以前の「ひとこと」 : 2024年7月後半
それぞれの日の記事へのリンクです
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7月16日(火) あやとり:ダブルハートの処理×3、他
7月後半です。昨日に続いて、あやとりの装飾処理「ダブルハート」の重ね掛けです。
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7月1日に、なんとなく「ダブルハートの処理」をやってみた、という写真を載せていました。
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ダブルハート 昨日は、この処理を2回連続して行うとこうなる、という写真を載せました。
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ダブルハート×2 手持ちの紐では「ダブルハートの処理」×3は難しいかなと思っていたのですが、昨日、手持ちの3種類くらいの紐で試してみたところ、アクリルの4mの紐でそれらしいかたちを作ることができました。
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ダブルハート×3
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ダブルハートの処理の1回目を赤、2回目を青、3回目を緑で示してみました。
こういう図を作ってみると、もともとのあやとりの対称性がいかに整っていないか、不完全か、わかってしまいます。
上記の色分けを使って、1回目、2回目、3回目がどのように増えてゆくのかを図示してみました。
このパターンは左右の親指・中指・小指の3つの輪で支えられているので、左右に6本ずつ糸が出ます。上の図では4本しか描いていませんが、残りの2本はパターンの外周の紐で、上下に水平な糸が伸びています。
なんとなくこのあたりに「設計あやとり」のヒントがありそうな気がしています。
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妻が冷水専用の冷蔵庫用のお茶のボトルを買ってきてお茶を抽出していました。これ、横倒しに冷蔵庫に入れられるのだそうです。
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煙がたなびくのと逆に、お茶がゆっくり沈んで拡散してゆきます。
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見ていて面白いです。
<おまけのひとこと>
「ダブルハートの処理」×3を取ってみたくて、まず紐探しから始めました。結局、いつも使っているアクリルの紐が一番使いやすかったです。森製紐さんから購入した長い紐、同じ長さごとに束ねて届けられたものがあったのですが、一番長い6mの紐をほどいて1本取り出そうとしたら失敗して、4つの輪が絡まってしまいました。絡まった6mの4つの輪を解きほぐすのは思いのほか大変で、20分くらいかかりました。リアルな紐パズルで楽しかったですが、二度とこれをやらなくて済むように完全に分離したかたちで収納しました。今思うと絡まった状態や解きほぐす途中経過の写真を撮っておけばよかったと思っています。紐探しをして紐を解きほぐしていろいろな素材や長さの紐で取ってみて、かたちを調整して、さらに作図して…と半日以上かかりました。作業中はそのことしか考えていないので楽しいのです。達成感もありました。
7月17日(水) あやとり:ダブルハートの処理×2の説明、他
あやとりの装飾処理「ダブルハート」の二連続の説明です。
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昨日ご紹介した「ダブルハートの処理」の連続ですが、「うまくいかない」というメールをいただきました。写真で説明してみようと思います。
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人差し指の構え ダブルハート
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親指・小指を外側に半回転ひねる(水平な糸を図形の下にもってゆく)
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水平な糸を図形中央に寄せる
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赤い★の糸を両手の人差し指に、青い★の糸を両手の薬指に掛ける 以下の手順は省略しますが、こんな風にすることで、昨日ご紹介したようなかたちになるのです。ただしかなり「整える」必要があると思います。
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同じ職場で私より少し若い方が7月21日付で別の事業部に異動されるということがわかって、昨日30分くらい話をさせてもらいました。5年くらい前から仕事上で関係があった方で、一緒に出張に行ったこともありました。たまたまその場に通りかかった、いつもカプセルトイとかを交換したりしている同い年の同期の友人が、「あ、(今度異動する)Mさんもパズル仲間に引き込めそうなの?」と声をかけてくれたのですが、そのときに「知ってる? Mさんって折り紙すごいんだよね」という話になったのです。聞けばMさんは前川淳さんの「悪魔」を子供のころから折って覚えていて、今でも何も見ずに折れるそうです。職場でも昼休みとかに気が向くと折ってみているそうで、1つもらうことになりました。前川さんにお目にかかったことがあると言ったら驚かれました。
<おまけのひとこと>
突発の会議が朝早くから入って、忙しいです。必要とされるということはありがたいことだと思ってはいます。
7月18日(木) 結び目のスティックモデルを補強してみた、他
ストロー模型の話とパズルの話です。
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先週、このかたちの結び目のスティックモデル
を折れ曲がるストローを組み合わせて模型を作ってみたという写真をご紹介しました。
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なかなかかたちが安定せず、調性しているうちにただ差し込んでいるだけの連結部がゆるくなってきたりして、面白くありません。厚紙から小さな直角二等辺三角形を切り出して、セロテープで貼ってみました。
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少しはましになった、かなあ… という感じです。明確な差があるようなないような…。 とても軽いので、部屋の照明器具の紐に吊るしてみました。飽きるまでしばらくは吊るしておこうと思います。
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昔から知られているマッチ棒のパズルに、こんなものがあります。マッチ棒4本でちりとりを作りました。(ちりとり、という言葉は通じますよね。)中にはゴミが入っています。ゴミは動かさずにちりとりを動かして、ゴミをちりとりの外に出したいのです。ちりとりの形は変わってはだめですが、場所や向きは変わってもよいことにします。
Nobこと芦ヶ原伸之氏が「4本動かせばバカでもできる、3本ならば誰でもできる、これを2本動かすだけでやってほしい」というような説明文を付けていたような気がします。どこで読んだのか忘れてしまいました。
これは50年くらい前に母が小学校のPTAだったかで仕入れてきた問題で、当時家族で楽しく解いた記憶があります。
これに類似する問題を見かけました。マッチ棒5本で家のかたちを作ります。屋根のすぐ外側にコインがあります。コインには触らずに、家のほうを動かしてこのコインを家の中に入れたいのです。家の形は変わってはだめですが、場所や向きは変わってもよいことにします。
芦ヶ原伸之氏風に言うと、「5本動かせばバカでもできる、4本ならば誰でもできる、これを3本動かすだけでやってほしい」 という問題です。ただしこの場合、4本解はちりとりの3本解ほど自明ではないかもしれません。おそらく、4本動かしてかたちを変えずに位置を変えようとすると、まず思いつくのが下の図のような操作ではないかと思うのです。
この動きでは残念ながらコインは相変わらず家の外にあります。なのでまず4本解から考えてみてください。
(つづく)
<おまけのひとこと>
「家とコインのマッチ棒パズル」、知らなかったので楽しかったです。
7月19日(金) マッチ棒パズルの答え、伝承あやとり作品
昨日のパズルの答えです。直接は表示しません。
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昨日ご紹介した2つのパズルの答えを gif アニメーションで準備しました。
スティック4本で描かれた「ちりとり」があります。中にゴミが入っています。
スティックを2本だけ動かして、ちりとりのかたちを変えずにゴミをちりとりの外に出してください。答はこちらです。別窓で開きます。
スティック5本で描かれた「家」があります。外にコインがあります。
スティックを3本だけ動かして、家のかたちを変えずにコインを家の中に入れてください。4本の答はこちら、3本の答えはこちらです。いずれも別窓で開きます。
解説は省略します。
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ナウルの伝承あやとり作品「エガッタッマ」を取ってみました。
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エガッタッマ C.F.Jayneの1906年の有名な本の表紙のナウルの作品の一番下がこの作品です。(上の写真は左右の仕上げがちょっとだけ違います。)
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“String Figures and How to Make Them” C.F.Jayne これも、狙って整えないとこのかたちにはならないと思います。きちんと整えるととても美しい作品だと思います。
<おまけのひとこと>
本業でもプライベートでもその中間でも、今週は読みたい文献が一挙に増えてうれしい悲鳴です。(中間、というのもあるのです。今現在は「これは業務に関する文献です」と断言するのがやや難しい微妙な位置づけで、趣味に近いけれども近い将来仕事で必要になるかもしれない、ならないかもしれない、というものです。)興味がありそうな人に紹介したら、そちらのほうが先に読み進んでしまって、紹介した私がついていけなくなってあせっています。
7月20日(土) あやとりの論文
あやとりの研究論文のご紹介です。すみません、土日2日分をまとめて更新しています。
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国際あやとり協会の加藤直樹さんが、あやとり協会のあやとりの新聞雑誌記事のコーナーを毎月更新して下さって大変感謝しています。その関係で加藤さんとメールでやりとりさせていただいた際に、A global cross-cultural analysis of string figures reveals evidence of deep transmission and innovation(Roope Oskari Kaaronen, Matthew J. Walsh, Allison K. Henrich, Isobel Wisher, Elena Miu, Mikael A. Manninen, Jussi T. Eronen, and Felix Riede:2024) という論文を教えてもらいました。第一著者(1st author)はヘルシンキ大学(フィンランド)の方のようです。
この論文では、世界中に伝承されているあやとり作品826をあやとり作品を結び目理論の手法を用いて符号化し、それをクラスター分析することで83の類型化されたグループに分類しています。この分析によって、特定の地域にのみ伝わっている局所的な作品の存在や、全世界に広くみられる作品がみられることから、隣接する地域への文化的伝播の可能性や古代共通の起源の可能性などに関してもコメントされており、とても興味深いです。
あやとり作品をどのように符号化するか、の説明もあります。下の図は有名な「四段ばしご」、英語では Jacob's Ladder(ヤコブのはしご)と呼ばれるパターンです。このようなあやとりの射影図を用意します。図上で3本以上の線が同一の点で交差することは無いものとします。左上の黒丸の矢印から出発して、別の線と交差するごとに交点に番号を振ってゆきます。すでに番号が振られた交点を再び通るときにはそこには新たな番号を振らずに通過します。出発点に戻るまで、これを続けます。
Figure 7. of above paper こうして交点に番号を振ったら、改めて出発点から紐をたどります。交点を通るとき、下になっている場合はマイナス、上を通る場合はプラスの符号を付けます。この例では
-1 2 -3 4 5 -6 7 -8 -9 10 -11 -12 13 14 -15 16 -17 18 -4 3 19 -20 -2 1 21 -22 23 24
-25 -26 27 17 -16 -13 12 11 -10 9 8 -7 -14 15 6 -5 -18 -27 26 -19 20 25 -24 -23 22 -21,となります。これをガウスコード(Gauss Code)と呼ぶそうです。おそらくここで疑問が浮かぶと思います。このコード化、出発点の選び方で符号が変わるのではないでしょうか。また、紐をたどる方向や、あやとり作品を裏返した場合(交差の上下をすべて逆にした場合)も異なるコードになるのではないでしょうか。
これはその通りで、この「四段ばしご」のコード化のパターンは216通りあるのだそうです。これが同じ作品だということがわからなければ分析できません。クラスター分析というのは、分析対象の個々の要素どうしがどれだけ似ているか(=距離が近いか)によって仲間分けしてゆきます。同じ作品の異なるコード表現どうしの距離がゼロであることがわからなければ話になりません。
著者らは、このように同じあやとり作品が異なるコードで表現されるものが「同じ」になるようなアルゴリズムを開発し、それに基づいて分析を行ったのだそうです。上記のリンク先から、データも閲覧できるみたいです。
論文の図3に、分析結果が1枚の図として表現されています。情報量が多すぎて、普通の解像度ではとても読み解けません。下の図をクリックすると拡大しますが、それでもまだ読めるサイズではないです。時計の文字盤だとすると6時の位置から時計回りに1,2,3,…,83と番号が振られています。個々の番号がどのようなあやとりの構造なのかは論文のappendixの表になっています。
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Figure 3. of above paper pdf viewerで拡大してみたり、ポスター印刷で拡大したpdfを複数のページに分割してみたりして、この樹形図を眺めてみました。円形にレイアウトされた樹形図の上側4分の1くらいを2ページに割り当てた部分図を載せてみました。下の画像をクリックすると拡大します。そうするとようやく文字が読めるようになるかと思います。(ただし今度は全体がわかりませんが。)
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実に情報量が多く、興味深い論文です。こちら https://osf.io/skzvp/ にコードやデータが公開されています。また、こちらのyoutubeに、著者がこの論文に関して講演した動画(36分くらい)が公開されているという情報もいただきました。(再生回数は先ほど見たら23回でした。)
昨日の「おまけのひとこと」で書いた、プライベートで読みたい論文というものの1つがこれです。こういう論文が自宅に居ながらにして読めて、著者の講演も好きな時間にゆっくり聴けて、改めてすごいなあと思います。
<おまけのひとこと>
ほかにもいろいろやりたいことがあって、時間が足りないです。
7月21日(日) 捩れ四角柱の模型
Netで見かけた模型を作ってみました。
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こんな展開図の模型の写真を見かけたのです。
自分でも作ってみました。
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最初、楕円形の切り抜く向きがこれで良いのだろうか? と思ったのですが、これで良いのですね。これ、四角柱以外の角柱にしたらどうなるのだろう? と思いました。
(つづく)
<おまけのひとこと>
週末、簡単な更新です。2日まとめてしまいました。見に来て下さった方、申し訳ありません。
7月22日(月) 捩れ五角柱の模型
昨日の四角柱を五角柱にしてみました。
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昨日、正四角柱の側面の長方形を対角線で2つの直角三角形になるように谷折りした「捩れ四角柱」をご紹介しました。向こう側の様子がわかるように楕円形の窓があけられています。これを正五角柱でもやってみることにしました。
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側面の長方形の縦横比を適当に決めたら、上の面と下の面の位相が中途半端になってしまいました。
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奇数角形だと側面の楕円の窓が貫通しません。(位相もずれていますが。)いまひとつでした。
(つづく) ○
神谷和男さんの14のダイヤモンドを取ってみました。
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「14のダイヤモンド」 神谷和男(1985) 斜め格子のあやとり作品は好きです。この作品は親指・小指に太さがあることを前提としたデザインなのが興味深いのです。
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今更ながらX(twitter)を始めてみました。アカウント(って言うのでしょうか)は @AsobiSentです。いろいろ流儀がわからないです。きっかけは「日本評論社」のtwitterをフォローして、あやとり動画の投稿をいちはやく知りたいという目的でした。せっかくなので自分のサイトを更新したときにポストしてみようかなと思っています。まるで意味がない気がしますが。
<おまけのひとこと>
日中はエアコンを入れています。設定温度を28〜29℃くらいにして、サーキュレータを併用しています。壁の温度計は27℃くらいになります。室温が30℃を超えるとちょっと作業効率が下がる感じなので、そのくらいを目安にエアコンを入れるようにしています。いまのところ午前中はエアコンを使わなくて済んでいます。エアコンを設置して良かったです。
7月23日(火) ロボット工業会機関誌『ロボット』、前川淳さんの「悪魔」
雑誌にコラムを寄稿した話と折り紙の話です。
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日本ロボット工業会(JARA)が発行している機関誌『ロボット』という業界誌があります。JARAは正会員企業56社、賛助法人会員112社の業界団体なのですが、機関誌『ロボット』には「コーヒーブレイク」というページがあって、会員企業が持ち回りで「ロボットとは関係のない、趣味、お気に入りの店、好きな映画、お国自慢、旅の思い出、失敗談、等々肩の凝らない内容」が寄稿されています。最新の279号(2024年7月)がたまたま私の勤務先に当番が回ってきて、私が書かせていただくことになりました。
打診があったのが今年の3月、原稿の締め切りが5月でした。この雑誌が昨日、職場に送られてきました。
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日本ロボット工業会機関誌『ロボット』279号 いただいたスペースは1ページで、文字数は最大で1,100文字程度、図を入れるなら1枚のみ可能ということでした。「あやとりの楽しみ」と題して、昨年の聖蹟桜ヶ丘のあやとりグループ展に出展した作品の写真と、「数学セミナー」に連載記事を書かせていただくようになった簡単な経緯などを書かせていただきました。
普通に見かける雑誌ではありませんし、ここを見て下さる方が目にされる機会もおそらくないと思いますが、会員企業や賛助会員の所属の方が目にされる機会もあるかもしれない、そのうちお一人でも国際あやとり協会のサイトを見に行って下さったり、「数学セミナー」を見て下さったりしたら嬉しいなあと思っています。
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昨日、出社したら自分の席に「悪魔」の折り紙が置かれていました。
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「悪魔」 前川淳 7月21日付で同じ事業所内の別の事業部(別の建屋)に異動された同僚のMさんが折ってくれたものです。Mさんは子供のころに、(有名な)『ビバ!おりがみ』がご自宅にあって、それを見ながら「悪魔」の折り方を覚え、それ以来「悪魔」を折に触れて折っているそうです。これも、お昼休みにその辺にあった廃棄するチラシから21cm角の正方形を切り出して、それを折ってくれたそうです。
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こういうものをその辺にある紙でさっと折れるというのはとても素敵だなと思うのです。ありがとうございました。
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昨日は東海道新幹線が丸一日運休になっていました。今朝は始発から運転再開したようです。この猛暑の中、関係者のご努力には頭が下がります。
昨日の夜、【東海道新幹線】不通区間を迂回して東京ー名古屋ー大阪を移動する方法という記事が公開されていました。私もこれは考えました。自分が東京にいて、どうしても名古屋や大阪に行かなければいけないとして、どんな交通手段を考えるだろう? と思ったのです。新幹線の輸送力はとてつもないので、代替手段といっても限られます。臨時の航空便も運航されたそうですが、それは素晴らしいことなのですが、「焼け石に水」感があります。
自分ならまず思いつくのは、馴染みのある中央東線の特急「あずさ」で塩尻乗り換えで中央西線の特急「しなの」に乗り継ぐかなあと思いました。これだと新宿〜名古屋間が5時間くらいで、費用は1万円程度です。新幹線なら東京〜名古屋が1万円程度で所要時間は2時間かからない(1時間40分弱)なので、時間効率は全く違います。
素直なのは、まずは東海道新幹線で行けるところまで行ってあとは在来線や私鉄を使う方法かなあと思いました。上の記事ではそのほかに北陸新幹線を使う方法などが載っていました。「あずさ」と「しなの」を乗り継ぐプランは紹介されていませんでした。
昔、宮脇俊三が「国鉄(JRバスも含む)を使わずに東京から名古屋(大阪?)に行く」という試みを実践した文章を読んだことがあります。小田急のエリアと名鉄のエリアの間をどうつなぐのか、苦労していたのを思い出しました。今だったらもっと大変なのではないかなあと思いました。
<おまけのひとこと>
昨日は14時過ぎに勤務先の事業所を出て、母の病院に行きました。炎天下の駐車場の自分の車の中はものすごく暑くて(熱くて)大変でした。帰りに病院の建物を出たときににわか雨が降ったのですが、アスファルトから水蒸気が立ちのぼりました。17時過ぎに自宅に戻ってから1時間半くらいのリモート会議でした。昨日は妻も実家に行っていて(東京はもちろんとても暑かったそうです)自宅は閉め切っていたため、室内が暑くて大変でした。
7月24日(水) 捩れ六角柱の模型、あやとり動画
捩れ角柱シリーズ、今日は六角柱です。
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四角柱、五角柱に続いて六角柱です。こんな型紙を用意しました。
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楕円形の穴をあけることで構造がわかりやすくなって素晴らしいと思いました。凝ったデザインのスツールのようです。
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雑誌「数学セミナー」で連載させていただいている「あやとりの楽しみ」の第4回:2024年7月号に掲載した「足跡」(伝承作品:ボリビア)の動画を編集部で作成・公開していただきました。
連載のサポートページあやとりの楽しみにも掲載し、合わせて第5回のページも作って公開しました。よろしければご覧ください。
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国際あやとり協会のサイトの「新聞雑誌記事」のページに、機関誌『ロボット』279号に記事を載せたことをご紹介いただきました。ありがとうございます。
果たして社内外の業界関係者の方がどのくらいこの雑誌を見ているのか、だれか知り合いがこの記事に気が付いて声をかけてくれるのか、それとも何も反応がないのか、どうなるかなと思っています。
<おまけのひとこと>
最近自宅の屋根の上で物音(足音)がするのです。カラスだと思います。並びの家の屋根にもよく止まっています。
7月25日(木) テンセグリティ、藤本修三氏の本
テンセグリティの話と折り紙の本の話です。
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「テンセグリティ」というのはとても面白い概念です。硬い鋼材と張力を持つ線材(ワイヤーなど)を組み合わせて立体的な構造を作るもので、あのバックミンスターフラーが名付けたのだそうです。今年の「数学セミナー」の表紙はテンセグリティなのですが、少し調べ物をしていたら、偶然Transcending Psychosocial Polarization with Tensegrity(テンセグリティで心理社会的な二極化を超越する) というタイトルが付いています。心理社会的( psychosocial)な部分の考察はよくわからないのですが、掲載されているテンセグリティのモデルがわりと網羅的で面白かったのですが、特に気になったのがこのモデルでした。写真を引用させていただきます。
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これ、外形が正十二面体に見えます。(正確にはちょっと歪んでいますが。)
テンセグリティで最も有名なのは、6本の鋼材を2本ずつ、x,y,z軸方向に平行に配置してその頂点を結んで作る正二十面体だと思います。
写真の正十二面体のテンセグリティの鋼材(棒)の配置などが気になりました。
(つづく) ○
フジモト・キューブやアジサイ折りで有名な藤本修三氏(1922-2015)が1976年〜1983年ころに自費出版された5冊の折り紙の本がパブリックドメインとして公開されているのだそうです。数年前に話題になったようなのですが知りませんでした。こちらのFujimoto’s Five Books are now Public Domain というサイトから閲覧・ダウンロードできます。さっそくダウンロードしてみています。
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<おまけのひとこと>
今日は単なる情報だけです。
昨日、私のサイトの過去ページのうち、2017年〜2023年が表示されないというご相談のメールをいただきました。わざわざお問い合わせ下さって大変感謝しています。一方で、理由がわかりません。URLの規則性を見抜かれて、直接アドレスを入力されているのだとしたらそうなりますが、そうでない限り表示されないということはなさそうに思います。ちょうどこの時期は契約先のサーバの容量が100MBしかなくて、別アカウントのサーバにデータを置くようにしていた期間なのです。その後サーバ容量が増えたので、2024年からは再び同じサーバに置くようにしたのでした。
7月26日(金) テンセグリティ(その2)、伝承あやとり「サガリバナ」
テンセグリティの話と立体的な伝承あやとりのご紹介です。
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昨日のこの正十二面体に見えるテンセグリティの鋼材がどのように入っているのか、考えてみました。
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テンセグリティの基本形の1系列に、N角柱型のタイプのものがあります。
これはいずれも WOLFRAM Demonstrations Project の Tensegrityの画面です。
今回の正十二面体のテンセグリティのモデルは、5角柱型を2つ組み合わせた構造になっていると思われます。異なる視点から見た図を並べてみました。
五角柱型なので、上下の正五角形に面を張ってみました。多少わかりやすくなるかなあと思っています。まずは上下の面の1つ隣の頂点を繋ぐ5本(赤)です。
中間の階層にも5本(青)あります。赤と青の部材の長さは同じです。下の左側の図を見ると青い5本が同じ長さには見えませんが、右の視点では5本が等価であることがわかりやすいと思います。
10本全部を重ねて描画してみました。もともとの1枚の写真から、この10本の位置を読み解くのはちょっと考える必要があって面白かったです。
昨日、せめて五角柱のテンセグリティのモデルは作ってみたいと思って家の中で素材として使えそうなものを探してみたのですが、良い材料が見つかりませんでした。今ふとアイディアが浮かびました。この週末に試してみるかもしれません。
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伝承あやとりサガリバナ(ソロモン諸島)を取って、立体的にディスプレイしてみました。リンク先の石野さんのページの作品画像は平面なのですが、射影図のようなかたちに整えられていて立体的に見えるのです。とても美しい仕上がりだと思います。私はホワイトボードに固定してカメラで撮影、という手法で記録していますが、石野さんはスキャナを使っているそうです。スキャナでスキャンすると背景が自動的に白になるので諧調情報が効率的に使えるのは良いなあと思います。
先日まとめて入手した白いデュプロブロックを使います。全体の写真です。
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少し斜めから中央部分を見てみました。
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上から見下ろしてみます。
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塔のような片手側の支柱の後ろから見てみました。
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窓からの光で影が映りました。
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立体的に飾るといろいろな方向から見ることができて楽しいです。
<おまけのひとこと>
そういえばあやとりにもごくわずかですがテンセグリティのような作品もあったような気がします。
7月27日(土) 4つの矢印を作るパズル、バラクライングリッシュガーデン
パズルの話と近所の庭園に行った話です。
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Pinterest で Make Four Puzzle という画像を見て、ちょっと考察してみています。下の図の左のような、ドミノ型の一部が切り欠かれたピース8枚を正方形の枠に収めて、矢印を4つ作ってください、というパズルのようです。どなたのデザインなのかはわかりません。
BurrTools で探索してみると、たとえば以下のような解も見つかりました。
このピースのセット、もう少し工夫をすればもっと面白いパズルになるのに、と思ったのです。改良してみたくなりました。
(つづく) ○
今朝、バラクライングリッシュガーデンに行きました。妻が「夏場は8時半からみたい」と言うのでちょうど8時半に行ったら、8時半開場は8月だけで、今は9時からでした。近くの蓼科湖に行ってちょっと散歩して、9時にもう一度バラクラに行きました。
この庭園は1990年に開園したそうで、もう34年になります。すっかり観光スポットになりました。ちゃんと生き残っていて素晴らしいと思います。施設なども少しずつ充実してきていると思います。
2001年10月に撮った写真と、今日撮った写真を並べてみました。植物が成長しているのがわかります。
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2001年10月27日 2024年7月27日
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2001年10月27日 2024年7月27日 クリックすると大きなサイズの画像が開きます。左の古い画像は当時のデジタルカメラで撮影したままの解像度です。右はスマートフォンの小さな光学系で撮った写真をXGA(1024x768)に縮小しています。こうして比べてみると、カメラもものすごく進化したなあと改めて思います。
<おまけのひとこと>
更新がお昼過ぎになってしまいました。
7月28日(日) 4つの矢印を作るパズル(その2)、他
パズルの話のつづきです。
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昨日、Make Four Arrows というパズルをご紹介しました。ジャンルとしてはマッチングパズルになると思います。
このパズルをもう少し工夫してみたくなって、いろいろ調べています。まず、オリジナルの8種類のピースのうち、下図の2つを選んで、
それぞれ4枚ずつで4つの矢印を作る、箱詰めパズルを考えてみました。
1つのピースは4×8単位の長方形が基本で、そこから矢印の4分の1の面積の長方形もしくは直角二等辺三角形を切り欠いたかたちをしています。
2種類のピースを合わせて長方形2つと直角二等辺三角形3つ分の切り欠きがあります。直角二等辺三角形1つ分が余計ですがから、これらの8ピースと矢印4つを16×16単位の枠に収めると、直角二等辺三角形4つ分の隙間ができます。
このパズル、ピースを裏返さないで枠に収められるのですが、本質的に異なる2種類の解があるのです。ぜひお試しください。
(つづく) ○
昨日行ったバラクラのショップの一番奥に小さな書籍コーナーがあったのです。ガーデニングやイギリスに関する本が集められた、小さくても素敵な品揃えでした。そこにあった「植物はなぜ薬を作るのか」(斉藤和季:文春新書、2017) という本を買いました。
まだ途中までしか読んでいませんが、とても面白いです。
植物は、厳しい進化の歴史の中で、極めて巧みに設計された精密化学工場によって、多様な化学成分を作るという機能を発達させて、進化の歴史の厳粛な審判に耐えてきたのです。
それを、私たち人間は少しだけお借りして使わせてもらっているに過ぎません。 本書エピローグより(p.232)植物が合成する化学物質は、情報を伝達したり捕食者(草食動物)から身を守ったり、受粉のために昆虫を誘引したりという様々な機能があること、古くから人間が利用してきた植物由来の薬の話、これまでにどれだけの種類の植物や植物由来の化学物質が調べられてきたのか、など、たいへん興味深い内容です。
こちらにこの本に関する対談が公開されていて、興味深く読みました。
<おまけのひとこと>
また更新が遅くなってしまいました。
7月29日(月) 4つの矢印を作るパズルの答、円筒型迷路
昨日の4つの矢印のパズルのヒントと答を別窓で開くようにしました。
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トーラスの表面に周期的な画像をマッピングしてみるのが好きで、過去にいろいろご紹介しています。今回、円柱の表面に画像をマッピングしてみたいと思って少し調べてみました。せっかくなので面白い画像がいいよね、と思って迷路を貼ってみました。赤い●印から青い●印まで目でたどってみてください。
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迷路は、WOLFRAM Demonstrations Project の Mazes on Various Surfaces(Izidor Hafner (March 2011)) で出力したものを使わせてもらっています。
全体が見えていれば難しくない広さの迷路ですが、見えているのは全体の半分弱で、しかも勝手に回転してゆく強制スクロールです。そのおかげで少し面白い迷路になっているのではないかなあと思っています。
このgifアニメーションをどうやって作ったかは明日ご紹介したいと思います。
(つづく) ○
昨日、以下の2種類4つずつのピース8枚と4つの矢印を正方形の枠に重ねずに入れるというパズルをご紹介しました。
2通りの解があります、とご紹介しましたが、そのヒントと答えの図を用意しました。見たい方は下のリンクで画像が開きます。
解1のヒント(4つの矢印の位置の図) 解1の答(8枚のピースの図) 解2のヒント(4つの矢印の位置の図) 解2の答(8枚のピースの図) この2つの解の配置が実現できるピースのセットを考えてみたくなったのです。
(つづく)
<おまけのひとこと>
月曜日です。毎朝6時半くらいに近所の子供たちがラジオ体操に行くにぎやかな声が聞こえてほほえましいです。夏休み、ちょっとうらやましいです。
7月30日(火) 円筒型迷路(その2)
円筒型迷路のつづきです。
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昨日の円筒型迷路がちょっと気に入らなかったので、迷路をデザインし直しました。
これをPovrayのこんなコードで円柱にマッピングします。(実際に貼っているのは上の画像ではなく、もう少し整えたり向きを変えたりしています。)
赤い●印から青い●印まで目でたどってみてください。テーマは「三択」です。
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途中でどのレーンを通っているのか見分けにくくなるところがあるのが反省点です。
(つづく)
<おまけのひとこと>
「あやとりの楽しみ」の連載の準備をする中で発見があって、ちょっと興奮しています。
7月31日(水) 床屋さんのサインポール
円柱マッピングの実験です。
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円柱に画像をマッピングして回転するといったら、なじみ深いのは床屋さんのサインポールかなあと思ったのです。まっすぐな直線状のものは想像がつくので、こんな図を用意してみました。
こんな感じになりました。
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うーむ、ちょっと違和感があります。
<おまけのひとこと>
やりたいことはいろいろあるのですが、だいぶ滞っています。