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以前の「ひとこと」 : 2024年9月前半


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9月1日(日) ゲーデル・エッシャー・バッハ、他

 9月になりました。ここに載せる画像の標準的なサイズを少し大きくすることにしました。



 X(twitter)で、英語版の「ゲーデル・エッシャー・バッハ」(GEB)を読んだことがありますか? という投稿があって、たくさんのリプライやリポストがありました。久しぶりに自分の本を取り出してみました。日本での初版は1985年5月で、手持ちの本は1986年3月の第1版第15刷でした。4,800円で、当時は消費税はありません。大学の生協書籍部で多分1割引で買ったと思います。

 自分のAIや認知に関する知識は、この本で初めて知ったことがたくさんあったのだなあと改めて思いました。たまたま開いてみたページの写真を撮ってみました。

 下の第62図(332ページ)、文字を構成要素として文字のかたちを作ってみたものです。構成要素のほうの文字を採用するのか、ぜんたいとしてのかたちが表す文字を採用するのかによって二通りに解釈できる、という例です。著者自身の手描きの図です。

 下の見開きページ(pp.578-579)の第110〜112図は ウィノグラード(Winograd(1946- )) の有名な SHRDLU(GEBの日本語版ではシルドリュと表記されています)の対話例です。ページを割いてかなり丁寧に事例が説明されています。

 SHRDLUは、ウィノグラードが20台前半のころ、1968年(!)から1970年に開発されたコンピュータの中の仮想世界に置かれた積み木や箱に対して、人間がキーボードから英語の自然言語を入力することで、対話的に積み木を動かしたり積み上げたりできる、というAIシステムです。この時代から50年以上経った現在、ようやくこれに類することが実世界で実現できるようになりつつあります。人間とのインタフェースも発話音声による自然言語の対話が可能になり、さらにジェスチャなどボディランゲージも使えるようになったり、図や動画などでロボットに指示をだせるようになったりしてきています。

 でも、対話の本質的な部分が当時の純粋にアルゴリズム的なアプローチでここまで実現できたのだ、というのは恐るべき成果だったのです。最初のAIブームのとき、これなら近い将来現実の世界でロボットに対話的に仕事をさせられるようになるのではないか、と50年前の研究者が期待したのは無理もないと思います。

 このころから現在に至るAIや脳神経科学、認知心理学などの研究の流れをその時代ごとに知ることができたのは本当に楽しかったなあと思います。

 もともと好きだったエッシャーがさらに好きになったのもこの本の影響が大きいですし、もともと大好きだったバッハの、「音楽の捧げもの」を深く知ることができたのもこの本のおかげです。学生時代に読むことができて良かった本です。



 このタイプの万年カレンダーパズルも毎日やっています。こちらは簡単で、たぶん1分もかかりません。ただ、日付の一の位が1のとき、十の位の数字との距離がややしっくりこないのです。これは昨日の状態です。

 近すぎるか(左)、遠すぎるか(右)、なのです。まあどうしようもないのですが。



 昨日の夕焼けがとてもきれいだったのです。X(twitter)に八ヶ岳の夕焼けの写真を投稿しました。あんまりきれいに撮れなかったのでここには載せません。もっと美しい、たくさんの夕焼けの画像や動画が投稿されていました。長く居座っている台風の影響で空気中の水蒸気量が増えている影響、という説明が書かれていました。それがどのように夕焼けの色に影響を及ぼすのか、うまく説明できません。


<おまけのひとこと>
 これだけ計算機が進化したら天気予報が当たるのは当たり前、日食や月食が正確に予報できるように、天気も正確に予報できないのは怠慢、という意見をSNSで見かけて驚いています。





9月2日(月) 照明器具を変えた、あやとり「14のダイヤモンド」

 月曜日ですが軽い話題です。



 リビングの蛍光灯からジージーという異音がするようになって、いやだなと思っていたのです。先日思い立って、器具ごと交換することにしました。調光(明るさを変えられる)や調色(色合いを変えられる)機能のある、LED光源の照明にすることにしました。発光部の寿命が来たら器具全体を交換しなければいけないタイプですが、おそらく自分の寿命のほうが短いのではないか(もしくは自分がこの家に住む時間のほうが短いのではないか)と思います。

 雲をイメージした、ちょっとやわらかい雰囲気のかたちの器具を選びました。我が家のリビングは天井裏のない、屋根の勾配に合わせた斜めの高い天井です。器具の取り付けも非常に苦労をしていただいてしまいました。

 背の高い壁には ligne roset の “clouds” というインテリアオブジェが飾ってあります。2017年1月に入手しました。

 今はそれぞれ所帯を持っている娘と息子に写真を送ったら、「うちのリビングらしくていいね」という感想をもらいました。うん、私もそう思います。



 現代創作あやとり作品「14のダイヤモンド」(c).神谷和男 1985 です。

「14のダイヤモンド」(c).神谷和男 1985

 使用紐長さは2.4m、先日100円ショップのセリアで買った3mのアクリルの紐を少し短くして輪に結んだものを使いました。いつも使っているアクリル紐より若干すべりが良い気がします。


<おまけのひとこと>
 予定より遅くなってしまいました。急がないと。





9月3日(火) 伝承あやとり「垣根」

 伝承あやとり作品です。



 平面の幾何学的なかたちになるあやとり作品に、「井戸」という伝承作品から継続して取る「垣根」というものがあります。「井戸」は動きのある作品で、南太平洋やハワイなどで広くみられる作品だそうです。地域によって名称は様々のようです。この「井戸」からの発展はいろいろなものがあるそうですが、私が好きなのは「垣根」(井戸の囲い)と呼ばれるものです。

「垣根」ローヤルティ諸島

 二段の三角格子のパターンがとてもすばらしいと思います。直線的な幾何学模様のあやとりとしては手順や仕上がりが珍しい興味深い作品です。


<おまけのひとこと>
 今日は忙しいので伝承あやとり作品のご紹介のみです。





9月4日(水) 電気回路の問題(その1)

 (グラフ理論の)グラフの話です。



 雑誌 Eureka(アーカイブはこちらhttps://www.archim.org.uk/eureka/archive/index.html)の Issue 26(1963) p.11 の問題です。

 こんなグラフの図が示されています。これは電気回路で、黒丸が頂点(接点)です。各接点の間の直線は(電気回路の)抵抗で、全て1オームとします。このとき、この回路の図のAとBの間の抵抗値はいくつでしょう? という問題です。

 このグラフの構造そのものが面白いなと思ったのでご紹介します。これ、どんなかたちでしょうか? これは多面体グラフでしょうか?(このグラフと同じ構造の多面体を作ることはできるでしょうか?)


<おまけのひとこと>
 今日も時間がなくて簡単な更新です。





9月5日(木) 電気回路の問題(その2)

 昨日のグラフの話のつづきです。



 昨日のこの問題、

 答は4/9オームです。X(twitter)のほうにもこの問題を投稿しておいたのですが、そうしたらで図入りで解を返信していただきました。ありがとうございます。



 このグラフは下の図のようにトーラスと同相な多面体だと考えることができます。私が最初に頭に浮かんだのが下の図のような凸包が三角柱のものでした。

 グラフとしては下のものでも同じです。

 上のかたちを回転するアニメーションにしてみました。

 このかたちはトーラスと同相な多面体(各面が平面)としては面の数が最小だと思います。合成抵抗の問題を考えるとき、対称性があるため電流が流れない(隣接する頂点の電位が同じ)になるところが何か所もあるのですが、それがわかりやすいのではないかなあと思います。


<おまけのひとこと>
 ネットワークが不調で不便です。





9月6日(金) 三角トーラス多面体、他

 さらにグラフの話のつづきです。



 昨日の三角柱を3つつないだトーラス多面体、中に入ってぐるっと見回してみたくなったのです。下の図の赤い点を視点として、見回すCGを作ってみました。

 いつもの平行投影図ではなく、魚眼レンズのような広角レンズの視野にしてみました。

 最初は三角トーラスの外側に尖った頂点のほうを見ていますが(下図左)、振り返る視線方向になると、逆側の三角柱が遠くに小さく透けて見えています(下図右)。

 ここまで広角にしなくてもよかったかもしれません。



 X(twitter)でこんな問題を見かけました。

 これは(a+b+c)2のかたちにすればいいんだよね、と思ってちょっと考えてみたのですが、なんだか変なのです。根号の中の2項目、√3で正しいのでしょうか?

 上の(1)のように √12 なら簡単なのですが… 

 追記:解がpostされました。(2)でがんばれば解けるのですね。なるほど。


<おまけのひとこと>
 ネットワークが不調なので携帯電話のテザリングに頼っています。不便です。





9月7日(土) 三角トーラス多面体のCG

 さらにグラフの話のつづきです。



 三角トーラス多面体、このタイプのものも中に入ってみるアニメーションを作ってみました。

 3回回転対称形なので、3分の1だけ計算して無限ループで表示しています。CGを描画するときの照明の位置も3回回転対称になるように配置することで違和感がないようにしています。

 進行方向を見るようにしてみたものや、広角レンズの特性を変えたものなどをいくつか試したのですが、あまり面白いアニメーションができなかったのです。上のようにトーラスの中心方向を見ながら移動するようにしてみたら、全体のかたちが認識しやすくなったと思います。



 今週はRSJ2024(第42回 日本ロボット学会学術講演会)に行っていました。せっかく梅田に行ったので、久しぶりにササヤ書店に行きました。何年振りでしょうか。たぶん10年以上前だと思います。

東店 西店

 以前よりさらに人の気配が少ない感じがしました。こういう雰囲気は好きですが、お店にとってはもっとにぎわっているほうが良いと思います。次に来る機会は果たしてあるだろうか、と思いながらゆっくり楽譜棚を眺めました。(お店がなくなることを心配しているのではなくて、自分が次にここに来る機会があるだろうか、という意味です。)至福の時間でした。


<おまけのひとこと>
 昨日の二重根号を外す問題、がんばれば解けるのだということがわかりました。失礼しました。





9月8日(日) 吉本キューブを飾る、クラフトビール

 日曜日、更新をパスしてしまいました。月曜日の朝に2日分まとめて更新しています。



 先日100円ショップのセリアで購入した吉本キューブ(と呼んでしまいます)、最近はこんな風に飾っています。



 先週、大阪に行ったときにBEER BELLY 天満という箕面ビールのビアバーに連れて行ってもらったのです。何かの時のために地元のクラフトビールも飲んでおこうかなと思って、麗人酒造の諏訪浪漫を買ってきて飲んでみました。

 写真左がしらかば(ケルシュ)で右がりんどう(アルト)です。この後でくろゆり(スタウト)も飲みました。このグラスを使うのも久しぶりでした。缶の色がビールの色に合わせて選ばれているということがわかりました。美味しいクラフトビールでした。特に赤い缶の「りんどう」が気に入りました。ちょっと甘めです。

 普段飲んでいるお酒よりも値段が高めなので頻繁には飲まないと思いますが、でも常備してもいいかなと思いました。


<おまけのひとこと>
 住んでいる地域が少しでも活性化したほうが嬉しいので、地元のものは優先的に選びたいと思っています。家電なども国産のものを優先的に選びたいと思っています。





9月9日(月) 3枚の板の問題(その1)

 パズルのような数学(物理?)の問題です。



 雑誌 Eureka(アーカイブはこちらhttps://www.archim.org.uk/eureka/archive/index.html)の Issue 27(1964) p.7 の問題です。Eureka、面白いです。

 長さがそれぞれ 2, 3, 4 で幅が同じで密度も同じな均質な薄い板(thin plank)が3枚あります。それを使って、できるだけ長く張り出した庇(ひさし)を作りたいのです。板はどこにも固定せず、単に重力がかかっているだけです。図では庇の長さは2.5です。これをどこまで伸ばせるでしょうか? という問題です。

 有名な、密度と寸法が同じレンガ(カードでもいいです)が無限個あったとき、机の縁からどれだけ長く張り出すことができるか? という問題を連想しました。

(つづく)



 真夜中過ぎの3時ころから外の雨が酷くなっています。これはひょっとして公的交通機関に影響があるだろうか、だったら予定を変更して在宅勤務にしようかなと思って気象庁の雨雲レーダーやアメダスを見に行きました。

 強い雨のエリアは極めて局所的な、長野県の中央東のごく一部から南西部の一部のエリアに限定されていることがわかりました。高速道路も私が通勤で通るあたりは全く影響がありませんでした。


<おまけのひとこと>
 だいぶ日が短くなってきました。なのにまだまだ日中はとんでもなく暑いです。でもきっと、ある日突然急に寒くなるのだろうなと思います。内陸なので気温の日較差、年較差は大きくて過酷です。でもそういうところも含めて自分の住んでいる地域は好きですが。





9月10日(火) 3枚の板の問題(その2)

 昨日の問題です。



 雑誌 Eureka の Issue 27(1964) p.7 の問題、少し考えてみました。

 一番横幅が広くなる状態はこれかなあと思ったのです。

 赤い三角形が全体の重心だとすると、左回り、右回りのモーメントを書いてみました。重心回りの回転が釣り合っているので、この左右が等しくなるような x を求めると 2/9 になって、重心の左側は26/9、右側は29/9 と計算しました。ここまで計算してから答えを見たら、59/18 とありました。図を見る限り、同じ配置のようなのです。どこを間違えんだろう…



 6月から毎週、鹿教湯温泉にある病院に行っているのですが、昨日は14:30に約束があって、遅れたくなかったので余裕をもって行ったら30分以上前に到着してしまいました。日中の気温もようやく少し低くなってきていたので、少しだけ渓谷のあたりを歩いてみました。すぐに汗が出てきてちょっと後悔しました。

 2007年7月に亡くなった父が最後にお世話になっていたのもこちらの病院でした。今は母がお世話になっています。



 ようやく涼しくなってきたので、今朝、ほったらかしにしていた庭の雑草を少し抜きました。石垣の隙間から生えていた大きな草を力任せに引き抜いたら、石垣の石が転がり落ちてしまいました。手も汚れていたので、写真を撮るのを忘れました。上から2段目の石だったので、外れた石は2つでした。ぎりぎり一人で持ち上げられるくらいの重さだったので、頑張って戻してみたのですがおさまりが悪いのです。石のかけらを使ってくさびを入れてみたのですが、地震などがあれば簡単に崩れてしまいそうです。周囲の石も含めて積み直す必要がありそうですが、とても自力でやれそうな気がしません。どうしたものか…


<おまけのひとこと>
 これに懲りて、雑草を成長させないようにしないといけないと思いました。





9月11日(水) 三角トーラス多面体の模型

 ペーパーモデルです。



 先日CGでご紹介した三角トーラス多面体の模型を作ってみたくなったのです。CGでは三角柱を繋ぐ部分の断面が正三角形になるようにしたのですが、模型は三角柱そのものの断面が正三角形になるようにしました。そうすると接続部分は尖った鋭角二等辺三角形になります。面は、下の図の長方形が3枚、等脚台形が6枚です。

 型紙の設計が良くなくて、きれいに組み立てられませんでした。


<おまけのひとこと>
 昨日は更新データをサーバにアップロードしようとしたらプロバイダが機器メンテナンスのためにサービスを休止していて更新ができませんでした。そのため2日分まとめての更新になります。





9月12日(木) 三角トーラス多面体の模型(その2)

 ペーパーモデルのつづきです。



 昨日、凸包が三角柱の三角トーラス多面体の模型をご紹介しましたが、せっかく断面が正三角形なので、中央の穴に通してみたいなと思ったのです。この場合は断面の三角形の頂点が外側のほうが都合が良いと思ったので、さっそく型紙を設計して作ってみることにしました。

 小さいと組みにくいので、大きくしました。

 この模型はこの姿勢でしか安定しません。

 互いに貫通させて組んでみました。「ホップの絡み目」の構造です。

ホップの絡み目

 シンプルできれいなかたちだと思います。

(つづく)



 今日は『数学セミナー』10月号の発売日です。今日、定期健康診断に行く妻が帰りに定期購読している本屋さんに寄って買ってきてくれるとのことで、楽しみです。もくじを見ると、冒頭の1ページのコラムが前川淳さんで、書評(BOOK GUIDE)で取り上げられているのも前川さんの『空想の補助線』のようです。読むのが楽しみです。


<おまけのひとこと>
 自分の定期通院のことをすっかり忘れていました。予約を確認したら、先々週でした。まずい…





9月13日(金) 『数学セミナー』10月号、三角トーラス多面体のホップの絡み目のCG、巡回セールスマン問題による画像表現

 今日はトピック3つです。



 「数学セミナー」10月号を入手しました。定期購読している駅前の本屋さんで、昨日妻が買ってきてくれました。連載「あやとりの楽しみ」も第7回になりました。

 今回は「テントの幕」の発展、ということで、1970年代の雑誌の2つの記事で書かれた内容を紹介するものになっています。あやとりの楽しみのサポートページに第7回(10月号)のページを作って、そこに参考文献の最初のページの半分くらいの画像を載せました。



 昨日の三角トーラス多面体2つのホップの絡み目、回転するCGを作ってみました。サイズが大きいので直接は載せません。下の画像をクリックしていただくと、それぞれ別窓でgifアニメーションが表示されます。

 シミュレーション環境の照明の設定が良くなくて、極端に明るかったり暗かったりするのがいまひとつです。



 TSP Artというサイトがとても面白いのです。これは、数学の手法で画像を濃淡パターンに変換するという試みです。こんな例が掲載されています。(表示画像は縮小しています)

 縮小画像だとわかりにくいですが(クリックすると拡大します)、これはいずれも連続する1本の線で「一筆書き」のように描かれているのです。

 この画像をどうやって作るのか、Making TSP Artというページで説明されています。最初に元画像を用意して、

元画像(Making TSP Art より引用)

 点描のように点の密度で濃淡を表す画像に変換します。

点の濃淡画像(Making TSP Art より引用)

 全ての点を1回だけ訪れて出発点に戻る順路を作ります。このとき、全体の移動距離ができるだけ小さくなるようにします。これを「巡回セールスマン問題」(TSP:Traveling Salesman Problem) といいます。点の数が増えると組合せの数が爆発的に増えて、厳密な最小距離の解を求めるのが極めて難しい問題として有名です。

距離が最小になるように点を結ぶ(Making TSP Art より引用)

 これは円と同相な図形で、交差のない自明な結び目と呼んでも良いです。ということはこの図形の外側と内側がある、ということです。参照先のページでも、内側と外側を塗分けた図が紹介されています。例えば図形の内側の2点を選んで、その2点を結ぶルートを見つける迷路として遊ぶこともできそうです。

 巡回セールスマン問題の近似解を求めるアルゴリズムは昔からいろいろ研究されていますが、こんな面白い応用もあるのだな、と感心しました。


<おまけのひとこと>
 定期通院の予約を取り直しました。





9月14日(土) スラマンダッシュ逆数列の素数

 三連休の初日です。X(twitter)で見かけたトピックのご紹介です。



 Xにこんな投稿があったのです。

 「整数82から始めて、82 81 80 79 78 … と1つずつ減らしながら数字を書いて行きます。最後に一桁になったら 09 08 ではなく、9 8 7 6 … 1 と書きます。全部で155個の数字が並びます。この155桁の数字、なんと素数なのだそうです。びっくり。」と書いて引用ポストしたら、上記のポストに対してこんなリプライがあった、という返信をもらいました。返信して下さった方の意図はよくわかりません。

 “it's inevitable though. Prime numbers are not rare. The numbers of the form you mention are infinitely numerous. Is it any wonder we got one at 82?” (それはよくあることです。素数は珍しいものではありません。ここに示された例はいくらでもあります。 82に特に面白い点があるのですか?)

 これが珍しくない、例がいくらでもある、というのはにわかには信じがたいです。逆に、そもそもこの 82818079…10987654321 が素数というのも、自分では検証せずに鵜呑みにしました。少し調べてみました。SMARANDACHE PRIMES, SQUARES, CUBES, M-POWERS, AND MORE GENERAL "T"-NUMBERS(スマランダッシュ素数、平方数、立方数、M 乗、およびより一般的な 「T」数) というページがありました。

 このページによれば、82 81 80 79 … 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 というのはスラマンダッシュ逆数列と呼ばれ、 RSm(82) と表記されています。Stephan が RSm(750)までの中に素数は RSm(82)しか存在しないことを示し、Weisstein は RSm(2739)まで、Flerren は RSm(10,000)まで調べたそうです。でも RSm(82) だけが素数だったそうです。そのため、スラマンダッシュ逆数列の中で RSm(82) がおそらく唯一の素数ではないか、と予想されているようです。

 Xのほうでは上記の内容をかいつまんで返信したのですが、上に引用した英文のリプライのポストはすでに削除されて閲覧できなくなっていました。SNSというのは気軽に思い付いたことを投稿できますが、必ずしも真実であるとは限らないということを改めて感じました。

 スラマンダッシュは1993年にOnly Problems, Not Solutions!(第4版)を発表していて(pdfがこちらhttps://core.ac.uk/download/pdf/346615237.pdfで閲覧できました)、文字通り解のない問題をいくつも発表しているようです。



 bigprimes.org/primality-testというサイトで、入力した数字が素数かどうか判定してくれるのです。

82818079787776757473727170696867666564636261605958575655545352515049484746454443424140393837363534333231302928272625242322212019181716151413121110987654321

をコピーして入力してみたら、素数だと判定してくれました。素数だと緑色の文字で xxx is a prime number!、合成数ならば赤い文字で xxx is not prime. と表示されます。(もちろん、このサイトが本当に正しい答を出してくれるという保証があるわけではありません。)



 あやとり協会の吉田さんから、「数学セミナー」10月号の「あやとりの楽しみ」第7回の感想のメールをいただきました。ありがとうございます。「テントの幕」を好まれる方は多いということ、でもこういった発展はあやとり会の常連さんでも必ずしもご存じではないかもしれない、といったコメントとともに、紹介されているあやとり作品はすべて取ってみたこと、手順の表記は問題ないと思います、と言っていただけました。ものすごく心強いです。ありがとうございます。


<おまけのひとこと>
 SNSによって誰でも手軽に情報発信できる社会になりました。自分がそれなりに知っているはずの分野ですら真偽の判断が難しいこともあります。ましてや専門外の分野の話であれば、自分も容易にだまされるだろうなという自覚があります。大変です。





9月15日(日) いろいろ

 三連休の2日目です。



 仕事猫のキーチェーンのカプセルトイがあるときいて、出かけたときにカプセルトイコーナーを見回ってみたら、ありました。2回目で、「ヨシ!」が出たので良かったです。

 どこかに付けようかな…



 以下、お休み日記です。

 この連休は横浜に住んでいる息子が地元の友人と山に登るということで金曜日の夜に来ていたのですが、登山予定の14日(土)の早朝、いつものように4時前にそろそろ出かけるのかと思って玄関に行ってみたら、同行する予定の友達が体調不良で中止になったそうです。息子もやや体調がよくないということで、午前中の列車で帰ることになりました。妻は最初から土日は出かける予定があったため、思いがけず二日間は一人で自宅にこもる時間になりました。

 一人なので、食材を買いに行って何か作ることにしました。食材はお店に行って「お店のお勧め」(=特価品など)を買うことにしています。買って帰ってから適当に調理します。食べるのが自分だけならば気楽です。今回は食材は鶏むね肉(230gくらい、120円くらい)、豚コマ肉(100gくらい、150円くらい)、ピーマン(長野県産6個で半額で70円くらい)、チンゲン菜(静岡県産2株で半額で70円くらい)、あとは卵を10個(160円くらい)を買いました。鶏むね肉は適当に「鶏チャーシュー」を作りました。豚コマはしぐれ煮風にしました。ピーマンは辛みそ炒めにして、チンゲン菜は塩味にすることにして、炒めて卵と和えました。自分で食べる分には十分ですが、誰かに食べてもらえるレベルのものではありません。(楽器の演奏と同じで、自分が自分の楽しみのためだけにやっている活動です。)菜切り包丁の切れ味が悪かったので砥石を出して研ぎました。台所仕事、たまにやると楽しいですが、これを毎日やってくれる妻には感謝しています。


<おまけのひとこと>
 日曜日の夜に帰ってきた妻が真っ先にやったのが、片付け忘れていたドリップコーヒーを片付けてドリッパーを洗うことでした。土曜日の朝に出かけるときにあわただしくて、片付け忘れていて気になっていたのだそうです。ごめんなさい、気が付くことができませんでした。自分が調理で使ったものはもちろん全部洗い物は済ませてあるのですが。





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