あそびをせんとや


2001.02.27 公開
2016.12.04 更新

ちょっと珍しいパズル・ゲーム・ブロックなどを紹介するページです。


ひとこと


12月3日(土) トロムリッツの鍵盤とフルートのためのソナタ(その1)

 すみません、今回の更新はほどんどが音楽の話題です。

 前回の更新では、Croubelisという作曲家の話をご紹介しましたが、今回はトロムリッツ(Johann George Tromlitz:1725-1805)という作曲家の作品の話です。興味がない方はごめんなさい。

 IMSLPというすばらしいサイトがあって、よくお世話になっています。昔だったらヨーロッパの博物館とかに行かないと閲覧できなかった、昔の楽譜のファクシミリとか手稿譜とかの画像を、遠い東洋の日本に居ながらに見ることができるのです。

図 1

 この楽譜が面白そうだったので、演奏してみたくなりました。鍵盤とフルートのためのソナタ集です。

図 2
図 3

 図2が冒頭の画像です。上に「ソナタ1 フォルテピアノ もしくはクラヴィチェンバロ」と書かれていて、五線の大譜表の左側には Grazioso と書かれています(と思います)。図3は3番のソナタの冒頭です。こちらは Moderato と書かれていると思います。

 この図を見ていると、決して読みやすいとは言いませんが、なんとかこのまま印刷すれば演奏できるのではないか、と思って印刷してみたのです。ところが、いざ演奏をしようとしてみると、なんだか様子がおかしいのです。初めて見る楽譜で演奏を始めるときには、まず拍子と調性を確認します。通常、鍵盤曲の場合は右手がト音記号で左手がヘ音記号の大譜表で書かれますので、てっきりそのつもりで見てみたら、どうもおかしい。

 実際の楽譜を読み進めてみると、これは4分の2拍子(四分音符2つ分)だということがわかります。ということは、この数字の分母は4だということがわかりました。次に、どうやらフラットが1つだけ付いているので、ヘ長調らしいということがわかります。でも、左手はともかく右手のフラットの位置が普通ではありません。

図 4

 図4は、図2の部分を現代譜でト音記号で書き直したものです。つまり、音部記号が違っていたのでした。一応一通り鍵盤で弾いてみたのですが、なかなか厳しいです。仕方なく楽譜を起こすことにしました。

図 5

 この週末(12/3、12/4)はフルートと鍵盤のソナタを2曲と、パート譜だけ持っていない楽譜のパート譜を2曲、楽譜を作って印刷して、妻に弾いてもらって合わせてみていました。充実した週末でした。

(つづく)





 サッカーのJ2、地元長野県の松本山雅はプレーオフ準決勝で負けてしまいました。がっかり。

<おまけのひとこと>
 12月4日(日)に、12/3〜12/9の一週間分の更新をしています。先日の更新で日付を更新し忘れていた日があったのですが、メールで教えていただくことができました。感激しています。ありがとうございました。




12月4日(日) ハ音記号(その1)

 昨日、「ト音記号ではない表記の楽譜」で苦労したという話を書きました。以前にも書いたこともありますが、現在では大部分の楽譜はト音記号かヘ音記号で書かれますが、例えばビオラとかチェロとかのように、ハ音記号を使って楽譜がかかれる場合があります。以下の例をご覧ください。

図 1 図 2 図 3 図 4

 図1はビオラ記号とかアルト記号とか呼ばれる音部記号(cref:クレフ)です。図2はよくご存じのト音記号です。図3はテノール記号、図4はソプラノ記号です。図1から図4には1つずつ音符が書いてありますが、これらはいずれも「ド」の音です。ただし、図2と図4は中央の「ド」ですが、図1と図3は1オクターブ下の「ド」です。

 図1、図3、図4は記号の名前としては「ハ音記号」ですが、その位置がずれることで違った譜表になります。古い楽譜では、ハ音記号だけでなくト音記号がずれているものもあります。

図 5

 図5、トロムリッツの手稿譜の左下に「くしゃくしゃっ」とした線が描かれていますが、これがハ音記号です。縦の二重線の右側に、数字の3のようなかたちが描かれていますので、ハ音記号だとわかります。ハ音記号の中心が五線の第1線を指しているので、これはソプラノ記号だということがわかりました。

図 6
図 7
図 8

 図6の手稿譜を、そのまま現代譜に描き直したのが図7です。このままでは演奏が大変なので、ト音記号に直しました(図8)。これなら簡単です。

 私が使っているのはオープンソースのすばらしいソフトウェアであるMuseScoreというものです。これは、音符入力モードのときに、数字キーで入力する音符をセットしておいて、あとは音の高さを音名のアルファベットでキーボードから入れてゆきます。手稿譜を見て音名を入れていきます。音符の数としては1曲でたぶん千個を超えると思います。さすがにこれだけ入れてゆくと、だんだんソプラノ記号にも慣れてきました。でも、続けていないとすぐに忘れると思います。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 12月3日(土)の早朝、というよりは12月2日(金)の夜中から楽譜づくりの作業を始めて、1曲が仕上がったのが翌朝でした。午前中の10時くらいに演奏してみて、気にったのでもう1曲楽譜を作ろうと思って、午後から始めて夜遅くまでかかりました。楽しいです。




12月5日(月) ハ音記号(その2)

 現在ではほとんどがト音記号とヘ音記号で用が足りるのですが、昔はなぜたくさんの音部記号を使ったのでしょうか?

図 1

 図1はよくある大譜表です。「真ん中のド」を中心に、2オクターブ分の音符を描いてみました。

 ピアノの楽譜などは、ト音記号とヘ音記号の間をもっと空けて表記することが普通ですが、楽譜というのは本来は横軸が時間で縦軸が音の高さを表すグラフですから、図1のようにちょうど線が1本分の間を空けるのがグラフとしては美しいです。

 描かれていない「真ん中のド」を通る線を引いてみました(図2)。

図 2

 こうすると線は11本になります。人間は、パッと見て物の数がわかるのは4から5が限界だと言われています。大部分の人は、それ以上になると意識して数えないと瞬間的に数がわかりません。(もちろん私もそうです。)線が5本だと間は4つ、これだと瞬間的に位置がわかります。

 11本の線と鍵盤との関係を図示してみました。

図 3

 こういう図を描くのもとても楽しいです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 なんだかハープみたいです。




12月6日(火) ハ音記号(その3)

 昨日、「なぜ五線なんだろう?」という疑問に対して、人間が数えずに直観的に数がわかるのが4から5までだからではないか、という話をしました。

 ではなぜ、たくさんの音部記号が作られたのでしょうか?

 昔の楽器や人間の声は、演奏に使える音域はだいたい2オクターブとちょっとくらいでした。なので、1つの五線の上下にちょっとはみだすくらいで充分だったのです。さらに、できるだけ五線からはみ出さないほうがコンパクトで情報を詰め込みやすいのです。昔は紙も貴重でしたし、効率がよかったのです。

図 1

 図1に、いくつかの音部記号の例を描きました。要は、自分の楽器の音域をできるだけうまくカバーする音部記号を使って、五線からなるべくはみ出さないようにしていたのです。なので例えばソプラノ記号を読むときには、一番下の第1線を頭の中で消して、一番上に目に見えない第5線がある、と想像するとト音記号が見えてきます。( ただ、私は「移動ド」派なので、ホ長調だと思って読むほうが早いですが。) 

 私が疑問なのは、同じパートを表現するときに音部記号を変えることで何かニュアンスを表現するようなことがあったのだろうか、ということです。ト音記号ではなくあえてソプラノ記号を使うことで何か表現したいことがあったのでしょうか。

<おまけのひとこと>
 こんな疑問をこのページに書いても仕方がないかなあとは思いますが。




12月7日(水) トロムリッツの鍵盤とフルートのためのソナタ(その2)

 トロムリッツのソナタが気に入ったので、どんな人だったのか少し調べてみました。そうしたら、あのクララ・シューマンの母方の祖父だったということがわかりました。

 シューマンがクララと結婚するときに、クララの父でありシューマンのピアノの師であるヴィークの反対で苦労した話は有名です。シューマンの生涯の数々のエピソードや、ブラームスとクララ・シューマンのエピソードなどを思い出しました。そんな風に自分が知っていた人とつながっていることがとても面白く感じました。

 画像はすべてWikiPedia のものです。トロムリッツの肖像に描かれているフルートが興味深いです。当時は肖像画を描いてもらうのはとてもお金がかかったようで、きっとご自慢の楽器や服装なんだろうなあと想像します。

 「ご自慢の」肖像画、というと、化学者のラボアジェを思い出します。高校の化学の授業だったか、大学の化学系の何かの講義だったか、今となっては記憶があいまいですが、その時にきいたラボアジェの生涯についての話はとても印象に残っています。恵まれた出自で、本業は高収入の徴税請負人をしていたこと、現在の日本円であれば年収は数億円くらいあったこと、その資金を使って特注の非常に高価な実験装置を揃えて、数々の優れた実験を行って「近代化学の父」と呼ばれること、そのご自慢の実験装置を肖像画に描かせていること(これを連想しました)、でもフランス革命で処刑されてしまったこと、

 連想した話を書きはじめるときりがないです。ラボアジェについて検索してみたら、こんな資料がありました。お勧めです。

<おまけのひとこと>
 作曲家のエピソードは、子供の頃に家にあったレコードの全集の解説書を読んで覚えた内容がほとんどです。数学者や化学者のエピソードは、本で読んだり学校で先生から聞いたりした知識が多い気がします。今はネットに知識や情報はあふれていますが、ありすぎて何を見たらいいのかわからないような気がします。学校教育というのはありがたいものだなあと今更にして思います。




12月8日(木) 二桁の掛け算の話

 道を歩いているときとか、見かける車の4桁のナンバーを、2桁ずつの数字だとみなして掛け算してみる、という遊びを半ば無意識にやっています。先日、たまたま2台並んでいた車のナンバーが[75-76]と[95-60]でした。いつものように掛け算してみたら、

 あれ? 答が同じになりました。75×76のほうは、こんな風に計算しました。

 末尾が5の数字の二乗は計算が簡単です。なのでこうやって分解して計算しました。95×60のほうは、

 こんな風に計算しました。素直に90×60+5×60=5400+300 でもよかったかもしれません。

 素因数分解してみれば明らかなのですが、見た瞬間にはわからなかったので面白かったです。

 今回はたまたま覚えていましたが、「あれ、この計算おもしろい!」ということが何度もありますが、後で思い出そうとしても「あれ、今日はどんな数字の計算を面白いと思ったんだっけ?」と思っても思い出せないことがほとんどです。でも、飽きないあそびです。

<おまけのひとこと>
 プライベートの時間が足りなくて、やりたいことがなかなかできません。




12月9日(金) MuseScore

 このところ楽譜を作るのに時間をかけていますが、使っているのはMuseScoreというソフトウェアです。

 上記はキャプチャした画像なので、ここからはリンクしていません。すみません。

 楽譜を作るときにやりたいことがたくさんあるのですが、どのような操作をすればよいかわからないことが多くて、そのたびにGoogleで検索しています。調べたのは「3連符の入れ方…[Ctrl]+[3]」、「影譜(小さな音符)に変換する方法…[F8]でメニューが出る」、「連続する全休符の小節を1つにまとめる…[M]を押すと切り替わる」、「コピーライトを後から追加する…[File]メニューの[プロパティ]で入力」、などです。

 あと、これはMuseScoreは関係ないのですが、古い楽譜のpdfは、ページ数が多くて、しかも各ページが高解像度の画像の重たいファイルが多いのですが、この中から指定ページを抜き出す処理、フリーのツールだとCubePDFとかSepPDFなんていうのが有名ですが、今回そのいずれもがハングアップしたり異常終了してしまうファイルがありました。これを分割するのに、Webブラウザでそのpdfを開いておいて、印刷機能で指定ページをpdfに出力するようにしたらうまく切り出すことができました。ブラウザは大きくて重たいファイルでも扱える設計になっているようで、感心しました。

<おまけのひとこと>
 出版されている楽譜として入手が難しいような楽譜で、自分が手稿譜から起こしたり、通奏低音パートをリアライズしたりした楽譜を、そろそろ公開しようかなあと思い始めています。IMSLPとかに投稿すればいいのかなあ、とか、せっかくだから自分のサイトにそういうコーナーを設けようかなあとか、どうせなら英語のページにしてみようかなあとか、いろいろ妄想を膨らませています。




前回の「ひとこと」へ⇒


Contents

過去の「表紙のひとこと」

 事実上のメインコンテンツです。過去の「表紙のひとこと」へのリンクの表を表紙に載せていましたが、2008年1月から、別ページのみにしました。

「あそびをせんとや」の栞というページを、兵庫教育大学濱中先生に作っていただきました。ありがとうございました。


その他のContents

 あまり更新していません…

あそびのコラム

 (2015.01.03 更新)  Updated 

 サッカーしょうぎを追加。約10年ぶりに「あそびのコラム」を追加しました。「サッカーしょうぎ」のルールと実戦例の解説です。



あそびのページ

 (2002.04.29 更新:六面(仮)ボード追加)

 このページでは、JAVAによるパズルやゲームをいくつかと、ちょっと珍しい(と私が思っている)ブロックなどを紹介します。
 JAVAのパズルのほうは「Flip It パズル」・「UFOパズル」と「Posit」というゲームがメインで、そのほかに何種類かゲームやパズルを載せています。興味がある方がいらしたら、一部ソースコード等も公開してゆこうと思っていますのでお問い合わせください。
 ブロックの方はとりあえず写真でご紹介しています。こちらは画像中心です。


  • リコーダーのMIDIのページ  (2002.01.02 更新)
     バッハのフーガを1曲と、ヘンデルを3曲追加。

  • JAVAによる遊べるページ(画像をクリックしてください)
    キングと悪魔のパズルのページ (2005.11.29 更新)  new

    このパズルに関しては、このサイトの中の2003年12月15日のひとことから数日にわたってご紹介していたのですが、2005年11月29日のひとことで、キングの側のアルゴリズムを強化したのに伴って、ここに載せることにしました。
    カラーキューブ カラーキューブパズルのページ (2004.06.16 更新)

    カラーキューブパズル、という色をあわせるタイプのパズルをJavaアプレットにしてみました。このパズルに関しては、このサイトの中の2004年6月2日のひとことから数日にわたってご紹介しています。あわせてご覧下さい。
    将棋パズル2 将棋パズル2のページ (2003.01.27 更新)

    将棋の駒を使ったパズルを作りました。駒の動きについての説明はありません。ごめんなさい。将棋パズル1に関しては、このサイトの中の2003年1月19日のひとことのあたりに10問ほど用意してありますのでご覧ください。
    エントロピー エントロピーのページ (2002.01.16 更新)

     エントロピーという二人で遊ぶゲームのゲーム盤を作りました。ルールは簡単なのですが、  言葉だけで説明するとちょっとわかりにくいので、このゲーム盤をお試しください。
    flipit  Flip It Puzzleのページ (2001.10.06 更新)

     Flip It というパズルを載せました。問題集に問題を20問と、研究用に駒を自由に配置してプレイできるFlip It ボードを用意しました。お試しください。
    Posit  Positのページ (2001.03.18 更新)

     「ポジット」という二人ゲームを紹介します。ルールを体験していただくため、JAVAアプレットのプログラムを用意しました。とても弱いプログラムですが、ルールを理解していただく手助けにはなるかと思います。ぜひプレイしてみてください。

     ハンディキャップをつけるため、様々な状態からプレイをはじめられるように改造してみました。プログラムが弱すぎてつまらない方、いくつか「問題」を追加しましたのでお楽しみください。
    game-puzzle その他のゲーム・パズル集 (2002.04.29 更新)  new

     スライドパズルやサウンドパズル、2人で遊ぶゲームをパズルとして遊ぶものなどを置いてあります。お楽しみください。
     六面(仮)ボードを追加しました。



  • ブロックなどを紹介するページ  (2001.05.08 更新)
     "3D Geo Shapes", "BoYon Golo", "K'nex", "体感ブロック", "フレームキューブ" といった、ちょっと珍しいブロックを紹介します。新たに"Sternmosaik"を追加しました。
     Sternmosaikのページに、印刷して切って試せる型紙を載せました。

  • その他

    ○ あそびをせんとや・分室  (2002.07.21 作成)
     無料のホームページスペースを借りて、サイズの大きい画像ファイルなどを載せています。
    ○ このページおよび作者について  (2007.11.18 更新)
     ここはページ公開直後の状態のまま手付かずだったので、久々に修正しました。
    ○ リンク集  (2010.04.11 更新)  Updated
     実に8年ぶりくらいに大幅に見直しました。

     リンクはどのページへもご自由にどうぞ。ページの構成はかわる可能性があります。 asobi.gif(リンクバナー画像)

    ご意見、ご感想をお寄せください。
    mailto:hhase@po10.lcv.ne.jp
    2001-2016 hhase