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以前の「ひとこと」 : 2003年8月前半



8月1日(金) 折り紙のシャチ

 以前に折って写真を撮ってあった折り紙を1つご紹介します。 「季刊 をる 別冊折り図集 vol.1」という本に載っていた、シャチという作品で、大谷徹さんという方が創作された作品だそうです。

 子供が何かのおまけでもらった普通の15cm角の折り紙の用紙をわけてもらって作ったのですが、紙の品質がよくなくて、きれいに折れませんでした(言い訳)。あ、もちろん切り込み等を入れない、1枚の正方形だけから折ってあります。平らな机の面と両手以外の道具は使っていません。 黒い折り紙がなかったので青で折りました。紙の表と裏の色をうまく利用したデザインで、折り紙らしい美しい作品だと思います。(が、うまく折れていない・・・)

 折り図は本で6ページに渡っており、手順は82工程で説明されています。その中には「反対側も同じ」というところが随所に出てくるので、実際にはかなりの手間がかかります。 (この写真ではわかりにくいのですが、尻尾とむなびれでちゃんと自立していて、写真に写っていない側も全く同じになっています。) 折りあがるまでにかかった時間は、忘れてしまいましたが、1時間はかからなかったかなあ、という程度だったと思います。 また、「3分の1の角度で折る」とか、「ある2点の中点に指定の点を合わせるように」とか、「適当にかたちを整える」というようなところがあって、きれいにバランスの整った造形をするのが難しいです。

 <おまけのひとこと>
 ちょうど1年前にも書きましたけれども、例年、8月1日は定例の行事があって今朝も早朝に出かけます。というわけで今朝は簡単な更新です。



8月2日(土) 割り箸多面体

 今日はちょっと家の中の模型やハードディスクの中身の整理をしようかと思っているのですが、そう思ってまずはハードディスクの中の何年か前の写真を久々に順に見ていたら、あっというまに時間が経ってしまいました。

 とりあえずそんな中から1つ、もうずっと前に作って、今は分解してしまった割り箸と輪ゴムの多面体の写真が出てきたので1枚ご紹介します。

 手前に3つ並んでいるのが、左から二十面十二面体正二十面体捩れ立方体で、奥にある大きなものが小菱形二十面十二面体です。このうち、二十面十二面体と、小菱形二十面十二面体は、頂点の次数が全て4で、面を二色に塗り分けることができる多面体です。そのため、割り箸模型を作るときには、二十面十二面体ならば正五角形を12枚(もしくは正三角形を20枚)作っておいて、その頂点を輪ゴムでとめてゆけば作ることが出来ます。小菱形二十面十二面体であれば、正方形30枚(もしくは正五角形12枚と正三角形20枚)をあらかじめ作ります。

 それに対して、手前の正二十面体や捩れ立方体では、頂点の次数が5ですから、このように面のパーツを用意しておいてそれを組み合わせれば作れるというわけにはいきません。捩れ立方体は、まず正方形6枚と正三角形8枚を用意して、その頂点を繋いでおいて(こうすると小菱形立方八面体ができます)、あとで割り箸で「筋交い」を入れて作った記憶があります。

 ちなみに、写真右手にジオシェイプスの模型がなんとなく見えていますが、これも小菱形二十面十二面体です。割り箸で作ったものとだいぶ大きさが違います。写真左奥にはK'nex の観覧車が半分写っています。これはもったいなくて分解できなくて、もう5年も飾ってあります。

 <おまけのひとこと>
 今日の更新は極端に遅くなってしまいました。



8月3日(日) ジオシェイプスによる多面体リング

 先日、H.Hamanaka very private pageの濱中さんのトーラス(過去の表紙63)を見て、いいなあ、自分でも作ってみたいと思っていました。 今朝久しぶりに、ちょっとジオシェイプスをいじっていたら、こんな形ができました。

図 1 図 2

 本当はトーラスを作ろうと思っていたのですが、製作済みのモデルを分解しないとパーツが足りなくて、でも分解したくなくて、とりあえず余ったパーツだけで何かそれっぽいものを・・・と思って出来たものです。

 これはトーラスというよりは、ピラミッド(側面が正三角形4枚の正四角錐)  をぐるっと円環状につないだものです。 さて、これは正四角錐をいくつつないであるかわかりますか? 写真が小さいのでわかりにくかもしれません。 図1のように自立するところがちょっと気に入っています。きれいに色分けして作るとしたら、どんな色分けがきれいかな、と考えています。



 昨日、いろいろ整理をしていたら、こんなものがでてきました。

図 3 図 4

 これは、ビリヤードのボールをイメージしたデザインの“カード立て”です。上から見るとカードを差し込むためのスリットが見えます。転がってしまわないように、底も平らに加工されています。数字は1,2,3,5,6,8です。何かの駒とかマーカーに使えるかなと思って、雑貨屋さんのセールの時に200円くらいで買ったものです。

 ついこういうものを買ってしまうのでものが増えてしまう・・・

 <おまけのひとこと>
 まるまさのHPというページの特設会場というところに掲載されているペーパーモデルの写真にとても感心しました。

 追記:ピラミッドのことを正四角柱と書いていたのに気が付いて直しました。



8月4日(月) ジオシェイプスによる「らせん」

 昨日はジオシェイプスで組んだ円環状の構造をご覧いただきましたが、これを組んだきっかけとなった濱中さんのトーラス、やっぱりこれを作りたいと思って、以前組んであった模型をばらして、濱中さんのトーラスを組んでみました。

図 1

 ジオシェイプスはパーツの色は6色あるので、どういう色を使おうかなと考えたのですが、単純に5色で組むことにしました。 実際に作ってみると、おもしろい形ですね。

 このトーラスが作れたので、残りの三角形を総動員して、何か面白い形が作れないかな・・・と思って出来てきたのが図2〜図4の「らせん」です。

図 2 図 3 図 4

 これは、真ん中に小さな六角柱の穴の空いた大きな六角柱を考え、正方形を正三角形2枚に置き換えてみたものです。色使いはランダムです。

 こういうブロックの最大の欠点は、気に入ったものが出来たとき、それを壊さないと別なものが作れないということです。 仕方が無いのでかわりに紙などで作ることになるのですが、そうすると今度は壊さなくていいかわりにどんどん増えてしまって、それはそれでまた問題なのです。

 <おまけのひとこと>
 昨日は炎天下に学校の校庭の草刈りに行ったのですが、作業が終わった後で、男性の方は物置の移動をするので手を貸してくださいと言われて、後に残りました。スチール製の比較的大きな物置だったのですが、中の床板をはずして、物置の内側と外側にそれぞれ数名がついて、持ち上げて移動しました。 私は中の手が足りなそうだったので中に入ったのですが、そうしたら移動中、足元以外は全く見えない状態で運ぶことになりました。設置位置の関係で、どうやらゆっくり回転しながら移動したようで、足元だけ見ていると、なぜこのような向きに移動しているのかよくわからず、物置を下ろした後で外へ出てみて、なぜ自分はこの位置にこの向きで立っているのだろうととても不思議な感覚を味わいました。たいへん面白かったです。



8月5日(火) 簡単なスライドパズル ─あれとこれが「同じ」話─

 簡単なスライドパズルを1つ用意しました。図1のように、正方形を2つくっつけたドミノ型のタイルが3つ、枠の左半分(図2の水色の領域)に集まっています。 これをスライドパズルのルールで、タイルを1つずつ動かしながら、枠の右半分(図2の黄色の領域)に全部移動してください。実際に動かしてみたい方は、こちらで実際に遊んでみることができます。(図1からも同じページにリンクしています。)

図 1 図 2

 パズルのお好きな方は、実際に動かさずにこれが何手で解けるか考えてみてください。(上記のJava アプレットでは、最小手数の場合は、“minimum moves!” というような表示が出ると思います。) さらにパズルに詳しい方は、これはある古典的なパズルの別表現になっているのですが、そのパズルが何なのか考えてみてください。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 「あそびをせんとや」にリンクして下さっているToday's Informationさん(先日URLが変わっていました)の8月4日の「日々雑感」に、以前ご紹介した正六角形20枚を組む模型の写真が載っていました。作っていただいてありがとうございました。 この模型を作ったとき(今年の2月6日)には、六角形のかたちをちょっと変えて、正二十面体の星型にすればよかったかなとも思ったのですが、実はそのように稜が揃うタイプの模型は経時劣化が激しいので、この2月6日の模型のように最初から稜が離れているものの方が後々の見栄えはよいかな、と最近は思っています。



8月6日(水) 簡単なスライドパズル ─あれとこれが「同じ」話─ (その2)

 昨日、こちらの簡単なスライドパズルを1つご紹介して、これがある古典的なパズルと同じ構造になっていますという話をご紹介しました。もしも昨日のひとことをお読みいただいていないならば、まずそちらをお読みいただいてから、今日のひとことをご覧いただけたらと思います。

 このスライドパズルそのものは簡単だと思うのですが、これがどんなパズルを表現しているかというのは、ヒントがないとわからないと思います。 上記のJavaアプレットのページのhtmlファイルのソースを表示してみると、ヒントになるかもしれません。(アプレットの problemfile の名前のあたり)

 では解説を書きます。(そんなにもったいぶるほどの話ではないのですが)

































 ・・・でも一応ちょっと間をあけて・・・

































 これは、古典的な川渡りのパズルの表現なのでした。 この絵だけでもわかる方はわかると思うのですが、パズルそのものを記載しておきます。

 ある男が、ヤギと狼を連れ、干草の大きな束をもって市場に向かっていました。途中に川があって、小さな渡し舟が1そうだけありました。この舟には、ヤギか狼か干草か、どれか1つしか載せられません。ところがヤギと狼だけが川の同じ側にいると、ヤギは狼に食べられてしまいますし、また干草とヤギだけにしておくと、ヤギは干草を食べてしまいます。さてどうやってこの川を渡ったら、ヤギも干草も無事渡れるでしょうか?

 この「川渡りのパズル」を意識して、改めてスライドパズルをやってみてください。この話を初めて知ったとき、私は「なるほど」と感心しました。

参考文献:スチュアート教授のおもしろ数学入門 イアン スチュアート (著), Ian Stewart (原著), 山崎 秀記 (翻訳), 田中 裕一 (翻訳), 坂井 公 (翻訳)、第1章 ライオンとラマとレタス

 <おまけのひとこと>
 このスライドパズルと川渡りのパズルの話は、ずいぶん前に用意しておいた話題のストックなのですが、H.Hamanaka very private pageの表紙を見て、次はこの話題を出そうと思ったのでした。
 川渡りのパズルも、いろいろな種類のものがありますね。



8月7日(木) ジオシェイプス:切隅十二面体

 今日はジオシェイプスの多面体モデルです。あんまりひねりのない単純な形です。

図 1 図 2

 切隅十二面体は、正五角形12枚から成る正十二面体の20個の頂点を切り落としてできます。もともとの正5角形が正10角形になり、頂点の部分が小さな正三角形になります。ジオシェイプスには10角形のパーツがないので、かわりに正5角形のまわりを正方形と三角形で交互に取り囲んだお皿のようなかたちを使います。このお皿を12枚用意して組むと、この形になります。

 ジオシェイプスのページでは、この12枚の「お皿」を凸に組んだものをご紹介しています。これは立体的な梅の花のようなイメージだったのですが、今日のものはまた違った印象があります。

 <おまけのひとこと>
 今日は昔の写真を使った簡単な更新です。
 この忙しいのに、ここ数日は雷がすごくて、何度か瞬間停電に職場のPCがやられています。まあ私は仕事でもノートPC派なので、停電しても被害は少ないのですが。
 



8月8日(金) 8の話

 以前にも書いたことがあるかと思うのですが、私は8という数字に思い入れがあります。今日は8月8日ということで、数字の8の話を2つ3つ書いてみます。


 [その1]  8は、平方数より1小さい唯一の三乗数である。

23=32-1.


 [その2] 3乗して各桁の数を足すと元の数に戻るものは6つあり、8はそのうちの1つである。

83=512.
5+1+2=8.



 [その3] 方陣であって、各数を二乗してもまた方陣になっているもので、知られている最小の次数は8である。これには1から64の数が使われている。

参考文献:「何だこの数は」 F.ル・リヨネ 著 東京図書 (1989年) pp.104-105。

 [その2]、[その3]はパズルっぽいと思いませんか。



 以前私が2月6日のひとことに載せておいた正六角形20枚を組む模型を、2色に塗り分けたパーツで組んでみました、という写真を数日前にいただきました。

 とても美しいので、他の方にもぜひご覧いただきたくて、この写真を送ってくださった方に「あそびをせんとや」への掲載をお願いしたところ、快く許諾をいただけました。 もともとの白一色のものよりも構造が明確になって、たいへんきれいだと思います。どうもありがとうございました。

 <おまけのひとこと>
 昨夜は地区の子ども会の花火大会&肝試し大会が夜にありました。5日、6日と夜は雷雨でしたが、昨夜だけは天気がもちました。台風も近づいているようで、昨夜できたことは運がよかったようです。 今朝は後片付けとお掃除があるはずなのですが、今(朝6時)は雨が降っています。



8月9日(土) トーラスを切る(その1)

 トーラス、という形があります。ドーナツのような、浮き輪のようなかたちです。

トーラス

 これがドーナツのように中身が詰まっていれば「輪環体」、浮き輪のように中がからっぽで表面の皮だけのものならば「輪環面」と呼ぶのだそうです。

 この「輪環面」(からっぽのほう)をある平面で切ると、切り口が2つの円になることがあります。

 切り口が、上の図のA,B,Cのようになるように、トーラス面を切ることはできるでしょうか? できるとしたら、どのように切ったらよいでしょうか?


(つづく)


 <おまけのひとこと>
 今回の話は、特に珍しい話に展開するわけではありません。

 台風が近づいています。今日は出かける予定があったのですが、約束の時刻がちょうど台風が最も近づいていそうなころで、家も心配ですしどうしようかと困っています。

 茉莉花の部屋のBBS3 に、小立方体を組み合わせたかたちの「吉本キューブ」構造のパズルが載っていて、おもしろいなあとおもっていたら、あそびのコラム31でご紹介した中川さんが、さっそくそのパズルも帯で編んだものの写真を投稿されていました。すばらしいです。



8月10日(日) トーラスを切る(その2)

 トーラスを切ったら、切り口が2つの円になりました。その切り方は? ・・・ という話の続きです。トーラス、つまり真ん中に穴のあいたドーナツの形を2つに切って、切り口が2つの円になる切り方というと、まず思いつかれるのは、ドーナツ1個を二人で仲良くはんぶんこにするときの分け方、つまり下の図1のような切り方ではないかと思います。

図 1

 図は、多少なりともわかりやすいように、切り取った手前の半分を透明にしてみています。この切り方だと、切り口の円は同じ大きさの2つが離れて現れることになります。

 もう1つ、これもすぐに思いつくのが、魚をおろすときのように薄く平べったく2つに切る方法です。

図 2

 ドーナツを2等分するときにこのように切ることはなさそうですが、ベーグルというパンに何かはさんで食べるときなどは、こんなふうに切りますね(参照)。 この場合は2つの円は、中心が同じで大きさが違う、同心円の関係になります。

 さて、3つ目の方法、ドーナツを平面で2等分すると切り口が2つの円になるのですけれども、その円が、まるで集合のベン図のように交わっている という切り方があるのです。 わかりますか?







・・・またちょっとだけ間をあけます・・・













 それは、こんなふうに斜めに切る方法です(図3)。実は切り口そのものは、三日月形のようなかたちになります。それが2つ向き合っているので、ちょうどベン図のように同じ大きさの円が交わっているかたちになるのです。

図 3

 この図3の向きだと若干わかりにくいかと思いますので、切り口を正面から見下ろす図で、手前の透明なパーツを含めて切断する前と、透明なパーツを完全に取り去った状態とを交互に表示する簡単なアニメーションを作ってみました。

 ドーナツを切って2つの円が現れる3つ目の切り方、おわかりいただけましたでしょうか? ご存知の方は、何をこんな当たり前のことを大げさに、と思われるかもしれませんが、昔、私自身が高校生くらいだったころに、この3つめの切り方を説明した文章を読んだときに、簡単な図もついていたにもかかわらずその切り方がどうも納得できなかったという思い出があるのです。そこで、一度はわかりやすい図を作ってみたいと思っていたのでした。

 この3つの切り方はいずれもドーナツの中心を通る平面です。ですから、その平面の角度を垂直にした図1から水平にした図2までの間で切断面の角度を徐々に変化させてゆくと、その途中に図3の切り方が現れます。 最初はそのアニメーションを載せようと思ったのですが、ファイルサイズが大きく(2MB以上に)なったのでやめました。 

 <おまけのひとこと>
 例によって、アニメーションが見たい方、2MBのファイルをメールに添付して送ってもらっても大丈夫という方がいらしたらご連絡下さい。また、PovRayのソースファイルが欲しい方、差し上げることが出来ます。といっても PovRay のソースから画像を生成できる方ならば、こんな簡単なシーンファイルなら自分で書いたほうが早いでしょうけれども。

 台風が通り過ぎて、ピカピカのいいお天気です。



8月11日(月) IQlight (その1)

 実は先週の金曜日、8月8日は私の誕生日だったのですが、プレゼントにおもいがけない「大当たり」の品物を家族からもらいました。こちらのIQlightという製品です。(日本語の公式ページはこちら。)

 くわしくは上記のページをご覧いただきたいのですが、これは厚紙製の糸巻きのようなかたちのユニットを組み合わせてランプシェードを作れるという製品で、自由に組み換えが出来るというところがポイントです。(この製品のユニットは、もちろん厚紙製ではありません。ちゃんと美しく光を透過・拡散させ、組み換えのための曲げにも耐える弾力を備えた素材です。) このIQlightのページは実は以前メールで教えていただいたりして見たことがあるのですが、想像力の貧困な私は、この実物がどのくらい美しいのか、ちゃんと認識していませんでした。

 今回、これをプレゼントでもらってみて、これがたいへん美しい形であるということがよくわかりました。本日はまず、このIQlightの基本であり、おそらく最も美しい菱形三十面体の形状の写真を掲載したいと思います。

図 1 図 2 図 3

 図1は、まず最初の5枚を組んだところです。図2はさらにその外側に5枚を追加し、今度は内側から見てみたものです。図3は27枚まで組んで、残りあと3枚という段階です。(この写真のみ、撮影時の光の向きが違うため、全然違う色合いになっています。) 途中の写真を撮りながら作ろうと思ったのですが、例によってつい組むのが楽しくて夢中になって、写真を撮るために作業を中断するのがおろそかになってしまいました。

図 4 図 5 図 6

 図4から図6は完成した写真です。図4は1つのパーツを見下ろしたところ、図5は5回回転対称軸方向、図6は3回回転対称軸方向から見たところです。ランプシェードの写真は、パーツが重なっているところが帯のように見えますが、このように内部に光源がないと、曲線に囲まれた美しいペーパーモデルのように見えます。

 この製品には、サンプルというか練習用というか、実際の大きさの5/16(=1/3.2)というサイズの紙製(?)のパーツが付属しています。これもやっぱり30枚しかありません。いろいろ組んでみたいのですが、せっかく組んだ本物を分解するのは惜しいし、紙のものだとあまり頻繁な組み替えには耐えられないでしょう。

 ・・・というわけで例によって自分でパーツをつくることにしたのでした。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 昨日のトーラスを切断する話ですが、幾何学おもちゃの世界の中のこちらにアニメーションがありますよ、と教えていただきました。ありがとうございました。「幾何学おもちゃの世界」は私はファンなのですが、恥ずかしながら見落としていました。ありがとうございました、そして失礼致しました。

 また、別の方からはSLIDE-TOGETHER POLYGONSというページを教えていただきました。ありがとうございます。



8月12日(火) IQlight風パーツ

 昨日、IQlight の菱形三十面体の写真をご紹介しました。このパーツでいろいろ組んでみたいのですが、分解するのがもったいなかったりパーツを傷めてしまうのが心配だったりするので、自分で紙でパーツを作ってみることにしました。

 といっても、この IQlight のパーツの形状は曲線的で切り出しはいかにも厄介そうです。そこで、とりあえず加工の易しさを最優先して、いい加減に直線近似してパーツを設計してみました。下の左がオリジナルの IQlight のパーツの形状を私が真似して描いてみたもの、右側がそれを直線で囲まれた図形にしてみたものです。

 まず、これを12枚印刷して切り出して、菱形十二面体を組んでみることにしました。このパーツは、実は菱形ではなく平行四辺形をベースに作られています。このため、実際に組むと長いほうの辺が湾曲するのです。

写真 1 写真 2 写真 3

 写真1が出来上がった模型を一般的な視点から見たところ、写真2は次数4の頂点方向から見たところ、写真3は次数3の頂点から見たところです。これはこれでおもしろい形だと思いました。でも、やっぱり IQlight のパーツの優美な曲線のほうが美しいかな、と思います。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 新聞をみていたら、お風呂やトイレ用品メーカーのINAXの、シャワー・ド・バスという製品の話が載っていました。普通に42°のお湯に8分間つかるよりも、同じ温度のシャワー・ド・バスを5分間あびたほうが、少なくとも身体の表面は温まるのだそうです。時間も短いし、使うお湯の量も2割程度で済むような実験結果が載っています。説明によると、霧のほうが表面積が広いため、熱伝導効率がいいと説明されているのですが、ちょっと直観に反するような話です。



8月13日(水) IQlight風パーツによる造形

 IQlight というランプシェードのかたちを自前の紙のパーツで組んでみる話をご紹介しています。昨日は直線で粗く近似したパーツで菱形十二面体を組んでみましたが、やっぱりオリジナルのものに近いデザインのほうが美しいということで、パーツをたくさん切り出して、いくつか模型を作ってみています。今日はその中から、30枚を球状に組んだもの(菱形三十面体)と、24枚をちょっと細長く組んだものをご紹介します。

写真 1 写真 2 写真 3

 これは一昨日にご紹介した菱形三十面体の形状と同じものです。 昨夜濱中さんのページを見たら、これとよく似た模型の写真が表紙に載っていました。 直線的なパーツで組んでおられると思うのですが、たいへん美しいです。

 このパーツを切り出すのはとても大変でした。普段、ペーパーモデルのパーツを切り出すのには先の鋭いデザインカッターという道具を使っています。普通の使い方だと、カッターの刃の交換は数ヶ月に1回くらいで十分なのですが、このような曲線的なものを切り出す作業に慣れていないため、この模型を作った数日の間に、すでに何度も刃を替えています。

写真 4 写真 5

 写真4と5は、24枚のパーツをちょっと細長く組んでみたものです。きちんと組むときれいに自立します。これは、横から見ると菱形のようなシルエットになり(写真4)、真上から見下ろすと正方形のかたちになっています(写真5)。 パーツが曲がることによって、かなり自由にいろいろな組み方が出来ます。

 紙で作ったおかげで、分解せずにいっしょに並べてみることができて嬉しいです。でもこの2つ分の54枚のパーツを切り出すだけで1時間以上かかっているような気がします。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 「こわれせん」という、かたちの揃っていないお徳用のお煎餅の袋の中から、五角形のお煎餅が出てきました。四角いお煎餅の作りそこないでしょうか。面白かったので写真に撮ってみました。





8月14日(木) IQlight風パーツ:凧型二十四面体

 IQlight という、ブロック玩具のように組み換えのできるパーツによるランプシェードのかたちを自前の紙のパーツで組んでみる話をご紹介してきました。昨日ご紹介したかたちは、IQlight の付属の説明書に掲載されている組み方でした。(まあ一般的に菱形で組もうとすると、必然的に出てくる形ではあります。)

 今日は、パーツの基本形そのものを菱形から凧型に変えたものを設計して、それで凧型二十四面体を作ってみたものをご紹介します。

写真 1 写真 2 写真 3

 最初に写真を載せてしまいましょう。写真1が一般的な視線方向から見たもの、写真2が次数4の頂点、つまり4回回転対称軸方向から見たところ、写真3が次数3の頂点から見たところです。この組み方の原理に由来する「ねじれ」がありますが、基本的には立方体-正八面体の対称性を持つ立体のグループであることがわかります。

 ちなみに、凧型二十四面体というのは次の画像のような多面体です。

 これは、昨年の5月7日のひとことに掲載した画像で、錐体鏡の原理で作った画像です。CG で鏡3枚と緑の棒を2本配置するとこんな風に見えます。今日ご紹介したペーパーモデルから、この凧型二十四面体を想像するのはちょっと難しいかもしれません。 昨日のモデルと比べてみてください。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 このページにリンクして下さっているToday's Information!さんの8月13日の“日々雑感”で、正方形30枚を組んだモデルと正十二面体2つの相貫体のモデルを独自のカラーリングで着色された写真を公開されています。たいへん美しいのでぜひご覧下さい。

 私の住む地域では、学校の夏休みはあと1週間ほどで終わりです。うちの子の今年の夏休みの自由研究は、学校でグラフを習ったので何かグラフを描きたいということで、家の中のいくつかの部屋における一日の温度変化を1時間ごとに測定してみようということにしました。 ところが、いろいろ行事や予定があって、まる一日家にいられる日がなかなかなくて、ここ数日やっと測定日を設けることができたのですが、すでに涼しくなってしまっていたり、天気が悪かったりで、温度変化や部屋による格差が見えてきません。 まあ自由研究ですから、「測ってグラフを描いた」だけでもいいんですけれども。

 下の子の保育園の運動会が9月の上旬にあります。運動会では年長組は例年「竹馬行進」というのをやることになっています。うちの子は竹馬は得意で、昨日「竹馬を高くして欲しい」というので、1段高くしてやりました。もともとが20cmくらいの高さだったのですが、高いほうにすると50cm以上になります。身長が1mちょっとくらいの子供にとっては、とても高いと思います。特に、最初に乗るところがかなり難しいと思うのですが、どこにも寄りかかったり踏み台を使ったりせずに、さっと乗ってしまって驚きました。
 運動会では「障害物競走」で、鉄棒で逆上がりしたり縄跳びを跳んだりするのですが、うちの子はなぜか縄跳びが跳べません。1回だけ「ぴょん」と縄を跳びこすと、それで手が止まってしまうのです。竹馬で苦労しているお友達はたくさんいるのに、みんなあんまり苦労しない縄跳びはなぜか苦手で、不思議なものです。
 鉄棒の逆上がりも一度できるようになったのですが、不思議なことに再び出来なくなりました。偶然1回だけ出来たというのではなくて、2〜3日の間は何度でもすいすい出来たのに、一度失敗して、すねにあざを作ったら、それがきっかけでまた出来なくなってしまいました。



8月15日(金) IQlight風パーツ:十二面体

 昨日、IQlight 風パーツを、オリジナルの菱形から凧型っぽく変形したもので、二十四面体を作ったものをご紹介しましたが、今日はパーツの数を少なくして、同じパーツ12枚を組んでみました。

 凧型を3枚、短い辺が集まるように繋ぐと、ちょっとふくらんだ正三角形のような形になります。昨日の凧型二十四面体は、この凧型3枚による大きな三角形8つで、正八面体を作るイメージだったのですが、今日のものはこの大きな三角形4つで正四面体を組むように作りました。

写真 1 写真 2 写真 3

 写真1〜3は、昨日と同じデザインのパーツ12枚で作ったものです。写真1は斜めから見たところ、写真2は正四面体の頂点に相当するところを見下ろしたところ、写真3はその反対で、正四面体を逆さに立てて、1つの面を見下ろしたところです。



 同じものを直線的なパーツでも作ってみました。 写真4〜6は、それぞれ写真1〜3に対応する方向から撮ったものです。いかがでしょうか。

写真 4 写真 5 写真 6

 これだとパーツの切り出しの工作はとても楽になりますが、やっぱり「いまひとつ」でしょうか。

 同じパーツから作った、昨日の24枚組みと今日の12枚組みの写真を撮ってみました。

写真 7

 実は今日の写真の12枚組みのほうが、若干大きなパーツを使っています。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 昨日は一日中強い雨が降っていましたが、今朝もまた雨です。私の住んでいる地方に、大雨洪水警報が出ています。 市役所からのお知らせ(放送)で、市内の国道で交通死亡事故が発生したこと、大雨で事故が増えていること、河川等にも十分注意するように、というアナウンスが流れていました。

 模型の写真は朝、ページの更新の際に撮ることが多いのですが、カメラのホワイトバランスの癖なのか、早朝の自然光で撮影すると、本来白いはずの模型が青っぽい写真になることがあります。 これはこれできれいだからいいや、と思って掲載していますが、狙ってこの雰囲気が出せているわけではありません。



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