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田園と渓谷美の路線 第2回

(07年7月の旅)

本巣駅での列車交換

田園風景をのんびりと

   大垣の市街地はすぐに終わり、あとはのどかな田園風景が続く。どこか、昨年さよなら乗車をしたくりはら田園鉄道にも似ている。のどかであるということは、乗降客も少ないということに結びつく。平々凡々な風景だが、なぜか退屈することはない。駅間も近いのですこし走ってすぐに駅に着くという感じを繰り返していた。北方真桑駅では、女子中学生の一人が定期券をどこにしまったのか忘れ、あたふたするというハプニングもあったが、運転士は「ゆっくり探せ」と落ち着いたものであった。ローカル線ならではのほんわかした光景であった。

 さて、日本最大級のモール・モレラ岐阜に直結させたというそのものずばりの「モレラ岐阜駅」に着く。確かに100メートルほど先に巨大なショッピングモールが見える。ただし、駅とは背を向けているような感じであり、せめて看板くらいは出してほしいものである。この駅では数人の降車客があったのでそれなりに利用されているようだが、決定的な乗客増には結びついていないような気もした。

 そうこうしているうちに本巣駅に到着。ここで全員が下車をした。私のほかに同類の方も2人ほどいたが、地元乗客は少ないようである。本巣駅は樽見鉄道最大のターミナル駅で、鉄道の車両基地もある。後で調べると、この駅から多くの貨物列車が走っていたそうであるが、今は広い構内がかえってもの寂しさを感じさせた。

 次に乗る列車は20数分後に本巣駅に到着する。しばらくは駅の待合室にいようかと思っているところに、駅員から「樽見方面に行く方、列車が入ります」との呼びかけがあった。すると、さきほどまで乗ってきたモレラ号が車両基地には入らず、そのまま向かい側に入線してきたのである。「だったら、そのまま乗せっ放しにしてくれればいいのに」とも思ったが、このあたりが列車運用のアヤなのであろう。したがって、先ほど同様に最後部の座席に陣取ることになった。ちなみに大垣から樽見行としてやってくる列車は、乗客が本巣駅で乗り換えをさせられることになるのである。

 樽見行列車からの乗り換え客は親子連れら10人ほど。あわせて20人程度の乗客で少しにぎやかになる。レジャーにはちょうどいい列車のようだが、逆に平日昼間はどの程度乗っているのかを心配してしまう。そんなこんなで本巣駅を出発する。
 

(つづく)
徐々に渓谷沿いを走ります