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以前の「ひとこと」 : 2006年8月後半



8月16日(火) 

 このお盆休みはいろいろな行事が盛りだくさんだったのですが、わずかに空いた時間は「数学文化」の原稿を書く準備をしていて、このページの更新ができませんでした。見に来てくださる方々にお詫びします。

<おまけのひとこと>
 お盆も過ぎて、夜風が肌寒く感じるようになってきました。夏も終わりです。子供たちの夏休みももう終わりです。私も明日からはまた仕事です。






8月17日(木) マグネットスター

 しばらく前から、本屋さんで、乗り物などの模型がシリーズになった雑誌をよく見かけるようになりました。そんな中に、木製のパズルのシリーズもあったのですが(パズル コレクション)、すでに持っていたり、あんまり面白くなさそうだったり、値段のわりにはつくりが粗いのが気になったりで、買ったことはありませんでした。(それに、残念ながらそもそも本屋さんにあまり行きません。)

 先日、ちょっと立ち寄った本屋さんで、珍しくその1冊を買いました。この形が大好きなのです。

マグネットスター

 三角柱が4本、互いに組み合わさったかたちをしています。パーツは下の写真のようになっています。

パーツ

 磁石で簡単に組み立て・分解ができて楽しいです。

 なお、この形は以前、紙模型とCGでご紹介したことがありました。ご覧下さい。

04年4月16日

04年4月17日

 たいへん美しくて面白いと思います。

<おまけのひとこと>
 腕時計の電池が切れてしまいました。時計屋さんに持っていったら、リューズの部分が腐食してしまっていてだめですねと言われました。長年使っていた時計なので残念です。






8月18日(金) 「五角形アウト」

 8月4日にご紹介した、岩沢宏和さんのスライドパズルのシリーズで、買いそびれていた1つを買いました。

再掲図

図 1

 追加で買ったものです。初期状態がこの写真の位置だというところにちょっと驚きました。(これ以上書くとヒントになってしまうので、感想はこれだけにします。) このシリーズのほかの3つとだいたい同じくらいの時間で解けたと思いますが、たいへん味わい深いよいパズルだと思います。

図 2

 このパズル、収納性が高いのが気に入っています。普通の音楽CDのパッケージと同じプラスチックケースに入っていて、立ててもパーツがずれたり崩れ落ちたりしないように押さえるための透明な部材が付属しています。おかげでCDの棚に自然に収めておけます。お勧めです。

<おまけのひとこと>
 Tetra's BLOGという blog が、こちらのTETRA'S MATHというページに移動されたということを知りました。今は「多面体木工」のお話が書かれています。「あそびをせんとや」について、大変好意的な感想を書いてくださってありがとうございます。






8月19日(土) 

 来客がありました。スピネットを気に入ってもらえて喜んでいます。






8月20日(日) 

 暑い中、朝から半日外で仕事をしたら疲れました。お昼過ぎに楽譜屋さんに寄って、今日が誕生日の上の子にフルートの楽譜を買って帰りました。

 忙しいといいつつ、ちょっと本を読み始めたら止まらなくなって、だいぶ時間を使ってしまいました。






8月21日(月) [3,4,3,4,3,4,3,4]

 昨年の9月17日のひとことで、頂点の構造が[3,4,3,4,3,4,4]というかたちをご紹介しましたが、そういった「スポンジ構造」の別な形をご紹介しようと思います。

 正方形と正三角形による造形です。正方形は黒、正三角形は白のパーツを使っています。

図 1 図 2

 無限に続くパターンの一部を取り出しているのでわかりにくいと思いますが、図1は一般的な視点方向から見ているところで、図2は正方形のパーツの面を真上から見下ろしているところです。

図 3 図 4

 図3、図4は正三角形の面を見下ろしているところです。白い机の上で撮ったのはちょっと失敗でした。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 無限に続く構造の一部を模型にするのは、「どこで止めるか」というところが難しいです。






8月22日(火) 空間充填

 昨日の正方形と正三角形による造形の骨組みをCGにしてみました。ファイルサイズが大きくてすみません。昨日のJOVOブロックの構造と比べてみてください。

 視点と見る方向、それから視野角で印象がまるで変わります。このCGは魚眼レンズのように、広視野を視界におさめているので、実は図形がかなりひずんで見えます。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 今日は図を1つ作るのが精一杯でした。22日は忙しいので、前夜の更新になります。






ひとこと


8月23日(水) さかさ文字

 先日、井上直久さんの個展を見に行ったときに、ふと思い立って久しぶりに「さかさ文字」を作ってみました。

 まだアイディアレベルで、もっと作り込む余地がありますが、とりあえず掲載しておきます。

<おまけのひとこと>
 昨夜、古い知り合いから連絡があって、この週末に近くまで来るとのことです。久しぶりに会えそうで、楽しみにしています。






8月24日(木) 有名な問題

 先日、仕事の帰りがけに、職場で雑談をしていた人たちからコインの計量問題を尋ねられました。私なら知っているだろう、即答するんじゃない? と思ったそうです。 以前、02年10月15日に書いた問題を、ちょっと加筆して再掲します。

 コインが12枚あります。そのうち1個だけがニセモノで、本物とは重さが違いますが、本物より重いのか軽いのかはわかりません。てんびんばかりによる計量を3回して、どれがニセモノなのか、またそのニセモノが重いのか軽いのかをあててください。

 話題になっていたのは、まずこれをどうやってやるかということと、13枚でもできるらしいということ、また「てんびんばかり3回の計量なら、ニセモノを発見できる上限の枚数は13.5枚だということだが、この13.5枚というのは何なのか?」 ということだったらしいのです。

 12枚ならニセモノがどれで、それが重いか軽いかまで示せるということ、13枚でもニセモノがどれなのかは当てられるけれども、運が悪いとそれが重いか軽いかが示せない場合があること、14枚以上ならば無理だということを話しましたけれども、13.5枚という数の理屈は即答できませんでした。

 帰りの車の中で、「あ、そうか」とひらめきました。でも、自宅で調べてきたと思われるのも癪なので、説明はしていません。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 web でメールアドレスを公開していると、例えば出会い系サイトに誘導するような不要なメールがたくさん来ます。ほとんどのものはタイトルと差出人だけ見て削除してしまうのですが、たまに一瞬判断に迷うことがあります。さっき、超ずけい という件名のメールが来て、一瞬なんだかすごい図形に関する話なのかなと思ってしまったのですが、よくみると「超すげい」というタイトルでした。とほほ。






8月25日(金) 有名な問題(つづき)

 昨日、ニセモノのコインを天秤ばかりで見つけるという有名な問題についてちょっと書きました。その中で、天秤を3回使って重いか軽いかわからないコイン1個をみつけることのできる全体の枚数の上限は13.5枚だという説の意味は何だろう、という質問に即答できなかったということを書いたのですが、その続きです。

 天秤ばかりは、「右が下がる」「右が上がる」「つりあう」の3つの状態をとることができます。ということは天秤ばかりを1回使うと、3つの状態のうちの1つ、ということが決まります。2回使うと、3つの状態それぞれの先に、また3つの状態がありますから、3×3=9状態になります。3回ならばさらに3倍の27状態、ということになります。 

 ということは、どんなにうまく計量してやっても、3回の計量では最大で27の状態を区別することができるだけ、ということになります。 13個のコインに1番から13番まで番号を振ったとすると、可能性としては「1番が重い」「1番が軽い」「2番が重い」「2番が軽い」・・・「13番が重い」「13番が軽い」という26通りが考えられます。これが14個になると28通りになってしまいますから、3回の計量で区別できる27通りを超えてしまいます。というわけで理論上の上限が13.5個だ、という説の根拠は、27を2で割った結果が13.5だからだと思います。 (もしも、1個だけ重さが違うコインが「軽い」ことがわかっているとしたら、これはとても素直に、3回の計量なら27個が上限になります。)

 では、13個ならば26通りの状態ですから、「3回の計量で重さが違う1個をみつけて、なおかつそれが重いか軽いかを決める」ことはできるでしょうか? 残念ながらこれは無理なのです。

<おまけのひとこと>
 今週は、(今日も含めて)とても忙しい一週間でした。ちょっと優先度が低い仕事がどんどん先送りにせざるを得なくて、なかなか一段落しません。 とかいいながら、昨夜も夜7時半くらいから実験の用意をしつつ、「コインの計量問題の情報量表現」の議論などをしてしまって、逐次法ではなく機械的方法の設計と結果の生成方法などを話していたら30分くらい実験開始が遅くなってしまいました。








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