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以前の「ひとこと」 : 2017年8月前半



8月1日(火) 5・6・7三十面体(北村さんの多面体)の解析 by 大村さん(その1)

 今年の5月23日から数回にわたって、ビーズ作家の北村恵子さんが考案された多面体についてご紹介しました。また、6月9日から、この多面体をCGにしたものをご紹介しました。ただし、ご紹介したのは近似的なモデルであって、全ての面がちゃんと平面になっているものではありませんでした。

 先週末、尾道市の大村さんという方からメールをいただいて、5・6・7三十面体(北村さんの多面体)を解析して、ちゃんとすべての面が平面になっている面のかたちを正確に計算し、さらにペーパーモデルも設計して制作されたというレポートと模型の写真を送っていただきました。

 大村さんは、以前(2015年11月27日のおまけのひとこと)でご紹介させていただいているのですけれも(そのときには「広島県のO氏」とご紹介させていただきました)、その後も時折感想のメールをいただいたりしていました。

 今回は大変な労作のレポートを送っていただいて、とても感激しています。まずは「すべての面が平面の、本当の意味での5・6・7三十面体」のCGと写真を掲載させていただきます。いずれも大村さんが作られたものです。(ご本人にご了解いただいて、私のほうでリサイズとトリミングをさせていただきました。)

図 1

 まずはCGです。なるほど、私が作ったCG以上に七角形は大きいですし、北極・南極の五角形は小さいし、赤道の五角形も鏡像対称ではないのですね。この、対称性が破れているところがまた、味があります。

 図2、図3は、大村さんからいただいた実際の模型の写真です。

図 2 図 3

 図2は一般的な視点から、図3は3回回転対称軸方向から見たところです。

 今日(7/30)買った前川淳さんの「折る幾何学」の第3章の冒頭に、こんな引用がありました。

器械的に対称(シンメトリー)の法則にばかり叶つてゐるからつて
それで美しいといふわけにはいかないんです。
宮沢賢治,『土神と狐』

 この「5・6・7三十面体」について語っているかのような、実に味わい深い言葉です。

 大村さんからは、この模型の型紙のpdfも合わせて送っていただきました。これがまた良い設計で、接着しなくてもちゃんと形が整うように考慮された模型なのです。先週末は忙しくて作ってみる時間が取れませんでしたが、今度自分でもぜひ作ってみたいと思いました。本当にありがとうございました。

(つづく)





 外出先でちょっとコーヒーを飲んだ時に、フロアの隅に子供用の椅子が置かれていました。

図 4

 背もたれが笑顔に見えました。もちろん意図してそのようなデザインにしているのだと思います。口の部分は持ち手、目の部分は背もたれの板を背後の横木(ひじ掛けに繋がっている)に固定するビスになっています。面白かったので写真を撮らせてもらいました。

<おまけのひとこと>
 古楽器のツィンク(コルネット)に興味を持っています。検索すると、ギタルラ社で取り扱っているようです。うーむ、やってみたいなあ。






8月2日(水) 5・6・7三十面体(北村さんの多面体)の解析 by 大村さん(その2)

 昨日に続いて、尾道市の大村さんによる5・6・7三十面体(北村さんの多面体)の解析のお話です。いただいた資料の中の1つに、全部で5種類ある面のかたちについての情報(辺の長さと内角の角度の一覧)がありました。

図 1

 この図を1つを見ただけでも、これがどれほど大変かは容易に想像がつくと思います。まず、これらの図をコンピュータで描いて、辺の長さや角度を描き入れるだけでかなり大変だということがわかると思います。また、これだけでなく、最終的にどのようにこの面の形を決めたのか、という詳細なレポートもご送付くださいました。

 詳細までまだ全部追い切れていないのですが、とても面白いです。私の著作物ではないので、雰囲気だけをお伝えするために最初の2ページだけ、縮小画像をjpegで掲載させていただきます。

図 2

 大変な労作だと思います。この多面体のかたちを決めるために、いろいろな計算をされ、いろいろな気づきや発見もあったそうです。いただいたメールからは、心底楽しんでいらっしゃるご様子が伺えました。私のほうもとても刺激を受け、興奮しました。

 大村さんからいただいたメールの一部を、ご本人の許可をいただけたので掲載させていただきます。

当初考えたのは、元々ビーズ多面体ということから
各辺の長さがすべて等しい、という物でした。
そして各面の平面性を担保する方法として、
北極から始まる3本の辺を基底ベクトルとして、
各面ごとに、既知の2辺を利用してその他の辺をベクトルとして表していく、
ということを思いつきました。
これも、最初のビーズ多面体としての説明から着想を得たものです。

しかしあれこれやってみた結果、
その方針では解が無さそうだという結論に至りました。
(本当はこの過程だけでも色々な苦労や発見があったのですが、今は割愛します)

そこで方針を変え、ベクトルを使うやり方は保ちつつ、
辺の長さに拘らない代わりに、球に内接する条件を採ることにしました。
これは、球に内接⇒各面が外接円を持つ、と
発想を転換することで、容易に適用できることが判りました。

その場合、半球を定めるのに必要な追加のパラメータが12個あり
北半球と南半球をかみ合わせるための条件式が7本、
つまり差し引き5変数分の自由度が残ります。
残った自由度分をうまく調整してやることで、
まともな解(の1つ)にようやくたどり着くことができました。

(この自由度分を色々変えることで、異なる解が得られることも確認しました。
 ただし動かせる範囲はあんまり広くないようです)

 なるほど。とても勉強になりました。本当にありがとうございました。こんなに面白い内容を私が独り占めしたらもったいないし申し訳ないなと思って、今回ご紹介させていただきました。大村さん、本当にありがとうございました。





 アボガドの種は、水栽培すると素敵な観葉植物になるのだそうです。以前一度適当にやってみたときには発芽しませんでした。改めて調べてみると(こちらとかこちらとか)、発芽までにはけっこう時間がかかるのですね。また、果肉はしっかり取り除かないといけないのですね。どうも前回はよくないやり方をしてしまったようです。妻が挑戦してみると言っているので、うまくいけば9月くらいには発芽してくれるかもしれません。ちょっと楽しみです。

<おまけのひとこと>
 今回大村さんからいただいたメールを読んで、昔、2003年2月14日のひとことに書いた、滝沢馬琴の言葉を思い出しました。こういうことを「面白い」と思えるのは幸せだなあと思うのです。






8月3日(木) 立方体と正八面体の双貫体を尖らすCG

 「多面体を尖らす」シリーズのCGです。まだご紹介していなかった、双貫体のCGです。

 図1が立方体(面が白で稜が赤)と正八面体(面が水色で稜が青)の双貫体です。これをいっしょに「尖らせて」ゆきます。

図 1 図 2
図 3 図 4

 面白いなあと思います。

<おまけのひとこと>
 8月5日(土)の午前中に、8/3〜5の3日間の更新をしています。最近、平日は朝3時くらいに起きてしまって、会社には6時半過ぎくらいに着いて仕事をする、というサイクルが定着してきました。やや睡眠不足なのですが、3時過ぎに目が覚めたときに、もう一度寝ようと思っても眠れないのです。その前にも何度か目が覚めるのですが、そのときはもう一度眠りに入れるのですが。






8月4日(金) 長方形から紙風船:四角柱

 これもまだご紹介しそびれていました。長方形の紙から折る紙風船の折り方で、四角柱を作りました。

 普通に正方形の折り紙から紙風船を折るとこんな風になりますが(再掲図)、

再掲図

 これを素直に長方形から折るとこうなります(図1)。

図 1

 右側と左側でちょっと折り方を変えていて、開いてこないように留める部分を四角柱の正方形の面に収めるのか(左)、それとも長方形の面に出すのか(右)選択できます。

 立ててみました(図2)。

図 2

 なんだかバスか列車のように見えないこともありません。

<おまけのひとこと>
 お風呂のシャワーヘッドのパッキンがずれしまって水が噴き出すようになってしまったと妻が言うので、パッキンを押し込みました。節水型の、水流が細くて水圧が強いシャワーヘッドに1年ほど前に替えたのですが、パッキンにも力がかかっているんだなとわかりました。






8月5日(土) Modern Architectureという本

 先日、本屋さんに行ったときに洋書のコーナーをのぞいていたら、Modern Architectureという本があったので買ってきました。(リンクはamazonです)

図 1

 ペーパーバックなのですが、分厚くてずっしりと重い本です。キッチンのはかりで測ったら890gありました。ちなみに購入価格は1,500円でした。

 基本は1ページに1つの建物が紹介されていて、その建物の名前と、設計者はだれか、いつ建てられたのか、どこにあるのか、が冒頭に書かれていて、あとは写真が1枚と解説が書かれています。通し番号は入っていませんが、全部で450くらいの建築物が紹介されています。

 開いてみたところです(図2)。

図 2

 夜、お酒とかを飲みながら、英語の勉強を兼ねて目に留まったページをゆっくり読んでみたりしています。

<おまけのひとこと>
 今日で息子が20歳になりました。これで子供たちが二人とも成人してくれました。まだ学生ですが、親としての責任がまた少し軽くなったかなと思っています。






8月6日(日) 前川淳さんの「ジェミニ」(その1)

 前川淳さんの「折る幾何学」の2章の4番目の作品の「ジェミニ」を折ってみることにしました。本の説明を見ると、どうやら正八面体の8つの正三角形の各面に、側面が直角二等辺三角形の三角錐を貼り付けたかたちになるようです(再掲図1)。5月末くらいから、「玉包みギフトボックス」という2枚組の簡単な箱のモデルのかたちについて何回か考察しましたが、それとある意味よく似ている構造です。

再掲図 1

 このときにも、私もこの星型(と言っていいでしょうか)のモデルを合同な2枚組で作ってみました(再掲図2)。折り紙としてはあんまり気に入った構造にできませんでした。

再掲図 2

 今回の「ジェミニ」も、合同な2枚組です。当然というか、基本の展開図はよく似ていますが、「箱」を想定した設計から派生した「玉包みギフトボックス(改)」(再掲図2のことです)と、前川さんの「ジェミニ」は、内部の構造や考え方が違います。

 ユニットは2つで、そんなに難しい折り方ではありませんが、最後に組み合わせて形を整えるところでちょっと悩んでしまいました。

図 1

 「すなおに押し込める面が4面あるので、それを押し込みます。」と書かれています。カッコ内は読み飛ばしました。はて、4カ所を押し込むってどういうことだろう? と思って、自己流で考えて折ってみたのが図2、図3です。

図 2 図 3

 敢えて同じ色の用紙で組み合わせました。やれやれ出来た出来た、と思って改めて完成図のイラスト(図1)を見ると、あれ、なんだかかたちが違います。

 ここでちゃんと本の説明を落ち着いて読めばよかったのですが、その前にとりあえずgoogleで検索してみました。そうしたら、「ジェミニ」というのはこういうかたち(図4)だということがわかりました。

図 4

 この画像は、日本評論社さんのtwitterからの引用です。

 なるほど、これを見て改めて本の説明を見ると、「すなおに押し込める面(三角錐の一面)」とちゃんと書かれていますし、(8個の三角錐のうち4個は、それぞれ一面が穴になります)とちゃんと書いてあります。いい加減に斜め読みして、勝手に早とちりして間違えました。お恥ずかしい。

(つづく)





 いつも家のメンテナンスの関係の仕事をお願いしているI住建さんに屋根の点検をしてもらいました。I住建さんは、十数年前に雨どいと雪止めをやってもらったのがたぶん一番最初で、その次の大物の仕事が家の外壁の工事で、これはかなりの金額でした。その後、ペアガラスの一重だった窓を二重にしてもらう工事を2回やってもらったり、換気扇の外側に金網を着けてもらって鳥が入らないようにしてもらったり(一度室内にスズメが入ってしまったことがあって、その時はなんとかけがをさせずに外に逃がしてやろうと思ったのですが、かわいそうなことになってしまったのでした)、先日の間柱と内壁の工事をやってもらったり、この二十年で何度もいろいろなことをやってもらっています。

 我が家は片流れの総二階の構造で、おいそれと屋根には上がれないのですが、長尺のはしごを掛けていろいろ見てもらいました。私も登ろうかと思ったのですが、みんなで上ってはしごのトラブルでもあったらどうしようもないので、がまんしました。

 若干塗装が傷み始めていて、少し錆びが浮き始めている、と写真をいろいろ見せてもらいました。少し大きなものがぶつかったと思われるキズとヘコミがありましたよ、と見せてもらったのですが、心当たりがありません。周りにはうちより高い建物はないですし、そもそも丘の上、というか谷に面した大地のへり、というような場所で、風は強い場所ではありますが、屋根がへこむほどのものが飛んでくるとは考えにくいのです。

 でもまあ、傷み始めたところから水が入るようになってしまったら、それこそ建物全体が大変なことになってしまうので、はやめにやっておこうかということで、まずは見積もりをお願いすることにしました。家というのも、こうやって住んでいていろいろ手を入れていかないといけないですね。そういう点は集合住宅というのも楽なのかなあ、と思ったり、逆に、大きな投資をして大規模な補修をするか否かなどの意見集約はとても大変なのだろうなあ、と思ったりしています。

 空き家が全国に数百万戸もあるという今、これからの世代(自分の子供たちのことを考えています)は住まいはどうするのがいいのかなあと思います。もちろんそれは本人が決めればよいことで、口を出す気はさらさらないのですが。(ついでにたぶんお金も出してあげられないかなあと思いますが。)

<おまけのひとこと>
 「前川淳 ジェミニ」を検索していたら、前川さんのblogのプライベートギャラリーの公開(山梨県北杜市)という記事を見つけました。あれ、これは今日までですね。今朝見つけたのも何かのご縁かもしれないし、うちからなら車で1時間程度(もうちょっとかかるかな)で行かれるので、行ってみようかな。






8月7日(月) 前川淳さんの「ジェミニ」(その2)

 前川淳さんの「ジェミニ」、正解の画像を見て、自分の誤りに気が付いたので、設計意図通りの正しい形に作り直しました。

図 1 図 2 図 3

 なるほど、こうなるのですね。作り方が理解できたので、別の用紙で折ってみました。

図 4

 これは紙の裏側が見えてしまうので、表裏が同じ色の用紙を使ったほうがいいかな、と思いました。

 折り紙を折るとき、特に最初に二等分するような折り方をするときには、紙の表と裏の色やテクスチャが違っているほうが位置を決めやすいです。ほんの少しずれているようなときに、色が違うとすぐにわかるためです。表と裏が同じ色の用紙で折るときには、角や辺をぴったり合わせるのはちょっと大変です。

図 5

 2つ並べてみました。どちらが良い、ということではなく、それぞれに魅力のあるかたちだと思いました。





 昨日、前川淳さんのblogのプライベートギャラリーの公開(山梨県北杜市)を見て、「これは行くしかない」と思って朝から準備をしてお伺いしてきました。

 せっかくなので、以前「数学文化」(日本数学協会の機関誌)に連載をしていたときの記事の別刷りを一通りそろえて、リスーピアでワークショップをしたときの教材も少し準備して、それを「おみやげ」ということにしました。

 自宅から一般道で行ってもいい距離ではありましたが、中央道の諏訪南ICから長坂ICまで高速を利用して行くと、だいたい45分くらいで到着しました。特に迷うことなく順調でした。

 ギャラリーはblogの写真の通りの印象で、すぐにわかりました。こじんまりしたログハウスのギャラリーで、折り紙作品や紙模型やパズル、それから折り紙やパズル、数学やあやとりなどのたくさんの本が並んでいて、すばらしい空間でした。本は私も持っている本がたくさんありましたが、でも私の数学や折り紙やパズルの関係の本棚の数倍の蔵書数でした。これほど「面白そう!」と思う本が並んでいる本棚というのは見たことがありません。

 前川さんの折り鶴関係のコレクションコーナーはとても感心しましたし、ミウラ折りの三浦先生のサイン入りのミウラ折りの地図や、あの伏見先生のサインが入った飛ぶ折り鶴など、とても羨ましいコレクションの一部も見せていただきました。

 3Dプリンタで作られたという面白い造形もいくつも見せていただきました。なんだか頭がくらくらするくらい「すごい」空間でした。本当にありがとうございました。

 実は出がけにあわてていて、デジタルカメラにメモリカードを入れていくのを忘れる、というとんでもないミスをしていました。しかもそれを現場で気が付かなくて、自宅に戻って愕然としました。

 またお目にかかれる機会があるといいなあと思っています。ありがとうございました。





 夕方、雨がぱらついた後、大きな虹が出ていました。

図 6

<おまけのひとこと>
 8月6日(日)の夜に、8/7、8/8の2日分の更新をしています。上記の虹の画像は、かなり色調整をしました。






8月8日(火) L-cube

 L-cubeというブロックというか積み木を買いました。

図 1

 石のようなレンガのような素材の積木です。立方体が3つ連結されたL字型のパーツが3色×3個の9個入っています。

図 2

 まず最初に、3×3×3に組んでみました。パッケージ写真では同じ色のパーツ(黄色)が面で接している構成ですが、せっかくなのですべてのパーツが面を共有しないように配置してみたくなりました。立方体は最大で3面しか同時に見ることができませんので、少なくとも見えている3面では同色のパーツは接しないようにしてみました。

図 3

 ずっしりしていて摩擦も大きくて、積み木としての素性が良いです。適当に積んでみました。

図 4

 この後、いろいろ遊んでしまいました。どんなものを作ったかは、また後日ご紹介します。





 図書館に本を返しに行って車に戻ったら、隣に同色同車種が止まっていました。

図 5

 思わず写真を撮ってしまいました。家に帰って写真を見ると、お隣の車はリアワイパーがなかったり、ドアミラーが畳まれていなかったり、マフラーもちょっといじっているのかな、と思いました。

<おまけのひとこと>
 8月8日は誕生日です。またひとつ年をとりました。






8月9日(水) ユニークなジグソーパズル

 前川さんのプライベートギャラリーにお伺いしたときに、こんな箱詰めパズルが飾られていました。

図 1

 ああ、これは知っている、実物を見たのは初めてだ、すごい、と思いました。(そう思ったものがほかにもいろいろありました。)

 これは販売されているということなので、1セット譲っていただいてきました。「手作りの木工作品なので、1セットごとに色味が違います」ということで、在庫されていた3セットすべてを見せて下さって、その中から選ばせていただきました。ありがとうございました。

 このパズルについてもいろいろ解説したいことがあるのですが、それはまた後日。





 8月7日の夜から8月8日の朝にかけて、台風5号が長野県の近くを通過してゆきました。7日(月)の夕方、会社で「明日8日の朝は台風の影響で鉄道や高速道路が止まっていた場合は臨時休業とする。朝6時に安否確認システムで連絡が回るので確認して出社するように。」という指示がありました。

 災害による臨時休業というのは、その災害で被害にあったらそれこそ大変不幸ですが、特に被害がない場合は、苦労して通勤をしなくて済むようになるので、ちょっと嬉しい気持ちが否定できません(不謹慎ですが)。一方、単に休みが増えるということはないので、どこかの土曜日とかが振替出勤日になるので、それもちょっといやだなあと思います。(有給休暇は毎年たくさん捨てているので、休めばいいのですが。)

 実は8日(火)は気が重い会議がいくつもあって、それが延期されると刹那的には楽なのですが、会議の再設定はけっこう大変です。結局、臨時休業にならないほうがメリットが大きいかなあと思いながら8日の朝を迎えました。長野県は山の守りが堅いので、当初の予報円の中心は長野県中部の上田市付近と言っていたのですが、北アルプスは越えないで富山のほうに抜けたようでした。

図 2

 それにしても台風5号、当初は日本に上陸するとは思いませんでした(図2)。

<おまけのひとこと>
 昨日の誕生日、母と息子からそれぞれメールを貰いました。こういうのっていくつになっても嬉しいですね。






8月10日(木) L-cubeで遊ぶ(その1)

 週末に購入してきた L-cube というブロックを、カッティングマットの上でいろいろ積んでみました。

図 1

 ブロックや積み木を手にすると、まずやってみたくなるのが「アーチづくり」です。こんなかたちを作ってみました(図1)。

図 2

 もうちょっと下の空間を広げたくて、パーツ2つの向きを変えました。これ、誰かに手伝ってもらったり、何か別のもので支えて抜き取ったりせずに一人で作るのはちょっとだけ大変です。

 こんな風に組み合わせたら、なんだか編み笠をかぶったカカシのようになりました。

図 3

 ブロック、楽しいです。

(つづく)





 先日、前川淳さんのプライベートギャラリーにお伺いしたとき、以前野辺山の天文台の特別公開に行ったときに、前川さんの折り紙の電波望遠鏡の折り紙の折り図や、二枚組の「地球儀」の型紙をいただいてきました、という話をしたら、今年の特別公開のチラシをいただきました。

図 4

 8月26日(土) 9:30〜16:00 入場無料・雨天決行・上履き持参、だそうです。

図 5

 この日は午前中はアンサンブルの練習があるのですが(月に1回だけ)、午後、行ってこようかなと思いました。

<おまけのひとこと>
 明日8/11からはお盆休みです。息子も帰省してくるようです。二十歳になったので、一緒にお酒が飲めるかなとちょっと楽しみです。






8月11日(金) このかたちは何でしょう?

 こんな多面体を考えてみました。

図 1

 たった2フレーム(2つの画像)を交互に表示しているだけなのですが、間にもっと画像がある気がします。ビューア(画像表示ソフト)が補間してくれているのでしょうか。それとも脳が補間しているのでしょうか。

 これがどんなかたちかわかりますか? たとえば、チーズとかダイコンとかでこの形を切り出そうとしたら、どうすればできるでしょうか?

 図1のようにプルプルしていると考えにくいかもしれないので、静止画も載せておきます(図2)。後で面を張ろうと思ったので、骨格には色を着けました。

図 2

 ちなみに、この多面体は面は2種類、稜の長さは3種類あらわれます。

図 3

 右側は1:√2の長方形、左側の直角台形の鋭角は45度です。

(つづく)





 お盆休み初日に出かけたとき、大糸線でたまたま撮った写真です。

図 4

 列車は北に向かって近づいてきています。(遠ざかっている後ろ姿ならばランプが赤いはず。)以前、観光列車に乗った時、「大糸線は北アルプス(西側)の景観が良いように、電柱はすべて東側になっています」と説明があったのを思い出しました。確かにそうなっています。

<おまけのひとこと>
 お盆休みが始まりました。8月13日(日)の午前中に、8/11〜8/13の3日分の更新を2日遅れで書いています。11日(金)が「山の日」の祝日になってくれたおかげで、金曜日からお盆休みになって嬉しいです。でも、お盆に休めない職業の方もおおいのだろうなと思います。娘は昨年勤め始めたのですが、お盆の平日は普通に仕事だそうで、9月にまとまった休みを取るのだと言っていました。






8月12日(土) 菱形の輪(その1)

 昨日の(つづく)を解説する前に、別の話題です。

図 1

 これは、ご存知「菱形十二面体」です。対角線比が1対√2の、身の回りによくある「シルバー矩形」の対角線比になっている菱形の面を12面持っているかたちで、対称性としては立方体や正八面体と同じ仲間の多面体です。

 このかたちの菱形の面の、長い対角線をたどってみると、4面で1つの輪になっていることがわかります。この4つの菱形の短い対角線はすべて平行です。

図 2

 この「輪」に、上下4つずつの菱形の屋根がかぶさって、菱形十二面体が構成されている、と見ることができます。

図 3

 では、最初に菱形4枚ではなく、菱形3枚とか、5枚、6枚の「輪」から始めて、上下に菱形の屋根をかぶせることはできるでしょうか?

図 4
図 5
図 6

(つづく)





 デイリーポータルZというサイトの記事に、街のレアキャラ「右目室外機」を探せ!という記事を読んだのですが、買い物に行ったときにふとビルの壁を見たら、見つけました、右目室外機。

図 7

 写真を撮りました。なるほど面白いです。

<おまけのひとこと>
 お休みで、CGを作ったり模型を作ったりして楽しんでいます。






8月13日(日) 「フルートでたどるルネサンスからバロック、古典派への道」

 毎年この時期に開催される、フルート2本とヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロのコンサートに今年も行ってきました。

 今年は、フルートの歴史を実際の楽器と曲でたどる、という趣旨で、たいへん盛りだくさんで聴きごたえのある演奏会でした。フルートの歴史については、こちらのRick Wilson's Historical Flutes Page(英語です)が参考になります。

 前半が「ルネサンスからバロックへ」と題して、冒頭はルネサンスフルート(G管のアルトとC管のテナー)2本のデュオが5曲、無伴奏のヴィオール(ガンバ)でヒュームが2曲、G.ベームのオルガンのためのコラール変奏曲をチェンバロ独奏で、その後バッハのフルートソナタBWV1034ホ短調と、バッハのフルート2本のトリオソナタBWV1039ト長調、でした。

 ルネサンスフルートはキーがなく、円筒形のシンプルな楽器です。ピッチ(音の高さ)が安定せず、半音が鳴りにくく、難しい楽器だと思います。バロックフルート(トラヴェルソ)に比べて、澄んだ明るい抜けるような音がします。リコーダー奏者にはおなじみのJ.ファン・エイクの「王子ロベルトのマスコ」「アマリリ麗し」が演奏されましたが、これはやはりこういう音色が合うなあと思います。

 ヴィオール独奏は、ほぼ常に重音が鳴っているような曲で、一人の演奏者がこういう曲が演奏できるというのはガンバのいいところだなあと思いました。でも、演奏は難しいのだろうなあと想像します。(あまりそう感じさせないところがすばらしいです。)

 ベームのコラール変奏曲、この時代でよく出てくる和声展開や音型がでてきて、バロックの鍵盤らしい華やかで美しい曲でした。

 バッハのフルートのソロソナタ、トリオソナタ、ここから楽器がバロックフルートに変わったのですが、深みのある音色で、やっぱりバロックフルートの音色は好きだなあと思いました。トリオソナタの3楽章、これをきれいに聴かせるのは大変難しい曲だと思うのですが、完成度が高い演奏だったと思います。フルートに長〜く延ばす音が出てくるのですが、私が吹くと絶対途中でブレスしないと続かないのですが、ブレスをしていなかったように思いました。

 バッハの2曲とも、速い楽章の通奏低音がとても大変なのですが、すばらしいテンポで生き生きと演奏されていて、さすが、と思いました。





 第2部は、テレマンの通奏低音無しのフルート2本のデュオ(ロ短調 TWV40:105)、クラインクネヒトのロ短調のフルートソナタ第6番(フルートと鍵盤)、そして最後がクラシカルフルートに持ち替えて、ハイドンのロンドン・トリオ第3番 ト長調 HobIV:3 が演奏されました。バロックフルートはキーが1つだけですが、時代が新しくなるにつれてキーの数が増えてゆきます。今回使われた楽器は8キーと9キーの楽器で、A=430Hzの楽器でした。

 テレマンは、バッハを吹いたのと同じ楽器で演奏されたのですが、そうとは思えないくらい表現を変えていて、明るい鋭い音も使った表情豊かな演奏でした。

 クラインクネヒトは、私もいくつか楽譜を持っていますが、楽章が進むに従ってどんどん速く難易度も高くなってゆきます。大変技巧的でエネルギッシュな演奏でした。

 最後のロンドン・トリオの前に、バロックフルートとクラシカルフルートの響きの違いを実演していただきました。クラシカルフルートは、バロックフルートよりもさらに円錐形がきつくなっていて、管の先端の穴は指も入らないほど小さいのだそうです。バロックフルートとまったく同じ指遣いで演奏できるのですが、バロックフルートではきれいに響かなかった音が響くように管の穴を増やして、その穴を開けるためにキーを用いる、という方式になっています。

 確かにハイドンを吹こうとすると、1キーのトラヴェルソではなく、クラシカルフルートのほうが合っているなと思いました。

 大変楽しい演奏会でした。また来年も楽しみにしています。

<おまけのひとこと>
 連休初日、雑貨とかいろいろ散財してしまいました。またご紹介します。






8月14日(月) 菱形の輪(その2)

 一昨日の更新で、「菱形の輪」の話を書きはじめました。その話の続きです。まず、菱形3枚を頂点でつないで輪っかを作って、その上下に3枚ずつ屋根をかけてみました。

図 1

 図1を見ると、一瞬だけ「あれ、菱形十二面体かな?」と思いませんか? 鋭角が4つ集まった頂点と鈍角が3つ集まった頂点があって、そういう印象を持つのかなと思います。

 これをくるくる回るCGアニメーションにしてみました。ちょっとファイルサイズが大きいです。

図 2 図 3

 この多面体の場合、上下の面は菱形にはならず、凧形になってしまいます。

 ここまで作ってから思い出しました。このかたち、以前ちょっと研究したことがありました。2009年6月1日のひとことから数回にわたって、このかたちの模型を作ったりしていました。

 前回の更新では触れていなかったのですが、この多面体の双対多面体を考えてみました。

図 4

 こんなかたちになります。

(つづく)





 新聞の折り込みチラシから菱形を切り出して、箱を折ったりしているのですが、そのときの「あまり」の細長い直角三角形でちょっと遊んでみました。

図 5
図 6

 これはちょうど10年前に布施知子さんの講演会で習った折り方で、以前ご紹介したことがあったはず、と思って確かめてみたのですが、写真の左のパターンは以前は出していませんでした。折り方、わかりますか?

(つづく)





 いつもメールで感想をお寄せ下さる福岡のKさんからこんなメールをいただきました。

最近の目標として、人に誘われたり、行くように言われたところにはあまり興味がなくてもなるべく行くようにしています。すると、行ってよかったと思うことがほとんどです。

 なるほど、興味を持って世界を広げてゆくために、とても良い心がけだなあと感心しました。私もそうしようと思いました。ありがとうございました。

<おまけのひとこと>
 息子がお盆で帰省してきました。「青春18きっぷ」で帰ってきました。どこか回り道してきたの?と尋ねたら、「荷物もあったし体調があまりよくないからまっすぐ帰ってきた」とのこと。普通列車を乗り継いで3時間程度、運賃は3,000円くらいなはずなので、ちょうど学割を使うのと同じくらいの料金のはずです。(学割は101キロ以上は2割引、青春18きっぷは1回あたり2,370円)

 私なら、朝少しゆっくり出ても(新宿10時とか)、御殿場線、身延線で遠回りして甲府に17時過ぎに着くルートとかに乗るかなあと思いました。がんばれば飯田線完乗もできますね。豊橋13:42→17:16天竜峡17:18→19:57岡谷を狙えばいいので、朝7時半くらいに出れば、20時半くらいには自宅最寄り駅に到着できそうです(13時間の列車旅)。

 でも、本当に体調がよくないらしくて、熱を出して寝込んでいます。そりゃあ遠回りなんてとんでもないですね。一人暮らしで風邪をひくとつらいので、こちらでゆっくり休んで体調を整えていけばいいなと思いました。久しぶりに車の運転の練習をしたいと言っていたのに、それができないとかわいそうです。






8月15日(火) 電波望遠鏡の折り紙・でんしゃしょうぎ

 今日は単発の話題です。

 先日、野辺山天文台の今年の特別公開が8月26日という話を書きましたが、ギャラリーのページの一番下に、前川淳さんの電波望遠鏡の折り紙の折り図のpdfが4つ、掲載されています。2009年モデルと2010年モデルを、普通の15cm角の折り紙で折ってみました。

図 1 図 2

 図1,図2は2009年版モデルです。3本の副鏡ステイが特徴的にモデル化されています。「この3つの先端が合うように」と指示されてますが、これが難しいので、ずるをして先端を接着剤でとめました。主鏡パネルの部分、中央部は用紙の裏側が見えています。両面同色折り紙で折るほうがよいのかもしれませんが、これはこれでデザイン的におもしろいと思いました。

 なお、下部機械室の上に乗っている主鏡部が大きいので、この折り紙を置くと主鏡部がゆらゆらします。おもしろいです。

 もう1つ、2010年版の電波望遠鏡も折ってみました(図3,図4)。

図 3 図 4

 こちらのほうがシンプルなデザインです。用紙の裏面が表に出てこないので、すべての箇所が二重かそれ以上になっていて、丈夫な感じがします。難易度も若干こちらのほうが低い(折りやすい)かなと思いました。

 上記のページにある2011年度版はユニット折り紙風のデザインで、2012年度版は3本のステイがモデル化されておらず、副鏡部が凸型にデザインされています。これらはまあ折ってみなくてもいいかなと思って見送りました。





 本屋さんで久しぶりに「鉄道おもちゃ」という雑誌を手に取ってみたら、「でんしゃしょうぎ」が付録でした。つい買ってしまいました。

 駒は厚紙に印刷されています。どの車両が何の駒なのか、とても覚えられないのですが、ちゃんと「王」「金」「飛」「角」などと書かれています。2つの陣営はおおよそ東日本と西日本で見られる車両をデザインされているようです。

図 5
図 6

 「王」「金」が新幹線、「銀」「飛」「角」が特急列車、「桂」「香」が機関車、「歩」が通勤列車のようです。

図 7

 大学に入ってから将棋を始めた、昔は「鉄道おもちゃ」誌の読者だった息子に、この9月号をプレゼントすることにしました。(迷惑かもしれませんが。)





 その息子ですが、昨日(8/14)の朝体温を計ってみると37.5度でした。食欲が無くてほとんど食べられない様子でしたが、水分を取って休んでいるように言いました。お昼もほとんど食べられず、午後3時ころに起きてきたので熱を計ってみると38.8度ありました。これは大変と思って、緊急医に連絡して診察してもらいました。

 結局原因はよくわからないということだったのですが、解熱剤を処方していただいて、2日経っても症状が改善しない場合はまた来てください、と言われました。お医者さんからは「しっかり睡眠をとって、できればちゃんと食べて栄養を取って、自分の力で回復しましょう」といったことを言われたとのこと。そういう考え方には共感できます。

 帰宅して軽くスープなどを飲んで薬を飲んで休ませたのですが、その後夜になって起きてきたときには少し熱も下がり、食欲も出てきて少しは食べられた様子だったので安心しました。

<おまけのひとこと>
 今日8月15日は諏訪の花火大会です。諏訪湖周辺の6市町村の人口の合計は20万人くらいなのですが、この花火大会は例年40万人を超える人出があるそうです。そのためそこらじゅうが大変混雑するため、例年この日は外出を控えるようにしています。
 数年前に豪雨で花火大会が途中で中止となり、一部冠水して大変だった年がありました。今年も天気が悪そうで、関係者はさぞかし心配しているだろうなと思います。大きなイベントなので、事故等がなく開催できるといいなと思っています。






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