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以前の「ひとこと」 : 2002年7月後半




7月16日(火) 正6角形4枚のモデル(その2)

 昨日、正6角形4枚の各辺を黄金分割する位置で組み合わせることによって、正十二面体に内接するモデルが作れることをご紹介しましたが、組み合わせる位置を変えるとどうなるでしょうか。まず、各辺の中央で組んでみました。型紙はこちら(PDF:7kbyte)です。

正六角形4つを辺の中央で組む
6角形4枚による菱形十二面体(1)   6角形4枚による菱形十二面体(2)   6角形4枚による菱形十二面体(3)
図 1   図 2   図 3

 図1はななめから見たところです。3つの六角形の頂点が床に接して置かれています。 図2は、4つの六角形の頂点を床に接して置いて、真上から見下ろしてみました。全体の輪郭は十字型に見えます。 図3は、図1と同じ置き方に戻して、真上から見ています。水平な1枚の六角形の全体が見えています。

 組むときは、最初の2つは簡単なのですが、3つ目、4つ目はかなり紙を曲げないとうまく組めません。また組みあがったら各パーツはきれいに平らになってくれないと格好がつきません。

 <おまけのひとこと>
 これから台風が来るんでしょうか、今朝は日が射していますが風が強いです。





7月17日(水) 正6角形4枚のモデル(その3)

 昨日は4枚の正六角形を、各辺の中心で組んだ紙の模型をご紹介しました。お気付きの方もいらっしゃると思いますが、これは6角形の全ての辺が菱形十二面体に内接する立体です。それを説明するために、今日は絵ではなくコンピュータグラフィックス(CG)を作ってみました。

正六角形4つを辺の中央で組む:視点1
6角形4枚による菱形十二面体のモデル 6角形4枚のCG 6角形4枚と菱形十二面体のCG
図 1   図 2   図 3

 図1が紙模型の写真、図2がそれと同じものを黄色いパイプで作ってみたもの、図3はそれに外接する菱形十二面体を重ねて描いたものです。図1と図2,3は、向きが45°違っています。六角形の頂点は、菱形十二面体の稜を1:2に内分します。この視点は、菱形十二面体の次数が4の頂点、菱形の鋭角が4つ集まった頂点の方向からみたところです。

正六角形4つを辺の中央で組む:視点2
6角形4枚による菱形十二面体のモデル 6角形4枚のCG 6角形4枚と菱形十二面体のCG
図 4   図 5   図 6

 同じく図4が紙模型、図5が対応するCG、図6が菱形十二面体を描き加えたものです。図1〜3と図4〜6はかなり違ったものに見えますが、いずれも視点を変えているだけで同じものです。こちらは菱形十二面体の、鈍角が3つ集まった次数3の頂点の方向から見たものです。

 これらのCGは、今年の5月2日のひとことの頃に数日に渡ってご紹介した錐体鏡を使って描いてあります。錐体鏡の手法で描くと、鏡3枚と棒を1本定義すればこれらのCGが作れるので、とても簡単です。 前回は立方体・正八面体・菱形十二面体・凧型二十四面体をご紹介しましたが、今回この絵を用意する時に、同じ対称性を持つ立体のCGをいろいろ作ってみました。

 <おまけのひとこと>
 今朝、7時前から突然猛烈な雷雨になりました。





7月18日(木) 正6角形4枚のモデル(その4)

 正6角形4つを組み合わせて正十二面体や菱形十二面体に内接するモデルを作ってみましたが、本来このパーツで作るなら一番自然な立体は立方八面体だと思います。今日はこちらをご紹介します。

正六角形4つを頂点で組む
6角形4枚による立方八面体(1)   6角形4枚による立方八面体(2)   6角形4枚による立方八面体(3)
図 1   図 2   図 3

 型紙はこちら(PDF:6kbyte)です。いままでの2つのモデルと違って、これは立方八面体の稜モデルになっていますからわかりやすいと思います。図1は普通に一般的な視点から見たもの、図2は三角形の面から見たもの、図3は正方形の面からみたものです。

 こういった平面多角形のリングに切りこみを入れて組み合わせるモデルというのも、作ってみたら思いのほか面白かったので、6角形4枚だけでなく、ほかのかたちのものも設計してみようかと思いました。

 <おまけのひとこと>
 Musubime Dodecahedron(結び目正12面体)というページをご紹介いただきました。10日ほど前のひとことで、正5角形を24個つなげた帯で正十二面体を編めるという話をご紹介しました。そのときにそれぞれの5角形を結び目で作ればいいのではないかということをちらっと書いておいたのですが、同じような発想だと思います。(もちろん私の方が後なんですが)





7月19日(金) 錐体鏡

 昨日は立方八面体をご紹介しましたが、同じ対称性の立体のCGを錐体鏡の手法でいろいろ作ってみました。今日はまず基本的な立体からご紹介します。

立方体   正八面体   立方八面体   菱形十二面体  
立方体   正八面体   立方八面体   菱形十二面体

 これらは、いずれもたった1本の棒と3枚の鏡だけで得られるイメージです。簡単にご説明すると、下の図のように立方体の対角線方向(OA)、1つの面の対角線方向(OB)、そして1つの稜(OC)、の3つの軸で決まる3角錐を鏡とします。

錐体鏡の説明図

 このとき、AB(図の赤い線)の位置に棒を立てると立方体になりますし、BC(図の青い線)ならば正八面体になります。CA(黄色い線)ならば菱形十二面体になりますし、BD(緑の線)だと立方八面体になります。ちなみに点Dは、OCの中点(1,0,0)と、点A(1,1,1)との中点です。

 ちなみに一昨日ご紹介した、4枚の正6角形が菱形十二面体に内接するモデル(菱形十二面体の各面にバッテンができるかたち)は、上の図の頂点Bから辺ACに垂線を下ろすと得られます。座標は(4/3,2/3,2/3)になります。

 <おまけのひとこと>
 しばらく前から、このページでご紹介しようかと思って研究していた話題があるのですが、先日思いがけず本業の方で、しばらく自分の時間の何割かを割いてそのテーマで研究をしてよいことになりました。とても嬉しいのですが、おかげでこのページで紹介する話題のストックがだいぶ減りました。





7月20日(土) 立方体・正八面体・立方八面体・菱形十二面体

 昨日ご紹介した、本日のタイトルにある4つの立体を2つずつ重ね合わせた画像を作ってみました。

立方体 正八面体
立方八面体 立方八面体+立方体 立方八面体+正八面体
菱形十二面体 菱形十二面体+立方体 菱形十二面体+正八面体

 昨日ご紹介したように、これらの画像は全て同じ3枚の鏡の像です。その3枚の鏡の三角錐(錐体鏡)の内側に棒を1本置くと、正方形や正八面体、立方八面体や菱形十二面体ができます。上の図の中央の4枚は、錐体鏡に入れる棒の数を2本にして、2つの立体の重なり具合を見たものです。立方体や正八面体の稜の中点を結ぶと立方八面体になりますし、菱形十二面体の菱形の長いほうの対角線を結ぶと正八面体、短い方の対角線を結ぶと立方体になる、といったことが見て取れます。

 また、立方八面体は立方体や正八面体の頂点を切り落としたものですが、逆に菱形十二面体は、立方体の6つの面にちょっと背の低い四角錐を貼り付けて作ることができますし、正八面体の8つの面に、もっと背の低い三角錐を貼り付けても作ることが出来ます。上の絵からも、切り落としたり貼り付けたりする三角錐や四角錐を見ることが出来ます。

 また別の見方をすると、立方体と正八面体の相貫体を考えたとき、その共通部分が立方八面体ですし、両者の全ての稜に外接する多面体が菱形十二面体です。(最大公約数と最小公倍数という考え方に少しだけ似ています。) そしてもちろん、立方体と正八面体は互いに双対ですし、立方八面体と菱形十二面体が互いに双対関係にあります。

 …というようなことを考えながらこれらの絵を眺めていると、とても楽しいです。

 錐体鏡の中の棒の位置を徐々に変えながらCGを作ると、これらの立体の間を滑らかに変形するような動画を作ることが出来ます。錐体鏡の手法というのはとても便利です。

 <おまけのひとこと>
 これらのCGは、Pov-Rayという大変すばらしいソフトウェアを使っています。最近バージョンが3.5に上がったようです。





7月21日(日) ケプラーの星型8面体

 昨日と同じ錐体鏡に、やはり棒を1本入れると、正四面体が2つ相貫している(っていう日本語はあるんでしょうか)絵を作ることができます。この形はケプラーの星型8面体と呼ばれています。

ケプラーの星型8面体 星型8面体+立方体 星型8面体+正八面体
ケプラーの星型8面体 …と立方体 正八面体と重ねる

 この星型8面体は、中央の絵をご覧頂くとわかるように、ちょうど立方体の各面の正方形の対角線を描いています。(サイコロの全部の面に、バッテンの筋交いが入っている)

 また右の図は、相貫する2つの正四面体の境界線を入れたもので、この境界線は正八面体になります。このような見方をしてみると、実はこのプラトンの星型8面体は、正八面体の各面に正四面体を貼り付けたものだということがよくわかります。

 同じ大きさの正三角形から作られる正四面体と正八面体から、空間を充填することが出来るのですが、この図(右の図)はその第1段階を表しているということもできます。

 <おまけのひとこと>
 今年の4月29日のひとことで、究極の暇潰し ─142857の怪─というページが面白いとご紹介しましたが、そのページの作者の方から、ご親切にもページの移転のご連絡をいただきました。(上記のリンク先は新しいページの方になっているはずです。) さっそく4月29日のひとことに、トップページの簡単な感想とともに追記しておきました。





7月22日(月) あそびをせんとや・分室

 ホームページを置いているサーバのディスク容量が少ないというお話を何度かしておりましたが、とりあえず無料のサーバを利用してみようと思って、あそびをせんとや・分室というのを作ってみました。

クリックすると大きな画像を表示します:197kbyte (1024x768)
正八面体の内部

 例えば上の画像は、以前「あそびのコラム 25」でご紹介した正八面体の内部なのですが、大きな画像を載せる事ができませんでした。そこで「あそびをせんとや・分室」を作って、たとえばこのような大きな画像などを載せる事にしました。(上の画像をクリックすると、別の窓で大きな画像が表示されます。サイズが大きいのでご注意下さい。)

 そのような位置付けのページですので、更新は不定期でそれほど頻繁に更新はできないと思いますが、このページに載せきれなかった画像などを中心に置いて行きたいと考えています。こちらの「本家あそびをせんとや」ともどもよろしくお願い致します。

 <おまけのひとこと>
 「あそびをせんとや・分室」については、名前をどうしようかちょっと悩みました。「たわぶれせんとや」にしようかな、とも思ったのですが(この意味がおわかりにならない方は、このページおよび作者についてをご覧下さい)、あくまでもこの「あそびをせんとや」というページのサポートページなので、「分室」ということにしました。「分館」とか「別館」だと大げさだし、「おまけ」とか「倉庫」とかだとそちらのページを単独で見たときにあんまり印象がよくないし、結局「分室」ということにしました。





7月23日(火) 錐体鏡他

 錐体鏡の続きで、1本の棒からつくるイメージをもう3つ載せてみました。

正八面体の面を分割(1) 正八面体の面を分割(2) 立方体の面を分割
図 1 図 2 図 3

 図1と図2は、それぞれ正八面体の面を三等分する形になります。図1のほうは、立方体の各稜を「カクッ」と外側に折り曲げたようにも見えますし、図2は、菱形十二面体の次数3の頂点を、内側に引き寄せたようにも見えます。図3は立方体の各面を十文字に結ぶ形です。こちらはわかりやすいと思います。これらも、これまで紹介してきた形と重ねると、いろいろ面白いです。

 わずか3枚の鏡に対して、たった1本の棒を置くだけで、こんなに様々なパターンの立体像を作ることが出来て、本当に面白いです。

 日曜日の夕方、ちょっと庭仕事をしようと妻と庭に出たとき、外においてあった軍手を妻がはめようとしたら、「中に何か堅いものがいる」というので見てみると、コクワガタのメスが入っていました。軍手をのぞいてみると、指先のほうに隠れてしまいました。

 体調は3cmくらいで、小さなあごがあります。とりあえず虫かごに移して、きゅうりなどをやってみました。確か一昨年だったか、網戸にコクワガタのオスがとまっていたことがありましたが、そのときはまだ子供たちが昆虫に興味が無く、ちょっと観察してそのまま放してしまいました。

 <おまけのひとこと>
 米海軍の新低周波ソナーで危惧される海洋生物への影響という記事がありました。この記事に記載された情報を信じるとして、漁業としての捕鯨とか、あるいは漁場を守るためにイルカを駆除することと比較して、アメリカにとっては倫理的に許される行為なんでしょうか。まあ「軍事は全てに優先する」んでしょうね。(全ては政治的な交渉の道具、という方がより正確かな。)

 もう1つ同じHotWiredから。ジャガイモが原料の生分解性使い捨て容器「5分間の使用のために、(捨てられたら)何百年間も消滅することのない容器を用いるという考えは、一般に受け入れられない」なるほどごもっともですが、だからといって本来優秀な食糧であるジャガイモを容器の材料として使うという発想には違和感があります。 確かに繰り返し使用する食器を洗浄する際の環境への影響も考えないといけませんし、やむを得ず使い捨てにしなければならない状況というのも常に存在するでしょうから、こういった製品の存在意義はあるだろうとは思います。





7月24日(水) クワガタ他
コクワガタのメス

 昨日ちょっとお話したコクワガタの写真を撮ってみました。

 飼うのによい容器がみつからず、とりあえず虫かごに入れています。隠れる場所などがないと落ち着かないだろうと思うのですが、都合のよい枯れ枝のようなものが手に入りません。 で、とりあえずこのクワガタ自身が気に入っていると思われる、最初に入っていた古い軍手を持ってきて、虫かごに入るように指の部分だけを切り取って置いてみました。また、えさ台としてカマボコ板も入れました。

 しばらくして様子を見に行った子供が、「軍手に入っているよ」と報告してくれました。見に行ってみるとなるほど頭からもぐりこんでいました。

 軍手に隠れている間に、ペットボトルのキャップの中栓を外したものをカマボコ板の上に置いて、その中にほんの少しの砂糖水を作って入れてやりました。またしばらくして様子を見ると、ちゃんと這い出して砂糖水をなめていました。

 とりあえず最低限の飼育はできそうです。

夕立

 昨日は仕事で自家用車で外出したのですが、帰りにものすごい大雨に遭いました。建物を出て道路を1本渡ってすぐの駐車場までのわずか30秒程度の間に、ぱらぱらと降り出した雨がそれこそバケツをひっくり返したような降り方になり、最初から折り畳み傘をさしていたにもかかわらず、車に乗り込んでドアを閉めるわずかな時間だけで、シャツもズボンも肌にぺたっと貼り付いてしまったほどびしょぬれになりました。

 たまたまカメラを持っていたので、何枚か撮影してみました。 例えばこういった「雨のすごさ」といった雰囲気を写真でとらえるというのも、とても難しいものだと思いました。特にこうやって縮小してしまうと、雨なんだかなんだかよくわかりません。 それにしてもこんな写真はディジタルカメラでなければ絶対に撮らないな、と思います。

 とりあえずこのページの分室の方にこの画像の大きなサイズのものを載せてみました。大きいサイズだと多少は雰囲気が伝わるかもしれません。

 <おまけのひとこと>
 ジオシティーズは12MBのホームページスペースを提供してくれているのですが、例えば300KBの画像なら40枚置いたらおしまいです。 こういったちょっとした画像はすぐに消すと思います。





7月25日(木) 錐体鏡:斜方立方八面体・凧型二十四面体

 今日はいつもの錐体鏡に棒を2本入れてできる立体を2つご紹介します。準正多面体の斜方立方八面体と、その双対多面体である凧型二十四面体です。2本の棒の座標はいままでのものより若干面倒になりますが、いずれも2本だけの鏡像です。

斜方立方八面体 凧型二十四面体 斜方立方八面体と凧型二十四面体
図 1 図 2 図 3

 図1が斜方立方八面体、図2が凧型二十四面体です。図3がそれらを重ねたもので、双対関係になっていることがわかります。

斜方立方八面体と菱形十二面体 凧型二十四面体と菱形十二面体 凧型二十四面体と立方八面体
図 4 図 5 図 6

 図4は斜方立方八面体と菱形十二面体を重ねたものです。立方体(あるいは正八面体)から立方八面体ができるのと同様に、菱形十二面体の各辺の中点を結ぶと斜方立方八面体になることがよくわかります。

 図5は凧型二十四面体の各面の長い対角線を結んだもの、図6は同様に短い対角線を結んだものです。長いほうが菱形十二面体、短い方が立方八面体になります。

 <おまけのひとこと>
 昨日の朝玄関から外に出たら、なんとまたメスのコクワガタがいました。今度のは一匹目より一回り小さくて、でも動きが若干活発でした。さっそくそれも同じカゴに入れました。あまり大きいカゴではないので、ちょっと心配です。週末にでももうちょっとちゃんとした飼育環境を整えてやらないといけないと思っています。





7月26日(金) 凹型菱形十二面体(仮称)

 錐体鏡のCGを作っていると、いろいろイメージがふくらみます。こんな画像を作ってみました。

菱形十二面体と立方体 凹型菱形十二面体:立方体の各稜を軸に菱形十二面体の各面を回転
図 1 図 2

 図1は、白い菱形十二面体と、各面の短いほうの対角線を結んでできる立方体(赤)です。 ここで、菱形十二面体の各面に注目します。 赤い対角線を中心に、まるで回転扉のように菱形をくるくる回すことを考えます。12枚の菱形をそれぞれ90度回転させると、尖った方の頂点が中心に集まって、図2のようなかたちになります。ちょうど菱形を4枚集めた頂点を、上下左右前後の6方向から1点に集めたような形をしています。この立体図形を仮に凹型菱形十二面体と呼ぶことにします。(こういうのを何と呼んだらいいのかよくわかりません。)

 この形はとてもきれいで面白い形なので、実際の模型を作ってみたくなりました。普通なら紙で作るんでしょうけれども、とりあえずビーズで作ってみました。 以下、写真をご覧下さい。

ビーズの凹型菱形十二面体(1) ビーズの凹型菱形十二面体(2) ビーズの凹型菱形十二面体(3)
写真 1 写真 2 写真 3

 菱形十二面体はビーズ24個でできますが、このモデルはビーズ32個を使っています。これも眺めていてなかなか飽きない形です。

 クワガタ日記
 昨日の朝、出掛けにクワガタの虫かごをのぞいたら、2匹いるはずなのに1匹しかいません。隅々まで見たのですがやっぱりみつかりません。どうやらかごの隙間から逃げてしまったようです。

 分室便り
 庭のユリの花の写真を1枚載せました。(あそびをせんとや・分室へ)

 <おまけのひとこと>
 ここ数日朝早く行く必要があって、日付が変わるあたりの時刻の更新です。





7月27日(土) 切頂立方体・切頂八面体

 今回の錐体鏡シリーズは一応今日でおしまいです。 最後に切頂立方体と切頂八面体を載せます。いずれも錐体鏡に棒を2本入れて作った画像です。

立方体と切頂立方体 切頂立方体
図 1 図 2

 切頂立方体です。立方体の面が正八角形になるように、立方体の角を切り落とします。切り落とす長さは、次の切頂八面体と違って1/3ではいけません。

正八面体と切頂八面体 切頂八面体
図 3 図 4

 切頂八面体。こちらは各辺を三等分して切り落とせばよいので楽です。

 この錐体鏡からできる形にはまだまだおもしろいものもいろいろあります。また、それらを重ねてみるとさらにいろいろ面白いです。 万華鏡のように、適当な色の棒やボールなどをデタラメに配置してもきれいです。

 <おまけのひとこと>
 家の周りにアシナガバチの巣がたくさんできていて、ちょっと困っています。





7月28日(日) 立体万華鏡:菱形十二面体

 今年の4月はじめの「ひとこと」で、鏡を3枚直角に合わせたタイプの錐体鏡をいくつかご覧いただきましたが、3枚ではなく6枚にして、立方体の内部を全て鏡にしてみたら多面体が無限に広がっているイメージが得られるはずです。そんな画像を作ってみました。まず今日は菱形を1つ入れてみます。

菱形
図 1

 図1のちょっと細長い直方体は、底面が正方形、高さが底面の√2倍のものです。この直方体の内側を全て鏡にして、赤で示した菱形を入れ、菱形の中心方向をまっすぐに見ると、下の図2のような画像が得られます。

菱形十二面体の連続パターン
図 2

 縮小してしまうとイメージがわかりにくいのですが、菱形十二面体がずっと連なっている様子がご覧頂けるでしょうか? わかりやすいように、正面に見えている菱形十二面体を赤でなぞってみました。

菱形十二面体の連続パターン
図 3

 菱形十二面体が空間を充填するというのは有名ですが、その様子を実際に「見た」経験のある方はそれほど多くないのではないかと思います。錐体鏡もそうですけれども、このように無限に続く格子パターンをコンピュータで簡単に描く方法として、鏡を利用するというのはお勧めです。

 例によってこのページの分室の方にこの画像の大きなサイズのものを載せてみました。大きな画像ですと大変美しいと思います。ぜひご覧下さい。(より正確に言うと、この画像はずっと以前に作ってあったのですが、サイズが大きなものをご覧頂かないと面白くないので、ご紹介を諦めていました。分室を作ったので日の目を見ることになりました。)

 <おまけのひとこと>
 私の住んでいる場所は観光地に近いため、この季節は道路がとても混雑して大変です。昨日ちょっと車で出かけたら、割と狭い道を大きなバスが通っていました。急カーブのガードレールのぎりぎりを通ってゆくので、さすがにプロは上手だな、でもいくらなんでも余裕が3cmくらいしかないんじゃないかと思っていたら、いくつか目のガードレールで「がりっ」と車体をこすっていました。 私も昔1.5tくらいの小型トラックを運転していたことがあるのですが、バスやトラックというのは車体が四角いため、ミラーを有効に使えば車幅の見切りが意外と簡単です。





7月29日(月) 立体万華鏡:切頂八面体

 昨日に続いて、立方体の中に簡単な図形を入れて、空間を充填する骨格モデルの画像を作る話です。今日は立方体の中に六角形を入れてみます(図1)。

六角形と立方体
図 1

 立方体の各稜の中点を図のように結んでゆくと正6角形の切り口が現れるというのは有名です。これを3枚の鏡に映すと切頂八面体になるという話を今年の4月8日のひとことでご覧頂きました。今日はさらに6面全部を鏡にしてみました。

切頂八面体の連続パターン
図 2

 図2は、切頂八面体の六角形の面の方向を見たものです。画面の左上隅と右上隅の角を切り取るように、太い白い棒が斜めに通っていますが、これが最初に配置した6角形のうちの2辺です。あとの4辺は直接は見えておらず、すべて何回か鏡に反射した像です。

切頂八面体の連続パターン
図 3

 今日も充填単位である切頂八面体を赤でなぞってみました。図2、図3を見比べてみてください。

 今日もこのページの分室の方にこの画像の大きなサイズのものを載せてみました。なお、鏡の反射率をもっと高く設定すると、もっとずっと遠くまでぎっしり詰まった画像が得られます。それはそれでとてもおもしろいです。(ちょっと気持ちが悪いという感想になるかもしれません。) また視点を一般的な視点に変えても面白いです。そういった画像をご覧になりたいというご希望があったらご連絡下さい。

 <おまけのひとこと>
 昨日は私が住んでいる地区の自治会の組対抗の野球・バレーボール大会がありました。300戸弱が10組に分かれており、私のうちは26戸の組に属しています。(一番戸数の少ない組は11戸しかないのに、ちゃんと野球のチームを成立させていて偉いです。)幸いにして真剣に勝ちに行くような人がいない組であったため、気楽にみんなで参加しようということで、私も1回だけセンターを守りました。打順は運良く回ってきませんでした(笑)。10チームでトーナメントをやるので、全部で9試合あったのですが、そのうち自分の出た3試合目と、おとなりの組の4試合目を応援してきました。朝9時から12時くらいまで炎天下にいて、腕が真っ赤に日焼けしてしまいました。 あ、もちろん試合は初戦で負けました。 午後は仕事があって、せっかくの慰労会に参加できませんでした。





7月30日(火) 立体万華鏡:正四面体

 今日はちょっと趣向を変えて、立方体の頂点のうちの半数を結んでできる正四面体を鏡の立方体の中に入れてみました。

立方体と正四面体
図 1

 このようにしてみると、正四面体の4つの面それぞれが延長されて、4種類の向きの平行な三角格子の平面が無限に広がっているのがわかります。

切頂八面体の連続パターン
図 2

 例によってこのページの分室の方にこの画像の大きなサイズのものを載せてあります。この小さな画像ではよくわかりませんが、大きな画像はきれいです。(と思います。サイズも大きいですが。)

 昨日、10チームでトーナメント試合をしたら全部で9試合という話を書きましたが、参加チーム数とトーナメントの総試合数の関係がどうなっているか、ご存知でしょうか? 例えば49チームなら全48試合、16チームなら15試合、27チームなら26試合、という具合になっています。

 <おまけのひとこと>
 暑い日が続いています。私は山に住んでいるので、夜は窓を開けると寒いのですが、閉め切っていると暑くて厄介です。 そのせいで毎晩夜中に目が覚めるので、子供部屋を換気したりしながら、ブロックや紙で多面体を作ったり、コンピュータで画像を作ったりしています。おかげで若干睡眠不足ぎみですが、また新しくここに書きたい話題のストックがたくさんできました。





7月31日(水) 平面多角形リングモデル:20・12面体

 7月中ごろくらいに、正6角形の輪っか4枚に切りこみを入れて組み合わせた立体のモデルをいくつかご紹介しました。そのときに、この設計手法は思いのほか面白かったので他の立体も作ってみたいと書いておいたかと思います。最近夜眠れない時間などに少しずつ作ってみたものが、気がついたら10個くらいになっていました。今日からいくつかご紹介したいと思います。

 リングを組み合わせた多面体骨格ということで最初に思いつくのは正八面体です。下の図は、正八面体を赤・青・黄色の3つの正方形のリングで組むイメージを示したものです。これだと非常に易しいです。が、あんまりおもしろくありません。

正八面体
正八面体を3つの正方形のリングで組む方法

 というわけで最初に作ったのは20・12面体でした。これは正十二面体と正二十面体のあいのこのような形です。正10角形のリングを6本組み合わせて作りました。写真1が一般的な視点から見たところ、写真2が正5角形の方向から見たところ、写真3が正3角形の方向から見たところです。

20・12面体:一般的な視点 20・12面体:5角形の面から見た 20・12面体:3角形の面から見た
写真 1 写真 2 写真 3

 このタイプのモデルは、リングが内側か外側かによって、切り欠きの内外が異なります。モデル作成のステップは

  • デザインを夢想(妄想?)する
  • 設計する
  • 印刷する
  • カッターナイフで切り抜く
  • 組み立てる
  •  という手順を踏みます。このうち、デザインを考えるのと組み立てるのが一番楽しくて、設計はその次、一番つらいのがパーツを切り抜く作業です。 このくらいのモデルで、設計開始から完成までで1時間くらいです。 設計で一番気を遣うのは切り欠きの角度と、どのパーツのどこが外側/内側になるのかを考える点です。 このモデルは全部のパーツが異なるため、組む順番が決まっていますし、組み方にも制限があります。 設計するのも組むのも割と面白いパズルになるんじゃないかと思います。

     逆に、自分が設計しているので組むのは簡単ですが、型紙だけを見て組むのはちょっと大変かもしれません。ということでこのシリーズは型紙を載せようか迷っています。欲しい方がいらしたらご連絡下さい。

     <おまけのひとこと>
     画像のフォーマットでjpeg(ジェーペグ)というのがあります。自然画などを効率的に圧縮してくれるもので、ディジタルカメラなどでも標準的に使われていますし、Webの画像も多くはjpegだと思います。これまで、このjpegは特許の問題はないと言われていました。

     gifという画像フォーマットもあって、こちらは特許権を主張している会社(アメリカのunisysという会社)があって、正式にunisysに gifを使うためのライセンス費用を支払ったソフトを使わないと、gifの画像をwebなどで公開している管理者に対して最低5000ドル(60万円くらい?)以上のお金を請求すると言っています。そのため「gifは危険、jpegはOK」という話をよく聞きました。

     ところが最近、このjpegに関しても特許権を主張する会社が現れました。 しかもこの会社は自分のところで特許を出願したわけではなくて、外部から特許権を買い取って、それを使って高額の特許使用料の請求を多くの会社に対して始めたようです。 こういった商売のやり方を「パテント・マフィア」などと呼びます。 法律というルールに従った完全に合法的な行為なのですが、特許というのも難しいなと思います。

     個人でこのようなサイトを公開している身にとっては、gifのようにエンドユーザに対して請求が来る可能性があるのかどうかが気になります。




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