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4月16日(火) 凧型二十四面体

 4月13日(土)に菱形三十面体、4月14日(日)に菱形十二面体をジグザグの紙の帯で組んだものをご紹介しました。同じ原理で組める立体が他にはないかいろいろ考えてみています。 とりあえず思いついたのが、凧型二十四面体です。

凧型二十四面体を編むアイディア
凧型二十四面体を編む案。
上下・左右・前後の3つの軸に対して2本ずつ、6本の帯で編めそう。

 凧型二十四面体は上の左の図のような形をしています。なんというか、立方体の辺(稜)の中心と面の中心をちょっと持ち上げたような形です。立方体の各面を4本の帯で市松模様に編むことを考えると、全部で6本の帯が必要になります。それと同じ原理で凧型二十四面体が作れそうです。というわけでさっそく型紙を設計して試作してみました。

パーツ 凧型二十四面体の写真
凧型二十四面体のパーツ
凧型が10個繋がった曲がった帯6本
  完成写真

 今回の設計では、凧型8枚で立体を一回りします。そこで例によってオーバーラップは2面とし、10面分を1つのパーツにします。表に出る部分はそのうちの4面です(図のクリーム色の面)。 これが6本集まって、4×6で24面になります。

 作ってみると頑丈で美しい立体になりました。今回は全て白で作りましたが、あらかじめ面に色をつけておいて、組み方によって色のパターンが変わるようにしたら面白いパズルになるかもしれません。

 今回作った立体の型紙があるのですが、ここに載せようか迷っています。ファイルサイズは小さいのですが、説明なしで作るのは難しそうですし、といって作り方の説明をするのはとても厄介です。

 <おまけのひとこと>
 これらの設計と試作は全て先週末の土曜日に行いました。日曜日の肉体労働の後の筋肉痛がきつい今、とても紙工作をやる意欲がありません。



4月17日(水) 立方体

 順番が逆になってしまいましたが、紙の帯を組んで作る立体の基本として、立方体も載せることにしました。立方体は、表に出る面に色をつけたもので組んでみました。

パーツ 立方体の写真
立方体のパーツ
正方形6個の帯3本
  完成写真


○ ○ ○


 メールで教えていただいたのですが、立方体をある特別な方向(対角線方向)から見ると、正六角形に見えます。立方体の骨組を考えて、それが2次元平面につくる影を考えると、ちょうど正三角形が6枚集まった正六角形になる方向があります。 それと同じように、4次元の超立方体をある特別な方向から3次元に投影すると菱形十二面体になりますし、6次元超立方体をやはりある決まった方向から3次元に投影すると菱形三十面体になるのだそうでます。4次元の立方体の投影が菱形十二面体になるというところまでは自分で考えたことがあるのですが、それ以上については初耳でした。

 ということで3次元立方体が3本の帯、4次元立方体の投影が4本の帯、6次元立方体の投影が6本の帯で編めるのですね。(注:2002年6月5日に修正しました)

立方体   菱形十二面体   菱形三十面体
立方体   菱形十二面体   菱形三十面体

 というようにこれらの立体はとても面白い関係のある仲間です。これらが同じ原理で編んで作れるというところが、最初は不思議で、でも考えてみると「ああなるほど、やっぱり、いかにも」という感じもします。

 <おまけのひとこと>
 眠くなったら寝て、目が覚めたら起きて活動することにしています。無理に寝たり無理に起きたりすると身体に余計な負担がかかるので、効率が悪いのです。ここ1週間ほどは夜は子供と一緒に9時くらいに寝て、2時か3時に目が覚めてそのまま仕事をしたり何か作ったりしています。



4月18日(木) 紙で編む立体の型紙

 ここ1週間ほどご紹介している、紙で編む立体の型紙を掲載することにしました。各写真の下にあるpdfファイルを保存して印刷して、帯の形に切りとっていただいて組み立てると写真のような立体ができます。A4の用紙に印刷すると、さしわたし6〜7cmくらいの立体になります。

 なお、菱形十二面体と菱形三十面体の型紙は、少しでもパーツを切り出すのが楽なようにパーツは全てくっつけて描いてあります。切るところを間違えないようにしてください。 また、凧型二十四面体の型紙は、1枚のA4の用紙に6個のパーツを入れると小さくなってしまったため、パーツ3個分の図面になっています。組み立てるときは同じものを2枚印刷してください。

菱形十二面体   菱形三十面体   凧型二十四面体
菱形十二面体
型紙:rhomb12.pdf(6kB)
  菱形三十面体
型紙:rhomb30.pdf(7kB)
  凧型二十四面体
型紙:trapz24.pdf(6kB)

 型紙をご覧頂くとわかるように、線が微妙にずれていたりして美しくありませんが、この型紙で印刷してちゃんと目的の立体を組めています。組むときには、基本的には下図のように、面を互い違いに編むように組んで行きます。

組み方の図
組み方(立方体の例)

 この説明図はいい加減に描いたものですが、黄色は赤の外側で青の内側、赤は青の外側で黄色の内側、そして青は黄色の外側で赤の内側になります。このように、帯が作るループがお互いに押さえ合ってしっかり組み合わさります。菱形や凧型の立体も、同じ原理で組めます。

 <おまけのひとこと>
 右目と左目で見える微妙にずれた画像を、赤と青のセロファンで作る立体メガネで見るような立体画像があります。この原理で、4次元の超立方体がゆっくりと回転するのを眺めることができるJavaアプレットを見つけました。こちらのStereoscopic Animated Hypercubeです。 立体メガネがなくても、見ていてとても楽しいです。 ちょうど3次元立方体を2次元平面に投影したときに単なる正方形に見える方向があるように、単なる立方体に見えるところから、菱形十二面体になるところまで様々な変化をします。



4月19日(金) 自転車

 4年前、今住んでいるところに引っ越してきてまもなく、自転車の盗難にあいました。子供用の補助席を取りつけた、変速機もない普通の自転車で、ホームセンターのようなところで安く購入した自転車でした。

 盗まれた当時は、新しく越してきた場所自体に対する不安感もあおられてとてもいやな思いをしました。防犯登録はしてあったので警察に盗難届を出しに行き、駅の駐輪場や大型店舗、学校の駐輪場等を見てまわって探して歩きました。

 数週間が経過してだんだん諦める気持ちになり、事件は「引越し当時のいやな想い出」として記憶に残るだけになりました。今住んでいる場所は坂が多くて起伏も多く、車の流れも速いところです。 そんなわけで自転車に乗る人もほとんどみかけない場所なので、新しく買いなおすこともしませんでした。

 昨夜家に帰ると、家族が「さっき交番から電話があってすぐ来いと言われたのでみんなで行ったら、自転車がみつかったので早急に引き取るようにと言われた」というのです。 なんでも家から車で5分くらいの隣の地区の倉庫のようなところからみつかったんだそうです。またなくなると困るのでできるだけはやく取りに行くようにと地図をもらってきたそうです。4年も経っているのに、屋根の下にあったので保存状態はよいそうです。 引き取るときには誰にも断らず勝手に持ってきていいそうです。

 誰がそこに持って行ったんだろう、とか、勝手に持ってきていいだなんてそんないい加減な事でいいんだろうか、とか、そこは誰のどんな倉庫なんだろう、とかいろいろ心配なんですが、今朝これから仕事に行く前に自転車をとりに行ってきます。

 <おまけのひとこと>
 はじめて交番に入った子供たちは「おまわりさんって意外とのんびりしてるんだね」という感想を述べたそうです。



4月20日(土) 自転車(その2)

 さて、昨日の早朝にあわただしくこのページの「ひとこと」の更新をした後で、交番でもらった地図を頼りに4年前に盗難にあった自転車を回収に出かけました。地図によると目的地は、とある谷間を川沿いに走る旧道の裏手の倉庫です。旧道と並行して新しい太い国道が走っているのですが、旧道と新しい国道との連絡道路はほとんどありません。

 とりあえず目的地に一番近い地点で国道に出る丁字路に出て、地図に描かれていた旧道への細い連絡道路を探しました。ところがみつかったその道は自転車が1台やっと通れる程度の幅しかなく、車が進入できる道ではありませんでした。もらった地図の範囲では、他に旧道に抜ける道が描かれていません。仕方がないので旧道へ接続する次の道を探しながらゆっくり国道を川上がわにさかのぼっていくと、2キロほど行ったところでやっと次の交差点がありました。やれやれと思って旧道側に曲がって、今度は旧道を川下に向かって走ろうとすると、「工事中 通行止」の看板があって旧道に進入できません。 仕方なく車をターンして長い信号を待って国道に戻り、さっき進入できなかった目的地の近くの細い道を通過し、今度は川下側から旧道に入りました。目的地までうちから車で5分の予定だったのに、この時点ですでに20分近く経過しています。

 目的地が近づくと緊張します。倉庫ってどんな建物なんだろうとか、勝手に開けて自転車を車に積んだりして、誰かに何か言われたら面倒だなとかいろいろ考えます。やっと見つかった目的地は、倉庫とは名ばかりの3坪くらいの農具置き場のようなところで、三方と屋根が波板で囲まれているだけ、というところでした。そこに4年ぶりに見る自転車が、きちんとスタンドで自立していました。うちの自転車以外にもう3台、あわせて4台がとめられていました。持参した控えで防犯登録票の番号を確認し、一通り自転車の点検をしました。さすがに空気は抜けていたものの、鍵もunlockの状態でついたままでしたし、パーツもみんな揃っています。多分昨年に成長したらしいツタが、前輪に絡まって枯れていました。

 みつけた自転車と倉庫の写真を撮り、前輪のツタを払い、軽自動車のバックドアを開けて助手席も前に倒して自転車を積み込みました。作業中、1台だけ車が通っていきましたが他には人通りはありませんでした。 帰りは無駄に4キロも走らなくて済んだおかげで、すぐに帰ってくることができました。今朝は平年並みに寒くて車の窓は霜で凍っていましたが、晴れていて助かりました。

 それにしてもあの倉庫の持ち主はどんな人なんだろうとか、ツタの様子からすると少なくとも半年以上はうちの自転車がそこにあったはずなのになぜ放っておいたんだろうとか、いつ誰がそこに運んだんだろうとか、他の3台は誰の自転車なんだろう、やはり盗難車なんだろうか、とかわからないことはいっぱいあります。 でも自転車も無事帰ってきたし、これ以上の詮索はやめます。

 <おまけのひとこと>
 でも、うちはもう1台自転車を屋根の下に置く場所がなくて、雨ざらしになってしまうんですよね。うちに置いておくよりも、管理状態がよかったのかも。



4月21日(日) 凧型六十面体

 10日ほど前から、多角形を帯状に繋いだパーツを編んで多面体を作ったものを紹介してきました。今回の手法での最終回として、凧型六十面体を作ってみることにしました。

 凧型60面体というのは、斜方20・12面体の双対で、球面に近い大変美しい形をしています。これがたった1種類の面だけで構成されているというところが美しいです。

凧型六十面体のパーツ ×12枚 ⇒  凧型六十面体
凧型六十面体のパーツ   凧型六十面体

 今度は、正十二面体や正二十面体の対称性を持つ立体です。凧型10枚で一回りしますので、例によって12枚で1つのパーツを作ります。表に出る面は5枚ですから、60面にするためにはパーツが12必要になります。

 今回の作成には、凧型の寸法の計算に30分、パソコンで図面を作成するのに30分、パーツを印刷して12枚を切り抜くのに45分、折り目をつけるのに15分、組み立てに1時間近くかかりました。合わせて3時間程度です。印刷から完成までですと2時間弱かかりました。なにせパーツが多いため、作業も大変なのです。

 <おまけのひとこと>
 Eric Weisstein's World of Mathematicsというすばらしいページがあります。Wolfram(ウォルフラム)という天才数学者・コンピュータ科学者が作ったMathematicaという数学ソフトウェアがあるのですが、それを使って出来る様々な面白いものを解説しているサンプルのページです。今日は説明のためのリンクとして、このサイトの中の多面体のページを利用させてもらいました。



4月22日(月) 凧型六十面体の凧型

 凧型60面体の計算と作図に思いがけず時間がかかってしまったので、計算結果をメモ代わりに載せておきます。

凧型六十面体の面
凧型六十面体の1つの面のかたち

 この計算を基に図面を作り、印刷して切り抜いて組み立てました。もし計算ミスをしていると組めなくなりますから、作るときは緊張しました。無事組めたところをみると、多分計算は合っているんだと思います。 この情報を欲しい人はおそらく自分でこの計算ができる人でしょうから、このメモは自分用だと思っています。 ちなみに「凧型六十面体」で検索してみても何も出てきませんでした。英語だとちゃんと出てくるんですが。

 今回のパーツで凧型六十面体を編む方法を考えていると、正二十面体の各面を構成する三角形を3本の帯で編むように構成することと同じだ、と気がつきます。同時に、これは正十二面体の各面の五角形を5本の帯で編むパターンとも同じです。

 同様に凧型二十四面体は正八面体の各面を3本の帯で編む構成と同じですし、同時に立方体の各面を4本の帯で編むことと同型でもあります。最後に残った正多面体である正四面体も、同じように編むことができます。この週末、ちょっと空いた時間にいくつか試作してみました。 またご紹介します。 (正十二面体だけは作図がちょっと面倒で作っていません。)

 <おまけのひとこと>
 何で30分も計算に時間がかかってしまったかというと、実は途中で1箇所サイン(sin)とコサイン(cos)を間違えたのです。 で、直角三角形の高さが斜辺の長さより長くなってしまって、「あれっ?」と思ってやり直したのです。 情けない。



4月23日(火) 天文計算

 図書館で、『日の出・日の入りの計算 ─天体の出没時刻の求め方─』長沢 工 著、地人書館 1999年12月初版、1,500円+税 ISBN4-8052-0634-9 という本を借りてきました。 著者の方は国立天文台に勤務されていて、しばしば「日の出・日の入りの時刻を求める計算式を教えて欲しい」という問い合わせがあり、それに答えるためにこの本を書かれたのだそうです。著者いわく「くどいほど丁寧に」説明した本です。

 天文計算というのも「予報・予測」です。その予測精度があまりに高いため、世の中の人は予測があたるのが当たり前で、特に不思議だともすごいとも思っていないのではないかと感じることがあります。 ましてやこれだけインターネットに様々な情報があると、自分で計算などしなくても、欲しい答えはすぐに見つかるでしょう。 でも、自分で計算できるということは、とても面白くて楽しいことです。

 この本は、緯度・経度の概念と三角関数のごく基本的な事さえわかっていれば誰でもわかる内容です。多分高校生とかでも十分理解できると思います。私のような門外漢でも簡単に楽しめるようになっています。お勧めです。

 ちなみに著者の長沢氏の略歴を見ると、栃木県立那須農業高校(定時制)を卒業され、東京大学理学部天文学科に進まれ、東大で理学博士となり、東大地震研究所に勤務された後に国立天文台広報普及室におられるそうです(1999年現在)。私よりふたまわり近く年上の方なのですが、今の教育制度でこういったルートはあり得るのでしょうか。

 <おまけのひとこと>
 暑かったり寒かったりめまぐるしく気候が変わって大変です。子供たちは今日は「どうしても」と言い張って半袖を着ています。でも去年は5月に入ってから雪が降ったりしました。この時期は体調が崩れやすいので、お気をつけ下さい。



4月24日(水) 雑談

 先日のお昼の雑談です。 (4人くらいで話していたのですが、誰が誰だったか忘れました。)

「また航空機事故があったんだってね。」
「飛行機は一旦事故が起こると犠牲者が多いから大変だね。」
「一旦事故が起こると大変と言えば、隕石や小惑星の衝突で死亡する確率って、航空機事故で亡くなる確率と同じくらいなんだってね。」
「え、ほんと?」
「小惑星の衝突といえば、880年後に小惑星がすぐ近くを通るらしいね。」
「あ、それどっかで読んだ。確か300分の1の確率でぶつかるとかいうんだっけ?」
「そうそう、最近接点が月よりも近いとか。」
「うーん、880年後かぁ。関係ないな。」
「確かに自分の子孫といっても、想像がつかないね。」
「いや、わからないよ、自分らはともかく我々の孫くらいの世代だと、医学が発達してとんでもなく長生きになっているかも。」
「再生医療とか、部分的なクローン技術とかもあるもんね。」
「ひょっとすると体の大部分が機械になっているかも。」
「人工冬眠っていう手もあるんじゃない?」
「そういえばアメリカだったかでは、将来の技術に期待して、すでに人工冬眠に入っている人がいるんだってね。」
「え、ほんと?」
「現時点では直らない病気の人とかが、将来の医療技術の進歩と人工冬眠の蘇生技術の進歩に期待して自分の体を冷凍保存しているっていうやつでしょ。」
「仮に蘇生できたとして、そのときはどうやって生きていくんだろう?」
「確か資産を全部財団か何かに委託するとか、とんでもなく長期の定期預金とかにするとか、じゃなかったっけ?」
「でも今の貨幣経済がそのまま続いているという保証はないよね?」
「それより、無事蘇生できたとして、自分はその世界の常識を何も知らないわけだよね。 それに自分のことを知っている人や、自分に会いたい人、自分が会いたい人もいないわけだし。そんなところに蘇生して幸せなんだろうか?」
「うーん、でも死ぬよりはいいと思ったんじゃない?」
「でも、蘇生できなかったとしたら死ぬわけでしょ? たとえ数ヶ月でも人工冬眠に入らないで生きていたほうがいいんじゃないかなあ。」
「大丈夫、どっちにしても普通の日本人の資産では人工冬眠になんか入れないから。」
「そうか、じゃ悩まなくていいんだ。よかったよかった。」

 みんなが逃避の手段として人工冬眠に入ったら人口は増える一方で破綻するよな、とか、人工冬眠中の人はどんな法的な扱いになるんだろう、とかいろいろ気になります。

 <おまけのひとこと>
 「死が二人を別つ」ことがはっきりしたときに、将来に希望を託して一緒に人工冬眠に入る、という発想はあるかもしれないな、と思いました。「終わりなき戦い」というSFを思い出しました。

 <おまけのひとこと:その2>
 先日ご紹介した菱形三十面体を作ってみましたというメールをいただきました。組み方の説明もほとんどしていないので、きっと大変だったのではないかと想像します。しかも、今回載せた型紙は紙の厚さを考慮していません。自分で切り出すときには、出来あがりを想定して型紙の線のどちら側を切るかなど微妙に調整しながら切ったりするのですが、初めてですとそういうコントロールも難しいでしょうし。
 ちなみに紙はコクヨの厚さ0.19mm というインクジェットプリンタ用厚紙を利用しています。A4の用紙1枚あたり10円ちょっとくらいのコストです。



4月25日(木) 鏡

 車を運転していると、ルームミラーなどで後方の様子を確認することがあります。私は、車の運転免許証を取得してからかなり長いこと、後続車の方向指示器(ウィンカー)の方向や、車の右ハンドル・左ハンドルについての判断が一瞬遅れていました。 どうしても自分自身が振り返って後続車を直接見ているような気になって考えてしまうのです。例えば、ミラーに映った像の右側のウィンカーが点滅している場合、後続車は右にウィンカーを出しています。ところがそれを見ると、私は一瞬後続車は左折しようとしているんじゃないかと思ってしまうのです。あたかも、後ろ向きにテレビカメラが付いていて、そのカメラが捕らえた映像を見ているような気持ちになってしまうのです。

 人間は、思い浮かべた図形やイメージを頭の中で回転させる能力があります。メンタルローテーションといいます。心理物理学の実験で、被験者に向きの異なる2つの図形を提示して、それが同じ図形を回転させたものか、それとも違う図形なのかを判断してもらうというタスクを行うと、提示した図形の回転角に比例して、判断にかかる時間が長くなるそうです。 頭の中で図形がどのように表現されているかはわかりませんが、ともかくそれを回転させて比べていることの証拠だろうと言われています。

 ルームミラーに映った後続車のウィンカーは、ともかく左側が光っていたら左に曲がるんだし、右側が光っていたら右に曲がります。わざわざそれを逆さにする必要はありません。 「鏡はどうして右と左が逆になるの?」という問いがありますが、これは問い自体が間違いで、鏡は左右は反転させません。前後を反転させるのです。ルームミラーの例で言えば、後続車はあたかも対向車のように、前方遠くから手前に向かって走ってくるように映っているはずです。

 左右が逆になるように見えるのは、鏡に映しているものが左右対称だからです。例えば、信号待ちをしているときにショーウィンドウに映った自分の車の像は、左右が逆になって進行方向が反対になったりはしません。鏡というのはやっぱりとても面白いものだと思うのです。

 <おまけのひとこと>
 ところが、鏡を2枚、互いに90度になるように立てておくと、これは本当に左右が反転するのです。

 <おまけのひとこと:その2>
 今朝見たら、このページのカウンタが5桁になっていました。多くの方にご訪問頂いて感謝致します。当初の思惑とは異なり、明らかに「ひとこと」が主役なページになってしまっています。今、毎日の更新に割く時間はだいたい20分から30分程度なのですが(そのせいで(?)後から見るとわかりにくい変な文章も多いですが)、内容をきちんと系統立てて整理しようとするとそれなりに時間がかかってしまうため、踏み切れないでいます。 新しくご訪問下さる方には不親切なページだという自覚はあるんですが、多分当分このスタイルだと思います。今後ともよろしくお願い致します。



4月26日(金) 六面(仮)

 リンク集のページに載せている、六面(仮)というオリジナルなゲームがあります。将棋やチェスにちょっと似た感じのゲームです。考案者のsatoruさんという方が熱心に研究されていて、棋譜なども掲載されているのですが、今一つわかりにくいのが残念です。

 昨夜、ふと思い立ってこんなものを作ってみました。JAVAによる六面(仮)ボードです。盤面の左右にあるのが駒台で、そこをクリックして盤面をクリックすると、選択した駒を配置できます。また、盤上の駒をクリックして空白のマスをクリックすると、そこに移動します。敵の駒があるところをクリックすると、敵の駒が取り去られてそこに移動します。盤面の駒を選んでおいて、自分の駒台をクリックすると、駒台に戻す事ができます。あとは適当にいじってみてください。

 このプログラムは、ゲームのルールは何も知りません。駒を出すルールも移動するルールも全てプレーヤー任せです。プログラムが欲しい方、改造したい方、ご連絡頂ければ差し上げます。

 <おまけのひとこと>
 この程度のプログラム、1時間もあればできるかと思ったら3時間もかかってしまいました。修行が足りません。



4月27日(土) 六面(仮) その2

 昨日ご紹介した六面(仮)ボードですが、ちょっとだけ機能を追加してみました。

 <おまけのひとこと>
 お休みになると、かえって更新時刻が不規則になります。平日ですと、朝更新しないと昼間は更新のチャンスがないので、文字通り「朝飯前」に出来る範囲でちょこちょこっと更新するのですが、お休みでしかも予定のない日には、なんとなく更新のタイミングを逃したりしています。ということで、27日・28日の二日分を28日の夜に更新します。



4月28日(日) Chung Toi

 ちょっと調べ物をしていたら、Chung Toi(チャン・トイ)というページに行き着きました。3×3のマス目で、お互いに3個ずつの駒を持っているだけ、というとてもシンプルなゲームで、三目並べのバリエーションの1つです。

 駒は八角形で、四方向に矢印がついています。最初に、それぞれのプレーヤは自分の駒を1つずつ交互に盤面に置いて行きます。この段階で縦横斜めいずれかの方向に自分の駒3つが並んだら勝ちですが、通常はそういうことは起りません。

 全部の駒を出し切ったら、互いに自分の手番の時に自分の駒を1つ動かせます。動かすときには、矢印が指している方向であれば1マスでも2マスでも動かせますし、飛び越す事もできます。移動させるときに、同時に駒を回転させてもよいことになっています。 また駒を移動させずに単にその場で回転させてもOKです。

 三目並べにはいろいろなバリエーションがありますが、あまりにもシンプルなため千日手になってしまうか、必勝法があるパターンのゲームしか知りません。この Chung Toi はどうなんでしょう? また研究用のJava Appletを作ってみようかな。

 <おまけのひとこと>
 今朝、いつもと違う新聞が配達されてきました。さっそく販売店に電話をしたのですが、留守番電話でした。夜7時くらいに電話があって、今、正しい新聞を届けるために出発したのだが、間違えて昨日の新聞を持たせてしまったかもしれないので確認して欲しいと言われました。 ほどなく小さな車で女性が新聞を持ってきてくれたのですが、案の定昨日の新聞でした。



4月29日(月) みどりの日 究極の暇潰し

 究極の暇潰し ─142857の怪─というページをみつけました。142857という数字には面白い性質があって、この数字に2,3,4,5,6を掛けると、その答えが142857の数字列を「回した」ものになります。(ぜひ電卓等で計算してみてください。小学生には筆算がお勧めです。) こういった数字列で、もっと長いものはないか探索した結果が書かれていて、とても面白いです。

追記:上記のページの作者の方から、ページがこちらに移転されるというご案内をいただきました。トップページを見せていただくと、この142857のページ以外にも面白いコンテンツがいろいろあります。特に私には顰蹙のガラクタ集めが楽しかったです。今後充実されるそうで楽しみです。(2002.07.21)

 <おまけのひとこと>
 今日は妻が一日用事で留守なので、子供たちと遊びます。 めったにないことなのでみんなものすごく楽しみにしていて、今朝も5時半くらいから起き出してはしゃいでいます。 最近、上の子が乗り物酔いをするようになってしまって、遠くへ出るという手が使えないのがちょっとつらいところです。



4月30日(火) 腕時計

 最近は携帯電話の普及で、腕時計をする人が減っているんだそうです。携帯電話は誰でも肌身離さず持っているし、アラームや目覚まし代わりにも使えるし、敢えて腕時計をする必要がないと考える人が多いんだそうです。

 私は腕時計は必ず右手にします。これは単に左手でないと時計のベルトがうまく止められないからなんですが、そうすると腕時計をはめた状態では時計のリューズが操作できません。といって、左側にリューズのある左利き用の時計というのは種類は少ないし相対的に値段は高いし、購入しようとは思いません。まあ毎日ねじを巻いていた時代の時計と違って、リューズをいじる必要があることはほとんどありませんから、特にそれで不便は感じません。

 昔、「文字盤に数字等の描かれていない時計だったら、上下を逆にして腕に装着したらいいのではないか」と思いついたことがあります。ちょっと考えればすぐにわかるようにこれではだめで、上下を逆にしてしまうと、長針が真上を指している時に短針が数字と数字のちょうど間になってしまってうまくいきません。

 以前、使っていた安い腕時計を落としたときに、偶然短針が約15°ずれてしまいました。通常の時計では12時の位置で長針と短針が重なりますが、落とした時計はちょうど6時の位置で長針と短針がぴったり重なります。 幸い文字盤にも数字等は描かれていない、とてもシンプルな時計だったので、早速時計のベルトの上下を付け替えて、左側にリューズが来るようにして右腕に装着してみました。 リューズが利き手側にあるというのはなるほど便利なものなんだということをはじめて知りました。

 この時計、とても気に入って使っていたのですが、何かの拍子に腕にはめた状態でぶつけてしまった時にまた短針がずれてしまい、今度はそのずれ方が微妙だったため正位置でも逆位置でも使えない時計になってしまいました。

 <おまけのひとこと>
 ところで、リューズって龍頭と書くのだそうですね。

 <おまけのひとこと:その2>
 昨日は一日子供たちの相手をして、体力的にきつかったです。今日から3日間はまた仕事です。



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