ワ シ ン ト ン (1)
2011/10/26〜28
写真:
The Angel of the
Annunciation
tempera on panel,
c. 1333
SIMONE MARTINI,
Sienese, c. 1284-1344
Samuel H. Kress
Collection 1939.1.216
シエナ派のもっとも有名な画家シモーネ・マルティーニの『受胎告知』の大天使ガブリエル。
対になるマリアはここにはありません。『マリア』はサンクト・ペテルブルクのエルミタージュにあります。
裏をかえせば、この150年間、アメリカは最先端の技術を用いた産業で世界一の座を占め続けたという実力が背後にあるように思います。
現在でもエレクトロニクスでアメリカは世界のトップを走っています。AppleとかMicrosoftなんていう化け物はアメリカにしか存在しないのです。
写真:
The Adoration of
the Magi(東方の三博士による礼拝)
tempera on panel,
c. 1470/1475
BENVENUTO DI
GIOVANNI, Sienese, 1436−before 1517
Andrew W. Mellon
Collection 1937.1.10
それにアメリカの美術館の特徴といえば、この150年ほどの間にありあまる財力で買い集めたという実績です。植民地から奪った美術品、戦争のどさくさで収奪した美術品を返却していない美術館もあるなか、アメリカの美術品は、正義に悖ることなく、自力で購入した美術品です。
日本とはなにからなにまでスケールが違いますね。
私が特に気に入っているのは、ここが美術品の宝庫だということです。ニューヨークのメトロポリタンも素晴らしいし、シカゴ美術館も素晴らしいけれど、ワシントンの美術館は気品がありますね。金持ち喧嘩せず、というか、あたりを寄せ付けない、ガツガツしない風格がありますね。飾られている美術品は超一流の最高ランクものばかり。ということは、ナショナル・ギャラリーの地下には公開されていない美術品が山と眠っているのでしょうね。
写真:FBIが見える街角
さて八日間田舎を回ったあとで、やっとワシントンに辿り着きました。あこがれの街、米国の富の遺産が豊富に残されている街。米国映画で過去永年にわたって食い入るように見つめた街、街角にFBIの巨大なビルがあって、町中からキャピトル・ヒルが眺められる街、世界の政治を左右している街、地球の反対側にある小さな街にひそむギャングの親玉を無人機から発射するロケット弾で殺す能力のある街、世界の正義を背負う街。
写真:同上部分拡大図:ベツレヘムの城門から入場する三博士。
写真:
New York
oil on canvas, 1911
GEORGE BELLOWS, American,
1882-1925
Collection of Mr.
and Mrs. Paul Mellon 1986.72.1
写真:
Edward Y as a Child
oil on panel, probably
1538
HANS HOLBEIN THE
YOUNGER, German, 1497/1498-1543
Andrew W.
Collection 1937.1.64
写真:
Portrait of a Youth
tempera on panel,
c. 1482/1485
SANDRO BOTTICELLI,
Florentine, 1446-1510
Andrew W, Mellon
Collection 1937.1.19
写真:
Madonna and Child
tempera on panel
transferred to hardboard, c. 1470/1475
DOMENICO
GHIRLANDAIO, Florentine, 1449-1494
Samuel H. Kress Collection
1961.9.49
15世紀後半のフィレンツェの人気画家であったギルランダイオ。
本名はドメニコ・ビゴルディ。
ミケランジェロが最初に師事した先生。
気品がありますね。
写真:
Madonna Enthroned
with Saints and Angels
(聖人と天使とともに座する聖母マリア)
tempera on panel,
c. 1380/1390
AGNOLO GADDI,
Florentine, active 1369-1396
Andrew W. Mellon
Collection 1937. 1.4. a-c
これも美術愛好家の垂涎の的。
西洋美術が発生した頃のガッディですね。
フィレンツエのひと。
ジオットの生徒がタッディオ・ガッディ。
タッディオの息子がアグノロです。
写真:『受胎告知を受けるマリア』2005/06/21撮影、
エルミタージュにて
ナショナル・ギャラリーで気になったのは、アメリカのワイエスの絵画が水彩画一点を除いてほとんどないことぐらいでしょうか。
写真:ナショナル・ギャラリー
写真:
Ginevra de’ Benci (obverse)
oil
on panel, c. 1474/1478
LEONARDO
DA VINCI, Florentine, 1452-1519
Ailsa
Mellon Bruce Fund 1967. 6. 1. A
レオナルド・ダ・ヴィンチの22-26歳のときの作品。
GinevraはGeneveのイタリア語表記。
ベンチ家のジネブラ夫人です。
写真:東館への通路
写真:キャピトル・ヒル