以前の「ひとこと」 : 2021年11月後半
それぞれの日の記事へのリンクです
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11月16日(火) 「ルパート王子の立方体」の一般化、あやとり「折り鶴」、他
11月後半です。
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昨日まで、「立方体に自分自身が通り抜けられる穴をあけられるか?」という「ルパート王子の立方体」の問題の話をしてきました。今回この話題を書き始めたのは、arXiv のCubes and Boxes have Rupert's passages in every direction(Andras Bezdek, Zhenyue Guan, Mihaly Hujter, Antal Joos:2021)という論文を見たのがきっかけでした。
この論文の冒頭に、ルパート王子の立方体の問題を一般化する問いが出てきます。「自分自身が通り抜けられる穴をあけられる性質」をルパート性(Rupert)と呼ぶことにすると、
- どんな立体がルパート性を持つのか?
- ルパート性を持つ立体があったとき、通り抜けるほうの立体の相似比をどれだけ大きくできるか?
という2つの方向の検討がされているそうです。自然な発展だと思います。2つ目の問いは、ルパート王子がこの問いを発してからおおよそ一世紀後に P.Nieuwland(1764-1794) が立方体に関して調べているそうで、(日本語の定訳がわからないので適当に書きますが)Nieuwland's passage problem (ニューランドの通過問題) と呼ばれ、最大の相似比のことを Nieuwland's constant (ニューランド定数)と呼ぶそうです。
上記の論文から、立方体以外の正多面体
について、ルパート性を持つこと(ニューランドの通過問題に解があること)と、それぞれのニューランド定数を調べた論文が参照されていました。Platonic Passages(「プラトン多面体の通路」Richard P.Jerrard, John E.Wetzel, Liping Yuan:2017)です。冒頭にまとめられているニューランド定数の近似値の一覧を引用させていただきます。
“Platonic Passages” Table.1 立方体と正八面体は対称性が同じ仲間なので、値も同じなのですね。これは自分でも挑戦してみたくなりました。それ以外の3つのプラトン多面体は、理論上は可能ということはわかりますが、CGを作ったり模型を作ったりするには余裕がなさすぎる感じがします。
この論文に出会うことができて良かったです。
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以前から取ってみたかった前川淳さんの創作あやとり 折り鶴(MAEKAWA Jun (c) 1981) がようやく取れました。(リンク先はあやとり協会(日本)の 「折り鶴」の取り方 です。)
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sf211116-1
折り鶴 MAEKAWA Jun (c) 1981このあやとり、難しいのです。石野さんのサイトの折り鶴 にも紹介されているのですが、恥ずかしながらどちらのサイトの説明をみてもこれまでうまく取れなかったのです。
あやとり協会の会報「あやとり No.7」(1981年6月) に前川さんご自身の描いた図と説明が載っていて、それを見て初めて取れました。前川さんの図は簡潔でわかりやすくて素晴らしいです。
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先日ちょっと書いた、「四段ばしご」の最後の手順の呼び名に関して、あやとり協会のあやとりトピックスのNo.214 オーセージ展開 に顛末と解説を書いていただきました。「はしご展開(HASHIGO Extension)」が広まるといいなあと思っています。
<おまけのひとこと>
今日は終日リモート会議なのですが、予定が3つ重複してしまっている時間帯があって困っています。2つまでなら別々のデバイスから接続して、なんとなく雰囲気を掴んで、必要に応じて発言して、ということをやることもあるのですが(定例会が火曜日というものがあるので、月に1度くらいはそういうことがあります)、今日はそこに3つ目がスケジュールされてしまって、これは聴くだけなのですが、絶対聴いておかないとまずいものなので、どうしたものかと思っています。録画して配信してくれるといいのですが。
11月17日(水) 簡単なカード折り(その1)、創作あやとり「AA」、他
簡単な折り紙の話と創作あやとりができた話です。
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最近、グリーティングカードをこんな風に折るというアイディアを見かけて、手元にあった紙で折ってみました。こんな風に折り筋をつけて、
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こんな風に畳みます。
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ミウラ折りのちょっと小さい特殊バージョンといった感じです。元祖ミウラ折りは畳まれた状態の輪郭線があまりきれいにならないのですが、これはもともとの紙を3等分した長方形の輪郭になります。
簡単ですのでちょっと試してみることをお勧めします。(ちなみに使った紙は最近買ったブルーバックスに挟まっていた「新刊案内」でした。)
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「7つのダイヤモンド」というあやとりは、人差し指の構えから、小指の輪を人差し指の輪を通して親指に移します。これに続いて親指の輪を小指に移したらどうなるだろう、と思っていろいろなパターンを試してみたのです。そうしたら偶然こんなあやとりができました。“AA” と名付けてみました。
ボールド体(太字)のアルファベットの大文字の A が2つ並んでいる感じになったので、AA と名付けました。
カロリン展開で終わっているので、AAから「二本指の終了処理」をしてみました。
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hh211117-2 うーむ、これは素直にカロリン展開のほうがいいかな。
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YouTubeでMusic on a Clear Moebius Stripという動画を見ました。
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バッハのとある曲の2声の音楽の構造が、上下反転して時間方向にシフトしたものになっていることから、透明なメビウスの輪に楽譜が記されていると解釈できることを説明している動画で、とても面白いのです。部屋の中の様子がまた素敵で、乱雑に本が積まれた本棚、弦楽器の弓がのっている譜面台、手書き風の数字がちりばめられたデザインのシャツなど、いいなあと思いました。
<おまけのひとこと>
午前3時前に地震がありました。神奈川県が震源で、私のところは震度1くらいでしたが、夜中だったのでよくわかってちょっと驚きました。
11月18日(木) 折り紙の立体折り、あやとり、他
折り紙の立体折りの話とあやとりの話です。
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周期的に立体ができる折り紙の折り方を試してみました。こんなパターンができます。
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裏返すとこんな感じです。
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こんな折り筋を入れています。
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正方形の折り紙の縦横を8等分する格子を基準に折っています。この立方体を2x2の4個作ろうとすると縦横を16等分する格子を基準とすることになって、大変そうだなと思っていったんやめています。
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パターンの変化の研究です。「エイト展開」の後で「焼け焦げた葉のククイの終了処理」をしてみたのですが、オープニング(開始処理)で、「8888」みたいに中指の輪を交換してみたり、「パルサー」みたいに半回転ひねってから中指の輪を交換してみたりするとどう変化するのか、比べてみました。
図形中央部分の交差が絡み(折り返し)に変化しています。それだけでけっこう印象が変わります。
<おまけのひとこと>
11月22日(月)は飛び石連休の谷間なので、私より一回り以上若い上司の部長さんが部門のメンバーに気遣って、有給休暇を取りたい人が取りやすいように、その日に計画されていた原則職場全員が参加する定例会を延期しましょう、と指示を出してくれました。密かにここで休みたいと思っていたので喜んでいたのですが、その予定が空いたとたんに別の予定が入ってしまって、休めなくなりました。うーむ…
11月19日(金) 簡単なカード折り(その2)、あやとり
折り紙の話とあやとりの話です。
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こんなものを折ってみました。
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こんな風に、普通の15cm角の折り紙の縁を1cmずつ折ったものを上下に2等分、左右に3等分になるように谷折りして、斜めにも山折りします。
最初、縁を折らずに2等分・3等分して折ったら、当然ながら正六角形になりませんでした(上の図のピンクの格子模様の折り紙)。計算してみると、1対√3になるためには、縦15cmに対して横が12.99…cmにすればよいということがわかったので、ちょうど1cmずつ折れば都合が良いことがわかりました。1cmの幅で折ったり、三等分したりするのは、格子の目盛りが印刷されたカッティングマットを使うと便利です。
開いたところはこんな感じです。
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数理科学 No.199(1980年1月)に掲載された、初期のあやとり協会の宍戸行夫さんの記事“ナウルの「船体」・エスキモーの「階段」” を見て、あいまいだった「階段」の手順が理解できました。それがわかったので、よく似た手順の「山並み」も取ってみました。
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階段 山並み きれいに取るのはなかなかむつかしいです。それにしても初期のあやとり協会の文献、面白いものがたくさんあります。
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先日ご紹介した宍戸行夫さんの「八角星」を、少し短い糸でピンと張らずに取ってみました。
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まるで印象が変わってリースみたいになりました。
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通勤に使っている車は2015年の6月に購入したもので、半年ごとにディーラーで点検してもらっています。いつも、11月中旬くらいに早めに点検してもらって、そのタイミングで夏タイヤから冬タイヤに交換してもらっています。(点検でどうせタイヤは外すので、都合が良いのです。)
ところが今年は私がぐずぐずしていて予約を取り損ねていて、点検は12月になってしまいました。11月下旬には雪が降ったり道路が凍結したりする可能性があるので、点検とは別にタイヤ交換をしなければならなくなりました。
どうしようか、久しぶりに自分でやるか、面倒だなと思っていたら、先週、通勤途上のサービスエリアのガソリンスタンドでこんな看板を見かけました。
タイヤ交換の工賃が1本100円、なんだか申し訳ないくらい安いです。ここにお願いしてみようかなと思って、昨日の朝、タイヤを車に積んで家を出て、サービスエリアのスタンドに寄ってガソリン満タンをお願いしつつ、タイヤ交換をしてもらってきました。出社はいつもより30分くらい遅くなりましたが(それでもいつも定刻より2時間近く早く出社しているのでほとんどの人よりずっと早いですが)、無事タイヤ交換してもらって一安心です。
<おまけのひとこと>
今日は鉄道で移動する時間があります。その時間にリモート会議に参加する予定です(といっても聴くだけですが)。移動中でもそういうところに参加できるというのは凄いことだとは思うのですが、参加できてしまうというのが良いことなのかというと、ちょっと微妙な感じもします。
11月20日(土) 数独の手筋、あやとり
ペンシルパズルの話とあやとりの話です。
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数独というパズルが好きで、タブレット端末でよく解いてみています。難易度が高くて、かつ試行錯誤が必要ない問題が好きなのですが、なかなかそういう「良い問題」には出会えません。昨日、鉄道で移動中にちょっと遊んでみた問題で、珍しくこんな手筋が出てきました。
標準的な数独には3x3のブロックが9つありますが、そのうち5か所で数字の4が決まって、残りの4ブロックのうち、4が入る可能性があるマスがいずれもL字型の3マスになっていました(図1)。
図 1 仮に、L字型の角にあたるマス(図2の黄色いマス)が正しいとすると、そこに隣接する右側と下側のブロックの4は一意に決まります。ところがそうすると、右下のブロックで4が入る場所がなくなってしまうのです。
図 2 ということは、図2の黄色いマスに4を入れたらダメ、ということです。それ以外の3つのブロックのL字型の角の4も同様なことが起こります。(L字の向きが重要です。)
結局、この4つのブロックに入る4の位置は、下の図3の青文字の場合か赤文字の場合か、いずれかしかあり得ない、ということがわかります。
図 3 L字型の角の4を消した結果、そのマスに入る数字が確定したおかげでその問題を試行錯誤(仮置き)なしで解くことができたのでした。まあ上記の例も「仮置きしているじゃないか!」と思われるかもしれませんが、このくらいならばまだ、試行錯誤というよりは手筋(テクニック)と言っても良いレベルかなあと思います。
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あやとり協会の会報「あやとり No.11」(1984年11月) の宍戸行夫さんの「あやとりマンダラ(5)」の「8つのダイヤモンド」を取ってみました。
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「8つのダイヤモンド」途中 「8つのダイヤモンド」 SHISHIDO yukio 1981 このパターンは素敵ですが、「8つのダイヤモンド」というよりも、上下に2つの「3段ばしご」と呼びたくなります。手順も独特です。図がないと開始処理の説明が難しいので(宍戸さんも図を使って説明しています)、取り方は書きません。
ちょうど2週間前に、上下に2つの「2段ばしご」というのをご紹介していました。これは宍戸さんの「8つのダイヤモンド」の存在を知らない頃に考案したものなのですが、完全に同じ系列の作品になっていました。取り方の手順は全く違いますが、最後に親指・小指にかかる二重の輪のうち斜めに走る糸のほうを外周の糸の上になるようにナバホ取りするところは同じです。
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hh211106-1(再掲) hh211106-2(再掲) 宍戸さんの2行3列の「はしご」、かっこいいいなあと思います。
<おまけのひとこと>
今日・明日はパナソニックセンター東京の「AkeruE」でワークショップです。2年ぶりです。定員はいつもの半分以下ですが、楽しんでいただけるといいなと思っています。
11月21日(日) ペントミノで月の略称パズル、あやとり
ペントミノを使ったパズルの話とあやとりの話です。
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こんなパズルを考えてみました。英語の月名表示はアルファベット3文字の略称が決まっています。Jan, Feb, Mar, Apl, May, Jun, Jul, Aug, Sep, Oct, Nov, Dec です。この略称に現れるアルファベットの種類は19種類です。9x7=63マスに19のアルファベットを適当に配置して、残りの60マスをペントミノ1セット(5×12=60)で埋める、というパズルです。
これは解はたくさんあるだろうなと思ったのですが、解がないといけないので、12か月分の解があることを確かめました。(下の画像をクリックすると別窓で拡大表示します。)
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一番少ない月(11月)でも500パターン以上、ほとんどの月では数千パターンの解がありました。
どうせならアルファベット26文字全部を配置すればよかったかな、とか、全てのマスに何らかのアルファベットを配置しておけば、任意のアルファベット三文字(ただし3文字とも同じアルファベットが作れるものは限られる)が作れるのかな、とか思いました。
全員が同じパズルセットを持って、「よーいドン」で一斉にパズルを始めて、ペントミノの12ピースを全部入れたら「できた!」と宣言して、出来た3文字が何の略称なのかを言えたら勝ち、(説明できない3文字だったら「できた」宣言してはいけない)みたいなゲームができるかも、と思いました。
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「あやとり No.7」(1981年6月)の「からみのあるアパッチドア(続)・・・佐藤哲生」に余談のように紹介されている正(?)八角形というあやとりを取ってみました。紹介されている手順とは違いますが、結果は同じです。
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正(?)八角形
(c). SATO Tetsuo 1981
- ナウルの太陽
- 親指・小指の内側の糸を取り合う
- 人差し指の輪を外して整える
この時代のあやとり協会の会報は、図もテキストもすべて手書きなのです。半年に1回刊行されているのですが、ものすごい労力です。それだけの労力をかけてでも公開したいというのも頷ける、すばらしい内容なのです。もっと日の目を見てほしいと思います。
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なんとなくこんなあやとりを取ってみました。
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- 人差し指の構え
- 7つのダイヤモンドの逆展開
もしくは焼け焦げた葉のククイの処理![]()
- DTF拡張処理(二重の2本指→4本指)
- 親指の斜めの糸の輪を人差し指に移す
- 小指の斜めの糸の輪を薬指に移す
- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
このあやとり、自分で残している取り方の手順の記録が間違っていて、ちょっとあせりました。取り直してみて間違いが分かったので正しく修正しました。記録、だいじです。
<おまけのひとこと>
今日はパナソニックセンターのワークショップの2日目です。昨日ご来場くださった皆様ありがとうございました。(来てくださった方でここを読まれる方はいらっしゃらないと思いますが。) 昨日は午前中はちょっと少なかったのですが、午後は盛況でした。今日はどうでしょうか。
11月22日(月) パナソニックセンター東京、あやとり
パナソニックセンター東京の写真と、あやとりの写真です。(写真はいずれもクリックすると拡大します。)
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11月20日(土)、21日(日)にパナソニックセンター東京でワークショップをやらせていただきました。会場はエントランスホールの吹き抜けに作っていただきました。
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上の写真の右側に、段ボールの立体が見えています。オリンピックやパラリンピックの写真が大きく貼られています。
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この立体がとてもかっこいいのです。
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分厚い段ボールで作られています。美しいかたちです。なんだか選りすぐりの庭石みたいです。
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奥の応接会議室のような部屋を控室として使わせていただいたのですが、その入り口の受付のカウンターが素敵でした。天吊りの照明器具の高さや向きがランダムになっているところもいいです。
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これ、デザインするのも作るのも大変だろうなと思いました。
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今回は向かいのホテルの7階の部屋でした。とっても楽でした。
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ワークショップ、2日目の日曜日はおかげさまで盛況でした。
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丘と2つの沼というイヌイットのあやとりがあります。
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丘と2つの沼
これを取ってみて、なんとなく創作あやとりのバランス((c).1988 Felix Mindt-Paturi) を連想しました。
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バランス 「バランス」、不思議な作品です。
<おまけのひとこと>
今日は仕事です。明日の祝日を楽しみにがんばります。
11月23日(火) 幾何の問題、タイルパターン、あやとり
幾何の問題のご紹介と駅のホームのタイルの話とあやとりの話です。
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半径が1の半球のドームがあります。そのドームにぴったり内接する立方体を考えます。
このとき、立方体の1辺の長さはいくつでしょうか?
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さらに、立方体の上の面の中心と、下の頂点を結んだ直線(下図の赤い線)を考えます。
この直線の長さはいくつでしょうか?
2つの問いのうちどちらを先に考えるのがよいでしょうか?
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パナソニックセンター東京の AkeruE のワークショップのために東京に行きました。いつも新宿から埼京線で大崎まで行って、りんかい線に乗ります。国際展示場駅の乗り越し精算が混雑しそうなときには、りんかい線直通の埼京線に乗っていたとしても、敢えて大崎駅で一度改札の外に出て、ICカードで入場し直したりしています。
今回は到着が夜なので、直通列車があればそれに乗ろうと思っていました。ところが恵比寿だったかで人身事故があったそうで運転を見合わせているとのことです。そこで中央線で東京に出て、新橋から「ゆりかもめ」に乗ることにしました。思い立って東京ではなく神田で山手線(もしくは京浜東北線)に乗り換えることにしました。
神田で列車から降りて足元を見たら、ホームの床のタイリングパターンが見たことが無いものでした。
これはおもしろいです。びっくりしました。JR神田駅を利用する機会がある方は、気にしてみて下さい。
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終了処理「エイト展開」の研究です。ダブルハートの処理からエイト展開してみました。
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- ダブルハートの処理
- エイト展開
これだと左右のかたちはあんまり8の字に見えません。
上下に小さい太陽からもエイト展開してみました。
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- 上下に小さい太陽
- エイト展開
こちらのほうが射影図が上下にも対称性があるかたちになりました。両側のかたちはなんだかはさみの持ち手の部分みたいです。
<おまけのひとこと>
何年かに一度くらいの頻度なのですが、疲れがたまったときに視野の中にチラチラする領域が現れて、ぼんやりと頭と目の奥が痛くなる、という症状が出ることがあります。昨日の朝会社に行ったらその症状が出て、困ったなと思いました。初めてこの症状を自覚したのは中学の確か2年生のときの体育の剣道の授業の途中でした。その時は視野全体が万華鏡のようにキラキラした感じになって、視野内のものが認識できなくなりました。「見えない」というのとは違いました。その旨申し出て、その授業の間は剣道場の隅で座っていたら治りました。
その後、ときどきそういうことが起こるのですが、大抵は視野の一部で、中心視野からすこしだけ外れたあたりの全体の1割〜2割くらいにその症状が出ます。昨日は(視野が時計の文字盤だとすると)10時のあたりに出ました。眼鏡に油汚れが飛んだときのような、ちょっと虹色のパターンが見えるのです。(もちろん最初は眼鏡の汚れを疑うのですが、裸眼でも同じように見えるので眼鏡ではなく目から脳の経路のどこかの問題です。)
症状が長引いたら帰りの車の運転(高速道路を含め1時間)が嫌だなあと思っていたのですが、午後には気にならなくなりました。自分の身体をいたわって、長持ちするようにしないといけないかなあと思いました。
11月24日(水) 幾何の問題の類題、あやとり
昨日の幾何の問題の続きの話と、あやとりの話です。
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昨日、半球に内接する立方体(半球の底面を立方体の1つの面が共有しており、残りの4点が球面上にある立方体)の寸法についての問題をご紹介しました。下の図の赤い線の長さは球の半径1に対してどのくらいでしょう? という問題でした。
これは、こちらの図(別窓で開きます)を見ていただくと、答がすぐにわかると思います。
昔見たことがある、こんな平面図形の問題を思い出しました。
3,4,5 の直角三角形があって、その直角三角形で決まる長方形の頂点を通る円を描いたとき、その円の半径は? という問題です。どこがどう似ているかの解説はしなくてもいいですよね。
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あやとり協会会報「あやとり No.8(1981年11月)」の宍戸行夫さんの記事「あやとりマンダラ(2)」より、2つの五角星です。
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「2つの五角星」
(c).SHISHIDO Yukio 1981宍戸さんの名作「七夕」を連想します。「七夕」は図形中心の2つの五角星の頂点が合わさるところは「絡み」(折り返し)になっていますが、この「2つの五角星」では交差になっています。
<おまけのひとこと>
先週末はワークショップで東京に行っていたのですが、ちょうど全く同じタイミングで娘が自宅(実家)に遊びに来ていました。会えなくて残念でした。
11月25日(木) 幾何の問題、あやとり
幾何の問題とあやとりの話です。
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こんな問題をみかけました。正方形の1辺を半径とする4分の1円(赤線)を描いて、その円弧を三等分します。図のようにその円弧の内分点2点を通ってもとの正方形の辺と平行な直線によってできる小さな正方形を考えたとき、その小さな正方形の1辺の長さは? という問題です。
一瞬でわかる問題なはずなのに、ちょっとだけ考えてしまいました。
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あやとり協会会報「あやとり No.8(1981年11月)」の宍戸行夫さんの記事「あやとりマンダラ(2)」より、2つの六角星です。
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「2つの六角星」
(c).SHISHIDO Yukio 1981これにちょっと似た、こんな応用をやってみました。
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- 中指の構え
- 左右の中指の輪を交換する
- エイト展開(1回目)
最後、人差し指は外さず中指に移す- エイト展開(2回目)
これはこれで面白いなと思いました。
<おまけのひとこと>
あまり体調がすぐれないので簡単な更新です。
11月26日(金) 幾何の問題、あやとり、他
幾何の問題とあやとりの話です。
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昨日、こんな問題をご紹介して、すぐわかるはずなのにちょっと考えてしまいました、ということを書きました。
折り紙で 30° - 60° 系の角度を折り出すときに使われるこんな手順があります。
一目瞭然でした。
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先月、「9つのダイヤモンド」からの派生を試してみたことがありました。その別バージョンです。
最後の終了処理の直前の、内側の指(人差し指と薬指)のひねり方を変えてみました(左は1回転ひねっていて、右はひねらない)。 ここは間を取って半回転ひねるのが美しいかもしれないなあと思いました。
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「あやとり会」に行ったとき、小田急線の参宮橋駅を利用しました。ホームの屋根(ひさし)の垂木が木製で素敵でした。
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小田急「参宮橋」駅ホームの垂木
2021年11月6日多摩産材が使われている、というポスターが貼られていました。駅の反対側の小さな改札を利用したため、格子天井は見ませんでした。残念。
<おまけのひとこと>
年末になって、ぽつりぽつりと喪中はがきが届きます。2か月くらいの間にご両親が相次いでお亡くなりになった(3月に御母様が90歳で、5月に御父様が94歳で亡くなられた)、という葉書をいただきました。いろいろなことを思いました。
私の車に次いで、妻の車のタイヤも冬タイヤへの交換が済みました。今シーズンも2度ほど雪が舞うのを見ました。積もるほどではありませんでしたが、いよいよ長い冬の季節の到来です。
11月27日(土) 都道府県名で使われている漢字、あやとり
地名の話とあやとりの話です。
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INTERNATIONAL ( PUZZLE PARTY) AIRPORTS というパズルを見て、
INTERNATIONAL (PUZZLE PARTY) AIRPORTS A-Puzzle-A-Dayを連想しました。余談ですが今年の6月の父の日にもらったこのパズル、相変わらず毎日楽しみに解いています。
A-Puzzle-A-Day 実は先週ちょっとご紹介した月名パズルはここから連想したものだったのですが、そのときに最初に考えたのは、都道府県名で同じコンセプトのパズルがデザインできないだろうか、ということでした。
これを考えるにあたって、日本の47の都道府県で使われている漢字はいったい何種類あるんだろう? というところから検討を始めました。まずは47都道府県の名前のリストを検索して入手して、手作業で重複する漢字を消してゆく、という遊びをしてみました。その段階では75個の漢字が残りました。
答え合わせをしようと思って、「都道府県名で使われている漢字一覧」でgoogle検索してみたら、最初に出てきたのが都道府県名/水面下の協議折衝というページでした。このページには、複数回使われている漢字は「山、島、川、福、岡、長、宮、崎、賀、京、愛、知、城、奈」の14文字で、1回だけ使われている漢字が57文字、と書かれています。
とすると、私は4文字も余計に残してしまっているということになります。複数回使われている漢字を確かめてみると、確かに見落としがありました。でも、結果として73文字までしか減らせません。
愛,井,茨,岡,沖,歌,賀,海,潟,岩, 岐,宮,京,玉,熊,群,形,庫,口,広, 香,高,根,佐,阪,崎,埼,三,山,児, 滋,鹿,取,手,秋,重,城,新,森,神, 青,静,石,千,川,大,知,長,鳥,田, 都,島,東,道,徳,栃,奈,縄,馬,媛, 富,阜,福,分,兵,北,本,木,野,葉, 梨,良,和,おかしいなあと思って上記のページを見ると、大分県の「分」の文字が見落とされているようです。確かめていませんが、もう1文字くらい見落としがありそうな感じです。おそらく手作業でこのリストを作られたのだろう、そのときに見落としがあったのだろうと想像しました。
この漢字73文字で都道府県の名前を作るパズルを何か考えてみようかと思ったのですが、まだおもしろいアイディアは浮かんでいません。
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こんなあやとりを取ってみました。2段ばしごからの発展です。
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hh211127-1
- 2段ばしご
- パターンを人差し指・薬指に移す
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 四隅の小さな輪の処理
- 全ての指を外側へ1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
改めてここに記載している取り方の手順を見ると、なんだか秘伝めいているなあと思います。
<おまけのひとこと>
このページの1日分を書くとそこで一段落してしまって、「あやとり」のサイトのほうに手を入れる気力がなくなります。基本手順を説明するページを作ったり、今まで作ったあやとりを分類したり、いろいろやりたいことはあるのですが。
11月28日(日) 不思議な展開図、あやとり
立体図形の展開図の話とあやとりの話です。
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最初に、昨日ご紹介した都道府県名で使われている漢字一覧について、いつも情報を下さるMさんからメールをいただきました。ありがとうございます。昨日ご紹介した都道府県名/水面下の協議折衝というページには2回以上使われている漢字が14種類挙げられていますが、もう1つ「大」という文字が大阪と大分で使われているものが書かれていないこと、それを考慮することで、全73文字になります、ということを教えていただきました。すばやく検証して下さってありがとうございます。別の方が検証して下さるというのは安心感が違います。ありがとうございました。
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とあるサイト(ロシア語のようでした)に、中国語で書かれた紙工作の本のスキャンイメージが公開されているのを偶然見かけました。(pinterestからリンクされていました。) 若干怪しさを感じたのでここにはリンクを張りませんが、その中の1ページにこんな展開図ともっともらしい完成写真が載っていたのです。(展開図は自分で描画し直しました。)
三角柱の展開図? これ、組み立てようとするとどうなるでしょう? 少なくとも辺の長さは合っているようです。
三角柱の完成形? 三角柱ならば上下の三角形の2面+側面の3面で五面体になるはずですが、これは五面体でしょうか?
(つづく) ○
9月ころに取って、説明図まで作ってあったあやとりをご紹介しそびれていたのに気が付いたので掲載したいと思います。
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hh211128-1a
- 上下に2つの8の字
- ひっかかる人差し指の構え
- ねむりん坊
- パターンを人差し指・薬指に移す
- 中央の8の字型の上下左右に膨らんだ部分に
下から親指・小指を1か所ずつに入れ、
その輪と外周の糸2本を親指・小指にかける- 人差し指・薬指を外す
- 親指・小指を二重ナバホ取りする
- 小指側の8の字の向こうの糸を人差し指で取る
- 親指側の8の字の手前の糸を薬指で取る
- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
このあやとりがちょっと面白いかなあと思ったのは、整え方を少し変えると下図のように2つの五角星が見えると思ったためです。
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hh211128-1b 2つの五角星? でも余計な線が多いですね。
<おまけのひとこと>
「正六角形に直線を1本描き加えて三角形を2つ作りなさい」というクイズ(?)を見かけました。真っ当な問題ではありません。正六角形は凸多角形ですから、直線と正六角形の関係は、共有点がゼロか、共有点が1つの頂点のみ(1点だけ)か、共有点が2点か、もしくは1辺が直線と一致するか、のいずれしかありません。どういう論理(とんち)が解答になっているんだろう? と思って答を見たら、「直線の幅について言及されていないのだから、直線の幅はいくら太くてもよい」という論理でした。まあ確かにドローソフトなどでは線の幅はすごく太くできたりしますけれども…
11月29日(月) 不思議な展開図(その2)、あやとり、他
立体図形の展開図の話とあやとりの話です。
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昨日の展開図を組み立てると、側面の2つの台形は平面になりません。面を張るとこんな感じになります。三角形の面が6面、四角形1面の七面体です。
実際に紙で組み立ててみました。台形の面は折り筋を入れずにゆるやかに湾曲するようにしてみました。
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写真はうまく撮れませんでしたが、おもしろいかたちです。これ、上下を長方形にして、側面を台形4枚にしてみることにしました。
(つづく) ○
ご紹介できていなかったあやとりのご紹介の続きです。
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hh211129-1 hh211129-2
- ひっかかる人差し指の構え
- 左手は手前から、右手は向こうから「7つのダイヤモンド」を取る
- 左親指を人差し指の輪に上から入れ、左小指手前の糸を取る
- 右小指を人差し指の輪に上から入れ、右親指向こうの糸を取る
- 左小指、右親指を外す
- 左小指で右親指の向こうの2本の糸を取る
- 右親指で右小指の手前の2本の糸を取る
- 人差し指を、掌の2本の糸を越えて人差し指自身の輪の中に上から入れ、掌の2本の糸を押える
- 左親指と右小指を外し、
左人差し指で押さえている2本の糸を左親指で下から取り、
右人差し指で押さえている2本の糸を右小指で下から取り、
人差し指を外す- 左小指・右親指をナバホ取り(斜めの糸が外周の上に)
- 右小指・左親指を逆ナバホ取り(斜めの糸が外周の下に)
- ナバホ取り・逆ナバホ取りした糸を人差し指・薬指で取る
- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
- ひっかかる人差し指の構え
- 左手は手前から、右手は向こうから「7つのダイヤモンド」を取る
- 左親指を人差し指の輪に上から入れ、左小指手前の糸を取る
- 右小指を人差し指の輪に上から入れ、右親指向こうの糸を取る
- 左小指、右親指を外す
- 左小指で右親指の向こうの2本の糸を取る
- 右親指で右小指の手前の2本の糸を取る
- 人差し指を、掌の2本の糸を越えて人差し指自身の輪の中に上から入れ、掌の2本の糸を押える
- 左親指と右小指を外し、
左人差し指で押さえている2本の糸を左親指で下から取り、
右人差し指で押さえている2本の糸を右小指で下から取り、
人差し指を外す- 左小指・右親指をナバホ取り(斜めの糸が外周の上に)
- 右小指・左親指を逆ナバホ取り(斜めの糸が外周の下に)
- ナバホ取り・逆ナバホ取りした糸を人差し指・薬指で取る
- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
これは、10月3日にご紹介した「ひっかかる人差し指の構え」→「左右で逆方向の7つのダイヤモンド」
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hh211003-1 からの発展です。右手と左手で逆方向に取ってみるという試みも、もう少し試すことができそうです。
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以下は本当に余談です。
そろそろクリスマスソングも解禁になる季節かなあと思って、昨年買ったピアノで楽しむ クリスマス・ソング Best Selection2020 のJazzアレンジの曲を弾いてみようと思って、27日の土曜日のお昼過ぎに楽譜を探したのです。実はこの日はお昼にサイゼリヤで食事をしたのですが、妻が運転してくれるということでお昼からワインを飲んでご機嫌だったのです。
ところが楽譜が見当たりません。さんざん探した後で妻に尋ねると、たまたま先週、妻のピアノの生徒さんにその楽譜を貸し出したとのことでした。まあ確かにそういう季節ですし、ピアノ教室優先なのは全く異論はありません。でもそれならそうと事前に教えてくれれば探さなかったのに… と思って、出鼻をくじかれてシュンとして「もういいや」と思って自分の部屋に引き揚げました。
それから1時間ほど後に、妻が珍しく「ちょっと出かけてくる」と言って車で出かけてゆきました。どうしたのかなと思ったら、地元の楽器屋さんでピアノで楽しむ クリスマス・ソング Best Selection2021(今年のバージョン)を買ってきてくれました。「今なら絶対お店にあると思った」とのことでした。頭が下がります。
とても感謝してさっそくありがたく弾かせてもらいました。今や実店舗でこういうのが買えるお店は市内に1か所しかなくなりました。こういうとき、ぱっと買いに行ける実店舗がある、というのはいいなあと思うのです。
楽譜の最初のほうから順に弾いていって、2時間ほど遊んで気が済みました。昔は鍵盤の底までしっかり叩くような弾きかたが好きでしたが、最近はささやくような、つぶやくような弾きかたを心がけています。楽譜に書かれている音を自分が確かめるため、という感じです。
<おまけのひとこと>
この週末もいくつか新しく思い付いて試したことがありました。面白いと思うことがどんどん出てくるのはありがたいことだなあと思います。
11月30日(火) 不思議な展開図(その3)、あやとり、他
立体図形の展開図の話とあやとりの話です。
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昨日ご紹介した側面が湾曲している三角柱ですが、同じ発想で側面が湾曲した直方体を作ってみました。こんな展開図です。
これを印刷して切り抜いて組み立ててみました。
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おもしろいです。この例では稜の長さはまちまちでしたが、12本の稜の長さをすべて同じにして、すべての面が湾曲しているものを作ってみたくなりました。
(つづく) ○
親指・小指の輪を維持したまま人差し指・薬指に輪を増やす処理の試みです。 途中の手順2〜3はパプアニューギニアの亀の冒頭の手順を参考にしています。
もう一工夫したいところです。
<おまけのひとこと>
昨夜はめずらしくよく眠れた気がします。夜中に目が覚めたのは1回だけで、合計で7時間くらい眠れました。