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寝台特急はやぶさ号 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回
西鹿児島行はやぶさ号に乗る 第2回
(97年11月の旅)
下関から九州へ
下関に着いた。約1年ぶりに戻ってきた本州最西端の地。そんな感慨もあまりなく、機関車付け替えのわずかな停車時間を利用して、ホームの売店へと走った。今日は朝、昼と駅弁の一日になる。事前に下調べをしておいた下関のふく寿司を購入した。
ここから門司まではちょっとロビーカーで一服しようと思っていた私の目の前で、さきほどアナウンスがあったテレビクルーがホームにバタバタと降り、急いで機材を準備していた。撮影の邪魔をしてはいけないと思い、遠目に見ていたが、どうやらこの下関がロケ地のようだ。
ロビーカーに乗った私は、やがて窓越しにテレビカメラマンの撮影と、列車を見送る女優(だと思う)の姿、さらに撮影のためホームに釘付けとなっている乗客の姿をとらえることができた。あとで写真を見るとTBSとカメラに入っていた。当初は「これは西鹿児島行はやぶさがなくなる前にドキュメントを撮っているのかな」とも思ったが、カメラクルーが下関で下車したことから、どうやらドラマ撮影のようである。
本州と九州を結ぶ関門トンネルに入る。去年の旅行で走っているので感じはわかっていたが、やっぱりあっという間だった。約半日前に走った塩嶺トンネルとやっぱりさほど長さは変わらない。それでも前回は「いよいよ九州に来たな」との実感があったが、今回の場合はここから先もまだまだ長いのである。
門司で再び個室寝台に戻る。その前に、反対側ホームに停車していたいそかぜ号を撮影する。山陰本線の西側を走るこの特急、以前長門市から下関まで乗車した懐かしい思い出がある。旧型・国鉄カラーのディーゼル特急のいでたちだが、この車両も近い将来なくなることになるだろう。
車両といえば、JR九州は実に個性的である。去年の旅行でも車両の個性にびっくりさせられたが、今回は博多でハウステンボスという特急に驚かされた。緑あり、赤と青のツートンあり、乗っている人は見えないからいいかもしれないが、とにかくド派手である。また、特急「みどり」という名の真っ赤な列車、普通列車もメタリックシルバーに赤のワンポイントといういでたち。とにかくすごい。
下関駅購入のふく寿司を食べる。フグの身が2切れ入っているのはまあまあだが、フグの皮の湯引きが入っているのはご機嫌だった。さらにウニの塩漬け、エビなどのラインナップ。いかにもフグの本場・下関らしい弁当で、フグは高くてとても手が出ないという貧乏旅行にとっては、ささやかなフググルメが楽しめるといったところか。
(つづく)
次は博多、熊本