以前の「ひとこと」 : 2023年1月後半
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1月16日(月) “Math Without Numbers”(数字のない数学)、あやとり
1月後半です。今日は数学のすばらしい本のご紹介とあやとりの話です。(あと、昨日の式の簡単化の式変形も。)
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先週末の14日、15日はプライベートなイベントで東京に行っていました。イベントは和やかに終わり、帰りに新宿の紀伊国屋書店の洋書フロアに寄って帰りの特急の中の読み物を物色したところ、すばらしい本がありました。
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“Math Without Numbers” Milo Beckman(2020) Penguin books のペーパーバックで、税込2,252円でした。表紙(上の画像はクリックすると大きな画像を別窓で開きます)には、イアン・スチュアートの“Everyone should read this delightful book”(全ての人はこの楽しい本を読むべきだ)という推薦文が書かれています。
このタイトルを見て、私は最初に「数字のない数学」という古い本を連想しました。が、もちろん全然違う本です。
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全く別の「数字のない数学」 タイトルの通り、この本に出てくる数字はページ番号くらいで、後は数字はほとんど出てきません。まず「かたちはいくつあるんだろう?」「無限よりおおきいものはあるんだろうか?」といった素朴な問いから語り始めて、ごくごく身近な話題を取り交ぜながら数学の概念とそれらの関係をあくまでも平易に語ってゆきます。
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Contents of “Math Without Numbers”
Contents
Topology
Shape・Manifolds・Dimensions
Analysis
Infinity・the Continuum・Maps
Algebra
Abstraction・Structures・Inference
Foundations
a dialog
Modeling
Models・Automata・Science
上記がこの本の目次なのですが、ご覧の通りこれがまた特筆すべきシンプルさなのです。面白いイラストが多用されていて、説明のわかりやすさ、細部を大胆に省略しつつ本質は外さずかつ間違ったことはもちろん書かないという絶妙な内容です。感動的です。
こちらの Penguin Randomhouse のサイトのこの本のページ Math Without Numbers By Milo Beckman を見ると、著者(Milo Beckman : 1995〜)はハーバード大の2年生だった16歳(!)で、数学の大学院レベルの一連のコースを修了しているのだそうです。まだ二十代です。
特急列車での移動の2時間のために長持ちする英語の本を時々購入するのですが、拾い読みしながらだいたい1時間くらいでトータルでせいぜい10ページかそこら読んでギブアップしてしまうことが多いのですが、この本は最初から読んでいって、ほぼ2時間かけて60ページくらいまで読み進みました。良い本屋さんというのは、こういった本の出会いがあるので好きです。
これ、本当にお勧めの本です。
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昨日の「デマイブラの開始処理」から「7つのダイヤモンド」をやってみました。全く違った印象のあやとりになります。
「ダンスの舞台」などの斜め格子あやとりの中央左右の交差が絡みになったかたちになります。そうか、このパターンはこうやって作ればいいのか、とわかりました。
参考までに昨日の「焼け焦げた葉のククイの終了処理」を再掲しておきます。
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「デマイブラの開始処理」→「焼け焦げた葉のククイ」印象が全く違って面白いです。
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昨日のこの式変形の問題、
途中の式変形と結果をこちらに用意しました。ご覧になりたい方はどうぞ。
<おまけのひとこと>
このところ駅で駐車場を利用するときは、ネットで予約できる駐車場を使うようにしています。若干値段が高いのですが、領収証の正本がpdfなので出張精算のときに提出するのが楽なのと、パーク&ライドの証明を駅窓口でやってもらう必要が無いのが簡単なのです。ただし、市のイベントがある日は駐車場が予約できないのです。今回はネット予約できる駐車場が使えなかったので、普通にパーク&ライドの駐車場に車を停めました。そうしたらつい駐車券を持ってゆくのを忘れて、昨夜帰着したときに有人改札窓口に事情をお話して、雨の中、車まで取りに行ってきました。失敗…
1月17日(火) ユニット折り紙(12枚組)、あやとり
年末年始に作ったユニット折り紙の話と、あやとりの話です。今日は時間がなくて簡単な更新です。
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先月、YouTubeの Origami Watermill Kusudama(Fendy Tong)という動画を見て、このユニットなら手間がかからなくて作れそうと思ってやってみました。
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写真 1:ユニット 同じ平面上に配置される3つを同じ色にすることにして、4色×3枚で12ユニットを用意しました。 それほど苦労せずに組めました。
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写真 2:4回回転対称軸方向 写真 3:3回回転対称軸方向 これと同じように4つの面が交差するかたちは、正三角形にスリットを入れて4枚を組むというモデルを昔作って、ワークショップで何度も教材として活用しました。
そのときのCGアニメーションが出てきたのでご紹介します。こちらとこちらです。(別窓で開きます。)
アニメーションファイルのモデルは、こんな風にちょっと変形したかたちを組んでいます。
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「デマイブラの開始処理」から「アムワンギヨ」をやってみました。
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- デマイブラの開始処理
- 人差し指の構え
- 全ての指を向こうへ1回転ひねる(たぶん向きは自由)
- 人差し指の向こうの糸を上へ、手前の糸を下へ広げ、
その人差し指の輪の中を通して(左右を順番にやると良い)
- 親指の輪をつまんで外し、小指の輪に下から上へ通して親指に掛け直す
- 小指の輪をつまんで外し、親指の輪に下から上へ通して小指に掛け直す
- 全ての指を向こうへ1回転ひねる
- アムワンギヨ
<おまけのひとこと>
すみません、何通かメールを頂いているのですが御返事が遅れていて失礼をしております。申し訳ないです。
1月18日(水) 同じものを見つけるゲーム、あやとり
ゲームの話とあやとりの話です。
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ちょうど1年ほど前、Spot It! というカードゲームをご紹介したことがありました。(こちら )
Spot It! 各カードには8種類の絵が描かれていて、どの2枚のカードを取っても、同じ絵が必ず1つだけあるという構成になっているものでした。先日、愛知県のKさんからこれについてメールでコメントを頂いたのです。ありがとうございます。この機会に続きの話を書こうと思いました。
説明のため、とりあえずサンプルとして1枚のカードに4つのシンボルが描かれているものを考えてみました。シンボルは全部で13種類、カードは13枚になりました。シンボルはアルファベットにしました。少しでも見分けやすいようにと思って、フォントや色を変えてみました。全部変えるのは大変なのでいくつかのグループに分けて変えています。
このシンボルを使って、以下の13枚のカードを作ってみました。(画像をクリックすると拡大します。) シンボル、2×2の配置にしたほうが良かったかな。
どの2枚を選んでも、必ず同じシンボルが1つだけある状態になっていることを確かめてみてください。
(つづく) ○
昨日の「デマイブラの開始処理」から「アムワンギヨ」をちょっと変えてみます。
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「デマイブラの開始処理」→「アムワンギヨ」「アムワンギヨ」の手順の後半、親指の2つの輪を一緒に手前へ1回転ひねる操作がありますが、それを省きます。
もう少し長い糸が欲しくなります。ただ、ひもの硬さや摩擦が適切でないと長い糸を使ってもきれいにかたちが整いません。手持ちの何種類かのひもで取ってみたのですが、いずれもいまひとつでした。
<おまけのひとこと>
今日のトピック、サンプルの画像を作ったところで力尽きました。このところ忙しくなってきています。
1月19日(木) Spot It!の一人遊び(ソリティア)、あやとり
昨日のSpot It!のカードセットを使った一人遊びの話とあやとりの話です。
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各カードに8種類のシンボル(絵)が描かれた丸いカード55枚(なぜか55枚)のセットで構成されている Spot It! というカードゲームがあります。
Spot It! 全てのカードは違うのですが、どの2枚を選んでも、その2枚に共通するシンボルが1つだけ存在しています。典型的な遊び方としては、場に1枚のカードが開かれていて、下向きに(シンボルの面が見えないように)積まれた山札(パイル)の一番の上のカードをめくって、2枚だけが表面が見える状態にして、最初にその2枚に共通するシンボルの名前を言った人がもともと場にあったカードをもらえる、というものです。いちばんたくさんのカードを取った人が勝ち、というシンプルで人数を問わずに遊べるゲームです。
これを一人で遊ぶ、という遊び方がSpot it(R) Solitaire(Donna A. Dietz:2013)という論文に紹介されていたのです。それをご紹介したいと思います。すみません、最初にお断りしておきますが、私は現時点では Spot It! を持っていません。(先週の日曜日の夕方に新宿のハンズに寄ったときに店頭で見かけたのですが、荷物が多くて疲れていて購入を断念しました。)なので、以下は伝聞情報に基づいて書いています。
まず、Spot It! のカードセット55枚から6枚を取り除きます。Spot It! で使われているシンボルの種類は57種類で、完全なカードセットは57枚でなければいけないはずなのですが、なんらかの事情で55枚になっているのだそうです。完全な57枚のセットであれば、57種類のシンボルは全て8回ずつ使われている(8枚のカードに登場する)のですが、2枚欠けているがゆえに、「雪だるま」のシンボルだけは6枚のカードに現れ、それ以外の欠落しているカードに使われるべき14種類のシンボルは7枚のカードに現れ、残りの42種類のシンボルは8枚のカードに現れる、ということになっています。
「雪だるま」を含む6枚のカードを取り除くと、56種類のシンボルが等しく7回ずつ使われているカードセット49枚ができます。繰り返しますがこの状態でも「どの2枚を選んでも、その2枚に共通するシンボルは1つだけ」ということは変わりません。1つのシンボルに注目して、それが登場するカード7枚を集めてみましょう。1枚のカードには8つのシンボルが描かれていますから、共通のシンボル以外には7つのシンボルがあります。カードは7枚ありますから、注目するシンボル以外のシンボルは7×7=49種類あって、それは全て異なります。(そうでなければ2枚のカードに共通するシンボルが複数あることになってしまいます。)
以上を前提に、この49枚のカードを以下の条件を満たすように7×7の格子に配置するのがこの一人遊び(ソリティア)の目的です。
7×7の配置のうち、任意の2枚を A1 = (x,y), A2 = (x+h,x+k) とします。
この2枚には1つだけ、同じシンボルが含まれます。
A1→A2のベクトル(h,k)をA2に加えて、新たにA3 = (x+2h,x+2k) というカードを見つけます。
ただし 7×7 からはみだしてしまった場合は 7を引きます (mod:剰余演算) 。
このとき、A3にも、A1,A2と同じシンボルが含まれるようにしてください。
(つまり、どの2枚のカードを選んでも、その2枚を結ぶ直線上の等距離のカードには同じシンボルがあるようにしてください。)この例として、上記の論文にはこんな図が載っています。
FIGURE 2 of above paper 「はみ出したら7を引く(modulo演算)」というのは、図形的に言うと周期的境界条件になっているということです。壁紙画像のように同じものが繰り返し使われていると考えればわかりやすいです。上の図の A1→A2→A3 はわかりやすいですが、B1→B2→B3 のほうは、下の図のように周期的になっていると考えると、B1→B2のベクトルを伸ばした先に B3 があるのがわかると思います。
図 1:周期的境界条件 これを56種類すべてのシンボルで条件を満たすように49枚のカードの配置を決めなさい、というかなり手ごたえのある一人遊びです。
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もっと簡単な例として、昨日の1枚のカードに4つずつシンボルが描かれている13シンボル13枚で同じことをやってみました。
図 2 昨日の横長のカードだと図が描きにくかったので、カードのデザインを変えました。
Spot It! のときと同様に、1つのシンボルを含むカードを取り除きます。たまたま “I” を含むカードを除外しました。ここで取り除かれる4枚のカード(下のグレーの部分)には、共通シンボル “I” 以外の12種類のシンボル(A,B,C,D,E,F,G,H,J,K,L,M)がちょうど1つずつ使われています。
図 3 上の図の残った9枚のカードを3×3に配置したものが、実はソリティアの条件を満たしている配置になっています。たとえばシンボル “A” に注目してみるとこうなっています。
図 4 他のシンボルについても確かめてみてください。
この遊びの背景の数学が面白いのですが、それについて書く時間がなくなりました。できればご自分でこの9枚のカードを手書きでいいので作ってみて遊んでみるだけでも楽しいと思います。
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今日のあやとりは「デマイブラの開始処理」→「ナウルの太陽」→「焼け焦げた葉のククイの終了処理」です。
<おまけのひとこと>
Spot It!のソリティアの説明のための図を作ったりしていたら時間がなくなってしまいました。
1月20日(金) 射影幾何学ゲーム、あやとり
昨日のSpot It!のカードセットを使った一人遊びがオンラインで遊べるサイトの話とあやとりの話です。
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昨日、Spot it(R) Solitaire(Donna A. Dietz:2013)という論文に書かれていた一人遊びについてご紹介しました。実はこの論文の著者の方のサイト https://www.donnadietz.com/ に、Projective Geometry Games Home(射影幾何学ゲーム) というページが用意されていて、そこでオンラインでこのパズルを楽しむことができるのです。
最初に、昨日アルファベットのシンボルでご紹介した 3×3 の問題を解いてみました。
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n=3:Initial n=3:Final 完成すると背景色が変わります。
次にn=5に挑戦してみました。これはまだ完成できていません。途中経過です。注意深く見ると少し揃い始めているのがわかると思います。
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n=5:Initial n=5:Intermediate 25枚のカードに使われているシンボルの種類は30種類もあるのでなかなか大変です。
おもしろいです。ぜひお試しください。
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今週ご紹介している「デマイブラの開始処理」からのあやとり、今日は大きいテントの幕です。リンク先の石野さんのサイトに注記がありますが、「大きいテントの幕」は終了処理として使うことができるということが50年くらい前に発表されています(江口雅彦)。
最後、マグネットボードに固定するときは親指・小指が捩れていると強い張力をかけられないため、最後の手順で捩れを無くしています。
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同じようなあやとりをご紹介しているので、ちょっと違うあやとりの話を。
以前、「東京タワーの構え」と勝手に呼んでいる2本指の開始処理をご紹介したことがありましたが(下の写真上の赤い糸のあやとり)、中央の縦の2本の糸が分離ではなく交差になっているもの(写真左下の黄色いあやとり)、絡みになているもの(写真右下の水色のあやとり)を取ってみました。
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hh230120-a,b,c「分離」「交差」「絡み」 どうやったらこのかたちになるでしょう? また、ここからどんなふうに継続しましょうか。
(つづく)
<おまけのひとこと>
国際あやとり協会から、会員登録の更新に関するメールをいただきました。さっそく返信しました。今年こそは少しはあやとり協会に貢献したいと思いつつ、なかなかその時間を捻出できずにおります。
1月21日(土) 射影幾何学ゲーム関係情報、あやとり
射影幾何学ゲームに関してお寄せいただいた情報のご紹介とあやとりの話です。
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Spot It! というカードゲームを題材とした射影幾何学ゲームのご紹介をしていますが、これに関して複数のメールをいただきました。本当にありがとうございます。
愛知県のKさんからは、カードゲーム ドブル(Dobble)の数理 というblogを教えていただきました。7回くらいにわたって丁寧にこのカードセットについての考察が書かれており、参照リンクも充実しています。素晴らしいです。
(上記のblogからリンクされている高橋 磐郎:組合せ理論とその応用というページで紹介されている本、私も持っています。ひさしぶりに引っ張り出してきて読んでみています。)
Kさんはこの情報を活用されて様々なシンボルを使ったテーマ別「ドブル」セットを教材としてデザインされたそうです。「カタカナ、漢字、拗音、都道府県名などのドブルを作りました」とのことです。カタカナ版のカード1枚当たり6シンボルのセットのpdfデータを送っていただきました。ありがとうございます。6シンボルならばカードは31枚ですね。都道府県版、8シンボルでデザインするならば都道府県名が足りないので、県庁所在地名が都道府県名と異なる都市を加えて作ったら楽しそうだなと思いました。
またKさんは、私がStop It!を持っていないと書いたのを読んで下さって、ゲームの説明書なども送って下さいました。ありがとうございます。私は一番シンプルな遊び方しか知らなかったのですが、5種類ほどの遊び方が紹介されていて、それも非常に興味深いです。本当にありがとうございました。
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また、2020年7月に正方形の問題でメールをいただいたMさんからも今回の件で作られたドキュメントをいただきました。ありがとうございます。Mさんは「魔円陣」との関係について考察されています。これについても説明しようとすると大変なので、今回は参考文献へのリンクに留めたいと思います。筑波大学の秋山茂樹先生の魔円陣と有限幾何という記事が良いと思いました。
こうしてコメントや情報をいただけて大変嬉しく思います。ありがとうございました。
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昨日、「分離、交差、絡み」を取り分けたこんな写真をご紹介しました。
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hh230120-a,b,c「分離」「交差」「絡み」 あやとり協会の吉田さんから、上記の上の赤い「分離」の状態(「東京タワーの構え」と仮に呼んでいるもの)からメクラヘビの目を取ってみた、という画像をいただきました。ありがとうございます。
それに触発されて、同様に「分離、交差、絡み」のこんなパターンも作ってみました。
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hh230121-a,b,c「分離」「交差」「絡み」 このひもの長さだとかなり苦しかったので、もう少し長い糸で取り直してみました。
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hh230121-1「分離」 hh230121-2「交差」 hh230121-3「絡み」 昨日のものや今日のものをどうやって取り分けているか、その手順は後日ご説明したいと思います。「分離」「交差」「絡み」は別々な3本指の構えから始めて、その後の操作は共通です。昨日のものも今日のものもどちらもそうなっています。
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吉田さんから送っていただいた画像にあった「メクラヘビの目」と「東京タワーの構え→メクラヘビの目」を自分でも取ってみました。
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メクラヘビの目 東京タワーの構え→メクラヘビの目 週末なのでリビングで更新作業をしているのですが、手間を惜しんで座ったままであやとりの写真を撮ったら背景がきれいに消せませんでした。
<おまけのひとこと>
来週の仕事(本業のほう)の準備ができていなくて、この週末はその仕込みをしないといけないです。(でもこれから本屋さんには行く予定)
1月22日(日) 折り紙の家(その1)、あやとり
折り紙の話とあやとりの話です。
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こんな一枚折りの立体的な「家」の折り紙が紹介されているサイトがありました。本をまるごと一冊公開されている感じで、公開を著者の方が承諾されているのかわからないのでリンクは張りませんが、こんな作品です。
図 1 これを折ってみたのですが、屋根がうまくとめられませんでした。これを折るのは諦めて、不切一枚折りで同じように立体的な家ができるものを探してみたら、YouTubeに動画があったので(こちらの Make an Easy Origami House :: Casa en Origami という動画です)、それを見て同じものを折ってみました。
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写真 1 写真 2 偶然、屋根の縞模様がうまく繋がったのが面白かったです。
ところでこの折り紙も比率を変えて折ることはできないでしょうか? 挑戦してみました。
(つづく) ○
一昨日にご紹介した「分離、交差、絡み」を取り分けたこれらのあやとりですが、
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hh230120-a,b,c「分離」「交差」「絡み」 実はここから「二段ばしごの処理」をすると、こうなるのです。
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hh230122-a,b,c「分離」「交差」「絡み」 上の赤いあやとりは「分離した四段ばしご」、左下は「四段ばしご」そのもの、右下は「中央が絡んだ四段ばしご」です。
逆に言うと、四段ばしごの最後のはしご展開の直前の状態が、1つ上の左下の黄色の状態なのです。(厳密にいうと小指の輪が半回転ひねられています。)
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「これは仕様バグか?」 子ども向けの知育玩具の“惜しい仕様”に数学マニアたちが盛り上がる という記事を興味深く読みました。
1/3+1/4+1/5+1/9+1/9= 記事を読む前に、上記の円グラフ(?)が正しいか(全部足して1になっているか)考えてみてください。
<おまけのひとこと>
このところ何通か、非常にありがたい情報をメールでいただいています。ありがとうございます。その際、「添付ファイルのサイズが大きすぎるためか、配信できませんでした」というエラーメッセージが帰ってきてしまっているということを教えていただきました。実はしばらく前に契約しているwebサービスのプロバイダがwebmailに対応するようになったのですが、そのときのデフォルトの設定値が不適切で、サーバ側のメールボックス容量や受信できる最大メールサイズがかなり小さい状態だったという事に今回気が付きました。あわてて設定を変えて、大きなサイズのメールも受信できるようにしました。ご迷惑をお掛けして大変申し訳ありませんでした。また、教えていただいて本当にありがとうございました。
1月23日(月) 折り紙の家(その2)、あやとり
折り紙の話とあやとりの話です。
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昨日ご紹介したこちらの Make an Easy Origami House :: Casa en Origami という動画を見て折ってみた立体的な切妻屋根の家の折り紙ですが、比率を変える折り方を試みてみました。
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写真 1 写真 2 写真1左の黄緑色の屋根のほうはお手本通りの比率で折ったものです。写真2左の途中図で、中央の黄緑色の部分(屋根になる部分)が正方形になっています。写真1右の水色のほうは、少し比率を変えて折ってみたものです。途中図の寸法と完成形の寸法の関係は下の図のようになっています。
途中図の寸法と完成形の寸法 これは面白いです。いろいろな比率で折ってみたくなりました。
(つづく) ○
あやとりです。デマイブラの手順の活用の検討、今日は5本指の内側3本でデマイブラの処理を行ってみました。
なかなかおもしろいです。
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先日食品スーパーに行ったら、トミカのミニカーの箱が目に入りました。こんなところになぜトミカの箱が? と思ってよく見ると「かまぼこトミカ」と書いてあります。そういえば年末にどこかのニュースサイトか何かで見かけた覚えがありました。お正月が過ぎてセール品になっていたので、思わず買ってしまいました。こういう企業努力には感心します。
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パッケージ 箱を開けて取り出してみました。なるほどかまぼこです。
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中身 切ってお皿に並べてみました。
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盛り付け さすがかまぼこでは有名な小田原の鈴廣の製品だけあっておいしかったです。デザインで勝負している製品でも味がいまひとつだとがっかりしてしまいますが、今回はまったくそんなことはありませんでした。とても好印象を持ちました。
<おまけのひとこと>
この週末は仕事が終わらず、土日とも半日以上机に向かっていました。今週は出張の予定があるのですが、寒波到来ということでちゃんと行かれるのか、あるいは行けたとしてちゃんと帰ってこられるか心配です。
1月24日(火) 折り紙の家(その3)、あやとり
折り紙の話とあやとりの話です。
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昨日の折り紙の一枚折りの立体的な家ですが、比率をいろいろ変えてみました。昨日も載せた写真ですが、途中こんな状態になるのですが、
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これは最初に下のように折るとき、aの部分をどれだけはみ出させるかを変えることで比率が変わります。
比率の決め方 オリジナルの折り方は上の図の上のように折り紙の正方形の4つの頂点が中心に集まるように折ります。(これを「ざぶとん折り」と説明している折り紙の本もあるようです。)
以下、様々な比率で折ってみたものを並べてみました。
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写真 1 写真 2 ちなみに裏側はこんな風になっています。
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写真 3 写真 4 写真があまりよくないですが、実際に折っていくつか並べてみるとなかなか良いです。黄緑色か水色の屋根の家くらいの比率が好みかなあと思います。
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あやとり、デマイブラの手順の活用の検討で、昨日のあやとりの姉妹編のようなものを取ってみました。最後の終了処理だけ違います。
これも意外とおもしろいかなあと思っています。
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分子自己集合の常識が覆る!?自己集合で低対称な分子集合体を形成できることを発見というニュースリリースがありました(長崎大学 馬越啓介教授:2023年1月16日)。
一般に結晶構造というのは対称性が高く規則的で美しいものだと思われていると思います。(私ももちろんそう思っています。)物質を分子のレベルでミクロに見てみると(自分の肉眼で直接見たことはないですが)、規則的な周期構造になっているものがたくさんあります。ところがこれらが集まってマクロな世界になると、規則的な周期構造は特殊で珍しいものになります。たとえば身近な小石とかのかたちは特に規則性や対称性があるということはありません。結晶がマクロな大きさまで規則性を保って成長したものは美しくて珍しいので昔から大事にされてきました。
逆にミクロな世界で、生命を構成する様々な分子はとても複雑なかたちをしていて、その固有のかたちゆえにその分子固有の機能が発現されます。よく「カギと鍵穴」(鍵と錠前)などと例えられます。錠前は、それ専用の鍵でなければ開けられない(そうでなければ錠前としての意味を成さない)です。これらの複雑な分子のかたちを言葉で説明するのはほとんど不可能です。かたちや構造を言葉で説明したり記述したりできるということは、そのかたちを例えば三角とか四角とかの基本的な要素に分解したり当てはめたりすることができる、ということです。(こういうのをちょっと難しく「形状プリミティブ」と呼んだりします。)
上記のニュースリリースには、ミクロな世界において従来のような周期構造・対称構造を持たない分子の合成が非常に重要であり、現在盛んに研究されているということが書かれています。おもしろそうです。
<おまけのひとこと>
ニュースリリースを読んだ時に頭に浮かんだことを書き留めようと思ったのですが連想が広がりすぎてうまくいきませんでした。良い研究をして一流の雑誌に掲載されると、その研究機関はニュースリリースを発表します。そこには、その分野の専門家ではない一般の読者に向けてできるだけわかりやすく研究の内容や価値について伝えようという想いで文章が書かれていることが多いです。「へー、知らなかった、おもしろい」と思うことも多いです。
1月25日(水) 折り紙の家(その4)、あやとり
折り紙の話とあやとりの話です。
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立体的な家の折り紙、別なものも折ってみたくなって調べていたら、立体折り紙 一枚の折り紙で作る立体的な「一戸建てマイホーム」折り方動画付き というページがありました。フチモトムネジさんの創作折り紙が紹介されています。2種類ありました。フチモトムネジさんの折り紙はファンです。折ってみました。写真1、写真2はそれぞれを前から見たところです。
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写真 1 写真 2 この折り紙のデザインは、背面があいています。(昨日までの家の折り紙は床面があいていました。)
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写真 3 写真 4 不切一枚折りでこんなかたちもできるんだ、というところが感動的です。この折り紙作品、冒頭に折り紙を三等分する折り線を付けます。私はこういうときは方眼の目盛りのついたカッティングマットを使うことにしています。一辺を3等分とか5等分する折り線を入れるときにとても便利なのです。
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あやとり、デマイブラの開始処理から「二段ばしごの処理」です。
これはなかなか面白いと思いました。
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磁石で右と左を区別することに成功 〜鏡と電子スピンの不思議な関係〜 というプレスリリースがありました。リンク先のページはあっさりしていますが、こちらのプレスリリース本文(pdfで9ページ)は読み物として充実しています。今日は時間が無くて感想やコメントは書きませんが、面白かったです。
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気象庁のアメダスで、2023年1月25日(水) 午前2時の気温分布を見てみました。予報通り日本の四島はほぼ氷点下です。(伊豆の石廊崎や千葉の館山などがかろうじてプラスの気温です。)
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我が家の外の温度計は氷点下13℃を指していました。鉄道の運行状況が心配です。
<おまけのひとこと>
また何冊か本を買いました。読んだら記録としてここに書きたいと思っています。
1月26日(木) 折り紙、あやとり
折り紙の話とあやとりの話です。昨日が大変だったので今日は軽い更新です。
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先日、こんな折り紙を折りました。
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写真 1 写真 2 こちらのYouTubeの遊べる折り紙ブーメランの作り方(JoTo Tai) というのを見て折ってみたのです。あんまり精度がよくありません。動画のように投げてみても上手く飛ばず、戻ってくることもありません。ただの浅い正八角形のお皿になってしまいました。まあでもそれはそれでいいかな。
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あやとりです。今日はエカイブウィトです。仕上げだけ「焼け焦げた葉のククイの終了処理」にしています。(小さいアムワンギヨまではやっていない)
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- エカイブウィト
- ナウルの太陽(人差し指は外さない)
- 人差し指の輪から内側3本指で「3本指の構え」
(「5本指の構え」を取るときと同じ)- ビヤトエイディオウィナゴ
- 全ての指を向こうへ1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
先日ご紹介したこちらのあやとりとちょっと似ているなと思ったのです。
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hh230119-1 改めて比べてみるとけっこう違いました。
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昨日、1月25日前後は10年に一度の大寒波という予報が盛んに報道されていました。運悪くその日は大阪出張が決まっていました。半年ほど前、同じ出張先に行ったときにも帰りにひどい目に遭いました(こちらに経緯を書きました)。今回はまあそこまでではなかったものの、それなりに大変でした。自分の記録のために、また週末あたりにどんな行程だったのか書いておこうと思っています。
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昨日は列車のダイヤが乱れていたので、帰りの夕食がどうなるか予測ができませんでした。帰りは途中で買い物をする時間が取れないかもしれない(中央西線特急「しなの」は車内販売はありません)ので、打合せ前にかなり余裕をもって移動した途中の大阪モノレールの千里中央駅入り口のセブンイレブンでパンを買ったのです。結局これは自宅まで持ち帰ったのですが、気圧が違うのでこんなに膨らみました。
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今朝は氷点下14℃くらいでした。寒い…
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<おまけのひとこと>
室外温度計、だいぶ汚れてきてしまいました。でも機能しているのでこのまま使い続けたいです。
1月27日(金) 環状差分集合(Spot It!の一人遊びからの発展)、あやとり
先日のSpot It!というカードゲームの一人遊びの話からの発展と、あやとりの話です。
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先日、Spot It!(もしくはドブル) というカードゲームの話を少しご紹介しましたが、その時に情報を頂いたMさんやKさんから、継続して新たな情報をいただいています。本当にありがとうございます。
魔円陣(もしくは円環ゴロム定規)の話を送って下さったMさんから、Cyclic Difference Sets - by Kris Coolsaet というサイトを教えていただきました。Mさんはこの内容を日本語訳されて、さらにご自分で考察や解釈を追加されたドキュメントを送って下さいました。ありがとうございます。
上記のリンク先の本文の冒頭に、こんな首飾りが出てきます。(丸い配置の図を自分で作ってみました)
黒とオレンジの石の首飾り 黒が9つ、オレンジが4つの円環順列です。4つのオレンジの石のうち2つに注目し、その2つの間にある石の数を、色は無視して数えることを考えます。この円環順列は、2個の石の選び方が異なれば、間にある石の数も必ず異なっています。上記のサイトでは、ここを出発点に議論が展開されています。お勧めです。
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あやとりです。最近、「交差」と「絡み」をコントロールすることに興味を持っています。まず、こんなあやとりを取ってみました。
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hh230127-1 下の図の赤マル、緑マルのように、4か所の交差があります。
4か所の交差 このうち、(1).赤マルだけを絡みにする、(2).緑マルだけを絡みにする、(3).全てを絡みにする ことを行いたいのです。どうすればできるでしょうか。
(つづく)
<おまけのひとこと>
今朝は少し気温が上がりました。燃えるゴミを出せる日なので出しに行ってきました。車のフロントガラスが凍っていなくて楽でした。
1月28日(土) Rubik's Slide、あやとり
ルービックスライドというパズルの話とあやとりの話です。すみません、日曜日に、28日(土)と29日(日)の2日分まとめて更新しています。
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ルービックスライド という電子ゲームのパズル玩具をご存じでしょうか。
Rubik's Slide このパズルは2010年に発表、発売されたものだそうです。いつも情報を頂く Juanan さんがRubik's Slide というページを公開された、と教えていただきました。このページから、javascriptで実際に遊べるページ Simulator Rubik's Slide へのリンクが張られています。さっそく遊んでみました。
まずは操作に慣れるため、最も難易度の低い “1+0” を試してみます。(難易度は右側の Target: の下の Difficulty のプルダウンメニューから選べます。)[MIX] ボタンを押すと目標(ゴール/ターゲット)が設定されます。
Difficulty:1+0 左側のメイン画面の枠の外側に白い矢印が8方向に描かれています。これを押してみると振る舞いがわかります。赤い四角が1つだけなので、上下左右の4方向だけで解けます。赤マス1個の場所の候補は9か所ありますが、初期状態がどこであっても必ず2手以内に目標の場所に移動できます。
Difficulty:2+0 難易度を “2+0” にしてみます。今度は上下左右の平行移動だけでは解けるとは限りません。
このパズルは、3×3の9マスのパターンを、9マス全部を縦か横に1ステップ平行移動する動き(translation)と、中央のマスは固定してその周囲の8マスを時計回りもしくは反時計回りに1つずつ移動する動き(rotation)があります。以下、簡単に図示してみました。(下の図をクリックすると2倍に拡大します。)
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赤マス2個の場合も、任意の初期状態から任意の目的の位置に移動させることができます。では赤マスの数が3個や4個になったらどうでしょうか?
(つづく) ○
昨日、このあやとりの
4か所の交差 (1).赤マルだけを絡みにする、(2).緑マルだけを絡みにする、(3).全てを絡みにする、にはどうしたらよいでしょうか? と書きました。そうしたらあやとり協会の吉田さんから答をいただきました。ありがとうございます。とても嬉しいです。
これ、左右中央の縦の緑の2つの交差を絡みにするのは簡単で、最初の構えの後で左右の人差し指の輪を交換すれば良いのです。これは頻出手順です。問題は横の2か所の赤い交差ですが、これは以下のように取ることができます。
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hh230128-1
- はじめの構え
- 右人差し指で左掌の糸を取る
- 右人差し指を向こうへ1回転ひねる
- 左人差し指で右人差し指の輪の中から右掌の糸を取る
- 左人差し指を向こうへ1回転ひねる
- 人差し指の手前の糸を親指で取る
- 人差し指の向こうの糸を小指で取る
- 人差し指を外す
- 親指・小指で二重ナバホ
上記の手順1.〜5. のかわりに「人差し指の構え」→「人差し指を向こうへ1回転ひねる」ではダメなのです。先に取った右手の輪をひねった後で、その輪を通して左手で取る必要があります。
では全くひねらない、ただの「人差し指の構え」から同じことをやるとどうなるかというと、こうなります。
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hh230128-2
- 人差し指の構え
- 人差し指の手前の糸を親指で取る
- 人差し指の向こうの糸を小指で取る
- 人差し指を外す
- 親指・小指で二重ナバホ
改めて並べてみると
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ひねらない 半回転 1回転 となります。(中央縦の交差を絡みにしたもの、写真を撮ったつもりが撮り忘れていました。)
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今月の文庫本の新刊で出たもうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓(稲垣えみ子:幻冬舎文庫)を買って読みました。同じことはできませんが、共感する内容がたくさんありました。
私は凝ったお料理はできませんが、買い物に行ったときにお買い得なものがあると、それを買ってどう調理して食べようか考えるのが好きです。といっても調理法は「煮る」「焼く」「炒める」「蒸す」「漬ける」「おろす」くらいしかバリエーションはありませんし、味付けも「しょうゆ」「みそ」「しお」に、何か辛いものを加えるくらいしかバリエーションはありません。手間もお金もかけずに完全に自己流で適当に作って食べるのは楽しいです。
著者の稲垣さんのように冷蔵庫も電子レンジも炊飯器も使わないというのは真似をしようとは思いませんが、旬な野菜をあまり凝った調理をせずにシンプルに食べる、というのはすでにやっています。ただ、この本でお勧めされていた「干す」というのはやったことがありませんでした。今度やってみたいと思いました。
<おまけのひとこと>
先週は忙しくて疲れが溜まっていて、1日更新を休みました。2日分まとめて書いています。
1月29日(日) 2本の紐を使ったあやとり、他
あやとりの話です。
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先日、こんな小さなあやとりをご紹介しましたが、
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hh230120-a,b,c「分離」「交差」「絡み」 いつもは使わないこの短いあやとりひもを2本使って、こんなものを取ってみました。
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hh230129-1 hh230129-2
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hh230129-3 hh230129-4 1970年代初めに、日本では野口広先生を中心にあやとりのブームがあり、様々な研究が行われました。その中で、創造的なあやとりの基本的なアイディアは非常に多くのものがすでに研究されており、その中にこういう2本のあやとりひもを使ったあやとりについての研究もあります。これらは通常の1本の輪のあやとりとは開始処理から全然違います。どんなふうに手順を記述するのがわかりやすいか、これから自分なりに確立したいと思っています。
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先日、10年に一度の寒波と言われた1月25日(水)に日帰りで大阪に出張してきました。その顛末を自分の記録として書いておこうと思います。(ただの日記です。)
中央西線の特急で名古屋に出て、そこから新幹線で新大阪に行きました。打合せは午後からでしたが、何が起こるかわからないので始発のJR券を予約していました。私は中央東線沿線が最寄駅なので、普通列車で塩尻駅に出て乗り換えるのですが、その接続が良くないのです。朝6時前に最寄駅の駐車場(Netで予約できる、1日700円という駐車場を利用しています)に車を入れました。気温は氷点下14度くらいでした。道路がピカピカに凍結して、その上にうっすらと粉雪が積もっています。
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塩尻駅で特急列車が発車する7:14まで40分待ちです。6:50に開店する立ち食いそば屋さんでお蕎麦を食べて温まりました。その後で駅のトイレを借りたのですが、洗面台が凍結していました。(写真だとよくわからないかもしれません)
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乗車する予定の特急列車が少し遅れてホームにやってきました。マイナス10℃くらいのホームで待っていたので、暖かい車内にようやく入れるのが嬉しいです。
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…と思ったら車内に入っても寒いのです。これはどうしたのだろう、コロナ対策で強力に換気をしているのだろうか、と思ったら車内アナウンスで空調機器の故障だということがわかりました。約2時間、非常に寒い車内でコートを着て帽子も手袋もして縮こまっていました。9時半前に名古屋に着いて、あまりの寒さについホームで「きしめん」を食べてしまいました。
名古屋から新大阪の新幹線はほぼ定刻に乗車したのですが、通常だと50分程度で到着するところが、滋賀県内で速度を落として運行したためその倍くらいの時間がかかりました。帰りは最終の1本前の特急しなの23号に乗車する予定で新幹線の切符も買ってありました。20分程度の乗り換え時間を想定して買ってあったのですが、帰りも遅延するだろうと思って、打合せが終わってすぐに新大阪駅に向かい、その時に乗れる一番先の新幹線の自由席に乗ることにしました。予定より25分ほど早く発車する新幹線に乗れたのですが、乗車予定の特急には5分ほど間に合いませんでした。ただし、乗車できなかった理由が接続する新幹線の遅延だったため、発車時刻後でしたが最終の特急の指定券に変えてもらうことができました。
最終の特急しなの25号だと塩尻の待ち時間が1時間近くあるのです。さすがにホームには暖房の効いた待合室があるのですが、時間があるので駅から一番近いコンビニ(5分くらい歩きます)まで温かい飲み物を買いに行ってきました。接続する中央東線の普通列車も10分ほど遅延していて、自宅に帰り着いたのは23時半くらいでした。
実際に対面で話ができる機会は貴重なので行って良かったと思っています(ただし打合せはあまり期待した成果は出せませんでした)。現地に3時間居るために、自宅を出てから自宅に戻るまでに18時間というなかなか大変な日帰り出張でした。何よりも行きの特急列車の暖房が効いていなかったのがつらかったです。
<おまけのひとこと>
2日まとめての更新で、しかもお昼過ぎになってしまいました。
1月30日(月) Rubik's Slide(その2)、交差と絡みのあやとり
3×3の盤面で色を入れ替えるパズルの話とあやとりの話です。
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一昨日ご紹介した(更新は昨日ですが)ルービックスライドというパズル、
Rubik's Slide Juanan さんのRubik's Slide というページで公開されている Simulator Rubik's Slide で遊んでみています。
このパズルは3×3=9マスのうちのいくつかのマスに色を付けて、その色のマスの位置を決められた手順に従って変えることで目標の配置にするというものです。色付けに使う色は1色もしくは2色で、それぞれの色を塗るマスは1〜4マスのようです。1色だけを使った場合、着色するマスが1マスなら解いてみるまでもなくとても簡単ですし、2マスでも易しいパズルです。では3マスになったらどうでしょう?
盤面は9マスありますから、この中から3マスに色付けするやり方は(盤面の回転や鏡像反転は許さないものとして)84通りあります。この84通りを全部挙げて、互いに移動できる状態遷移図を作っても良いのですが、さすがにそれはちょっと大変です。
図 1:盤面 実は、Juananさんに教えていただいたのですが、Rubik's on the Torus(J.F.Alm, M.Gramelspacher, T.Rice:2013) という論文があって、そこでこのパズルに関して解析をされているのです。この論文では、任意の3か所に色のついた状態が作れることを示しているのですが、まず、水平もしくは垂直な平行移動によって、中央の[5]のマスに赤を持ってくることができることに注目します。
図 2 続いて残りの2色の配置パターンに注目するのですが、8か所の配置は回転移動でぐるぐる回すことができます。なので、いわゆる「首飾り順列」で、8つのうち2つに着色するパターンを数えてみると、以下の4通りしかないことがわかります。
図 3 場所を固定する2つ目を[1]のマスだとすると、以下の4つが互いに変換できれば、全ての3か所の着色パターンは作れるということになります。
図 4 同様に、1色で4か所に着色する場合についても中央に着色し、周囲の8か所のうち3か所に着色するパターン(7通りあります)が互いに行き来できることを示せば、このパズルの操作手順ですべてのパターンが作れることがわかります。
(つづく) ○
2×2の4つの菱形のあやとりの間をつなぐ部分の「交差」を「絡み」にする話をご紹介しています。写真が無かったので今朝準備しました。
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hh230127-1
全て交差hh230128-1
水平2か所が絡み
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hh230130-1
垂直2か所が絡みhh230130-2
全て絡み全て「絡み」にすると、4つの輪がかなり丸っこくみえるようになってきました。これを見ていたら、こんなものが作りたくなりました。
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hh230130-3:4つの輪 ぜんぶ分離した「4つの輪」です。これは両手の中ではうまくかたちが整わないです。おもしろいですが、空中(両手の間)ではあまりきれいにかたちが決まらないので、「あやとり」としてはあまり良くないかもしれません。
<おまけのひとこと>
本業のほうがいろいろ忙しくなってきました。ありがたいことではあります。
1月31日(火) Rubik's Slide(その3)、交差と絡みのあやとり
3×3の盤面で色を入れ替えるパズルの話とあやとりの話です。
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ルービックスライドというパズルの話の3回目です。動きのルール等は前回の内容をご確認ください。
Rubik's Slide こちらの Rubik's on the Torus という論文で解析されている内容を追いかけてみました。
上記の論文には、昨日書いた「中央+周囲の2か所に着色する4つのパターンが互いに変換できること」が示されています。図を引用させていただきます。
ここで、h は右方向(水平方向)に1ステップ動かすことを表し、vは下方向(垂直方向)に1ステップ動かすことを表し、cは時計回りに1ステップ回転移動することを表しています。h-1、v-1、c-1はそれぞれ逆の移動になります。
同様に、「中央+周囲の3か所に着色するパターン」は7種類あります。
図 1 上記の論文のFigure.3 には、この7つの状態の状態遷移のための手順が書かれています。
これで、9箇所のうちの任意の4か所に赤マスを移動することができることが示されました。
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さらに、このパズルは隣り合う任意の2か所を入れ替えることができることが示されています。
図 2 時計回りに3回回転させ(c3)、続いて右に1ステップ動かします(h)。これを7セット繰り返すと上の図の[1]と[4]のマスだけが入れ替わって、それ以外の7つのマスは元に戻ります。(実際にやって確かめてみました。)
平行移動と回転移動で、入れ替えたい隣接する2マスをこの位置に持ってきて、入れ替え操作 (c3h)7 を施して、最初の移動操作を逆手順で戻せば良いのです。ものすごく手間はかかりますが、これで原理的に任意の初期状態から任意の配置に変換できることがわかります。(実際にははるかに少ない手順で全ての状態が作れます。)
上記の論文の冒頭には、このパズルが数学の教材として優れているということが書かれています。その通りだと思いました。
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パロボラチョという南米の伝承あやとりがあります。実はこのあやとりの途中の段階で、昨日までご紹介してきたパターンに似た状態が出てきます。ただし表と裏が逆になっています。そこで、最後の終了処理だけ「裏」にしてみました。これで、水平方向の2つの「絡み」を「交差」にすることができました。
この「裏パロボラチョの終了処理」、他のあやとりにも適用してみたくなりました。
<おまけのひとこと>
最近読んでいる本についても書きたいと思っているのですが時間がないです。