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以前の「ひとこと」 : 2026年2月前半


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2月1日(日) 素数の問題

 ほぼ2カ月ぶりの更新です。間があいてしまいました。



 X(twitter)にこんな投稿がありました。(https://x.com/i/status/2017773566490492952

「pが3より大きな素数のとき、p2-1 は 12の倍数である。」これは正しいか?

 これ、知りませんでした。

(つづく)



 昨年8月に定年退職を迎え、お盆休みをはさんで同じ職場に再雇用で契約社員として復帰しました。仕事の内容は定年前と同じ、のはずなのですが、なぜか以前より忙しくプレッシャーもきつくなっています。特に昨年12月から今年の1月にかけてがきつい状況でした。そのため2カ月ほど更新ができませんでした。

 とうぶんは忙しい日々が続きそうですが、更新を再開しようと思います。


<おまけのひとこと>
 今日のところは夕方の更新なのでごく短い内容です。ちょっとしたトピックはたくさんたまっています。でも、タイミングを逃すと「いまさら書いてもしょうがないかな」と思ってしまいます。日々の記録として自分のために書いておこうと思って再開することにしました。





2月2日(月) あやとりアプリ・ハンズフリー

 スマートフォンやタブレット端末を想定したあやとりのアプリの話です。



 本を見ながらあやとりを取るとき、本を押さえていたりページをめくったりするのが大変、という問題があるのです。あやとりの手順を1ステップずつ図や写真で説明してくれている本や文献はたくさんありますが、この記述法ではどうしてもページ数が増えてしまうのです。

 最近は動画であやとりを説明してくれるコンテンツも増えてきています。これはある意味わかりやすいのですが、手順全体を俯瞰したり、どこか途中の手順を確認したいと思った時の検索が大変だったりします。

 この両者の「いいとこどり」をしたようなスマートフォンのアプリを開発して公開して下さった方がいらっしゃるのです。

iOs版 https://apps.apple.com/us/app/string-figures/id6755985666
Android版 https://play.google.com/store/apps/details?id=com.hamahouse.stringfigures

 あやとり作品を表す手描き風の図(絵)も素敵ですし、作品の難易度を示すアイコンが絡まった糸の絡まり具合になっているのも良いです。何と言っても「売り」の機能である、動画コンテンツが時分割され、「つぎ」「まえ」「もういちど」という発話で動画の再生をコントロールできるのがすばらしいです。ぜひおためしください。国際あやとり協会(日本)のサイトの あやとりトピックス 276 でも紹介されています。

(つづく)



 昨日、5以上の素数pに対してp2-1 が12の倍数になるか? という問題をご紹介しましたが(解説は明日にでも書きます)、もうひとつ、最近見かけた数学の問題で感心したのがこちらです(https://x.com/i/status/2016798188687282567)。

 直角三角形の内接円を考えて、斜辺が内接円の接点で2つに分割された両側の長さを a, b とすると、与えられた直角三角形の面積が a と b の積になる、というのです。いろいろ示し方がありそうですが、初等幾何で示せるのが美しいと思いました。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 大規模言語モデル(LLM)がここまで人間の思考を上手にモデル化できるようになると、もはやwebサイトに何かを書いて公開するということはどんな意味があるのだろう? と思わないでもないです。25年前にこのサイトの公開をはじめたとき、「最大の読者は自分」と思って始めたのですが、今こそ「最大の読者は自分」という時代になったのだなあと思います。





2月3日(火) 言葉を使わないあやとりの取り方の解説

 あやとりの取り方の説明の話です。



 昨日ご紹介した「あやとりアプリ・ハンズフリー」の作者の浜谷さんが、あやとりノンバーバル - ことばを使わずに分かりやすく解説という YouTube のチャンネルを立ち上げられています。

 私はあやとり手順を記録するのに自然言語による記述を愛用していますが、それとは真逆のやり方です。ikeaの家具の組立説明書やLEGOブロックの組立説明書など、言葉による説明を用いずに図やイラスト、矢印などで手順を説明するマニュアルがあります。これはマニュアルを提供する側からすると多言語対応する必要がなく、世界中どこにでも同じマニュアルで大丈夫、というメリットがあります。この動画も、どの言語圏の方でも平等に理解することができるというのがすばらしいと思いました。

 たとえば「四段ばしご」の冒頭の「中指の構え」は、下図のように説明されています。

 上の画像は静止画ですが、指の動きを示す白い線もアニメーションとして描画されるため、その指先がどう動くのかがわかりますし、その直後に実際にその操作が動画で示されるので理解が深まります。動画は手順ごとにチャプター分けされていて、動画を一時停止しておいてチャプターを次々に表示してゆくと、上の図のようにそのチャプターの動作を示す白い線が描かれた静止画が表示されます。とても良くできているコンテンツだと思います。ぜひご覧になってみてください。



 「あやとりアプリ」も youtube の「あやとりノンバーバル」も、おそらくAIを上手に活用されて効率的にコンテンツを作られているのだろうなと思いました。写真からシンプルな線画が作れればとても便利だなあと思ってちょっと試してみました。

三角柱のあやとり Copilotによる線画

 うーむ、この写真をこのレベルで線画に変換できるのは正直すごいと思うのですが、雰囲気はそれっぽいですが説明図としては使えないですね。三角柱の骨格をかたちづくる9本の稜のうちの3カ所(左右それぞれの手の親指と小指を結ぶ糸と、両人差し指を結ぶ糸)は二重になっているのですが、線画ではすべて1本の糸になってしまっています。小指に巻き付いている、ひねった二重の輪もかなり省略された図になってしまっています。まあそれをこの写真から読み取れ、と言うのも酷な話ではあります。

 画像処理ではなくAIで生成しているので修正も言葉で指示する(=プロンプトを工夫する)ことになるのですが、そこを頑張るというのはちょっとむなしい努力な気がするのです。AIが進化することで、プロンプトの工夫のノウハウが不要になったりするので、知識や経験を積み重ねてゆく価値を感じられないのです。でも、欲しい正確な図を自動的に作ってもらえたら嬉しいです。もう少し試してみようかなと思います。



 昨日のこの問題ですが、

 簡単に考え方を説明してみようと思って図を作ってみました。直角三角形ABCに対して、4つ目の頂点Dを用意して長方形ADBCを考えます。図1の黄色い直角三角形は△ABCと合同ですから、この黄色い三角形の面積が図2の隣り合う辺の長さがaとbの黄色い長方形の面積と同じになることを示せばよいわけです。

図 1 図 2

 すでにこの図2で「明らか」と言ってしまっても良いのですが、図1,2の黄色以外の部分に注目してみます。

図 3 図 4

 このように、赤と青の太線で囲った小さな直角三角形をひっくり返したかたちになっています。つまり、図1と図2の黄色い部分を除いた図形の面積が等しいので、黄色い直角三角形と黄色い長方形の面積が等しくなるのです。計算しなくても補助線だけで示せるのが幾何の証明らしくて良いなあと思ったのでした。


<おまけのひとこと>
 今日は外部の会議がたくさんあります。新たに短期の会議体が2つ発足するのですが、午前中と午後にそれぞれの初回の会合があります。午前中のものは5月末までに、午後のものは何と3月末までに答申をまとめる計画になっています。(3月末のものは「間に合わなかったらあきらめる」と書かれていましたが、それでいいのか…)昨日は一応それぞれに提案する内容を簡単につくりました。並行して走っている検討が増えて、しばらく大変なことになりそうです。(まあお声がけいただけるのはありがたいと思っていますが。)





2月4日(水) あやとり写真から線画を生成してみる

 生成AIによる画像生成(加工)の試みです。



 昨日、この三角柱のあやとりを取った写真から生成AIに線画を作ってもらったという話を書きました。

三角柱のあやとり(再掲)

 昨日はCopilotに頼んでみたのですが、Geminiでもやってみました。プロンプトはまったく同じで、「手は指の輪郭だけで、しわなどは描かないで」「あやとり紐は紐の縁を2本の線で描いて」といった指示を出したのです。Geminiのほうがリアルな手になっているのと、紐が二重になっているところはかなり改善されましたが、あやとり紐が3本の線で描かれていたり、まだ説明図に使えるレベルではありませんでした。

Copilotによる線画(再掲) Geminiによる線画

 従来、写真から線画を生成するアルゴリズムがいろいろ研究されてきましたが、それとはレベルが違うことができるようになっていて改めて驚きます。



 正四面体のあやとり写真からも同様に線画を生成してもらってみました。今度は Copilot と Gemini に加えて chatGPT でもやってみました。(いずれも無料バージョンで、デフォルトで利用できるものを使っています。)

三角錐(正四面体)のあやとり

Copilotによる線画 Geminiによる線画 chatGPTによる線画

 4本の指に巻き付いている二重の輪の様子は中央のGeminiの作画が一番うまく描けています。残念なのは左小指と右親指を結ぶ正四面体の稜のあやとり紐が二重になっているように見えてしまっている点です。chatGPTの作画は、正四面体のどの稜が二重になっているのか、というのがわかりやすく単純化された図になっています。右小指に絡まる二重の輪の描画がぞんざいな感じなのが残念です。

 こういう図を自分で写真をトレースして描こうとするととても時間がかかるのです。この線画が自動で生成してもらえるのは本当にすごいと思いました。ただ、それでもまだそのまま説明図に使えるレベルではないのが残念です。



 先週、出張で宿泊した京急EXイン羽田というホテルのエレベーターホールで、エレベーターの脇に通路が見えたのです。

写真 1 写真 2

 ぱっと見て「あれ、下りのスロープになっている?」と思ったのです。そう思って写真を撮ってみたのですが、写真だとよくわからないですね。右の写真2、「スロープに見えませんか?」と言われればそう見えないこともないけれど…程度でしょうか。

 近くに行ってみたら床は平らで幅が狭くなっている構造でした。中には飲み物の自動販売機が置かれていました。


<おまけのひとこと>
 昨日の午後、上田市で住宅火災があったというニュースがあったのです。場所が姉の家の近くのようだったので心配でした。連絡をしたら、火事があったのはすぐ近くだったとのことで、停電して大変だったけれど被害はなかったとのことで胸をなでおろしました。





2月5日(木) フレームワーク(その1)

 グラフ理論の本の話です。



 先日、グラフ理論とフレームワークの幾何(前原 濶・桑田 孝泰 著、共立出版:2017)を買いました。この「数学のかんどころ」のシリーズは何冊か持っていますが、読みやすくて値段も買いやすくてアマチュアに優しい好きなシリーズです。

 リンク先の出版社のページの「この本の内容」にも書かれていますが、フレームワークというのは「平面上に描かれたグラフの辺を伸縮しない棒と見做し、頂点を連続移動させることで図形の変形をみる考え方」だそうです。目次の第5章がフレームワーク、第7章(最終章)が等辺フレームワークなのですが、この等辺フレームワークというのはマッチ棒パズルで見かける概念です。フレームワークについて論じている数学の本はちょっと珍しいのではないかと思いました。

 この「フレームワーク」に関する内容が面白かったのでちょっとご紹介しようと思ったのです。

 最初に、5章の冒頭で「平面上に描かれたグラフの各頂点を、隣接する頂点間の距離を変えずに平面上で連続的に動かすことを、グラフの運動という」と定義します。グラフの運動を考える場合に、平面上のグラフのことを平面上のフレームワークと呼びます。平面上のフレームワークGの運動で、隣接しない頂点間の距離が1つでも変わるものをGの連続変形と呼び、連続変形可能なフレームワークを変形可能(flexible)といい、連続変形不可能なものを定形(rigid)なフレームワークと呼びます。

 下の左は変形しない(定形な)フレームワーク、右は変形する(変形可能な)フレームワークです。

 さてそれでは下図の(a)と(b)は変形可能(flexible)でしょうか、定形(rigid)でしょうか?

(つづく)



 先日、「明日にでも書きます」と書いておいたこの問題、

「pが3より大きな素数のとき、p2-1 は 12の倍数である。」これは正しいか?

 放置していました。まず、注目している p2-1 を M と書くことにして、これを因数分解します。

p2-1 = (p-1)(p+1) = M

 と変形します。pは5以上の素数なので必ず奇数です。ということは p-1 も p+1 も偶数です。従って、M の素因数として少なくとも 2 が2つ含まれることがわかります。…(1)

 また、p-1, p, p+1 は連続する3つの数ですから、この中には必ず1つだけ3の倍数があります。(連続する3つの数それぞれ3で割ると、余りは必ず0,1,2の組合せになります。)pは素数なので3の倍数ではありません。ということは p-1 もしくは p+1 のどちらかは必ず 3の倍数です。ということはこの2数の積である M の素因数には3が少なくとも1つは含まれます。…(2)

 以上(1)と(2)より、Mの素因数には {2,2,3} が含まれるため、Mは2×2×3=12の倍数なのです。


<おまけのひとこと>
 「定形」と「定型」の使い分け、気を付けないと間違えます。そういえば線形代数のことを古い本では「線型代数」と表記されていたものを見たことがあります。と思って検索してみたら、線型代数がわかる新しい学び方(山浦 義彦 著、日本評論社:2026) は、今年出版された本ですが「線型」を使っているのですね。線型写像、線型空間、線型独立/線型従属、とすべての表記が「線形」ではなく「線型」に統一されているようです。これは何かこだわりや主張があるのかな、と思いました。





2月6日(金) フレームワーク(その2)

 グラフ理論の本の話のつづきです。



 昨日、下図の(a)と(b)は変形可能(flexible)でしょうか、定形(rigid)でしょうか?、と言う問いかけをしました。これはご紹介した書籍「グラフ理論とフレームワークの幾何」のp.77の例題5.1です。(例題5.1にはもう1問別の問題があります。)

 (a)のほうは下図のように変形可能です。三角形の構造は定形(rigid)なので色を塗ってみました。

 (b)のほうはちょっとわかりにくいのですが、こちらは変形できません。仮に変形できたとしましょう(下図右)。グラフの頂点にA,B,C,D,E,Fと名前を付けて、辺ABと辺CDの中点をM,Nとします。変形するとしたら、ABCDの長方形が平行四辺形になるはずです。このとき、中点を結んだMNの距離は変わりません。

 三角形は変形しませんから、三角形の高さであるEM, FN の長さは変わりません。上図右の青い線は折れ線になっていますから、青い折れ線の長さの和はMNよりも長くなっています(三角不等式)。ということは、この変形で辺EFの長さは伸びてしまいます。以上よりこの図は変形しません。

 この説明がとてもわかりやすかったのでご紹介したくなったのでした。

(つづく)



 一月中旬に文京区の東京大学本郷キャンパスに出張で行く機会がありました。午後に某研究室を訪問する前に理学部一号館の入り口にあるコーヒーショップでコーヒーを買って、テラス席でコーヒーを飲みました。ふと建物を見上げると、壁のパネルのゲート部分の上のかたちだけがアーチの要石(かなめいし)のようなデザインになっていました。写真を撮ってみました。

写真 1 写真 2

 説明用にと思って、上の写真2を生成AIにスケッチ風の画像に変換してみてもらいました(画像1)。

画像 1

 写実的な画像だったので、影や陰影の表現をやめてもらって、外壁のパネルのパターンがわかりやすい線画にしてもらいました(画像2)。

画像 2

 要石の部分だけに斜線を入れてもらおうとおもったらうまくいかなかったので、そこは手作業で着色してみました。

画像 3

 こういうかたちのブロックを積み上げてこの建物を建てているわけではないでしょうから、これは外壁にパネルを貼り付けているのだと思います。だとしたらわざわざここ(画像3の赤いところ)だけ斜めにする理由は何なのだろう?と思ったのです。経年劣化でパネルが外れて落下しそうになったとき、通常の(通路の上ではない)パネルよりもこの位置のパネルは下に人がいる可能性があるので安全性を高めるため、でしょうか。心理的な安全性を高める(落下するのではないかと不安な気持ちになるのを防ぐ)狙いがあるのでしょうか。



 昨日解説を書いたこの問題、

「pが3より大きな素数のとき、p2-1 は 12の倍数である。」これは正しいか?

 これは素数pの前後の数である p-1 と p+1 の積なので、どちらも偶数だから…という説明を書きました。そうしたら、「p-1とp+1は連続する偶数なので、どちらか一方だけが必ず4の倍数になるので、p2-1 は24の倍数」というご指摘をいただきました。その通りですね。もともとの問いが「12の倍数か?」だったので、それ以上考えていませんでした。なるほど、感心しました。


<おまけのひとこと>
 カメラ画像から線画を生成してもらうのは思いのほか便利なのではないかと思いました。





2月7日(土) 庭に来る鳥

 土曜日なので軽い話題です。



 私の家は八ヶ岳から流れる川の谷に面した丘の縁、擁壁(ようへき)の上の敷地です。擁壁の下には八ヶ岳を越える峠に続く国道になっていて、国道と擁壁の間の幅数メートルの土地は長年管理されておらず、いつの間にか大きなクルミの木が育っていました。

 写真だと生々しいので鉛筆画風のイラストを作ってみました。(写真をもとにGeminiに描いてもらって、多少余分なところは手作業で消去しました。家の構造の重要なところが実物とは異なっていますがむしろそれが良いなあと思います。)

 絵の左下が国道の道路で、そのわきの歩道から擁壁の上の我が家を見上げてみたところです。画面中央のもさもさしたところがクルミの木と、勝手に育った様々な樹木やら雑草やらつる草です。この画像の元にした写真は2025年7月に散歩の途中で撮った写真です。

 この木は冬になると葉を落とすのですが、その木の枝に様々な鳥が止まっているのを家の中から見ることができます。下の写真は今朝撮ったもので、カラスより一回り大きいくらいの猛禽類に見えます。私は鳥は好きなのですが鳥の種類を見分けるのは苦手です。チョウゲンボウかノスリかなあと思いました。

ノスリ? チョウゲンボウ?

 自分がいつノスリやチョウゲンボウという鳥の名前を知ったのか、思い出せません。スズメとかツバメとかカラスとかハトとかは幼いころに両親や家族から教わったのだと思うのですが、ノスリやチョウゲンボウを知ったのはそれよりずっと後なのだと思います。本で読んだのかもしれないと思って、文学作品や児童文学にノスリが出てくる例がなかったか、copilotに尋ねてみました。そうしたらアーサー・ランサムのシリーズに出てくるのでは? という示唆が返ってきました。ああ確かにそうだったかもしれないなあと思いました。なんとなく背景の自然描写に登場していそうな気もします。2巻の「ツバメの谷」あたりかなあと思いました。全文のテキストがあれば検索できるのに…と思いました。



 生成AIに写真を線画風のイラストに変換してもらうのが面白くて、上の画像でも試してみました。

鉛筆画風のイラスト(copilot)

 こんな絵を描いてくれるのですね。驚きです。(クリックすると拡大します。)画面左上の3つに分かれた枝も、オリジナルの写真よりもバランスが良くなるように若干アレンジされています。絵を描く人ならば、これが人間ではなくAIが出力したものだとわかるものなのでしょうか? 絵が描けない私には、仮にこのスケッチ風のイラストを人間が描いたとしたら、その人の技量がどの程度なのかまったくわかりません。

 鳥の部分を実物大(出力された画像のオリジナルのサイズ)で切り出してみました。

鳥の部分(オリジナルのサイズ)


<おまけのひとこと>
 copilotとの会話の中で、「それにしても、家の近くにこんな立派な猛禽が来るのはちょっとした贈り物のようですね。」と言ってもらいました。相手がAIだとわかっていても、なんとなく嬉しくなります。





2月8日(日) 庭に来る鳥(その2)

 今日も生成AIによる画像生成の話です。



 一昨日、6日(金)にムクドリが5〜6羽電線にとまっていたのが地面に降りて何かついばんでいました。部屋の窓から写真を撮ってみました。

写真 1 写真 2

 写真2のほうを絵画風にしてもらいました。最初に鉛筆画風のスケッチのような画像にしてもらいました。次に、昔の博物学の本の図版のようなペンとインクで描いたような図にしてもらいました。画像をクリックすると元のサイズになります。ぜひ元のサイズで見てみてください。

鉛筆画風 ペン画風

 背景の紙の色がクリーム色っぽくなっているのも「それらしい」感じがして芸が細かいなあと思いました。

 本来、人間が手で描く線画は、「何を表現するか」という解釈と選択があると思うのです。写真ではよくわからない足の様子などが細かく描かれていたり、むしろ写真より鉛筆画、ペン画のほうが見飽きずに眺めていたくなります。



 2023年8月に、特急「あずさ」の写真を載せたことがありました。

特急「あずさ」(E353系)

 これも鉛筆画風にしてもらってみました。線路の感じとかがかっこいいなあと思います。左側は1番線の下りホームで、到着する特急は上り3番線に入ってきます。中央は2番線で、優先列車の待ち合わせなどに使われるため、上り下りどちらの列車も入ることがあります。

鉛筆画風

 これは絵だとするとちょっと描き込みすぎかなあと思って、主役の列車以外の描画をもっとラフにしてもらおうと思ってお願いしたら、こうなってしまいました。

列車のみ

 こんな絵を作ってもらって遊んでいるとあっという間に時間が経ちます。この絵の生成にどのくらい電力を使っているのだろうと思うとちょっと後ろめたい気がします。でも、いろいろ使ってみないと何ができて何が苦手なのかわからないので、ありがたく試させてもらっています。



 先日、魔のジグソー「PASMO・Suica路線図パズル(1000ピース)」、完成できたら誰でも都民を名乗れるという条例をつくってもいいレベル という記事を見て、やってみたいなと思っていたのです。1月末に羽田イノベーションシティに出張に行ったとき、帰りは東京駅から特急列車に乗車するので買いに行ってみようかと思ったのですが時間がありませんでした。

 そろそろNetに「作りました」という情報が流れるかなと思っていたら、デイリーポータルZに超高密度「PASMO・Suica路線図」のジグソーパズルを作るという記事がありました。想像していた通り1つのピースに駅名やその一部が読み取れるので、普通の1,000ピースのジグソーパズルよりも難易度は低そうですし、その駅名(の一部)を見て、どの路線のどのあたりかを考えたりするのはとても楽しそうです。

 デイリーポータルZの記事では7時間半で完成した、と書かれています。1,000ピースのジグソーパズルとしてはとても短時間で組み上がっていると思います。記事では最後にジグソーパズル用ののりで固めて額に入れて飾っています。私なら組み上がったらばらして箱に戻してまたあそべるようにするだろうなあと思いました。こういうのを面白がる人なら接待用とかイベント用のゲームにしても良いかもしれません。


<おまけのひとこと>
 天気予報の通り、昨夜から今朝にかけて雪が降って積もりました。今シーズンはじめての雪かきをしました。朝5時から始めて、2時間くらいかけて家の前の道路と前庭の雪かきをして、車2台の雪を取り除いて車を出せるようにしました。庭の木に着雪してしまっているのを払って曲がった枝を元に戻し、ガス屋さんとかが通れるように庭の階段や通路の雪も片付けました。良い運動になりました。





2月9日(月) フレームワーク(その3)

 先週後半の話のつづきです。



 先週からご紹介をはじめたグラフ理論とフレームワークの幾何(前原 濶・桑田 孝泰 著、共立出版:2017)ですが、

 この本を店頭で見かけて手に取って中身を見て「買おう」と決めたのは、コンピューターレクリエーションIII 遊びの発見 (別冊日経サイエンス102)(A.K.デュードニー著、山崎秀記 監訳:1992年) を思い出したためです。

 検索してみても表紙の画像すら見つかりませんでした(オークションサイトらしきところの斜めから見た画像はありましたけれども)。この表紙の画像は自分の本を撮影したものです。この本の19番目の(最後の)記事が「剛体理論は思わぬ事故から身を守る?」というタイトルで、伸び縮みしない理想的な剛体の棒が理想的な自在継手で連結された構造が変形するか否かを議論する内容だったのです。表紙の中段に描かれている格子パターンのいくつかの正方形に筋交いが入っている図はその一例でした。5×5の25の頂点を40本の剛体の棒でつないだ正方格子が与えられたとき、正方形に斜めの筋交いを入れて格子パターン全体が変形しないようにするためには最低何本の筋交いが必要か、また必要十分な最小限の筋交いを入れるとき、パターンを固定できる場合と変形してしまう場合があり、それをどう見分けるか、という話が書かれていたのです。

 「グラフ理論とフレームワークの幾何」でも同じ話題が取り上げられていたので、これをちゃんと論じている本を読んでみたくてこの本を購入したのでした。

(つづく)



 昨年の暮れ、12月27日に隣の市の図書館に行って、年末年始に読みたい本を借りてきたのです。カウンターの近くの特設コーナーにあやとりの本の棚があって感激しました。

 野口ともさんの「世界の伝承あやとり」シリーズはもちろん全巻持っていますし、「世界あやとり紀行 精霊の遊戯」(シシドユキオ、野口廣、マーク・A・シャーマン)ももちろん持っていますし、「あやとり大全集」も持っています。こんなに素敵な本を図書館でちゃんと蔵書して下さっていて、それを特設コーナーで紹介してくれるなんて、なんてすばらしいと思いました。写真を見ると「世界の伝承あやとり」全5冊のうち、「極北圏のあやとり」は棚にないようです。ということはだれか借りてくれたのかな、と思いました。

 これらの本については、国際あやとり協会(日本)のサイトのあやとりの本のページに紹介されています。


<おまけのひとこと>
 昨日の雪かきで筋肉痛です。運動不足です。





2月10日(火) 正方格子のフレームワーク(その1)

 月、火は出張でした。11日(水)の午前中に2日分をまとめて更新しています。



 平面グラフの運動を考える「フレームワーク」についての本からの話題のつづきです。四角形(正方形)のグラフは変形してしまいますが、対角線に1本「筋交い」となる辺を追加することで定形(rigid)にできます。

 では、2×2の正方格子を変形しないようにするには「筋交い」を何本入れたら良いでしょうか? 2本で足りるでしょうか?

 実際にやってみると、2本だと足りないことがわかります。隣り合う2つの正方形を固定してもダメ(=変形してしまう)、対角線の2つを固定してもダメです。

隣接2枠を固定 対角2枠を固定

 3か所を固定すれば定形にすることができます。では格子の数を増やしたらどうでしょうか?

(つづく)



 庭に来た鳥の写真から鉛筆画風のイラストを生成AIで作成してみる試みの3回目です。今回は「カワラヒワ」です。

カワラヒワ(2025/01/25 撮影)

 手前の木の枝にフォーカスが合ってしまい、肝心の鳥の像はぼけてしまいました。

鉛筆画風のイラスト(Copilot)

 かわいいです。仮に写真がピンボケでなかったとしても、イラストのほうが良いのではないかと思いました。


<おまけのひとこと>
 日曜日の早朝の雪かきで、筋肉痛になりました。





2月11日(水) 正方格子のフレームワーク(その2)

 フレームワークを変形しないようにする話のつづきです。



 改めて、日経サイエンス別冊「遊びの発見」の表紙の図を自分で作り直してみました。4×4の正方格子に7本の筋交いを入れたパターンを2つ、例示されています。これらは変形するでしょうか?

(つづく)



 出張で、六本木のホテルに泊まりました。都内のホテルもずいぶん値段が落ち着いてきて、今回はシングル素泊まり一泊9,000円でした。翌日は朝から新橋の事務所に行く予定がありました。歩いても30分弱くらいなのですが、朝食を新橋駅付近で食べようと思って、地下鉄で移動しようかと思ったのですが、ホテルの目の前がバス停で、渋谷駅前発の新橋駅前行き【都01】が5〜10分間隔で走っていたので、それを利用することにしました。

 ホテルでエレベータを降りてカードキー回収箱にルームキーを入れてチェックアウトして、ホテルの入り口を出るとすぐにバスが来ました。前乗り先払いなのでスイカで料金を払いました。社内には高齢のご夫婦が一組と私と同世代くらいの男性が一人乗車していて、ガラガラでした。それでもこの本数で運行されているのには驚きました。

 新橋駅前ビル一号館の目の前が終点の降車バス停でした。ちょうどこのビルの地下の「ニューともちん」というラーメンに興味があったのです。朝は8時開店ということなので行ってみました。開店時間直前に行ったのですが、すでに7〜8名が並んでいました。

 カウンターだけのお店で、一巡目には入れませんでした。20分ほど待って、二巡目の最初に入って食べることができました。

 以前だったら待ってまで食事をすることはなかったのですけれども、時間にも余裕があったので話のタネにと思って並んで食べてみました。なるほど人気があるわけだと思いました。


<おまけのひとこと>
 今日も雪が積もりました。これから雪かきをします。





2月12日(木) 正方格子のフレームワーク(その3)

 正方格子を固定する話です。



 さて、昨日のこの二種類の正方格子に7つの筋交いを入れたものですが、横のマスを1,2,3,4、縦のマスをA,B,C,D と表現することにします。格子の図の下に、{1,2,3,4} と {A,B,C,D} の8つの頂点を置いて、頂点数が8の二部グラフを考えます。赤い筋交いは1Aのマスを固定しているので、二部グラフの1とAの頂点を結びます。青い筋交いは2Cのマスを固定するので2とCの頂点を結びます。そのようにして描いたものを、この筋交い入りの格子の「ダイヤグラム」と呼ぶことにします。

 こうして描かれた二部グラフのダイヤグラムが単連結である、つまりグラフの辺に沿って任意の頂点から別の頂点に至る経路(パス)があれば、その格子は変形しないことが証明されているそうです。上の左の例はダイヤグラムが連結なので変形しませんが、右の例は下の図のように2成分のグラフになっています。

 なので右の例は変形してしまうのです。これは1977年にHenry Crapo と Ethan D. Bolker によって示されているそうです。中身は見ていないのですがBracing Rectangular Frameworks. I とか Bracing Rectangular Frameworks. II という文献があるようです。

 この定理から、 m × n の正方格子を固定するためには最低 m+n-1 本の筋交いを入れる必要があることがわかります。m×n の格子のダイヤグラムは、頂点がmとnの二部グラフになっているので、このm+n個の頂点をつなぐ(単連結にする)ためにはm+n-1本の辺が必要なのは明らかです。昨日の2×2の格子ならば 2+2-1=3 本が必要でした。今回の 4×4の正方格子は4+4-1=7本が必要でした。7本だったらどんな配置でもよいというわけではないというのが面白いです。



 正方形のフレームワークを固定する一番簡単な方法は対角線を入れることでした。

 この方法で正方形を固定しようとすると辺の長さは2種類あることになります。それでは、全ての辺の長さが同じであるという条件で正方形の平面グラフを固定しようとしたらどうしたらよいでしょうか? (全ての辺の長さが同じになるグラフは等長グラフと呼ばれますが、グラフの運動を考える場合は等長フレームワークと呼びます。)可能でしょうか? 私は最初に下の左ような例を考えたのですが、これはもちろん容易に変形してしまいます(下図右)。

(つづく)



 yahooニュースに馬で耕し米作り 千葉県富津市の三橋さん 「心通じ協力してくれる」という記事がありました。20年くらい前に地元の地区の役員をやったとき、地区の小さな観音堂に農耕馬を祀った(まつった)お堂があって、地域の長老の方が「昔はトラクターとか便利な機械がなかったので、馬は農作業でとても大切な存在だった。スーパーカーみたいなもんだ。」と言っていたのを思い出しました。

 ところで16アールというのはどのくらいの広さなのか、実感が湧くでしょうか? 仮に16アールの土地が正方形だったとしたら、一辺の長さは何メートルでしょうか? すぐにわかりますか? また、皆さんの身近な土地(たとえばお住まいや勤務先の建物のある土地の広さとか馴染みの公園や施設など)と比べて 16アール というのはどんな広さでしょうか?


<おまけのひとこと>
 今日と明日は午前中に大事な会議があります。準備が間に合っていません…





2月13日(金) 正方形のフレームワークを等長フレームワークで固定する

 正方形のフレームワークを固定する話です。



 昨日、「等長フレームワークで正方形を固定できるでしょうか?」という問いかけをしました。これ、必要な辺の数は多くなるのですが、気が付いてしまえば簡単なのです。

 まず、下の図のように等長フレームワークで正三角形が連結した構造を考えます。(これを「トラス構造」と呼びたくなります。)

 この構造を用意することで、長さが n の変形しない直線を準備することができます。上の図では長さが 3, 4, 5 の直線が得られています。

 ということはこの3直線で三角形を作れば、直角を固定することができます。

 これで、等長フレームワークで正方形を固定することができました。理屈はシンプルですが、けっこう大掛かりな構造になるのが面白いです。昔、エジプトで測量のために直角を作る技術として、ロープに等間隔に結び目を付けたものを輪にして3-4-5の三角形を作ることで直角を得ていた、という話が有名ですが、それを連想します。調べてみると Rope stretcher(Wikipedia) とか Egyptian Triangle(3-4-5):Definition, History & Applicationsといったページがありました。



 昨日の「16アールの土地が正方形だとしたら1辺の長さは何メートル?」という話ですが、私はこんな風に考えました。

 たとえば15アールならば3×5=15なので 30メートル×50メートル、とイメージできます。

 小学校でアール(a)、ヘクタール(ha)を習ったときには h が補助単位だということはちゃんと認識できなかった気がします。気圧の「ヘクトパスカル」と同じく「ヘクト・アール」なのですね。(昔は気圧はミリバールが単位でした。調べてみると、この変更は1992年に行われたようですね。)

 小さいほうの補助単位で、センチメートル(cm)はよく使いますが、体積のセンチリットル(cL)は日本ではあまり見かけない気がします。輸入ワインなどに 72cL などと書かれていて、720mL のことか、と感心したことがあります。

 10倍や100倍、10分の1や100分の1の補助単位があるのは、数値そのものの桁数を増やさないとか小数点を使わないとかいうメリットがあると思います。おそらく昔は「大きな数」を日常的に扱う必要があまりなかったので、量をざっくり把握するのには補助単位を使って数値そのものがシンプルになるようにしたほうが便利だったのだと思います。

 さらに脱線した連想ですが、楽譜を表記するときの音部記号(ト音記号やヘ音記号、ハ音記号)があります。昔はこれらの音部記号を動かした「ソプラノ記号」「アルト記号」「テノール記号」などがよく使われました。(「バス記号」は普通のヘ音記号だったと思います。)これは、当時の楽器の音域が2オクターブ+α程度だったので、音部記号を動かすことで音符ができるだけ五線の外に出ないようにしていたのだと思います。そうすることで読みやすくなりますし、五線の上下に飛び出さなければ五線の段の間隔を広く取る必要がなく、1ページに書ける楽譜の段数を増やせます。昔は紙はいまよりずっと貴重品だったでしょうし、段数が多ければページめくりが少なくて済みます。

 今は10倍刻みの補助単位はあまり使われなくなった、というのと、ト音記号やヘ音記号を動かした音部記号の譜表があまり使われなくなった、というのがちょっと似ているな、と思ったのでした。

 ちなみにcopilotに「16アールの土地が正方形だとすると、一辺の長さは40メートルで合っていますか?」と尋ねてみたらこんな回答が返ってきました。

 こんな「冗談」も言うのですね。ちょっと驚きました。



 大学の時の恩師の清水博先生がお亡くなりになったという連絡をいただきました。私は家庭の事情で大学院を中退したので、清水研究室に所属していたのはわずか2年間だったのですが、とてつもなく大きな影響を受けました。生命とは、生物の情報処理とは、脳や心や身体の機能や原理はどう理解したらよいのか、などを不思議に思うことや、それに対してどんなアプローチで研究するのか、といったことを学ぶことができました。何度かのAIブームを越えて、ここで学んだことは自分の軸であり続けています。


<おまけのひとこと>
 今日の午前中の自分が主催する会議の資料がまだ終わっておらず、昨日の夕食の後数時間仮眠を取ってから日付が変わるころに起き出して準備を進めています。気分転換にこのページの更新をしていたら2時間くらいロスしてしまいました。まあでもようやくゴールが見えてきました。





2月14日(土) 「数学セミナー」3月号

 土曜日です。お昼の更新です。



 今週は後半の12日(木)、13日(金)が忙しかったので、今日(14日)の午前中に定期購読している「数学セミナー」を本屋さんに買いに行ってきました。

「数学セミナー」3月号

 今回は今年の前半にご紹介した立体的なあやとり作品をハンドモデルでディスプレイした写真を中心に掲載しました。

「あやとりの楽しみ」第24回

 また、立体的な伝承作品で、これまでの幾何学的なカテゴリでご紹介できなかった2作品の手順も掲載しました。機会があったらぜひお手に取ってご覧いただけたらと思います。



 1月中旬に東京の文京区の東京大学本郷キャンパスに出張したのですが、帰りに時間があったので、池之端門から出て不忍池を越えて上野公園を横切ってJR上野駅の公園口まで歩いてみました。40年前くらいには歩きなれたルートです。

 不忍池の向こうにスカイツリーが見えました。もちろん昔はありませんでした。

不忍池(2026.01.14)

 公園口の前まで来て、昔あったJR公園口の前の道路がなくなっていてとても驚きました。知りませんでした。

JR上野駅公園口(2026.01.14)

 いつからこうなったのだろうと思ってちょっと検索してみたら、2020年3月から今のような状態になっているようです。JR公園口から上野駅まで幅広く歩行者用の広場がつながっていて自動車が侵入できないようになっています。もともと線路沿いにつながっていた道路はそれぞれロータリーで転回するようになっています。上野駅公園口移設 上野公園通りも南北分断(2020.03.25) とか 上野駅公園口…駅前から伸びる歩行者動線を確保した好例(2025.04.30) といった blog 記事がありました。なんだかなつかしいです。


<おまけのひとこと>
 「あやとりの楽しみ」サポートページがまたしばらく更新が滞っています。すみません。





2月15日(日) 「スカラブ号の夏休み」

 日曜日なのでちょっと違う話題にします。本の話です。



 先週は各地で大雪になりましたが、私も朝5時過ぎから外に出て、家の前の道路と前庭の雪かきをして、2台の車の雪をおろしていつでも走れるようにして、裏庭のガス屋さんや水道屋さんや灯油屋さんなどが通る通路の雪かきをしました。2時間くらいかかりました。腰や腕が痛くなりました。

 子供のころに好きだった本(シリーズ)のひとつに、アーサー・ランサムのシリーズがあります。その第11巻 「スカラブ号の夏休み」の中に、印象的なシーンがあるのです。このシリーズ12冊のうち英語版を持っているのは3冊しかないのですが、これはペーパーバック版を持っています。原題は “The Picts and the Martyrs” (ピクト人と殉教者たち) で、ピクト人というのがドロシアとディックのカラム姉弟、殉教者というのがナンシイとペギイのブラケット姉妹のことです。

 ドロシアとディックはお父さんが考古学者で、裕福な家庭環境で育っています。二人は夏休みに湖水地方のブラケット姉妹の家に招待されており、物語はブラケット姉妹が彼らを受け入れる準備をするシーンから始まっています。この夏休みのハイライトは、カラム家がこの湖でドロシアとディックが使うための帆船を船大工に注文していて、それを受け取って帆走を楽しもう、という計画でした。ところがいろいろ予定外のことがおこって、大騒動になるというお話です。

 納品が遅れていた新しい帆船「スカラブ号」(考古学者の子供らしく、エジプトのスカラベが船の名前の由来で、船の旗もスカラベのデザインです)を受け取った翌日は大雨でした。ディックは雨の中、新しいスカラブ号の様子を見に行きます。スカラブ号には思った以上に水がたまってしまっていました。ディックは備え付けの水垢を汲み出すための手桶を使って水を掻い出しはじめます。

“The Picts and the Martyrs” Arthur Ransome

 「ディックの腕が痛くなった。背中も痛くなった。奇妙なことだが彼にとってそれは楽しかった。一生懸命汲み出し作業をするほど、スカラブ号が自分のものになってゆくようだった。」(下線部1)。前日の午後、初めて進水させて失敗しないように気を遣いながら帆走させたときにはなじみのないよその船に過ぎなかったスカラブ号。でも「自分の背中が二度とまっすぐにならないのではないかと思いながら、降りやまない雨の中で眼鏡を濡らしている今、スカラブ号は他のだれのものでもない、まぎれもなく彼自身のものだった。」(下線部2)

 雪かきをしながら思い出したシーンと言うのはここです。今の家に住んで30年近くになりますが、自分の家は相変わらず気に入っています。インドア派で慢性的な運動不足で還暦も過ぎた私にとって2時間の雪かきはかなりきつい作業なのですが、この「ディックがスカラブ号の水をかい出す作業のときの気持ち」を思い出すことで、自分が気に入っているこの住まいを良い状態に保つためにこの仕事ができるのは楽しいなあ、と思えるのです。

 紙の本は目当てのページを探し出すのが大変です。特に英語だと大変なのですが、物語のあらすじは頭に入っているので、船の受け取りにいつ行くのかやきもきして、ナンシイが芝刈りをしながら「今日は行かない」というメッセージを送るシーン(翻訳版では「いかない」というひらがな4文字だったのですが、原著では “no go” の4文字でした)、実際に船を受け取って初めての帆走のシーン、その後くらいのはず、と思って探し当てました。

 該当ページを写真に撮って、copilotに「文字起こしをしてもらえますか?」と尋ねたら、「著作権のある著作物のテキスト化はルール上できないんです。ごめんなさい。」とのことでした。これは1942年に出版された本ですし、全体で300ページを超える分量の中の半ページで、引用元を明記して引用するので許されるのでは? と尋ねてみたのですが、「AI側が守らなければならない制約なのです」とのことでした。なので画像をそのまま貼ることにしました。正当な引用の範囲だと判断しています。

 ちなみに英語では船は女性名詞なのですね。なのでスカラブ号を she/her で受けているのですね。そこも単なるモノではない、思い入れを感じて素敵だと思います。



 Xの投稿で知った 人生の手遅れ感を養う3冊 というblogが面白かったのです。

 1冊目の「タタール人の砂漠」は読んだことはないのですが、2冊目のクリスティの「春にして君を離れ」は大学のころに知り合いに勧められて読んだことがあります。クリスティがこんな本も書いているんだと思った覚えがあります。3冊目の「セールスマンの死」は大学1年のときの英語のリーディングの授業のテキストでした。今思うと18歳の私にはこの本の味わいはまるでわかりませんでした。この物語を思い出すだけで胸が締め付けられるような気持になります。良い本をテキストに選んでいただいたのだな、と今にして思います。当時、昔も今も語学が苦手な私は試験対策として「セールスマンの死」の日本語版の単行本を買った覚えがあります。周囲には英語が当たり前にできるひとがたくさんいたので、驚かれたというか感心されたというか呆れられたというか、そんな反応でした。あの本、今どこにあるんだろう…


<おまけのひとこと>
 子供のころや若いころに読んだ本、特に繰り返し読んだ本はこの歳になっても自分の中に残っているのだなあと思います。





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