パターンあやとりの世界


第4章:四本指パターンの様々な処理

 ここまでの章では、一部の開始処理を除いて基本的に三本指のパターンをご紹介してきました。この章では四本指のパターンをご説明します。と言ってもほとんどがこれまで説明した三本指パターンを四本指に適用しているだけですので、新しく覚えることが増えるというわけではありません。(1つだけ、「タイガーショベルノーズキャットフィッシュ」というあやとりと、その終了処理をご紹介します。)

 この章でご紹介するパターンあやとりは、大きく分けて2つのグループになります。1つが「ナウルの構え1」及びそれに簡単な装飾処理を施したものからスタートするパターンあやとり作品群、もう1つが「ナウルの構え2」の途中で出てくる「四本指内側の始めの構え」と呼んでいるパターンから始めるものです。

Fig.1-22b:ナウルの構え1

 「ナウルの構え1」に対して、「ナウルの太陽」「ダブルハートの処理」「四隅の小さな輪の処理」などを組み合わせることができます。また、終了処理も「小さいアムワンギヨ」「ダンスの舞台」「イヌイットの網」「テントの扉」等、三本指パターンの終了処理の操作を施すと、美しいパターンが作れる場合があります。(うまくいかない組み合わせもあります。)

Fig.4-01a Fig.4-01b
ナウルの構え1
人差し指と中指の輪を入れ替える
正ナウルの太陽→逆ナウルの太陽
内側2本をひねって小さいアムワンギヨ
ナウルの構え1
正ナウルの太陽
中指の輪を人差し指に移す
ダンスの舞台

 詳しくは本章内の次節以降で説明します。


 もう1つの「四本指内側の始めの構え」からは、図の人差し指・薬指でできている部分を「始めの構え」だと見なすのです。

Fig.1-23c:四本指内側の始めの構え Fig.1-21b:始めの構え

 そして、時には親指や小指の助けも借りながら、基本は内側の3本の指で何らかのあやとり作品Aを取ります。Aが本来なら親指と小指の間で完成するような作品であれば、人差し指と薬指(もしくは中指)の間にAを作るのです。すると四本指の中間パターンになるので、それに対して四本指の終了処理を行うことができます。

 たとえば、ここでは取り方は説明しませんが「2つの星」という伝承あやとり作品があります(Fig.4-02a)。これを頑張って内側の3本の指で作ると、Fig.4-02bのようになります。

Fig.4-02a:「2つの星」 Fig.4-02b:内側に「2つの星」

 四本指パターンになったので、ここから四本指の「小さいアムワンギヨ」の終了処理を行うとこうなります(Fig.4-02c)。

Fig.4-02c:内側に「2つの星」
(「小さいアムワンギヨ」終了処理)


 以下、こんな順番でご紹介してゆきます。最初に新しい用語である「外側」「内側」を説明するページを設けました。それに続いて様々な終了処理を説明してゆきます。

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2021.05.15
長谷川 浩(あそびをせんとや)


(c)2021 長谷川 浩
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