あやとり動画のページ


 「数学セミナー」編集部で作成して公開して下さっているあやとりの動画です。連載「あやとりの楽しみ」の各回にご紹介しているあやとり作品の一部を、少しずつ動画にして下さっています。このサイト(サポートページ)の各回のページにそれらの動画は埋め込んであります。また、このページの解説の下に、現在公開されている動画を置かせていただきました。(こちら)。


あやとりを表記する

 あやとりの取り方を説明した本などは、多くの場合1つの作品に数ページを費やして各段階ごとの紐の状態を写真や図で示し、次に取るべき糸や操作を図示するといった構成になっています。連載「あやとりの楽しみ」では、見開き2ページの中に複数のあやとり作品の取り方を記載し、さらにパターンや構造の面白さも解説したいと思っているため、通常のあやとりの手順の説明を掲載するスペースはありません。

 あやとりを収集したり研究したりする人々は、現在なら動画を撮ると思いますが、昔は言葉(自然言語)で手順を記録したり、独自の略号や記号を発明して手順を記録したりしたものでした。

 そのようにして過去にあやとりの表記法が考案され発表されているものが複数ありますが、いずれも普及しているとは言い難いです。それは、

 などが理由だと思います。私もそういった記述法を勉強してみたりそれで手順を書き記してみたりしたのですが、しっくりきませんでした。今は最も適切な記録手段として、日本語の自然言語による記述を選択しています。折衷案として指だけは番号もしくは記号で呼ぶという考え方もあるのですが(漢字1文字で 親・人・中・薬・小 と表記するとか)、完全な自然言語のほうが不慣れな人にとっては親切だろうということで、敢えて「親指、人差し指、…」という表記にしています。(特に「人差し指」が4文字で長いのが残念です。)

このあやとり動画の意味や価値

 あやとりの動画は世の中にたくさんありますが、「数学セミナー」の動画は、全ての操作に自然言語によるあやとり手順の記述がキャプションとして表示されるのが特徴です。これによって、自然言語による手順の記述の意味がわかって、いずれはその手順の記述だけからあやとりが取れるようになるのが目標です。

 歌や音楽を覚えるときに、実際の演奏を耳で聞き、楽器の操作を目で見てそれを真似る、というのは「学ぶ」ときの基本です。(「まなぶ」の語源は「まねぶ」ではないか、という説があると聞いたことがあります。)音楽を伝える動画の中に楽譜の表記があって、その音楽に同期して音符が表示されれば、楽譜による音楽の表記を学ぶのに役に立つはずです。(実際そういう動画があります。)それと同じように、「この手順の日本語表記はこういう操作のことを述べているんだ」ということを理解してもらい、いずれは動画がなくても記述された取り方の手順を読めばあやとりが取れるようになる、ということを目指しています。

 この表記を身に付けると私の過去のページの数百の創作あやとりをはじめとして、あやとり協会の石野さんのあやとりしてみようの膨大なあやとり作品が取れるようになります。言葉で動作を記述するのがどれほど不完全なのかを実感しつつも、でもその可能性の高さとパフォーマンスの良さから、お勧めしたい次第です。

最近はこんなに長い文章を読んでくれる人はすごく少なくなっていると聞きます。長くてすみません。

2024.06.27



「ナウルの太陽」

 第5回:2024年8月号に掲載した「太陽」(伝承作品:ナウル他)の動画です。

2024.07.24


「足跡」

 第4回:2024年7月号に掲載した「足跡」(伝承作品:ボリビア)の動画です。

2024.07.24


「たくさんの星」

 第3回:2024年6月号に掲載した「たくさんの星」(伝承作品:ナバホ)の動画です。

2024.07.07


「アムワンギヨ」

 第4回:2024年7月号に掲載した「アムワンギヨ」(伝承作品:ナウル)の動画です。

2024.07.03


「たんぽぽ」

 第4回:2024年7月号に掲載した「たんぽぽ」(夏堀謹二郎:1976)の動画です。

2024.06.28


「四段ばしご」

 第1回:2024年4月号に掲載した「四段ばしご」(伝承作品:日本ほか世界各地)の動画です。

2024.06.26


「ダンスの舞台」

 第2回:2024年5月号に掲載した「ダンスの舞台」(伝承作品:パラオ)の動画です。

2024.05.22


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2024.05.22 公開
2024.08.20 更新
長谷川 浩(あそびをせんとや)


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