あそびをせんとや


2001.02.27 公開
2024.03.29 更新

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ひとこと



3月29日(金) カードゲーム「ベガー・マイ・ネイバー(すかんぴん)」(その2)

 トランプによるカードゲームのご紹介のつづきです。



 昨日、Beggar My Neighbour(ベガー・マイ・ネイバー) という二人用のカードゲームのご紹介をしました。このゲーム、実際にやってみるとあっけなくあっさり終わってしまうこともあれば、自分の山のカードがほとんどなくなった状態から大逆転勝利、ということもあります。(昨日ひとりで3ゲームくらいやってみたのですが、そのうち1回は「残り2枚」まで追い詰められた側が最後には勝ちました。左右にカードの山を置いて、「左手さん」対「右手さん」の戦いをやりました。プログラムを書いて観察しようかとも思ったのですが、手っ取り早く実物で試しました。)

 このゲーム、勝負がつかない(=終了しない)ことはあるのだろうか? という問いがあるのだそうです。たとえば、1セット52枚ではなくて、もっとカードを減らしてみましょう。プレーヤーAとBはそれぞれ3枚ずつカードを持つとします。Aの特殊カードはJが1枚目(山の一番上のカード)、Bの特殊カードはJが2枚目で、残りの2枚ずつは通常カードだとします。これを A={J,-,-} B={-,J,-} と表記することにします。それぞれ一番左が山の1枚目で、通常カードはなんでも同じなので - で表現します。Aが先手です。

 実際のプレイをイメージして、このミニゲームを可視化してみました。便宜上自分の山のカードは表向きにしていますが、実際は裏向きです。

図 1
A={J,-,-} / B={-,J,-}

A={-,-,J,-} / B={J,-}

 AがJackを出して、場のカードを取る権利を持ちました。Bは通常カードを出したので、この2枚はAのものになって、Aの山の一番下に順番を崩さずに入れられました。この回はAの勝利です。

図 2
A={-,-,J,-} / B={J,-}

A={J,-} / B={-,-,J,-}

 次の回もAからです。Aが通常カード、BがJackを出し、ここでBが場のカードを取る権利を持ちました。次にAが出したのは通常カードなので、場の3枚はBのものになりました。このターンでAとBの手が入れ替わっているのがわかります。もちろん手番も入れ替わっています。なので、このゲームは終わりません。

 もう少し続けてみます。

図 3
A={J,-} / B={-,-,J,-}

A={-,-,J,-} / B={J,-}

 さらに続けてみます。

図 4
A={-,-,J,-} / B={J,-}

A={J,-} / B={-,-,J,-}

図 5
A={J,-} / B={-,-,J,-}

A={-,-,J,-} / B={J,-}

 手の構造はすぐに同じになりましたが、カードの組合せが再現するのはここまでかかりました。図5から図2になって、あとはずっと繰り返されます。

 少なくともミニゲームなら「終わらないゲーム」が成立することがわかりましたが、1セット52枚を26枚ずつに分けたときに「終わらないゲーム」は存在するのでしょうか? 計算機でランダムにシャッフルして探索しても見つからなかったのだそうです。それが最近見つかった、という論文があったのです。

(つづく)



 逆に、最もはやく終わるゲームについて考えてみます。26枚ずつに分けたとき、片方の山に「特殊カード(A,K,Q,J)」が1枚もなければ、カードは全部取られて終わりです。それはあまりにも不公平なので、片方の山には黒のカード26枚(スペードとクラブのカード13枚ずつ)、もう片方の山には赤のカード26枚(すべてのハートとダイヤのカード)があるとします。このとき、片方が一度も勝てずに終わることはあるでしょうか?

(つづく)


<おまけのひとこと>
 雨が降っています。昨夜は風と雨が強かったです。




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