以前の「ひとこと」 : 2024年6月後半
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6月16日(日) レーダードームの多面体(その2)
6月後半になりました。新聞で見かけた写真の多面体についての考察です。
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昨日、新聞で見かけた千葉県柏市の気象大学校のレーダードーム、
これは切隅二十面体、いわゆるサッカーボール型の亜種に見えます。切隅二十面体は正三角形20枚から成る正二十面体の12の頂点を切り落として、もともとの正三角形由来の正六角形20枚と、頂点由来の正五角形12枚から成る多面体です。このドームの多面体は、3回回転対称の等辺六角形20枚と正五角形12枚から成る多面体のようです。
3回回転対称の等辺六角形は、正六角形に近いものから辺の長さが2倍の正三角形に近いものまで、連続的に変化します。ちょうど菱形が正方形に近いものから針のように細い菱形まで連続的に変化するのと同じです。
模型を作ってみようと思って、まずはろくに考えずに正二十面体の展開図の各三角形を等辺六角形に置き換えてみました。正五角形の部分は面を空けておくことにしました。
これで目的の多面体は作れるでしょうか? なんだかちょっと違う気がしますが、無理やり組んでみようと思って展開図を印刷して切り出してみました。
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あきらかにダメそうです…
(つづく) ○
こんなパズルを見かけました。
L-テトロミノとZ-ペントミノを4つずつを6×6に収めてくださいというパズルです。YouTubeの動画のようです。(動画そのものは見ていません。)これは易しかったです。おそらくユニーク解だと思います。
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我が家の庭は木が生い茂っていて、鳥や猫に人気があるようです。午後の比較的早い時刻には日が直接あたらなくなるので、猫がお昼寝に来ます。
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6/14(金)午後
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6/15(土)午後
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爪が見える ガラス窓1枚を隔てて人がいるのに気が付いていないのか、気にしないのか…
<おまけのひとこと>
息子から「今日はカタンの日本選手権の関東地区大会に来ました」というLINEが来ました。すごい、楽しそうです。
6月17日(月) レーダードームの多面体(その3)
レーダードームの多面体の模型を作ります。
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昨日のこの展開図、
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大間違いでした。開口部が正五角形にならないどころか平面にすらなりません。
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ちゃんと考えないとダメでした。展開図、作り直しました。(クリックで拡大します。)
これならうまく組めるでしょうか?
(つづく) ○
土曜日に本屋さんに行ったときにキャストパズルを衝動買いしました。キャストメビウスです。両面が迷路になったメビウスの帯から銀色のパーツを外します。迷路系のパズルの第一人者であるOsker氏のデザインされたパズルです。
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デザインがたいへん美しく、ピースの微妙な違いによる試行錯誤を要求するタイプではなく、難しすぎず易しすぎず、遊んでいて楽しい素晴らしいデザインだと思います。何度か外したり初期状態に戻したりしているうちにだんだんわかってきた気がします。
妻も一度だけ「外せた!」と言って見せてくれました。でも最初の状態に戻すのは私に任されました。
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数学セミナーの7月号、「あやとりの楽しみ」も第4回になりました。
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今回、背表紙に [好評連載中] あやとりの楽しみ という表記が載りました。嬉しい…
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5速MTの軽トラ「スズキ・スーパーキャリイ Xリミテッド」をトランポ&ファミリーカーに使ってみたという記事を興味深く読みました。先日代車で乗ってみて楽しかったので、ちょっと心を惹かれています。でも、自分の車をこれ1台だけにする勇気はありません。
<おまけのひとこと>
昨日の午後も同じ猫がお昼寝に来ていました。3日連続です。
6月18日(火) レーダードームの多面体(その4)
レーダードームの多面体の模型の話のつづきです。
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昨日新たに設計し直したこの展開図、
組み立ててみました。
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昨日の「間違い展開図」ほど酷くはないですが、等辺六角形の面はきれいな平面になりません。「のりしろ」がある稜と無い稜の硬さが異なるため、全体のバランスも残念ながらいまひとつです。視点を変えた写真も撮ってみました。(この3つの写真、どれもみんな違う画像です。)
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五角形の面を空けた設計にしておいて良かったです。この多面体に関してはいったんこんなものかな、このかたちについて考えるのは一区切りかなと思って、最後にこの多面体を作ろうとしたきっかけの「東京レーダー」の写真と同じ向きにして一緒に写真を撮ることにしました。
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あれ、向きが合わない…
(つづく) ○
HANAYAMAのキャスト メビウスを何度か付け外しして、だんだんわかってきた気がします。キャストパズルの解き方を言語化するというのも難しい課題だなと思いました。(日頃、あやとりの手順の言語化が難しいと思っていることからの連想です。)頭の中にどんな風に対象(パズル)のモデルが構築されるのか、認知科学的に研究してみたら面白いだろうなと思います。
初期状態に戻したところでこのパズルを立ててみました。意外と安定しています。
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立ててみたのは、この向きの写真を撮りたかったからなのです。普通の帯(リング)は縁が2本ありますが、メビウスの帯は縁が1本しかありません。この向きから見ると、1本の縁が8の字型になっているのがよくわかります。
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改めてメビウスの帯は美しいかたちだなと思うのです。
<おまけのひとこと>
今日は雨が降っています。
6月19日(水) ポリキューブの展開図(その1)
レーダードームの多面体の話はちょっとお休みして、別の話題を始めます。展開図の話です。
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パズルがお好きな方ならご存じかと思いますが、Nob Yoshigahara Puzzle Design Competitionというサイトがあります。ここにエントリーされているパズルは、いろいろと新しい発想やアイディアにあふれていて眺めているだけでとても楽しいのです。ハナヤマのキャストパズルになっている作品もいくつもあります。2019年のエントリーリストを眺めていたら、こんなパズルがありました。
4! Fold
Designer: Bob Hearn
Goal: Fold a polycube.
2019 Puzzle Competition4×6の24単位の正方形がジョイントで連結されたシートを折り畳んでポリキューブ(立方体がつながったかたち)を作ってください、というパズルです。長方形が展開図になっているという面白い作品です。下図が展開図です。黒い太線をカットし、グレーの線は必要に応じて山折りか谷折りします。曲げる必要がないところもあるかと思います。
実際に紙で作って試行錯誤してみました。少し試行錯誤した後の写真です。この写真の山折り・谷折りが正しいとは限りません。
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実はこの問題、私は先にゴールのかたちを知ってしまったのです。Ed Pegg氏のFacebookを見ていたらいきなり目標のかたちと展開図が載っていたので、まずはそれを見て型紙を作って遊んでみたのでした。その記事に考案者の Bob Hearn氏の名前があったので、解いた後で検索してみたら上記のパズルコンペのサイトに行き着いたのでした。Facebookの当該記事はこちら2022年4月10日です。(←このリンクを開くとゴールの形が描かれていますので見たくない方は開かないでください。)
ゴールのかたちを知って取り組んだため、それほど時間がかからずに解に到達できました。頭の中だけではとてもわからなくて、実際の型紙を用意して10分〜15分くらい試行錯誤したら見つかりました。解を見つけてから改めて展開図を眺めると、パズルとしての工夫を感じました。目標の形が明かされていないもともとのパズルの出題は、はるかにむつかしいと思います。紙で試行錯誤するならゴールのかたちを知って考えるほうが現実的ではないかと思います。作って試してみる価値があるパズルだと思います。
(つづく) ○
先々週の週末に車を車検に出していたのですが、先日の日曜日に車検証とステッカーが届いたということで取りに行きました。時間に余裕があったので、目的地の近くのリサイクルショップをのぞいてみたらこんなものがあったので買ってみました。
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これは、1998年の冬季長野オリンピックのマスコットのスノーレッツのファスナーアクセサリです。リサイクルショップで50円でした。「1つ50円」ではなくて「4つで50円」です。
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こういうものはどんどん使うに限る、それで傷んだり紛失したりしたとしても使ってあげるほうがモノのために良いだろう、と思って、さっそくいつも使っているカバンのファスナーに取り付けてみました。
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上のリンクの公式サイトに行ってみると、4体にはそれぞれ固有の名前があって、順番も決まっているようですが上の写真ではそれは全く考慮していません。
<おまけのひとこと>
今朝は近所のローソンまでお散歩に行って、「盛りすぎチャレンジ」のおにぎりとパンを買ってきました。パンはあさごはんに食べました。おにぎりはお昼に食べる予定です。近所といっても距離が1kmくらい、標高差も50mくらいあると思います。往復で2,500歩くらいでした。
6月20日(木) キュビガミ7(ポリキューブの展開図のパズル)、白いデュプロブロック
ポリキューブの展開図のパズルの話と立体的なあやとりのディスプレイの話です。
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昨日ご紹介した、下図の24単位の正方形から成る長方形の展開図からポリキューブ(立方体がつながったかたち)を作ってくださいというパズルですが、
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このパズルから連想するのはキュビガミ7(cubigami7)というパズルです(リンク先は「パズルショップ・トリト」です)。久しぶりに引っ張り出してきました。
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製品名をすっかり忘れていたのですが、この製品は作ることができるかたちと製品名が刻印されているのです。
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これ、確か以前にご紹介したことがあったはず、と思って自分のサイトを検索してみると、2021年12月27日にご紹介していました。昔、息子が高校生くらいだった時にこの7パターンを全部作っていたことがあったのを覚えているので、自分のサイトに掲載したのはもっと前だと思っていました。
最近はこんな色の製品になっているみたいです。私の手持ちの製品は白がすっかり黄ばんでしまいましたが、昔の色のほうが好みです。
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先日、立体的なあやとり作品を三次元的に固定するためにLEGO社のデュプロブロックを使ってみた話をご紹介しました。手持ちのブロックが赤・青・黄・緑の原色4色しかなかったため、あやとり紐よりブロックに目が行ってしまいました。デュプロブロックに白い紙でも貼ろうか、それとも白く塗装してしまおうかなどと考えたのですが、調べてみるとブロックをばら売りしている店舗があったため、購入することにしました。白いデュプロブロックの2×2、2×3、2×4を合計60ピースほど注文したのですが、それが昨日届きました。(値段は高かったです。妻が「そんなにしたの!」とびっくりしていました。)
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先週から飾りっぱなしになっていたシシドユキオさんの「蝶」、カラフルなデュプロブロックを外して白いブロックに入れ替えてみました。
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かなり良い感じです(と思います)。これならブロックが主役ではなくあやとりが主役に見えるのではないかと思いました。
蝶の部分の写真も改めて撮ってみました。
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もちろん人間の手のかたちのほうがずっと美しいに決まっていますが、これはこれで「有り」だと思いました。強力なマグネットを仕込んでいるのでそれなりに張力をかけることができますし、土台のブロックの位置も微妙にずらすことが可能です。平面的な作品以上にかたちを整えるのは難しいですが、それも含めて楽しいです。これまでご紹介が難しかった他の立体的なあやとり作品も試してみたくなりました。
(つづく)
<おまけのひとこと>
せっかく大枚はたいて(大袈裟です)購入したデュプロブロック、使い倒そうと思います。
6月21日(金) ポリキューブの展開図(その2)
ポリキューブの展開図のパズルの話のつづきです。
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一昨日にご紹介した4! Foldというパズルですが、
4! Fold
Designer: Bob Hearn
Goal: Fold a polycube.
2019 Puzzle Competitionこの展開図を図示すると以下のようになっていました。
実はこれ、下の図の黒い太線のようにカットしてもできるのです。すみません、これは大きなヒントになってしまうと思ったのですが、5年前に公開されているパズルですし、この図を見た瞬間に完成形の構造が頭に浮かぶわけではないだろうと思ったので載せてしまいます。(自分を基準にするのは危ないかもしれませんが)
このほうが対称性があって美しい解だと思うのです。パズルとしては難易度が下がります。4! Foldはパズルとしての難易度を上げるためにわざわざこの展開図を選択しているのだと思います。
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多面体の対称性と展開図の対称性の関係はどうなっているのだろうと思ったのです。大部分の方にとって一番なじみ深い展開図は立方体の展開図ではないかと思います。(下図は2002年11月12日のひとことです。)
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立方体の展開図 これらの展開図は、鏡像対称性を持つもの(線対称図形)、回転対称性を持つもの(点対称図形)、そのどちらも持たないものに分類できます。展開図に対称性がなくてもその展開図から作る多面体には対称性があるものが存在する(=対称性を持たない展開図から立方体ができる)ことはこの例からわかります。逆に、展開図に対称性があるのにそれから作る多面体には対称性がないものは作れるのだろうか?と思いました。できそうですがすぐには実例を思いつきませんでした。そもそも、ポリキューブで考えたとき、鏡像対称性も回転対称性も持たないポリキューブって何だろう?というところから考えてみています。
(つづく)
<おまけのひとこと>
三次元的なあやとり作品のディスプレイの話は時間切れで今日は掲載を見送ります。
6月22日(土) ポリキューブの展開図(その3)、あやとりディスプレイ他
ポリキューブの展開図のパズルの話のつづきとあやとりディスプレイの話などです。
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4×6の24枚の正方形を長方形に並べたかたちの展開図からポリキューブ(立方体がつながったかたち)を作るパズル、対称性が高い展開図を見つけたので、それがちゃんと組めるか試してみました。せっかくなので(?)、展開図の周囲を「のりしろ」として利用可能な部分はの利用しようと思って以下のような「のりしろ」付きの展開図を用意しました。
これを印刷して組み立ててみました。今のところこのパズルの完成形は伏せているので、組み立てた結果の画像は直接はここに載せません。ご覧になりたい方はこちらをご覧ください。(別窓で画像が開きます。)
全ての連結部分に「のりしろ」があるわけではありません。長方形の展開図の内側の黒い太線でカットするのですが、カットされた縁の部分は、必ずしも「のりしろ」があるとは限りません。カットする太線の長さは14なので、その両側に縁が28あります。外周の縁の長さは20です。トータルで48の縁があるので、過不足なく「のりしろ」を用意するなら24必要です。実際には上の展開図のように16の「のりしろ」を用意しました。(外周で「のりしろ」のない辺は別の外周と接するため、最大で16でした。)ということは8か所の稜は「のりしろ」が無いことになります。
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昨日、サーバには転送しておいた立体的なあやとり作品を白いデュプロブロックでディスプレイしてみた写真を載せます。
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伝承作品:天と地(マプチェ族) このあやとりを自分で取った時にはこんな風に見えます。
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横から見下ろしてみました。
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視点を下げて斜めから見てみました。「天と地」の上の階層と下の階層の高さの違いがよくわかるかと思います。今回は敢えて「天」のほうを少し狭く、「地」のほうを少し広くしてみました。
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これを崩すのがもったいなくて、今もこのまま飾ってあります。
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正方形の折り紙でちょっと実験がしたくてB5サイズのレポート用紙から正方形を切り取ったのですが、残った細長い長方形をなんとなく手慰みにジグザグに折っていたらこんなものができました。両端は接着しています。
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週の前半にご紹介していたレーダードームの多面体のスタンドにしたらいいかも、と思って載せてみました。
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ちょっといい感じだなと思ってこの状態で飾っておいたのですが、部屋の窓を開けて風を通したら、多面体もスタンドも紙で軽いので吹き飛ばされて転がって行ってしまいました。飾っておくのはあきらめました。
<おまけのひとこと>
今日は国際あやとり協会主催の「第33回野口廣記念 あやとり講習会・検定」が開催されます。参加できなくて少々心苦しいです。成功をお祈りしています。
6月23日(日) テトラキューブ(その1)
ポリキューブの展開図つながりでテトラキューブの話です。
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一昨日、ポリキューブの展開図を考えながら「展開図に対称性があるのに出来上がる多面体には対称性が無い例はあるのか?」という疑問が思い浮かんだということを書きました。まずはポリキューブで考えてみようと思いました。キューブが1つ、2つ、3つまでは平面的な(=高さが1の)ポリキューブしか存在しません。高さが1のポリキューブは高さ1/2の鏡像対称面を持つので、対称性が無いものは存在しません。あるとすればキューブが4つのテトラキューブ以上のはずです。テトラキューブを思い出してみました。
平面的でないものは上図の下の段の3つです。下段左のものは対称性が高いですが、下段中央と下段右の互いに鏡像になっているものは鏡像対称面を持ちません。でもこの2つは2回回転対称軸を持っています。ということはテトラキューブには対称性がないかたちは存在しないということです。次は立方体5つのペンタキューブです。
(つづく) ○
ペンタキューブは8つあるので、これを1つずつ使って「2倍体」を作ることができるか?というパズルがあります。2倍体というのは、2×2×2の立方体4つで一回り大きなテトラキューブのかたちをつくることです。例えばI型テトラキューブ(1×1×4) なら 2×2×8 を作るのが目標です。解の一例です。
この話、以前にも書いている気がしますが、すぐに見つからなかったのでご紹介することにしました。
(つづく) ○
谷沢信憙『諏訪の物語』イラスト原画展というイベントが6/22(土)〜6/30(日)に開催されているという案内をいただきました。こちらの柏屋カフェ&ギャラリーに画像や動画が紹介されていました。
今日は悪天候の中、スワコエイトピークスミドルトライアスロン大会2024というのが開催されていて、広い範囲で交通規制されています。この地域の一大イベントなので、天気が悪くなってしまったのは残念です。イラスト原画展は興味がありますが、今日は天気も良くないですし、交通規制もあるので来週にしようかなと思っています。
<おまけのひとこと>
「数学セミナー」連載の「あやとりの楽しみ」の第6回(9月号:8/12発売予定)と第7回(10月号:9/12発売予定)の原稿を作りました。編集長の飯野さんが丁寧に見て下さって、建設的なご提案をたくさん下さるのです。本当にありがたいです。
6月24日(月) テトラキューブの2倍体
テトラキューブの話です。
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雑誌「数学セミナー」に連載している「あやとりの楽しみ」のサポートページに大幅に手を入れました。あやとり紐の準備や糸や指などの呼び方などのページを作りました。よろしければご覧ください。
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8種類のテトラキューブを1つずつ使って、それぞれのかたちの2倍体を作るパズルの話をしています。
8種類のテトラキューブ 昨日、I型(1×1×4)の2倍体の例を挙げましたが、実は 2×2×4 を2セット作ることができるのです。
2×2×4を2セットつくる 8種類のテトラキューブのうち、この2つの組合せで作れる2倍体は6種類あります。残りは下記の2種類です。
これの2倍体が作れれば8種類すべての2倍体ができることになります。
(つづく)
<おまけのひとこと>
この土日は連載の原稿を書いたりサポートページを作ったりで終わりました。そのため今日は簡単な更新です。
6月25日(火) テトラキューブ2倍体の解、「なんでもぜんまい」
テトラキューブの2倍体の解のご紹介とカプセルトイの話です。
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8種類のテトラキューブを使ってその2倍体を作るパズル、手持ちのピースで遊んでみた後でBurrToolsで解析してみました。
8種類のテトラキューブ 上の図の左下の3回回転対称軸を持つ対称性の高いかたち、解の数は63という結果になりました。解の1つをgifアニメーションにしてみました。
眺めていて楽しいです。いくつ目のパーツで、全体のかたちが見えるでしょうか?
また別の解です。これは2倍体の中心に、同じかたちの小ピースがあるのが面白いと思います。この条件でも解が複数あります。
(つづく) ○
長野県内の大きな本屋さんのチェーン店の「平安堂」の最寄りのお店で、CDやDVDなどのコーナーを改装してカプセルトイのコーナーを充実させたという話を聞いて、先日行ってみました。(ハナヤマのキャストパズルの「キャストメビウス」はそのときに平安堂のパズルコーナーで買ったのでした。)以前から気になっていた「なんでもぜんまい」があったので、喜んで1つ買ってきました。
以前、デイリーポータルZの記事で物にぜんまいをつけると命が宿る(斎藤公輔 2021/09/07)という記事があって面白いなと思っていたのですが、これが製品化され、さらにカプセルトイになったという話をどこかで知って、見かけたら買おうかなと思っていたのです。
公式サイトはこちらのATC なんでもぜんまい ミニチュアコレクションのようです。4色あるようなのですが、どの色でもまあいいんだけれどもできればベーシックなシルバーが欲しいなと思ったら、それが最初に出てきました。
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カプセルに収めるため、3つの部品を組み立てる構成になっています。マグネット部を引き出して手でぜんまいを巻きます。マグネット部を押し込むとロックが外れてぜんまいの力で回転を始めます。当然ですがぜんまいのリアルな音がします。確かに楽しいです。
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昨日の夕焼けがきれいだったのです。みるみるうちに色が変わってゆきます。
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2024/06/24 北東側
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2024/06/24 北西側 2階の窓からの写真なので電線が気になりますが、この電線、鳥に人気があっていろいろな鳥がとまってさえずるのです。それを間近に見られるので電線があってよかったと思うことにしています。
<おまけのひとこと>
姉が実家の片付けを少しずつ進めてくれています。毎週母の病院に一緒に行くのですが、その時に処分に迷うものや私のものではないかと思われるものを持ってきてくれます。今回受け取ったものの中にとても良いものがあって、時間を忘れて眺めてしまいました。準備ができたらご紹介します。
6月26日(水) テトラキューブ2倍体の解(その2)、あやとりの動画、他
テトラキューブの2倍体残りの解とあやとり動画の話などです。
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テトラキューブで2倍体を作る話、最後のT型テトラキューブの例もgifアニメーションで載せておきます。
ほかにも解があります。
ついでに、2×2×4 を2組つくる例も載せておきます。4つずつのピースの組合せ、この例とは異なる分け方でも可能な組合せがあります。
アニメーションで出てくるピースのかたちがわかりにくいものもあるかもしれないので、上記のアニメーションで使われているピースを、その色分けで載せておきます。
テトラキューブもいろいろなかたちが楽しめますし、この「2倍体を作ってみる」というのは手軽な問題なのでお勧めです。
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数学セミナー編集部で「四段ばしご」(第1回:4月号でご紹介)を動画にしてくださいました。第2回5月号でご紹介した「ダンスの舞台」の動画に続いての第2弾です。本当に感謝しています。
あやとりの動画は世の中にたくさんありますが、自然言語によるあやとり手順の記述と実際の動作との関係がわかりやすいのがこの動画の特徴です。目標は、言葉による手順の記述だけを読んであやとりが取れるようになることです。大部分のあやとり動画は、その動画を見てそのあやとり作品を取ってもらうことが目標です。あやとりを取る手順が記憶されるとしたら、それはその動画を視聴した人の頭のなかに残るのであって、何らかの「記述」が生成されるわけではありません。
一方この動画は「あやとりの楽しみ」の記事で用いている日本語の自然言語による取り方の手順の記述法の理解を助けるためのものです。歌や音楽を覚えるときに、実際の演奏を耳で聞き、楽器の操作を目で見てそれを真似る、というのは「学ぶ」ときの基本です。(「まなぶ」の語源は「まねぶ」ではないか、という説があると聞いたことがあります。)音楽を伝える動画の中に楽譜の表記があって、その音楽に同期して音符が表示されれば、楽譜による音楽の表記を学ぶのに役に立つはずです。(実際そういう動画があります。)それと同じように、「この手順の日本語表記はこういう操作のことを述べているんだ」ということを理解してもらい、いずれは動画がなくても記述された取り方の手順を読めばあやとりが取れるようになる、ということを目指しています。
この表記を身に付けると私の過去のページの数百の創作あやとりをはじめとして、あやとり協会の石野さんのあやとりしてみようの膨大なあやとり作品が取れるようになります。言葉で動作を記述するのがどれほど不完全なのかを実感しつつ、でもその可能性の高さとパフォーマンスの良さから、お勧めしたい次第です。
動画、ぜひご覧ください。あやとりの楽しみのサポートページの第1回(4月号)のページにも載せました。
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レポート用紙から切り出した正方形で試したかったことはうまくいかなかったのですが、その後その用紙をなんとなくいろいろ折ってみたりしていたらこんなかたちになりました。
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表側
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裏側 花のように見えないこともないです。
<おまけのひとこと>
今日のあやとり動画の解説、「あやとりの楽しみ」のほうに書くべき内容でした。あとで転記しておきます。
6月27日(木) 折り紙パターンエディタ“ORIPA”、他
折り紙の展開図を作成するツールの話です。
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最近、スマートフォン用のアプリのORIPAという折り紙パターンエディタをタブレット端末にインストールしてさわってみています。昨日のこれ、
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ORIPAで展開図を作図してみました。
ただこれは平らには畳めないので、「折る(Fold)」を選択しても折った状態にはなりません。
最初に作ってみたものを2例ほど載せておきます。
これは楽しいです。
いずれ(つづく)かも… ○
あやとり協会の石野さんのあやとりしてみよう、昨日の段階で878の作品が紹介されています。日々こつこつと紹介作品が増えていてほんとうにありがたいです。おでこを平らにする板(伝承作品:チャマ族(ペルー))を取ってみました。
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比較的易しい作品ですが、おもしろいテクニックが使われています。ここからいろいろ発展させられそうで楽しそうです。
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「あやとりの楽しみ」サポートページに、新たにあやとり動画のページを作りました。
<おまけのひとこと>
最近、温存しているうちに死蔵してしまう話題が増えてきました。旬のうちに(自分が「面白い」と興味をもっているうちに)ご紹介しないと、新たに出会った面白そうな内容に興味を惹かれて、前の話題は優先度が下がるのです。この2〜3か月でもそうやってストックの底に沈んでしまった内容があります。時間がもっとあると良いのですが。一方で、「おもしろそう」と思っていろいろやっているうちに、実は以前にも同じことをやってこのサイトでも紹介した内容だった、ということもあります。進歩していません。
6月28日(金) あやとり「2つの太陽」、他
今日はあやとりの話がメインです。
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あやとり協会の石野さんのあやとりサイト あやとりしてみよう に、新たに2つの太陽(伝承:ナウル)が紹介されていたので取ってみました。
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sf240628-01:2つの太陽 石野さんのサイトの整え方とは異なりますが、作品名から連想したかたちにしてみました。この作品は、The String Figures of Nauru Island(H.C.Maude)という本に掲載されているのだそうです。リンク先はAmazonで、中古品が24,430円とのことです。ちょっと迷いますが、買わなくていいかな…。 ちなみに google books (The String Figures of Nauru Island)で一部を閲覧できましたが、この作品のページは見ることができませんでした。
以前にもいくつかご紹介したことがありますが、1つのあやとり紐で同じ作品を2つ取る「双子」シリーズを試みたことがありました。
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双子の「四段ばしご」hh210820-1
双子の「7つのダイヤモンド」これは、下のような「2本指の構え」から、小指の輪を「はじめの構え」とみなして1つのあやとりを取り、続いて親指の輪も「はじめの構え」とみなしてもう1つのあやとりを取る、という手順で作ります。
素朴に整えてみました。(blogのほうのこちら に手順を書いてみました。)
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hh240628-1a:双子の「太陽」 もうすこし「太陽」らしく二重のダイヤモンド型にしてみました。
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hh240628-1b:双子の「太陽」
整え方を変えたこれ、長い紐で二人で向かい合って同じあやとりを取ると簡単だと思います。(私は一人で指をやりくりして取っています。)
伝承作品の「2つの太陽」は、2つの太陽の間の糸が渡りの部分が巧妙ですばらしいです。
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ポリキューブの展開図について調べていたときにキュビガミというパズルを載せましたが、Puzzle PlaceというサイトのCubigamiというページに、このパズルが生まれた経緯が書かれていて興味深く読みました。
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昨日、妻が花の苗を買ってきて前庭の花壇に植えていました。
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朝顔も。
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今日の雨で根付いてくれるといいなと思います。(なんだか妙に画像が縦に引き伸ばされた印象がありますが、撮影した通りの比率のはずです。)
<おまけのひとこと>
今日はしっかり雨が降っています。お昼に銀行に行くのですが、ちょっと大変です。
6月29日(土) レクリエーション全国旅行案内図
昔の旅行案内の話です。
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「数学セミナー」の編集部が、3つ目のあやとり動画を作成して公開してくださいました。
あやとり動画のページにも載せました。ご覧ください。
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実家の整理をしている姉から、先日こんなものをもらいました。
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「レクリエーション全国旅行案内図」です。だいぶ汚れてしまっています。奥付(おくづけ)を見ると
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初版は昭和28年で、これは昭和37年の改定15版と書かれています。
開いてみると、右側と左側にジャバラのように折り畳まれていました。右側はカラーで路線図や観光案内図、左側は単色刷りで運賃表などが載っています。
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古い地図や路線図は面白いです。つい読みふけってしまいます。3枚ほど、大きめの画像にしてみました。それぞれクリックすると拡大します。2800×2100ピクセルの画像になりますので、文字も読めるのではないかと思います。
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近畿・中国・四国地方
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左:愛知県・岐阜県・滋賀県・三重県のあたり 右:長野県
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北海道 今もブラウザでちゃんと拡大画像が見えるか確認していたら、また30分くらい経過していました。
最初の写真にあるように、手元にあるものは[教職員用]と書かれていて、長野県の信濃教育会、長野県教祖などの推薦団体名が書かれています。検索してみると、[国鉄職員用]というのもあったようです。古書店などで1,000円くらいで販売されているようです。オークションサイトなどではもう少し安い値段で出品されたりしています。
この当時、原稿はすべて手書き・手描きだったのだろうと思いますが、とても大変な作業だと思います。駅名や地名などを眺めていると、いろいろなことを思い出したり連想したりして興味が尽きません。
この時期に私の身内で先生をしていたのは祖母なので、これは祖母の持ち物だったのかもしれません。祖母はおそらく55歳で退職して、その7年後にがんで亡くなっています。
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昨日、食品スーパーでちょっとした買い物をして、セルフレジで精算したのです。金額は638円でした。小銭を減らしたかったので小銭で138円を入れ、追加で千円札を入れて精算しようとしたら、おつりが499円と表示されました。138円を入れたつもりが137円しか入れなかったようでした。もう1円追加したかったのですができませんでした。そうするためには購入のための手続きがすべて取り消されて、商品のスキャンからやりなおさないとダメなようでした。あきらめて499円のおつりをもらいました。
小銭、減らそうと思ったら増えてしまいました。我ながら笑えます。
<おまけのひとこと>
いろいろやっていたら更新が午後になってしまいました。今日は晴れました。良かったです。
6月30日(日) 伝承あやとり「エナギニュレ」、他
月末なので単発の軽い話題です。
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最近またナウルのあやとりを調べていて、国際あやとり協会の会報のBISFA Vol.2(1995)(Bulletin of the International String Figure Association:国際あやとり協会会報)の“The Reconstruction of Unsolved Nauruan String Figures” (Joseph D'Antoni pp.33-86)を見ていたのです。そうしたら、エナギニュレ(伝承:ナウル)の本来の完成形の図が載っていて、自分が思っていたのと違うかたちだったことに今さら気付いたのです。リンク先の石野さんのページの完成画像は、ちゃんと目標のかたちを意識した状態になっていたのですが、自分がそれを読み解けていませんでした。
この作品は、4本指の構え(ナウルの構え1なので、3本指の構えから親指側に輪を1つ増やすタイプ)から、内側の2つの輪に対して同時に「ナウルの太陽」の操作を行うことで取ることができます。(試していませんが、内側の輪を1本の指にまとめて「ナウルの太陽」を取ってもよさそうな気もします。)「ナウルの太陽」に親しんでいる方ならとても覚えやすいあやとり作品です。
普通にこれを取ると、こんな感じになると思います。
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「エナギニュレ」を取ってみた 正直、そんなに魅力を感じるかたちだとは思っていなかったのです。でも、BISFA Vol.2 のナウルのあやとり作品の手順の再現の論文を見ると、目指すのはこんなかたちだったのでした。長いあやとり紐で取ってみて、机の上で整えてみました。(ホワイトボードが不足気味なのです。)
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「エナギニュレ」の整え方 そうか、こういう風に整えればよかったのですね。これは美しいです。二重の菱形(double wall diamond)に対して、正方形とその対角線が重なった射影図になっています。ポイントは、上の図の左右の二重ダイヤモンドの頂点の部分の二重絡みになっているのです(下図)。
これを普通に取って両手の中で仕上げるのはかなり大変ではないかと思います。
もう一度、少し短い紐で取り直してみました。また感じが違ってしまいました。
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「エナギニュレ」を取ってみた(2) 中央部、なんだか「7つのダイヤモンド」みたいです。でも、このあやとり作品のめざすべきかたちを知ることができて良かったです。
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ふと、山本夏彦の「歳月が過ぎ去るのは歳月の勝手であって私がしったことではない」(不正確です)というような言葉を思い出して、正確にはどうだったかなと思って探してみました。白鴎大学総合図書館の図書館だより 22号(2003年10月)というpdfがあって、そこに白?大学法学部の早野俊明先生の書かれた記事がありました。後半はほぼすべて山本夏彦の言葉を引用されています。いずれもなじみ深いです。このなかに探していた言葉がありました。
「歳月は勝手に来て、勝手に去る。ある日とつぜん、私はどっと年とるだろう。しわだらけになるだろう。けれども、それはしわや白髪の勝手である。私の知ったことではない。」
でした。自分がそういう年代に近づいてきて(もうなっているかもしれません)、改めて味わい深い言葉だと思います。
この図書館だよりの記事を読むと、早野先生は山本夏彦に強く影響を受けていることがよくわかります。私も同類なのでとても共感します。早野先生は2018年に亡くなられているようです。わが友、早野俊明先生を悼むという2019年の記事がありました。ネットで初めて知った人がすでに亡くなっていたということにちょっと驚きました。今後はこういうことも増えるのだろうなと思います。
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「数学セミナー」の「あやとりの楽しみ」のサポートページに、新たに第4回(7月号)のページを作りました。今回は画像をたくさん載せてみました。
ここ数回のあやとりの記事に、あやとり協会の吉田さんがコメント下さって、あやとり画像をいくつも送って下さいました。ありがとうございます。今日は「あやとりの楽しみ」の第6回(9月号:8/12ころ発売)の記事を仕上げて、画像やデータの本番用を準備して送付する、という作業をしています。
<おまけのひとこと>
昨夜、階段を急いで上っているときに、左足の第2指の爪の根元あたりを階段の段の縁にぶつけてしまって、切れて出血してしまいました。思ったほど足が上がっていなかったということかなあと思います。今日は出かけるつもりだったのですが、靴を履いて歩くのが嫌でひきこもることにしました。明日も明後日もたくさん歩かなければならない予定です。ちょっとタイミングが悪かったです。