以前の「ひとこと」 : 2009年8月前半
8月1日(土) 東京週末フリーきっぷ
先日、息子と東京に行ってきました。そのときに使ったのが、「東京週末フリーきっぷ」というJRの切符でした。私の住んでいるあたりだと、東京までの往復の特急指定券と東京近郊エリアが乗り降り自由で大人8,000円、小人3,000円というものです。土日にしか使えないのと、その前の金曜日までに購入しておく必要があるなどの条件がありますが、非常にありがたい切符です。
この「東京近郊エリア」には、JRに加えて東京臨海高速鉄道(りんかい線)と東京モノレールが乗り降り自由な区間として設定されています。そこで、東京モノレールに乗って、羽田空港に行って飛行機を見てこようということになりました。
図 1 浜松町からモノレールに乗って、終点の羽田空港第2ビルに行って、屋上の展望台に出て飛行機を眺めました。珍しく晴れた日でとても暑かったのですが、風も強かったです。何機か着陸してくるのを見て、そろそろ涼しい建物の中に戻ろうということになりました。
帰りは先頭車両の先頭に座ることができました。先客の親子がいたのですが、ひな壇のように高くなっている席に座っていて、一番先頭のちょっと低い位置の席は空いていたので、息子と並んでそこに座りました。
図 2 先頭に座っていると、これから進んでゆく方向のレールの様子や対向列車の様子がよくわかって、とても面白いです。図2はすれ違う直前の写真です。
図 3 この先、カーブした後で急勾配で下ってゆくレールが見えます。モノレールは勾配がきつくても走れるのがすごいなと思います。東京モノレールは、アップダウンが激しく、またカーブもきついレールをかなりのスピード感で走ってくれるので、とても楽しい乗り物だと思います。
<おまけのひとこと>
フリーきっぷで用もないのにモノレールに乗って、混雑していたらほかのお客さんに申し訳ないなと思っていたのですが、幸いにして往復ともかなりすいていました。
8月2日(日) デジタルカメラ
今月8月は、我が家の家族4人がみんな誕生日がある月です。(日にちはみんな違いますが。ついでに言うとみんな獅子座です。)今年の誕生日プレゼントは何が欲しいか息子に尋ねたら、自分のおこづかいを足してデジタルカメラが欲しいと言うので、一緒に電気屋さんに見に行きました。
以前も書いていますが、地元で買い物ができると嬉しいと思っているので、できるだけ通販とかではなくて地元で探すことにしています。近所(といっても車で10分〜15分かかります)の2軒の電気屋さんを見て、その中で気に入ったものを買うつもりで出かけました。予算は最大で15,000円くらいということにしました。
1軒目、予算の範囲で候補に挙がったのがPENTAXとPanasonicとNikonでした。800万画素〜1,000万画素、記録メディアはSDカード、光学ズームは3倍程度、手ぶれ補正は電子補正、バッテリーは単3対応だったりリチウムイオンバッテリーだったり、というところです。値段と型番を頭に入れて、もう1軒のお店に向かいました。
もう1軒のほうには、Fujiのもの、Olympusのものが同じくらいの予算でありました。あと、ヤシカのとても安いカメラもありました。こちらのお店のほうが我が家からは遠いのですが、いつも店員さんが丁寧に説明や接客をしてくれて感じがよいことが多いので、気に入ったものがあったらこちらで買いたいな、と思ってお店に来ました。
今回は予算からして、できれば画素数はそれほど多くないものがいいのかなと思っていました。デジタルカメラの撮像素子であるCCDとかCMOSとかのセンサは、どんどん小型化して画素ピッチが細かくなって画素数が増えていますが、カメラのレンズのほうは(想像ですが)おそらく撮像素子の進化のスピードよりは解像力は上がってきていないのではないか、という気がしています。
また、画素数が多くなると必然的に写真1枚あたりのファイルサイズが大きくなるので、同じメモリカードに記録できる枚数も少なくなってしまいますし、多少は消費電力が多くなってしまうのではないかなと思います。
また、せっかく息子がカメラに興味を持ってくれたので、あまりにも手ぶれ補正が強力すぎるものは避けてもいいのではないかとも思っていました。(そもそもこの予算でそんなに優秀な光学手ぶれ補正機構がついたカメラはないんじゃないかなと思ってもいましたが。)
お店のデジタルカメラコーナー担当の人が「カメラをお探しですか?」と声をかけてくれたので、子供用に入門機としてこの程度の予算で探していると話したら、それだったらもう少し予算をがんばって、これがお勧めですと言われたのがxDピクチャーカード(miniSDにも対応していました)の1,200万画素の非常にコンパクトなカメラでした。
私が「これとこれを候補として考えている」と示した機種については、それはやめたほうがいいと言われました。いわく、「こういったカメラは考えて撮らないときれいな写真が撮れませんよ(子供には無理ですよ)」、「今はカメラは、それなりのものを買えば、『脇をしめてしっかり構えて』撮るものじゃなくて、手を伸ばして適当にシャッターを切ってもいいんですよ」「メモリカードなんて安いんだから、別にお手持ちのSDカードを再利用なんてお考えにならなくてもいいですよ」だそうで、ここまで言われたらあえてこのお店で「お勧めではない」機種を買いますとはとても言い出せず、説明のお礼を言ってお店を後にしました。
結局最初のお店に戻って、息子が散々悩んだ挙句、たまたま私が今使っているのと同じメーカーのものを買って帰りました。
人間の目はとても優秀で、絞りもピントも完全に自動です。カメラもどんどん性能が上がって、シャッターを切れば、そのときに人間が見ているものに近いものが撮影できるようになってきているのだと思います。とすると、お店の人が言うように「撮影条件などをいろいろ考えて写真を撮る」ということはどんどん不要になるのでしょうね。それはとてもいいことなんだろうと思うのですが、「なぜ写真が撮れるのか」ということ(原理)がますますわかりにくくなっていくと思います。
今の子供たちが、身の回りの様々な機械の仕組みを知って、さらにその先のものを将来創ってゆくようになるには、とてつもなく高いハードルがあるのではないかな、と心配になります。
<おまけのひとこと>
かなり長くなってしまった上に、まとまりも結論も無い話になってしまってすみません。
私は、自動車も今ではとてもマイナーなマニュアル車に乗っていて、それがとても楽しいのですが、そういう人は少数派なのは理解しています。
8月3日(月) 捩れかご型十二本組(その6)
興味を持って下さっている方がどのくらいいるんだろうとやや不安になりつつ、「捩れかご型十二本組」の話の続きです。先週までご紹介してきたモデルも気に入ってはいるのですが、パーツを長く伸ばしたらもっとかっこいいのではないかと思って、作ってみることにしました。
図 1 十二枚全部切り出して積み重ねてみたところです。それなりの厚みになります。
図 2 さらに、全部を折って四角柱のかたちにしてみました。ここからが一番楽しい組み立ての時間です。
図 3 図 4 まずは8本を組んだところです。4本を井桁のかたちに組んで、そこに4本の柱を立てた状態です。(ねじれているのでちょっとわかりにくいですが。)図3は4本の柱を真上から見下ろしてみたところです。図4は斜めから見たところです。この捩れ具合がたいへん美しいと思います。組み立て途中なので、角度が安定していません。
図 5 図 6 完成しました。最期の1本を入れるのがかなり大変です。 図5が3回回転対称軸方向から見たところ、図6が4回回転対称軸方向から見たところです。出来上がった姿は期待以上に美しくて、苦労して作ってよかったと思いました。
(つづく) <おまけのひとこと>
以前にも書きましたが、私の実家のある地方では8月1日は例年お墓掃除をするしきたりがあります。(今住んでいる地域にはありません。) 今年は幸い週末だったので峠を越えてお墓の掃除に行ってきました。以前はお墓に行くのは春と秋のお彼岸とお盆、それとこの8月1日の4回だけだったので、いつも掃除が大変でした。2年前に父が無くなってからは毎月2日の月命日に母がお墓に行っているので、たいした掃除は必要ありませんでした。
8月4日(火) ヤジリン
以前、07年5月25日に、nikoliのペンシルパズルの「スリザーリンク」を、余分な線やしるしを一切いれずに、かつ直角の部分を円弧のカーブで描くというルールで解く話をご紹介しました。
私はnikoliのパズルでは、最近は「ヤジリン」が好きなのですが(06年11月12日のひとこと参照)、このパズルも、「黒マスには一切しるしをつけない」「輪っかが直角に曲がる部分を円弧で描く」「輪っか以外のしるしは一切書かない」「修正ができないペンで描く」というルールで解くことにしています。
アメーバのような絵が描けて、とても楽しいのです。コンピュータのロールプレイングゲームの地図のようでもあります。
<おまけのひとこと>
8月2日のひとことで、デジタルカメラを買いに行った話を書きましたが、それに関してメールで賛同のコメントをいただきました。とても嬉しく思っています。
8月5日(水) 『ドロ−セルマイア−の人形劇場』
先日、図書館で「ドローセルマイアーの人形劇場」(斉藤洋)を読みました。児童文学で短時間で読める本ですが、大人が読んでも面白いのではないかなと思います。
主人公エルンストはドイツの高校の数学の先生なのですが、自分の仕事への情熱を失いかけています。ある日、幼稚園で人形劇を上演する老人の荷物を運んであげることになって、その人形劇を見てみたのがきっかけとなって、ドロ−セルマイア−というその老人の人形劇に惹かれていって…
お話はとても魅力的でした。また、森田みちよさんの挿絵が大変すばらしいです。特に、人形ゼルペンティーナの挿絵が素敵です。
感想を書こうとすると「タネ明かし」になってしまいそうなので書きませんが、本当に好きなことを見つけるということはなんとすばらしいことなんだろうか、と思います。
<おまけのひとこと>
すみません、まとめて2日分の更新です。
8月6日(木) ヤジリン(その2)
一昨日に続いて、ヤジリンを独自の表記で解いてみようという話です。一昨日は「輪っか」になる部分のみを円弧で描くという話を紹介しましたが、今日は逆に壁になる線だけを描いてみるという方法です。多分説明をするよりも解答例を見ていただいたほうがわかりやすいと思いますので、下の図1をご覧下さい。「修正ができないペンで描く」というのはデフォルトルールです。ちょっと線がゆらゆらしているのは、電車の中で解いているためです。(ちなみにこれをやっていたのは確か昨年末の出張の帰りの移動中でした。)
図 1 いかがでしょうか。ひとマス分の幅の「道」が、パズル面の中をくねくねと折れ曲がりながら一周している様子がわかりますか? また、それぞれの矢印付きの数字が指している、本来の解き方なら黒く塗りつぶされるはずのマスがどのマスになっているか、わかるでしょうか?
ちょっとわかりにくいかもしれないので、図1の左側のものは、解くときに描きいれた線を赤でなぞってみました。また右側のものは、盤面を一周するルートを青線でなぞってみました。
図 2 ヤジリンがお好きな方、ぜひこんな解き方をしてみてください。どこから線が引けるでしょうか?どんな風に線は伸びてゆくでしょうか?
<おまけのひとこと>
娘がフルートのレッスンを再開して、今度ヘンデルのソナタをやりましょうと言われたそうです。娘が習っている先生は、私が古楽のアンサンブルをやっているのをご存知で、「お父さんにどの曲がいいか相談して曲を決めてください」とおっしゃったそうです。そんなこともあろうかと(?)ヘンデルのフルートソナタ集の楽譜は持っているので、張り切って曲の検討をしました。
普段はリコーダーで吹ける曲という観点で楽譜を見ているので、フルートの曲の楽譜は横目でちらっと眺める程度にしていました(自分のできる楽器では演奏不可能な音域の曲の楽譜は、眺めていると羨ましくなって悲しくなってくるので、一生懸命読まないようにしているのです)。 改めて楽譜を眺めて、ちょっと鍵盤で弾いてみて、
候補1 : op.I-1b (e-moll)
候補2 : op.I-5 (G-dur)
候補3 : Hallenser Sonate 1 (a-moll)
の3曲を候補として挙げました。娘と家内と楽譜を見ながらCDを聴いてもらって(ちゃんとCDもあるのです。モダンフルートではなくてトラヴェルソのものですが)、ハレ・ソナタ1番(イ短調)に決まりました。候補1や候補2が「マニアックすぎてよくわからない」とコメントをもらってちょっとショックを受けましたが、ハレ・ソナタ1番は特に第1楽章が大好きな曲で、チェンバロはモダンピッチにシフトできるから今度合わせようねと話しました。楽しみです。
8月7日(金) はなちゃんず
ご夫婦で「よし笛」と「ギター」の演奏活動をされているはなちゃんずというユニットの演奏を聴かせていただく機会が偶然にもありました。中村由紀子さんがよし笛の演奏を、中村彰宏さんがギターの演奏をされます。また、よし笛という楽器は中村彰宏さんが全て手作りで製作されているそうです。
「よし笛」というとなんとなく横笛なのかと思ったのですが、縦笛でした。この「よし笛」は、中村さんご夫妻が、演奏活動に使えるレベルの楽器として研究され、特許も取得された「新しい楽器」です。でも、古くからある伝統楽器以上に心にしみる、なつかしい、美しい音色がします。例えば聴かせていただいたうちの1曲「もののけ姫」などは本当にこの楽器に合っているなと思いました。
楽器はF管で、ちょうどソプラニーノリコーダーと同じです。長さは24cmくらい、直径が1cmくらいの軽くてかわいい楽器です。リコーダーのように歌口が作ってあって、息を吹き込めば音が鳴るようになっているそうです。音域は1オクターブ半くらいで、全ての半音がきれいに鳴るわけではないようです。裏穴はなくて、表穴が7つ。オクターブはフルートのように息でコントロールするのだそうです。
図 1 楽器の写真を撮らせていただきました。5本ありますが、指穴の位置などそれぞれ微妙に違います。一本一本が手作りで調整されているのでしょう。演奏は、奏者がコントロールしているのも大きいのでしょうけれども、ピッチはとても正確できれいでした。御願いして1本持たせていただいて、指穴を押さえてみました。押さえやすくて扱いやすそうな楽器です。5本は同じ音域のF管ですが、1本1本個性があるそうで、曲や気分によって使い分けるそうです。
ホームページを拝見すると、この楽器を販売されているようです。値段は手作りとしては驚くほど安価だと思います。1本欲しくなりました。「販売用の楽器をお持ちではありませんか?」と図々しく尋ねてみたのですが、残念ながらお持ちではないとのことでした。
実は、本日8月7日に、長野県信濃美術館というところで、よし笛コンサートを開催されるのだそうです。9時、11時、13時の3回、それぞれ15分ずつ程度、演奏が聴けるそうです。現在開催されている「男鹿和雄展」のイベントだそうです。(ここで当日になって宣伝しても仕方がないような気もしますが)お近くの方はぜひ、お勧めです。
<おまけのひとこと>
バロックのアンサンブルでリコーダーとチェンバロをやっている私としては、よし笛とギターという組み合わせには非常に心を惹かれました。特に伴奏楽器としてのギターの能力に改めて感心しました。
昨夜、8月6日の夜に、地区の小学生の行事の花火大会がありました。午後は雨が降ったりやんだりで、開催があやぶまれたのですが、なんとかやることができました。
8月8日(土) キャストパズル
今日は私の誕生日ということで、子供たちからこんなプレゼントをもらいました。
図 1 図 2 きれいにラッピングされている、キャストパズルです。朝から早速楽しませていただきました。
図 3 パズルの構造を理解するのに時間がかかりました。わかってしまうと何とかなりました。
図 4 元に戻しました。図2にあるパズルが吊り下げられているスタンド、素材が違います。お店の人が組み合わせてセットにしてくれたのではないかと思います。
<おまけのひとこと>
思いがけないプレゼントで幸せな気分になりました。
8月9日(日) プレゼント(その2)
妻からは、アンサンブルの練習のときに持っていく楽器(笛)や楽譜を入れている袋があまりよいものではないので、新しくこんなバッグをもらいました。
図 1 雨にも強そうだし、ちゃんとくちを閉められるし、ポケットも多くて気に入りました。
図 2 おまけとして、小さな温度計とコンパスのついたキーホルダーももらいました。蓄光性があって明かりを消すとしばらく光っています。こういうのも妙に好きなので嬉しかったです。
<おまけのひとこと>
私はこういう気の利いたプレゼントをする才能がなくて、申し訳なく思っています。
週末はなんとなく忙しくしていました。
8月10日(月) 天気
8月8日の夕方、住んでいる市の夏のお祭りがありました。息子は小6なのですが、最後の学年ということでクラスのイベントとしてこのお祭りの踊り連に参加する計画になっていて、2週間ほど前にも踊りの練習とバーベキュー大会というイベントをやっていました。
夕方、息子と家内を駅前の会場近くの集合場所付近に送っていきました。しばらくしたら、ものすごいかみなりと大雨になりました。大雨洪水警報が出たところでお祭りが中止になり、迎えに行ってきました。ふたりともびしょぬれでした。
娘が気を利かせて風呂の用意をしておいてくれたので、ふたりとも帰ってすぐに入浴できてほっとしたようでした。
<おまけのひとこと>
後日、このお祭りの帰りに用水路に転落して22歳の女性が亡くなったとききました。ご家族のお気持ちを考えると胸がふさがります。
8月11日(火) 「フルートによるイギリス紀行」
うちの近所のハーモニーの家のコンサートホールでは、毎年この季節に夏の音楽祭が開かれています。このイベントで、毎年同じメンバーによるトラヴェルソ2本を中心としたバロックの演奏会が開かれています。今年も8月9日(日)の夜に演奏会があるということで、楽しみに聴きに行きました。(過去の感想は、2008年度分、2006年度分を書いています。2007年は身内の不幸があって行かれませんでした。) 昨年同様今年も家族4人で行きました。
1. M.ブラヴェ 2本のフルートのためのデュエット ト長調 2. G.F.ヘンデル フルートとチェンバロのためのソナタ ト長調 3. H.パーセル チェンバロのための組曲 ニ短調 より 4. 作者不詳 「ディヴィジョン・フルート(1706年)」より(スコットランド民謡) 5. J.B.レイエ 2本のフルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 休 憩 6. J.ハイドン クラヴィーア・トリオ ト長調 7. C.F.アーベル ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ニ長調 8. J.ハイドン ロンドン・トリオ ト長調 中村栄一(フルート、ヴィオラ・ダ・ガンバ) 水谷定徳(フルート) 中村洋子(ヴィオラ・ダ・ガンバ) 伊藤明子(チェンバロ)前日の大雨で天気を心配していたのですが、幸いにしてこの日の夜はほとんど降っていませんでした。(後できいたところによると、この日のコンサートの最中に地震があったらしいのですが、全く気が付きませんでした。)
会場に入ってびっくりしたのですが、チェンバロの上蓋が取り外されていました。後で伺ったところ、このホールは響きがいいので、音が上にあがって、上からおりてくるような印象になるのを狙ったのだそうです。後でよく見せていただいたのですが、もともと蝶番の軸が簡単に抜けるようなつくりになっていて、上蓋が簡単に取り外せる設計になっていました。
最初のデュオ、5曲を組曲風に組み合わせてあって、何曲かはヘンデルの原曲のものをブラヴェがフルート2本のために書いたものでした。特に5曲目のMenuetがよかったと思います。2曲目のヘンデルのソナタ、第2楽章のフルートとガンバの同じ音形での掛け合いがとても好きな曲です。流麗なフルートに対して、迫力のあるガンバの通奏低音がすばらしかったです。昨年、フルートのソロソナタのときに鍵盤が若干音量が大きいかなという印象を持ったのですが、今年は蓋を外しているせいか、音量のバランスはよかったように思います。むしろ、ガンバの音がとても大きく聴こえました。Bouree,Menuettoの楽章が、これまたいかにもヘンデルらしくて、やっぱりヘンデルはいいなあと思いました。
パーセルのチェンバロ組曲は自分でも弾いてみたことがある曲でしたが、「ああ、こんな風に弾くときれいなんだな」と勉強になりました(といっても同じように弾けるわけではないのですけれども)。プログラムの4番目、これは3つの曲が演奏されたのですが、最初の無伴奏の1本のフルートが朗々としてとても美しかったです。1本だけのトラヴェルソの音色をゆっくり聴ける曲があってよかったなと思います。2つ目が、グリーンスリーブスのグラウンド(短い同じテーマを通奏低音の上に繰り返して変奏を行うもの)でした。これは以前自分たちのコンサートでもやったことがある曲でした(私はチェンバロ担当でした)。自分たちがやったときには、繰り返される変奏によってテンポを変えるスタイルで演奏したのですが、今回の演奏ではテンポはほぼ変えずに演奏されていて、こういうスタイルもいいなと思いました。
レイエのトリオソナタ(プログラム5番目)、これは緩・急・緩・急の4楽章構成で、各楽章がいかにもバロック音楽というつくりで、ヴォイスフルート(トラヴェルソと同じ音域のD管のリコーダー)でやってみたくなりました。例えば第2楽章のAllegroの2度のぶつかり合いと解決のところなどが「いかにも」という感じです。休憩時間に演奏者の方にお話を伺ったら、平凡でどうということはない曲、ただし4楽章が一見8分の6拍子に見えるのに8分の3拍子になっていて、その「あや」がちょっとおもしろいとおっしゃっていました。(8分の6拍子は普通2拍で取りますが、この曲を8分の6拍子として2拍で拍子をとってゆくと、途中で表拍と裏拍が入れ替わって、また戻るのだそうです。)
後半、トラヴェルソで(バロックではなく古典の時代の)ハイドンを演奏されるということで、どんな感じになるのか楽しみにしていました。特にプログラム7番のクラヴィーアトリオ、普通ならモダンフルートとピアノとチェロで演奏されるであろう曲、これがトラヴェルソとチェンバロとガンバでの演奏でした。おそらくハイドンの時代というのは、それまでのチェンバロやクラヴィコードのような楽器からピアノフォルテに変わり始めたころのはずで、当時は当然チェンバロで演奏されたこともあっただろうと思います。鍵盤パートはかなりピアニスティックで、チェンバロで弾くととても演奏が大変だと思うのですが、さすが伊藤さん、すばらしい演奏でした。
アーベルのガンバ・ソナタ、確か昨年もアーベルのソナタを聴かせていただいたと思うのですが、やっぱりガンバっていい楽器ですね。この曲は独奏楽器のガンバと通奏低音のチェンバロ+ガンバという編成でした。 最後のロンドン・トリオは、鍵盤が抜けてフルート2本とガンバのトリオでした。これが大変な熱演で、トラヴェルソでこのテンポでこの曲ができるのか、と大変びっくりしました。プログラムの最後を飾るにふさわしい演奏だったと思います。
最後にアンコールとして、ヘンデルのトリオソナタの第1楽章を聴かせていただきました。原曲はリコーダー2本のためのヘ長調の曲で、今年の私たちの10月のコンサートでやりたいなと思っていた曲でしたので、この曲を横笛でやるのを聴かせていただけて楽しかったです。
今回のコンサートは、a'=418Hz というピッチでした。
<おまけのひとこと>
今朝、5時過ぎにちょっと大きな地震で目が覚めました。うちのあたりは震度4くらいだったみたいです。特に被害はありませんでしたが、息子が起きて来たのには驚きました。
8月12日(水) グリンカ
我が家では妻がささやかなピアノ教室をやっているのですが、先日、妻がその教材の楽譜を買いに近所の楽器屋さんに行く買い物についていったとき、店頭でグリンカ ピアノ曲集というのを見つけて衝動買いしてきました。
グリンカというのはショパンやリスト、シューマンといったピアノの作曲家よりも5歳ほど年上のロシアの作曲家です(linkはwikipediaです)。上記の楽譜には、ワルツやマズルカ、ポロネーズ、ノクターンといった、ショパンがロマン派のピアノ曲のジャンルとして確立した(と言っていいでしょうか)形式の曲がいろいろ入っていました。
余談ですが、ワルツ、マズルカ、ポロネーズは舞曲の形式で、別にショパンが創始したわけではありません。ノクターン(夜想曲)はジョン・フィールドというアイルランドのピアニストが創始したピアノ曲の形式で、ショパンがその芸術性を高めて広めたものです。
私が気に入ったのはマズルカとフーガでした。こちらのCDの試聴データ(link先の左側のCDジャケットイメージの下の Listen to Samples)の中に、3曲のフーガのサンプルも入っています。また、楽譜がIMSLP(International Music Score Library)というサイトの中からダウンロードすることができます。
下の譜例はa-mollの3声のフーガで、ドレミ楽譜出版の楽譜の中に唯一取り上げられているフーガの冒頭部分です。
最初に高声部がフーガの主題を提示し、次に低声部が5小節目(1段目の最後)からテーマが入り、最後に11小節目(3段目の最初)から中声部のテーマが入ります。厳格なフーガの形式ではありませんが、大変美しい曲です。
ピアノでもチェンバロでも弾いてみましたが、これはやっぱりピアノの曲です。
なお、リコーダーアンサンブルの楽譜やmidiデータなどがたくさん公開されている積志リコーダーカルテットにも、グリンカの4声のフーガの楽譜と音データが公開されています。(いつも大変お世話になっているサイトです。ありがとうございます。) 原曲は2分の4拍子で、二分音符を1拍として1小節が二分音符4個の表記になっていますが、積志リコーダーカルテットさんの楽譜では、読みやすいように音符の長さが半分の4分の4拍子の表記になっています。(個人的には原曲の表記のほうが好みです。)
<おまけのひとこと>
こうしてpdfで楽譜が手に入るのはとてもありがたいです。でも、個別に印刷した楽譜というのはとかく散逸しがちで扱いにくいです。結局気に入った曲は、ちゃんと製本・出版されていいる楽譜が欲しくなります。
昨日の地震で東名高速道路が通れなくなっている影響で、昨夜の帰宅時に乗った中央高速はたいへんな混雑でした。いつもは合流に気を遣う必要はほとんどないくらい車が少ないのですが、昨夜は走行車線も追い越し車線もまるで空いていなくて合流が大変でした。サービスエリアも満車で大変なようでした。13日には東名が復旧の予定とのことですが、今日も混雑しそうです。
8月15日(土) 諏訪湖花火大会
図 1 8月15日は、毎年お隣の市の諏訪湖で大きな花火大会があります。今年は息子と二人で見に行くことにしました。
車で行くととても大変なので、最寄り駅まで家内に車で送ってもらって、電車で行きました。特設の切符売り場が設営されていて、そこで往復切符を買いました。
図 2 この切符は持ち帰れないので、行きの電車の中で写真を撮っておきました。裏は白紙でした。子どものものは中央に白抜きの赤い丸ゴシック文字で「小」と書かれている以外は全く同じデザインでした。
図 3 上諏訪駅に着くと、湖側に特設の臨時改札が設置されていました。この写真を撮ったのは7時前くらいなのですが、この臨時改札は8時〜11時半の間使われるそうです。また、この臨時改札が使えるのは下り列車のみだそうで、上り列車で帰る私たちは線路を越えていつもの改札に回らなければなりません。
あいにくの雨で、傘が1本しかなくて、花火の写真はほとんど撮れませんでした。8時前の第1部が終わるころに帰ってきました。列車のダイヤが乱れていたのですが、逆にそのためすぐに乗って帰ってくることができました。
<おまけのひとこと>
約1週間ぶりの更新になってしまいました。