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海のローカル線に乗る 第3回

(93年5月の旅)

駅名板

豪快、千畳敷

 驫木駅から鰺ヶ沢方面に戻ること3駅。西津軽の名勝である千畳敷にやってきた。その名も千畳敷という駅を下りると、目の前に広大な岩浜が広がっている。もともとこの千畳敷駅は夏場用の臨時停車場だったらしいが、今では正規の駅として認知されている。

 千畳敷にたたずんでみて、とにかくその広さにびっくりした。まさしく畳100帖分、いやそれ以上の広さはある。ごつごつした岩場の向こうには、青く澄んだ海がよく見える。この千畳敷には、ところどころに波しぶきを吹き上げるポイントがあった。注意していないと、しぶきを引っ掛けられるが、とにかくその勢いはすさまじく、波の音とともに高いものだと、高さ数メートルまで白いしぶきが上がる。これもまたすごい景観だ。

 日本海は荒波の太平洋に比べれば、たしかに波静かな海ではあるが、それでもやっぱり波の勢いというのは想像を超えるスケール。ほかには何にもないところだが、海をながめ、岩場の広さを見るだけで、ここは何時間いても決して飽きることのない場所である。

 そうは言うものの、次のスケジュールもあるので、私は約1時間後にやってくる列車で再び東能代方面へと向かう。千畳敷周辺には何軒か土産屋があり、軒先につるされていた干しイカを焼いてくれるようであったが、残念ながら時間がなくて今回はパス。とても旨そうだっただけに、ちょっと残念な気もした。

豪快な千畳敷海岸はこちら

(つづく)
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