仏陀の入滅

写真:
Ritual wine container with taotie, serpents, and birds
China, Luoyang, Henan Province
Early Western Zhou dynasty, ca. 1050-975 BCE
Bronze
Purchase  F1930.54
儀式用ワイン容器、饕餮、蛇、鳥文様
中国、洛陽、河南省
西周王朝初期、西暦前約1050-975
青銅

仏陀の誕生

全く欠陥のない完品です。仏陀の誕生のほかに仏陀の成道、初転法輪、仏陀の入滅の四場面が揃っています。

写真:
Bowl
Iran, 13th century
Composite body painted under glaze
Purchase   67.24

イラン、13世紀
合成物、模様を描いた上から釉薬

13世紀ペルシャの中心的生産地カシャンで作られた作品。付き人を従えた冠を被る坐位の女性。一対の皿の他方には王が描かれている。女性が描かれるのはこの時代にしては稀。

参考画像:
浄土寺の
勢至菩薩、快慶作。
作風が似ていることに注目。

ワ シ ン ト ン (2)

フリーア美術館

              2011/10/2628

写真:
Four scenes from the Life of the Buddha
Pakistan-Afganistan, Ancient Gandhara, Kushan dynastry
late 2nd-early 3rd century C.E.
Schist
Purchase   F1949.9
仏陀の生涯から四場面
パキスタン-アフガニスタン、古代ガンダーラ地方、クシャン王朝
2世紀末-3世紀初頭
片岩

写真:孔雀の間
  ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラー「陶磁の国の姫君」 1862-1863年、ジャポニズムの典型作品。
  この作品は
リヴァプールの富豪で画家の有力なパトロン兼支援者であったフレデリック・R・レイランド家の食堂に描かれた。Frederick Richards Leyland (1832 – 4 January 1892)はリヴァプールの船主

 前にご紹介したマトゥラーのグプタ仏の最高級品もここで鑑賞することができます。

写真:
Bowl
Iran, late 12th-early 13th century
Stonepaste body painted under glaze
And over glaze with enamel (mina’i)
Purchase F1927.3
イラン、12世紀後期-13世紀前期
石粉を成形し、模様を描き、釉薬をかけ、
さらにその上に(ミナイという)釉薬を施したもの

八角形のこの器には人物像、図形、文字模様が調和して配置されている。中世ペルシャ陶器の極上品である。王子が騎乗した巨象が中央にあり、アラビア角文字で書かれた祝福文言が王子を囲んでいる。器の外側には、注文主のシャーの名前が書かれている。

 今回私が参観して深い感銘を受けたフリーア美術館Charles Lang Freerによって1923年に設立されたものですが、彼はデトロイトの鉄道客車メーカーを経営して財を築いた。客車製造が当時の(19世紀後半の)科学の粋を集めた最先端産業だったのでしょう。

 大金持ちが金にあかして蒐集した美術品であるから、買い集めた作品は世界に冠たる作品ばかりで、作品を鑑賞してまわると、腰が抜ける思いをします。

 フリーアについては、展示品の質の高さが群を抜いています。これこそアジア美術に関する世界一だと思いました。

 以下、展示品のいくつかを拝観することにしましょう。

 このように、美術館を見ることにより、私達はアメリカという国の実力を窺うことができます。

 美術鑑賞が趣味の方にはワシントンは宝の山ですね。私は堪能させられました。


 では、皆様ご機嫌よう。

写真:
Fittings in form of tigers
China, Baoji, Shaanxi province
Middle Western Zhou dynasty, ca. 900BCE
Bronze
Purchase   F1935.21  F1935.22
虎の形の置物
中国、陜西省宝鶏市
西周王朝中期、西暦前約900
青銅器

殷の時代は伝説上の動物である饕餮が主体だったのですが、時代が下がって、獰猛な虎になってしまいました。でも素晴らしい造形です。

写真:
Bowl
Syria, 1350s-1400s
Glass gilded and enameled
Purchase   F1933.13
ボウル
シリア、1350-1400年代
ガラス製、金メッキと釉薬

素晴らしく大きなサイズのガラス器。帯状装飾に描かれているのは、グリフィン(2)、ライオン(1)と一角獣(3)で、その間に注文主であるイエーメンのラスリッド王朝の紋章。ガラスの内側にも外側にもエナメルが用いられている。

初転法輪

仏陀の成道

パキスタンのガンダーラ仏についてはラホール博物館の蒐集品をわずかにお見せしましたが、フリーアで展示されているクシャン朝の「仏陀の生涯-四場面」については、このように美しく無傷のガンダーラ彫刻を見るのは初めてです。

治承41228日(1181115日)平重衡は東大寺に火をつけ、東大寺の僧もろとも焼き尽くした。南都焼討。重源は、東大寺復興にあたって、中門の二天像に快慶を抜擢した。平家によって焼討ちされた東大寺復興は、内乱に次ぐ内乱と相次ぐ飢饉により荒廃した国土、疲弊した民の心を復興させる事業であり、重源は武者の世に自らの独創性を重ねた作風の運慶ではなく、快慶を重用した。(Wikipedia快慶」より)

東大寺再建にあたって重源は材木を播磨別所から切り出した。その播磨別所とされる場所に浄土寺兵庫)を建て、阿弥陀三尊立像を快慶に彫らせた。

写真:
Bodhisattva
Japan, Kamakura period, erly 13th century
by Kaikei (fl. ca.1185-1220)
Wood with lacquer, gold, copper, and crystal
Gift of Charles Lang Freer   F1909.345
菩薩
日本、鎌倉時代、13世紀初頭
快慶(活動時期 約1185-1220)作
木彫、漆、金、銅並びに水晶
チャールズ・ラング・フリーアの寄贈