平成14年度



 最近もの忘れが多い。
だから大事なことは手帳に書くようにしている。
これからは、陶芸に関するその時々のことを、ここに書くことにする。
忘れなければ次のものが入らないのだろうか?

平成14年12月15日
「最近の新聞から」 
「会社人間から、社会人間になる」  定年を間近に...。

「ものから文化へ」と習い事や趣味に勤しんでも、知性や品格は簡単に手に入らない。

「人の期待や金のためではなくて、自分が何のために生きて死んでいくのか意思をはっきりと持つことが大切だ」「遺言書を書いてみると、自分にとってだれが一番大切な人なのか見えてくる」  生老病死を考える

私の友達は「夫が定年になり、三食うちで食べるようになったからうっとうしい」と言うんです。私は「でも、お宅のご主人は自分で何でもできるでしょ。うちは全部介助が必要なのよ」と言ってしまう。それでも私は大島がいてくれてうれしい。一番辛いのは自分のことが自分でできない大島自身なんですね。
愛があって十年、努力の二十年、忍耐の三十年、あきらめの四十年といいますよね、でもあと十年で感謝の五十年です。私はここであきらめず、感謝の四十年にして五十年を目指そうと思っています。      小山明子 


平成14年12月01日
焼締めの取り扱い」 

以前お話ししたように、磁器は毎日使う食器としては一番楽な素材と言えます。
私の作っている「焼締め」はその対極にあり、取り扱いには注意が必要です。晴れ着などの高価な服は洗濯機では洗わず、やさしく手洗いするか、クリーニングに出しますが、「焼締め」は晴れ着と考え大切に取り扱う必要があります。
お気に入りのうつわと長いお付き合いをするための、ちょっとした知恵を紹介します。

1.買ってすぐのお手入れ。

「焼締め」には、器の底(高台といいます)をさわるとザラザラしているものがありますが、そのまま使いますと、テーブルを傷つけてしまうことも。
その場合には紙ヤスリや砥石で底の部分 を丁寧に削って、滑らかにしてから使用します。
(これはまず無いと思いますが?−−−ちなみに緋色窯では砥石をかけてあります。)

「焼締め」は磁器に比べ汚れやすい器です。土がザックリとしていて隙間があるのと、ガラス質の釉薬を掛けておりませんので隙間に料理の汁や油が入り込んでしまいます。そこが「焼締め」の欠点でもあり、長所(磁器よりも柔らかい感じ)でもあります。
そこで、番茶か米のとぎ汁で30分くらい器を煮沸しますと、ある程度目を詰める事が出来ますし、丈夫で衛生的で汚れやニオイがつきにくくなります。煮沸後は自然に熱を冷ましてください。

2.使うときの知識。
備前、信楽などの無釉「焼締め」や、粉引など軟質陶器で吸水性の強いものは、使う前に10〜30分水かぬるま湯にくぐらせると、料理の汁や油が染み込みにくくなります。
そのまま使いますと料理の汁、油などが染み込んでしまい 汚れが落ちにくくなり、またカビの原因にもなります。
また、「焼締め」は水にぬれるとしっとりして、色鮮やかに美しくなります。
油ものの場合には、更に紙や笹などを敷いて使いますとより効果的です。

手作りのうつわは電子レンジ・オーブンが苦手です。温度の急激な変化に弱いのでヒビが入ったりします。

3.使った後は。
使い終わった後は早めに、スポンジなどやわらかいもので、やさしく洗って下さい。
洗いおけにまとめて入れて洗っていると、つけている間に他の汚れを吸い込んでしまうことも。(浸け置きは厳禁です)

洗った後はふきんで水分をしっかりとった後、充分に乾燥してから収納して下さい。
これは意外と大事です。吸水性のある「焼締め」は水分を含んだまましまうと、カビや臭いの原因になります。
ふきんだけでは充分に乾いていません。風通しの良いところで完全に乾かせてからしまいましょう。

手作りの「焼締め」は量産ものに比べ汚れやすいのですが、使い込んだ感じが、風合いを出すこともあります。(以前景色の説明の中で雨漏りがありました)
そうした風合いを出すことを「育てる」と言いますが、自分だけのうつわに「育てる」のもまた面白い・・。


平成14年11月23日
「散歩」 
諏訪湖の湖周道路にはジョギングロードがあります。
昼も夜も大勢の人が歩いている。(夜はソーラーシステムの街灯があります)
楽しそうな人、真剣な人、マラソンをする人、ベンチで休む人、釣りを見学する人など様々である。
私は、平日の夜は30分〜50分、休日には1時間を早足で歩いている。
紅葉も終わりつつある諏訪湖畔を、寒さ対策に完全防備で歩くと、家につく頃には汗びっしょりとなる。


平成14年11月17日
「陶芸6」 
 陶芸に関する事を、ごく簡単に説明してみよう。
6.景色(けしき)

 
やきものを観るには形、色、用途、の他に景色があります。
景色は陶器の見どころとなる変化をいい、成型時の土の変化、焼成時の土や釉の焼き上がりの変化など、偶然が作り出す表面の様子を言います。
景色が作品の価値を決めることもあります。
緋 色
(ひいろ)
主に信楽・備前に見られる火の色。信楽は赤く明るい。火色とも言う       緋 襷
(ひだすき)
主に備前などの焼締陶に見られる赤い襷(たすき)状の筋紋。火襷とも言う
藁をやきものに巻いて焼成する
土 味
(つちあじ)
土の風合い・・・と言うほか無い   窯 変
(ようへん)
主に備前の焼締に見られる。灰や炭に埋もれて変化したもの   
ビードロ 主に伊賀に見られ、焼成時に灰が降りかかって青緑色に発色した自然釉。トンボの目とも呼ばれ、ガラスを表すポルトガル語を語源にしている   窯 疵
(かまきず)
山疵(やまきず)とも言う。
焼成中に生じたひび割れなどの疵。使用中に生じた疵と区別していう
  
石 爆
(いしはぜ)
信楽、備前の焼締に見られる石の爆発。
素地に含まれた小石が、焼けはぜて露出すること
     焦 げ
(こ げ)
主に伊賀に見られる。陶器の表面に現れた灰被り状の窯変のこと
ひっつき 焼成の際に他の作品に触れて、その一部が壊れ、表面に溶け付いたもの   目 跡
(めあと)
トチンなどの窯道具を置いた跡。
製品を重ねて焼成する時に、製品同士が熔け着かないために窯道具を間に挟ませる
胡 麻
(ご ま)
主に備前に見られる。やきものの上で松灰が溶けてできる自然釉。
黄ごま、黒ごま、流れごま、と呼ばれるものがある
  指 痕
(ゆびあと)
主に志野等に見られる高台や高台脇についた指のあと   
雨 漏
(あまもり)
主に粉引に見られる、雨漏りのような浸み。永年の使用により浸みができ、それが天井や璧の雨漏のように見える      山 道
(やまみち)
茶碗などの口縁がうねっているもの。五岳(ごがく)や五峰ともよばれる。茶碗の胴や腰に、山道を連想させるくねくねとした線彫りのあるもの   
梅花皮
(かいらぎ)
主に唐津や萩の高台付近に見られる。
釉薬が十分に溶けきらぬ鮫肌状のちぢれ
     火 間
(ひ ま)
主に粉引に見られる。
器胎の一部に釉薬がかからず土が見える部分で、特に褐色に発色しているもの
  
 気まぐれに続く 

平成14年11月04日
窯元
塙先生の「神王窯」で焼いていただいた作品を頂きに行く。
濫觴庵では「秋の窯だし展」が開かれていた。
犀川の畔にある「道の駅大岡村」でりんごを買う。
帰路に北安曇郡池田町の
「相道寺焼き」を見学。
陶芸教室の生徒さんが作陶中。
雪の降りそうな天気で寒い。
今年は雪が早そう。
道の駅大岡村で休憩する 神王窯へ行く途中の部落 今回も灰がたっぷり 相道寺焼新窯

信州で備前を焼いている「ちひろ美術館」近くの
「昇窯」(のぼるがま)を見学。
備前の山本出先生の弟子をして、5年前に独立。
穴窯は北安曇郡松川村のリンゴ園の中にある。一人で3カ月懸かって築窯。
年2回、8日間で千束の松薪を焚く。
昇窯近くの山は降雪 中皿を頂く

平成14年10月26日
お休み
私の陶芸は、
  夏の暑いときには窯を焚かない。 (7月初〜9月初)
  粘土が凍る寒い冬には作陶しない。(11月初〜3月中)
   ※出来ないと言う方が正しいが。
もちろん、私の周りの方で、1年中窯を焚き、作陶している人は多い。
しかし、私には夏の40℃を越える窯焚きや、真冬に冷たい土で作品を作り、完全に乾燥するまで何日も凍らせないように暖房をすることは出来ない。

そこで、窯焚きをお休みしている夏は冬の分まで作品を作る。
作品作りをお休みしている冬は「ガンガン」窯を焚く。
  

平成14年10月20日
「第49回日本伝統工芸展を観る」 
今年の「陶芸」の応募数1269点のうち入選は262点20%と陶芸はかなり難関。
それだけに素晴らしい作品が並ぶ。
毎回、大皿(50pp〜60p)が多い。
加藤肇の「炎色壺」は本当に明るい火色だ。

平成14年10月14日
 
 備前などの伝統ある窯場に行くと「土」が1番大事だと実感する。
良い作品は、良い土が無ければ出来ない。

諏訪にも土はあります。
ただし素焼き(750℃)までは良いのですが、本焼き(1250℃)では溶けてしまう耐火度のない土です。
私が地元で採取した土は、青色で鉄分が多く、焼くと真っ黒になり溶岩のような物が吹き出てきます。その使い物にならない土を、水樋して不純物を取り除き、信楽の土を5割加えて使います。

山の中で掘り出し、袋に詰め車まで運ぶのは坊ちゃん育ちの優男にはきつい。そのうえ何度も水を換えて、使える土にするのは本当に大変ですが、地元の土を使っているという満足感は有ります。

平成14年9月29日
陶芸5 
 陶芸に関する事を、ごく簡単に説明してみよう。
 5.窯

電気窯は、温度の制御が最も簡単な窯です。コンピュータによる制御が出来る窯もあります。灰などが飛ばず、きれいな環境で焼きますので、ピンホールを嫌うものに向いています。電気はコストが高いので、個人の小さな窯が主ですが、もちろんプロも使用しています。

灯油窯は、個人でも陶芸教室でも、あるいは窯元でも使われています。燃料代も、ガスと並んで安く、炎は薪に似ているため、焼き方の工夫次第では、面白いものが出来ます。

ガス窯は、比較的温度の制御がしやすいのですが、逆に「窯変」と言われるような、「思わぬ焼き上がり」が出来にくいとも言えます。

歴史のある窯元では、登り窯が使われています。登り窯の燃料は薪です。熱は上の部屋へと上がっていきますので効率の良い窯です。薪を焚いている姿は、いかにも、やきものを焼いているなと思わせます。

登り窯より古い「穴窯」もまた、薪が燃料です。1部屋ですので、登り窯よりも不安定で熱効率が悪いのですが、それが、「何が出てくるか分からない」ということになり、魅力となっています。
気まぐれに続く

平成14年9月22日
陶芸4 
 陶芸に関する事を、ごく簡単に説明してみよう。
 4.釉薬

私の場合、釉薬(ゆうやく)を掛けない「焼締」ですが、白萩・天目等の釉薬や粉引を使うこともあります。
多くの「やきもの」(陶器も磁器も)の表面は釉薬によって「ツルツル」しています。
「やきもの」に釉薬を付ける事で、「やきもの」の強度が増す、防水性が増す、装飾が出来るといった効果があります。
種類としては、陶芸家独自のものがあり数え切れませんが、代表的なものとして、志野・織部・黄瀬戸・天目・青磁等があります。
釉薬の製造は、原料として種々の灰や土石を用 いて釉薬を調合します。
同じ色の釉薬でも、灰を主原料にしたものと土石を主原料にした物では、色合いが微妙に違います。
最近読んだ雑誌に、「やきもの」は土を「焼く」から「やきもの」であって、釉薬を溶かすために焼いているのは「やきもの」ではなく「溶かし物」だと書いてあった。

釉薬を付けて焼く事が一般的ですが、付けずに焼く方法として「自然釉」「焼締(やきしめ)」などがあります。
自然釉は、登り窯や穴窯で、燃料である薪の灰が作品の表面に付いてガラス状になったものを言います。(ビードロ釉ともいう) これは、偶然あるいは、意図的に灰が作品に降りかかるようにして焼いたものです。

私が好きで作っている「焼締」は、釉薬を全く付けず本焼したものを言います。作品の強度を高めるため、高温で長時間焼いていますが、土作りも大切で、強度を出すため磁器土を加えている人もいます。
焼締は粘土の種類により、それぞれ独特の色が出ます。窯の名前にした緋色または火色と呼ばれる赤い色が出る土もあります。
そして、焼締で一番大切なことは「土味」です。
      
気まぐれに続く     

平成14年9月15日
陶芸3 
 陶芸に関する事を、ごく簡単に説明してみよう。
 3.酸化と還元
 焼き物の焼成方法には酸化焼成と還元焼成の2つの方法があります。(両者の中間的な「中性焼成」もあり ますが)
やきものの話をすると、「酸化で焼くと柔らかいが変化に乏しい」とか「還元をかけるタイミングが難しい」等の話が出ます。
  地球上では、空気の中に2 0 %の酸素が含まれています。従って、空気が充分な状態で焼成すれば、酸化焼成になります。つまり、酸化焼成は窯の中に空気を送り込み、酸素を充分使って燃料を燃やし、完全燃焼で温度を上げていく方法です。  
  還元焼成は、酸素不足の状態で燃料を燃やし、温度を上げていく方法です。還元焼成は窯の温度が950度くらいから、窯の中の酸素の量を少なくして黒い煙がもくもくと出ているような状態、つまり不完全燃焼の状態で焼く方法です。 
  これは、磁器にも陶器にも当てはまります。

気まぐれに続く

平成14年9月8日
「陶芸2」 
 陶芸に関する事を、ごく簡単に説明してみよう。
 2.工芸の分野
    工芸と一言で言いますが、その種類は以下の通りです。

陶 器 陶器は粘土を原料とし、成型、焼成したものである。一般に素地は耐火性が強いため、焼け締まりが弱く、したがって吸水性があって不透明である。唐津・萩・備前・信楽・越前・常滑など地方名によるもの、又、志野・織部・黄瀬戸・天目等、釉薬の種類によるものなど、さまざまな技法がある。
磁 器 磁器は陶石を微粉砕し、水を加えて粘土状にしたものを成型、焼成したものである。その特徴は、素地は白く、半透明で、陶器にくらべて硬く、吸水性がなく、叩くと金属音を発する。代表的な磁器には、染付・青磁等がある。
漆 芸 漆の樹から採取する樹液が“漆”である。漆工芸は、木、竹、紙、布、皮、金属、陶器などを素地として、これに塗装と加飾を施す。主な種類は、髭漆、蒔絵、彩漆、螺錦、平脱、彫漆、蕗醤、存清、沈金等である。
金 工 金属工芸品を大別すると、彫金、鍛金、鋳金の作品に分けられる。
   
彫 金 彫金は金属表面に文様を彫ったり、透したり、他の金属を飲めたり、レリーフとして打ち出したりして加飾する技法である。その技法の中には、毛彫り、蹴彫り、片切彫り等がある。
   
鍛 金 鍛金の技法を大別すると、鍛造、鎚起、絞りである。鍛造は、赤熱された鉄材を鎚で展伸して形成する。鎚起は、打ち上がった地金を木型の中に打ち込み椀状にし、次に金床の上で鎚打し成型する。絞りは材料を当て金に当て、金鎚で鎚打して絞り込みながら成型する。
  
鋳 金 熔解した金属が注ぐ容器、即ち鋳型通りに固まるのが鋳金である。はじめから金属を加工するのでなく、木、粘土、石膏、蝋等で原型をつくり、これをもとにした鋳型に熔解した金属を鋳込むのである。
染 色 防染方法は蝋染め、糊染め、絞り染めの三つに大別出来る。蝋染めは蝋を防染に用いる方法であり、糊染めは、手描き染めと型染めに分けられる。絞り染めは全世界的に分布している古来よりある技法である。
織る、組む、編む、といった技法から生れる平面のものから、立体風の構成による生活空間を満たす造形のものなど、芸術性を含めて幅広い制作がみられる。
竹 芸 竹工芸に用いられている竹は、真竹、女竹、黒竹、寒竹など20種類ほどである。寵の編み方は、六ツ日編みである亀甲編み、四ツ目編み、亀甲編みをくずして三角編みにした鱗編み、あぜくら組など。
木 工 木工を技法的に分けると、指物、立体彫、浮彫、透彫、挽物、木象欣、曲者などがある。木芸は、その硬さや色、木目など木の持つ特色を生かし制作されている。
七 宝 七宝は金属素地にガラス質の釉薬を800℃前後で焼きつけながら装飾する技法である。技法では「有線七宝」と「無線七宝」があり、釉薬も、不透明、透明、半透明粕など、技法は多様である。
現代の革工芸は、革のもつ強靭性、柔軟性、弾力性等の持ち味を生かし、染色、切る、よる、編む、レリーフ等さまざまな技法が駆使されている。
硝 子 ガラスは、珪砂、丹鉛、ソーダ、アルミナなどの原料を1300℃前後の熱で溶かし、成型、加飾する。成型、加工法により、吹きガラス、型ガラス、カットガラスに分けられる。
和 紙 和紙の原料は、椿、三柾、雁皮が主に使用されるが、製法は、「溜漉き」と「流し漉き」の二種類がある。和紙工芸は、楕の繊維に着色し、具象あるいは、抽象的な模様を構成する。
人 形 人形は素材的に多様で、土、木、紙、桐塑、布などが自由に用いられる。これは、使用している材料や使用目的で分類されている他の工芸と大きく異なる。
気まぐれに続く

平成14年8月31日
「陶芸」
友人と話していて気づいた。
焼き物に関する知識で、私には常識だと思うことが、友人には凄い知識と映っているようなのだ。
私は素人でたいした知識もないのだが。
そこで、陶芸に関する事を思いつくまま、
ごく簡単に説明してみよう。
 1.陶器と磁器

焼き物は大きく分けて、"いしもの" と "つちもの" に分けられます。これは、その原料の違いで分類されるものです。狭義で"石もの"を"磁器"、"土もの"を"陶器"と言う場合もあります。 陶磁器と一言で言うことがありますが、陶器と磁器ではその性質が少し違います。
磁器は一般に『瀬戸物』とも呼ばれる白い焼き物です。原料は「カオリン(kaolin)」と呼ばれる白い石の粉で、その色がそのまま、焼き上がりの白さになっています。
  • 陶器は、原料が「粘土」で、磁器より若干低温で焼かれています。原料である「粘土」は日本中至る所で採れ、それぞれ違った趣で焼きあがるため、一口に「陶器」と言っても、その産地/窯元で全く違った雰囲気のものになります。
  • 陶器と磁器は、その「表面の雰囲気」もかなり違います。
    磁器の特徴は絵で装飾をします。
    陶器は、殆どが釉薬の自然な装飾効果を利用しています。
    『窯変(ようへん)』は偶然の産物です。陶芸家は、この『窯変』を自分の意のままにコントロールしたいが為に、日々格闘していると言えるかもしれません。
       陶 器  磁 器
英 語 "pottery" 陶芸家は "potter"。 "china" と言い「中国のやきもの」という意味。ちなみに "japan" は「漆器」。
原 料 粘土。釉薬を掛けたものと、掛けずに焼締めたものがある。硬度は弱く、取り扱いには注意が必要。 陶石を主原料として長石・カオリン・珪石など。硬度は陶器より高い。
打 音  ボコボコの低い音。 澄んだ高い音。
外 見 光にかざしても透光性は無い。 透光性がわずかに有る。
焼成温度 1100度から1250度。   1300度以上
吸水性 ある。使用したら出来るだけ早めに洗浄し、乾燥する。 無い。
熱伝導 素地が粗い為、熱の伝わりは遅く、保温性能は高い。温かい物や、冷たい物などを入れるのに適する。 熱伝導は早い。湯呑など熱くて持てない場合もある。
丈夫さ   ややもろい。
硬く強い。
印 象    土の暖かみ。           シャープ、清潔感、冷たさ
産 地 右記以外、ほとんど陶器。(全部ではない)
釉薬を掛けない焼締め品を「せっ器」として区別する場合は(信楽、伊賀、備前、常滑)。
九谷焼、有田焼、伊万里焼。
  気まぐれに続く

平成14年8月11日
「はつび」 
 展示期間中の第一日目を「はつび」、最終日を「しまいび」その間を「なかび」と言います。
良い品物を手に入れようと思えば「はつび」の午前中に行くことをおすすめします。
良い品物で、品物に似合わず安値のついているものが、展示されていることがあるんです。
陶芸展で午前中に駆けつける人は、焼き物の目利きの人が極めて多いのです。

平成14年7月20日
「日本新工芸展」 
 第24回 日本新工芸展を、名古屋松坂屋美術館で見る。
 主催は、社団法人 日本新工芸家連盟

「趣意」には、
生活造形を確立するとして
 美術の枠内にある工芸が、表現上の造形美を追求することは大切です。しかし、その追求に走りすぎると一般造形美術と変わらぬ自己主張に陥り、生活から離れた表現のための表現に終わってしまうのではないでしょうか。
工芸美術は多岐にわたり、生活との接点も多い。美と生活の調和をテーマとして、生活の中に求められるもの、生活を豊かにするための造形美を問いなおす。
とある。

平成14年6月29日
「下諏訪陶友会作陶展の報告」 
第3回下諏訪陶友会作陶展は、原村の別荘地に隣接する彫刻の森「グリーンプラザホテル」で行いました。
会期中の3日間で来館者は300名を超えました。
下諏訪から車で30分、八ヶ岳の麓、新緑の中央高原は鶯が鳴き、空気の美味しい素晴らしい環境でした。
観覧後は、ベランダや林の中の広い庭で陶芸談義に花が咲き、大いに親交を深めることが出来ました。
前回同様友人知人と、「グリーンプラザホテル」様に助けられ、無事終了致しました。
阿部信一郎作 香炉 お客 仲間 阿部信一郎先生 私の作品
三澤博・山田剛敏両先生 ベランダで 平川てる子作 筏流し 平川てる子先生(中) 小池吉弥先生
          

平成14年5月15日
「再び 色」 
 赤色には沢山の色があります。
日本の色 和名■ 赤 ■
    緋色 ひいろ DD180A 緋色は茜より染めた最も鮮やかな色
    猩々緋 しょうじょうひ F41807 猩々の血で染めた、と言われる
    浅緋 あさひ CB2839 緋には深浅がある
    深緋 ふかひ 580705
   朱色 しゅいろ FA292B
   東雲色 しののめいろ FA624A
   土器色 かわらけいろ B95138
   鴇色 ときいろ F780AB 朱鷺、桃花鳥ともいい、風切羽の色からつけられた
   今様 いまよう BE2C4A 今様とは「流行の」と言う意味
   紅色 べにいろ CA052E
   くれない C91C49 紅花から採られる色は「紅(くれない)」
   韓紅 からくれない B00038 外国から来た紅
   桃色 ももいろ F76379 西洋で「ピーチ」は桃の果肉の色。日本では花の色
   茜色 あかねいろ A20021 茜は赤根
   燕脂 えんじ 9B051F 臙脂は、「燕の国の赤い油」
       
                      色彩辞典
●古来より、赤は神聖な色。火に通ずる色とされ、悪霊を防ぐ力ありとされた。
は慶祝の意味持つ。めでたい時の飯。還暦の祝いにい袖なし羽織り贈る。
●雛人形の下の緋もうせん。色というのはもともと宮中の色で、めでたい時に使う色。
●ダルマは禅宗を開いた達磨大師が赤い法衣を着ていたので赤い。中国の起き上がり玩具「不倒翁」が原形。
●日本の国旗、白地に赤の日の丸は太陽をデザインしたもの。
●紅葉の葉の色素は色。春と夏は、葉緑素で覆われて緑色に見える。

平成14年4月14日
「作陶展」 
山田剛敏先生の「夢門窯展」と、仲間の「下諏訪陶友会展」に参加してきた。
私の場合、参加したと言っても、所謂「にぎやかし」ですが。
   第3回「下諏訪陶友会作陶展」を、下記のように開催します。
    ●会期 平成14年6月14日(金)〜16日(日)
           午前10時〜午後6時 (14日は午後1時より。16日は午後3時まで。)
    会場 グリーンプラザホテル(原村中央高原彫刻の森)
           諏訪郡原村17217-2821 電話 0266-74-2041
     ●入場無料
      会員7名が個性的な作品を展示即売致しますので、是非お出かけ下さい。

平成14年4月6日
「緋」 
緋色は赤い色と知っていますが、はっきりと思い浮かばない色です。
 
真紅(crimson)よりやや鮮やかな黄みの赤を、緋色(scarlet)といいます。
 元は緋(あけ)といい、明るさを意味する「あか」と同じ意味をもっていました。
 火色とも書き、「火」を「思ひ」の「ひ」にかけて、
“思ひの色”とも呼ばれ、熱い情熱をたとえた色です。

の付いた植物を探しました。
 ヒネム(緋合歓)
「植物園へようこそ」HPより
 ヒゴロモソウ(緋衣草)
 別名:サルビア
「植物園へようこそ」HPより
 ヒボタン(緋牡丹)
「植物園へようこそ」HPより
 ヒゴロモコンロンカ(緋衣崑崙花)「植物園へようこそ」HPより  カンヒザクラ(寒桜)
別名:台湾緋桜、緋寒桜
(参照:「日本花の会」HP)
 ヒギリ(桐)
「野草と共に」HPより)
 ヒイロチャワンタケ
(
緋色茶碗茸)
「きのこ屋」HPより
 ヒイロガサ(緋色「にしわき経緯度地球科学館」HPより  「ヒイロベニヒダタケ」
「丹沢のキノコ」HPより
 ヒイロタケ(緋色茸)
「高知県教育情報通信」HPより

平成14年4月1日
火石?
 中国語で
       焼き締めは         火石(器)
       タタラ造りは         打身筒
        手捻りは            陶輪
 この漢字、何となく納得できます。

平成14年3月30日
ひだりうま
【左馬の飯茶碗】とは、新しく作られた窯に火を入れる時、右向きの馬の絵(頭が右で、尻尾が左)、又は漢字の「馬」を逆字でかいた飯茶碗を、窯焚きの成功のため焼いたものです。

*「うま」を逆から読むと「まう(舞う)」であり、古来より、舞はおめでたい席で催される事から、福を招く縁起の良いものとして。
* 「左馬」の姿が「右に出るものなし」とか「左団扇」に通じる大吉兆の形として。
*古来より、馬は神の乗り物として神格化され、生き馬、又は、馬の絵の扁額が神社に奉納され、それが転じて絵馬を奉納する。
これらから、福を招く、めでたい商売繁盛の守り駒として、初窯で【左馬の飯茶碗】を焼いて配るという習慣になりました。  (参照:山内厚可氏のHP)
緋色窯の初窯で焼いた【左馬の食器】が少し残っています。
今見ると、焼きが甘く、稚拙で汗顔の至りですが、初めて自分の窯を焚く不安と喜びが思い起こされます。

平成14年3月12日
緋色茸
 緋色でサーチしていて「緋色茸」をみつけました。
  キノコの色で「緋色茸」と名付けられたと思われます。

平成14年2月23日
 緋色窯の緋色は、英語で言うと・・・ ?
辞典で調べると、答えはスカーレットscarlet でした。
知らなかった。
では緋色窯は【スカーレット キルン】となる。

和色図鑑には250種くらいの色があり、緋色は 緋(あけ)f55f25 とある。
左に表示されている色が、このパソコンの f55f25 (緋色) です。
    玉蜀黍色    (とうもろこしいろ)                  菖蒲色      (あやめいろ)
    琥珀色      (こはくいろ)                     瑠璃色      (るりいろ)
    韓紅花      (からくれない)                    臙脂色      (えんじいろ)
名前は現実に有る物の色を付けていることが分かる。では、現代の色で400種の中から
    土器色      (かわらけいろ)                    躑躅色      (つつじいろ)
    鴇色        (ときいろ)                       鳶色        (とびいろ)
    鶸色        (ひわいろ)                       鶯色        (うぐいすいろ)
    蒲公英色     (たんぽぽいろ)                    向日葵色     (ひまわりいろ)
    勿忘草色     (わすれなぐさいろ)
  
漢字って難しいですね。 かなり読めたけれど、ほとんど書けない。

平成14年1月1日
初詣
 諏訪大社秋宮へ初詣に行く。

 昨年の窯焚きは素焼き6回、本焼き29回と、前年と同じくらい。
初窯以来、1250度 24時間で焼成した作品に満足出来ず、同じ作品を何回も焼き直している。
未然窯の高山先生から、窯焚きは1250度を超えてからが勝負と教えていただいた。
そこで、昨年後半は1250度にこだわらず、1270度以上で30時間焚いてみた。
少し表情が出てきたような気がする?

 焼物は、1焼き、2土(つち)、3細工(形)と言う。(伝統の窯場では1土と言う)
陶芸では、焼くことが一番大切、そして難しい。
思うように焼けたか、緊張の窯出し。
一目見て、落胆のあまり、そのまま扉を閉めてしまうことが多かった昨年。
しかし、何度失敗しようと、今年も窯をガンガン焚くつもり。