ALSと親父

 ALSに関係する情報です。
《人工呼吸器》厚生省、外部電源バッテリーを保険適用に(2012.05.12毎日新聞より)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)など難病の在宅患者にとって欠かすことができない人工呼吸器の外部電源バッテリーについて、厚生労働省が今年度から、費用を保険適用とすることを義務付けた。昨年の東日本大震災後の計画停電で、対策が課題となった反省を踏まえた措置。人工呼吸器を使っている在宅患者は全国約1万1300人に上るが、これまでバッテリーが保険適用の対象なのか、不明確だった。全原発が停止し、電力不足が懸念される中、保険医療として明確に位置付け、患者の不安解消を図る。
 在宅で人工呼吸器を使っているALSや筋ジストロフィーなどの患者は、停電で電気が途絶えると命に直結する。このため、これらの患者にとっては災害時などには外部バッテリーが必要だ。厚労省在宅医療推進室によると、これまで保険適用の「人工呼吸器加算」には「人工呼吸器」とだけ記され、バッテリーが対象か、個々の医師の判断に委ねられていた。購入費は2万〜30万円程度で、患者団体などが保険適用するよう求めていた。
 保険適用で、自己負担は基本的に3割となる。ただ、バッテリーの使用電気料は対象としない。
ヒトES細胞からALSの症状出る細胞作製 メカニズム解明に期待(2012.05.09中日新聞より)
−京大チーム、治療薬開発の期待も−

全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と同じ症状が現れる細胞を、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)から作ることに京都大のチームが成功し、9日付の米科学誌電子版に発表した。
 ALSは、運動をつかさどる神経が失われるなどして発症するが、根本的な治療法は見つかっていない。今回、さまざまな細胞や組織になるヒトES細胞から、ALSの症状が出る運動神経細胞を世界で初めて作製したもので、病気のメカニズム解明や治療薬開発が期待できるという。 チームによると、近親者に患者がいる家族性のALSの一部では「SOD1」という酵素を作る遺伝子に異常が見つかっている。
 チームはヒトES細胞に、異常な状態にしたSOD1遺伝子と、異常のないSOD1遺伝子をそれぞれ組み込み、運動神経細胞に分化させて比較。約5週間後、異常のあるタイプの運動神経細胞は、異常のないものよりも細胞死が約20倍多く、ALSと同じ症状が観察された。ALS患者の運動神経細胞にできる異常なタンパク質などのかたまりも同じように見つかった。

和歌山・ALS介護訴訟:介護時間延長、市に命令 21時間以上に--地裁判決
(2012.04.26毎日新聞より)

「以下毎日新聞より」
難病の筋萎縮(きんいしゅく)性側索硬化症(ALS)の70代の男性患者=和歌山市=が、市に1日24時間の介護サービスの提供を求めた訴訟で、和歌山地裁(高橋善久裁判長)は25日、現行の1日あたり約12時間から、21時間以上に延長するよう命じる判決を言い渡した。原告の弁護団によると、ALS患者を巡り、公的介護サービスの時間延長を認めた司法判断は初めて。
 判決によると、06年6月にALSと診断された男性は寝たきりの状態で、70代の妻と2人暮らし。左足小指など体の一部しか動かず人工呼吸器を着けている。今は公的介護に加え、妻とヘルパーのボランティアにより24時間態勢で介護をしている。
 男性は、障害者自立支援法と介護保険による24時間の介護サービスを求めてきたが、市側は「24時間の介護は必要ない」として、約12時間のサービスしか認定してこなかった。

ALS患者の俳句集紹介 和田光雄さん
日本ALS協会長野県支部 支部長の和田光雄さんが俳句集を発行されました。
発病後11年になったことから一区切りと思い、長野放送の俳句紹介のコーナーで放送された句を中信に句集にしたそうです。

和田光雄句集
『ALS患者の俳句と愚かな呟き』(平成23年10月28日発行)
売り上げは日本ALS協会長野県支部に寄付されるとのことです。
                
ALSの原因遺伝子を発見=共通メカニズム解明の可能性−広島大など(2010.04.29 時事通信より)
「以下時事通信より」
筋力が衰える難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新たな原因遺伝子を、広島大と関西医科大、徳島大などの共同研究グループが突き止め、28日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。非遺伝性を含めたALSすべてに共通する発症メカニズムに関与している可能性があり、その解明と治療法開発を目指すとしている。
 ALSの約1割は遺伝性と言われ、いくつかの原因遺伝子が見つかっているが、まだ原因はほとんど分かっていない。
 研究グループは、遺伝性のうち両親とも染色体に異常がある(劣性遺伝)と考えられる症例に着目し、6症例の遺伝子の個人差(SNP)を詳細に解析。うち3例で、細胞内のシグナル伝達にかかわる物質「NFカッパーB」を抑制するたんぱく質「OPTN」の遺伝子に変異があった。
 NFカッパーBは、がんや炎症への関与が知られている。劣性遺伝以外の非遺伝性など、ほかの症例でもこの遺伝子の変異が見つかった。
 一方、発症部位である脊髄(せきずい)の細胞を調べると、非遺伝性や、OPTNとは別の原因遺伝子による症例でも、OPTNたんぱくの固まりがみられた。
 これらの結果から、OPTNが原因遺伝子の一つにとどまらず、すべてのALSの発症に関与していることが示されたとしている。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の最近の知見
5月16日に開かれました、長野県のALS患者・家族交流会の際、信大病院の先生より、ALSの最近の知見のお話がありました。概要を掲載させていただきます。
【ALS研究の動向】
・最近のALS研究の主体は家族性ALSに向けられている。家族性ALSで同定された遺伝子の異常から、どういう機序でALSが起こるのか、どうしたらそれを止める、あるいわ遅らせることができるか?という、研究が広く行われている。
【治験の試み】
[抗酸化物]
MC!-186(エダラボン、商品名ラジカット)
・有効性あり(日本)。経口薬がないのが難点。
[抗炎症薬・抗アポトーシス薬]
リチウム
・ミトコンドリア障害を抑制し、寿命を延ばすと考えられる。
タモキシフェン
・生存期間の延長がみられた。
[グルタミン酸系作動薬]
リルゾール(リルテック)
・ALSの治療薬として唯一の承認薬。生存期間を2−3ヶ月延長する。
iPS細胞:ALS患者から作成 病気解明に期待 米研究チーム(2008.08.01 毎日新聞より)

ALS患者の細胞からiPS細胞を作成、分化させて運動神経細胞を作ることに成功.

[以下毎日新聞より]
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成し、これを分化させて運動神経細胞を作ることに、米のハーバード大、コロンビア大の研究チームが成功した。病気の解明に向けた研究に役立つと期待される。7月31日付の米科学誌「サイエンス」電子版で発表した。
 ALSは運動神経細胞が徐々に破壊されることで、筋肉が衰え全身が動かなくなっていく進行性の難病。日本では約7700人の患者がいる。
 ハーバード大のケビン・エガン准教授らは82歳の女性患者から皮膚細胞を採取。iPS細胞を開発した京都大チームと同じ方法でiPS細胞を作成した。さらに、胚(はい)性幹細胞(ES細胞)で開発された手法を用い、iPS細胞から神経細胞を作った。この細胞は患者と同じ遺伝子型を持ち、将来的には細胞移植治療への応用も考えられるが、研究チームは「iPS細胞作成の際にがん関連遺伝子を導入しているなど課題が多い」と指摘している。

新たな原因遺伝子、新潟大などが発見 (2008.04.29 毎日新聞より)
ALSの新たな原因遺伝子を発見.

[以下朝日新聞より]
筋肉が次第に動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の新たな原因遺伝子を、新潟大の小野寺理准教授らが発見した。この遺伝子による「TDP43」というたんぱく質の異常が症状を引き起こすとしている。異常は約9割を占める非遺伝性ALSでもみられることから、原因究明が大幅に加速すると期待される。26日付の米神経学会誌で発表した。
ALSは遺伝性と非遺伝性があり、運動をつかさどる神経が侵され、症状が進むと自力呼吸も難しくなっていく難病。非遺伝性ALS患者の神経細胞には、TDP43というたんぱく質が蓄積することがわかっている。しかし神経細胞が侵された結果として蓄積するのか、蓄積によって神経細胞が侵されるのかは不明とされていた。
小野寺准教授らは、TDP43の異常がみられる一部の遺伝性患者を研究。TDP43をつかさどる遺伝子に異常が見つかったことから、TDP43が神経細胞を侵す原因であるとした。
難病ALSの進行を抑制 東北大がラットで確認 (2008.03.13 共同通信配信NEWSより)

ALSになったラットに神経細胞を増やす働きがある物質を投与し、病気の進行を抑える実験に成功.

[以下共同通信配信NEWSより]
運動神経が死んで全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、筋委縮性側索硬化症(ALS)になったラットの脊髄に、神経細胞を増やす働きがある物質を投与し病気の進行を抑える実験に、青木正志東北大講師(神経内科)らの研究チームが13日までに成功した。
サルの実験でも同様の効果が出始めており、引き続き効果と安全性が確認されれば、少数の患者を対象にした臨床試験を来春にも始める計画。
名古屋市で開催の日本再生医療学会で14日、発表する。
青木講師らは、ALSを発症するよう遺伝子操作したラットの脊髄で、病気の進行に伴って神経のもとになる「前駆細胞」と呼ばれる細胞が増えているのを見つけた。
前駆細胞が神経になるのを助けてやればALSの症状の改善につながる可能性があると考え、ALSラットの脊髄に、神経を含む多様な細胞を増やす働きがある肝細胞増殖因子(HGF)という物質を、約1カ月にわたりチューブで投与した。
発症から死ぬまでの日数は平均28日で、比較のため生理食塩水を投与したラットの同17日に比べ、約1・6倍長かった。脊髄内の神経細胞数も、食塩水ラットの倍以上多く残っていた。
チームは、HGFの働きで、脊髄の細胞死を抑制したり、前駆細胞が神経に成長するのを促進したりした結果ではないかとみている。

難病ALS 進行関与の細胞特定、治療法開発に期待 (2008.02.04 朝日新聞より)
ALSの進行にグリア細胞のうちの2種類が関係していることを突き止めた。治療法の開発につながる可能性がある。

[以下朝日新聞より]
全身の運動神経が侵される難病「筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)」の進行に、神経細胞のネットワーク作りに重要とされるグリア細胞のうちの2種類が関与していることを、理化学研究所などのチームが突き止めた。治療法の開発につながる可能性がある。3日付けの米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表する。
理研脳科学総合研究センターの山中宏二・ユニットリーダーらは、特定の細胞から遺伝型のALSに関係する遺伝子変異を取り除けるマウスモデルを作った。このマウスを使い、グリア細胞のうち、神経細胞を支え養う働きがあるアストロサイトから、変異型遺伝子を取り除いた。すると病気の進行が大幅に遅れた。また、傷んだ神経細胞を修復する働きがあるというミクログリアが病巣で神経細胞に障害を与えていることもわかった。
ALSの進行を遅らせる有効な治療法として、この二つのグリア細胞を標的とした幹細胞治療法や薬剤の開発が考えられる。
介護保険について
通常介護保険サービスを受けられるのは65才以上ですが、ALS(筋萎縮性側策硬化症)の場合、医療保険に加入している40才以上の方であればサービスを受けられます。市町村の介護保険担当窓口に申請します。

親父も要介護5の認定を受け、用具のレンタル・訪問介護・訪問入浴などのご支援をいただいていました。
身体障害者手帳について
身体障害者手帳は、身体に障害がある方が、さまざまな福祉施策を利用するために必要な手帳です。手帳は、障害の程度により1級から6級までの区分があります。
[サービス概要](障害の部位、等級区分により受けられるサービスが異なります)
・医療費の助成
・補助具の交付・修理、日常生活用具の給付
・税の軽減
・交通機関の運賃割引
など
[申請方法]
交付申請書、医師の診断書・意見書、写真を添えて市町村役場の福祉課に提出します。

親父も身体障害者手帳1級を交付いただき、日常生活用具の支給で、"吸引器"、"パソコン"をほとんど自己負担なしで支給していただきました。支給については、各市町村により状況が異なるようです。なかなか支給してもらえないという話も耳にします。
特定疾患医療費給付について
ALS(筋萎縮性側策硬化症)は、国指定の特定疾患になっており、患者の保険医療費の自己負担分を公費で負担してくれます。(患者の生計を維持している者の所得に応じた患者一部負担額を除く)申請手続きは保健所です。各保健所により異なるかもしれませんが、審査が定期的であるため、申請のタイミングにより受給者証が手元に届くまで多少時間がかかるかもしれません。保健所に申請書類を提出して受理された日から有効ですので、受給者証が届くまでの医療費については、後日申請することで戻ってきます。

親父もALS診断後、すぐ申請しました。(ALSの進行を遅らせる薬"リルテック"が高価なので、すぐ申請するようにと先生から指導がありました)

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