ワ シ ン ト ン (3)
2011/10/26〜28
おそらく大統領に呼びつけられたのでしょうが、9月30日の夜をマウント・ヴァーノンですごし、翌朝朝食前に大統領と話をはじめ、朝食を一緒にとり、ハミルトンとの関係につき事情を話したが、大統領は彼の辞任を認めない。
おりしもワシントンは大統領の一期目の任期を終え、引退するつもりで引退を心待ちにしていたが、「余人に代えられず」との理由で強引に再選させられることになっていた。「余人に代えられず」はジェファーソンについてもそうだ、と詰め寄られたのである。
独立宣言が1776年8月2日に署名されたあとのオリジナルの保管場所の移動については、同書上巻P221〜225に詳しく説明されています。最終的にこの国立公文書館に運ばれたのは、1952年12月13日、国会図書館からアメリカ海兵隊の護衛つきの戦車で運ばれたのだそうです。
戦車で運ばれた独立宣言のオリジナルは(P227)、55トンのコンクリートと鉄の地下金庫に埋め込まれた、5トンの組合わせ式金属扉でおおわれていて、参観時間だけは22フィート上昇して展示ホールのブロンズ製ケースのなかに出てくるのだそうですが。
たとえワシントンに原子爆弾が落ちたとしても、これら三文書は生き延びるように設計されているというのです。
上のような史実は別としても、ポトマック川を見下ろすワシントンの私邸はモンティチェロと比べると貧弱ですね。
写真:
Pierre-Auguste
Renoir (1841-1919)
Luncheon of the
Boating Party
1880-81
Oil on canvas
Acquired 1923
アメリカの哲学は合理的であり、アメリカ人の未来にたいする敢闘精神は偉大であり、その敢闘精神が作り出した富の蓄積に感嘆し、じつに有意義な、とても楽しい旅行になりました。
では、皆様ご機嫌よう。
朝の10時から開いているというので、9時半に到着したのですが、もはや見学者の長い行列ができていました。実際に入場できたのは10時半ごろでした。カメラの撮影は禁止されており、羊皮紙の文書をいためないようにひどく暗くしてありますので、
独立宣言
憲法
権利章典
をガラスケース越しに眺めてもなにがなんだかよくわかりませんでした。
むしろ、ジェフリー・アーチャーの小説
『盗まれた独立宣言』上下Jeffrey Archer
永井淳訳 新潮社 1993
を熟読したほうが楽しいかも知れません。
フィリップス美術館(The Phillips Collection)は、ナショナル・ギャラリー(National Gallery of Art)、フリーア美術館(Freer Gallery)についで有名な美術館ですが、私立です。場所はメトロのDuPont Circleの近くです。写真撮影は原則禁止のようですが、私は撮影の許可を頂戴しました。
写真:国立公文書館で売られているコピーから部分拡大
画像:国立公文書館のロタンダ。左側が独立宣言が納められているケース
ワシントンの軍人らしい質実剛健さとジェファーソンの知性との差というのでしょうか。でも参考になりました。