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以前の「ひとこと」 : 2005年9月前半



9月1日(木) カーペンターブロックのCG (その1)

 久しぶりにカーペンターブロックの話です。

 このブロックを使った、こんなCGを作ってみました。

図 1

 これのどこがカーペンターブロックなのか、わからないですね。一部を拡大してみましょう。

図 2

 というわけでこれは、「もしもブロックがものすごくたくさんあったとして、球面を作ろうとしたらどうなるか」というCGなのです。続きはまた明日。

 一昨日、昨日と立方体の2つの頂点を内側にへこませたかたちによる空間充填の話をご紹介したのですが、blog “ろくはロッパの・・・”でコメントいただいていることを知りました。ありがとうございます。立体は平面よりも直観がききにくいので、難しいですけれども面白いですね。

<おまけのひとこと>
 H.Hamanaka very private pageの表紙の、切隅八面体の空間充填のスポンジ構造のような帯の模型の写真が、1つからだんだん増えてゆく写真に差し替えられているようで楽しみに見に行っています。 その折、日記を拝見したら、昨日交通事故に遭われたとのことで、心配しております。ご自身はなんともなかったとのことなのですが、お気をつけて。






9月2日(金) カーペンターブロックで球面を

 昨日に続いて、カーペンターブロックで球面を作ったらどうなるだろうというCGによる実験をご覧いただこうと思います。

R=8 R=12 R=16 R=20

 まず、半径がブロック8単位、12単位、16単位、20単位のものです。もちろんこのCGのパーツの配置は、プログラムで自動的に求めています。実際にはもっと解像度が高い(画素数が多い)画像を計算していますが、ファイルサイズの関係で小さな画像しか載せられないので、いまひとつ迫力に欠けます。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この週末は、小学校の高学年の親子全員参加の学有林の作業があったり、地域全戸参加の気合の入った避難訓練があったりで忙しいです。






9月3日(土) くぼみを持つ空間充填立体の模型

 先月、下の図1、図2のような、正八面体と立方体(正六面体)の相対する2つの頂点から、それぞれ相似比2分の1の大きさの、自分自身と相似な多面体を取り去った形について、その形が空間充填するかという話を何度かご紹介しました。

図 1 図 2

 そのときに、空間充填の可否やその方法について何度かメールでコメントをいただいたのが、大阪にお住まいの村上さんという方です。特に、先日の8月31日のひとことでご紹介した、立方体ベースのかたちで、単位立方体の格子に沿った配置なのに平面で分割されないパターンに関して教えてくださったのがこの村上さんです。

 基本的にいただいたメールの内容をご紹介するときには、特にご指示がない限り匿名で、ということを原則と考えているのですが、この件に関して、事後になってしまいましたがご希望を伺ったところ、名前を出してもらってかまわないというお返事だったので、8月31日のページに関しては、遡ってお名前をご紹介させていただくことにしました。

<おまけのひとこと>
 最近は週末の更新はお休みすることが多くなってしまって、そうすると週末はアクセス数もいつもの半分くらいになっています。これはつまり、更新のパターンを含めて察していただいて見に来てくださる方が多いということかな、と思っています。(アンテナ、というものもありますけれども)






9月4日(日) くぼみを持つ空間充填立体の模型(つづき)

 図1をご覧ください。これは何の展開図でしょうか?

図 1

 もちろんこれは、昨日掲載したこのかたちの展開図です。これも村上さんからいただいた図です。

再掲図

 村上さんはこの展開図から、正八面体の2頂点をくぼませた立体の模型をたくさんつくって、お子さんがそれを積み木にして遊んでおられるそうです。また、立方体の2頂点をくぼませた模型に関しても、単位立方体を2つ繋いだ形である1×1×2の直方体をバルサ材からたくさん切り出して、それを3つ接着して大量生産されたそうです。なるほどそういうものを実際にお作りになれば、空間充填に関しても非常に楽しい実験ができそうですね。

 村上さんのお宅ではこういった模型をお子さんが楽しんで積み木として遊んでおられるそうで、これは非常によい教材でもあるのでは、と思いました。

<おまけのひとこと>
 この週末は、学有林の作業があったり、地域の総合防災避難訓練があったりして、大変でした。2日とも午前中は天気がよかったのですが、夕方から夜にかけてはたいへんな大雨でした。






9月5日(月) Naef

 正多面体の頂点をくぼませた形について、もうひとつ、いただいている情報をご紹介しておきたいと思います。

 こういった形をモチーフとしたおもちゃが、有名なスイスのネフ社 (Naef) から出ているのをご存知ですか、というメールをいただきました。

  • Naefダイアモンド
  • Naefキュービックス
  •  ああ、確かにネフの製品でこういうのがありましたね。忘れていましたけれども見たことがあったと思います。(実家に何種類か Naef があって、実際にいじってみたことがあります。) Naefのおもちゃは非常にセンスがよくてあこがれています。

     なお、この情報を下さったのはこちらのnaefを作ろうというblogを公開されている方です。このページ、とても面白いです。お勧めです。私もnaefのCGを作ってみたくなりました。

    <おまけのひとこと>
     カーペンターブロックの球の話、途中になってしまいました。明日には続きを書きたいと思います。






    9月6日(火) カーペンターブロックで球面を(つづき)

     カーペンターブロックで球面を作ったらどうなるだろうというCGによる実験のつづきです。今日は前回よりも大きなサイズのものです。 画像の大きさが同じになるようにリサイズしているのですが、同じ縮尺でCGを作ると、R(半径)の値が大きいほど大きな球になります(あたりまえのことを書いていますね)。

    R=35 R=45 R=64

     モアレのような線がたくさん見えて面白いです。さて、これはそれぞれピースをいくつくらい使っているでしょうか? もし仮に実際のピースで組むとしたらどのくらいの大きさになって、どのくらいの手間がかかりそうでしょうか? (参考までに単位立方体を組むと、そのサイズは 45mm角くらいで、ちょうど一寸五分角くらいです。)

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     昨日は時間がなくて、Naef の話を書きかけでアップしてしまいました。
     台風が心配です。
     すみませんまたメールの御返事が遅れています。申し訳ありません。






    9月7日(水) カーペンターブロックで実際に球を作るとしたら・・・

     さて、昨日までCGでご紹介したカーペンターブロックで作る球、これを実際に作ろうとしたらいったいパーツはいくつ必要でしょうか、また大きさはどのくらいになるでしょうか、というのを実際に見積もってみました。もちろんこれはプログラムを書いて、計算機に数えてもらっています。

     計算方法ですが、とりあえず立方格子を考えます。中心は原点として、半径Rを決めて、立方格子を構成する1つ1つの単位立方体が、半径Rの球の内側か外側かを決めます。そして、内側と外側の境界部分、つまり隣り合う単位立方体の内外が異なっている部分にパーツを配置します。

     次の表は、そのようにして求めた半径に対応する使用ピースの数の表です。なお、直径は半径あたり4cmと近似しています。また、ジョイント数は使用ピースの数の2倍です。(ピース1つあたり4つの辺がありますが、1つの辺は2つのピースで共有されるためです。)また、製作時間は、1つのジョイントをはめるのに、平均5秒かかるとして単純に掛け算しています。

    半径(ピース個数)使用ピース数直径(cm)ジョイント数製作時間
    1641260秒
    25481089分
    31502430025分
    42703254045分
    54144082869分
    66544813081.8時間
    78705617402.4時間
    811586423163.2時間
    914947229884.2時間
    1018308036605.1時間

     まず、半径を1から10まで順に増やしてみました。半径が10程度だとかなりがたがたで、「球」とは言いがたいのですが、それでも使用ピースの数は1830で、直径は80cmもあります。5秒ごとにジョイントを繋ぐ作業を全く休まずに行ったとしても、半日がかりの作業になります。

    半径(ピース個数)使用ピース数直径(cm)ジョイント数製作時間
    1122388844766.2時間
    1226229652447.3時間
    13310210462048.6時間
    143654112730810.2時間
    154182120836411.6時間
    164758128951613.2時間
    1753341361066814.8時間
    1860301441206016.8時間
    1967501521350018.8時間
    2074701601494020.8時間

     次に、半径が11から20までの表です。このくらいになってくると、だんだん球っぽくなってくるのですが、大きさも使用ピースの数もとんでもないことになってきます。直径が160cmもあると、そろそろ自重でつぶれるのではないかと心配になる大きさですし、組むときに支えだとか作業者の足場だとかが必要になってくるかもしれません。

    半径(ピース個数)使用ピース数直径(cm)ジョイント数製作時間
    25116462002329232.4時間
    35230462804609264.0時間
    453809436076188105.8時間
    6465499512130998181.9時間

     さらに半径を大きくしてみました。面倒なので値は飛び飛びです。最後の半径64単位のもの、これは昨日CGでもご覧頂きましたが、これはおそらく直径が5mくらいになると思います。こうなってくると接着しないとつぶれてしまうでしょうし、重さもすごいことになると思います。また、組むときに中に転落しようものなら大変なことになるでしょう。



     先日、朝日新聞のサイトを見ていたら、日本海の巨大クラゲ、18日には津軽海峡に(2005年09月05日19時53分) という記事が掲載されていたのですが、その中に

    エチゼンクラゲは最大で200キロまで成長する大型クラゲだが、泳ぐ力は弱く、進路は海流に左右される。

     という表記があってびっくりしました。一瞬、直径が200kmもある、台風のような巨大なクラゲを想像して、いやいやそんなばかな、これは何か単位を間違えたに違いないと思って、はて200mmでは大型クラゲというには小さいし、200cmだろうか、でもそれなら2メートルと言うだろうな、変だなと思いました。

    <おまけのひとこと>
     夜中くらいから、台風のせいでしょう、とても強い風が吹いています。15m/s以上の強風域は、今日一日、日本の半分以上をすっぽり覆っているようですね。






    9月8日(木) 庭

     先日、うちの玄関に桔梗の花が生けてありました。庭に咲いたもののようです。桔梗の花は好きです。色もいいですが、五角形の形が好きです。

    図 1

     世の中には七角形の花もあるのだそうで、たとえば“ツマトリソウ”という高山植物(?)がそうなのだそうです。“つまとりそう”でかな漢字変換すると、「妻と理想」という表記になって、なんだかいいですね、という話を先日聞きました。



     昨日書いた、「最大で200キロまで成長する大型クラゲ」の話、早速メールを複数いただいて感激しています。ご指摘ありがとうございました。 「エチゼンクラゲ」で検索してみると、サイズに関してはほとんどが寸法を掲載しているページばかりで、どれも「1メートル」というサイズが書かれています。で、200キロというのは重量のことのようで、同じ朝日新聞のページでも、昨日ご紹介した9月5日の記事の翌日には、200キログラムという表記でエチゼンクラゲについての記事が出ていました。でもこの翌日の記事でも、重量は書かれていましたが大きさは書かれていませんでした。

     台風のような巨大なクラゲを想像して、「津軽海峡へ」と言ったって、さしわたし200kmもあったら津軽海峡を通れまい、そもそも日本海にだって入れなかったのではないか、などと想像して楽しませてもらいましたが、他の多くのページがエチゼンクラゲがいかに大きいかを伝えるために「1メートル」という寸法を表記しているのに、朝日新聞の記事では重量だけを書いて大きさを書かない感覚がよくわかりません。

     ところで、直径1メートルの球を考えて、それいっぱいの水の重さを計算すると(円周率を3と近似すると暗算できますね)、200kg よりもずっと重くなります。 200kgというのは水を払った重さなのでしょうね。(まさか乾燥重量?)

    <おまけのひとこと>
     すみません、またメールの御返事などが遅くなっています。昨夜も帰宅がとても遅くて、今朝は珍しく寝坊してしまって、いつもならホームページの更新やらメールやらに当てている朝の時間がとても短くなってしまいました。






    9月9日(金) カリン

     子供の小学校の入学式で、市からお祝いということで全員がもらったカリンの苗が大きく育ちました。図1の写真は二階のベランダから木を見下ろして撮った写真です。入学式のときに当時の校長先生から言われたとおり、六年生になったらたくさんの実がなりました。

    図 1

     おおざっぱに見積もって、だいたい50個くらいなっているかなと思います。 図2は実の部分の拡大図です。(同じ写真の縮小率と切り取る範囲を変えているだけですが)

    図 2

     カリンは焼酎漬にしたり、のど飴の成分として使われていたりするのは知っているのですが、自分では利用したことがありません。収穫の時期になったらどうするか、考えておかないといけないなと思っています。



     このところずっと気になっていた濱中さんのページの表紙の切隅八面体のスポンジ構造を編むモデル、過去の表紙127に解説が登場して、とても興味深く見せていただきました。特に対称性の高い視点からの写真が美しいです。

    <おまけのひとこと>
     最近、本業のほうで並行して進めなければいけない仕事がいくつも増えて、かなり忙しくなっています。とりあえず次の山場は来週の火曜日です。そんなわけでちょっと更新が手抜き気味です。








    9月10日(土)、 9月11日(日)

     この週末は風邪で寝込んでいました。あーあなんにもできませんでした。

    <おまけのひとこと>
     でも投票だけは行きました。風邪を引くとわかっていたら期日前に行っていたのに…






    9月12日(月) 昇級

     最近、blogろくはロッパの…の更新が頻繁で、たいへん楽しみに拝見しております。 先日の昇級の話に書かれていた、

    昇級規定というものがあって、クラスで打った勝敗のうち「7勝3敗があれば」昇級できる。「あれば」というルールは面白くて、どこから数え始めても良いが、とにかく7勝3敗(もしくは7勝で3敗以下)の並びがあれば昇級できるというのだ。(中略)逆に3勝7敗の並びがあると降級してしまう。

     というルールが非常に面白いと思いました。たとえば7連勝したら、その段階で昇級、なのですね。そして(おそらく)昇級や降級が発生すると、その時点をまたいで「7勝3敗」や「3勝7敗」を数えてはいけないのでしょうね。(たとえば7連勝して昇級して、昇級後の第1試合で勝ったとして、昇級前の7連勝の記録から引き続いて連勝を数えていきなりもう一度昇級してしまう、ということはないのでしょうね。)

     上記のblog には、“これでコンスタントに昇級するためには、勝率7割を維持しなくてはならず、なかなか厳しい。”と書かれています。これは、「コンスタント」をどのように定義するかによって、必要な勝率は変わると思いました。たとえば、「コンスタントな昇級」というのを、降級せずに昇級する、と定義してしまえば、勝率が5割以下でも、一度も降級せずに昇級してゆくことが可能な勝敗の並び順を考えることができます。(あまり現実的ではありませんけれども。)

     たとえば、勝率がぴったり5割、つまり勝ち負けの数がまったく同じなんだけれども一度も降級せずに昇級しつづける勝敗の並び順を思いつけますか?



     すみません、本来の記事の内容ではなく、紹介されていたルールについての記載から、勝手にいろいろ想像して考えてみてしまいました。 ちなみに、1回1回の勝負で勝つ確率がほんとうに5割だとして、上記の「昇級・降級」のルールを厳密に適用したとすると、このように「一度も降級せずに昇級し続ける」という事象が発生する確率は非常に小さいです。

    <おまけのひとこと>
     風邪が治りません。ちょっと更新をお休みするかもしれません。






    9月13日(火) 展開図

     これは、正方形4枚と正三角形4枚からできる立体の展開図です。

    図 1

     これはどんなかたちになるでしょう?

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     今日は簡単な更新です。






    9月14日(水) ジョンソンの立体 J26:Gyrobifastigium

     昨日、ブロックによる展開図をお示しした多面体ですが、これはジョンソンの立体の26番で、Gyrobifastigiumと呼ばれる形です。Wolfram の mathworld では、こちらに紹介されています。日本語名は、こちらのザルガラー多面体の名前というページでは、双側正 3 角柱という名前がつけられています。 この、「ジョンソンの立体」とか「ザルガラーの多面体」と呼ばれる一群の多面体については、山口陸幸さんのジョンソンの多面体のページに解説があります。私も「ジョンソンの立体」と呼ぶべきではないかと考えています。

     それはともかく、下の図1は、この多面体をCGの稜モデルにしてみたものです。

    図 1

     さて問題です。この多面体の展開図を考えてみます。いろいろな展開図があると思いますが、下の図2のような、平面を正方形と正三角形で規則正しく埋め尽くすタイリングのパターンから、この図1の多面体の展開図を切り出すことはできるでしょうか?

    図 2

     もちろん「のりしろ」は考えなくてもよいです。 切り出すときには、タイリングパターンの要素である正方形と正三角形の辺に沿ってのみ切り出すものとします。 また、展開図は「ひとつながり」になっているものとします。(そうでないと、正方形4枚と正三角形4枚の部品をばらばらに切り出せばよいことになってしまうので。)

     なお、この図2のタイリングパターンに着色することで得られる様々な模様について、02年6月9日からしばらくと、あそびのコラム26でご紹介しておりますのでよかったらご覧下さい。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     自分の風邪はようやく復活しつつあるのですが、今度は下の子が風邪をひいてしまったようです。学校でも流行っているようなのですが、今週末が運動会だというのに大変です。






    9月15日(木) ジョンソンの立体 J26、濱中さんのスライドパズル

     さて、昨日のこの立体(J26)ですが

    再掲図

     これは空間を充填するでしょうか? (実は一昨日の段階ですでに答をいただいています。おどろきました。ありがとうございます。)





     H.Hamanaka very private page2005年9月の低次元日記に、スライディングパズルが公開されていました。初期状態の画像だけ勝手にご紹介させていただきます。

    濱中さんのスライドパズル

     最終的に「右」と「左」だけが入れ替わっているようにしてください、というパズルです。 野暮な解説はしません。面白いアイディアだと思います。

    <おまけのひとこと>
     今日は寝坊してしまって、メールを1つ書いていたらとても遅い時間になってしまいました。






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