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以前の「ひとこと」 : 2009年6月前半



6月1日(月) 多面体の平面グラフとハミルトン路

 すみません、また2ヶ月ほど間があいてしまいました。4月から本業のほうでちょっと立場が変わり、極めてストレスの多い生活を送っています。ここに書きたい内容のストックはそれなりに増えているのですが、時間がなかなか取れないでいました。でも、このサイトの更新も気持ちが切り替わっていいかなと思って、久々に書くことにしました。

 濱中さんのblog、低次元日記の半月ほど前の記事で、正8面体の中の蛇というのがありました。これが大変面白かったのですが、その解説の中で「正八面体を平面グラフで表したもので考えるとよい」ということが説明されています。

 以前、03年9月4日のひとことで、5つの正多面体の平面グラフをご紹介したことがありました。そのときに、「ハミルトン路」(リンクはwikipediaです)の話もご紹介しました。詳しくはwikipediaをご覧頂くとよいと思いますが、ハミルトン路というのはグラフの全ての頂点をめぐる経路のことで、その中でも特に、出発点に戻ってくるものをハミルトン閉路といいます。

 正多面体の場合はいずれもハミルトン閉路が存在しますが、世の中にはハミルトン路が存在しない多面体もありますし、ハミルトン路は存在しても閉路は存在しない多面体もあります。

図 1

 図1のグラフは、とある多面体の平面グラフです。“Regular Polytopes”(Coxeter)によると、この多面体は、ハミルトン路は存在するけれどもハミルトン閉路は存在しない、最も簡単な例なのだそうです。

 さて、このグラフのハミルトン路を見つけられますか? また、そもそもこの多面体はいったいどんなかたちなのでしょうか? ぜひ考えてみてください。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 しごと・あそびごと・ひとりごとが久々に更新されていて、嬉しくなりました。Mrtn Directoryの更新が途切れていて、心配しています。
 2ヶ月ほどお休みしている間に、私のページのアクセスカウンタも6000ほど増えて、そろそろ50万に近づいてきました。更新もしていないのに見に来てくださる方にはお詫び致します。すみません。






6月2日(火) 多面体の平面グラフとハミルトン路(その2)

 昨日、この平面グラフ(再掲図)のハミルトン路はわかりますか?という問題を出しました。

再掲図

 答えはこちらに置いておきます。ご自分で考えたい方はリンクをクリックする前に考えてください。



 さて、このグラフの多面体はいったいどんなかたちなのでしょうか、ということを考えてみたいと思います。まず、頂点の数と面の数を数えてみましょう。頂点は全部で11あります。面は、中央の凧型4つと、それを取り巻く4つの面と、後は最外周の1つの面で9面体であることがわかります。いずれも四辺形です。

 次に、頂点を分類してみましょう。まず、頂点の次数(頂点に集まる稜の数)を調べてみると、次数4の頂点が3つで、残りの8つは次数3です。

 図1は、頂点を色分けしてみたものです。

図 1

 図の真ん中の縦に3つ並んでいる赤い点が、次数4の頂点です。青い6つの頂点は、赤い頂点に隣接するものです。黄色い2つは、赤の頂点に隣接していない、3つとも青い頂点になっているところです。

 この頂点のつながり具合を見ていると、なんとなく「こんなかたちかなあ」というのが見えてきます。まず、赤の次数4の頂点がちょうど3つあるということは、この3点は平面状にあって(3次元空間では平面は3点で決まりますから当たり前です)お互いにできるだけ離れた位置にあるのでしょう。この3点は正三角形の頂点になっていると考えるのが妥当でしょう。

 次に黄色の2点です。これは赤い3つの頂点から同じ距離(稜2本分)です。おそらく赤い3頂点の正三角形の法線方向の2点なのでしょう。赤い3点が赤道上にあるとすると、黄色い2つの頂点は北極と南極になるのでしょう。

 あとは赤と黄色の頂点の間に、青い頂点が6つあります。これを図示してみましょう(図2)。できるだけ対称性が高くなるように図示してみました。

図 2

 この図2のグラフを平らに広げると、図1のグラフになるのがわかりますか? このかたちは九面体です。菱形が3面と、凧型が6面からなります。

 このかたち、CGで作っただけでは飽き足らず、本物の模型を作ってみたくなりました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 先週末にアンサンブルの練習をしました。いろいろな曲をやったのですが、特に楽しかったのがテレマンのターフェルムジークから、リコーダー1本とフルート(トラヴェルソ)2本と通奏低音のための四重奏曲(d-moll)でした。フルートのパートは、1本はトラヴェルソで2ndはバロックヴァイオリン、通奏低音はチェンバロで、私はずうずうしくもこの難曲のリコーダーを担当させてもらいました。集まった4人は、いずれも2種類以上の楽器を担当できる人だったので編成の自由度は高かったのですが、拙いながらもこの曲のリコーダーを担当させてもらえて幸せでした。






6月3日(水) 四角九面体(その1)

 下図のような骨格を持つ多面体についての話を書いています。

再掲図

 今日はこのかたちの模型を作ろうという話をご紹介します。



 昨日、この骨格の多面体の形状をご紹介しました。できるだけ対称性が高くなるようなかたちにしようということで、側面に菱形3面、上下に凧型3面ずつの九面体のかたちになりました。

 実はこれだけでは面のかたちを一意に定めることができません。下図のように、極めて平面に近い平たいかたちから、縦に細長いかたちまで、様々な九面体を作ることができます。

(a) (b) (c) (d)

 今回は、凧型と菱形の面積が等しくなるように面のかたちを設計することにしました。計算の詳細は省略しますが、比較的計算しやすいと思います。

 この多面体は全ての面が四辺形なので、面が連なった帯を編む手法で組み立てることができます(02年4月18日のひとこと参照)。平面グラフ(再掲図)の上で、帯がどのように伸びてゆくかを追ってみると、この形は1本の帯が結び目のように組み合わさって構成できることがわかります。

 ここで思い出したのが、濱中さんのページ過去の表紙019です。濱中さんのページで紹介されているのは5回回転対称のかたちですが、これは3回回転対称のかたちです。

 パーツの図面を載せておきます。

図 2

 これを印刷して切り取って折り曲げて編むように構成すると、四角九面体を作ることができます。

図 3

 けっこう面白いかたちだと思います。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 こういうもの(ペーパーモデルとかCGとか)を作っていると、楽しくていろいろなことを忘れることができます。






6月4日(木) 四角九面体(その2)

 下図のような骨格を持つ多面体についての話の4回目です。

再掲図

 昨日、このかたちの模型を1本の帯状のパーツから作りました、というものをご紹介しましたが、これは1枚の紙からパーツを切り出すため、大きさがどうしても小さくなってしまうという欠点がありました。

パーツの図

 そこで今日は、別な方法でこの模型を作ってみたものをご紹介します。



 2003年9月5日くらいから何回かかけて、「斜めに編む多面体」という手法をご紹介しています。今回の正三角柱と同じ対称性を持つ四角九面体を、これと同じ手法で作ってみることにしました。

 パーツは2種類必要になりました。3回回転対称の中心になる次数3の頂点(上下に2つあります)を中心にめぐる図1のパーツが2つ、次数4の頂点を中心にめぐる図2のパーツが3つです。

図 1 図 2

 これを編むと、図3,4のような模型を作ることができました。それぞれの面が、図1,2の2種類5パーツのうちの4パーツで二重に覆われるのがイメージできますか?

図 3 図 4

 各面が対角線で四分割されてしまっているので、またちょっと印象が違います。このかたちを実体化できて満足しています。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 久しぶりに多面体模型を作って楽しいです。






6月5日(金) 四角九面体(その3)

 今週ご紹介している四角九面体というかたちですが、今日はこれをCGで並べてみたものをご覧いただきます。このかたち(図1)は上から見ると正三角形ですから、こうして並べてゆくことができます。

図 1 図 2 図 3

 こうしてみると、同じ凧型を6枚あわせたかたちの「くぼみ」ができていることがわかります。一昨日、このかたちは縦に伸縮させることができるという図をご紹介しましたが、次数3の菱形の頂点(図4の青い点)と凧型が3つ集まる頂点(図4の黄色い点)の高さの比は常に一定で、3:4になっています。

【図 4】青:黄=3:4

 同じ凧型を12枚と、小さな菱形6枚を使った形をつくれば、図3の「くぼみ」にぴったりはまる立体(十八面体)ができそうです。そうすると、この九面体とあわせて空間を充填するかたちになります。

(つづく)

<おまけのひとこと>




 家内の父が書道の先生をしているのですが、子供たちにお習字のお手本を送ってきてくれます。こんな短冊が一緒に入っていました。さらっとこんなのが書けるのはうらやましいです。  






6月6日(土) 正九角形の対角線の長さ

 今日はちょっと違う話題を。

 以前、2005年11月21日のひとことで、正七角形の対角線の関係についてご紹介しましたが、ちょっとそれを思い出させる問題を知りましたのでご紹介します。

AB+AC=AF

 図のABCDEFGHIは正九角形です。AB+AC=AFを示してください。

 正七角形の場合よりずっと易しいと思います。

<おまけのひとこと>
 今日の午後は小学校のPTA親子作業です。毎年春と秋とで2回ずつなのですが、今年で10年目ですから19回目ということになります。下の子が小学校六年生なので、小学校との長かったお付き合いも今年で最後です。
 PTA作業は地区ごとで持ち回りなのですが、今年は生き物の飼育小屋の冬囲いの撤去とスケートリンクのシートの片付けが担当で、とても汚れる作業です。手袋とマスク着用で、汚れてもいい格好で来てくださいという指定です。






6月7日(日) 正九角形の対角線の長さ:ヒント

 昨日の問題のヒントのページをこちらに作りました。ご覧ください。問題はもう一度載せておきます。

 図のABCDEFGHIは正九角形です。AB+AC=AFを示してください。

<おまけのひとこと>
 今朝は6時過ぎから神社の奉仕会の作業で草刈をしてきました。天気が悪くなくて助かりました。






6月8日(月) 六枚板組木(その1)

 板状のパーツ6枚を2枚ずつ組にして、上下・左右・前後の3軸方向に組む組木を紙の筒で組むものをいくつかご紹介したことがあります。たとえば、下の再掲図1は、2003年12月8日にご紹介したものです。

再掲図1

 また、板2枚を合わせて、それに角度をつけたものを作ってみたこともありました(再掲図2:2007年12月27日)。

再掲図2

 今日はこれらとは別な発想で組んだ、板状パーツ6枚を使った組木のような形をご紹介します。

図 1 図 2 図 3

 どんなパーツがどんなふうに組まれているかわかりますか? 解説は明日書きます。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 先週ご紹介していた「四角九面体」の話、その系列の多面体の話とか、その双対多面体の話とか、まだご紹介すべき内容もあるのですが、それらの図面などを用意する時間がないので、写真だけで簡単に書ける話題に変えたいと思います。

 高校一年生になった娘が古文の文法がよくわからないと言うので、ちょっと見せてもらいました。形容詞の活用で、私は昔「く-から-く-かり-し、き-かる-けれ-かれ」と覚えるといいと教わった覚えがあるのですが、今は学校ではそんな風には(そんな順番で覚えろとは)習わなかったとのことでした。当時の私の習った先生の趣味だったのかもしれません。私にとってはこの順番は覚えやすかったですが。
 動詞の変格活用とか係助詞とか格助詞など、呪文のように覚えたのを懐かしく思い出しました。






6月9日(火) 六枚板組木(その2)

 昨日写真でご覧頂いた板状のパーツ6枚を使った組木の構造を、今日はCGでご覧頂きます。

図 1 図 2

 図1がパーツを白であらわしてみたもの、図2は3つの方向ごとに色を付けてみたものです。このかたちはそれぞれのパーツが短辺対長辺が1対2の長方形(正方形を2つつないだ長方形)になっていて、それを各方向ごとに並べているので、三面図はいずれもシルエットが正方形になっています。

 このままだとパーツのかたちがちょっとわかりにくいので、1つの方向のパーツだけを取り出してみます。

図 3 図 4

 パーツは、厚さが2として縦が8で横が4とすると、長辺の左右のそれぞれ中央に、1×6と1×2の切り欠きを入れたかたちになります。

 これを組むときには、6本目の最後のパーツを入れるときには紙を変形して「押し込む」必要があります。変形しない材料でこのかたちを用意しても組めません。

(つづく)

 追記:パズルデザイナーのKohfuhさんから、ほぼ同じデザインのものを設計したことがあるという情報をいただきました。Kohfuhさんのデザインは、木や樹脂など、硬くて変形しない材料で作る、本来の意味での「組木パズル」で、6本全部が同じ形ではないそうです。Kohfuhさん、情報ありがとうございました。(2009年6月21日)

<おまけのひとこと>
 今週は水曜日の午前中が山場なのですが、明日火曜日も大変です。






6月10日(水) 六枚板組木(その3)

 昨日ご紹介した、三面図のシルエットが正方形になっている短冊形のパーツによる組木構造の話の続きです。

図 1

 このかたちをよく見ていると、パーツがかみ合って押さえ合っているのは、あくまでも縁の部分だけであって、中央部分にはなんら力がかかっていないことがわかります。

 そこで、その部分を「穴」にしてみました。

図 2 図 3

 CGだとよくわからないかもしれません。これも現物を作ってみることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 おかげさまで昨日(6月9日)、このページのアクセスカウンタが50万を越えたようです。いつもご覧頂いて本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。

 今日6月10日は、本業の方で多分今期最大の山場です。どうかうまくいってほしいと思っています。






6月11日(木) コの字型パーツを3組

 昨日CGでご紹介したかたちを、実際に紙で作ってみました。今日は時間がないので写真だけのご紹介です。

図 1 図 2 図 3

 図1が一般的な視点から見たところ、図2、図3は対称性が高い視点方向から見たところです。CGで作ったものとは違って、見栄えを考えてパーツを薄くしています。わりとバランスがいいのではないかなと思っています。

図 4

 月曜日に紹介した、穴の開いていない構造のものと並べて写真を撮ってみました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日は(本業のほうが)とても大変でしたが、まあ出来は(100点満点で)75点くらいかなというところでした。ちょっとほっとしています。






6月12日(金) 正方形3枚から六角形4枚へ

 今週は、2枚あわせると厚みのある正方形の板の形になるパーツを3組(6本)あわせて作る立体のご紹介をしてきました。これができるならば、六角形4枚を組む模型も同じ原理でできるのではないかと思って、設計して作ってみました。今日のところは写真だけご紹介します。

図 1 図 2
図 3 図 4

 写真からだと、ちょっと「ばらけた」「まとまりのない」印象を受けるかもしれません。このサイトで今までご紹介している様々な紙模型同様、このモデルも接着剤や粘着テープなどは一切用いず、ただ単にパーツを紙から切り出して折り曲げて組んであるだけです。

再掲図

 今週ご紹介してきた正方形を3つ組み合わせた形になるモデル(再掲図)と原理は同じなのですが、この方式だと隙間だらけになってしまって、印象が変わります。

 パーツの設計や解説については後日またご紹介します。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この更新は11日(木)夜にしています。明日12日(金)は健康診断なので、朝早く朝食抜きで出かけます。






6月13日(土) ブリンジ・ヌガグ

 岩波の「科学」という雑誌の2009年6月号の記事、 心にのこる 1冊 コリン・ターンブル著『ブリンジ・ヌガグ─食うものをくれ』篠田謙一 を読んで衝撃を受けました。たった2ページの書評を読んだだけなのですが、大変考えさせられました。

 この本は今は絶版なのだそうですが、1974年に筑摩書房から翻訳として出版されたのだそうです。人類学の分野の本で、1960年代のアフリカ・ウガンダの一部族であるイク族の社会を描いたものだそうです。もともとは狩猟民族だったのに、国立公園の動物保護政策によって強制的に農耕社会に変化させられた結果、慢性的な食糧不足を招き、それによって社会秩序、倫理、価値観が崩壊してしまった恐ろしい社会を描いている本なのだそうです。上記の書評から引用します。

 イクの社会では、子どもは3歳を過ぎれば家を追い出されて自活せざるを得なくなる。そしてそれが不可能な場合、死が待ち受ける。老人と子ども、つまり社会的な弱者は常に強者から狙われ、死と直面しながら生きている。本書では、人を思いやる気持ち、他人を信じる心を持つ者から、それが原因で次々に死んでいくようすが描かれていく。

 この本を紹介する記事を書かれている篠田さんは、こういった問題は過去の特殊な話ではなく、むしろ現代の我々にも示唆を与える内容だとコメントされています。食糧自給率の低い日本において、国際情勢が変化して慢性的な食糧不足の状況になったとしたら、個人主義と自己責任論の浸透した今の日本の社会では、このイクの社会のような状況が簡単に発生してしまうのかもしれない、という恐れを感じます。

 この本について感想やコメントを書いているblogをいくつか読みました。こちらとかこちらなどです。

 絶版で入手しにくい本なので、書評からの紹介になってしまいました。記憶にとどめておきたい本です。

<おまけのひとこと>
 ようやく週末でほっとしています。






6月14日(日) Cargo Bridge

 最近やってみて面白かったゲームを紹介します。情報源は、こちらの無料フラッシュゲームのサイトです。(毎日欠かさず見に行っているMISDIRECTIONさんのサイトで、上記のサイトから面白いゲームなどを時々紹介されているので、この「無料フラッシュゲーム」のblogもときどきまとめ読みしています。)

 ご紹介するのはCargo Bridgeというゲームで、橋をかけて荷物を運べるようにするというものです。ゲームを始めると(Start Game → 最初は1面しか選べない)、まず実行画面が出てきます。画面左上の三角定規のアイコンを選ぶと設計画面になります。ここで、画面右上の部材を選んでマウスでドラッグすることで橋をつくることができます。

実行画面

設計画面

 設計が終わったら設計画面の左上の時計アイコンで実行画面に移動し、実際に設計した橋のテストを行います。荷物が1つでも運べれば、一応次の面に進めるようです。

 地味に面白いゲームだと思います。コストを考えながら設計して検証して、というのを繰り返すのは、まるで商品設計をしているみたいで、ちょっと楽しいです。

<おまけのひとこと>
 今朝は地域の草刈作業に行ってきました。

 週末ですが、ひっそりと更新しておきます。






6月15日(月) 厚みのある正多角形を組み合わせた構造の設計(その1)

 先週からご紹介しているこのかたち

再掲図

 を思いついたのは、下の図1のようなCGを作ったときです。紙の筒による組木構造をいろいろ考えているときに、六本組木のパーツをこういう方向に広げて、何かおもしろいかたちができないかな、と思ったのです。

図 1 図 2 図 3

 この図1を見ていて、長さを調節して図2のように正方形の板3枚が直交しているかたちができないかな、と思ったのです。図1の垂直方向の板(図2の青い板)は水平方向の板(赤い板)に押さえてもらって安定しています。正方形にしてしまうと、押さえる部分が作れません。だったらその部分だけ、青いパーツに切り込みを入れればいいのでは・・・と思ったのが、先週紹介したモデルを思いついた経緯です。

 さらに、正方形3枚の次、と考えると六角形4枚になるだろうということで、図3の構造を作ることを考えたのでした。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 最近月曜日の朝が憂鬱です。






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