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以前の「ひとこと」 : 2019年3月前半



3月1日(金) 折り目の出ない正八面体の一枚折り(その1)

 今年の年末年始休みには、YouTubeの折り紙動画をいろいろ見て、真似をして折ってみたり自分なりに手を加えてみたりして遊んでいたのですが、その中の1つ、正八面体の折り紙をご紹介します。参考にしたのはSeamless Octahedron(継ぎ目のない正八面体)という動画です。

 普通の無地の折り紙と、ストライプの折り紙で折ってみました(図1)。

図 1

 面を合わせて積み重ねてみたり(図2)、

図 2

 さきに作ってあった立方体と並べてみたり(図3、図4)。

図 3
図 4

 光源の位置を変えると写真の雰囲気が変わって面白いです(図3、図4)。

 この正八面体もいろいろ変形をしてみたくなります。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 今日ご紹介した緑の正八面体は、今年の1月1日の午前3時ごろに折ったものです。これを折ってから初日の出登山に家を出ました。

 3月になりました。このところ忙しくて、簡単な更新です。






3月2日(土) 正方形の折り紙から四角錐を作る(その1)

 先日の「ロックする四角錐」で、ロックできなかった設計の四角錐がありました(再掲図)。

再掲図

 もったいないので接着することにしました(図1)。

図 1

 どうせ接着するなら、と思って、側面が正三角形になるものも作ってみたのが右端のものです。

 上からも見下ろしてみました(図2)。

図 2

 右になるほど折り込まれる部分が小さくなるため、表面積も大きくなっています。でも、高さは低くなってゆきます。

 頂角が60度(側面が正三角形)のものは、図3のようにして折り出しました。

図 3

 もともとの頂角30度の折り線を軽く付けて、それを利用して折っています。なので特に作図等は不要で、通常の折り紙の手法で折り出すことができます。ただし最後は接着が必要ですが…

 さて、与えられた正方形の折り紙からこの四角錐を作る場合、体積が最大になるのはどんな時なのだろう? と思いました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 先週は出張も多くて疲れたため、この週末はゆっくりしていました。3/4(月)の朝に3/2〜3/4の3日分の更新をしています。






3月3日(日) ファンタジーランド:狂気と幻想のアメリカ500年史

 1月末に発売された、「ファンタジーランド:狂気と幻想のアメリカ500年史」が図書館にあったので借りてきて読みました。

図 1

 実に面白かったです。「自分が信じていることは自分にとって正しい」という価値観を突き詰めてゆくとああいう社会になるのだな、ということが鮮やかに語られています。一読をお勧めします。



 このところ何度か、新川(東京都中央区)に仕事で行っているのですが、お昼は「がんぎ」という越後そばの立食いのお店に行くのが定番になりました(図2)。

図 2

 まだ、温かい蕎麦しかいただいていませんが、今度は冷たい蕎麦を食べてみたいと思っています。



 妻が内裏雛を出してくれました。

図 3

 雪洞(ぼんぼり)の明かりだけで写真を撮ったら、ちょっと雰囲気がありました。

<おまけのひとこと>
 図書館はありがたいです。いつもたくさん借りてしまいます。






3月4日(月) 正方形の折り紙から作る四角錐の体積(その1)

 正方形の折り紙から、下の図のようにいろいろな寸法の四角錐を作ることができました(再掲図)。

再掲図

 この中で、体積が最大になるのはどんな寸法のときだろう? と疑問に思いました。側面が正三角形のときが最大だったりするときれいな結果だな、と思うのですが、そうではない気もします。計算してみることにしました。

 とりあえず、変数 x は図1のように決めて、体積 Vx で表してみます。

図 1

 グラフを描いてみました(図2)。

図 2

 0.4のあたりに最大値がありそうです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 こういうグラフが簡単に描けるなんて、本当に良い時代になりました。






3月5日(火) 正方形の折り紙から作る四角錐の体積(その2)

 正方形の折り紙から作る、底面が正方形の四角錐の体積の最大値を考えています。昨日は、図1のように1辺の長さが2xの正方形を底面とすると、高さが√(1-2x)になる、というふうに未知変数を導入して(図1)、

図 1

 体積をxで表して、そのグラフを描いてみて、どうやら0.4あたりに極値がありそうだ、というところまでご紹介しました。今日はそれをちゃんと計算してみます。

 体積Vをxで微分します(図2)。

図 2

 これがゼロになればいいので、係数4/3を外して計算してゆくと、こんな風になって(図3)、

図 3

 答はぴったり0.4になりました。(図3の1行目から2行目への変形は、両辺に √(1-2x) を掛けています。)そういえば昨日は書きませんでしたが、x は長さなので正の数です。また高さhの平方根の中身も正でなければいけないため、xの取りうる範囲は  0 < x < 0.5 です。



 さて、この断面の二等辺三角形(図1の水色の直角三角形2つ分)はどんなかたちでしょうか? 図を描いてみました。

図 4

 x=2/5 なので、1-x=3/5 です。なので図4の二等辺三角形は、底辺の長さが4で斜辺の長さが3、ということになります。正三角形よりちょっと背丈が低いです。この二等辺三角形を二等分した直角三角形の三辺の比は 2:3:√5 という比率になっています。

 よく見かける直角三角形として、正三角形の半分の 1:2:√3 というのがあります。 1:2:√5 というのもあります。

図 5

 でも、 2:3:√5 というのはあんまり馴染みがないなあと思いました。

 (2019年3月17日追記:後半の二等辺三角形に関する議論、当初は誤って「四角錐の側面の二等辺三角形」と書いていました。修正しました。失礼しました。)

<おまけのひとこと>
 この「四角錐の体積が最大となるときの寸法」の問題、大学入試とかで出てきそうな問題だなあと思いました。






3月6日(水) 石のベンチ

 最近はきれいな正多角形とか正多面体とかから少し外れた、対称性がやや低い幾何学造形物が美しいなあと思うようになっていて、そういったものを見かけると嬉しくなって写真を撮ったりしています。 これは新川二丁目のあたり、先日行った「がんぎ」という立ち食いそばのお店の道を挟んだ向かい側のあたりにあった石のベンチです(図1)。

図 1

 このかたち、五角形の内角そのものは正五角形に比較的近いように思います。完全にランダムなわけではなく、完全に対称なわけでもないところがいいなあと思います。こういうなんでもないかたちの平たい五角柱、紙で模型を作ってみたくなります。



 こちらは芝公園で見かけたものです(図2、図3)。

図 2 図 3

 先ほどのものは側面も完全に垂直な長方形の五角柱でしたが、こちらはもう少し自然な仕上げになっています。かたちも自由な感じで、適度に角度や辺の長さの類似性が残っている感じがいいです。

 この石のスツール(図1のものは複数人が座れる広さがあるので「ベンチ」と言っていいと思いますが、こちらは完全に一人用なので「スツール」かなあと思います)のあたりから見上げると、東京タワーが間近に見えます(図4)。

図 4

 夕方の逆光の暗い写真です。東京タワー、元気なうちに一度あるいて上ってみたいなあと思っています。

<おまけのひとこと>
 今日は忙しくて簡単な更新です。






3月7日(木) ロックする(?)多角錐

 先日来、正方形の折り紙から折り出す、側面に余計な折り線の出ない四角錐の話をいろいろご紹介しました。一番最初にYouTubeの動画を見て作ってみたのが、正方形の角頂点を3等分する角度で作る四角錐でした(図1および再掲図)。

図 1

 この展開図を折ると、こんな四角錐ができました。

再掲図

 頂角がこれ以上大きいとロックしなくて、接着が必要でした。頂角がもっと小さいと、余計に折り込む必要がありました。

 では、同様に正五角形や正六角形の用紙から始めて、各頂点を三等分するようにして折ったらどうなるでしょうか?

図 2

 特に正五角形のほうは、この設計だと折り線が簡単で美しいです。

(つづく)
<おまけのひとこと>
 今日はいつもより起きるのが遅くなりました。家を出るのは6時くらいになってしまいそうです。






3月8日(金) 麻雀の三面待ち

 先日、2月23日のひとことで、麻雀の多面待ちについて研究した論文をご紹介しました。その話のつづきです。麻雀をご存じない方、興味がない方はすみませんが、組み合わせのパターンの問題として面白いので、ご紹介させていただきます。

 論文ではコンピュータを使って、全ての聴牌のパターンを網羅したテキストが公開されています。それを眺めていると楽しいのです。今回は、「1〜9のうちから異なる3種類の数字を選ぶパターンのうち、その3種類が『待ち』になっている手牌が存在するのはどんな場合なのか」という観点で調べてみました。

 9種類の数字から異なる3種類を選ぶ選び方は、nCk などと書かれますが、(9x8x7)/(1x2x3) で84通りあります。この中で、その組み合わせを待ち牌とする三面待ちがあるものはどのくらいあるのでしょうか?

 例えば先日ご紹介したように、1,2,3 を待ちとする手牌は存在します。これを「{123}は解がある」と表現することにします。84通りの組み合わせのうち、解があるのは何通りで、解がないのは何通りでしょうか?

 待ち牌が1種類だけ、というのは、1待ち、2待ち、…、9待ちの9種類全て考えられます。待ち牌が2種類だけ、というパターン(二面待ち)は、任意の2種類の牌を待つ手牌が存在するので(シャボ待ち)、9x8/2=36通り全てのパターンに解があります。

 では3面待ちは?というと、論文のテキストを調べてみると、下記の71通りには解がありました。

解があるもの(71通り)
123 124 125 126 127 128 134 135 136 137 139 145 146 147 148 149 156 158 167 169 178 179
234 235 236 237 238 239 245 246 247 256 257 258 259 267 269 278 289
345 346 347 348 349 356 357 358 367 368 369 378 379 389
456 457 458 459 467 468 469 478 479 489
567 568 569 578 579
678 689
789

ここに現れない残りの組み合わせには解がない、ということになります。

解がないもの(13通り)
129 138 157 159 168 189
248 249 268 279
359

 ただし、麻雀の数牌は、1⇔9、2⇔8、3⇔7、4⇔6、というふうに入れ替える鏡像対称性があるので、実質は解が無いパターンは6通り、ということができます。

図 1

 これ以外はすべて解があるのです。すごいと思います。

 例えば、下の図2、これは{3,5,7}の三面待ちです。

図 2:3,5,7 待ち

 待ち牌が対称なのに、手牌は対称ではありません。待ちパターンを構成するのは手牌全体です。シャボ待ちとか単騎待ち、両面待ちなどは、待ちパターンを構成する牌は手牌全体のうち一部分であり、それ以外の牌は完成していて、完成した部分は待ちパターンに干渉しなければ任意、ということであれば対称性がないのは納得なのですが、この場合、なぜ手牌は対称ではないのでしょうか?

 ちなみに図2をひっくり返した手牌 3,3,4,4,4,4,5,5,5,6,6,7,8 も、もちろん待ちは{3,5,7}です。また、手牌全体ではなく、一部分だけで{3,5,7}の待ちを構成するパターンも存在しています。

(つづく)
<おまけのひとこと>
 今日の最後の「問いかけ」、我ながらわかりにくいなあと思っています。最近、本業のほうでやむを得ず英語で技術的な議論をすることがあるのですが(今日の午後のネット会議もそうです)、「ごめん、わからないから日本語で説明して。翻訳するから。」と言われることがときどきあります。でも、そういうときは日本語で説明しても「よくわからない」と言われてしまうこともあったりして、私は英語だけでなく日本語も不自由だったんだ、と気が付いてショックを受けたりしています。






3月9日(土) タイリング

 先日の一般の五角形のベンチやスツールの写真から連想して、こんなパズル(?)を考えてみました。

図 1

 11個の一般の多角形(五角形が多いですが、それよりも辺の数が多い多角形もあります)を、上の六角形の枠に重ならないように入れてください、というものです。タイルを貼るように、少し目地の寸法を考慮したかたちになっていますが、最近の枠に入れるパズルと違って大きな隙間はできません。

 最初は長方形の枠にしようかと思ったのですが、それよりもこのほうが「どのピースが隅にはまるのか」がわかりにくいかなあと思ってこのかたちにしてみました。

 これを単純に紙に印刷して切り抜いてもいいのですが、スチレンボードから切り抜こうかなあ、などと思っています。木工ができる環境があれば、木の板から切り出すのが良いのでしょうけれども。

 ペーパーモデルで角柱を作ったら雰囲気があって素敵かなと思うのですが、かなり面倒なので、とりあえずPCの中でデータを作ったところでいったん満足しました。

(つづく)
<おまけのひとこと>
 週末なので、簡単な更新です。






3月10日(日) ロックする五角錐(失敗)

 3月7日のひとことの続きです。ロックする四角錐を正方形から折り出せるならば、ロックする五角錐や六角錐も同じ原理で作れるのではないだろうか? というところまで書いたと思います。

再掲図

 まず、この左側の五角錐からチャレンジしてみることにしました。正五角形の用紙はどうしようかな、と思ったのですが、普通の折り紙から切り出すとサイズが小さくなってしまいそうだったので、以前こちらでご紹介した、A4の用紙から定規で測って3点を決めて切り出す方式で正五角形の紙を準備しました。

 実際に作ってみると、うまくロックしませんでした。もったいないので接着してしまいました。(失敗した状態での写真を撮るのを忘れました。)接着した状態での写真を載せておきます。

図 1 図 2

 五角形が失敗したので、六角形は試すのをやめました。なぜうまくいかないのか、改めてちゃんと考えてみようと思います。



 最近、週末にピアノとフルート(現代楽器のほう)を練習しています。フルート、ぜんぜん良い音が出せません。昨日は珍しく、いつもはやらない基本中の基本のロングトーン、スケール、跳躍の基本練習を30分くらいやったら、かなり改善された気がしました。(気のせいかも。)

 特に、運指がややこしい3オクターブ目が「絶叫」になってしまっていたのが、基礎練習をしたら音量を落としても音が出るようになってきたような気がします。(そういう、超初心者のレベルなのです。)

 3オクターブ目の練習として、初心者用の1〜2オクターブ目までしか使わない音域の狭い易しい練習曲を1オクターブ上げて吹く練習をしてみています。伸びしろがたっぷりある初心者のうちは、自分の進歩がわかって楽しいです。

<おまけのひとこと>
 目が痒くて大変です。花粉かな…






3月11日(月) 「おいしい数学」

 先週末、妻と娘が箱根本箱というホテルに泊まってきました。おみやげに「おいしい数学」(ジム・ヘンリー:岩波書店(2016))という本を買って来てくれたのですが、これがとても良かったです。

図 1

 この中に載っていたトピックは、自分が知らなかったものもたくさんありました。今日はその中から1つのトピックをご紹介します。ちょっと数学に詳しい人ならご存知な内容なのかなと思いますが、自分が知らなくて感激した話題です。



 2の平方根、√2が無理数(整数の比で表すことができない数)だというのは有名です。これを指数表記すると 2の(1/2)乗 になります。

 これは、 a も b も有理数だが、ab は無理数 という例になっています。

 では逆に、 c も d も無理数だが、cd は有理数 という例はあるのでしょうか? ( c と d は必ずしも違う数である必要はありません。たまたま同じ数であっても良いとします。) この本には、そういった c, d が存在する、という初等的で鮮やかで感動的な証明が掲載されていました。

 まず、 √2の√2乗 という数 x を考えます。

 これは有理数か無理数かどちらかです。それ以外、ということはありません。なので、「有理数の場合」と「無理数の場合」それぞれについて考察してみましょう。

 まず、 x が有理数だとしましょう。この場合は話は簡単で、これそのものが「 c も d も無理数だが、cd は有理数」の実例になっています。

 次にもう一方の可能性、 x が無理数だとしましょう。(直感はしばしば当てになりませんが、直感的には無理数な気がします。)この場合は、 x そのものを c としましょう。( c も d も無理数、というのが前提です。) d は相変わらず√2だとすると、cd を計算してみると、

 ご覧の通り有理数になるのです。 結果的に、x が有理数だったとしても無理数だったとしても  c も d も無理数だが、cd は有理数  という例が示せた、ということになります。

 結局、 √2の√2乗 という数が有理数なのか無理数なのかを調べずに、「どっちにせよ実例が示せた」という証明になっているのがものすごく面白いと思うのです。

<おまけのひとこと>
 妻と娘は「箱根本箱」に15時くらいにチェックインして、11時のチェックアウトぎりぎりまでいたそうです。でも、せっかく箱根に行ったのに、他にはほとんどどこにも寄らずに帰ってきたそうです。まあそういうのも贅沢でいいのかもしれません。






3月12日(火) 麻雀の{3, 5, 7}の三面待ち

 先週の金曜日の麻雀の{3, 5, 7}待ちの話の続きです。こんな例をご紹介しました(再掲図)。

再掲図:3,5,7 待ち

 この手牌が対称ではないのに、待ちが対称なのはなぜでしょう、という疑問を書きましたが、その答えは、「牌の枚数の制限がなければ、この手牌の待ちは{3, 5, 6, 7} だから」です。6 はすでに4枚手牌の中にあるので、上がるために必要なもう1枚は存在しません。なので本来「待ち」は対称ではなかったのです。



 先日も書きましたが、{3, 5, 7} が待ちになっているパターンは、13枚全部ではなく、部分的に構成することもできます。

図 1:3,5,7 待ち

 図のように、{4, 4, 4, 4, 5, 5, 6, 6, 6, 6} という10枚のパターンがあれば、{3, 5, 7}の待ち牌が確定しています。 残りの3牌が独立にメンツを構成していて、上り牌を増やすような干渉をしなければ、{3, 5, 7}待ちの手牌のパターンになります。図の例では、999, 888, 789 のいずれでもOK、という例を出しましたが、反対側の 111, 222, 123 でも同じことです。

 この{4, 4, 4, 4, 5, 5, 6, 6, 6, 6} という10枚のパターンも、実は牌の枚数の制限がなければ、本当の待ちは{3, 4, 5, 6, 7} なのです。でも、4 と 6 がすでに4枚を使い尽くしているので、{3, 5, 7}待ちになっています。



 デイリーポータルZの銭湯の鏡に広告を出した話という記事がとても良かったのです。八十代で現役で活躍されている方がお二人登場するのですが、素晴らしいなあと思うのです。

<おまけのひとこと>
 3月8日(金)は自宅の近くの事業所に直行外出でした。その事業所は高速道路のインターチェンジの近くにあるのですが、インターチェンジまでは長い坂を下ってゆきます。その坂が凍結していて、対向車線側は上れなくなっている車が何台もいて、渋滞の長い列ができていました。

 昨日3月11日(月)も朝は天気が悪くて、高速道路で雪でスリップしたらしい車が単独事故を起こしていました。一宮ナンバーの小型車でした。おそらくノーマルタイヤだったのでしょう。その時にはまだその区間は冬タイヤ規制をしていませんでした。
 私は現場を朝6時半くらいに通過したので、まだ事故を起こした車がその場にいたのを目撃しました。早い時間なので交通量が少ないため、その場だけ速度を落とすくらいで通過できたのでほとんどロスタイムはありませんでしたが、その後の通勤時間帯の混雑が始まると、渋滞して大変だったみたいです。

 この時期は油断するとまだ雪が降るので、3月中は車のタイヤを夏タイヤに交換できないなと思っています。






3月13日(水) 13日は金曜日になりやすい?

 本日の話題も「おいしい数学」からです。17章の冒頭に、こんな定理が紹介されていました。


定理:13日は、他のどの曜日よりも金曜日になることが多い。


 今日は金曜日ではありませんが、これは13日である本日ご紹介しようと思ったのです。これはどういうことだと思いますか? これは迷信とか心理的な要素とか(昔流行ったマーフィーの法則的なものとか)ではなく、あくまでも数学的に証明することができます。

(つづく)



 同じく「おいしい数学」の第8章からの引用です。気に入ったので少し長いですが書き写しました。

 私はスカッシュをする。私の対戦相手には上達しようとレッスンを受けている人もいる。私はレッスンを受けない。私は上達するための努力はしない。しかし私は週に一度か二度はプレイしているので、非常にゆっくりとではあるが、上達はしている。結果として、私は60代の今になってピークに達している。もし私が努力して上達しようとしていたら、おそらく40代でピークを迎えていただろう。そして今頃の私は、自分の腕前の衰えに苛立ち、昔の栄光を語って周りの人をうんざりさせる、不愉快な老人になっていたことだろう。その代わりに私は、対戦相手の予想より少しだけ良いプレイをして、彼らをとまどわせている。 (「おいしい数学」ジム・ヘンリーより引用)

 大変共感しました。自分の例に置き換えてみます。(いささか無理がありますが…)

 私はピアノを弾く。私の周りには上達しようとレッスンを受けている人もいる。私はレッスンを受けない。私は上達するための努力はしない。しかし私は週に一度か二度はプレイしているので、非常にゆっくりとではあるが、上達はしている。結果として、私は50代の今になってピークに達している。もし私が努力して上達しようとしていたら、おそらく20〜30代でピークを迎えていただろう。そして今頃の私は、自分の腕前の衰えに苛立ち、昔の栄光を語って周りの人をうんざりさせる、不愉快な老人になっていたことだろう。その代わりに私は、自分自身の予想より少しだけ良いプレイをして、自分自身をとまどわせている。

 私はずっと「楽譜を見てその場で演奏できること」に憧れてきたので、昔からピアノを弾いて遊ぶときには、演奏する楽譜を選んでその曲を頭から弾いて、一回通したらそれで終わり、という弾き方をします。最後まで通せない曲もたくさんあります。ややこしいところ、難しいところに遭遇すると、普通の練習ならばその部分だけを取り出して、テンポを変えたりしながら繰り返し練習して指に覚え込ませる、というトレーニングをするのですが、私はそういうことは一切やらずにそこで諦めます。(偉そうに言うことではないですね。)

 こういう態度でピアノで遊んできたので、速いパッセージは弾けるようにはなりませんでしたが、楽譜を読む能力は昔より進化して、バッハのフーガとかは楽譜を見ながらだいぶ弾けるようになりました。(ただしテンポの遅いやつだけ。) 昔は諦めていたところをすんなり通過できるのは、とても嬉しい驚きです。いずれにせよ人前で披露できるような腕前ではなく、あくまでも自分自身の楽しみのためだけの演奏ですが。

 上記のスカッシュの話を読んで、とても共感したのはそういうわけです。「好きこそものの上手なれ」と言いますが、そういう楽しみがあって良かったなあと思います。

<おまけのひとこと>
 月曜日の朝、いつもの通り高速道路のインターチェンジをETCで通過しようとしたら、車載器ではちゃんとカードを認識していたのですが、ゲートが開きませんでした。[ETC|一般]という共用ゲートだったので、「通行券をお取りください」というアナウンスが流れ続けてしまい、仕方なく通行券を取って高速に乗りました。
 出口では有人のゲートに行って、「このETCカードで精算お願いします」と手渡して精算してもらえました。カードには問題はなさそうです。ということは車載器がおかしい?と心配になりましたが、帰りは普通にETCゲートが通れました。朝はなぜ認識してくれなかったのかわかりません。
 いずれにせよ、機械は想定通り動くとは限らないということを改めて意識しないといけないと思いました。






3月14日(木) 「13日は金曜日になりやすい」ことの証明

 昨日の定理、「13日は、他のどの曜日よりも金曜日になることが多い」を示してみます。

証明:1年の日数は、以下のルールによって変化する。
 1. 1年には365日ある。ただし例外として
 2. 4年ごとに366日の年がある(うるう年)。ただし例外として
 3. 100年に一度、365日の年がある。ただし例外として
 4. 400年に一度、366日の年ある。

 このルールから、どの400年の期間を取ってもそこには一定の日数が含まれることがわかる。その日数は以下のように計算できる。

 ルール1より: 400年すべてが365日ならば、365×400=146,000日。
 ルール2より: ここに100回のうるう年の分を加えると、 146,000+100=146,100日。
 ルール3より: ここから4回のうるう年の分を引くと、 146,100−4=146,096日。
 ルール4より: ここに1回のうるう年の分を足すと、 146,096+1=146,097日。

 この数は7で割り切れる!

   146,097=7×20,871

 従って、400年周期で同じ曜日が厳密に繰り返される。400年は4,800ヶ月あるので、13日は4,800回。これらの曜日をすべて調べると、金曜日の13日が一番多い。以上で定理が正しいことが示せた。

 こちらに、プログラムを書いて400年間の全ての日の曜日の頻度を調べた結果を掲載して下さってありました。私もExcelで愚直に検証してみました。

図 1

 A3のセルに任意の西暦年を入れ、C3のセルに任意の日付を入れると、その年を起点に400年分、4800ヶ月分のその日の曜日をE列で計算します。D1のセルで数えたい曜日を1〜7の数字で指定すると、F1のセルに数えた結果が入ります。上記のページで公開されている表は、少なくとも13日に関する限りは同じ結果が得られました。(もちろんその他も正しいのだと思いますが、全部は検証していません。)

 なるほど、確かに13日は金曜日になることが一番多いのですね。「おいしい数学」の本の記載によると、この「定理」が発見されたのは、まだコンピュータは無かった時代だったそうです。4800ヶ月分の曜日を手で書き出して数えたのだそうで、それは大変だと思いました。



 毎月毎年、同じ日が同じ曜日になるとは限らないというのは子供の頃はちょっと不便で気持ちが悪いと感じたものです。大の月、小の月が不規則に並んでいるのもそうです。でも、いつのまにか「そういうものだ」という常識として定着して、疑問を持つこともなくなりました。十分に長い期間を考えると、全ての曜日の頻度は等しくなるだろう、という思い込みがありました。曜日が400年で循環している、と気が付いた人はすごいなあと思います。

 また、この「定理」は、「毎月の月初めの一日(ついたち)は日曜日になることが他の曜日よりも多い」と言ってもいいのですが、「13日」「金曜日」のほうを選んでいるところも巧妙だと思いました。

<おまけのひとこと>
 うるう年ではない年は、2月と3月は同じ日は同じ曜日になっている、というのは昔面白いなと思ったものです。






3月15日(金) ロックする五角錐の設計他

 先日、ロックする五角錐を作ろうとして頂角を三等分した設計をしたらうまくいかなかった、と書いたのですが、そうしたらいつも情報を下さるKさんから「斜辺(?)の片側の折りをなくして組んでみたら小籠包みたいな感じでロックしました(笑)」というメールをいただきました。なるほど、ありがとうございます。 こういうことですね(図1)。

図 1

 赤い点線が谷折、青い破線が山折です。見えている面が五角錐の内側になります。この展開図を描いてみて、こんな感じのカップケーキの型があったような…と思いました。外形は円で、中央の多角形はもっと辺の数が大きかったと思いますが。



 図書館で「ドライブイン探訪」(橋本倫史:筑摩書房)という本を借りてきて読みました。2017年4月から2018年8月に出された「月刊ドライブイン」全12号をもとにまとめられて、2019年1月に出版された本なのだそうです。著者の橋本倫史(はしもと・ともふみ)さんは1982年広島県生まれの方だそうで、もはやドライブインの時代ではなく、ファミリーレストランやファーストフードの時代で、ドライブインには入ったことがなかったのだそうです。

 それが、2011年から、もはや絶滅寸前のドライブインを巡るようになったのだそうです。最初は普通にお客としてドライブインを訪ね、改めて取材を申し込んで、再訪時に話をきいて、その後さらに再訪する、といった丁寧な取材をされています。写真も味わいがあります。

 上記の筑摩書房のサイトで、冒頭の14ページ分が読めます。なんというか、牧水の「ほろびしものはなつかしきかな」という感じです。時代の変遷と共に役割を終えてゆく、廃線となった鉄道とか、蒸気機関車とか、そういったものと同じカテゴリーの話です。

 群馬県のドライブイン七輿(ななこし)の章もありました(リンクはgoogle検索です)。 レトロな自動販売機が揃っていて、週末などには遠方から訪れる方もたくさんいるのだそうです。このタイプのドライブイン、私は子供の頃に家族で車で出かけたときに寄った記憶があるのでとても懐かしいです。また、大学にもそういったレトロ自販機があって、それも懐かしいです。

 今、コンビニの24時間営業が議論になっていますが、現在の技術で自動販売機を活用する、という発想もあるのではないかなあと思いました。ファミリーマートが24時間営業の見直しを始めているそうですね。良いことなのではないかと思います。

<おまけのひとこと>
 ロックする五角錐、時間が無くて今日は図を描いてみるのが精一杯でした。週末に作る時間があるといいなあと思っています。

 このところ本業が妙に忙しくて、朝は5時半〜6時には家を出ているのに、帰宅は夜8時〜9時過ぎになってしまうのです。私は残業という概念の適用されない勤務形態なのですが、健康面の管理上、会社の入退場ゲートの通過時刻で在社時間は自動的に記録されていて、今月は半月で50時間以上の標準時間外在社時間が記録されていました。このままいくと「自己管理ができていない」と警告をされてしまうので、なんとかしないといけないです。






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