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以前の「ひとこと」 : 2002年5月前半



5月1日(水) 合わせ鏡

 4月25日のひとことで、2枚の鏡は本当に左右を反転するという話を書きました。せっかくなので小さな鏡とミニカーか何かで、反転するイメージを作って写真に撮ろうかなどと思ったのですが、適当な鏡がみつかりませんでした。今は小さな鏡くらい、とても安価に入手できるのは知っているのですが、その目的だけのためにいらないものを増やしたくないなあと思って購入は見送りました。

 そのかわり、例によって3DCGでイメージを作ってみました。

1枚鏡の像   2枚鏡の像   2枚鏡の像:近く
1枚の鏡   2枚の鏡(二回反転)   2枚の鏡(全ての像)

 ご覧のように、1枚の鏡では矢印の向きは変わりませんが、2枚の鏡が直交していると、右向きの矢印の像は左向きになります。 右端の図を見ると理由がわかりやすいと思います。 鏡の角度を徐々に変えてゆくアニメーションも作ってみたのですが、重くなりますので載せません。 (合わせ鏡の遊びは、子供の頃みんなやりますよね?)

 4月4日のひとことあたりからしばらく、直交した3枚の鏡による像の話をご紹介してきましたが、そのときには対称性の高いものの像に注目していたので、向きの話はしませんでした。 例えばビル街などを歩くと、上の画像のように鏡が凹状に直交した場所を見かけます。そんなところを歩くと、普通の一枚鏡と違って逆転していない自分が反対から歩いてくるように見えます。自分が右手に荷物を持っていれば映っている像も右手に荷物を持っているし、左手を上げて振れば鏡の中の自分も左手を上げます。田舎者で大人気ない私は、つい小さく手を振ってみてしまったりします。

 <おまけのひとこと>
 実は、パソコンのうしろのケーブルを抜き差しするために、手鏡を1つ自分の部屋に用意してあります。手鏡でパソコンの後ろ映しながらケーブルを挿すというのは、隔靴掻痒というかパズル的もどかしさを味わえます。別にもどかしさを味わいたくてやっているわけではなく、単に一部のケーブルの長さの都合でパソコンを引き出せないため、仕方のない処置です。



5月2日(木) 錐体鏡シリーズその2開始

 昨日また鏡の話を書き始めたので、錐体鏡シリーズを再開しようと思いました。今日はとりあえず準備のみです。今回は3枚を直交させるのではなく、2枚は直交ですが3枚目は斜めにします。

錐体鏡の骨格  ⇒  錐体鏡の鏡の位置
筋交いを入れる   面を張る

 左の図のように、立方体に3本の筋交いを入れます。(面の対角線を2本と、立方体の中心を通る対角線が1本です。)その3本でできた3角錐に、右の図のように面を張ります。今は鏡でなく白い面ですが、これを鏡にして、内側に何か入れてのぞいてみようというわけです。明日以降いくつかご紹介します。

 <おまけのひとこと>
 Our World ビル・トッテンからのレターというページがあって、よく見に行っています。昨日の更新でサヨナラ「まじめ番組」というコラムが出ていました。この中に「私はテレビからまじめな番組がすべて消えてしまった方が、文明にとってはむしろ前進ではないかと考えている。」という意見があって、意表をつかれました。が、その後の論旨の展開には共感しました。最初に「え、なんで?」と思わせる意見を述べ、その理由を説明するというスタイルの文章で、上手いなと思いました。



5月3日(金) 憲法記念日 錐体鏡シリーズ2の1

 さて、昨日準備した錐体鏡の骨格を使って遊んでみます。最初は棒を1本だけ入れてみます。

実体  ⇒  鏡1枚(斜め)  ⇒  鏡2枚  ⇒  鏡3枚
実体(鏡なし)   鏡1枚(斜面)   鏡2枚(斜面と床)   鏡3枚(全部が鏡)

 図の一番左側が全ての面の反射を無くしたもので、以降1面ずつ鏡にしていきます。まず斜面を鏡にすると図のように直角の像ができます。さらに床面を鏡にすると、先ほどの直角が4つ映り込んで正方形になります。最後に残された右側の壁も鏡にすると、立方体になります。

 赤い棒は、床に垂直になるように、右手の壁に立てています。このように立方体になるためには、それぞれの面の角度と棒の角度がある特別な値になっていなければなりません。

アヒルのヒナ

 <おまけのひとこと>
 子供の自転車を車に積んで、車で30分程度はなれたところまで自転車の練習に連れて行きました。大きな犬を散歩させている人が何人もいたのですが、驚いた事にアヒルのヒナを2羽、散歩させている女性がいました。 あんまりかわいかったので、おもわず「写真を撮ってもいいですか?」と尋ねたらOKとのことでしたので、早速撮らせてもらいました。親鳥などはおらず、2羽だけで飼い主の女性と遊んでいました。

 右側のちょっと大きな方が一昨日孵ったヒナで、左側のひよこ色のちいさな方が昨日孵ったヒナなんだそうです。すぐ近くに、愛玩用にアヒルを十数羽飼っている、その名も「あひる」という民宿があるのですが、多分そこのアヒルのヒナかな、と想像しました。 確かに普通の家庭で飼ったら、ヒナのうちはかわいくても大きくなったらいろいろ大変そうです。



5月4日(土) 祝日 錐体鏡シリーズ2の2

 今度は棒の位置と色を変えてみます。

実体  ⇒  鏡1枚(斜め)  ⇒  鏡2枚  ⇒  鏡3枚
実体(鏡なし)   鏡1枚(斜面)   鏡2枚(斜面と壁)   鏡3枚(全部が鏡)

 昨日と同様、最初は反射のない面からはじめて、1面ずつ鏡にしていきます。今度の棒の位置は、床ではなく右手の壁に対して垂直に、床に平行に置きます。2面を鏡にした段階で、正三角形のイメージができます。最後に床面も鏡にすると、今度は正八面体のイメージができます。

 右手の壁に平行な棒から立方体の像ができました。床に平行な棒からは正八面体の像ができました。では、斜面に平行な棒からはどんなイメージができるでしょうか。(続きはまた明日。)

 <おまけのひとこと>
 NHKは日本「再」放送協会かという論文がありました。著者は、再放送というものは極めて価値が低いと考えておられるようで、「賞味期限が切れた食料品」といった比喩も出てきます。 例えば天気予報のような即時性のある情報は、確かに食料品と同様な商品寿命を持っていると思うのですが、頭から「再放送=悪」という定義に基づいた議論になっていて驚きました。 私は、きちんとコストと時間をかけて価値の高いものを作ってもらって、それを繰り返し放送してもらうほうが嬉しいです。



5月5日(日) 子供の日 ペーパークラフトの兜飾り

 子供の日なので、錐体鏡の話は一日お休みにして、兜飾りの写真を載せてみました。

ペーパークラフトの兜:正面   ペーパークラフトの兜:斜め
正面   斜め

 この兜飾りは、ヤマハ21yamaha.com:Paper Craftというページから頂いた型紙で作ったものです。このページにはすばらしいペーパークラフトの型紙がたくさんあって、お勧めです。ページの下のほうに、THE SEASONSシリーズというリンクがあって、その中に端午の節句というページがあります。この兜を作ってみました。

 実はこのクラフトは今年作ったものではなくて、もう3年くらい前に作って撮っておいた写真です。今年も取り出して玄関に飾りました。写真を探すため、ここ数年に5月に撮った写真を見ていったのですが、例えば昨年の5月には雪が降ったし、一昨年の5月の頭には、うちの近所の公園の桜はちょうど満開でした。今年の春はとても異常だったと改めて思いました。

 <おまけのひとこと>
 昨日は子供たちがゴールデンウィークのイベントとしてハリーポッターの映画を見に行っている間、今ごろになってタイヤ交換をしました。例年だと4月に換えるのですが、週末に天気が悪かったり用事があったりして遅くなりました。1台はまあまだタイヤの溝(山)が残っていたので換えましたが、通勤に使っているもう1台のタイヤは、夏タイヤがかなり減っていたことがわかったため、結局換えるのはやめました。昨年12月に交換したときにはとても寒い日で、とても交換したタイヤをくわしくチェックする余裕がなかったのでした。



5月6日(月) 振替休日  錐体鏡シリーズ2の3

 さて、1日お休みした錐体鏡シリーズですが、今度は斜面に平行な黄色の棒を置いてみました。

実体  ⇒  鏡1枚(床)  ⇒  鏡2枚  ⇒  鏡3枚
実体(鏡なし)   鏡1枚(床面)   鏡2枚(床面と壁)   鏡3枚(全部が鏡)

 この場合は、床と右手の壁を鏡にすると菱形ができます。そして3面とも鏡にすると、菱形十二面体ができます。立方体・正八面体・菱形十二面体は同じ対称性を持つ立体ですから、これらの対称性を表現する形に鏡を3枚配置してやると、このようにたった1本の直線の鏡像によって、これらの立体を再現する事ができます。

 <おまけのひとこと>
 昨日は珍しく半日ほど家でゆっくりする時間が取れたので、ビーズによる多面体を作ってみました。一度3月18日のひとことで正十二面体をご紹介しましたが、同じ形のビーズが残っていたのを使いました。今回の錐体鏡シリーズのご紹介が終わったら(明日終わる予定です)、今度はビーズによる多面体シリーズを始めようかと思っています。



5月7日(火) 錐体鏡シリーズ2の4

 5月3日からご紹介してきた今回の錐体鏡シリーズの最終回として、凧型二十四面体を作ってみました。

実体  ⇒  鏡1枚(斜面)  ⇒  鏡2枚(斜面と壁)
鏡2枚(斜面と床)
 ⇒  鏡3枚
実体(鏡なし)   鏡1枚(斜面)   鏡2枚   鏡3枚(全部が鏡)

 今回は残念ながら1本の棒だけのイメージではありません。最初に一番左の図のように、床面と右の壁に沿って2本の棒を置きます。これは凧型の半分になります。斜面を鏡にすると、基本となる凧型のイメージが1つできます。次に、右の面を鏡にすると、凧型が3枚集まった形になりますし、斜面と床面を鏡にすると、凧型が4枚集まった形の像ができます。凧型3枚の形は、正三角形の面と辺の中央をちょっと持ち上げたような形ですし、凧型4枚のほうは正方形の面と辺の中央をちょっと持ち上げたような形です。凧型3枚の方は、正八面体のように8つ集めると凧型二十四面体になりますし、凧型4枚のほうは、立方体のように6つ集めると同じ凧型二十四面体になります。

 さて、今回の錐体鏡シリーズでご紹介したイメージを並べてみました。これらのイメージが、鏡3枚の全く同じ組み合わせに対して、たった1本(もしくは2本)の直線の像として生成されるというところがとてもおもしろいと思います。錐体鏡というのは万華鏡に勝るとも劣らないすばらしいものだと思います。

立方体 正八面体 菱形十二面体 凧型二十四面体
立方体 正八面体 菱形十二面体 凧型二十四面体

 <おまけのひとこと>
 連休が終わりました。自宅では無線LANを使っているのですが、使わないときには電源を切っています。ただ本体に電源スイッチがないので、ACアダプタを抜き差ししています。スイッチがないということはあまりそのような使い方を推奨していないのだろうと想像するのですが、無駄に電力を消費して無駄に電波を飛ばしているのもいやだなと思ってそのようにしています。といっても運用は完璧ではなく、つけっぱなしの日もあります。 この連休には、手持ちの電源スイッチ付きのタップを使ってパソコンの電源周りを整理しようと思っていたのですが、結局やっているひまがありませんでした。



5月8日(水) リズム

 たまには音楽の話を。

 まず、このMIDIデータを聴いてみてください。たった2小節です。これはショパンのバラード第4番 へ短調 op.52 の途中に出てくる一節です。 特に、3つの声部のリズムにご注目下さい。

 この2小節のリズムパターンがどうなっているかを示したのが下の楽譜です。間に小節線を入れてしまったりするとわかりにくいので、元曲とはリズムのベースを変えていますが、相対的な音符の長さは同じにしてあります。(画像のサイズがおおきくてすみません。手持ちのソフトウェアで作ったのですが、これ以上小さくすると、ハタのパターンがつぶれてしまって見にくくなってしまったのです。)

三重のリズムの譜面

 まず、低声部と中声部を見ると、2:3のリズム比になっていることがわかります。これはよくあるパターンです。ところが中声部の音符の4つおきに、高声部の旋律の音符が出てきます。つまりこの一節は、基本的には2:3のリズム比で演奏すればいいんですが、旋律をきれいに響かせると、結果的に3:8のリズムが浮かび上がってくるという仕掛けになっています。この複雑なリズムをたった一人で演奏してしまうんだから、ピアニストというのはすごいなと思います。

 ショパンのバラード4番はとても好きな曲で、昔一生懸命練習したのですが、今日ご紹介した一節に到達する前の山場が越せずに挫折しました。(いずれにせよ最後のコーダは絶対弾けないのは最初から明らかだったんですが。)

 3:2のリズムはピアノをやっていると随所で出会うパターンで、最初は全然できなくて苦労しましたが、あるとき突然、わりとすんなりできるようになりました。突然自転車に乗れるようになったり、突然竹馬に乗れたりするような感覚でした。

 <おまけのひとこと>
 ゴールデンウィークの最終日に、軽井沢の教会の結婚式に参列しました。本当に久々に賛美歌を歌いました。知らない曲でしたが楽譜があったので歌えました。ただ、音符の下には一番の歌詞しか書いてなくて、二番は別な場所に歌詞だけ書かれていました。初めての曲で、歌詞をチラッと見ては楽譜に目を戻して音符を追って歌うというのはなかなか大変でした。最近、胴回りが豊かになってしまったせいか、昔より声がよくなったのではないかと言われます。(あくまでも昔と比べれば、です。) 



5月9日(木) ビーズ多面体

パールライスビーズのパッケージ  3月18日のひとことで、ビーズで作った正十二面体をご紹介しました。このときには普通の糸で作ったため形が安定せず、またきつく締めすぎると糸が切れたりして厄介でした。先日、家族が手芸屋さんで細い丸ゴムを買ってきてくれました。(20mくらいで200円くらいだったとききました。)それを使って多面体を作ってみると、形がだいぶしっかりしてきれいなものができます。ちょっと空いた時間に、少しずつ作ってみました。

 ビーズは、右の写真のパールライスビーズと書かれたパッケージのものを利用しています。1色あたりだいたい60個から70個程度入っています。ビーズのサイズは長さが9mm程度、その名の通りちょっと大きめのご飯粒くらいの大きさです。買値は600円弱くらいでした。(ちなみに「パールライスビーズ」で検索しても、gooやgoogleではhitしませんでした。)

 同じ大きさのビーズによる多面体ですから、稜(辺)の長さが一定の立体を作ることになります。とりあえずプラトンの正多面体5つと、アルキメデスの準正多面体13個、あと2種類の菱形多面体、あわせて20個が最初の目標かな、と思っています。

 とりあえず本日(5月9日)現在、16種類まで作ってあります。一日あたり2〜3個ずつくらいご紹介して行こうと思っています。

ビーズの正四面体   ビーズの立方体1   ビーズの立方体2   ビーズの正八面体1   ビーズの正八面体2
正四面体   立方体(1)   立方体(2)   正八面体(1)   正八面体(2)

 まず、プラトンの正多面体5つのうち簡単なほうの3つです。正四面体・立方体(正六面体)・正八面体です。正四面体は6個、立方体と正八面体は12個のビーズを使います。同じ12個から、このようにかなり違った形状の立体ができるのですが、面白い事に完全に球状のビーズを使って同じ物を作ると、立方体と正八面体は全く同じ形状になってしまいます。(これはもちろん立体の稜をビーズ1つで表現しているからです。)

 ビーズで作っているので、頂点の部分には3つ以上のビーズが集まります。そのため、頂点を下にして立てる事ができます。ビーズ自体が丸っこいので、もともとの正多面体の形状がイメージしにくいかもしれません。

 <おまけのひとこと>
 「パールライスビーズ」のパッケージは、2つ買い足していまは3つ分使っています。ビーズは極めて単価の安いブロックだと思っています。



5月10日(金) ビーズ多面体(その2)

 昨日、5つの正多面体のうち、簡単なほうの3つ、正四面体・立方体・正八面体をご紹介しました。今日はとりあえず順番にということで、正五角形12枚の正十二面体と、正三角形20枚の正二十面体をご紹介します。

 正十二面体は以前ご紹介したものをゴムで作りなおしたもので、以前と同じピンクのパール風の素材のものです。正二十面体のほうは、パーツが足りなかったため5色で作ってあります。正二十面体は、全ての頂点には5本の稜が集まりますので、それが全て違う色になるように作ってあります。

ビーズの正十二面体1   ビーズの正十二面体2   ビーズの正二十面体1   ビーズの正二十面体2
正十二面体(1)   正十二面体(2)   正二十面体(1)   正二十面体(2)

 ちなみにいずれも使用するビーズの数は30です。面が正三角形の正二十面体のほうが密度が高く、締まった感じになるため、出来あがる立体の大きさは小さいです。これも球形のビーズで作ると、どちらも20・12面体(icosidodecahedron)になります。

 このように組み上げてみると、単純なパーツであるビーズでも、全体としてきれいなパターンになります。

 <おまけのひとこと>
 やっと庭のライラックが咲きました。



5月11日(土) ビーズ多面体(その3)

 今日は菱形十二面体(rhombic dodecahedron)と切頂四面体(truncated tetrahedron)をご紹介します。菱形十二面体は菱形が12ありますので、辺の数は12x4で48本、ただし全ての辺は2つの面で共有されているので2で割って24本の稜があります。つまりビーズが24個で出来ています。同様に切頂四面体のほうは18個のビーズで出来ています。

 切頂多面体(truncated polyhedron)というのは、多面体のそれぞれの稜を3等分して、中央だけを残すように頂点を切り取った形です。その結果切り取られた面は、三角形なら六角形、正方形なら正八角形というように辺の数が倍になります。切頂四面体の場合は、元が正四面体(正三角形4枚)なので切り取られた面は正六角形になります。

ビーズの菱形十二面体1   ビーズの菱形十二面体2   ビーズの切頂四面体1   ビーズの切頂四面体2
菱形十二面体(1)   菱形十二面体(2)   切頂四面体(1)   切頂四面体(2)

 だんだん使うビーズの数の多い多面体を紹介して行きます。

 <おまけのひとこと>
 昨日(5月10日)は久々に出張でした。朝一番の列車で出掛けました。雨が降ってとても大変でした。帰りに少し時間があったので、楽譜を買いに行きました。D.スカルラッティのソナタの楽譜を3冊と、バッハのチェンバロ協奏曲の楽譜を2冊、それからリコーダー四重奏の楽譜を1冊買ってきました。楽譜屋さんにいると、あっというまに時間が経ってしまいます。



5月12日(日) 小林道夫チェンバロリサイタル

チェンバロの写真  昨日は久々にコンサートを聴きに行きました。 会場は花場の小さな音楽舎という小さなところでした。 小林道夫先生といえば、日本のチェンバロ奏者として文句無く第一人者であり、その演奏をサロンコンサート風に聴けるということで、とても楽しみに出掛けました。プログラムは以下の通りでした。

1.イタリア協奏曲 BWV971 J.S.バッハ
2.組曲第5番 HWV430 ヘンデル
3.ソナタ op.3 J.C.バッハ

4.クープランの小品集から
5.かっこう/ダカン めんどり/ラモー
6.ソナタ op.1-2 プラッティ

アンコール
・花咲く果樹園 クープラン
・ソナタ D.スカルラッティ
・おやすみ(別名ゆりかごのアモール) クープラン

 開演40分前くらいに会場に着いたら、ほとんど一番乗りでした。会場の方が楽器の撮影をしていらしたので、許可を頂いて、私も演奏に使う楽器の写真を撮らせていただきました(写真)。 座席も自由だったので、一番前の左側、演奏者から2メートルくらいしか離れていない席をとりました。

 小林先生の演奏はもちろん、解説のお話がとても面白くて、2時間以上に渡るコンサートが本当にあっというまでした。小林先生は曲の演奏の前に作曲者についてやその曲の「聴き所」の解説をしてくださるのですが、実際の旋律を数小節くらい弾きながら説明して下さるのです。一番前に座っていたので、本当にサロンで楽器を囲んで気さくに話を聴いたり音楽を聴いたりしている雰囲気で、とてもすばらしかったです。

 <おまけのひとこと>
 昨日は、ビーズが底をついたので手芸屋さんに買いに行きました。私は洋服や靴には無頓着で、そういったものを買わなければいけないときにはとにかく最初のお店で見たものを出来るだけ短時間で選んでおしまいにするのですが、手芸屋さんのビーズは数がたくさんあってとても迷いました。



5月13日(月) ビーズ多面体(その4)

 今日は1種類だけご紹介します。20・12面体(icosidodecahedron)です。これは正三角形20枚と正五角形12枚からできている立体です。全ての頂点に集まる稜の数が4なので、2色で塗り分けることが出来ます。このビーズだとパーツが太くてわかりにくいのですが、20・12面体の稜は6つの大円を形成しています。今回は最初にビーズの五角形を12個作ってそれを組み合わせるという作り方をしているため、大円を構成する10個がまっすぐ一列になっていません。これは使っているビーズの形状が原因です。

ビーズの20・12面体1   ビーズの20・12面体2   ビーズの20・12面体3
20・12面体(1)   20・12面体(2)   20・12面体(3)

 図の左側は五角形を底面にして置いたもの、真中は頂点を底にしたもの、そして右側は三角形を底面にして置いてみたものです。五角形のまわりに三角形がついた星型(☆)が見えて、なかなかきれいな立体です。

 この立体はビーズが60個で出来ていますが、ビーズの数がもっと増えてくるとだんだん形が決まらなくなってきます。このくらいの数で出来る立体が、形も安定するし相対的に誤差も少なくなって、一番美しいような気がします。

 <おまけのひとこと>
 この週末はこのページのお客様も少なかったので、3日分を表紙に置いておきます。(土・日の分は日曜日のお昼ごろまとめて更新しました。) そんなときに順番を新しい順にするか古い順にするかは、その時の内容によっていろいろ変えています。



5月14日(火) ビーズ多面体(その5)

 昨日は20・12面体をご紹介しましたが、本来は先に立方八面体(cuboctahedron)をご紹介すべきでした。正十二面体と正二十面体を合わせた形だった20・12面体と同じように、立方八面体というのは立方体と正八面体を合わせた形をしていて、正方形6枚と正三角形8枚からできている立体です。

ビーズの立方八面体1   ビーズの立方八面体2   ビーズの立方八面体3
立方八面体(1)   立方八面体(2)   立方八面体(3)

 写真左側より正方形を底面にして置いたもの、頂点を底にしたもの、三角形を底面にして置いてみたものです。使っているビーズは24個です。この立体の双対が、菱形十二面体になります。立方八面体は長さ6の大円のループが4つあります。4月14日のひとことで、菱形十二面体を4本の紙の帯で編む話をご紹介しましたが、このそれぞれの帯が、双対多面体である立方八面体の大円の稜を辿っているかたちになります。

 さて、こういった立体をどのように作っているかというと、今は単純に1つの面を1本のゴムひもで結んでしまっています。全てのビーズは2つの面で共有されますので、どのビーズも必ず2回だけゴムが通ることになります。ゴムの結び目がビーズの中に隠れるようにすること、また頂点の次数(頂点に集まるビーズの数)が小さいところでゴムを結ぶようにすること、そして、可能であればゴムがすでに2本通ったところで結ぶようにすることが、きれいにつくるコツです。また、ゴムをきつく締め過ぎないことが大切です。

 <おまけのひとこと>
 ビーズで検索してみていたら、ビーズ細工の小物を撮影するにはというページがありました。私はあまり何も考えないでガラステーブルの上にビーズ多面体を載せて撮ったのですが、ガラスの上の面と下の面とで鏡像が二重になってしまうのが気に入らないと思っています。 ところで知らなかったのですが、上記のページにも書かれていますけれども、最近ビーズ細工って流行しているのだそうですね。おかげで手芸屋さんでも品揃えが豊富ですし、100円ショップなどにもビーズがたくさんあるようになってありがたいんですが、はやりものをやっているようで少々恥ずかしいです。



5月15日(水) ビーズ多面体(その6)

 今日は斜方立方八面体と切頂八面体をご紹介します。

ビーズの斜方立方八面体1   ビーズの斜方立方八面体2   ビーズの切頂八面体1   ビーズの切頂八面体2
斜方立方八面体(1)   斜方立方八面体(2)   切頂八面体(1)   切頂八面体(2)

 斜方立方八面体のほうは、平行な八角形のリングのペアが3組(水平面、正中面、正面)あるので、48個のビーズからできています。切頂八面体の方は、もともとの八面体の8つの面が正六角形になっていて、さらに切り取られた頂点の部分の正方形が6つありますので、(8×6+6×4)÷2=36個のビーズが必要です。

 GeoShapes に関するメールをいただいたので、久しぶりに3D GeoShapesのページを見なおしたら、立体の説明で大間違いをしているのを見つけて修正しました。

 <おまけのひとこと>
 水商売ウォッチングというページがあります。水商売というと、普通

みず-しょうばい【水商売】客の人気によって成り立ってゆく、収入の不確かな商売の俗称。待合・貸座敷・料理店・バー・キャバレーの類。 (広辞苑)
という意味で使われますが、こういう話ではなく、“↑これの話を期待しているなら、どこか他をあたってほしい。広辞苑にも載ってないし日本語を乱すようで悪いけど、ここでの「水商売」は文字通り、水に付加価値をつけて売る商売のことだ。”というわけで、科学者の立場から「健康や美容によいとされて売られている水」について考えようというページです。
 このページは有名で、多くの方が訪れるページだったのですが、ここに書かれている経緯により、サーバがお茶の水大学から大阪大学に移転したそうです。お茶大の対応には幻滅です。
 こんなページもありました。ここの最後に出ている「日本は科学的後進国という証明」というコメントに同意します。


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