以前の「ひとこと」 : 2021年4月後半
4月16日(金) Scutoids(その1)、創作あやとり
4月後半です。何か新しいトピックにしたいなと思ってPCの中を探して、1年ほど前に作った模型の話にすることにしました。
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こんな模型を作ってみました。これは Vi Hart 氏の Scutoids というものです。平面ではない面があります。可展面ではないので、模型としてはやや無理がありますが、感じはつかめます。
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Fig.1 Vi Hart氏は(link は Wikipediaです)あのGeorge W. Hart氏のご子息だそうで、今30代前半の娯楽数学者・芸術家のようです。さすがです。
上記の scutoids のページにある型紙画像を利用させていただいて、A4の用紙に4つの型紙が入るように、のりしろも付けてデザインしてみました。
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Fig.2 冒頭の画像はこの型紙を印刷して組み立てたものです。
(つづく) 〇
ここ数日のあやとり研究は、ケルトのタペストリー のバリエーションをいろいろと試みています。一昨日は下図のFig.3、「小さいアムワンギヨ」で仕上げてみたものをご紹介したのですが、昨夜そこに四隅に「ひねり」を加えたパターンを作ってみました(Fig.4)。
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Fig.3 Fig.4 このかたちが気に入ったので、Fig.4で使っている糸より少し短い糸で取って、コルクボードにとめてみました。取り方の手順もメモしておきます。(将来の自分のためです。)
「ナウルの構え2」からの「ケルトのタペストリーの手順」というのは、1).薬指の輪を、中指の輪の下から取り出して親指に退避し、2).人差指の輪を薬指に移し、3).退避しておいた親指の上の輪を、中指の輪に上から入れて人差指にかける、という手順で薬指と人差指の輪を交換しているのです。そのため、人差指と薬指の糸が交差しているので中指を外してもその糸は途中で引っかかって∞型のパターンが中央にできるのです。
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あやとりを取っているとよく失敗することがあります。一番多いパターンは、外してはいけない輪がどこかの指から滑り落ちてしまうということが起こるのです。すぐに復元できることもあるのですが、多くの場合はどの糸をどう戻せばいいのかわからない、ということになります。そういうときは下手に復元しようと頑張るのではなく、潔く最初から取り直すほうがいいです。
昔ならそういうときちょっとイライラしたかもしれないと思うのですが、歳を取って気が長くなって、むしろセルフ・コメディのように自然と自分の失敗が笑えるのです。もともとあやとりは完成してもすぐに崩してしまう遊びですし、うまくいかなかったとしても何の害もありません。
ここ3か月くらい「あやとり」にすっかりはまってしまって、気が付いたらいろいろな手順やパターンを組み合わせて美しい模様のようなあやとりを取れるようになっていました。この手順やパターンをどこかにちゃんと整理しておきたいなと思い始めています。(でも、調べれば「国際あやとり協会」の論文とかにすでにまとめられていそうな気もします。) ますます「stay home の達人」になっていっている気がします。
<おまけのひとこと>
昨日の朝は気温が0℃で、車のフロントガラスは凍っていました。でもお昼過ぎに車で移動したときには気温はかなり上がっていて暑かったのです。気温の変化の幅が大きくて大変です。
4月17日(土) ケルトの文様をデザインするソフト、創作あやとり
週末なので単発の簡単な話題、プラスいつものあやとりの記録です。
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こんな図を作ってみたのです。これは、大小6つの輪っかが絡まっている構造になっています。
Fig.1 これをどうやって描いたかというと、Knotterというケルトの模様をデザインできるフリーのソフトウェアを使わせていただきました。
まずはこちらの チュートリアル の真似をしてサンプルを作ってみました。これでこのソフトの基本的な操作はだいたいわかりました。
文様の線の幅や色、線の縁取りの色や幅、曲線部分の曲がり具合や張り出し具合など、いろいろ調整することができます。こんな図を作ってみたり(Fig.2)、
Fig.2 正方格子ではない、こんな図を作ってみたり(Fig.3)、
Fig.3 とても楽しいです。本当は、何かあやとりの図を作るのに便利なソフトがないかなと思って探していたのです。このKnotterはその目的にはあまり適切ではないです(少なくとも私にはその目的のためにはうまく使えていません)が、このソフト自体がとても楽しいです。
ところで Fig.2 や Fig.3 の絡み目の要素数(ひとつながりになっている絡まっている輪っかの数)はいくつでしょうか? Fig.3 は簡単だと思います。Knotterでは、標準的には各要素ごとに違う色で着色してくれるので、編集操作をするごとに要素数の変化がわかって、それも楽しいです。
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あやとり研究ですが、昨日の「四隅にひねりを加えたケルトのタペストリーのパターン」を見ていたら、ナウルの構え1をベースとしたもう少しシンプルなものを試してみたくなって、作ってみました。
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Fig.4 Fig.5 (画像をクリックして)拡大した写真を見ていただいたほうが文様のパターンがわかりやすいかと思います。例によって自分のために取り方のメモを残しておきます。
この、大項目レベルの手順を覚えると、このあやとりを復元できます。「ナウルの構え1から人差指と中指を入れ替えて、四隅に輪を作って、4本指を前後対称にひねってアムワンギヨ」です。
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妻に「ナウルの構え1」を伝授して、そこから「焼け焦げた葉のククイ」を取ると「小さな聖なる円」が取れる、タイガーショベルノーズキャットフィッシュも簡単、と伝えました。
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Nauru Opening 1 この「タイガーショベルノーズキャットフィッシュ」という名前が思い出せなくて、別の地域での名前のほうの「ハト小屋」とか「丸太が横切っている沼」(←ちょっと違います)みたいな名前ばかり思い出しました。
<おまけのひとこと>
昨日は仕事を1時間ほど早上がりさせていただいて(そのかわり朝は6時過ぎから仕事を始めていました)、予約してあったタイヤを装着してもらいにタイヤ屋さんに行きました。昨シーズンまで5シーズン履いた夏タイヤをお店に預けて、そのホイールに新しいタイヤを組付けてもらっておいたので15分もかからずに作業が終わりました。作業の間、タイヤ屋さんのすぐ隣の手芸屋さんに行って、消耗が激しい「あやとり用のひも」を5本ほど買いました。
終わった後で皮膚科を受診してアトピー性皮膚炎の薬を処方していただきました。1時間ほどの間に効率的にいろいろな用事を済ますことができて良かったです。
4月18日(日) 結び目の3Dデータ作成ソフト、他
結び目のデータを作成するソフトを探索中です。
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あやとりは1本の「ひもの輪」を変形して様々なかたちを作ります。なので全て「自明な結び目」であり、この3次元空間の中で変形してゆけば必ず交差の無い輪に戻すことができます。これまで写真をトレースしたりしてあやとりの図を作ってご紹介したりしていますが、これをもっと簡単にできないだろうか、と思って結び目の描画ソフトを探してみています。そんな作業の中で、今日は Steve Abbott's Computer Drawn Celtic Knotwork というページで公開していただいている “Knots3D” というソフトを試させていただきました。
このソフトは基本となる格子パターンを選択して、その格子の各辺のところの糸の状態を決めることで様々な美しい結び目や絡み目を作ることができます。その結果は2D表示と3D表示をさせることができて、さらに3Dデータは他のソフトウェアで使えるように出力してくれる機能も備えています。たいへんありがたいです。
3DCGは私はPovrayを使い慣れているので、Povray形式が選べるのがとても嬉しいです。さっそく2種類ほど出力してみました。
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Fig.1
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Fig.2 いずれも画像をクリックすると、少し大きなgifアニメーションファイル(ぷるぷる立体表示)が開きます。
これもとても面白いソフトウェアです。ありがとうございます。でもやっぱりこれも「あやとり作品」の描画向けではありません。
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昨日ご紹介した下のFig.3 のあやとり「ナウルの構え1から人差指と中指を入れ替えて、四隅に輪を作って、4本指を前後対称にひねってアムワンギヨ」をちょっと変えてみた Fig.4 も一緒に写真を撮ってあったのです。ところがこの取り方、忘れてしまいました。
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Fig.3 Fig.4 「ナウルの構え1」「人差指と中指の入れ替え」「四隅に輪を作る」「4本指を前後対称にひねってアムワンギヨ」はいずれもやっている気がします。何が違うんだっけ、と思って今日いくつか試してみたのですが、そうしたらまた別なパターンができました。それはまた明日にでもご紹介します。
<おまけのひとこと>
昨日は妻の車のタイヤ交換、贈り物に同梱する手書きの手紙を準備して品物を選んで発送、久々に床屋さんで散髪、腕時計の電池交換、などの用事をまとめて済ませました。今日は資源ごみを市役所に出しに行って、来週の選挙の期日前投票をしてきました。
4月19日(月) 三段マッチングパズルの試み、カードマジック、創作あやとり
二段マッチングパズルから連想した三段マッチングパズルの検討の話です。
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今月前半に二段マッチングパズルというのをご紹介して、それぞれの階層をこんな風にモデル化してみました。
これを2段重ねにして、こんな風に解析してみたのでした。
これを三段重ねにしたらどうだろう? と思ったのです。目標はこんなかたちです。
Fig.1 適当にこんなピースを設計してみました。
Fig.2 (つづく) 〇
昨日買い物に出たとき、ホームセンターで文具や玩具のコーナーを見ていたら、ワンダフルマジック「トランプの抜き取り術」 という商品が少し値引きされていて、衝動買いしてきました。
Fig.3 カードを使ったクローズアップマジックです。演者は上記のパッケージ写真のように6枚のカードを見せて、観客に1枚を覚えてもらいます。そうしたら演者はカードを伏せてシャッフルして、「あなたの覚えたカードを抜き取ります」と言って1枚のカードを取り除きます。そして残った5枚をまた扇状に開いて見せて、「あなたの覚えたカードはありますか?」と尋ねます。(マジックが成功していれば)観客が覚えたカードは無くなっています。
試しに妻に観客になってもらいました。「あ、ほんとだ。すごい!」と言ってもらえました。1回成功したので満足です。
このパッケージにはこのマジック用のカードが6枚と説明書が入っているだけで、とても軽いのです。購入するときにレジの女性が「これ、中身入っているんでしょうか? 心配です。」と言ってくれたので(値引きシールが貼ってあったのも一因かもしれません)、中を開けて確かめさせていただきました。ちゃんと入っていました。
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昨日「取り方がわからなくなった」とご紹介したあやとり、多分こう取るのかな、というのがわかった気がします。(自分でパズルの問題を作って自分で解いているような感じです。)
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Redisplay Fig.4 ナウルの構え1 から 人差指と中指の輪を入れ替えるというのは下の図のような操作になります。
→ Fig.5 : Nauru Opening 1 Fig.6 : swap between index-loop
and middle-loop手順を書いておきます。
- ナウルの構え1(人差指・中指の構え)
- 左右それぞれで人差指と中指の輪を入れ替える
- 図形の四方、左右の親指小指の輪の先に小さな輪を作る手順を1つ遠い糸で行う
- 小指を上から中指の輪に入れ、人差指の向こうの糸を下から向こうへ小指に巻き付け、逆ナバホ取りする
- 親指を下から人差指の輪に入れ、中指の輪に上から入れ、中指の手前の糸を下から手前へと親指に巻き付け、逆ナバホ取りする
- 小指・中指を向こうへ、親指・人差指を手前へ1回転ひねる
- 「小さいアムワンギヨ」
「四方に小さな輪を作る手順」で「1つ遠い糸で行う」というのは、小指(下図の赤い矢印の根元)は人差指の向こうの糸(赤○)、親指(下図の青い矢印の根元)は中指の手前の糸(青○)をそれぞれすくいとるのです。
Fig.7 図ではそれぞれ片側しか描いていませんが、小指も親指も両手とも同じ操作をします。取り方がわかって良かったです。
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今朝起きてきてみたらこんなあやとりが取ってありました。(もちろん昨晩私が取ったのですが、だいぶお酒が進んだ後に取ったのでよく覚えていないのです。)
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Fig.8 これはおそらく「ナウルの構え2」から始めて、多分人差し指と薬指の輪を入れ替えて、四方に小さな輪を作って「小さいアムワンギヨ」で仕上げたのだと思います。
隣に、妻が取った「ナウルの太陽→焼け焦げた葉のククイ」が置いてありました。
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Fig.9 こういう基本操作の組み合わせができるようになると、作れるパターンがどんどん増えるのでとても楽しいのです。規則性や周期性のあるパターンや文様が面白いと思える人ならばきっと気に入っていただけると思うのです。何か入門編のドキュメントとかを作ってみたいなあと思っています。
<おまけのひとこと>
今週はとても忙しいのですが準備不足です。
4月20日(火) 三段マッチングパズルの試み(その2)、あやとり
三段マッチングパズルの検討の話の続きです。
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昨日の三段マッチングパズルはこんな風にデザインしてみています。
まず、1つの階層のユニット数は69です。四方の角が取り除かれるパターンはFig.1 の6通りあります。
Fig.1 この中から重複しながら9個を選んで合計が69になるようにします。ただし、四方が欠けているピースは配置が中央に決まってしまうので使いたくありません。BurrToolsで1階層の解析をして出てきた結果から、各層の構造を選んでみました。(色は無視してください。)
Fig.2 作ったパーツを使って3階層モデルの解を探索してみました。Fig.3 が解の一例、Fig.4 は手前の4ピースを外してみたところ、です。
Fig.3 Fig.4 残念ながらユニーク解ではなく、解は2つ出てきました。手前の水色と明るい緑色のピースの向きをちょっと変える解がありました。
今回はこのように適当に設計しましたが、もう少しシステマティックに考察してみても面白いかもしれないな、と思います。(…と思って考察してからこの話題をご紹介しようと思ったのがちょうど1年前の五月連休のころだったのです。でも結局考察せずに今日に至っています。)
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エイガバヌウェアというナウルのあやとり作品があります。これをちょっとだけアレンジしてみました。
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Fig.5 こんな手順になります。(自己流です。)
- 人差指の構え
- 小指を向こうへ半回転、親指を手前へ半回転ひねる(逆の手で輪を外してひっくり返して同じ指に掛け直す)
- 右手で左人差し指の輪の中から小指手前の糸をつまみ出して時計回りに半回転し、できた小さな輪に両小指を向こうから入れて右手を放して左右に引く
- 小指をナバホ取りする(小さな太陽ができる)
- 小さな太陽の中から親指向こうの糸をつまみ出し、反時計回りに半回転してできた小さな輪を広げて両親指にかける
- 親指でナバホ取りする(上下に、絡まった2つの「小さな太陽」ができる)
このパターンを初期型として、全ての指を1回転ひねって「小さいアムワンギヨ」で仕上げるとこうなりました(Fig.6)。
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Fig.6 これ(Fig.5)も、あやとりパターンの中央に配置するオープニングの1つとして活用できそうです。「小さいアムワンギヨ以外のエンディングだとどうだろう?」とか「四隅の小さなループで装飾したらどうだろう?」とか早速いろいろバリエーションを試したくなります。
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今朝起きてきたらテーブルに載っていたあやとりを固定して写真を撮ってみました。
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Fig.9 前の晩に妻が取ったものです。「小さな聖なる円」と呼んでいます。(糸のねじれ具合が私が作るのとちょっと違うような… どうしたらこうなるんだろう?)
<おまけのひとこと>
今週の金曜日から連休明けまで、訳あって会社には出社しない計画になっています。という状況にもかかわらず仕事が処理し切れていなくて大忙しです。
4月21日(水) 紙袋の折り紙、創作あやとり「ダブルハート」
単発の折り紙の話と創作あやとりの話です。
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長方形のレポート用紙から、折り紙の手法でこんな紙袋を折ってみたのです。
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Fig.1 Fig.2 Fig.1 の右側が袋の底が正方形になっているもので、左側は適当に比率を変えてみたものです。 Fig.2 は正方形のほうの袋を開いて覗き込んでみたところです。
これは、こちら の動画を見て真似をしてみたものです。動画の手順では長方形の用紙のタテヨコの比率が変わったら成立しないのではないかなあと思いました。私はこんな展開図で折っています。
Fig.3 用紙を縦長に(だいたい)三等分します。長方形の長辺がわの中央に同じ幅になるように2本の折り線を入れるのですが、そこでちょっと補助的な折り線を使う工夫が必要です。Fig.1 左のように長さの比率を変えようとするといろいろ考えないといけなくて楽しいです。 シンプルですがなかなか良い折り紙だと思いました。
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紙袋と言えば、前川淳さんのblogに紙袋(2020/08/09)という記事があります。それによると「「ショッピングバッグは、伝統的な折り目による剛体折りはできない」 のだそうです。こちらに Folding Paper Shopping Bags(2006 : D.J.Balkcom, E.D.Demaine, et al.) という論文が公開されています。確かになんとなくこの畳み方だと紙に無理な力がかかっている気がしていました。納得です。
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昨日、エイガバヌウェアというナウルのあやとりのアレンジを考えてみたという話を書きました。何をやりたかったかというと、上下2つの「小さな太陽」を作りたかったのです。先に小指の糸を人差し指の輪の中を通して小指にひねって掛け直して小さな太陽を作って、その中を通して親指の糸を取り出して親指に掛け直すことで2つの太陽が絡まりました。ただ、この手法では上下の糸の絡まり具合は非対称でした。
では、そもそも「小指の糸をひねって親指に掛け、親指の糸をひねって小指に掛けたら良いのでは?」と思ったのです。やってみるとこれがなかなか良い感じなのです。「ダブルハート」と名付けることにしました(Fig.4)。
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Fig.4 : double heart Fig.5 : Egarawinago この「ダブルハート」、エガラウィナゴ(Fig.5)によく似ています。ただ、糸の重なり具合(上下)が違います。「ダブルハート」のほうはそもそも操作がほぼ上下対称なので、交差の仕方も鏡像対称(線対称)的です。一方「エガラウィナゴ」のほうは回転対称(点対称)的です。
「ダブルハート」はこんな手順になります。
- 中指の構え
- 小指を向こうへ半回転、親指を手前へ半回転ひねる(逆の手で輪を外してひっくり返して同じ指に掛け直す)
- 小指の手前どうしを結ぶ糸を中指の輪の中から引き出して両人差し指にかける
- 親指の向こうどうしを結ぶ糸を中指の輪から引き出して両薬指にかける
- 薬指の向こうの糸を右手でつまんで時計回りに半回転ひねって両手の小指に掛け、小指をナバホ取り
- 人差し指の手前の糸を右手でつまんで反時計回りに半回転ひねって両手の親指に掛け、親指をナバホ取り
- 薬指、人差し指にかかっている糸を外す
小指の水平の糸を人差指に、親指の水平の糸を薬指に退避するために「中指の構え」から始めています。この「ダブルハート」の何が気に入ったかというと、あやとり作品のオープニングとして使えるだけでなく、すでに何かのパターンができている状態に続けて「ダブルハートの処理」を追加することができるのです。(一般には、上の手順2と3の「中指の輪の中から」の部分が「図形全体の中心から」に変わります。) 例えば「ダブルハート」を2連続で行うとこうなります。
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Fig.6 : double heart x 2 「エガラウィナゴ」ではこうはいかないです。
Fig.6 のパターンから、「小さいアムワンギヨ」の終了処理を追加して仕上げてみました(Fig.7)。
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Fig.7 かたちを整えるのが大変というのが大きな欠点ですが、その苦労を上回る効果があるのでいろいろ試したくなります。とりあえず「ナウルの太陽」から「ダブルハート」はあんまり面白くありませんでした。でも、「ケルトのタペストリー」と組み合わせたり、ナウルの構え1や2の様々なアレンジを試したり、四隅の輪のパターンの後で「ダブルハート」をやったらどうなるんだろう?とか、いろいろやってみたくなります。
<おまけのひとこと>
あやとりひもがあれば、多分何時間でもずうっと遊んでいられるようになりました。パターンあやとり、楽しいです。
4月22日(木) Cross2というパズル、創作あやとり「ダブルハート」の手順の活用の試み
単発の組木パズルの話と、昨日の創作あやとり「ダブルハート」を使ってみた話です。
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Precision Puzzlemaking Primer -- Volume 1(精密パズル製作入門:その1)というページを見ていたら、何種類かの組木パズルが紹介されていました。(考案者等はわかりません。)
Fig.1 : Cross 2 4種類のピースはいずれも8つのキューブを連結したかたち(オクタキューブ)になっています。BurrTools で解析してみました。
Fig.2 : BurrTools まあ当然ながらユニーク解(解が1つだけ)でした。それぞれのピースを4個4個の2つのテトラキューブに分割できるといいのにな、と思ったのですが無理でした。
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昨日ご紹介した創作あやとり「ダブルハート」の手順をいくつか試してみています。
たとえばこちら、
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Fig.4 これは下記の手順で取ったのですが、
- ナウルの構え2(人差指・中指・薬指の構え)
- 中指の輪の中から人差指の輪をつまんで外し、人差指に掛け直す
- 中指の輪の中から薬指の輪をつまんで外し、薬指に掛け直す
- 中指の輪を外す(中央に小さい縦長の窓ができる)
- 小さいアムワンギヨ
ここに「ダブルハートの処理」を加えるとこうなりました。
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Fig.5 「ダブルハート」のパターンが重畳しているのがわかると思います。
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さらに、「指から輪を外して、それを隣の輪の中からつまみ出して、もともとの輪に掛け直す」という処理を親指・小指でも行ってみました。
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Fig.6
- ナウルの構え2(人差指・中指・薬指の構え)
- 中指の輪の中から人差指の輪をつまんで外し、人差指に掛け直す
- 中指の輪の中から薬指の輪をつまんで外し、薬指に掛け直す
- 薬指の輪の中から小指の輪をつまんで外し、小指に掛け直す
- 人差指の輪の中から親指の輪をつまんで外し、親指に掛け直す
- 小さいアムワンギヨ
ちょっとぐちゃぐちゃしてしまいました。今度は中指は外さなかったのですが、外したほうがよいかどうかよくわかりません。
さらに上記に「ダブルハート」の手順を追加してみました。
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Fig.7 ダブルハートに由来する二重のX型のパターンが中央にできて、その上下に小さな結び目ができています。
<おまけのひとこと>
朝、3時前から起きていろいろやっているのですが、すぐ時間がなくなってしまいます。
4月23日(金) Step-over sequence mazes、創作あやとり「ケルトのタペストリー」+「ダブルハート」
webブラウザで遊べるパズルのご紹介と、創作あやとりの実験の話です。
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Step-over sequence mazesという、ブラウザで遊べるパズルのページがありました。
Fig.1 : Step-over sequence mazes 矢印キー[←][↑][↓][→] で自分のコマ(図では右中央の赤い十字型のもの)を動かして、囲いの外の白いマーカーの部分に移動するのが目的です。赤・青・黄の扉があって、自分のコマの色と同じ扉しか通れません。扉を通るたびに自分のコマは 赤●→青●→黄●→赤●→… と変化します。今いる場所で色が黄色にならないと外に出られません。実は私はまだこのパズルが解けていないのですが、どう考えると理解しやすいのか、考えてみたいと思っています。
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創作あやとり「ダブルハート」の手順の活用の検討として、ケルトのタペストリー に続けてみることにしました。
ケルトのタペストリーは、ナウルの構え2から始めて中指の輪を介して薬指と人差し指の輪を入れ替えます。この時点で全体のパターンは中央部に「網」のような構造になっています。ここから「ダブルハートの処理」を行って中指の輪を外して「小さいアムワンギヨ」で仕上げてみました(Fig.2)。
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Fig.2 中央に四つ葉のクローバーのようなパターンが現れて、なかなか気に入りました。
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もう少し短い糸で取ってみることにしました。そうしたら糸の長さに余裕がなくて、最後に4本の指の輪をひねるのが難しかったので、内側の薬指と人差し指の輪だけをひねって「小さいアムワンギヨ」で仕上げることにしました(Fig.3)。
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Fig.5 かなり印象が変わりました。
<おまけのひとこと>
今週末はイベントがあります。楽しみです。
4月24日(土) 折り紙の箱の試み、創作あやとり「5本指のガイアナの星」から「3つの太陽:縦」
折り紙の箱を折ったり、あやとりを取ったりしています。
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以前ご紹介した長方形から折る箱、卓上くず物入れとして要らない紙でこれまでたくさん折っているのですが、ちょっとバリエーションを考えてみました。
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Fig.1 側面が垂直ではなく、斜めにならないかなあという試みです。
(つづく) 〇
先日、「太陽」が2つ縦にできているパターンのあやとりをご紹介しました。
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Fig.2 次は縦に3つの太陽を作ってみたいなあと思っていたのですが、なかなかうまくいかなかったのです。昨夜ふと思いついたやり方があって、試してみたらそれっぽいものができました。「3つの太陽:縦」です。
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Fig.3 方針としては、最初に中央に「太陽」を作っておいて、後から親指側と小指側にそれぞれ「小さい太陽」を作れればいいなと思ったのです。でもこれまでは普通に親指・人差指・小指で「太陽」を作ってから外側に小さい太陽を作ろうとしてもうまく作れなかったのです。昨夜思い付いたのは、最初から5本指の構えで内側の3本の指(人差し指・中指・薬指)で「太陽」が作れないかな、と思ったのです。 内側の3本の指で「太陽」のパターンを作るために、ガイアナの星 の手法を使うことにしました。(普通に「ナウルの太陽」の手順で作るよりもこのほうがきれいでした。)
取り方を記載しておきます。
- ナウルの構え2の途中から「ガイアナの星」を人差し指・中指・薬指で取る
- 人差指の構え
- 薬指で人差指の向こうの糸を取る
- 右中指で左中指の掌の糸を上からひねって取る
- 左中指で右中指の輪の中から右中指の掌の糸を上からひねって取る
- 中指の輪の中から人差指の輪をつまみ出して外し、人差指に掛け直す
- 人差指の輪の中から中指の輪をつまみ出して外し、中指に掛け直す
- 中指の輪の中から薬指の輪をつまみ出して外し、薬指に掛け直す
- 上下に小さい太陽を作る
- 小指を向こうへ半回転、親指を手前へ半回転ひねる
- 小指の手前の糸を図形全体の下から図形中央に引き出し、時計回りに半回転ひねってできた小さな輪を両手の小指にかける
- 親指の向こうの糸を図形全体の下から図形中央に引き出し、反時計回りに半回転ひねってできた小さな輪を両手の親指にかける
- 親指と小指をナバホ取り
- 中指を外す
糸を引き絞らずに「ふわっと」作って形を整えるのがコツです。
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内側3本指で「ガイアナの星」を取った後で、中指を外して残りの4本の指の輪を1回転ひねって「小さいアムワンギヨ」の終了処理を途中まで行ってみました(Fig.5)。
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Fig.5 あまり複雑ではないですが、これも美しいパターンだと思います。
<おまけのひとこと>
この「ナウルの構え2の内側3本指で何かのあやとり作品を取って、その周辺を装飾する」というやり方、いろいろ発展しそうです。組み合わせの技をまた1つ増やせたと思います。試してみたいパターンがどんどん増えて、だんだん収拾がつかなくなってきました。今年の五月連休は閉じこもってずっとあやとりを取ってその結果を整理したいな、と思っています。
4月25日(日) 11th piece puzzle、創作あやとり
BurToolsでのパズルの簡単な解析と、あやとりのパターンの組み合わせの研究です。
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石野さんのパズルのサイトに、11th piece puzzle(Juha Levonen)というパズルが紹介されていました。Fig.1 のような、単位立方体4個のテトラキューブ1個と単位立方体6個のコの字型のヘキサキューブ10個、合わせて64単位で4 x 4 x 4 を作るというパズルです。
Fig.1 コの字型のヘキサキューブ10個は固定しておいて、テトラキューブのほうのかたちを変えたら解があるんだろうか、と思って調べてみたのです。オリジナルの問題は解は4つでした。2x2の1層のO型テトロミノのかたちにしてみたら、23解ありました。
Fig.2 それ以外の下記の5パターンは解がありませんでした。
Fig.3 (つづく) 〇
昨日の「3つの太陽:縦」
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Fig.4 を、小さいアムワンギヨの終了処理で仕上げてみました。
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Fig.5 調整が不十分ですが、これもとても美しいパターンだと思います。
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忘れないうちにもう1つ。ビヤト エイディオウィナゴのパターンの途中までを取ってから「ダブルハート」の処理をしてみました。
取り方を記載しておきます。
- ビヤト エイディオウィナゴの途中まで(中指を外す直前まで)
- ナウルの構え2
- 薬指手前の糸で「ナウルの太陽」
- 親指で薬指手前の糸を上から取る
- 中指で親指向こうの糸を上から取り、親指を外す
- 親指を人差指の輪に下から入れ、人差指向こうの糸を親指の腹で下に押えながら小指の向こうの糸を親指の背で取る
- 小指を外す
- 人差指、薬指を向こうへ半回転ひねる(逆の手で輪を外してひっくり返して掛け直す)
- ダブルハートの処理
- 小指を向こうへ半回転、親指を手前へ半回転ひねる
- 小指の手前の糸を図形全体の下から図形中央に引き出し、両人差指の先のほうにかける
- 親指の向こうの糸を図形全体の下から図形中央に引き出し、両薬指の先のほうにかける
- 人差指上手前の糸を反時計回りに半回転ひねり、できた小さな輪に両親指を手前から入れ、その糸を人差指から外して左右に引く
- 薬指上向こうの糸を時計回りに半回転ひねり、できた小さな輪に両小指を向こうから入れ、その糸を薬指から外して左右に引く
- 親指と小指をナバホ取り
上記の操作の後、中指を外してかたちを整え、「小さいアムワンギヨ」の終了処理でまとめたものがこちらになります。
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Fig.6 一方、上記の操作の後、中指を外さないでかたちを整え、「小さいアムワンギヨ」の終了処理を行ったものがこちらになります。
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Fig.7 かたちを整えるのが甘くて、上のFig.7の右半分は比較的きれいにパターンが整っていますが、左半分はいまひとつです。
<おまけのひとこと>
昨日、トップページのアクセスカウンタが70万を超えました。最近は1か月で2,000くらいのペースですので、10万の桁が増えるのには4〜5年かかる計算になります。ご覧くださる方には本当に感謝しています。引き続きよろしくお願いいたします。
4月26日(月) 11th piece puzzle(その2)、創作あやとり
11ピースパズルのバリエーションの調査と、あやとりのパターンの組み合わせの研究です。
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昨日、11ピースパズルを調べてみました、という話を書きましたが、もう少し系統的に結果を整理しておきます。
↓ 11 piece puzzle このパズルを、単位立方体4個の特別なピース1個(これをパターンAと呼びます)と、単位立方体6個のコの字型のピース10個で目的のかたち(これをゴールXと呼びます)を作る、という風に一般化してみます。
pattern A × 1 + ↓ Goal X ゴールのパターンとして、とりあえずこれだけ用意してみました。
Goal A Goal B Goal C Goal D パターンAを入れ替えた時の解の数を調べてみました。
Goal A - 4 - - - 23 - Goal B - - - - - 4 - Goal C - - - - - - - Goal D - - - - - - - 残念ながらほとんど解はありませんでした。2x4x8 の直方体の解があったのが興味深かったです。
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あやとりの定型手順の組み合わせの試みです。「ダブルハート」から「ナウルの太陽」を取って、中指だけ1回転ひねって「小さいアムワンギヨ」の終了処理でまとめてみました。
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Fig.1 もっと糸を張るときれいになります。
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新しいオープニングのテクニックとして、「ナウルの構え2」のオープニングから、内側3本指(人差指・中指・薬指)で開始処理(オープニング:opening)や継続処理(コンティニュエーション:continuation)を行って、何かのエンディングをしてみるという手法を思いついて、いろいろ試してみています。こんなパターンができました。
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Fig.2 これは、「ナウルの構え2」から内側3本指で「逆ナウルの太陽」(親指・小指を逆に、人差指・薬指を逆に見立てて、手前と向こうを逆に考えて取った「ナウルの太陽」)を取って、続いて内側3本指で「正ナウルの太陽」を取って、「ダブルハートの処理」をして中指を外したものです。
この結び目模様も気に入ったので、少し長い糸で、上記の結果に続いて4本指の輪を1回転ひねって「小さいアムワンギヨ」でまとめてみました。
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Fig.3 妻が「装飾をほどこした十字架みたいだね」と言ってくれました。「装飾した十字架」と呼ぼうかなと思いました。
<おまけのひとこと>
先週金曜日はお休みを取っていたのですが、そんな時に限って社外から大事なメールが来ていて、今あわてています。
4月27日(火) C型ヘキソミノを考える、創作あやとり
昨日の単位立方体6個のコの字型ピースを使ったパッキングパズルの話と、相変わらずはまっているあやとりの話です。
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11ピースパズルで10個使われているこのピース、これは35種類が知られているヘキソミノ(正方形6個を連結したかたち)の中で、そのかたちからC型と呼ばれているようです。このかたちだけを使ったパッキングパズルを考えてみました。
hexomino type C 昨日書いたように、ゴールCとゴールDと名付けたこの2タイプは、どんなテトラキューブ(立方体4個のかたち)と組み合わせても解がありませんでしたが、「そもそもこのかたち、残り4か所がバラバラで任意の場所になってもいいから10個のC型ヘキソミノは入るんだろうか?」と思いました。BurrToolsの設定をちょっと変えて探索してみました。
3 solution can not pack 穴のあるゴールDのほうは、そもそも10個のC型ヘキソミノが入りませんでした。
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ちなみに「隙間あり」で10個のC型ヘキソミノがパッキングできるか、いろいろなパターンを試してみました。
ゴール 隙間 解の数 3 x 3 x 7 3 - 1 x 7 x 9 3 - 1 x 8 x 8 4 - 1 x 5 x 13 5 - 1 x 6 x 11 6 1 1 x 3 x 22 6 1 2 x 3 x 11 3 - さらに、C型ヘキソミノ8個で 4 x 4 x 3 の直方体がぴったり作れるということもわかりました。これは比較的簡単だと思います。
(つづく) 〇
あやとりの話です。ナウルの構え2(人差指・中指・薬指の構え)は5本の指全てに輪がかかっています。通常の「人差し指の構え」は親指・人差指・小指の3本の指に糸がかかっていますので、「人差し指の構え」から始めるあやとりを「ナウルの構え2」から始めようとすると、「どの3本の指を使うか」で、いろいろなパターンが考えられます。
ふと「手前側の3本指(親指・人差指・中指)で何かのあやとりを取って、同じものを向こう側の3本指(小指・薬指・中指)で逆向きに取ったら面白いパターンになるのではないか?」と思いつきました。両側から「ナウルの太陽」を取ってみたらこんなパターンができました。「海に沈む太陽」と呼んでみました。
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Fig.1:The sun setting in the sea 沈む太陽が水面に映って、その間が光の帯で繋がっているイメージです。 取り方を記載しておきます。
- ナウルの構え2
- 小指・薬指・中指で「逆ナウルの太陽」
- 小指で薬指手前の糸を取る(他の指でサポートする)
- 薬指で小指手前の糸を取る(他の指でサポートする)
- 小指の2つの輪を外す
- 小指を薬指の下の輪に上から入れ、中指向こうの糸を取る(逆の手で薬指の上の輪と下の手前の糸をつまみ上げ、その下から小指で中指向こうの糸を取り、つまんだ糸を離す)
- 親指・人差指・中指で「ナウルの太陽」
- 親指で人差指向こうの糸を取る
- 人差指で親指向こうの糸を取る
- 親指の2つの輪を外す
- 親指を人差指の下の輪に上から入れ、中指手前の糸を取る
- 中指の背中の糸を外して掌側に移す(中指の輪を外す)
- 手前の「ナウルの太陽」を完成させる
- 人差指の上の輪を中指に移す
- 人差指の輪を外す
- 親指の輪を人差指に移す
- 中指の輪を親指に移す
- 向こうの「逆ナウルの太陽」を完成させる
- 薬指の上の輪を中指に移す
- 薬指の輪を外す
- 小指の輪を薬指に移す
- 中指の輪を小指に移す
けっこう長い工程です。
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「海に沈む太陽」の最後の仕上げをちょっと変えて、「ナウルの太陽」が2つ重なるようにしてみました。「輝く太陽」と呼ぶことにしました。
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Fig.2 : Shining sun 中央から光が華やかに広がっている感じです。これも取り方を記録しておきます。(上で説明した詳細手順は省略しました。)
- ナウルの構え2
- 小指・薬指・中指で「逆ナウルの太陽」
- 親指・人差指・中指で「ナウルの太陽」
- 2つの「ナウルの太陽」を重ねて完成させる
- 人差指の上の輪を向こうへ半回転ひねって中指にかける(いったん退避)
- 薬指の上の輪を手前に半回転ひねって親指にかける
- 中指の上の輪を小指に移す
- 人差指、薬指の輪を外す
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「海に沈む太陽」から4本の指の輪を1回転ひねって「小さいアムワンギヨ」で仕上げてみました。
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Fig.3 「太陽」らしさはなくなって、中央に新たな印象のパターンができました。これも美しいパターンだと思います。
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昨日の夕方、八ヶ岳から白っぽい満月が昇ってくるのが見えました。
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Fig.4:The moon rising from Yatsugatake
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Fig.5:The moon rising from Yatsugatake 自宅で食事をしながらこんな風景を見ることができて幸せです。
<おまけのひとこと>
先週末の疲れが出ています。
4月28日(水) C型ヘキソミノを考える(その2)、創作あやとり
C型ヘキソミノのポリキューブによるパズルの話と、あやとりの話です。
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昨日はC型ヘキソミノ10個で隙間ができてもよいという条件でのパッキングの検討結果をご紹介しました。今日は再び「隙間なし」の問題に戻ることにしました。64単位で、残りの4単位についてはドミノ型ピース(立方体2個)2個を使うという条件にしてみました。
× 10 + × 2 hexomino type C domino 下記の2つのパターンはいずれも高さ(厚み)は2です。左は6x6 の1つの隅から2x2を取り除いた32単位、右は 7x5 から中心と対角線の両端の3単位を取り除いた32単位です。
12 solution 15 solution 見つかった解の数はそれぞれ12解と15解でした。
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ヘキソミノは35種類ありますが、その中でピースを覆う最小の長方形が 2x4 になっているものを一組としたパズルで面白いものができないだろうか? と考え始めました。そもそもそのようなヘキソミノは何種類あるでしょうか。
hexomino type C 回転したり裏返したりすれば同じ形になるものは「同じ」と見なします。全体が連結していなければなりません。2x4 の8個から2個を取り除く、と考えたほうが考えやすいと思います。
(つづく) 〇
あやとりの話です。
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Fig.1 これはこんな手順(略手順)で取りました。
- ダブルハートの処理
- 四隅に小さい輪を作る処理
- 親指で中指の手前の糸をすくいとって親指で逆ナバホ取り
- 小指で中指向こうの糸をすくいとって小指で逆ナバホ取り
- 小指・中指を向こうへ、親指を手前へ1回転ひねる
- 小さいアムワンギヨ
六角形のような、ベンゼン環の化学式のようなパターンができました。
逆に、四隅に小さい輪を作る処理のほうを先にやってみるとどうなるか試してみました。今度はビヤト エイディオウィナゴの手順で「四隅に小さい輪」を作ることにしました。こんなパターンになりました。
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Fig.2 これは以下のようにして取っています。
- ビヤト エイディオウィナゴの途中まで(クロス型ができるところまで)
- ダブルハートの処理(若干変形:四隅の小さな輪をくぐらせる)
- 小指・中指を向こうへ、親指を手前へ1回転ひねる
- 小さいアムワンギヨ
今度は左右に六角形ではなくてダイヤ型のパターンが見えています。今日のパターンはどちらも好きですが、特に Fig.1 のほうがお気に入りです。
<おまけのひとこと>
今現在の「平面的なパターンあやとり」のお気に入りのベスト10とかを整理してみたいなと思っています。
4月29日(木) 2x4におさまるヘキソミノを考える、創作あやとり、他
ヘキソミノの考察の続きをちょっとだけと、創作あやとりの話、他です。休日だと思って朝からずっとあやとり研究をしていたら遅くなってしまいました。
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ヘキソミノは35種類ありますが、そのうちピースを覆う最小の長方形が 2x4 になっているものを数え上げてみました。
Hexominoes with 2x4 rectangles needed to cover 6種類ありました。上記のような名前が付いているようです。これら36単位で何かおもしろいパズルができないかなと思っています。(本日の時点でいくつか試してみた中でははあまり面白いものができていません。)
(つづく) かも 〇
最近、Netでパズルの画像などをみかけると、解析ソフトBurrToolsで調べてみるのが趣味になりました。こちらのサイトに載っていたパズルを調べてみました。
→ ユニーク解でした。
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あやとりの話です。2つの星というあやとり作品があります。世界各地で知られているものなのだそうです。
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Fig.1 : Two Stars これを上下に2つ配置したあやとりに挑戦してみました。
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Fig.2 : Dobule "Two Stars" こんな風に取りました。
- ナウルの構え1(人差指・中指の構え)
- 人差指の輪を親指に移す
- 中指の輪を親指に移す (親指に3つの輪が重なる)
- 人差指で小指手前の糸を取る
- 右薬指で左薬指腹の糸を取る
- 左薬指で右薬指腹の糸を右薬指の輪の中から取る (人差指・薬指・小指の3本指の構えになっている)
- 薬指の輪を小指に移す
- 人差指の輪を小指に移す
- 小指の三段の輪で「2つの星」を取る
- 小指上手前の糸を小指の全ての輪の中を通して下に引き出し、人差指にかける
- 小指下向こうの糸を小指の全ての輪の中を通して上に引き出し、中指にかける
- 小指を外す
- できた「2つの星」を小指と薬指に退避する
- 親指の三段の輪で「2つの星」を取る
- 親指上向こうの糸を親指の全ての輪の中を通して下に引き出し、中指にかける
- 親指下手前の糸を親指の全ての輪の中を通して上に引き出し、人指にかける
- 親指を外す
「2つの「2つの星」」とか、「双子の2つ星」とか呼ぼうかなと思っています。
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親指側と小指側から同じあやとりを取ってみる、というのが面白くて、いろいろ試しています。これは、シンプルにさかずき(私にとっては「箱枕」です)をやってみたものです。
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Fig.3 これは以下のようにして取っています。
- ナウルの構え2(人差指・中指・薬指の構え)
- 向こう3本指で向こうから「さかずき」
- 小指で薬指手前の糸を取る
- 小指でナバホ取り
- 手前3本指で手前から「さかずき」
- 親指で人差指向こうの糸を取る
- 親指でナバホ取り
- 中指を外す
きれいな長方形になりました。
<おまけのひとこと>
久しぶりに雨が降っています。用事が何もないお休みの日に雨が降っているのは好きです。
4月30日(金) 折り紙の立方体の箱、創作あやとり
Netで見かけた折り紙の箱の話と、あやとりの研究の話の続きです。
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Pinterestの こちらのサイト に載っていた折り紙の立方体の箱を折ってみました。
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こんな展開図になります。箱の内側になる面から見て、赤い点線が谷折り、青い線が山折りです。
動画にあるように、最初に用紙の4隅を中心に合わせて(「ざぶとん折り」などと呼ばれることもあるようです)面積が半分の正方形を作って、その辺を三等分するように谷折りをして、いったん開いて巻き込むように折ります。後は角を折り返して立体化する、というシンプルな折り紙です。
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あやとりの話のつづきです。先日、「海に沈む太陽」と名付けた2つの太陽が縦につながった創作あやとりをご紹介しました。これの取り方を少し変えてみました。
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The sun setting in the sea Fig.1 : Twin suns 将来の自分のために、この取り方を書いておきます。
- ナウルの構え1(人差指・中指の構え)
- 人差指の輪を親指に移す
- 中指の輪を親指に移す (親指に3つの輪を重ねて退避しておく)
- 人差指で小指手前の糸を取る
- 右薬指で左薬指腹の糸を取る
- 左薬指で右薬指腹の糸を右薬指の輪の中から取る (人差指・薬指・小指の3本指の構えになっている)
- 人差指・薬指・小指ので「逆ナウルの太陽」を取る
- 小指で薬指手前の糸を取る
- 中指で小指手前の糸を取る
- 小指を外す
- 小指を薬指の輪に上から入れ、人差指の手前の糸を取る(逆の手で薬指の向こうの糸・中指の輪・人差指の向こうの糸をつまみ上げておくと良い)
- 人差指の糸を外す
- 中指の輪をつまんで外し、手前へ半回転ひねって人差指にかける
- 人差指の輪を薬指に移す
- 親指の一番上の輪を薬指に、中の輪を人差指に移す(退避しておいた輪を3つの指の構えのかたちにする)
- 親指・人差指・薬指で「ナウルの太陽」を取る
- 親指で人差指向こうの糸を取る
- 中指で親指向こうの糸を取る
- 親指を外す
- 親指を人差指の輪に上から入れ、薬指の上の輪の向こうの糸を取る
- 薬指の上の輪を外す
- 中指の輪をつまんで外し、向こうへ半回転ひねって薬指にかける
- 人差指の輪を外す
- 薬指の上の輪を人差し指に移す
- フリップ処理(向こう側)
- 薬指の輪を中指に移す
- 小指の輪をつまんで外し、向こうへ半回転ひねって薬指にかける
- 中指の輪をつまんで外し、向こうへ半回転ひねって小指にかける
- フリップ処理(手前側)
- 人差指の輪を中指に移す
- 親指の輪をつまんで外し、手前へ半回転ひねって人差指にかける
- 中指の輪をつまんで外し、手前へ半回転ひねって親指にかける
上記の手順7と手順9のところを任意のあやとり作品に入れ替えることで、「双子の○○」シリーズをいろいろ取ることができます。それぞれ、順方向と逆方向にすることができます。また、最後のフリップ処理は必要に応じて行います。このテクニックを活用すると、作れるあやとり作品が順列組み合わせで増えます。
ちなみにこの「双子の太陽」を中心に配置したこんなパターンも作ってみました。
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Fig.2 Fig.1 の「双子の太陽」から親指と小指を1回転ひねって「小さいアムワンギヨ」で仕上げたものです。内側の2本の指の輪をひねると、また印象が変わります。
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さらに三段重ねにも挑戦してみました。「ガイアナの星」のテクニックが非常に有用でした。
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Fig.3 これは以下のようにして取っています。「ガイアナの星」の取り方は省略しています。
- 「ナウルの構え2」の最後の中指を取り合う直前までを取る
- 内側三本指で「ガイアナの星」を取る → 中指を外しておく
- 今作った「ガイアナの星」(人差指・薬指)を親指に退避する
- 小指の手前の糸を中指で取る
- 左薬指を右薬指の腹の糸に上から入れて向こうへひねって取る
- 右薬指を左薬指の輪の中に上から入れ、左薬指の腹の糸に上から入れて向こうへひねって取る
- 小指・薬指・中指で「ガイアナの星」→薬指を外す
- 中指の輪を小指に退避
- 親指の3つの輪のうち、上の2つの輪(中央の「ガイアナの星」を退避したもの)を薬指に退避
- 中指で親指の向こうの糸を取る
- 人差指で互いの腹の糸を上から手前にひねって取り合う
- 親指・人差指・中指で「ガイアナの星」→人差し指を外す
- 中指の輪を人差指に移す
- 薬指に退避していた(もともと中央にあった)「ガイアナの星」を人差指と中指に張り直す
- 小指の上の輪を中指に移す
これも、3段重ねのそれぞれのパターンを別のあやとり作品に入れ替えることができそうです。(いろいろ制限はありますが。)
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このところ毎日の「ひとこと」がどんどん長くなっていて、やや不本意です。特に「あやとり」に関する記述(手順とか)が重い(=分量が多い)なあと思っています。思い切って別ページ(別サイト)を作ろうかなあと思っています。
<おまけのひとこと>
4月も今日で終わりです。「過去のページ」は半月ごとにまとめていますが、4月後半のファイルサイズがついに100KBを超えました。うーむ。