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2024.05.22 公開
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2025.03.06 更新 new
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2024.12.31 公開ひとこと
10月21日(火) 素数ものさし、実物大の手の模型であやとりを(その3)
京都大学で買ってきた雑貨の話とあやとりの話です。
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8月に京都大学総合博物館に行ったとき、前から気になっていた素数ものさしを買ってきました。 値段が601円というところもこだわりを感じます。下の写真のように、18cmの竹のものさしなのですが、2,3,5,7,11,13,17 のところだけに目盛りが刻まれています。実は下側は数字はありませんがmm単位で 2,3,5,7,11,13,17,19… のところに目盛りがあります。
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素数ものさし 上側のcm単位の目盛りを見ながら、ものさしの両端と刻まれた目盛りの間の距離が 1, 2, 3, 4, … , 18 になっている個所を確かめてみてください。
これは不便益システム研究所というところで製品化されたもののようです。こちらの 素数ものさしの考察(神戸大学 情報基盤センター田村直之) というpdfファイルに考察と解説がありました。とても面白い内容です。
このように、目盛りが間引かれた定規というとゴロム定規(Golomb ruler) を連想します。最初「素数ものさしはゴロム定規なのかな?」と思ったのですが違いました。ゴロム定規は目盛り間の距離がすべて異なるというのが定義で、その中でもすべての距離が測れるゴロム定規を特に「完全ゴロム定規」(complete Golomb ruler)と呼ぶようです。「素数ものさし」は同じ距離が複数個所に現れる(たとえば距離2は何か所も存在します)のでゴロム定規ではないです。
こちらのたのしいサイエンス通信(1)「ゴロム定規」というpdfに「素数ものさし」と「ゴロム定規」について解説されています。シンプルでわかりやすいまとめです。
今はこういった情報が入手できるようになってありがたいです。私はこういった無償で公開されている情報をとても好ましく思っていて、情報公開に対して何らかの対価を得ようとする商業主義的なNetの活動を残念に思っているのですが、この流れはもはや変えられないと思います。さらにこういった公開情報はAIモデルの学習に活用され、多くの人は元情報のサイトにアクセスすることも減ってゆくのだろうなとも思います。
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最初に作ってみた1/3スケールの手の模型による「網」のあやとりと、次に作ってみた1/1スケールの手の模型による「らせん」のあやとりのサイズを比べてみました。
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1/1スケールと1/3スケールの手の模型の比較 1/1はあやとり紐も普通のサイズのものが使えますし、自分の手で取ったあやとりを移し替えて整えるのも(簡単、とは言いませんが)やりやすいです。でも小さいほうのミニチュア感も捨てがたいなあと思います。
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模型の手に取らせたあやとりは、いろいろな方向からじっくり見ることができるのが嬉しいです。
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「らせん」を見下ろす こんな風にトンネル状になっているのがわかって楽しいです。
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「らせん」の中をのぞく 普通に自分で取ると、こんな角度から「らせん」の筒をのぞき込むことは難しいです。らせんが巻き付いている左右を結ぶ糸、左右の親指どうし、人差し指どうし、中指どうしの間のカーブした糸の反り具合がとても美しいなあと思ってこの写真を眺めています。
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あやとり経験のある多くの方がご存じだと思われる日本の伝承あやとり作品「ほうき」を取ってみました。
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「ほうき」 あやとりというのは本来、音楽や舞踊のように刹那的なものだと思うのです。それをこのように留め置いて鑑賞できるというのは楽しいなあと思います。共感してくださる方は残念ながらあまり多くはないのかもしれません。
<おまけのひとこと>
雑誌「数学セミナー」の記事の感想を書きたいと思っているのですが、手が回りません。
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