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海のローカル線に乗る(12年ぶり乗車) 第3回

(05年4月の旅)

深浦海岸(艫作付近)

日本屈指の車窓・深浦海岸

  続く「艫作駅(へなし)」は難読駅として、前回も興味深く見せてもらった。この駅からは黄金崎不老不死温泉という温泉宿へ行くことができる。いつかは訪れたいと思っているが、二度目の今回も通過ということになってしまった。

 列車は比較的高いところを走り、景観は次々と様変わりする。断崖を見せたかと思うと、段々畑の先の大海原、砂浜海岸、そして横磯−深浦の荒々しい岩礁海岸。とにかく圧倒されてしまう。あの最初の乗車から12年、さまざまな路線を乗ってきたが、五能線はまぎれもなく日本屈指、いや海岸風景ということだけで言えば、日本一の路線といっても過言ではない。

 そして、五能線最大のターミナル駅・深浦に到着。ここで半数近い乗降客の入れ替えがあった。この深浦もまたまた通過のみということになってしまったが、いずれ時期を改めて訪れたときにはぜひとも宿泊の拠点としたいものである。海の幸なども美味そうだし、歴史的にも面白いものが発見できそうな感じがする。

深浦海岸(広戸付近)

 深浦−広戸はもうひとつのハイライトといってもいい。行合崎のすごい海岸線が眺められるのである。今までの岩礁とは違い、ここは茶褐色をしている。津軽西海岸のなかでもここだけでしか見られない。どうしてそうなっているのかは定かではない。やはり深浦に泊まったときに博物館などで調べてみないといけない。

 海沿いの駅・広戸からはずっと海に沿って走る。区間のなかでもひときわ海沿いということになり、すぐ真下にテトラポットが見えるという場所さえもある。波が高ければ、しぶきが列車に飛び散るということもあるという。真冬の吹雪のなかでの車窓はどんなものなのだろうか、という想像もかりたててくれる。そうしたなか、少し開けたところに流れる大河(五能線沿線では、という意味で)の追良瀬川を渡り、追良瀬駅に到着。さらに列車は短いトンネルをいくつか通りながら、次の駅へと向かう。
 

(つづく)
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