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寝台特急はやぶさ号 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回
西鹿児島行はやぶさ号に乗る 第5回
(97年11月の旅)
西鹿児島に到着!
川内から車窓は海とお別れとなる。海が見られないことと列車旅の疲れから、私は座席に横になって本当に“ヒルネ”をする。これができることが、寝台特急のいちばんの利点である。わずか1時間足らずであったが、休めたのはラッキーであった。
目が覚めたのは伊集院の駅だった。ここはまさしく鹿児島市への玄関、この駅を過ぎると終点の西鹿児島までは10分足らずで到着する。けれど少し開けた山間の小さな集落だけに、何となく鹿児島市に入っていくという実感はわかなかった。その間、トンネルをいくつか過ぎ、最後のトンネルを過ぎたところでようやく鹿児島の市街地が目に入ってきたのだ。
「とうとう16時間余のロングランの列車旅を達成した!」。終着の西鹿児島に降り立っての第一声である。続いて私は、記念すべき「はやぶさ」号の写真を撮ろうと、最前列の機関車へと向かった。この駅で「はやぶさ」のヘッドマークが付いた機関車を見るのはもちろんこれが最後。撮影直後に切り離されたため、私以外に撮影を狙っていたマニアのなかで間に合わなかった人もいた。
さらに駅名板を入れての撮影、そして私自身の記念撮影も近くにいた駅乗務員さんにお願いして撮ってもらった。何よりも貴重なスナップである。仕上げは改札口で切符をもらう手続き。「使用済み」の判子を押してもらい、記念にもらってきた。この切符、個室と立席の乗り継ぎだったため、手書きという貴重なもの。当然のことながら「はやぶさ」の西鹿児島行がなくなれば、こういうスタイルの切符も二度と手に入らなくなる。
西鹿児島駅はかなり近代的であった。南の玄関口らしく明るい雰囲気の駅で、しかも最近改装されたばかりのようだった。あとで調べたところ、将来やってくる九州新幹線のために駅舎改装をしたそうだ。
(この項おわり)