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以前の「ひとこと」 : 2025年11月前半


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11月1日(土) 「あやとりの楽しみ」サポートページ更新

 11月1日(土)から3日(月)まで三連休です。この連休にやりたいことがたくさんあって、予定を詰め込んでいます。といっても私の「やりたいこと」は家でやることなので、ほとんど引きこもって作業をしています。このページの更新も3日(月)の午前中に3日分をまとめてしまいました。



 雑誌「数学セミナー」に連載をさせていただいている「あやとりの楽しみ」ですが、2年目の2025年度に入ってから、サポートページの更新が滞っておりました。11月最初の三連休を利用して、頑張って作成してみました。こちらのあやとりの楽しみサポートページからご覧ください。(閲覧しても更新日が11月2日のページが表示されないようでしたら再読み込みしてみてください。)

 各回の概要のページも2年目を作りました。(下のものは単なる画像です。)

 各回のページを作って、それぞれの回で用いた画像のカラーのものや、雑誌記事では取り上げられなかった関連情報なども書いています。ご覧いただけたらと思います。



 10月31日(金)に伯父の告別式に参列するため、仕事を一日お休みして長野市まで車で往復してきました。前日まで出張だったので、朝から参列の準備をしました。高速道路で大回りしてゆくのはやめて、走り慣れた大門峠を越えて上田市を抜け、上信越自動車道の坂城インターから高速に乗って、須坂長野東インターで降りてゆくルートで行きました。告別式が14時半からということだったので、14時前に到着できるようにと思って余裕を見て11時過ぎに家を出たのですが、しっかり2時間半かかりました。いとこや親戚の方々に久しぶりにご挨拶をしました。亡くなられた故人は94歳ということで、だんだん食事ができなくなっていって、最期はご家族に見守られて大往生だったとのことでした。

 初七日法要、四十九の法要まで参列して、16時過ぎに散会となりました。浄土真宗のご導師様の読経がとても大きなよくとおる声でした。この声量で1時間半、よどみなく語り続けられるのは本当にすごいと思いました。おときの席は設けられず、代わりに持ち帰りのお料理をいただいてきました。お花も大きな花束に分けていただいたものをひとつずついただいてきました。

 帰りは雨で、慣れない経路は運転しにくくて疲れました。帰りも同じルートで帰るつもりだったのですが、うっかりして更埴ジャンクションで松本方面に進んでしまい、仕方なく更埴インターで降りたのですが、ちょうど通勤ラッシュの時間帯でかなり時間をロスしました。帰宅したのは20時前くらいでした。渋滞のため、帰りは1時間くらい余計にかかりました。夜の雨の一般道は対向車のライトが路面に反射してまぶしいので運転しにくいのです。慣れた大門峠まで戻ってほっとしました。車の運転は好きなほうだと思うのですが、かなり疲れました。


<おまけのひとこと>
 家の庭の木に同じ小鳥が来ているようで、ここ数日特徴的な鳴き声が聞こえます。姿が見えないので種類がわかりません。見に行って警戒されてこなくなってしまったら残念なので声だけ楽しんでいます。





11月2日(日) 「あやとりの楽しみ」向けの手のイラスト、他

 あやとり説明用の手のイラストの話です。



 来週発売になる「数学セミナー」12月号の「あやとりの楽しみ」第21回は「2本の木」とその変化(その1)という内容を準備しています。もうすでに印刷、製本は進んでいると思います。この三連休は次の第22回とさらにその次の第23回の原稿を準備しました。手順はできる限り言葉だけで説明するように心がけているのですが、どうしても図を使いたくなることがあります。図はラスタ―データではなくベクターデータで作るように心がけています。絵を描く能力のない私には何もないところから図を作るのは無理なので、いつも写真をトレースして作っています。トレースする写真は基本は自分の手です。世の中のカメラは右手でシャッターを切るように設計されているものがほとんどなので(スマートフォンを片手で保持して写真を撮る技術は私にはありません)、被写体は必然的に左手になります。

 先日来、手の模型を使ってあやとり研究をしているのですが、模型の手の写真から線画の図を作ってみたのです。

 なんだか今までとは違った雰囲気の「手」になってしまいました。最初はこれで原稿を作成してみたのですが、やっぱりちょっと違和感があるので、面倒なのですが図を作り直すことにしました。下の写真のように、トレースした手の模型の写真を見ながらそれと同じ姿勢になるように自分の左手でポーズを作って、それを右手で撮影しました。

 上の写真から、こんなトレース図を作りました。自分の手のバランスはいちばん見慣れているので、やっぱりこの図のほうが自分としてはしっくりきます。

 手の輪郭をもう少し強調して、しわなどはないほうが図としてわかりやすいかなあと思って消してみました。

 この図は12月に発売になる1月号で活用する予定です。



 埼玉県立久喜図書館から取り寄せていただいた心をかよわす あやとりあそび(江口雅彦著、ユニコン出版:1976年9月)を最寄りの図書館に返してきました。なぜこの本を借りたかったのか、経緯を書いた御礼の手紙を作って一緒に添えて返そうかとも思ったのですが、妻に止められてやめました。まあ確かにそんなものをもらっても図書館も困るかもしれないです。



 個人的には三連休はずっと外出しないで家の中でPC作業をしていても全く苦にならないのですが、それだとさすがに妻に申し訳ないので、せめて1日は近場でちょっとドライブしたり外食したりしようか、ということにして、連休中日の2日(日)のお昼前にうちの近所の(といっても車で20分近くはかかります)蓼科東急リゾートタウンに行って、ナマステというインド料理のお店に行くことにしました。

 このお店は以前、今の家に引っ越してくる前に住んでいた借り上げ社宅の近くにあって、お昼のランチがとてもお得だったのでした。そのお店のつもりで行ったら、たいへん本格的なお店でした。後で「食べログ」とかを検索してみたら、昼食でも予算はひとり7,000円〜8,000円と書かれていて、確かにそのくらいかかりましたがその価値のあるおいしさだったと思います。でも事前にこの予算金額を知っていたら行かなかったと思います。今回は調べないで行ったのが結果的に正解でした。

 「このお店は初めてですか」と尋ねられたので「初めてです」と答えたら、とても丁寧にメニューを説明して下さり、オーダーも相談に乗ってくれてありがたかったです。この予算だとめったに行かれないとは思うのですが、また行きたいと思ったお店でした。


<おまけのひとこと>
 すみません、ここに書く内容としてはいつもより薄いですが、連載のサポートページに時間がかかってしまったため、他のことが仕込めませんでした。





11月3日(月) ミントタブレット

 日曜日、東急リゾートタウンで散歩しました。



 日曜日は午前中に図書館に行ったり食料品の買い物をした後、11時過ぎに自宅を出て11時半前に東急リゾートタウンに到着しました。インド料理のお店ナマステは12時開店ということだったので、少し散歩をしたり、別荘滞在者向けの食品や雑貨などを売っているお店をのぞいてみたりしました。

 紅葉がだいぶ進んでいました。きれいなまっ黄色の葉がありました。イチョウかと思ったら違いました。

 熊は大丈夫だろうか、と心配しながら、建物や道から離れずに少しだけ歩きました。もっとも昨今の熊は人間の施設に平気で侵入してくるようなので気休めにしかなりませんが。

 リゾートタウンの中のお店は置いている品目はコンビニに似ているのですが、お菓子などはちょっと珍しいこだわりの品が揃えられています。こんなミントタブレットがありました。3種類あったので全部買ってしまいました。

 ほとんどの人は青の缶のペパーミントを買うみたいで、これだけは残り2個でしたが、黄色の缶のジンジャーミントと赤の缶のシナモンはたくさんありました。食べ比べてみましたが、赤のシナモンがいちばん気に入りました。


<おまけのひとこと>
 今後の連載記事の準備と明日からの本業のほうの資料作成(明日11月4日(火)に自分が大事な会議を設定していて、何人かの偉い先生にお時間をいただいてリモート会議をするのですが、3日(月)のお昼現在、まだ準備ができていないのです。最近、こういうのをまとめるのにAIと対話するのが思考を整理するのに役に立つようになってきました。(AIを活用してAIと対話しながら思考を整理する行為を「壁打ち」と表現することが多いようです。テニスや野球の個人練習で壁に向かってボールを打ったり投げたりして、返ってくるボールに対応する練習のイメージです。)ただ、AIは自分に寄り添いすぎるところが危険だと思っています。いつも想定する反論や疑問のリストを作ってもらうようにしています。午後からはこの「壁打ち」に戻ります。





11月4日(火) パズルゲームのデザイン

 arXiv.orgで見かけた論文です。



 From Frustration to Fun: An Adaptive Problem-Solving Puzzle Game Powered by Genetic Algorithm(フラストレーションから楽しさへ:遺伝的アルゴリズムを活用した適応型問題解決パズルゲーム):Matthew McConnell, Richard Zhao(2025)という論文を見かけて、自動翻訳でちょっと読んでみました。論点はおおよそ納得ができる感じがありましたが、「難易度」の評価が適切かどうかは難しいのではないかと思いました。

 題材として用意されているのはこんなパズルです。Cosmic Expressという名称で、2次元の格子状のステージにおいて、入り口から出口まで、ゲームが要求する条件を満たす一筆書きの一本道を見つけるパズルです。

図 1:難易度5のパズルの例

 盤面には荷物が何個かと、その荷物を届けるべき場所が荷物と同じ数だけ用意されています。荷物や目的地のマスには侵入できません。荷物や目的地のマスに通路が隣接すると荷物を取ったり置いたりできます。荷物と目的地の両方に接するマスに停車して、荷物を取って目的地に置くことは許されているようです。同時に複数の荷物を取る(1つ目の荷物を置く前に2つ目の荷物を取る)ことは許されていないようです。

 解の一例が示されています。

図 3:解の例

 ユニーク解になるとは限らないようです。

 グリッド数が異なる問題の例も示されていました。

図 5:広い例

図 6:細長い例

 難易度10として示されていた例です。

図 4:難易度10の例

 あれ、この解は間違っていますね。正しい経路がわかりますか?

 追記:すみません、上の図4、間違っていませんでした。私の勘違いでした。失礼しました。(2025.11.05)


<おまけのひとこと>
 主観的なパズルの難易度を定量化するのは実はかなりむつかしい問題だと思います。





11月5日(水) Cosmic Express の例題

 arXiv.orgで見かけた論文です。



 昨日ご紹介した From Frustration to Fun: An Adaptive Problem-Solving Puzzle Game Powered by Genetic Algorithm(フラストレーションから楽しさへ:遺伝的アルゴリズムを活用した適応型問題解決パズルゲーム):Matthew McConnell, Richard Zhao(2025)という論文に載っていた下図の問題、「間違っている」とコメントしてしまいましたが勘違いでこれは正しい経路でした。

図 4:難易度10の例(再掲)

 改めてこの問題の配置を利用してこのパズル“Cosmic Express”の説明をしてみました(図はクリックすると拡大します)。

Cosmic Express のルール

 改めて図4を平面表示して、荷物の積み下ろしに矢印を付けてみました。

図4の平面表示

 こうやってみて、これが正しい解なのだということがわかりました。(恥ずかしい勘違いです。)

 自分ならこう解くかなあというのを図にしてみました。

別解

 経路が短いほうが解として好ましいのであれば、こちらのほうが良い解です。逆に、できるだけ多くのマスを通過せよ、ということであれば、もっと経路を伸ばすことはできます。

 また、同じ経路長であれば「pickしてからplaceするまでの距離(=荷物を持って移動するマスの数)が少ないほど省エネルギーで好ましい」という指標も考えられるかもしれません。最適化指標をいろいろ考えて、その指標で経路を評価して比べると……とか考えてしまいましたが、職業病かもしれません。


<おまけのひとこと>
 このパズル、最初は「ペンシルパズルになるかも」と思ったのですが、解が一意に決まらないのでダメですね。





11月6日(木) Cosmic Express の例題(その2)

 arXiv.orgで見かけた論文に載っていたCosmic Expressというパズルの話とあやとりの話です。



 一昨日からご紹介している論文に載っていた “Cosmic Express” というパズルですが(ルールは下記の通りです)、

Cosmic Express のルール

 論文に載っていた例題を2Dの図にしてみました。

論文のFig.6(細長い盤面の例)

 とりあえず1つは解を見つけました(こちら 別窓で開きます)。スタート直後のマスに隣接する荷物はその時点で取るべきでしょうか。スタート直後、上に進むべきでしょうか下に進むべきでしょうか。どちらも解があるような気がしないでもないですが片方しか確認できていません。



 手の模型を使ってディスプレイしたあやとりです。ナバホ族の傑作伝承あやとり作品の「嵐の雲」です。これは嵐の雲をどんどん増やしてゆくことができる素晴らしい連続あやとりですが、雲の数が少ないかたちもきれいだと思うのです。

ナバホの伝承作品「嵐の雲」(2つ)

 本来ならば図形の上辺を引き上げるのは人差し指の先端なのですが、この写真では分業して中指に担当してもらいました。



 今更ながら あやとり部ひも遊び課 の存在を知りました。一般社団法人としてちゃんと法人登録されているのがすごいです。2014年生まれのとても若い「あやとりサトシ」さん(2025年現在11歳の小学生です)が理事をされていて、活発に活動され、本も出版されたのですね。恥ずかしながら存じ上げませんでした。応援しています。本、買わないと…


<おまけのひとこと>
 夏があまりに暑いので、せっかくの高原暮らしなのに昨年ついにエアコンを入れてしまったのですが、このところ急に寒くなってきたので、まずはエアコンの暖房モードでしばらくしのいでいました。でもやっぱりエアコンの暖房では物足りないので、温水ヒーターや石油ストーブの稼働をはじめました。季節はじめなので点検したりお掃除したりしました。暖房が必要な季節が冬だとするならば、おそらく半年近い長い冬が始まりました。





11月7日(金) 四角反柱の平面グラフのあやとり

 久々に手順紹介付きのあやとりの話です。



 四角反柱というかたちが好きです。普通の四角柱は底面と上の面が正方形で、上下の対応する正方形の頂点を結んでできますが、四角反柱は正方形の1つの頂点から反対側の正方形の2つの頂点に稜が結ばれています。

四角反柱 四角反柱の平面グラフ

 四角反柱の全ての稜がゴム紐でできていると想像して、底面の正方形の4つの頂点を広げて、上の面の正方形を底面の正方形と同じ平面に乗るようにつぶしたとすると、上の右のようなかたちになります。

 なぜこの話を始めたかというと、次のようなあやとり作品があったためです。



 “Bulletin of String Figures Association No.18 (1992)” (1992年のあやとり協会会報 No.18)を眺めていたら、こんなあやとり作品が紹介されていました。四角反柱の平面グラフのかたちです。特に作品名は付けられていないように見えます。(見落としているかもしれません。)

“Intension vs. Extension --- an inquiry into the aesthetics of string figures” Joseph Ornstein p.29, bsfa 18(1992)

 論文のタイトル(内包と拡張 ― あやとりの美学の探求)がかっこいいですね。

 久々に手順を含めてご紹介しようと思います。

sf251107-1
  1. 人差し指の構え
  2. 左右の人差し指の輪を交換する
  3. 人差し指を向こうへ半回転ひねる
  4. 人差し指の輪を親指に移す(上の輪にする)
  5. 小指の輪を親指に移す(一番上の輪にする)
  6. 人差し指・中指・薬指・小指を親指の3つの輪に上から入れ、親指の向こうの3本の糸を掌に握り込む 
  7. 中指・薬指・小指は握ったまま、人差し指で親指手前の3本の糸を取って親指から外す

 手の模型に掛けるときには、上向きの親指と小指で外周の四角形を張るようにしました。

 手順2と手順3ですが、

  • 手順2と手順3を両方ともやる
  • 手順2だけやる
  • 手順3だけやる
  • どちらもやらない

 という4通りの変化が考えられます。何がどう変わるかぜひやってみてください。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 マグネットボードに固定するのと手の模型に張るのとでは印象が違う気がします。手の模型、大活躍です。





11月8日(土) あやとり「7つのダイヤモンド」の交差と絡み

 あやとりの話です。



 昨日ご紹介した、中央の4カ所に絡みのあるあやとり作品で、途中の手順を省いたらどうなるでしょう? という問いかけをしました。これは、あやとり作品の中央の4つの交差のうち、「中央左右2ヶ所を絡みにする」「中央上下2ヶ所を絡みにする」「上下左右の4カ所を絡みにする」手順なのでした。この手順は「7つのダイヤモンド」でも使えます。写真を撮ってみました。

オリジナル(追加手順なし) 人差し指を向こうへ半回転ひねる
左右の人差し指の輪を交換する 左右の人差し指の輪を交換し、
人差し指を向こうへ半回転ひねる

 最初の人差し指の構えの後に、上に書いたような手順を加えると、オリジナルの「7つのダイヤモンド」の交差を絡みに変えることができるのです。

 「7つのダイヤモンド」以外でも、この操作で同様な効果が表れる作品があります。探してみると面白いと思います。



 昨日は出張で東京モノレール(浜松町から羽田空港に行くモノレール)に乗りました。途中の天空橋に用事があったのです。浜松町から天空橋まで、460円ということでした。調べてみると東京モノレールの一日乗車券は1,100円のようです。午前中、1時間くらい時間に余裕があったので、空港まで行って折り返そうかなと思って一日乗車券を買おうと思いました。一日乗車券があれば、途中でちょっと下車して改札の外に出てみることもできます。これがいいな、と思いました。

 浜松町でモノレール乗り換え口ではなくいったんJR出口から改札の外に出て、モノレールの切符売り場に行って券売機で一日乗車券を買うことにしました。ところが券売機のタッチパネルを操作しても一日乗車券が出てきません。「定期券専用」という券売機もあったのでそちらも試したのですがやっぱり出てきません。仕方がないので有人の窓口まで行って「一日乗車券は券売機では購入できないのでしょうか?」と尋ねてみました。そうしたら駅員さんが、「あー、一日乗車券は土日祝日だけなんです。」と教えてくれました。そうだったのですね。残念…

 昨日は天気も良く、外がよく見えて楽しい車窓でした。


<おまけのひとこと>
 出張は楽しかったです。5年くらい前からおそらく100回以上リモート会議でご一緒だった方と初めて対面でお目にかかってご挨拶したりしました。





11月9日(日) juananさんのパズルのページ、ほか

 天気が悪い日曜日です。



 2022年10月4日から、ニューセブンパズル(new seven puzzle)に関してメールでやりとりをさせていただいていた juananさんから、パズルのページを新しくしたという情報をいただきました。

 

 よく整理されていると思いました。ご覧になってみてください。



 「人差し指の構えから左右の人差し指の輪を交換し、さらに人差し指の輪を向こうへ半回転ひねる」ところから取ることで完成形の中央の上下左右の交差が絡みになるあやとり、「ダンスの舞台」で試してみました。

ダンスの舞台 hh251109-1
  1. 人差し指の構え



  2. すべての指を向こうへ1回転ひねる
  3. 小指の輪を、人差し指の輪に下から上へ通して親指に移す
  4. 小指を人差し指の輪の下を通って親指の2つの輪に上から入れ、
    親指向こうの2本の糸を掌に握り込む
  5. 親指で人差し指手前の糸を人差し指の近くで取る(上の輪にする)
  6. 親指の下2つの輪をナバホ取り
  7. 人差し指の輪を手前へ半回転ひねって親指に移す
  8. 人差し指で、2つ前の手順で親指から外した2本の糸を向こうから取る 
  9. 小指を放して展開する
  1. 人差し指の構え
  2. 左右の人差し指の輪を交換する
  3. 人差し指を向こうへ半回転ひねる
  4. …以下同様…
  5. すべての指を向こうへ1回転ひねる
  6. 小指の輪を、人差し指の輪に下から上へ通して親指に移す
  7. 小指を人差し指の輪の下を通って親指の2つの輪に上から入れ、
    親指向こうの2本の糸を掌に握り込む
  8. 親指で人差し指手前の糸を人差し指の近くで取る(上の輪にする)
  9. 親指の下2つの輪をナバホ取り
  10. 人差し指の輪を手前へ半回転ひねって親指に移す
  11. 人差し指で、2つ前の手順で親指から外した2本の糸を向こうから取る 
  12. 小指を放して展開する

 上下のみ、左右のみを絡みにすることもできます。交差を絡みにすると印象が変わるのが面白いです。


<おまけのひとこと>
 週明けの会議の資料ができていなくて作成中です。(でも、PCに向かっているとついほかのことがしたくなります。)





11月10日(月) 正方形ペグ問題(その1)

 忙しいです。



 「正方形ペグ問題」(Square Peg Problem) に興味を持って少し調べ始めています。A survey on the Square Peg Problem(Benjamin Matschke, 2014) というサーベイ論文がありました。

 上記の論文の冒頭です。正方形ペグ問題というのは、任意の平面上の単純閉曲線は正方形の頂点となる4点を含む、というものだということを説明しています。100年以上前の1911年に Toeplitz が提唱した問題だとのことです。

 これはほぼ正しいと思われているのだけれども2025年現在まだ証明されていないのだそうです。

 この問題からはいろいろなことを考えたり連想したりします。明日以降そのあたりの話を書こうかなと思っていますが、ひとつだけ単発の連想を書いておくと、昔、大学に入学した当初に住んでいた寮の食堂で「与えられた任意の三角形に内接する正方形を定木とコンパスで作図せよ」という問題を披露したことがあったのを思い出しました。以前もここ「あそびをせんとや」で書いたことがあった気がします。当時は「正方形ペグ問題」の存在は知りませんでした。

(つづく)



 この週末は息子が来ていました。結婚した友達のお祝いの食事会に参加するのが主目的とのことでした。日曜日のお昼に帰って行ったのですが、小淵沢駅まで車で送って、そこで有名なお弁当「元気甲斐」を2つ、本人と奥さんの分としてお土産に持って行ってもらいました。

 自分の家用のものも買おうかと思ったのですが、どこかで紹介を見かけた「昭和百年弁当」を買うことにしました。

 とてもおいしかったです。創業100年超の想いを込めて “昭和百年弁当”@小淵沢駅”丸政” というblog記事がありました。


<おまけのひとこと>
 あっという間に寒くなって、外出時の服装に悩みます。





11月11日(火) 四脚テーブル問題(その1)

 今日は時間がなくて twitter のような更新です。



 昨日、「正方形ペグ問題」という、任意の平面上の単純閉曲線は正方形の頂点となる4点を含む、という予想のサーベイ論文をご紹介しました。この問題を聞いて連想したのが「四脚テーブル問題」です。脚が4本あるテーブルを考えます。4脚の長さは等しいとします。床が完全に水平ならば、4脚の先端が同一平面上にあるテーブルであればがたつきがなく、4脚とも床に接地するのでテーブルは安定します。でも、もし床が若干波打っていたり平面の精度が低かったりすると、脚が1本浮いてしまうということが起こります。(3脚だったらそういうことは起こりません。)

 床が水平ではないとしても、床が連続でなめらかな面であればテーブルの位置や向きを変えれば必ず4脚が接地することができることを示してください、というのが四脚テーブル問題です。テーブルの脚は正方形に配置されているものとします。(長方形でも成立すると思います。)もちろん「正方形ペグ問題」とはぜんぜん違う問題なのですが、この2つの問題の何が似ていて何が違うのか、考えてみるとちょっと面白いのです。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 時間がなくて詳しく考察を書けないのですが、この2つの問題の類似性や、さらに関連する問題について考えてみるとおもしろいです。





11月12日(水) 「あやとりの楽しみ」第21回

 今日は雑誌『数学セミナー』の発売日です。



 「数学セミナー」の発売日なので、「あやとりの楽しみ」サポートページを更新しました。第21回:「2本の木」とその変化(1)です。本誌では掲載しなかった図や、スペースの都合で掲載できなかったトピックも書きましたのでご覧いただけたらと思います。


<おまけのひとこと>
 今日はサポートページを書くので精一杯でした。12月号、今日中に入手できたらいいなと思っています。





11月13日(木) 数学セミナー12月号:「エレガントな解答をもとむ」の解説

 雑誌『数学セミナー』12月号、入手しました。



 昨日の午前中、妻が12月号を買ってきてくれました。

 「あやとりの楽しみ」も第21回です。



 今年の8月12日に発売された『数学セミナー』9月号のエレガントな解答をもとむの1問めが以下のような問題だったのです。

エレガントな解答をもとむ(数学セミナー) 2025年9月号掲載分(2025.08.12)
出題 1
 立方体の各辺の長さを変えると,いろいろな形をした凸六面体を作ることができます.ただし,六つの面は変形後もそれぞれ一つの平面内にあるものとします.
(1) 12 本の辺のうち 10 本の辺の長さが等しくて,残り 2 本は別の長さになる凸六面体は簡単に作れます.では 11 本の辺の長さが等しくて,残り 1 本は別の長さになる凸六面体は作れるでしょうか.
 
(2) 上の図で,頂点Aと頂点Gに集まる6本の辺の長さが等しく(つまり,l1=l4=l5=l7=l10=l11),かつAに集まる3辺は直交し,Gに集まる 3 辺も互いに直交しているものは立方体しかないでしょうか.
 
一問のみの解答も歓迎します.もっとチャレンジしてみたい人は,「12 本の辺の長さが全部整数値で,かつすべて異なる凸六面体」を作ることができるかどうか,考えてみてください.
出題:阿賀岡芳夫 (広島大学名誉教授)

 三次元の多面体の話ですし、ちょうど定年退職した直後で再雇用前のお休み中だったので、この問題の回答を作ってwebで投稿しておいたのです。この解説が昨日発売になった12月号に掲載されていました。幸い、1と2と両方とも「正解」ということでした。(「もっとチャレンジ」はしませんでした。)

 この問題を解いたときに思いついた類題です。

【類題】
 面の数が6、稜の数が12、頂点の数が8の三次元の凸多面体で、12本の稜のうち11本の長さが等しくて1本だけ長さが異なるものは存在するでしょうか?

 立方体は面の数が6、稜の数が12、頂点の数が8ですが…

(つづく)


<おまけのひとこと>
 2010年ころから勤務先の大きなプロジェクトのソフトウェア全般の責任者を担当していたことがありました。そのプロジェクトは結局ビジネス的には成功しなかったのですが、やっていたときには大変でしたがとても充実した研究開発の日々でした。(このサイト「あそびをせんとや」の過去のページで、2010年後半から2013年いっぱい、更新が途絶えているのはこのプロジェクトが理由です。本業がどれほど忙しくなっても、このページに書く「日々の楽しみ」は途絶えさせないつもりでいたのですが、無理でした。)昨日、私より20歳ほど年齢が若い会社の将来の幹部候補生の方に、このプロジェクトの「失敗を振り返る」というお話をさせていただく機会をいただきました。

 当時、時間を忘れてのめり込んだのは本当に良かったと思いますし、今でもその経験は自分の大きな糧になっています。次の世代(もしくは次の次の世代)の経営層になるであろう方々に当時の話をさせていただく機会をいただけたのは本当にありがたかったと思います。今の若い世代の技術者が少しでも納得がゆく技術開発に携わることができて、その結果少しでも良い(世の中のためになる)製品を作ることができるようになってほしいと思います。自分が苦労した時代の昔話が、それに何らかの形で(他山の石でも反面教師でもいいので)役に立つようであれば本望です。





11月14日(金) 稜の長さが1本だけ異なる“F=6, V=8, E=12 の凸多面体” (その1)、伝承あやとり作品の伝承民族の名称

 エレガントな解答をもとむ(数学セミナー)の類題の話です。



 昨日、こんな【類題】を思い付いたということを書きました。

【類題】
 面の数が6、稜の数が12、頂点の数が8の三次元の凸多面体で、12本の稜のうち11本の長さが等しくて1本だけ長さが異なるものは存在するでしょうか?

 条件を満たす凸多面体として思い付くのがまずは下図左の四角柱のかたちだと思います。もうひとつ、下図右のようなものも思いついたのです。

 まず、面の数、頂点の数、稜の数が等しいのに面の形が異なる組合せになっている多面体が存在する、ということが面白いと思います。ちなみに頂点の次数はすべて3です。 この右側の多面体、三角形2枚、四角形2枚、五角形2枚の六面体ですが、これならば11本の稜の長さが等しくて1本だけ長さが違うものが構成できるのではないか? と思ったのです。

(つづく)



 『数学セミナー』12月号の「あやとりの楽しみ」第21回で取り上げた「2本の木」を伝承した民族を「クワキウトル」と表記しました。これに関して、いつも貴重な情報を教えて下さるあやとり協会の石野さんから、シャーマン氏ご自身がクワキウトルという言葉は適切ではないと述べられていること、石野さんは「クワキウトル」ではなく「クワクワカワク」と記載していることを教えていただきました。いつもありがとうございます。

 この件に関する解説を、サポートページのこちらに書きました。ご覧いただけたらと思います。


<おまけのひとこと>
 いろいろ調べて書いていたら遅くなってしまいました。





11月15日(土) 数学セミナー12月号:「エレガントな解答をもとむ」の解説(その2)

 エレガントな解答をもとむ(数学セミナー)の話のつづきです。すみません、週末の土日はいろいろやっていて更新できませんでした。3日分まとめての更新です。



 エレガントな解答をもとむ(数学セミナー)9月号の問題1ですが、

エレガントな解答をもとむ(数学セミナー) 2025年9月号掲載分(2025.08.12)
出題 1
 立方体の各辺の長さを変えると,いろいろな形をした凸六面体を作ることができます.ただし,六つの面は変形後もそれぞれ一つの平面内にあるものとします.
(1) 12 本の辺のうち 10 本の辺の長さが等しくて,残り 2 本は別の長さになる凸六面体は簡単に作れます.では 11 本の辺の長さが等しくて,残り 1 本は別の長さになる凸六面体は作れるでしょうか.
 
(2) 上の図で,頂点Aと頂点Gに集まる6本の辺の長さが等しく(つまり,l1=l4=l5=l7=l10=l11),かつAに集まる3辺は直交し,Gに集まる 3 辺も互いに直交しているものは立方体しかないでしょうか.
 
一問のみの解答も歓迎します.もっとチャレンジしてみたい人は,「12 本の辺の長さが全部整数値で,かつすべて異なる凸六面体」を作ることができるかどうか,考えてみてください.
出題:阿賀岡芳夫 (広島大学名誉教授)

 私が送ったのは以下のような解答でした。今日は(1)だけ載せます。

 出題1では「立方体の各辺の長さを変える」と言っているので、これ以外の構造はあり得ません。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 ちょっと飲みすぎ、食べすぎです。





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