゴ
  2. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  3. 焼け焦げた葉のククイの処理
    (=中指の輪の中を通して親指・小指の内側の糸を取り合う)
  4. DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
    1. 親指の斜めに走るほうの輪を人差し指に移す
    2. 小指の斜めに走るほうの輪を薬指に移す
  5. 中指の輪を外す
  6. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  7. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 

 中央の模様がちょっと右寄りになってしまいました。バランスよくきれいに取るのはなかなかむつかしいです。



 あやとり協会の吉田さんから、「ラジオであやとりを英語で説明している番組がありました」と教えていただきました。ありがとうございます。

 ラジオで!カムカムエヴリバディの「ラジオで!カムカムエヴリバディ(18)」(12月8日(水)午前10:30放送)の、3分20秒あたりからの「英語で言ってみよう」のコーナーです。NHKのネットラジオ「らじる★らじる」で、12月20日(月)10:00までは聴くことができます。さっそく聴いてみました。こんな風にあやとりが取り上げられるのは嬉しいですね。


<おまけのひとこと>
 今週後半は仕事が立て込んで厳しいです。今朝の9時からの会議の資料を昨日作ろうと思って計画していたら、急遽重たい仕事が昨日の午前中に入ってしまって、まだ準備が終わっていません。今日の分の更新が終わったら取り掛かる予定です。(まあなんとかなるだろうと思ってはいます。)






12月18日(土) 周の長さが一定で各辺が整数の三角形の数、あやとり、他

 数学の数え上げの話とあやとりの話です。



 ずいぶん前のことです。2007年11月に、「マッチ棒の問題」と題して、「N本のマッチ棒で作ることができる三角形の数は?」という問題をご紹介しました。結局最後までこれが何の問題なのか書いていませんでした(すみません)。

 この問題をもう少し数学っぽく言い換えると「周の長さの合計が n で3辺の長さがいずれも整数の三角形は何種類あるか?」という問題になります。当時は実験的にこんなグラフを描いて満足していました。

 先日たまたま見かけた論文に、Triangles with Integer Sides(J. H. Jordan, Ray Walch and R. J. Wisner:1979) というリファレンスが載っていました。(この参照先はLoginしないと閲覧できないようです。)

 調べてみると、n が偶数の時は n2/48 に、n が奇数の時には (n+3)2/48 に、それぞれ一番近い数になるそうです。確かに前回調べたときに、2次の項の係数が 0.0208333…にすると誤差が小さくなると書きましたが、この値は 1/48 そのものでしたし、奇数の時の1次の項の係数が 0.125 = 1/8 になっていました。

 さて、この問題を拡張するとしたら、どういう方向が考えられるでしょうか?

(つづく)



 先日「ダンスの舞台」からのDTF拡張処理→タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理(下図右)をご紹介しました。「ダンスの舞台」とよく似た「雨」から同じことをやってみました。

 
hh211218-1 hh211214-1(再掲)
  1. DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
  2. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  3. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 
  1. ダンスの舞台
  2. DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
  3. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  4. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 

 見比べると違いが面白いです。



 なんとなくクリスマスの曲の楽譜を検索してみたら、Free Christmas Sheet Music for Piano というページがありました。難易度が書かれています。Level 1,2,3… という表現と、Pre-Staff(五線なし)、beginner(初級)、Intermediate(中級)という言葉に early とか late とかの修飾語が付いた表現が混在しています。少しだけ Late intermediate/Advanced というランクのものもありました。

 他にもいろいろ見かけました。印刷してみたくなりましたが、きっと散逸してしまうでしょう。本当は大きなタブレット端末等で表示して利用すればいいのでしょうけれども…


<おまけのひとこと>
 木曜日、金曜日はかなり長時間PCに向かっていて疲れました。週末でほっとしていいます。今年初めて雪が積もりました。 






12月19日(日) 英国情報機関のクリスマスカードのパズル、あやとり

 パズルの話題とあやとりの話です。



 イギリス情報機関のクリスマスカード、子ども向けのパズルがガチだった という記事を興味深く読みました。The #GCHQChristmasChallenge is here! というページに、GCHQ(政府通信本部)が作成・公開しているクリスマスカードと、そこに掲載されている7つの問題の解説が公開されています。3問ほどご紹介します。

 1:Clue here: reading initials spells this message's answer. Simple!
 ここでの手がかり:綴りの先頭を読むとこのメッセージの答えがわかります。簡単だよ!

 こういう言葉遊びというのは英語と日本語とどちらが難易度が高いのだろう? と思いました。

 4:マインスイーパーの問題です。Locate the mines to reveal a four-letter word. (機雷をみつけて4文字の単語を見つけて下さい。)

 マインスイーパーは昔のWindowsに標準添付されていたパズルゲームで、年配者だったらルールを知っている人は多いのかなと思いますが、今の若い人は知っているのかなと思いました。この問題はちゃんと解が一意に決まるのが良いです。適度な難易度だと思いました。機雷の位置を決めた後で4文字の英単語をどうやって決めたらいいのか少し悩みました。

 5: "Do Kindly Place Cover On Fresh Green Spring Vegetables" is a mnemonic meant to help you remember a list of scientific words. Which word does "Kindly" help you remember?
 「新緑の春野菜に親切にカバーを貼ってください」は、科学的な単語のリストを思い出すのに役立つことを目的としたニーモニック(=記憶を助けるための工夫)です。 Kindlyはどの言葉を思い出すのに役立ちますか?

 D, K, P, C, O, F, G, S, V という文字が表す科学的な単語のリスト、と言われても私には皆目見当が付きませんでした。答は(ちょっと淡い色にします)Domain, Kingdom, Phylum, Order, Family, Genus, Species, Variety だそうで、"K" は Kingdom だそうです。これは分類学の用語で、界、門、綱、目、科、属、種、変種、を表す英単語だそうです。昔覚えたような気もしますが、今や日本語ですら怪しいです。(ちなみに先頭の "D" に相当する日本語の定訳はちょっと調べた限りでは見当たりませんでした。

 英語のクロスワードとか言葉遊びを楽しむには自分の英語力は全く足りていないということが改めてわかります。



 昨日までの「DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)」ではなく、その前に多用していた「TTF拡張処理(2本指→4本指)」を使ったあやとりです。ちょっと面倒な「上下に2つの8の字」から始めています。

hh211219-1
  1. 上下に2つの8の字
        
  2. TTF拡張処理(2本指→4本指)
  3. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  4. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 

 かたちを整えるのがちょっと手間でしたが、このパターンもきれいだと思いました。

 「TTF拡張処理(2本指→4本指)」を説明するために、途中経過の写真を6枚撮ってあるのですが、解説のページを作れていません。



 先週後半、木曜日と金曜日は結果的にそれぞれ15時間くらい仕事のPCに向かっていました。(それでもこのページの更新の時間は捻出しています。) イーロン・マスクが週に120時間も働ける理由という記事がありましたが、「楽しい」ということが大事だよなあと思います。 40歳前後の若い管理職になりたての優秀な同僚や、入社2〜3年目くらいの若手のサポートのために時間を使ったのですが、できるだけ彼らの役に立つように、彼らが評価されるようにと思って仕事をしています。そう心がけていると、気軽に相談をしてもらえるし、頼ってもらえるし、感謝もしてもらえるので結果的に職場内での自分の居心地が良くなっています。

 でもさすがに疲れたので、昨日は妻に車を運転してもらって、サイゼリヤに「昼飲み」に行ってきました。妻と二人で軽めなお料理を4〜5皿くらい取って、私はワインをデキャンタ小を2つとグラスワイン1つ、合計625ml飲んでご機嫌で帰ってきました。幸せ…

 サイゼリヤのワインは、グラスワインが1杯 100円(125ml)で、デキャンタ小が200円(250ml)で、単価は一緒です。こればかりは家飲みをするよりも安いです。私は成人して就職して以降、お酒を飲まない日は一年で片手で数えるくらいしか無いのですが、外で飲む機会も一年に片手で数えるくらいかありません。昨年来会社の飲み会もなくなり、家飲み派の私としてはむしろありがたいです。

 「家飲みが好き」というのは父親譲りだなあと思います。私の父も毎晩必ず晩酌をしていましたが、同業者の無尽(むじん)の集まりに行く以外は外で飲むことはありませんでした。


<おまけのひとこと>
 今使っているノートPCは購入してそろそろ2年になります。カタログスペックではバッテリーは1日は持つはずなのですけれども、最近は5時間くらいしか持たなくなってきました。ちょっと不便です。






12月20日(月) 「くもった日の天文学」、あやとり

 本の話とあやとりの話です。



 以前、図書館で除籍になっていた「くもった日の天文学」(池内了:1988 丸善)を久しぶりに取り出して読んでみました。「理科年表読本:天文情報相談室」という副題がついています。

 今は入手できないどころか、表紙の画像もネットでは見かけませんでした。良い本なのに残念です。

 他の多くの科学の分野と同様に天文学も進歩していますが、太陽と月、惑星などの運動に基づく天文現象については学問的には確立されており、例えば日食や月食はずっと先まで「いつ、どこで観測できるのか」が高い精度で予測されています。突拍子もない空想ですが、たとえばタイムマシンでも人工冬眠でもいいのですが、自分が遠い将来に行ったらそこでは文明が失われていたとして、その時に自分の頭の中にある情報だけで、本も何にもなしにどこまで技術を復興できるだろう? と想像してみることがあります。日食や月食を予測する計算ができるでしょうか。自信がないです。

 ちなみに、地球上で観測される日食と月食の数はどちらが多いと思いますか? 月食のほうが見る機会が多いと思いませんか。実は日食と月食の数の比はだいたい3対2で、日食のほうが約1.5倍多いのだそうです。(1985年から2008年の間に発生した日食の数は51、月食の数は35だそうです。)それなのになぜ日食のほうが珍しいと感じるのかというと、月食は地球上の夜の半球のどこからでも見ることができますが、日食のほうは観測できる「月の影」になっているのが地球上の一部分に限られているからなのだそうです。そのため、特定の観測地点で見ることができる日食と月食の数を比べると、月食のほうが多いのだそうです。

 こんなことが書かれている、とても面白い本なのです。たとえば「潮汐」のページを開いてみましょう。

 潮の満ち干というのは月(衛星)によって引き起こされる現象ですが、だとすると月に近い側が満潮で、反対側が干潮になりそうなものですが、現実的には満潮と干潮の周期は24時間ではなく12時間で、月の反対側も満潮になります。それはなぜか、ということが平易に説明されています。

 こんな風に天文現象を易しく説明してくれる本というのは貴重だと思うのです。図書館が除籍にしてしまうくらいですから、あまりニーズはないのかもしれません。こういったものが日本語で読めるというのは本当に恵まれていると思うのですが。



 割と気にっているあやとりです。類似のものを過去にご紹介していたかもしれません。

hh211220-1
  1. ナウルの構え2(5本指の構え)
  2. 内側3本指でケルトのタペストリーの輪の入れ替え処理
    1. 薬指の輪を、中指の輪の中を下から上に通して親指に移す
      (親指は退避先)
    2. 人差し指の輪を(中指の輪を越えて)薬指に移す
    3. 親指の輪(元・薬指の輪)を、中指の輪の中を上から下に通して人差し指に移す 
  3. ダブルハートの処理
  4. 中指を外す
    (パターンを中央に絞っておくと良い)
  5. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  6. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 

 ケルトのタペストリーの手順、このように「輪の入れ替え」をやっているのだと理解すると覚えやすいです。


<おまけのひとこと>
 近所の自治体の図書館3か所くらいをよく利用しています。昨日がそのうち一館の返却期限だったので返しに行ってきました。そうしたら次の2週間は年末年始休みをはさむので、いつもの倍の20冊まで借りられるということで、15冊くらい借りてきました。ありがたいです。あっという間に今年もあと10日余りとなりました。昨日は地下室の整理をしました。ふだん見えない収納エリアは、ついその中に物を入れたらそれで終わりになってしまって散らかり気味です。だいぶきれいになりました。






12月21日(火) 周の長さが一定で各辺が整数の多角形、あやとり

 数学の数え上げの話とあやとりの話です。



 先週末、周の長さが一定で各辺が整数の三角形の数え上げの話をご紹介しました。この話題を始めたきっかけは、Integer polygons of given perimeter(James East and Ron Niles, 2017)という論文でした。

 この論文はまず、「周の長さがnで各辺が整数の三角形の数」に関する結論を紹介した上で、三角形以外の多角形で同じことを考えたらどうなるだろう?ということを論じたものです。冒頭で紹介されているいくつかの先行研究の中には、周の長さがnの三角形の数を近似する式として、先日の「n が偶数の時は n2/48 に、n が奇数の時には (n+3)2/48 」とは違うものも論じられていたりして(偶数・奇数を分けていないものもあります)、まだ全部追い切れていないのですがそこを見るだけでも面白いです。

 三角形の時と四角形以上のときの最大の違いは、三角形ならば3辺の長さが決まればかたちが一意に決まりますが、四角形以上だと辺の長さの組が与えられたとしても、それだけではかたちは決まらないという点です。例えば辺の長さが {1,1,2,2} の4つの整数になっている四角形を考えると、下の図のように 1,2,1,2 の順に並んでいたとすれば長方形もしくは平行四辺形になります。「数え上げ」という観点だと、平行四辺形の内角は実数連続的に変化させることができてしまって種類が無限個になってしまうので、こういった変形によって同じ図形になるものは互いに区別しないことにします。

1,2,1,2

 一方、辺の順番が 1,1,2,2 だとすると、凧形になります。凸の場合と凹の場合が考えられますし、連続的にかたちが変形できます。これらもまとめて1種類と考えることにします。ただし、上の図の1,2,1,2の四角形と下の図の1,1,2,2の四角形は別なかたちとします。角度を変えて連続的に変形しても決して同じにはならないからです。

1,1,2,2

 また、三角形の時の成立条件である「三角不等式」(任意の2辺の和は残りの1辺よりも大きい)のN角形バージョンである「N角不等式」(任意の1辺の長さは、残りの全ての辺の長さの和より小さい)は考慮されなければなりません。合計が6の四角形で、{1,1,1,3}は面積ゼロになってしまうのでカウントしません。

 つまり、N角不等式を考慮しつつ「首飾り順列」(鏡像反転を区別しない円順列)の数を数える、という問題になっています。詳細はまだ読めていませんが、冒頭に結論が書かれています。なるほどこういう拡張が考えられるのか、と思いました。

(つづく)



 昨日のあやとりと似た手順のものです。ご紹介する順番が逆のほうが良かったかもしれません。

hh211221-1
  1. 人差し指の構え
  2. 7つのダイヤモンドの逆展開
    もしくは人差し指の輪の中を通して親指・小指の内側の糸を取り合う
  3. DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
    1. 親指の2つの輪のうち、斜めにかかる糸を人差し指に移す
    2. 小指の2つの輪のうち、斜めにかかる糸を薬指に移す
  4. ダブルハートの処理
  5. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  6. タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理 

 もうちょっとかたちを調整すると良かったかもしれません。



 職場の雑談SNSに、2004年の開成中学の入試問題から、ということで「3,4,7,8の4つの数字を四則演算して10を作りなさい」という問題が紹介されていました。ダイレクトに答えを書いてしまうのも野暮だと思って、まずは感想だけ書かせてもらいました。誰も答を書いていないようなので、逆ポーランド記法で答を紹介しようと思っています。


<おまけのひとこと>
 今朝は遅くなってしまいました。






12月22日(水) 稜の合計が一定で各稜が整数の四面体、あやとり

 数学の数え上げの話とあやとりの話です。



 周の長さが一定で各辺が整数の三角形の数え上げの話から、周の長さが一定で各辺が整数の多角形の話に議論を拡張した論文をご紹介しましたが、最近arXivで公開されたOn the enumeration of integer tetrahedra(James East, Michael Hendriksen, Laurence Park:2021) では、この議論を三次元の四面体に拡張して検討しています。ほんの少しだけご紹介します。

 四面体は同一平面上にない頂点が4つで一意に定まります。三角形の面が4面、稜が6本です。この6本の稜がすべて整数の四面体を考えて、6本の稜の長さの合計が n のとき、何通りの整数四面体ができるかを検討してみよう、という議論がなされています。

 この問題はかなり難しくて、おそらく平面上の三角形の時のようにきれいな定式化はできないだろう、と冒頭に述べられています。そのうえで、いくつかのアプローチを検討されていて、それがなかなか面白いです。

 整数四面体(すべての稜の長さが整数の四面体)の中にはこんなかたちもあります。下図左は3つの直角三角形が1つの頂点に集まったかたちで、直方体の1つの頂点を斜めの平面で切り取ったかたちになっています。興味深いのは(240,252,275)の3つの数のうち、任意の2つの平方数の和がいずれも平方数になっているということです。このためこれが整数四面体になっているのですね。

 また下図右のほうはもう少し簡単で、底面が正三角形、3つの側面は合同な二等辺三角形なので3回回転対称性を持っています。

3つの直角三角形(左)の例、3つの合同な二等辺三角形の例(右)

下図左は3回回転対称形の一般形、右は合同な二等辺三角形4枚の例です。

3つの合同な二等辺三角形の例(左)、4つの合同な二等辺三角形の例(右)

 稜の長さの合計が与えられた数になるような整数四面体の例を挙げなさい、と言われたら、それを作るのは意外と簡単です。

底辺Aを共有する整数三角形2つを折り曲げて、頂点の距離が整数になるようにする

 論文の論点の「さわり」すらご紹介できていませんが、この整数三角形を三次元に拡張した整数四面体を研究している人もいるんだなあと感心したのでご紹介したくなったのでした。



 「内側3本指でガイアナの星」→「上下に小さい太陽」→「外側の指をひねって焼け焦げた葉のククイ」です。

hh211222-1
  1. 人差し指の構え
  2. 薬指で人差し指の向こうの糸を取る
  3. 内側3本指でガイアナの星
  4. 中指を外す
  5. 上下に小さい太陽
  6. 親指・小指を外側に1回転ひねる
  7. 焼け焦げた葉のククイの終了処理

 手順から想像できる通りの出来上がりになりました。



 食品スーパーの値引きコーナーに罪なきとんかつという商品が売られていて、つい買ってしまったのです。

 味の再現性は「よく頑張っているなあ」と感心しました。なんとなく宇宙食のとんかつ、といった雰囲気です。駄菓子の「かつ」にちょっと雰囲気が似ていますが、味も食感もこちらのほうがずっと上等です。妻にも勧めて食べてみてもらいましたが「味は確かにとんかつだけど、食べた感じはかりんとうみたい」という感想でした。

 断面がまた「とんかつ」っぽくて良いのです。軽いお酒のおつまみとして気に入りました。

 もちろん、買ってすぐに食べるならばコロッケとかを買ったほうが良いのでしょうが、袋めんやカップめんのように、長期保存ができていつでも食べられる、という方向性の食品メーカーの技術力、企業努力が好ましいと常日頃思っているので、「よくここまでの製品に仕上げたなあ、よくこの価格で量産しているよなあ」という感動を含めて味わっている感じです。


<おまけのひとこと>
 昨日の更新は時間がなくて殴り書きで読み返さずにアップロードしたら、日本語がめちゃくちゃでした。若干修正しました。






12月23日(木) 英語の数独の本、あやとり、他

 数独の本の話とあやとりの話、他です。



 先月、2年ぶりくらいに東京に出張に行ったのですが、帰りに新宿駅から特急に乗る前に時間があったので紀伊國屋書店の洋書のフロアに行って、帰りの列車の中で読む本を探しました。洋書は本屋さんで買うとけっこうなお値段になるのですが、本屋さんで実物の本を手に取って選ぶのが好きなので、できるだけ実店舗で買いたいと思っています。購買行動というのはそのサービスを継続して受けたいという意思表示だ、という考え方が好きです。(大げさですが。)

 買ったのは1冊で、Global Solution for Sudoku( Zhong-Qi Ma:2020) です。ペンシルパズルの数独の「大域的解法」というタイトルです。World Scientific社の出版で、リンク先で第1章の6ページ分がpdfで公開されています。

 公開されているpdfの第1章の冒頭に、行(row)、列(column)、ブロック(block)の呼び方が定義され、

 以下、この定義に従って解法の解説が書かれています。数字が局所的に定まる方法(local solution)と、大域的に定まる方法(global solution)が説明されています。数独は面白いのでタブレット端末にアプリを入れて時々遊んでいます。紹介されているテクニックは基本的に知っているものでしたが、英語でこうやって説明しているのか、というところが参考になりました。

 公開されている第1章こそ英文のテキストが多いですが、それ以降のページはほとんど数独の盤面がずっと並んでいて、テキストの分量は少ないです。そのため、2時間の特急列車の中でだいたい読み終わりました。なんだか自分が英語が読めるようになったような錯覚を起こしました。よく知っているパズルのルールが書かれていて、実質十数ページ分くらいのテキストしかないため目が通せたというだけの話なのですが。

 少なくとも移動時間に楽しめた、というところは良かったです。



 あやとりの実験です。ひっかかる人差し指の構えと7つのダイヤモンドの組み合わせの変化です。

人差し指の構え ひっかかる人差し指の構え

 「ひっかかる人差し指の構え」→「7つのダイヤモンド」は、普通に人差し指の構えからの7つのダイヤモンドと見分けがつかないです。

hh211223-1
  1. ひっかかる人差し指の構え
  2. 7つのダイヤモンド

 左右非対称に、左手だけひねります。

hh211223-2a
  1. ひっかかる人差し指の構え
  2. 左手の親指・小指を向こうへ1回転ひねる
  3. 7つのダイヤモンド

 全くおなじ手順ですが、整え方を少し変えてみました。

hh211223-2b
  1. ひっかかる人差し指の構え
  2. 左手の親指・小指を向こうへ1回転ひねる
  3. 7つのダイヤモンド

 両手をひねってみました。

hh211223-3
  1. ひっかかる人差し指の構え
  2. (両手の)親指・小指を向こうへ1回転ひねる
  3. 7つのダイヤモンド

 このパターン、オープニングとして活用しているものです。片手だけひねるとどうなるのかなという実験でした。



 一日飛ばしてしまいましたが、一昨日にご紹介した「3,4,7,8の4つの数字を四則演算して10を作りなさい」という問題の解です。予告通り逆ポーランド記法(後置記法)で書くとこうなります。

 3, 7, 4, / - 8 *

 ここでは逆ポーランド記法の説明はしませんが、日本語は述語が文の最後に来るので、後置記法は日本語として自然に読み下すことができるという特徴があります。

1+2、みたいに演算子を2つの数の間に書く通常の記法は「中置記法」と言います。コンピュータ言語のLispで使われるのは「前置記法」と言います。上の例を前置記法でLisp風に記述すると

 (* 8 (- 3 (/ 7 4)))

 となります。Lispはカッコが多いです。一番内側のカッコから解釈してゆくので、「7を4で割って、それを3から引いて、その答と8を掛ける」という解釈になります。


<おまけのひとこと>
 最近、本業のほうが忙しくてだいぶストックしてあったはずのトピックがだんだん枯渇してきました。年末年始休みの間に仕込みたいと思います。






12月24日(金) サンタクロースの折り紙、あやとり

 折り紙の話とあやとりの話、他です。



 明日はクリスマスです。

 

 YouTubeのSanta Claus Origami (TUTORIAL) Christmas Decorという動画を見て、サンタクロースの折り紙を折ってみました。

 

 大きな袋を背負ったサンタクロースを正面から見たところです。ちゃんと自立してくれるところが良いです。



 4本指の構えからの7つのダイヤモンドの途中に指のひねりを加えたものです。このあたりももっと系統的に比較したページを作りたいです。

hh211224-1
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 人差し指の輪を中指に移す
  3. 中指の2つの輪を人差し指に移す
  4. 7つのダイヤモンド

 これは調整がかなり大変でした。


<おまけのひとこと>
 来月、会社で偉い人への報告を4回やることになりました。いろいろ準備が間に合っていません。まあそれぞれ話したいことはたくさんあるのですが、持ち時間の中でどこまで伝えられるか…






12月25日(土) 6面パズル(その1)

 立方体のパズルの話です。あやとりの話は久々にお休みです。



 牛乳パックで作る「6面パズル」というページがありました。立方体を4つ用意して、それぞれの立方体の向きを変えて2x2の絵柄を6種類作れるというパズルです。

 立方体が完全にバラバラのものはよく見たことがあるのですが、立方体が稜で連結されているタイプは知りませんでした。以下の図のように3か所がつながっています。

図 1 図 2


図 3 図 4

 図1では3つの蝶番はちょうど中間の状態になっていますが、蝶番を軸に回転させることで隣接する2つの立方体の面をぴったり合わせることができます。

 これを眺めていて、3つほど疑問(問題)が浮かびました。

テトロミノ

(つづく)



 山梨県の小淵沢にある株式会社「丸政」の新しい駅弁ワインのめしが、JR東日本駅弁味の陣2021で一位になったのだそうです。

 話題になったみたいで、レビュー記事がいくつもありました。(たとえばこちらとかこちらとか。)

 丸政の駅弁は、看板商品の元気甲斐のファンで、1年に1度くらいは買って食べています。駅弁というのはある程度の保存性が必要ですし、常温でおいしく食べられることが求められます。コンビニ弁当やお弁当のチェーン店、食品スーパーのお弁当と比べて、どうしても値段が高くなります。でも、こういう商品を開発して販売してくれるお店は今後もあり続けてほしいと思うので、そんなに頻繁にではありませんが買っています。

 この「ワインのめし」もワインを飲みながら食べてみたいと思いました。新宿駅でワインと一緒に買って、特急列車の中で2時間かけてゆっくりワインと一緒に楽しめるのが理想ですが、買ってきて自宅で楽しむのもやってみたいです。小淵沢駅に行って丸政の駅蕎麦を食べて丸政の駅弁を買ってくる、というのは楽しそうなイベントです。


<おまけのひとこと>
 先週は自宅の浴室のリフォーム工事をやってもらっていました。昨日で工事が終わってほっとしています。






12月26日(日) 6面パズル(その2)

 立方体のパズルの話です。今日もあやとりの話はお休みです。



 昨日の「6面パズル」ですが、2x2にしたときに表面になる4つの面に同じ色を付けてみました。

図 1 図 2 図 3

 2x2にしたときに揃う面の裏面も同時に揃っていますから、各立方体の反対側の面も同じ操作で揃うことになります。


 また、この連結方法で作れるテトロミノは I,L,O の3種類で、N と T は作れません。

 つくづく立方体は面白いなと思います。



 ボードゲーム型のビデオゲームの定番である「桃太郎電鉄」(実は私はほとんどやったことがありません)の上田駅の位置がおかしい、という記事がありました。桃鉄、上田駅が小海線に!? 制作側「架空の設定楽しんで」です。 ゲーム性やバランスを考えて、現実とは異なる設定をするということはあると思います。でも地元民としては違和感がありますね。

 鉄道といえば、来年3月の時刻表の改正の時期に、また廃駅になるところがあるそうです。もはやこの流れは変えられないのですね。昔は鉄道網がはるかに発達していて、その時代の鉄道旅行をしてみたかったなと思うこともあります。今、私たちが経験していることのうち将来なくなるもので、未来の人が「あの時代のあれを実際に見てみたかった、その場に居合わせたかった、体験してみたかった」と言われるようになるものは何だろう? と思いました。

 たとえば、内燃機関のマニュアルトランスミッションの車を運転する、なんていうのがそうかもしれないと思いました。将来は電気自動車になって自動運転になってゆくのかなあと思います。おそらくそのほうが安全になるでしょうし、そのほうが嬉しい人のほうがずっと多いと思います。そうなったら、車の運転はレジャーとしてサーキットのような専用の施設で行われるようになるのかもしれません。


<おまけのひとこと>
  高齢になると「もりもり食べる」が実は正解の理由 という記事を興味深く読みました。私は定期通院中で、もっと体重を減らしたほうが良いと主治医の先生に言われているので、こういう記事を読んで喜んでいてはいけないのですが、妻は昔に比べてずっとやせてしまっていて、それが心配だとずっと思っているのです。もっと食べてほしいと思っています。
 コンビニ大手3社のちょっと高いヤツ!「1番ウマいプレミアム豚まん」はどれだ!! 2021年版という記事がありました。妻は肉まんは好きなので、買って食べ比べることを勧めてみようかなと思いました。






12月27日(月) キュビガミ7

 市販のパズルの話です。



 ここ2日ほど、立方体4つを稜で連結した手作りパズルの話をご紹介しましたが、立方体4つを連結したかたちの展開図といえば、キュビガミ7(cubigami7)というパズルを持っていたのを思い出しました。(リンク先は「パズルショップ・トリト」です。)いくつか写真をご紹介します。

 この製品は、正方形の板が18枚、きまったかたちに連結されていて、それを折り曲げて立方体が4つ、面でつながったかたちを作るというものです。

 
写真 1

 立方体が4つつながったかたち(テトラキューブ)のうち、表面積が18のものは7種類あって、そのすべてが作れる展開図になっています。 すばらしいことに、できるかたち7種類と製品名が1枚のピースに刻印されています。

 
写真 2

 正方形の板の片面は光沢仕上げ、反対側の面はマット地仕上げになっています。検索してみると「赤・白・黒」のものは古い製品で、最近は「黄・緑・紫」になっているみたいです。

 7種類を一通り作ってみました。比較的苦労した3パターンの写真を載せておきます。

 

 妻がこの製品の色遣いを見て、「だるまさんみたい」とコメントしてくれました。私には絶対思い浮かばない視点からの発想で新鮮です。面白い。

 検索してみると、上原先生のページ三田先生の記事がありました。

 当然自分のサイトでも紹介済みだろうと思ってサイト内検索をしてみたのですがみつかりません。紹介しそびれていたのかもしれません。

 なお、昨日までご紹介していた4つの立方体のパズルは稜を連結していたので表面積は24でしたが、これは面で連結されているかたちをつくるので表面積は18です。



 立方体4つでできるテトラキューブの共通展開図は面白いですが簡単に思い付くものではありません。もう少し簡単にするために、立方体3つできるトリキューブについて考えてみることにします。トリキューブは次の二通りしかありません。

I-トリキューブ L-トリキューブ

 表面積はどちらも14です。この2つの共通展開図を考えてみて下さい。この問題や解はD.Knuthや上原先生が発表されているそうです。

(つづく)



 ちなみに「トリキューブ」でgoogle検索してみると、「鳥キューブ」という概念がヒットします。この概念にもおおきく二通りあって、鳥だしのお鍋の素という製品の系統と、鳥のデザインの立方体形状のキャラクター人形(すみません適切な名称がわかりません)の系統がありました。パズルの用語としてのトリキューブについて解説しているページとしては、Kofthさんのパズルのコトバとかトリトのサイトのジャグラー小田原さんの箱詰めパズルの基礎知識などがヒットしました。



 寒波が来ていて、天気予報などで大雪への警戒が呼びかけられています。私が住んでいる長野県は南北に長く、新潟県に近い北部は雪が大変なようですが、中南部は寒いですが雪は降っていません。昨日は自宅付近は真冬日(最高気温が氷点下)でした。原村測候所(標高1017m)が最寄りの観測地点で、だいたい同じような気温のことが多いです。原村測候所の昨日(12月26日)の最高気温はマイナス3℃でした。

 今、朝5時過ぎですが、窓の外の温度計を見ると氷点下10℃くらいです。さすがにこの気温だと出かけるのが少々億劫です。でも急がないと、道路が混雑したり、日の出時刻に車の運転をすると眩しかったり(基本は朝は西に向かうのですが、高速道路でルームミラーやドアミラーに太陽が映りこんで眩しくて後ろが見えないのです)、いろいろ具合が悪いので早く家を出たいのでした。


<おまけのひとこと>
 気が付いたら今年もあと1週間もありません。早いものです。この年末年始休みは「あやとり」サイトの整理ができるといいなあと思っています。寝室や書斎や地下室を片付けたりもしたいのですが、これは寒いし大変かな。






12月28日(火) トリキューブの共通展開図

 展開図の話です。



 昨日の二種類のトリキューブの共通展開図ですが、解の一例を載せておきます。

トリキューブの共通展開図

 ここからどのようにI型、L型のトリキューブができるのか、同じ向きの面を同じ色に塗ってみました。

I-トリキューブ L-トリキューブ

I-トリキューブ L-トリキューブ

 すみません、本当は展開図の色に合わせたCGを作り直せばよかったのですが、時間が無くて昨日のCGの使い回しです。



 I型のほうは直方体の展開図なのでわかりやすいですが、L型のほうはこの展開図からL型になるところを想像するのは難しいかもしれません。実際に模型を作ってみました。

 
   

 変形の様子がわかるような連続写真にしたつもりなのですが、イメージできるでしょうか。


<おまけのひとこと>
 昨夜、高速道路でヘッドライトが片側しか点灯していない積載量2トンくらいの小型トラックがいました。この車がけっこう速く走っていたのですが、ルームミラーなどで見たときに距離感がわからなくて気持ちが悪かったです。整備不良で走らないで欲しいなと思いました。






12月29日(水) 離散数学の教科書、あやとり

 数学の本の話とあやとりの話です。



 先日bookoffに行ったら、マグロウヒル大学演習 離散数学 コンピュータサイエンスの基礎数学(Seymour Lipschutz:1995)の第1版第31刷(2019年)が税込520円で売っていたので、つい買ってしまいました。

 良い本です。数学記号の読み方から丁寧に説明されていること、新しく登場する数学用語の英語表記が必ず書かれていること、他の教科書での表記の流儀も紹介されていること、平易な例や演習問題が豊富なことなど、独習でも理解しやすい工夫がされています。若いころにこんなわかりやすい本があったら良かったのになあと思いました。

 まあでも私は名著「解析概論(高木貞治)」も18歳のころに読んだときは理解に苦労したので、当時この本を読んでも今感じているほど「良い本だ」と思えたかどうかは怪しいですが。

 自分がある程度知っていることをきちんと言葉にして説明してもらえると、たいへんすっきりします。また仮に誰かに説明しようとしたときなど(そういう機会もだんだん減ってきましたが)、こういう風に説明すればいいのか、という参考にもなります。良い本を入手することができました。

 以前、月に2〜3回の出張があったころは数学の本を持ってゆくことが多かったのです。数学の本は読み進めるのに時間がかかるので、長持ちするのです。長い移動時間がとても楽しくなりますし、疲れて眠くなって居眠りするのも気持ちがいいです。そうやって楽しみに買い集めた数学の本を少しずつ読み返したりしていたのですが、最近はそういう時間がなかなか取れません。



 あやとりの画像や取り方の手順のストックを整理しています。おそらくご紹介しそびれていたものが出てきたので掲載します。

hh211229-1
  1. ダブルハートの処理
  2. 四隅の小さな輪の処理
  3. 7つのダイヤモンド

 もうちょっと丁寧に整えればよかったです。


<おまけのひとこと>
 年賀状、まだやっていません。ひょっとするとプリンタを買ってくるところから始めないとダメかもしれません。やれやれ。






12月30日(木) 「生きている人と死んだ人」、あやとり

 本の話とあやとりの話です。



 bookoffで 山本夏彦「生きている人と死んだ人」(文春文庫:1991年) を見かけて、「あ、これ持っていない」と思って買いました。亡くされた奥様に関して書かれた「理解亡き妻」の2回のコラムと、その後の孤独な生活の様子が書かれた「みれん」に胸を打たれます。これを未読だったなんて愛読者とは言えないなあと思いました。

 コラム「安部譲二ブーム」では、“安部譲二の再出発を祝う会” について書かれています。検索してみると 第9回 "安部譲二の再出発を祝う会"にて…… という、御本人(安部譲二)のコラムがありました。2002年に山本夏彦が亡くなったときに新聞に掲載されていた安部譲二の追悼文、特に「親が死んだのと同じです」という文が今でも印象に残っています。その安部譲二も2019年に亡くなったのですね。その安部譲二の追悼のさようなら安部譲二さんという記事もありました。

 山本夏彦は大好きなコラムニストで、未だに時折取り出して読み返したくなります。以前はNetにも情報はあまりなかったのですが、今回「山本夏彦 追悼 安部譲二」で検索してみると、いろいろ読み甲斐があるページがヒットしました。上記もその一部です。

 こちらの幽明というコラムには、山本夏彦が創刊して長く編集兼発行人を務めてきたインテリア雑誌「室内」が、亡くなられた後でご長男の山本伊吾氏(新潮社で写真週刊誌『FOCUS』の編集長を務めたそうです)が引き継いだのちに休刊された話が書かれていました。こちらの「浮世のことは笑うよりほかなし」の感想が書かれたblogも大変読み甲斐がありました。

 こちらのMorris.2020年読書控 というページには、山本夏彦の本もいくつも取り上げられており、引用とそれに対するコメントが興味深いです。膨大なテキストなので、ブラウザのページ内検索機能で「山本夏彦」を検索して拾い読みさせていただきました。孫引きですが、「食べたいものも食べないで、養生してなが生きしようというのである。好きなものを飽くまで食べ、したいことを飽くまでして安楽に死ねる方法を早く開発するがいい。」に膝を打ちました。

 私が住んでいる長野県は長寿県と言われており、「ピンピンコロリ」(ぴんぴん元気に長生きして長患いせずに死ぬ)を目指そうという運動があったりします。確かに介護の負担をかけずに死ぬことができたらそれは望ましいのだろうなと思います。一方で(なのかな)どうせ死ぬなら「がん」がいい という本もありました。いわゆる「ピンピンコロリ」に相当するような亡くなり方をする方は全体の3パーセントくらいなのだそうです。なかなか目指して実現するものではないそうですし、突然死というのはそれはそれで周囲の方に混乱とストレスがあるのだろうなと思います。残された時間があと何か月、とわかるというのもいろいろな準備をするためには良いという考え方もあるみたいです。まだ自分事として実感は湧きませんが。



 これも多分未紹介でした。

hh211230-1
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 人差し指・中指の輪を交換する
    1. 人差し指の輪を薬指に移す
    2. 中指の輪を人差し指に移す
    3. 薬指の輪を中指に移す
    4. 人差し指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、人差し指にかけ直す
  3. 親指・小指の輪を外側に半回転ひねる
  4. ダブルハートの処理
  5. 全ての指の輪を外側に1回転ひねる
  6. 焼け焦げた葉のククイの終了処理

 これも好きなパターンです。



 昨日は年末の最終出勤日だったのですが、今年度初めての有給休暇を取得しました。朝8時過ぎくらいにこのサイトの更新をした後で、年賀状の準備をしました。1時間ほどかけて「はがき面」のデザインを決め、プリンタで試し刷りしたら、今のプリンタでもなんとかなりそうでした。郵便局に年賀はがき(インクジェット版)を買いに行って、必要な枚数を印刷して、昨年いただいた年賀状と数枚いただいている喪中はがきを確認して宛先リストを更新して宛名面も印刷しました。年に1度しかやらない差し込み印刷、毎年やり方を忘れます。1枚1枚にペンで手書きで一言書き添えて、お昼過ぎに市の本局まで出しに行ってきました。今年は4時間くらいで全ての作業が終わりました。

 年賀状、国内のトータルの枚数は年々減少傾向だそうです。そもそも年始のご挨拶というのは直接ご挨拶にお伺いするのが礼儀で、特に遠方だとそれが難しいこともあって郵便制度の発達とともに年賀状の風習が広まったのだそうです。それならば、電子メールやSNS等の新たな通信インフラの発達によって、年始のご挨拶も電子化されてゆくことは自然ではないか、という説を読んだことがあります。(最近読んだのですが控えておかなかったため引用元を参照できません。すみません。)一理あるなと思いました。


<おまけのひとこと>
 私が勤務先で管理職をやっていたころは、年末の最終日や年初の初日は管理職は挨拶会に出席すべきだ、という古い価値観がまだ残っているころでした(まだ10年も経っていませんが)。念願かなって管理職を解いてもらってから、年末年始は長く休むようにしています。でも今は、管理職の方々も年末年始に普通にお休みを取ってくれるようになりました。12月24日(土)から年末休暇に入っている方、年明けは1月10日(月)の成人の日までお休みされる方、「ここしか休みを消化できない」といって17連休の方、いろいろです。とても良いことだと思います。






12月31日(金) 図形の問題、あやとり

 大晦日です。細かい話題をいくつか。



 図形の問題を見かけたので考えてみました。

 半円の円弧上に2点を取って3本の弦を引いたら、それぞれの長さが6,6,14になりました。このとき半円の半径は? という問題です。普通の幾何の問題として解こうとすると、なんだかとらえどころがない気がしませんか。

 こちらのYouTubeの Solve For The Radius に出題と解説が載っています。ここで紹介されている解法は想像通りだったのですが(三角関数を使う)、もう少し純粋に幾何の問題として解きたいなと思って考えてみました。こんな補助線を引いて解いてみました(別窓で開きます)。その補助線をどう使うかまでは書いていません。

 三角関数を活用した解法の威力はもちろんよくわかりますし、新しい便利な道具を導入することで簡単に解けるというのは素晴らしいことだと思います。ただ、この問題に関しては普通の幾何学の手法で解くほうが好みです。

 この話を書いていて、昔、自分が受けた試験の問題のことをふと思い出しました。

(つづく)



 昨日のあやとりと似たものです。こちらのほうがシンプルです。

hh211231-1
  1. ナウルの構え1(4本指の構え)
  2. 親指・小指の輪を外側に1回転ひねる
  3. ダブルハートの処理
  4. 全ての指の輪を外側に1回転ひねる
  5. 焼け焦げた葉のククイの終了処理

 図形中央で交差する糸が手前側なのがちょっと…と思いました。

(つづく)



 昨日買い物に出たとき、珍しく胃が痛みました。おなかをこわすことはよくあるのですが、胃が痛むことはほとんどありません。せっかく大晦日からお正月にかけて、いつもより少し良いお酒を買ったりして準備しているのに、食事を楽しめなかったら自分はともかくまわりに迷惑です。このところ慢性的に食べすぎの傾向があったので、これはきっと内臓も少し休みたいんだろうと思って、めずらしく昨夜は何も飲食せずに休みました。特にそれ(食事抜き)が辛いとは思いませんでした。

 食事や睡眠は、できるだけ自分の身体の自然な欲求に従うようにしています。身体が健康なら、頭で考えなくても何が必要かは身体が知っているはずで、下手に頭で考えて「健康のためにはこのほうがいい」と考えて、食べたくないものを我慢して食べたりするのは良くないと思っています。食欲がないときに胃薬や消化薬を飲んでむりやり食事をするというのは、疲れている器官にドーピングして鞭打って働かせているようなもので、それはますます内臓の負担を高めて身体が疲弊してしまうと思うのです。これはもちろん程度問題で、回復するために必要なエネルギーを普通に食事から取ることができないほど衰弱してしまっていたとしたら、何か処置しないと危険です。

 おかげさまで今朝はだいぶ回復した気がします。まだ何か食べるとちょっと胃が痛みますが、きっと今夜はおいしくお酒が飲めると思います。今朝は朝3時半過ぎに家を出て、例年の通りお年越しの買い物に行ってきました。すでにお店の駐車場は渋滞していて、周辺に臨時の駐車場がたくさん設けられており、交通整理の人が20人くらい出ていました。例年は5時過ぎくらいにお店に着くように行くのですが、そうするとちょうど第一波のお買い物のピークが終わったところくらいなのでした。来年はそのくらいの時間に行こうと思いました。



 昨年に続いて非日常だった今年も今日で終わります。プライベートでは「あやとり」にすっかりはまった一年でした。新しい楽しい世界が開けてすばらしい一年でした。本業のほうは、業界団体の会議がかなり増えてきて、技術的な議論ができる機会が増え、その面でも楽しい一年でした。来年はそろそろ「楽しい」とばかりも言っていられなくなってくるはずですが、引き続き楽しくやってゆきたいと思っています。

 今年もこのサイトをご覧くださった皆様、どうもありがとうございました。 あまりにもサイトのスタイルが古すぎて、今やgoogleなどの検索エンジンでも上位には出てこないサイトですが、自分の楽しみの記録として、来年もこんな感じで書いてゆこうと思います。皆様よいお年をお迎えください。


<おまけのひとこと>
 年明けに社内で偉い人への報告が4件予定されていて、うち2件は1月7日と1月11日なのです。でもまだ準備できていません。冬休みの宿題です。






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