以前の「ひとこと」 : 2007年11月前半
11月1日(木) 2の29乗
11月になりました。月の初めはいつもより面白い話を書きたいと思うのですが、すみません今週はとても忙しくて、簡単な話題です。
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こんな問題を知りました。
2の29乗は9桁の数字になります。この数字の各桁に現れる9個の数字は、何と全て異なる数字になります。さて、0から9までのうち使われない数字は何でしょうか? 高々9桁ですから、手作業で計算してもたいした分量ではありません。電卓を叩けばすぐに答はわかると思います。では、実際に計算せずに答を導く方法はあるでしょうか?
(例えば私がペーパーテストでこの問題に出会ったとしたら、29=10+10+9 と分解して、2の10乗は1024、2の9乗は512なので、1024×1024×512とやってしまうだろうなと思いました。)
<おまけのひとこと>
時間が経つのが速くてびっくりします。
11月2日(金) 100匹のアリの問題
面白い問題を知ったのでご紹介します。「100匹のアリの問題」です。
長さ1メートルの細い棒の上に、アリが100匹いました。アリのいる場所はばらばらで、アリの向きも、右向き、左向きランダムです。どのアリも毎分1メートルの速さで歩いています。アリ同士がぶつかると、どちらのアリも瞬時に反対向きに向きを変えて同じ速さで歩き続けます。棒の端にたどり着いたアリは棒から消え去って戻ってきません。
さて問題です。最初のアリの位置や向きがどんな条件であったとしても、アリが棒の上から一匹もいなくなるためには、最短でどれだけの時間待てばよいでしょうか?アリがたまたま全部同じ向きを向いていたとすると、一度もアリ同士の衝突は起こりませんから、一方の端から一列にアリは去ってゆくことになるので、計算は簡単です。(アリはみんな同じ速さで歩いていますから追突も起こりません。)でも、偶然全部のアリが同じ向きを向いているということは、コインを投げて100回とも同じ面が出るようなもので、これは確率としては非常に小さいです。
ほとんどの場合、アリは棒の末端にたどり着くまでに何度も何度も衝突を繰り返して小刻みに向きを変えることになります。これではなかなか棒の端にたどり着かないような気がします。まあ、棒の端からだんだんにアリは減ってゆくでしょうから、永遠に棒から逃れられないということはないでしょうが、真ん中あたりのアリはかなり苦労しそうな気がします。
この問題は、「一番運の悪いアリが棒から逃れられるのはどれだけ時間が経過した後でしょうか?」という問いかけなのです。
(つづく) <おまけのひとこと>
私のページでご紹介する問題ですから、難しい確率分布とかを持ち出した議論をするわけではありません。明日は週末ですが、解説を書きたいと思います。(別ページにすべきでしょうね。)
昨日の「2の29乗の問題」ですが、大阪のペンネーム「みならい」さんから、意図通りの解をメールでいただきました。ありがとうございました。
11月3日(土) 100匹のアリの問題(解説)
昨日ご紹介した「100匹のアリの問題」の解説のページを作りました。こちらです。考え方と答が書いてありますので、自分で考えたい方は見ないでください。
問題を再掲しておきます。
長さ1メートルの細い棒の上に、アリが100匹いました。アリのいる場所はばらばらで、アリの向きも、右向き、左向きランダムです。どのアリも毎分1メートルの速さで歩いています。アリ同士がぶつかると、どちらのアリも瞬時に反対向きに向きを変えて同じ速さで歩き続けます。棒の端にたどり着いたアリは棒から消え去って戻ってきません。
さて問題です。最初のアリの位置や向きがどんな条件であったとしても、アリが棒の上から一匹もいなくなるためには、最短でどれだけの時間待てばよいでしょうか?なお、この問題の出典を少し調べてみたのですが、2003年くらいに web のいくつかのサイトに独立に掲載されているようなのですが、オリジナルが誰のものなのかは明らかではないようです。(いずれも英語のページです。)この問題を紹介していた、アメリカのとある大学の数学の先生が、自分の講義の最後の時間にこの問題を学生に出題して、次の週の講義の最初に解説をする、というのがお勧め、という話を書いていました。
<おまけのひとこと>
私のページとしては非常に珍しく、昨日は複数の方からこの「100匹のアリの問題」についてメールをいただきました。また、「お魚のスープ」のカードゲームについてもメールをいただきました。とても嬉しいです。ありがとうございました。
久しぶりに紙工作をしたいアイディアがあるので、今日は試してみようと思います。
11月4日(日) カードゲーム“お魚のスープ”(その3)
先日、10月27日のひとことで、お魚のスープという簡単なカードゲームを紹介しました。以下の9枚のカードを机の上に表向きに並べて、これを二人のプレーヤーが交互に1枚ずつ取って、同じアルファベットを含む3枚を最初に獲得したほうが勝ち、というゲームです。
カードが9枚ですから、先手が5枚、後手が4枚取ったところでどちらも勝利条件を満たしていなければ引き分け、ということになります。このゲームは熟練してくると引き分けになってしまうはずです。
ゲームをもう少し面白くするため、こんな条件を加えたらどうでしょうか、という提案を、このページの読者のF氏からいただきました。ありがとうございます。
お魚のスープ:追加ルール 1.プレーヤーはカードを1枚ずつ交互に取るが、取ったカードは左から順に並べる。
2.双方が3枚ずつカードを取っても勝負がついていない場合、4手目からは、まず自分の前の一番左端の、最初に取ったカードを場に戻し、それ以外のカードを1枚取って、自分の前のカードの列の最後尾である右端に置く。
3.以下同様に「一番古いカードを捨てて、別なカードを取る」動作を繰り返す。この“お魚のスープ”というのは、ある有名なアブストラクトゲームと同型なのですが、F氏から「“お魚のスープ”があのゲームと等価ならば、○○○○○(伏字です、○の数は意味なし)のルールでも遊べるのではないかと思いました。これだとあのゲームより先手の有利感がだいぶ減る感じがします。」と教えていただいたのでした。
<おまけのひとこと>
昨日の土曜日、上の子が友達の家に遊びに行く約束をしたので送って欲しいと言うので車で送迎しました。…と書くと、なんと子供に甘い親なんだろうと思われるかもしれません。昔の自分ならばそう思ったと思います。
私の住んでいるところは八ヶ岳の裾野でそれなりに標高も高い(約1000メートルある)のですが、学校の学区はもっとずっと上のペンションとかがたくさんあるような地域まで含んでいて、そういうところに住んでいる子供たちは、バスで通ってきます。ところがそのバス停までも4〜5kmかかるようなところにある家も多くて、送っていく以外方法がありません。
また、田舎だからこそ、お店とかもあまりありませんし、昔と違ってみんな車で移動しているので、歩いている人はまず見かけません。平日の朝夕の通学の子供たちと、犬を散歩させている人くらいです。子供を一人で歩かせるのが心配なような世の中になってしまいました。そんなわけで、学校以外で友達と合うということはほとんどありません。
それはともかく、そういう観光地のペンションに、何人かのお友達と一緒に遊びに行くというので送り迎えをしました。山は紅葉できれいでした。迎えに行ったときに、建物の写真を撮らせてもらいました。
大きくてきれいなお家でとても楽しかったと言って帰ってきました。
11月5日(月) 紙の筒による六本組木(その1)
この週末は久しぶりに紙工作をたくさんしました。今週はそれをいくつかご紹介したいと思います。
最初に、六本組木をご紹介します。下の図の左は、4年ほど前(04年11月24日のひとこと)にご紹介したものと同じ原理で作ったものです。では右側はどうでしょう? こちらが今回作ったものです。
図 1 図1の写真を見ると、右側のものは左側のものに比べてなんだかできそこないのような、崩壊寸前のような印象をもたれるかもしれません。では、ちょっと違った角度からこの紙の組木を見てみましょう。
図 2 どうでしょう、これはどんな風に設計されたものか、わかりますか?
(つづく) <おまけのひとこと>
このかたち、とっても気に入っています。色や大きさ、バーの長さを変えたものを設計して2つも3つも作ってしまいました。
11月6日(火) 紙の筒による捩れ六本組木(その2)
昨日ご紹介した「捩れ六本組木」ですが、どういう構造なのか説明したいと思います。以下のCGをご覧ください。
捩れ0度 捩れ5度 捩れ10度 捩れ15度 捩れ0度、というのが普通の六本組木です。例えば6本のうち、手前側の垂直な1本に注目してみましょう。このパーツの中心を通る奥行き方向の軸(この軸は六本組木全体の中心を通ります)を考えて、その周りにこのパーツを少しずつ回転させてみます。これを1本だけでなく、6本全てに対して行って、回転させる角度を5度、10度、15度、と増やしていったのが上の4つの図です。昨日ご紹介した模型は、こうして設計したものだったのです。
捩れ45度 この捩れが45度になると、上の図のように6本のパーツは正四面体の稜の構造になって、もはや「捩れ六本組木」には見えなくなります。
○ この、15度の捩れ六本組木を回転させるCGアニメーション(フラッシュ)を作ってみました。こちら(200kbyteくらい)です。ご覧ください。
回転しているところを見ていただくと、3本が広がっている部分と狭くなっている部分があります。捩れがないものならば、3本の位置関係は直角ですが、回転している分だけ、直角より広がって鈍角になっている部分(obtuse)と鋭角になっている部分(acute)があります。(acute,obtuseという用語については、たとえば02年9月1日のひとことをご覧ください。)
写真1:obtuse側 写真2:acute側
(つづく) <おまけのひとこと>
昨日の朝、空一面がこんな雲でした。
ちょうど八ヶ岳から日が昇るところでした。
11月7日(水) 紙の筒による捩れ六本組木(その3)
「捩れ六本組木」の話の3回目です。今日はパーツをご紹介しようと思います。
図 1 図1は捩れ六本組木のパーツをCGで描いてみたものです(捩れ角度は15度です)。1本のパーツに注目してみると、2本が斜めに通り抜けている様子がわかります。分解・組み立てのことを考慮しなければ、六本とも図1の形のものを用意すれば、理論的にはどこにも重なりも隙間もできずに捩れ六本組木が構成できます。が、組み立てと分解は四次元空間に持ってゆかないと不可能です。
図 2 実はこのパーツは図2の赤い軸の周りに180度回転させると全く同じ形になります。このことを考慮すると、パーツの設計のためには、図1・図2の手前の面の形がわかれば、あとの面は自動的に決まります。ここの形状を計算で求めるのがちょっと面倒だったので、このCGを作ったときに(PovRayを使っています)平行投影で面の形をCGで描かせて、それを元に図面を作りました。簡単でお勧めの手法です。
○
この形が気に入っていくつか作りました、と書きましたが、それらを紹介する写真を載せたいと思います。
写真 1 まず、同じ型紙から印刷する際の縮尺を変えて、2種類の大きさのものを作ってみました、という写真1です。
写真 2 写真 3 写真 4 写真2〜4は、もっとパーツの長さを短くしてみたときのものです。用紙の色も違います。
(つづく) <おまけのひとこと>
眠いです…
11月8日(木) 紙の筒による捩れ十二本組木(その1)
「捩れ六本組木」がとても面白かったので、拡張を考えてみました。六本組木は上下・左右・前後の3軸方向に2本ずつペアになっています。よくある手法ですが、各軸方向の本数を増やしてみることにしました。
2本の次は3本ですが、3本だと奇数なので、扇状に広げると中央の1本はもともとの軸から動かないことになってしまって、中心で完全に交差してしまいます。紙なので、それでもパーツを作る方法はありますが(例えばこちら)、組み上げたときのパーツの剛性などを考えて、今回は3本ずつの組み方はやめて偶数本にすることにしました。
というわけで3軸各方向に4本ずつというのを設計して作ってみました。
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今日のところは写真のみ掲載したいと思います。第1作ということで、あまり出来がよくありません。
写真 1 写真 2 写真1、写真2は一般的な視点から見たところです。これも「捩れ六本組木」と同じく、3軸のパーツが広がった部分と集まって狭くなった部分が4つずつあります。そのため、ちょうど正四面体のような構造になっています。写真1は広がった部分を底にして置いたもの、写真2は逆さにして尖った部分を下にして置いたものです。
写真 3 写真 4 対称性の高い視点から見たところです。写真3が狭いところ、写真4が広いところです。ちょっとパーツの切り欠きをきつめに設計してしまったのも、きれいに組めなかった原因のひとつです。
これを木で作った人はさすがにいないのではないかなと思っています。これは紙なので、変形して組めるので設計も簡単ですが、木だと変形できないので、組み立て可能なようにパーツを設計しないといけないので、おそらくとても大変だと思います。
(つづく) <おまけのひとこと>
家族から「貝殻のようだね」という感想をもらいました。
MISDIRECTIONさんの ショート・チェンジで「あそびをせんとや」をご紹介いただきました。いつもありがとうございます。おかげさまで昨日は上記のリンクからこのページにいらしてくださった方がたくさんいらっしゃいました。
kawachoさんの紙折ってる場合だろ"!!に、「星探」「3D LOGIC」の続編へのリンクが紹介されていました。どちらの続編も存在は知っていたのですが、まだやっていません。いずれ時間ができたらやりたいなあと思っています。
しごと・あそびごと・ひとりごとの tessy さんが膝の手術で入院されて、無事退院されたとのこと、おめでとうございます。
11月9日(金) 紙の筒による捩れ三本組木(その1)
紙の筒による捩れ組木をご紹介しています。昨日、kawachoさんがこちらで各方向14本ずつというCGを紹介して下さいました。ありがとうございます。とても面白いですね。VRMLはインタラクティブに操作できるところが楽しいですね。私も以前いじっていたのですが、ブラウザ標準ではないという点が残念なところです。
これを見ていて、紙の筒ではなくて蛇腹にスリットを入れたものを組んだら、これに近い構造が作れないかなあと思いました。出来上がりが美しくできるかどうかはともかく、理論的には設計可能な気がします。
CGのいいところは、このように実際に作れない(と思われる)ものが簡単に作図できてしまうところですけれども、美しい形はなんとか実際に作ってみたいなと思うのです。
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今日は昨日の捩れ十二本組木のCGかパーツのご紹介をしようと思っていたのですが、これから作ってみようと思っているもののCGを先行して紹介してしまうことにしました。(これまでの流れで容易に想像がつきそうなので・・・)
組木のパーツの角度を同じように回転させることを考えた場合、やっぱりまずは三本組木だろうということで、とりあえずCGベースでどんな方向にどれだけ回転させるのが美しそうか、試してみています。
⇒
⇒
⇒ このあたりのものはきっと過去に誰か作っていると思うのですが、残念ながら知りません。
徐々に角度がかわってゆくCGなどを作って楽しんでいます。パーツの設計の手順はわかっているのですが、その時間が取れません…
(つづく) <おまけのひとこと>
この週末は、リスーピアに行く予定です。イベントで梶川泰司さんが「たためる多面体 〜柔らか構造を作ってみよう〜」というのをやるので、それに息子と参加する予定です。とても楽しみです。
キングと悪魔のパズル(旧バージョン)ですが、10手でできますよ、というメールをいただきました。ご指摘ありがとうございます。楽しんでいただけてたいへんうれしいです。頭の悪いキングでお恥ずかしいですが、こういう解を探すというのもパズルの楽しみのひとつだと思うので、公開を続けたいと思います。
11月10日(土) たためる多面体〜柔らか構造を作ってみよう〜(その1)
11月10日(土)に、東京の有明のビッグサイトの近くにある、パナソニックのリスーピアという理科・数学の博物館に行ってきました。目的は、たためる多面体〜柔らか構造を作ってみよう〜というワークショップに息子と参加するためです。
ワークショップの講師は梶川泰司さん。シナジェティクス研究所を主催されています。あのバックミンスター・フラーの直接のお弟子さんで、デザイン・サイエンティストです。梶川さんにお目にかかりたくて、このワークショップに申し込んでおいたのでした。
梶川さんにはずっと以前、一度だけお目にかかったことがあります。松岡正剛の千夜千冊『生命を捉えなおす』清水博というページの途中に、
“その後、世界で初めての「複雑性」に関する国際会議が日本で開かれたときも、ぼくは清水さんによばれて発言者になった。”という記載がありますが、確か1980年代の終わりころ、富士教育研修所で行われたこの国際会議に梶川さんが参加されていたのです。当時清水研の学生だった私は、国際会議の運営の学生スタッフ(雑用係)だったのですが、梶川さんの講演が非常に印象に残り、部屋まで押しかけていろいろ話を伺った記憶があります。(当時の講演では、梶川さんが手作りで用意されたストロー製の立方体が会場に配られ、3通りの方法で正四面体に畳めるという実演をされました。今でもそのストロー立方体は実家にとってあります。)
今回、実に20年ぶりくらいに梶川さんにお目にかかれるのをとても楽しみに、東京に日帰りしてきました。
(つづく) <おまけのひとこと>
「東京週末フリーきっぷ」を使って日帰りしました。以前はこの切符は早朝の始発から1本目と2本目の特急しか使えなかったのですが、今は自由になっていて使いやすくなっています。息子と一緒だったので、昼前に東京に着くような少し遅い列車でゆっくり行きました。このフリーきっぷはりんかい線も乗り降り自由ということで、とても便利でした。私の自宅最寄り駅からだと、大人8,000円、小人3,000円です。
kawachoさんも書いておられましたが、この日は中央線は人身事故があったそうで、乗車予定の特急も新宿発車が80分遅れで、途中さらに遅れて結局自宅最寄り駅に到着したのは100分遅れくらいでした。翌日11日(日)に地域の文化祭があって、同行した息子は合唱とマジッククラブで2つのステージがあったため早く帰って休ませたかったのですが、結局思ったより遅くなってしまいました。
11月11日(日) たためる多面体〜柔らか構造を作ってみよう〜(その2)
リスーピアのワークショップに参加しました、という話の続きです。講師の梶川さんは、スティックモデルの立方八面体を作るキットを用意して下さっていて、ジターバグ(JITTERBUG)の構造を作って遊ぼう、という内容でした。用意されていた時間は90分だったのですが、ほとんどの方が半分くらいの時間で組み立てることができていました。うちの息子も、ちょっと私がお手伝いしましたけれども、ちゃんと作ってくれました。
ジターバグについては、こちらとかこちらにアニメーションがありますが、いずれも三角形の部分が面のモデルになっています。今回作ったのは面が張られていないモデルです。以下、出来上がったものをいくつか典型的な形にしてみた写真を紹介します。広がったときと畳んだときとで大きさがかなり違うのですが、写真の大きさが同じになるように拡大縮小したので、ちょっとわかりにくいかもしれません。
図 1 図 2 まず、骨格としては図1の立方八面体のかたちです。ジョイントはゴムのチューブで作られているので、自由に曲がります。そのため手を離すとつぶれてしまいます。図2はこれをちょっと畳んで正八面体を作ったところです。全ての稜が二重になっています。
図 3 図 4 図3は平面的な大きな正三角形を作ったところです。これは正四面体の展開図の形になっていますから、図3の大きな正三角形の頂点を1点に集めると、図4のように正四面体になります。このときにはそれぞれの稜は四重になっています。
図 5 図 6 図1の立方八面体の状態の、上の正方形をそのまま下の正方形に重ねると、正方形の4辺に正三角形がそれぞれ接しているかたちになります。この正三角形の頂点を集めると、図5のようにピラミッド型(正四角錐)になります。 また、別な方法で図6のように辺の長さが2単位の大きな正四面体を作ることもできます。
このかたち、ジターバグのように運動させることもできて、これがとても楽しいです。こんなすばらしいものを作って遊んで持ち帰れるワークショップが無料なのですから、たいへんありがたいことです。梶川さんのお話もとても楽しくて、事実上このワークショップのためだけに東京に日帰りしたのですが、十分価値があったと思っています。
<おまけのひとこと>
11日(日)は地区の文化祭がありました。あいにくの雨でしたが、子供たちがたくさん遊びに来ていてにぎわっていました。うちの子は合唱とマジッククラブのステージがありました。マジッククラブのほうはメンバーは6人だったのですが、わりと上手にやっていました。うちの子は皿回しを失敗したらどうしよう、と心配していたのですが、実際には棒から手に移してポーズを決めたり、また棒に戻したり、6人の中でも一番上手に演じていたと思います。
帰宅してから、金曜日にCGだけご紹介した捩れ三本組木の図面を作って2種類実際に作ってみました。思ったよりずっと難しかったです。
11月12日(月) 紙の筒による捩れ十二本組木(その2)
先週の木曜日に紙模型の写真だけご紹介した捩れ十二本組木ですが、今日はCGでご紹介します。
最初にCGで、各パーツの間の角度をいろいろ変えてみて、4本が適切に噛み合う角度を決めました。角度が小さすぎると外側のパーツを押さえられなくなってしまいますし、大きすぎると内側のパーツの切り欠きが大きすぎて弱くなってしまいます。
図 1 図 2 図1,図2は先日の紙模型の基にしたもので、各パーツの間の角度は20度です。実際にどんな切り欠きを入れればいいかを知るために、一方向の一組の4本だけ取り出してCGにしてみました(図3)。
図 3 図3は並行投影図で、視点方向は図3の4本のパーツのうち、上から2本目の手前の面が正確に長方形に見える角度から作図しています。なぜそうしているかというと、こういう紙の筒模型では、筒の各面の形がわかればそれでパーツの作図ができてしまうので、各面や稜の交点を計算で求めるかわりに、CGで直接その面の形を図として求めてしまうほうが簡単なのです。しごと・あそびごと・ひとりごとのtessyさんに、「CGもさることながら実物を作ってしまうところがスゴイ」とほめていただいてとても嬉しいのですが、実はこういう手抜きをして、計算もせずにCGで完全に実験的に作図してしまっているのです。
<おまけのひとこと>
このかたちもぐるぐる回転するフラッシュムービーを作ってみたのですが、ファイルサイズが大きいので掲載は見送ります。
盛りだくさんだった週末が終わり、また一週間が始まります。今週も忙しいです。
11月13日(火) 紙の筒による捩れ三本組木(その2)
先週の金曜日にCGでご紹介した捩れ三本組木を紙で作ったものをご紹介します。最初にCGを再掲します。
⇒ 上記のCGとは左右逆ですが、実際に紙で作った捩れ三本組木です。このモデルは、パーツの板の長手方向の軸は相変わらず3軸が直交していて、その軸の周りに15度回転しています。
図 1 図 2 図1が、CGの右側と同じく対称性が高い視点から見たところです。図2は垂直のパーツの細い側の側面から見たところで、そのほかの2つのパーツが傾いている様子がよくわかると思います。
図3はこの組木のパーツです。傾いているので、真上から見ると上側の面と下側の面で切り欠きの位置はずれています。このパーツを実際に組む際には向きがあって、たった3種類のパーツなのに結構難しいです。自分で設計したのに、最初に作ったときにはかなり試行錯誤してしまいました。
図 3 とりあえず適当に設計してみたのが図3です。特に左端のパーツは、もっとカットする部分を小さくできるのですが、今回は簡単のため、こんな設計にしました。
(つづく) <おまけのひとこと>
先日のリスーピアのワークショップに参加されていた方からメールをいただきました。私に気付かれたそうで、とても驚いています。別に名乗ったわけでもなんでもないのに、どうしてわかったのかなあとびっくりしています。ありがとうございました。
11月14日(水) 紙の筒による捩れ三本組木(その3)
昨日に続いて、捩れ三本組木の紙モデルの2つ目をご紹介します。
左側が昨日ご紹介した、パーツの長手方向を軸に回転させたものです。右側が、板状のパーツの一番広い面の法線を軸に回転させたものです。CGとはちょっと向きが違いますが、下の図1,図2がそれぞれ対応する紙模型です。
図 1 図 2 この二つ、見比べて区別がつくでしょうか? この模型をいろいろな方向から写真に撮ったとして、その写真を見て「さあどっちの模型か?」という問題を出されたら、作った私でも悩んでしまいそうです。
図 3 並べて置いて見ました。とても面白いです。眺めていて飽きません。
<おまけのひとこと>
昨日も帰宅は遅かったのですが、帰る道すがら思いついた多面体模型がどうしても作りたくて、夜更かしして作ってしまいました。が、残念ながら期待したようなきれいな形にならず、かなりがっかりしています。
11月15日(木) マッチ棒の問題(その1)
今日はちょっとした問題をご紹介します。先日、とある本を読んでいて思いついたものです。
下の表は、とある規則で並べた数列です。この数列の規則は何でしょう? また、11項目を?としてありますが、ここに入る数字は何でしょう?
といってもこれだけではわからないと思いますので、ヒントを書きます。ヒントを書いてしまうと、今度は易しすぎるような気もしますが…
web のアンテナ等で更新情報を自動取得するような場合、結構な量のテキストを書いておかないと、アンテナサイトの更新情報の中で表示されてしまうという危険があるな、と心配しています。
ヒントその1は、本日のタイトルをご覧ください。この数字にはマッチ棒のパズルがかかわっています。このヒントでもピンとこない方のために、次はヒントその2です。(ヒントその2は背景色と文字色を同じにしてありますので、ヒントを読むには「」の中をマウス等で選択するか[CTRL]+[A]で全選択してください。) ヒントは「マッチ棒N本で作ることができる、とあるかたちの種類」です。
<おまけのひとこと>
また最近とても身体が痒くてつらいです。