以前の「ひとこと」 : 2021年5月後半
5月16日(日) ザイルトリックを調べる(その1)、創作あやとり
5月も後半になりました。LoopTraxの話から連想して「ザイルトリック」の話です。
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パズルに関する高木茂男氏の古典的名著である「パズル遊びへの招待」という本があります。私としたことがこの本を持っていないのですが、たいへんありがたいことにパズルショップ・トリトさんのサイトでパズル遊びへの招待・オンライン版というのを公開して下さっています。関係者には本当に感謝です。
さて、その中にザイルトリックというパズルが紹介されています。図を引用させていただきます。
Fig.1 : Zile trick (puzzle) 4x4=16枚の正方形のピースがあって、そこにザイル(ロープ)の絵が描かれています。全体が一つながりの輪になるようにピースを配置する、というパズルです。詳しくは上記のページをご覧ください。
ピースの構成が分析されていて、合わせるべきロープの位置は各辺の4か所のうちいずれかになっているのだそうです。別々の方が手作業とコンピュータによる解析を行った結果、220通りの解があるのだそうです。私も調べてみたくなりました。
愛用しているBurrToolsで解析するために、パターンを合わせる部分をピースの凹凸で表現してみることにしました。このピースはジグソーパズルのようにオスメスがあるわけではないので、同じ位置にロープが描かれていた場合、それが「つながる」必要があります。そこで正方形の辺の4か所に凹凸の噛み合わせを作れるように、1辺の長さが5のピースを設計してみました。
Fig.2 : Joint design これらはこのように噛み合います。
Fig.3 例えば16種類のピースのうち、この2つはこんな風にデザインできます。(内側を埋めてもいいのですが、計算機で解析するので「ひとつながり」(単連結)である必要はありません。)
Fig.4 この2つのピースは「ザイルトリック」としては対称なピースなのですが(Fig.5)、このモデル化ではご覧のように(Fig.4)ピースの形状は非対称です。ザイルトリックは表面にロープの模様が刻まれており、パズルの性質上ピースを裏返せないのでこのようなモデル化をするのが都合が良いのです。
Fig.5 この2つのピースは2か所でマッチングします。もともとのピースのほうと、凹凸をモデル化したものとを比べてみました。
Fig.6 Fig.7 大丈夫そうです。16種類のピースをデザインして、BurrToolsで解析してみることにしました。
(つづく) ○
あやとりの話です。Felix Mindt-Paturi さんによる素晴らしいアンドロメダ((c)1988. Felix Mindt-Paturi)という創作あやとり作品があります。国際あやとり協会の“Fascinating String Figures” という本の最後を飾る、高難易度の創作あやとり作品です。(でも石野さんのサイトの難易度表示では☆4つ、中級レベルでしょうか。)
“Fascinating String Figures”
ISBN 0-486-40400-5.
Illustrations and text by Mark A. Sherman and Joseph D'Antoniこの取り方、なかなかむつかしくて覚えられないのですが、昨日「パターンあやとり」の手法でいくつか組み合わせを試している中で偶然、射影図がおそらく同じになると思われるあやとりができたのです。
「エガラウィナゴ」は覚えておきたい基本パターンです。基本中の基本である「ナウルの構え2」と、「ナウルの太陽」の派生手順なので覚えやすいと思います。続いて輪のねじれを解消する処理をするのですが、ここまで含めて「ビヤトエイディオウィナゴの処理」と言ってもいいです。ここから五本指の「小さいアムワンギヨ」(これは「聖なる円」と同じ操作です)を取ると完成です。
<おまけのひとこと>
週末、ずっと「パターンあやとりの世界」の更新作業をしています。楽しい…
5月17日(月) ザイルトリックを調べる(その2)、創作あやとり
「ザイルトリック」の話の続きと、パターンあやとりのメモです。
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パズル遊びへの招待・オンライン版のザイルトリックというパズルを自分で(ソフトウェアを使って)解析してみよう、という話の続きです。
Zile trick (puzzle) 昨日の方針で16種類のピースをこんな風にデザインしてみました。
Fig.1 : design of 16 pieces (zile trick) このようにピースの内側を空欄にしておいて目標のパターンも格子状にしておくことで、目標パターンの中にピースを配置できる位置が限定されるため、無駄な探索を省くことができるのです。おかげであっという間に計算が終わりました。最初に出てきたのはこんなパターンでした。
Fig.2 「パズル遊びへの招待」によると解は220通りのはずなのですが、2780解ある、という結果になりました。あれ、よく見るとおかしいです。大事な条件を1つつけ忘れました。
(つづく) ○
パターンあやとりの世界 の新しいページをコツコツと作っているのですが、ウソを書かないようにその場で確かめながら作業をしています。(それでもミスがあるかもしれません。)四本指パターンの「イヌイットの網」のアレンジを試している中で、面白いパターンが見つかったのでこちらに書いておきます。
通常の「人差し指の構え」(三本指パターン)から「ナウルの太陽」を取って「イヌイットの網」の終了処理をすると、こんなパターンになったのでした(Fig.3a, 3b)。
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Fig.3a : hh210517-1 Fig.3b : hh210517-2
- 人差し指の構え
- 正ナウルの太陽
- イヌイットの網
- 人差し指の構え
- 逆ナウルの太陽
- イヌイットの網
同じことを「ナウルの構え1」(四本指パターン)からやるとどうなるか、というと、こうなりました(Fig.4a, 4b)。
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Fig.4a : hh210517-3 Fig.4b : hh210517-4
- ナウルの構え1
- 中指の輪を人差し指に移す
- 正ナウルの太陽
- イヌイットの網
- ナウルの構え1
- 中指の輪を人差し指に移す
- 逆ナウルの太陽
- イヌイットの網
最初の「ナウルの構え1」の直後に中指の輪を人差し指に移してしまって、以降は人差し指の2つの輪が、あたかも1つの輪であるかのように取ってゆきます。
<おまけのひとこと>
「冬のおやすみ」(永田礼路)というwebの短編同人マンガを読みました。良かったです。いわむらかずおの絵本14ひきシリーズを連想しましたが、テーマはもっと重いです。作者の永田さんはプロフィールによるとお医者さんなのだそうですね。びっくりです。
5月18日(火) ザイルトリックを調べる(その3)、他
「ザイルトリック」の話の続きです。
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ザイルトリックというパズルを自分で(ソフトウェアを使って)解析してみよう、という話の続きです。
Zile trick (puzzle) ザイルトリックのピースそのものをこんなうふに描いてみました。一番上の一行の4つのピースがI型(正方形の向かい合う辺をつないでいるピース)、下3行の12ピースがL型(正方形の隣り合う辺をつないでいるピース)です。
Fig.1 : zile trick 昨日の解はこんなパターンだったのでした。
→ Fig.2 全体が一つの輪になるためには、I型の4つのピースの位置を限定する必要があります。BurrToolsで探索させるために、I型だけは中央1単位分を追加しました。
Fig.3 : modified model これで探索すると「パズル遊びへの招待」に記載されている通り220解となりました。満足です。
ちなみにFig.3の解のパターンはこうなっていました。
Fig.4 実物で試行錯誤して解くのはかなり難しいパズルだろうな、と思いました。
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一昨日、昨日に作った「パターンあやとり」、なんとなくもったいなくてまだ崩さずに飾ってあります。
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Fig.5 小さなホワイトボード、便利です。
<おまけのひとこと>
昨日の朝、会社の駐車場で昔の知り合いに久しぶりに会いました。同じ事業所にいても事業部が違うので、建物も離れていますし昼休みの時間も違うので食堂で会うこともありません。彼は以前はかなり手を加えたジムニーに乗っていて、車検も自分で通していました。今はスバルの軽の名車R1に、やっぱりいろいろ手を入れて乗っています。内燃機関の車を買えるのはあと1回くらいですかね、マニュアル車って踏み間違え事故が起こりにくいから安全だと思うんですけど、といった雑談をしながら会社の建物まで歩きました。
5月19日(水) Cross2を作ってみた(その1)、パターンあやとりの話
組木パズルを自作してみた話と、「パターンあやとり」を実際に作って下さった方からメールを頂いた話です。(嬉しい…)
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4月22日にご紹介した、Precision Puzzlemaking Primer -- Volume 1というサイトに載っていた Cross 2 というパズルですが、
Cross 2 ふと思い立って15mm角の木の立方体を接着して自作してみました。(写真のフォーカスが甘くなってしまいました。)
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Fig.1 Fig.2 材料は昨年の5月連休にまとめ買いしたものです。本当に良い買い物でした。
コの字型になっている部分などは少しきつくなってしまうので、紙やすりで削って調整しています。組み上がってしまうとどこがどのパーツなのか見分けがつかないです。
実際に実物があると、いろいろいじってみることができてとても楽しいです。このパズルの目標のかたちは 4x4x4 の立方体の稜を取り除いたかたちです。なのでこのかたちがぴったり入る箱(バウンディングボックス)は 4x4x4 ということになります。
では、この4種類のピースのセットを収納できる別の直方体は考えられないでしょうか? 例えばこの4ピースは 4x4x3 に収まるのでしょうか? 箱の底面が 3x3 だとしたら、高さはどれだけ必要でしょうか? たぶん実物を作ってみないとこういう発想にはならなかった気がします。
(つづく) ○
昨日、東京の多摩市にお住いのYさんという方からメールをいただきました。このところご紹介している「パターンあやとり」に興味を持って下さって、写真を3枚ほど送って下さいました。感激です。「パターンあやとりの世界」は自分のために整理しておきたいと思ってまとめ始めたものなのですが、興味を持って下さる方がいらっしゃるだろうか、と半信半疑でした。こんなに早くコメントをいただけるとは思っていませんでした。ありがとうございました。
Yさんは私より少しだけ年上の方のようなのですが、国際あやとり協会にも入会されていらっしゃるそうで、石野さんにあやとりを習ったこともあるそうです。(羨ましい…) 私のパターンあやとり第4章をご覧になって、「内側に2つの星」だけでなく内側のあやとり作品を「材木運び」「ナウルの太陽」「エイディオウィナゴ」に変えたものの写真を送って下さいました。
本当にありがとうございました。
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内側三本指で何か完成したパターンを作って四本指パターンの終了処理を行う系列のあやとりでは気に入っている「内側に『ガイアナの星』」をご紹介します。最後は「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」にしました。
下のFig.3 は 4月24日(土)に出先で作ったものです。最近お気に入りのマグネットボードが無い状況だったので、机の上にそのまま広げて写真を撮りました。
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Fig.3 : hh210519-1a 次のFig.4 は、同じものを昨夜取ってみたものです。
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Fig.4 : hh210519-1b
- 4本指の始めの構え
「ナウルの構え2」の最後の中指を取り合う直前まで- 内側3本指で「ガイアナの星」
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
Fig.3 のように張力をかけずにふわっとした曲線的なパターンにしてもきれいですし、Fig.4 のようにピンと張って直線的なパターンにしても面白いです。
<おまけのひとこと>
昨日は業界団体の会議が2つ重なってしまって、別々の端末で両方の会議に接続しながら、さらに突発で依頼された資料の作成を並行してやっていました。どちらの会議も発言はしないで聴いているだけの立場なので、聞き流して雰囲気だけ確認しながら「ここはちゃんと聴くべき」というところだけは集中するようにしていました。良い情報が得られました。
5月20日(木) Cross2を作ってみた(その2)、パターンあやとりの話
自作した組木パズルのピースで遊んでみた話と、「パターンあやとり」の試みです。
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昨日ご紹介したCross2というパズルですが、この目標のかたちは 4x4x4 の立方体の箱にぴったりおさまります。ピースはそれぞれ8単位分の体積のものが4個なのですが、立方体の箱の体積が64、ピースの体積の和が32で「充填率」はちょうど半分の5割 (0.5) ということになります。
Cross 2 この4ピースが入るもっと充填率の高い直方体の箱は考えられないだろうかと思って、実際のピースを使って少し試行錯誤してみました。まず、4x4x3 におさまる解がありました。充填率は3分の2 (0.667…) です。
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Fig.1 : 4x4x3 これはきれいな解で、気に入りました。
もう1つ、3x3xN について考えてみました。こんな例が見つかりました。
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Fig.2 : 3x3x6 底面が3x3の箱ならば、高さ6という解が見つかりました。。箱の体積は54ですから充填率は0.592…です。やってみた感じでは高さ5というのは無理そうです。
(つづく) ○
石野さんのあやとりサイトを見て、サンフィッシュというガイアナのあやとり作品を取ってみました。
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Fig.3 : Sunfish (Guyana) これは「パターンあやとり」の開始処理や継続処理に使えそうだなと思ったのです。試してみました。
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Fig.4 : hh210520-1
- 人差し指の構え
- 人差し指の向こうの糸を中指で取る
- 「サンフィッシュ」を取る
- 「サンフィッシュ」を人差し指と薬指に配置する
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- 小さいアムワンギヨの終了処理
写真では「ナウルの終了処理」の前までいくつかのアレンジを試してみたのですが、その中ではこれがなかなか良かったです。
<おまけのひとこと>
一昨日あたりから、朝4時半くらいからカッコウが近くの小さな林で鳴いています。
5月21日(金) Cross2を作ってみた(その3)、パターンあやとりの話
自作したCross2という組木パズルのピースで遊んでみた話をもう1回だけします。
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今日でご紹介が3回目になるCross2というパズル、
Cross 2 これを 4x4x3 におさめた時の解の数を調べてみたら、解は3つありました。
Fig.1 : 4x4x3 また、 3x3x6 におさめた時の解の数は5種類でした。(3x3x5の解はありませんでした。)
Fig.2 : 3x3x6 納得しました。
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机の上にこのパズルのピースを置いてあって、なんとなくいじってみたりしています。半ば無意識に積み木のように遊んでしまいました。
なんとなく脚のついたステージのような構造ができました。
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Fig.3 Fig.4 横倒しにしてみるとこんな感じです。
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Fig.5 これもよくやる遊びですが、接地面積を1単位にして、上に広げてみました。
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Fig.6 Fig.7 やっぱり実物はいいです。
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昨日のサンフィッシュというガイアナのあやとり作品のアレンジです。「ダブルハートの処理」を追加してみました。
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Fig.8 : hh210521-1
- 人差し指の構え
- 人差し指の向こうの糸を中指で取る
- 「サンフィッシュ」を取る
- 「サンフィッシュ」を人差し指と薬指に配置する
- 「ダブルハートの処理」
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- 小さいアムワンギヨの終了処理
「サンフィッシュ」由来の部分のパターンがきれいだと思いました。
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以前挑戦してうまく取れなかった階段・虹というイヌイットのあやとり、昨夜やってみたらできたので喜んで写真を撮りました。
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Fig.9 ○
デイリーポータルZの「都道府県七並べ」というゲームを考案したという記事がとても面白かったです。
<おまけのひとこと>
雨です。今年は梅雨が早いです。
5月22日(土) 折り紙の箱(合同な2枚組)、パターンあやとりの試行錯誤
今日はパターンあやとりの世界に第1章第4節:同じあやとり、似たあやとりというページを追加しました。書きたいことが十分書けていない感じです。
それ以外は軽い話題です。
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折り紙2枚でこんな箱を折ってみたのです。
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Fig.1 2枚の折り紙をそれぞれこんな風に折って(赤が谷折り、青が山折りで、箱の内側になる面から見ています)、2つを組み合わせてみています。
Fig.2 折り方はNetで見かけたのですが、山梨明子さんのオリガミ・ボックスにこんなような作品がいろいろあったような気がします。一度箱を開けてしまうと、また閉じるのがちょっと大変です。何度も開けたり閉めたりする使い方よりも、ラッピングのように「開けてしまったらそれでおしまい」という使い方のほうがふさわしい気がしました。
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パターンあやとりの研究で、ナウルの構え1(四本指の構え)から「イヌイットの網」の終了処理をするときに、どのタイミングで人差し指と中指の輪を1つにまとめるのがいいのか、いろいろ試してみています。
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Fig.3
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Fig.4 期待したような対称性の高いパターンができなくて「あんまりおもしろくないなあ」と思ったせいでメモを取るのを忘れて、どうやって取ったのかわからなくなってしまいました。(すみません無責任でいい加減です。)まあでも可能性のある取り方はそれほどたくさんはないので(数パターンくらいです)、試してみればわかるだろうと思っています。
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あやとり - Lab.70686というブログがありました。伝承あやとり作品の部分的な構造を分析して派生パターンを増やしてみる、という、私が「パターンあやとりの世界」でご紹介しているような内容・手法の先駆者です。素晴らしいです。やっぱりこういうアプローチをしている人がいるんだなあと改めて感心しました。たいへんお勧めです。
<おまけのひとこと>
「パターンあやとりの世界」を書きながら、構成がきちんとしたサイトを作るのは大変だなあと思っています。今日は当初の計画外のページを追加してしまいました。ちょっとおさまりが悪いなあと思っています。日々思いついたことを書き散らかす、今のこのサイトのスタイルのほうが自分には合っているなあと思います。
5月23日(日) 立方体骨格のあやとり、クッションカバー
パターンあやとりの世界に第2章第7節:開始処理としての「エオンガツバボ」というページを追加しました。ページの構成案がどんどん変わっています。とりあえず一通りまとめてしまいたいのですが、付け加えたい要素が増えると、全体構成の構想がだんだん崩れてきて、どうしたものかと思っています。
今日のこのページでは、新しく追加した第2章第7節で一番書きたかった(ちょっと場違いの)話をここでも書かせていただきます。
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こんな創作あやとり作品ができたのです。「額縁」とか名付けたら良いかもしれません。
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Fig.1 : hh210523-1
cubic skeleton
- 人差し指の構え
- エオンガツバボ
- 中指の輪を外す
- 中央の交差している小さな輪を平行にする
- 親指・小指の内側の糸を取り合う
このあやとりの取り方は 開始処理としてのエオンガツバボ を参照してください。
これは立方体の骨格です。立方体は、6つの正方形の面、8つの頂点、12本の稜を持ちます。全ての頂点の次数は3です(どの頂点にも稜が3本集まっている)。
あやとりは1本の紐の輪ですから、あやとり作品は全て、一筆書きで出発点に戻ってこられます。そのためには全ての頂点の次数が偶数でなければなりません。このあやとりは、4か所が二重になっていて、それによってすべての頂点の次数が4になっています。図示すると以下のようになります。
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Fig.2 : Double the 4 of the 12 edges and set the order of all vertices from 3 to 4. このあやとりが作れてとても嬉しかったのです。
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先日、五月連休明けから急に暑くなってきて、冬用のクッションカバーを替えようという提案が妻からありました。最近あやとりに熱中している私の好みを考えて、こんなクッションカバーを薦められたので、喜んで購入しました。
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Fig.3 こんな模様です。伝統の和文様の「七宝」を、紐を編むことで構成しています。これ、作るの大変そうです。自動化(機械化)されているのかなあと思いました。(きっと自動織機とかの技術で自動化はできるのでしょうけれども、自動化するコストに見合うだけの需要があるのだろうか、などと思いました。)
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Fig.4 気に入って使っています。ペットや子供がいたらちょっと心配ですが(クッションカバーは消耗品なので傷んでしまうのは仕方がないですが、ひっかかって怪我とかしたら心配)、そういう心配はなさそうです。
<おまけのひとこと>
アリが台所の照明器具の配線を伝って進入してきました。またそういう季節です。
5月24日(月) F-パズル、あやとりの二本指パターンの終了処理を調べてみる(その1)、ほか
簡単な箱詰めパズルの検討と、パターンあやとりの「二本指パターン」を調べてみている話です。
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Gisela’s Brainteasersというパズルのサイトを知りました。“barin teaser” というのは「頭の体操」とか「頭を使うパズル」という意味だそうです。知っているパズルや見覚えがないパズルがたくさん紹介されています。
その中に、アルファベットのかたちをデザインしたピースによる箱詰めパズルがありました。Fig.1 のような、3x5 におさまる9単位のFのかたちのピースを4つ、Fig.2 のような 10x5 - 6 = 44単位の箱の中に入れなさい、というパズルです。
×4 → Fig.1 Fig.2 箱詰めパズルといえば、昔は隙間が残らないものでした。隙間ができても良いのならその分だけ簡単なのではないか、という先入観がある気がします。ところが、隙間が残るパズルはピースを置いて小さな隙間ができてしまっても、それが正しいのか誤りなのかわからないのです。なので手ごわいパズルがたくさんあります。
この4つのFのパズル、解析してみると解は2つありました。これは素直に解けるパズルだと思います。
同じFのピースを5つにして、切り欠きの無い 5x10 = 50 の長方形に入らないだろうか、と思って調べてみましたがそれは無理のようでした。少し広げて 5x11 = 55 にしたら、ユニーク解(たった1つの解)になりました。素直にピースを置いてゆくと自然にできてしまう易しめのパズルだと思います。方眼紙とかでお試しください。
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このところ書いているパターンあやとりの世界で、二本指の構え は「はじめの構え」しか載せていなかったのですが、むしろこちら(↓)を載せなければいけなかったなあと思っています。(来週末あたりに手を入れたいと思います。)
Fig.3 : 二本指の構え
- 人差し指の構え
- 小指を外す
- 人差し指の輪を小指に移す
「カロリン展開」で仕上げるタイプのあやとり作品は、完成直前にこのように親指小指に輪がかかった状態になることが多いです。「カロリン展開」以外の終了処理ができないだろうか、と思ってやってみています。いつものように何か伝承あやとり作品の名前で「○○の終了処理」と呼びたいところなのですが、適切なものが思い浮かばないので、仮に「二本指の終了処理1」と呼ぶことにしました。(2以降が登場するかどうかわかりませんが…)
Fig.3 の「二本指の構え」に対して「二本指の終了処理1」を施してみました。
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Fig.4 : hh210524-1
二本指の終了処理1
- 二本指の構え
- 二本指の終了処理1
- 小指の輪の中から親指の輪をつまみ出して親指から外し、親指に掛け直す
- 親指の輪の中から小指の輪をつまみ出して小指から外し、小指に掛け直す
- 小指で親指の向こうの糸を取る
- 親指で小指の手前の糸を取る
最後の「親指・小指の内側の糸を取り合う処理」ですが、親指と小指のどちらを先に取るかによって完成形が変わります。この手順が可換ではないのが面白いところです。
このあやとり、糸を強く引かずに緩めながら取るのがコツです。それでも操作が終わったとき、図形は広がっていないと思います。糸がかかっていない内側の指(人差し指とか中指とか)で図形の内側のダイヤ型を探して、その中に指を入れて広げるような動作をしてかたちを整えるといいです。
「カロリン展開」で終了するあやとり作品はたくさんありますが、この「二本指の終了処理1」と相性が良いものとあんまり良くないものがあります。「ガイアナの星」は相性がいいです。
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Fig.5 : hh210524-2
- 「ガイアナの星」
- 「二本指の終了処理1」
「アムワンギヨ」の水平な2本の糸を取り除いたようなパターンができます。これ、最近のお気に入りのシンプルなあやとりです。
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Huntington, Vermont(米国バーモント州のハンティントンという町)の美しい画像がありました。こんなイラストや絵本を見たことがある気がしますが、写真もこんなに美しいのですね。
<おまけのひとこと>
室内にアリが出たので、「アリアーススプレー(1プッシュ式):室内用」というのを買って試してみました。けっこう値段が高かったのですが、効果があった気がします。
5月25日(火) 箱詰めパズル、あやとり「引き潮」に「二本指の終了処理1」、ほか
一筋縄ではいかない箱詰めパズルの検討と、昨日の「二本指の終了処理1」を伝承あやとり作品「引き潮」に適用してみた話です。
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昨日ご紹介したGisela’s Brainteasersというパズルのサイトに、おそらくこんな寸法だと思われる3ピースの箱詰めパズルがありました。
Fig.1 ピースのほうは4x4におさまる7単位のかたちで、まっすぐ4個が並んだ左右に2つと1つが付いたかたちです。3つともかたちが異なります。枠のほうは、6x6 から対角線の2頂点を外した34単位のかたちです。隙間がたくさんできるはずです。
例として載っていた写真では、ピースはこんな配置になっていました。
Fig.2/td> これは BurrToolsで解析してみても、解はありませんでした。ということは、考え方を変えないとダメということです。ひょっとすると写真から想像したピースの寸法も間違っているかもしれません。このパズルについてはこれ以上は書かないことにします。
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昨日の「二本指の終了処理1」、「カロリン展開」で終了するあやとりで何か相性がよさそうなものは…と考えて、「引き潮」 でやってみました。(リンク先の石野さんのサイトでは「潮の満ち干」と書かれていますが、私が野口先生の「あやとり」で覚えたのは「引き潮」という名前だったので、そちらで呼ばせてもらいます。)
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Fig.5 : hh210525-1
- 「引き潮」の2ステップ目
- 「二本指の終了処理1」
先日メールを下さった多摩市のYさんから、四段ばしごに二本指の終了処理をしてみました、というご連絡をいただきました。「パターンあやとりは無限に創作あやとりができる」と書いて下さっていて、我が意を得たりと嬉しくなっています。お伝えしたいのはそこなのです。この手順とこの手順を組み合わせたらどうなるだろう、あの有名なあやとり作品にこの操作を加えたらどうなるのだろう、という実験が次々とできるのです。私は「はしご」系は試していなかったので、さっそくやってみました。これも相性が良いですね。
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魚のための世界地図という図を見て感心しています。パナマ地峡とベーリング海峡が2か所に現れています。面白い図で、見ていて飽きません。
<おまけのひとこと>
今朝、いつものようにこのサイトの更新をしようと思ってエディタでテキストを書いていたら、急に日本語入力ができなくなりました。エディタのアプリの問題かなと思って別のエディタを起動してみたのですがそれでも同じ現象になりました。それどころかブラウザで検索文字を入力しようとしてもできないですし、ファイルエクスプローラで日本語のフォルダを作ろうとしても、そこでも日本語を入力できないという状態でした。諦めてサインアウトして入り直しました。
5月26日(水) あやとりいろいろ
今日はあやとりの話だけです。
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最近、「二本指の終了処理1」をいろいろ試している中で、通常の「人差し指の構え」をちょっとアレンジしてみたくなりました。Fig.1 は「人差し指の構え」です。
Fig.1 : Opening A これを、こうしたいのです。違い、わかりますか?
Fig.2 : what's the difference? この2つ、2か所ある糸の交差のうち、手前の交差の上下が違うのです。
通常の「人差し指の構え」(Fig.1)は、両手の人差し指を外すと「始めの構え」になります。(「始めの構え」から両手の掌の糸を取り合っているのですから当たり前です。)一方、Fig.2のほうは、両手の人差し指を外すと、人差し指の輪は反対の手の掌まで戻ってゆかずに、中央で引っかかります。この開始処理、名前がついていそうですが不勉強で名前がわかりません。仮に「ひっかかる人差し指の構え」と呼ぶことにしましょうか。私はこんな風に取っています。
「ひっかかる人差し指の構え」
- 人差し指の構え
右手が先- 親指を外す
- 右親指を上から人差し指の輪の中に入れ、右親指を下から手前、上へと回転して人差し指の手前の糸を右親指の背で取る
- 左親指で、右親指に巻き付いている糸を下から取る
通常の「人差し指の構え」で始めるあやとり作品をこの「ひっかかる人差し指の構え」で取ってみると、結果が変わるものと変わらないものがあります。どこか初期の段階で親指を放してしまうようなあやとりは、わざわざ「ひっかかる人差し指の構え」で始めても結果が変わらないということになります。
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この「ひっかかる人差し指の構え」から、こんなあやとりができました。
イヌイットのあやとりなどで両側に生き物ができるタイプの伝承あやとり作品がありますが、そういったものの中に同じような作品があるのかもしれません。(そのジャンルは詳しくないのでわかりません。)
この「ひっかかる人差し指の構え」、いろいろ研究しがいがありそうです。さらにそれと同じことを「ナウルの構え1」「ナウルの構え2」などに適用してみたりすると「パターンあやとり」の世界がさらに広がりそうです。(すでに広がりすぎて収拾がつかなくなっています。)
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3つのココナツという伝承あやとり作品に、「二本指の終了処理1」を施してみました。
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Fig.4 : hh210526-2 楽しい…
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最近はあやとり紐をこんな風に「見える収納」をしています。
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Fig.5 ひもの長さに応じて輪を二重にしたり三重にしたり四重にしたりしています。これだと絡まらないしかさばらないし、ネクタイの結び目に相当する部分をつまんで引くとスッと外れるし、カラフルできれいだし、気に入っています。どの色がどの長さなのかはだいたい頭に入っているので、必要な長さのものを取りやすいというのもメリットです。(一応左側から長い順に並べているつもりですが、若干入れ替わっているところもあります。)
<おまけのひとこと>
あやとり以外のトピックも入れようと思っているのですが、今日はすみません、準備不足です。
5月27日(木) 正五角形を並べてみる、あやとり「メクラヘビ」のアレンジ
タイリング(隙間あり)の話とあやとりの話です。
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任意の三角形と任意の四角形は平面を充填できることが知られています。五角形に関しては任意の五角形が平面充填できるわけではありません。五角形による平面充填はたいへん面白い十数種類のパターンが発見されています。
そのようにたくさんの種類の五角形が平面を充填できるというのに、正五角形は平面充填ができない、というところがまた面白いです。その正五角形をこんな風に並べてみました。
Fig.1 背景を黒く塗ってみました。
Fig.2 知られている凸五角形のタイリングパターンのうちの有名なものを、無理やり正五角形に置き換えてみたという感じです。
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メクラヘビ というブラジルの伝承あやとり作品があります。
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Fig.3 : BlindSnake これにも「二本指の終了処理1」をやってみました(Fig.4)。昨日の「3つのココナツ」と比べてみます。
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Fig.4 : hh210527-1 Fig.5 : hh210526-2 この2つのあやとり作品は取り方が全然違うのですが、こうして並べてみると同じ系列のあやとりのようにも見えて面白いです。
<おまけのひとこと>
昨夜は皆既月蝕でした。薄曇りで、残念ながらぼんやりとしか見えませんでした。
5月28日(金) 正五角形を並べてみる(その2)、あやとりのアレンジ
正五角形を並べてみる話の続きとあやとりの話です。
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何かの図形を規則的に並べてみる、というのは面白い遊びです。凸五角形で平面を隙間なく充填できるかたちというのが、2015年に15番目のパターンが発見されています。その前は確か1985年とかだったと思います。20世紀後半になって新しいパターンが次々と見つかっているというのがとても興味深いです。詳しくはPentagonal tilingという(Wikipediaの)サイトをご覧ください。図を眺めているだけでとても楽しいです。
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この、平面を充填する五角形を、むりやり正五角形に置き換えてみたらどうだろうと思ったのです。でも、1つの頂点に4つの五角形が集まっていたり、6つの五角形が集まっていたりするパターンもあって、そういうのはそもそも無理です。昨日のパターンのような配置になっているものがけっこうあるのですが、もっとシンプルなものもあります。たとえばFig.1のような感じです。
Fig.1 ある頂点のまわりに3つ集まっているというのもたくさんあります。それを眺めながら、こんな配置を作ってみました。
Fig.2 この図を作ってみて、そういえば以前にも同じような図を作ったことがあるな、と思い出しました。5年前でした。
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相変わらず「二本指の終了処理1」を試しています。ナウルの太陽で、最初に親指で取る操作を人差し指の輪の中から小指の手前の糸を取るに変えると、完成するパターンは中央で安定しないのです(手を左右に引くとパターンは左右に分かれてしまう)。敢えてその状態から「二本指の終了処理1」を施してみました。
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Fig.3 : hh210528-1a この「ひっかからないナウルの太陽」と同じ状態は、パプアニューギニアの亀の手順6(人差し指の輪の中から親指小指の輪をつまんで外して掛け直すところまで)でもできます。
中央でひっかからないので、調整の仕方によってはこんな風に分離した状態にすることができます。Fig.3 の状態から再調整して Fig.4 のかたちにしました。(そのためあやとりの輪の結び目の位置が同じです。)
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Fig.4 : hh210528-1b 実はこの「二本指の終了処理1」ですが、中央のパターンに関係なく左右に好きなだけダイヤ型を追加することができます。右と左の数を変えることもできます。とりあえず1つずつ追加してみました。
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Fig.5 : hh210528-2 糸は引き絞らず、「ゆるゆる」な状態で操作するのが良いようです。詳しくはパターンあやとりの世界のほうに追記したいと思います。(この週末にできるといいなあと思っています。)
<おまけのひとこと>
パズルや幾何学図形の話と、あやとりの話と、両方のトピックを書くようにしたいと思っているのですが(書きたいことはそれぞれあるのですが)、さすがにちょっと時間が厳しいかなと思っています。週末に仕込みをしたいです。
5月29日(土) 幾何魔方陣(その1)、創作あやとり「アルタイル」に似たあやとり
久々に幾何魔方陣の話と、いつものようにあやとりの話です。
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実物がなくても頭の中で考えて解けるくらいの難易度のパズルも好きなのですが、格好の題材がありました。6年ほど前にご紹介したGeomagic Squaresです。
テトロミノ(正方形4つ)のうちの4種類(下の図の青いピース)と、ペントミノ(正方形5つ)の12種類すべてを、以下のように4x4に配置します。
Fig.1 この4x4のうち、全ての行と全ての列の4ピースの組み合わせで、以下のかたちを作ってくださいというパズルです。ピースは裏返し可です。
Fig.2 くどいですが、以下の10問の問題があるということになります。
Fig.3 これは面白いです。
(つづく) ○
2週間ほど前に、Felix Mindt-Paturiさんの創作あやとりアンドロメダに似た、取り方の異なる作品をご紹介しましたが、オリジナルのアンドロメダの手順の1か所だけを変える(省く)と、アルタイルという作品になります(もちろんこれもFelix Mindt-Paturi さんの創作作品です)。
先日偶然に見つかった「アンドロメダ」と同じパターンができる手順でも、同様に1か所だけ省いた手順で取ってみました。期待通り「アルタイル」と同じような作品を作ることができました。今回は取り方はメモレベルにとどめます。
この「アルタイル」(もどき)、気に入って一週間以上飾ってあります。もう1枚ホワイトボードを買ってこようかな…
ちなみに私が最近使っているのは、こちらの100円ショップで購入した『ホワイトボード』の商品一覧 (ダイソー・セリア)というページで紹介されている、ダイソー8点目と書かれた300円(+税)のものです。でも、寸法的には100円のものでも使える場合がありそうだなと思いました。
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今朝は庭の草取りをしました。昔、生垣用に買って植えたキンメツゲの余った株を窓のすぐ外に植えてあるのですが、そこに鳥が巣を作っていました。キンメツゲの枝がまた少し伸びて家の外壁に触っているところがあったので、少し切りました。鳥の巣はできるだけ影響がないようにと思って、周囲の枝も剪定は最低限にしました。作業が終わったころ、鳥の鋭い鳴き声がして、確かめるように一度巣に戻った様子でした。私がめったに庭に手を入れないので、鳥は安全な住処だと思っていたのだと思います。巣を見捨ててしまわないだろうか、かわいそうなことをしたかなと思いました。まあでも家が傷んでしまうのは困るので、やむを得ません。
<おまけのひとこと>
草取りをしたり木の枝を払ったりする作業の途中で少し雨がぱらつきました。濡れてしまうと運ぶのが厄介になるので、次の可燃ごみの日を待たずに思い切って車に積んでごみ焼却センターまで持ち込んできました。計量の結果20kgとのことでした。市内在住なので無料で引き取ってもらえます。
5月30日(日) パズルカレンダー、あやとり「空を持ち上げる」に終了処理を加える
ポリオミノつながりでカレンダーの製品の話とあやとりの話です。
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A puzzle a day(1日1パズル?)という製品がありました。アイディアもデザインもとても素敵です。図を作ってみました。
Fig.1 月の名前が書かれた12マスと1から31までの日を表す31マス、全部で43マスがあります。このうち、今日の月日の2マスだけを開けて、残りの41マスをピースで覆う、というパズルです。41マス分を覆うのですが、2x3の長方形のヘキソミノが1つと、7種類のペントミノが用意されています。例えば本日5月30日ならばこんな風になります。
Fig.2 調べてみるとこのパターンは79通りの解があるようです。おそらくどの日付も数十通りくらいの解の数になるのではないかと思います。(5月31日は87解、6月1日は56解、6月2日は49解でした。私の誕生日は105解、妻の誕生日は116解ありました。) 毎日これを解いたらすごいと思いますが、普通の生活をしていたらそんな時間を取るのは無理かなと思います。リタイアしたら毎日の日課に組み込んでもいいかもしれないなと思いました。
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空を持ち上げるというナウルの伝承あやとり作品があります。
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Fig.3 本当は「カロリン展開」でかたちを整えるのですが、この写真では単に親指小指を広げただけ、という状態です。
「ナウルの構え1」から内側の2本の指で「空を持ち上げる」を取って、親指小指を1回転ひねって「小さいアムワンギヨ」で仕上げてみました(ナウルの終了処理の前までで止めました)。輪の数はもっと増やせますが、このくらいがきれいかなと思いました。
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Fig.4 : hh210530-1 小さな輪を作ってゆく順番を変えてみても面白いかもしれません。
<おまけのひとこと>
せっかくの週末、あれもこれもいろいろやろうと思っていたのですが、いまとのころどれも中途半端です。うーむ。
5月31日(月) パズルカレンダー(その2)、本物の鳥の巣とあやとりの「鳥の巣」
ポリオミノのカレンダーの情報をいただいた話と、鳥の巣の話です。
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昨日、A puzzle a dayというパズルカレンダーをご紹介しました。そうしたら、いつもパズルに関して詳しい情報を下さるMさんから、12か月×31日分(小の月の存在しない日まで含めて)の372種類の「問題」に対して、それぞれ解の数がいくつあるのかという解析結果の表を送っていただきました。脱帽です。(Mさんはこのパズルをお持ちだそうです。)私が昨日挙げたいくつかの日付の「解の数」を確認したところ、同じ数字になっていました。(良かった…)
Mさんに教えていただいたのですが、パズル工房「葉樹林」の「葉樹林記録」の2021年3月28日にこの“A-Puzzle-A-Day” が掲載されていて、画像のパズルの下に敷かれている紙に印刷されている表が、Mさんが解析された解の数の表なのです。これをExcelのデータとして送っていただいたのです。
いただいたものなので勝手に公開はしませんが、解の数の平均は(実在しない日を除いて、うるう年の2/29も含めて366日の平均を取ると)66.7くらいになりました。解の数が一番少ないのは10/6の7解、一番多いのは1/25で216解でした。
なお、一応今日(5/31)の分も図を作ったので掲載しておきます。87解のうちの1つです。
Fig.1 仮にこのパズルを毎日解くとします。前日のパターンから動かすピースが少ないほうが評価が高いということにしましょう。全部で8ピースありますから、毎日すべてのピースを動かしたとしたら、1年間を通して動かすピースの数は 365 x 8 = 2,920 手かかるということになります(試行錯誤は無視します)。 現実的ではありませんが、たとえばこの“A-Puzzle-A-Day” の寸法が単位正方形が1辺1メートルくらいの重たくて巨大なタイルだったとして、何か博物館の庭とかに設置されていて毎朝日付を変える作業が発生している、というような場合、1年間を通して移動手数が最小になるような手順を事前に組み立てておくと思うのです。
昨日と今日ご紹介した5/30→5/31の例だと、動かないのが2ピースあって動かしているのは6ピースです(もう少し減らせる解もあります)。
→ 例えば6月1日から6月2日に変えるのにピース1枚を動かすだけでできる配置、というのを見つけてみました。明日ご紹介します。(もちろん1年間を通して考えると、こういう「局所最適」が適切かどうかはわかりませんが。)隣り合う日が1ピースを変えるだけで済むというパターンは比較的容易に見つかるような気がします。そういうパターンが年間で100回あったとすると、それだけで年間の移動手数は700くらい減らせる計算になります。
(つづく) ○
庭の鳥の巣、写真を撮っておきたいと思ったのです。でも、これ以上脅かしたり警戒されてもいけないなと思って遠くから望遠で撮るだけにしました。当然、枝などの陰に目立たないように作られているので、遠くからだとどこにあるのかよくわからないと思います。(この写真もクリックすると拡大します。)
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Fig.2 : Bird's nest 子どものころ、「子ども野鳥記」という全6巻の本が好きで何度も学校の図書館で借りました。その6巻目の前半がカラスの話で、後半が「庭に小鳥を呼ぼう」という話でした。この6巻目が特に好きで、こればっかり読んでいました。エサ台の作り方、水浴び場や砂浴び場の話、巣箱の作り方や設置の際の注意事項など、頭に染み込んでいます。いつか庭に小鳥がたくさん来るようになるといいなと思っていました。人間が巣箱を用意しなくても、庭の木に巣を作ってくれるなんてとても嬉しいと思っています。なのでおどかして巣を放棄させてしまったら本当に残念だと思っています。(幸い、巣の所有者の啼き声が聞こえているので大丈夫だと思います。)これからは極力その付近に近づかないでそっとしておきたいと思っています。
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本物の鳥の巣を見て、改めて鳥の巣というナバホの素晴らしいあやとり作品を思い出しました。
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Fig.3 Fig.4 Fig.3 が上から覗き込んだところ、Fig.4 が横から見たところです。
このあやとり作品、出来上がりは対称性が高く見えるのですが取り始めは非対称なのです。1本の輪で作っていることによる制約なのですが、そこがまた面白いです。
<おまけのひとこと>
今週もはじまりました。このところ週末は車関係の用事で時間が取られています。昨日も半日かかりました。来週末も再来週末も予定が入っています。