以前の「ひとこと」 : 2022年12月前半
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12月1日(木) 2×3のタイル、あやとり
12月になりました。エッジマッチングパズルの話とあやとりの話です。
○
辺の長さが2×3の長方形を考えて、1×1 の6つの領域に○印を付けるときの場合の数を考えてみる、ただし回転や裏返しをして同じになるものは同じとする、という話をご紹介しました。全部で24種類あります。
図 1 1つのタイルが2×3なので、24枚を正方形に成るように並べることができます。このとき、辺を挟んで向かい合うタイルの○印の有無が揃うように並べる、というパズルが成立します。解の一例をご紹介します。
図 2 これ、膨大な数の解があります。
(つづく) ○
今日のあやとりです。5本指の構えで、中指を二重にしてみたらどうだろうと思ったのです。片手の指が6本あれば「6本指の構え」が作れますが、その内側の2つを1本の指に重ねるイメージです。手順を書き下すと例えば以下のようになります。
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中指二重の6本指の構え
- 5本指の構え
- 人差し指の構え
- 人差し指向こうの糸を薬指で取る
- 中指で掌の糸を取り合う
- 薬指の輪を中指に移す(上の輪にする)
- 小指を外す
- 小指で中指向こう上の糸を取る
- 薬指で掌の糸を取り合う
5本指の構えから始めるあやとりをいくつか試してみました。「ケルトのタペストリー」がすごいことになりました。
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- 中指二重の6本指の構え
- ケルトのタペストリー
中央部分をアップにした写真も撮ってみました。
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中央部分 ひものテクスチャが見えて、なかなか良い感じです。
<おまけのひとこと>
日本を食い物にする「ブラックフライデー」暗黒経営の現実(2022.11.28(月) 伊東 乾) という記事を興味深く読みました。こんな煽情的なタイトルを付けなくても良いような気もしますが(編集部がタイトルを付けているのかなとも思いますが)、私もアマゾンは極力利用したくなくて、本は敢えて地元の本屋さんで取り寄せてもらうようにしています。普通なら2〜3日、学術系の本だと2週間くらいかかることもあります。待っているその何日かが楽しいですし、本屋さんに取りに行って、そこで別の本を見つけて一緒に買ってきたりするのも楽しいです。昨日も本屋さんに本を取りに行ったのですが、ついでに見かけた本のほうが面白くて昨夜は夜中に読んでいました。地元の本屋さん、非常に厳しいのは承知していますが、なくならないでくれるといいなあと思っています。
12月2日(金) 2×3のタイルのエッジマッチングパズル(その2)、あやとり
エッジマッチングパズルの話とあやとりの話です。
○
辺の長さが2×3の長方形の6つの領域に○印を付けて得られる全24種類(ただし回転や裏返しをして同じになるものは同じとする)のタイルでエッジマッチングパズルを試みています。解析ソフトとしてBurrToolsを使わせていただいて、調べてみました。タイルはこんな風にモデル化しました(図1)。
図 1 上のモデルと対応するタイルを同じ順番に同じ向きに並べるとこうなります(図2)。
図 2 この24枚を納める枠を、以下のように定義します(図3)。
図 3 最初に出てきた解がこれでした(図4)。
図 4 読み取りにくいですが、これをタイルの表示に戻したのが昨日の図2でご紹介した解の一例でした。
探索空間を1パーセントくらい調べた段階での解の数が5万くらいだったので、数百万のオーダーの解がありそうです。ただ、周期的境界条件の解は無いような気がします。
○
解が多すぎるので、少し条件を限定して探索してみました。例えば、○印がゼロ個のタイルと6個のタイルが対角線上の隅になるように固定してみました。一例を示します。
図 5 数分で探索が終わりました。解の数はBurrToolsによると 11,408 解という結果になりました。
(つづく) ○
あやとりです。ちょっとクリスマスっぽい、気に入ったあやとりが出来たのでご紹介します。
どのあたりが「クリスマスっぽい」かというと、中央に方位磁針のような8方向の星ができているのです。
ちなみに最初に取ったのはもう少し短い糸でした。下のような仕上がりになりました。
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hh221202-1b これを見て、もう少し長い糸で取るときれいな対称形ができるのではないかと思って取ったのが上の紫の糸のあやとりだったのでした。
<おまけのひとこと>
サッカーのワールドカップの結果に驚いています。まさか日本がE組を一位で通過するとは。
12月3日(土) 2×3のタイルのエッジマッチングパズル(その4)、あやとり
エッジマッチングパズルの話とあやとりの話です。週末、用事があって3日(土)と4日(日)二日分を日曜日の夕方にまとめて書いています。
○
ご紹介している2×3の24種類のタイルによるエッジマッチングパズルですが、6枚で6×6のサイズの正方形になっているのです。なので縦横を混在させることができます。こんな解が見つかりました。
図 1 昨日と同じように、左下(○印ゼロ)と右上(○印6個)のタイルを固定してこの配置で探索してみると、151解が見つかりました。
ちなみに上記の解に対応するBurrToolsの出力です。
図 2 縦横混在可能なテンプレートで探索するととても時間がかかるので、条件を狭めて計算してみています。
(つづく) ○
昨日の更新でご紹介した中央に星ができるあやとりですが、最初の構えそのものがきれいなのでそのご紹介です。
何か名前を付けても良いかもしれませんが、この構えから始めるあやとり、昨日のものをのぞいてまだあまり気に入ったものが見つかっていません。比較的面白いかなと思ったのは下のものです。
5本指の状態から、中指を外して「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」というのはよくある手順ですが、5本指の状態から親指・中指・小指で「焼け焦げた葉のククイの終了処理」をしてから「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」をする、というのは他の例でも試す価値があるかもしれません。
<おまけのひとこと>
この土日は本当は庭仕事をしたりしたかったのですが、とあるちょっとした原稿を書いていて、それに意外と時間が取られてしまいました。
12月4日(日) いろいろ
ごく軽い内容です。
○
昨日のあやとり、比較のために素直に中指を外して「タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理」をするとどうなるかやってみたのです。
昨日の工夫をしたもののほうが良かったと思います。
○
高校数学の三角関数「社会に出ると役に立たない」とやり玉にあがるけど… “新たな視点”を提供する作家のツイートが話題 という記事を見かけました。
【誤】『三角関数は社会に出たら使わない』
【正】『三角関数ができないと、それを使う職業(そして人生)を選べなくなる』そうだよねえ、と思いました。
<おまけのひとこと>
土曜日の朝に妻を中央西線の特急の駅まで車で送迎しました。朝6時過ぎに家を出て、帰ってきたのは8時過ぎでした。それ以降、日曜日の夕方まで一歩も家を出ていません。そんな週末もあります。
12月5日(月) 立方体ブロック(その1)、あやとり
立方体を組むブロックの話とあやとりの話です。
○
エッジマッチングパズルの解析のために久々にBurrToolsを立ち上げたので、少し遊んでみたのです。こんなブロックを設計して立方体を組んでみました。
図 1 図 2 真上から見下ろしたところ(図1)と、斜めから見たところ(図2)です。
たとえばこれはこんな風に組むことができます(gifアニメーションです)。
図 3 他の組み方はあるでしょうか。
(つづく) ○
ここ数日ご紹介しているあやとりの開始処理の試行錯誤の1つです。
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- 5本指の構え
- 人差し指の構え
- 人差し指向こうの糸を薬指で取る
- 中指で掌の糸を取り合う
- 人差し指の輪を小指に移す(上の輪にする)
- 薬指の輪を中指の輪に上から通して人差し指に移す
- 小指の上の輪を薬指に移す
- 中指を向こうへ半回転ひねる(ねじれをなくす)
「親指の輪をパターンの下に移動する」はやらない- ダブルハートの処理
- 中指を外す
- 全ての指を外側へ1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
うん、まあ悪くはないんですが…
○
すべてがぜんまい仕掛けになる「なんでもぜんまい」製品化への道という記事がとても面白かったのです。製品製造において頻繁に出てくる困り事や悩み事の話がたくさん語られていて、至る所で共感しながら読みました。
<おまけのひとこと>
昔のページを見直していたら、ちょうど8年前の今日、2014年12月5日に出張に行っていて、その時に駅で撮った写真を載せていました。
2014年12月5日(金)
8年前の今日は雪が積もっていました。特急列車も2世代前のE351です。この車両、好きでした。
12月6日(火) 立方体ブロック(その2)、あやとり
立方体を組むブロックの話とあやとりの話です。
○
昨日の立方体を組める6枚のピースのジョイントは片側が凹、もう片側が凸という構造でした。これをいつもの○印の表記にしてみると、相補的なマッチングになります。
図 1 これらを立方体に組むやり方は5通りありました。解を列挙しておきます。
図 2 これらの解が全て異なるということはどうしたら簡単にわかるでしょうか? これ、良い見分け方があるのです。ヒントは特定のピースの対面(立方体に組んだ時に辺を共有していない平行な面)に注目してみてください。←一応テキストを薄い色にしてみました。
(つづく) ○
今日は「東京タワーの構え」から始めるお気に入りのあやとりをご紹介しようと思って画像を準備したのです。いつものように取り方を記載しようと思ってメモを確認したらなんだか変なのです。メモの手順で取ろうとすると表記に矛盾があるのです。
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hh221206-1 あやとりひもを持ってきて確かめてみたのですが、「メモがおかしい」ということはわかったのですが、正しい手順を復元できません。これ、気に入っているのに困りました。頑張って復元しないと…
<おまけのひとこと>
自分が取った、しかも気に入ったあやとりの取り方を記録し損なうなんて情けないです。
12月7日(水) 立方体ブロック(その3)、あやとり
立方体を組むブロックの解の違いを見分ける方法の解説と、あやとりの取り方を復元できた話です。
○
昨日、6種類の正方形のピースで辺を相補的にマッチングして立方体を組むやり方が5通りある、という話をしました。ピースの図と組み方の図をちょっと縮小して再掲します。
この5通りの解は BurrTools という解析ソフトが一瞬で出してくれたものなのですが、本当に全部違うと言えるのだろうか? と思ったのです。
唐突に話が変わりますが、普通のさいころというのは向かい合う平行な面の数の和が7になるようにデザインされていることが知られています。1と6、2と5、3と4がそれぞれペアになっています。今回のエッジの相補的マッチングの立方体の5つの解それぞれについても、この「向かい合う平行な面のペア」に注目してみたのです。
一番特徴的だったのが P2a
でした。解の図のこのピースに赤い色
を付けてみて、向かい側の面に注目してみました。
図 1 このように、解1は向かい側の面がP0、解2はP1、解3はP2b、解4はP3、解5はP4、なのです。これなら全てが異なる解であることは一目でわかります。また、1つの解の立方体を示されて、それが解1〜解5のどれと同じなのかを見分けるのも簡単です。
解の図はP4とP0の位置を固定して描画しましたが、P2aを固定するともっとわかりやすかったかもしれません。この「5つの解の見分け方」に気付いて、面白かったのでご紹介しようと思ったのでした。
○
昨日、「取り方がわからなくなってしまった!」とご紹介したあやとりの手順、なんとか再現できました。関係するあやとりから順にご紹介します。
まず、気に入っていて時々取るこちらのあやとりです。
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- 4本指の構え(ナウルの構え1)
- 人差し指の構え
- 小指を外す
- 人差し指向こうの糸を小指で取る
- 中指で掌の糸を取り合う
- 人差し指の輪を薬指に移す
- 中指の輪を人差し指に移す
- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
4本指の構えから人差し指・中指の輪を入れ替えて、親指・小指を外側に1回転ひねって「タイガーショベルノーズキャットフィッシュ」です。
これに対して、それぞれの指の輪を、隣の指の輪を通してかけ直す手順を行うと下左のようなあやとりになるのです。(ちょっと調整が必要です。)
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hh221207-1 hh221207-2
- 4本指の構え(ナウルの構え1)
- 人差し指の構え
- 小指を外す
- 人差し指向こうの糸を小指で取る
- 中指で掌の糸を取り合う
- 人差し指の輪を薬指に移す
- 中指の輪を人差し指に移す
- 親指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外し、親指に掛け直す
- 小指の輪を薬指の輪の中からつまんで外し、小指に掛け直す
- 薬指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外し、薬指に掛け直す
- 人差し指の輪を薬指の輪の中からつまんで外し、人差し指に掛け直す
- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
- 東京タワーの構え
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- パターンを人差し指・中指に移す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
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- 親指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外し、親指に掛け直す
- 小指の輪を薬指の輪の中からつまんで外し、小指に掛け直す
- 人差し指の輪を薬指の輪の中からつまんで外し、人差し指に掛け直す
- 薬指の輪を人差し指の輪の中からつまんで外し、薬指に掛け直す
- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
さらに同じことを「東京タワーの構え」から4本指のパターンにしたものに対して行ったのが、昨日「取り方がわからなくなってしまった」とご紹介したあやとりだったのでした。ちなみに上の左右の手順6と手順7の順番が逆です。これは意図的にそう書いていて、順番に依存します。
取り方が再現できてほっとしました。
○
ひさしぶりに大西科学を見に行ったら、今年の2月の約10日くらいの間に4編の新作が公開されていました(こちら)。No.853「農業をやること」のロールプレイングゲームの考察、No.854「きっかけになりたい」の偽陽性と偽陰性の話、No.855「一を聞いて十を知らない」の誤差の話、No.856「超戦士桃太郎の伝説」の考察、いずれもとても面白く読ませていただきました。
<おまけのひとこと>
今日のあやとりの3枚の画像、同じあやとりひもを使っているのですが画像を加工した結果違う色に見えてしまいました。同じカメラで、ほぼ同じような光の条件で撮っているはずなのですが。画像加工はリサイズした後でヒストグラム補正をかけて背景色を白飛びさせています。その後でガンマ補正をかけることもあります。余分なマグネットとかマグネットボードの縁とかが写ってしまった場合、トリミングしたり不要な部分を白で消したりすることもごくたまにあります。
12月8日(木) 2×3のタイルを相補的に組む、あやとり
2×3のタイルのエッジマッチングパズルの話とあやとりの話です。
○
今月はじめからご紹介している2×3のタイル24種類、前回は○印の有無を合わせたエッジマッチングパズルとして解いてみましたが、「接した辺の片側だけに○印がある」という相補的なマッチング条件で解いてみました。
BurrToolsで解くにあたって前のピースを流用してこんなタイルの設計にしました。
図 1 ○印1つ分を単位正方形3つ分で表現します。○印無しを「凹」、○印有りを「凸」とします。膨大な数の解が出てきます。一例を挙げます。
図 2 相補的マッチングだと、○印が全体に分散する印象です。
この図を作りながら、上の図2の右側のBurrToolsが見つけてくれた解を読み解くのがとても面倒だと思いました。凹凸の区別(=○印の有無)を読み取るのが難しいのです。相補的マッチングならもっと易しいタイル設計ができるはずです。設計を変えることにしました。
(つづく) ○
一時、取り方がわからなくなってしまったこのあやとり、
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hh221206-1 この取り方の探索をしているときにこんなあやとりができました。
この一連のシリーズは、ある指に掛かっている輪をいったん外し、それを隣の指の輪に下から上に通して元の指にかけ直す(その際その輪をひねらないように注意する)という操作を多用しています。その結果「絡み」
がたくさんできて出来上がりが面白いのですが(「絡み」に相対する概念が「交差」
です)、その分完成形が不安定で調整が必要なのが難点です。
○
ArtStation - Japanese Narrow HouseというCG作品に感心しました。画面の画像の左右にある "<" や ">" をクリックすると別な画像を表示できます。ページを下にスクロールすると、同じ建物を様々な視点から見た画像が何枚も用意されています。様々なタイプの日本の家や街並みのCGを見ることができます。CGでこうして作りこむのは大変だと思います。アパートなど、同じ構造が繰り返されているものでも、窓の向こうに透けて見えているカーテンや物がそれぞれ違っていたりして芸が細かいです。こちらの街並みなどは、朝の光を想定しているのでしょうか、夏の早朝でまだ誰もいない小さな街並みを歩いているような感じがします。いまどきのリアルなゲームならこのくらいのCGがリアルタイムで動くのは当たり前なのかもしれませんが(すみません相場感がわかっていません)、これをこうして作りこむのは大変だと思います。
<おまけのひとこと>
今日12月8日は太平洋戦争が始まった日、ジョン・レノンが銃で撃たれて亡くなった日ですね。ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」を聴きたいと思います。
12月9日(金) 2×3のタイルを相補的に組む(その2)、あやとり
2×3のタイルのエッジマッチングパズルの話とあやとりの話です。
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昨日ご紹介した 2x3の24種類のタイルのエッジの相補的マッチングですが、BurrToolsが出してきた解を読み解くのが難しかったので、ピースのデザインをこんな風に変えてみました。
図 1 対応するタイルはこうです。(実は昨日の図、タイルが1つだけ左右が逆でした。そんなことにもなかなか気が付かないデザインでした。)
図 2 以下のものは、この設計で24枚を3×8に並べてみたものです。
図 3 これだとどの部分が凸なのか(○印があるのか)がよくわかります。実はこのようにデザイン変更した理由は、周期的な解がないか調べてみたくなったためなのです。いまのところ周期解は見つかっていませんが(そもそも周期解が存在するのかどうかわかっていませんが)、上の図3では左右の3辺と上下の8つの辺のうちの5か所まではマッチしています。BurrToolsの助けを借りながら探索してみているのですが、今のところこれ以上「惜しい」解は見つかっていません。
タイルの向きを縦長配置と横長配置と混在させることも考えられますが、そうするとタイルのデザインをもっと工夫する必要があり、かつ探索区間が広くなってしまって簡単に試行錯誤ができなくなってしまうのです。このタイルでもう少し遊んでみようと思っています。
○
昨日のあやとりにちょっと関連するあやとりです。
なるほどこうなるのか、という感じです。
○
日本初、藤森照信が設計する旅館が長野県富士見町に2023年夏オープンという記事がありました。藤森建築、面白くて好きです。地元ですがちょっと興味があります。地元なので宿泊することはないだろうとは思いますが。
<おまけのひとこと>
今日は定期通院等で有給休暇を取得したのですが、いろいろ用事があって更新が午後になってしまいました。
12月10日(土) 不可能物体パズル、あやとり、他
不可能物体パズルを3Dプリンタで自作するページの話とあやとりの話、他です。今日は単発の話題です。
○
The Simply Impossible Puzzle(シンプルな不可能物体パズル)というページを非常に興味深く見せていただきました。このサイトの画像をお借りして簡単にご紹介します。
このように、4ピースのジグソーパズルのような構造のパズルです。ピースを垂直方向に動かさないと組んだり外したりできません。4つのピースのかたちは全く同じ(合同)です。
図 1 このピースの側面が垂直ならば極めて易しいパズルですが、このピースの丸い部分は円錐台のように上が小さくて下が大きいのです。
図 2 なので、上下方向から組めるといっても方方向にしか組み外しできません。そのため順番に組んでゆくと最後のピースがはまらないのです。
図 3 こういった「平面上の動きでは外せない、垂直方向の動きは片側に制限されている」というパズルは、今、入手できる製品としてはたとえばハナヤマの「キャスト スパイラル」などが有名です。
図 4 この制約をどのように回避して組み外しできるようにパズルをデザインするか、というのがデザイナーの腕の見せ所です。そもそもこのアイディアのパズル、誰が最初に思い付いたのか、いつからあるのか、不勉強な私はよくわからないのですが、いくつも見たことがある気がします。今回ご紹介したサイトでは3Dプリンタを使ってピースを作成しているのだと思うのですが、3D-CADを使ってピースのデザインをする手順を丁寧に動画で説明していて、閲覧していて面白かったです。少なくともこのピースの設計手順を見ても、パズルの解き方は全くわかりません。
また、上記のページを開いた段階ではこのパズルの解き方(種明かし)は見えないようになっていますが、組み外しの方法を説明している画像がありますので知りたい方は見ることができます。(このサイトの4ピースのパズルの解き方を見ても、ハナヤマの「キャスト スパイラル」を解くヒントにはならないのではないかと思います。)
3Dプリンタがあると立体造形でいろいろ面白いことができそうだなと思いつつ、まだ手を出せていません。
○
今週ご紹介しているあやとりで多用している手順、「ある指に掛かっている輪をいったん外し、それを隣の指の輪に下から上に通して元の指にかけ直す」という操作を4つの指に外側から適用した創作あやとりの試みからもう1つご紹介します。今日は4本指の構えから始めてみました。
パターンの中心のところに糸が集中して、蝶のような感じになりました。
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デイリーポータルZに上田では温泉とフォーク酒場でノスタルジーに酔うべし 〜地元の人頼りの旅 in 長野県上田市〜という記事が載っていて、上田出身の私としては非常に興味深く読みました。失くした記憶と忘れられた龍というイベントの広告企画記事なのだそうです。こんなイベントをやっているのですね。応援したくなりました。
<おまけのひとこと>
床屋さんに行って髪を切ったのですが、短くしたら頭が寒くて頭に手ぬぐいを巻いています。
12月11日(日) 196-アルゴリズム、あやとり、他
週末、のんびりいろいろ調べたりしています。更新、午後になってしまいました。単発の軽い話題をいくつか。
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196-アルゴリズム、という問題を知りました。2桁以上の整数(十進法)を1つ考えます。その数字の順番を逆にして元の数字に足します。その結果得られた数字が左右対称の数字の並びになったらおしまい、そうでなければ同じ操作を繰り返す、という処理です。例えば、収束が早い数字の例として 5280 というのがあるそうです。この数字から始めると3ステップで 23232 という対称な数字の並びに到達するのだそうです。
5280 + 825 = 6105
6105 + 5016 = 11121
11121 + 12111 = 23232最初の数字によってはものすごく大きな数になってしまうのだそうで、たとえば 89 から始めると 8813200023188 になってしまうのだそうです。196というのは、この処理で対称な数字の並びに到達することが確認できていない最小の数なのだそうです。OEISA006960によると、2019年の時点で数百万桁まで調べても対称形にならなかったそうです。そこまで調べるというのがすごいですね。
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このところご紹介しているあやとりの、もう少しシンプルなバージョンです。
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hh221211-1
- 5本指の構え
- 人差し指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、人差し指に掛け直す
- 薬指の輪を中指の輪の中からつまんで外し、薬指に掛け直す
- 中指を外す
- 全ての指を外側へ1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
これはシンプルです。
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ESOTERIC ILLUSTRATION AND ART DIRECTION BY HVASS & HANNIBAL というサイトにこんな画像(デザイン)が紹介されていました。
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「蛇と梯子」のボードゲーム盤のようですが、趣向がよくわかりません。でもちょっと面白そうだなと思いました。
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我慢の限界を超える、難しすぎるジグソーパズルというページに載っていた、グラデーション・レインボー・パズルというのがちょっと面白そうだなと思いました。マンセルの100ヒューテストみたいです。色を見分ける遊びとして面白そうです。こちらに紹介記事がありました。予想通り、ピースの数の割には易しいパズルのようです。
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先日、妻を遠くの駅まで送った帰りに ミュージアム鉱研 地球の宝石箱という看板を見かけたのです。通り過ぎたのが朝7時半くらいだったのですが、帰宅してから調べてみました。ちょうど冬季休業(12月〜3月)に入ってしまったようですが、一度行ってみたいと思いました。会社の社内SNSの雑談コーナーとかで行ったことがある人がいるか聞いてみようかなと思いました。
<おまけのひとこと>
朝から曇り空でいかにも雪が降ってきそうな雰囲気でした。午後になってやっぱり雪が舞っています。こんな日は家の中でのんびり調べ物をしたり本を読んだりするのが良いです。
12月12日(月) オイラーのレンガ、あやとり
数学の話題とあやとりの話です。今日も単発の話題です。
○
京都府高等学校数学研究会というサイトで、毎月「今日の数学」という高校生向けの小冊子をpdfで公開して下さっているのを見かけました。2017年4月が第1号で、最新の第68号まで揃っています。素晴らしい力作だと思います。おそらく研究会の会員の先生方が持ち回りで執筆されていらっしゃるのだと思うのですが、何を書こうかいろいろ思い悩まれてとっておきの話を紹介して下さっているのだろうと想像しています。
その中の第44号のきょうの数字:「44」というコーナーに、オイラーのレンガ(Euler Brick)が紹介されていました。実は私、「オイラーのレンガ」という概念を知らなかったのです。こんなシンプルな数学の話題で知らないことがまだまだあるのだな、となんだか嬉しくなりました。(自分の不勉強を喜んでいてはいけないのですが。)この「今日の数学:第44号」の図を引用させていただいて、オイラーのレンガをご紹介します。
オイラーのレンガというのは、各辺の長さが整数の直方体のうち、3種類の面の長方形の対角線も全て整数であるものの名前です。既約な(相似でない)ピタゴラスの三角形が無限にあるように、オイラーのレンガも無限に存在するそうです。そのうちの最小のものが、44,117,240の直方体なのだそうです。
最小の「オイラーのレンガ」 残念なことに、直方体の対角線(面の対角線ではなくて立体の対角線)は整数にはなりません。
直方体の対角線は整数ではない 直方体の対角線も含めて整数になるようなオイラーのレンガを完全直方体(Perfect Cuboid)と呼ぶそうなのですが、まだ1つも実例は見つかっていないだそうで、さらにこの完全直方体が存在するのか否かそのものがまだわかっていないのだそうです。
○
あるあやとりの手順からいろいろな装飾処理を試すとき、気に入った面白いものを先にご紹介しがちです。その前に取った少し単純なものは後回しになりがちなのですが、今日もそんなあやとりのご紹介です。
「東京タワーの構え」の左右の小さな三角形がは互いに絡み合っていないのですが、それが中央で重なって面白い効果になっています。
<おまけのひとこと>
もう1つ軽い話題を書こうと思っていたのですが時間切れです。
12月13日(火) 虎の子渡し、あやとり
数学の話題とあやとりの話です。今日も単発の話題です。
○
「虎の子渡し」という渡船問題(川渡りの問題)がある、ということを初めて知ったのです。虎の子渡しとは - コトバンクというページによると、「虎が三匹の子を生むと、その中には必ず彪(ひょう)が一匹いて、他の二匹を食おうとするので、渡河の際に親は子を彪と二匹だけにしないように苦労するという、「癸辛雑識‐続集下」にみえる話から出た語。」なのだそうです。ここから転じて生計のやりくりに苦しむことのたとえとしてこの言葉が使われるのだそうです。知りませんでした。 竜安寺の石庭が、この「虎の子渡し」をモチーフにデザインされているという説があるのだそうです。
「パズル遊びへの招待・オンライン版」にも渡船問題(川渡りの問題)という章があって、有名な「オオカミとヤギとキャベツ」を持った男が小舟で川を渡る問題が紹介されています。これは川渡の問題の代表的なものですが、「嫉妬深い3組の夫婦の川渡」「宣教師と人食い人種の川渡」も、川渡の問題の代表的なものだと思います。
「オオカミとヤギとキャベツ」の問題については、2003年8月5日に関係するパズルの問題をご紹介したことがありました。
実は、「虎の子渡し」は「オオカミとヤギとキャベツ」の問題と同じ構造なのです。彪(ひょう)に相当するのが意外にもヤギです。ヤギは、オオカミともキャベツとも共存できません。彪(ひょう)は2匹の虎の子どちらとも共存できません。オオカミとキャベツは共存できます(ふたりだけで一緒にいても大丈夫)。2匹の虎の子も2匹だけでいても大丈夫です。
「オオカミとヤギとキャペツ」と「虎の子渡し」 ただ、問題としては「オオカミとヤギとキャペツ」のほうが優れている気がします。いずれにせよこの「虎の子渡し」という言葉を知ることができて良かったです。
○
あやとりです。これは整えるのがものすごく大変でした。手順通り取っても、最初はパターンや対称性が全く理解できないごちゃごちゃした糸のかたまりになると思います。「取り方の手順に対称性があるのだから、結果も対称性があるはずだ」という信念に基づいてがんばってみました。
いつも、
- 思い付いた手順であやとりを取る
- マグネットボードに固定してかたちを整える
- (気に入ったら)写真を撮る
- 写真の撮影日時(画像ファイルのタイムスタンプ)と取り方の手順を記録する
という順番であやとりを記録しています。整えるのにあまりに時間がかかると手順を記録しようとしたときに記憶が怪しくなるときがあります。そんな時は念のためもう一度取り直すのですが、このあやとりは取り直しても正しいのか間違っているのかわかりにくいです。
<おまけのひとこと>
「オオカミとヤギとキャペツ」の問題、図があったほうがわかりやすいかなと思ってフリー素材のイラストを探して図を作りました。雰囲気が合っていてわかりやすいイラストを揃えるのはちょっと大変でした。「キャベツ」でイラスト検索すると当然ながらキャベツ1つの絵がたくさん出てきます。「キャベツのかご」で検索したら、今回使わせていただいたものが見つかりました。フリー素材のイラスト、本当にありがたいです。残念ながら「虎の子渡し」のほうは合いそうなイラストが見つからなかったので、漢字にしました。
12月14日(水) 正三角形の正三角形分割(その1)、あやとり
正三角形を分割する話とあやとりの話です。
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今日のトピックは、Puzzle: Cut regular tetrahedron into distinct-sized regular tetrahedra?という記事の話です。この記事の図を引用させていただいております。
以前にもご紹介したことがありますが、正方形を全てサイズの異なる正方形に分割するという問題があります。これは肯定的に解決されていて、以下の最小解が知られています。
正方形の正方形分割 同じことを正三角形でもできるでしょうか。正三角形を全て異なるサイズの小さな正三角形に分割できるでしょうか。
正三角形の正三角形分割 上記の例では、1辺の長さが39の正三角形を小正三角形に分割しています。上向きの三角形(白)が8つ、下向きの三角形(黒)が7つあります。白い三角形は全てサイズが異なります。同じく黒い三角形も全てサイズが異なります。ただし白と黒で同じサイズの三角形のペアがいくつか存在してしまっています。
(つづく) ○
「ある指に掛かっている輪を外して、それを隣の指の輪を通してもとの指に掛け直す」手順の「隣の輪の通し方」を変えてみるという試みをしてみています。
なるほどこうなるのか、と思いました。
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昨日は出張でした。最寄駅6:10の普通列車で出発しました。Net予約できる市営駐車場を初めて利用してみました。
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朝6時前に駐車場に車を入れたら、他には1台も車はありませんでした。あたりはまだ真っ暗でした。雪が降って車を停める場所がわからないと困るなと思ったのですが大丈夫でした。帰りは21時半過ぎに車を出したのですが、その時にも他の車は1台もありませんでした。
<おまけのひとこと>
行き先は大阪だったのですが、現地で7時間みっちり話ができました。往復の移動時間は9時間くらいです。朝は寒かったのですが、帰りはそうでもなかったです。朝の乗換駅で特急列車の待ち時間に駅蕎麦を食べ、帰りに名古屋で新幹線から特急に乗り換える15分間にホームできしめんを食べました。今回は蓬莱の豚まんをお土産に買えました。新幹線に間に合わないかと思って焦りましたが、ぎりぎり間に合いました。
12月15日(木) 正三角形の正三角形分割(その2)、あやとり、他
正三角形を分割する話とあやとりの話です。
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正三角形を全て寸法が異なる小さな正三角形に分割できるか、という問題、これは否定的に解決されている(できないことが証明されている)そうです。昨日ご紹介したページから、こちらのDissecting an equilateral triangle into equilateral triangles of pairwise different sizes(正三角形を、どの2つもサイズが異なる正三角形に分割する)というページにリンクされているのですが、ここでシンプルな解説(証明?)が書かれています。簡単にロジックを紹介します。
まず、分割したい三角形を上が頂点になるように、底辺が水平になるように置きます。上の頂点に注目すると、この頂点を含む小正三角形があるはずで(頂角は2つの正三角形に含まれることは無いです)、小三角形の底辺は水平になります(図1)。この小三角形の1辺の長さをl1とします。
図 1 l1 に接する小三角形は全て下向きなはずです。また全ての小三角形の辺の長さは異なるため、l1に接する小三角形の1辺の長さは全てl1 よりも小さくなければなりません。なので、必ず複数の下向きの三角形が並ぶことになります。
図 2 l1に接する下向きの小三角形のうち、最小のものの辺の長さをl2としましょう(図3)。この両側の角は60°ですから、ここには正三角形が1つずつ入ります。
図 3 l2の両側の正三角形の辺のうち、最小のものをl3としましょう。これは必ずl2より小さくなります。なぜならば、l2の両側の正三角形がどちらもl2より大きければ、その2つは重なってしまうからです。
図 4 さて、改めてl3に注目してみると、これはここまでl1に関して議論してきたことが同様に適用できることがわかります。つまり、「サイズが異なる」という条件を満たすためには、無限に小さな三角形が必要になってしまいます。
以上により、正三角形を全てサイズが異なる有限個の正三角形に分割することはできないことがわかりました。
いかがでしょうか、このロジックが面白かったのでご紹介したくなったのでした。
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昨日の手順に、下記の手順4〜7を追加してみました。
内側にひねったときにきれいな斜めの格子になりました。ちょっとびっくり。
<おまけのひとこと>
最近、キーボードの“E” のキーがチャタリングする(1回押したつもりがキーイベントが2回発行されてeeと入力されてしまう)ことが多くてイライラします。ノートPCに外付けキーボードを繋ぐのも机のスペースが狭くなって嫌だし、困ったものです。