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V
2主題によるフーガ、4声部、4/4拍子、65小節


フーガの技法出版譜のContrapunctus9とほぼ同一の曲です。
ただし、Contrapunctus9では曲全体の音価がVの2倍になっており、
拍子はC(4/4)のままですので、小節数もVの2倍になっています。

Vには第2主題として基本主題が原形のまま登場しますが、
Contrapunctus9では曲全体が2倍に拡大されているため、
必然的に主題も拡大形になっています。


基本主題を楽譜に青い音符で示しました。小節数が倍加しているため、
Xの18小節はContrapunctus9の35-36小節に対応しています。

VとContrapunctus9を比較して、
曲自体に大きな修正はなく、わずかな変更を認めるだけです。


変更の一例です。

なお、Vの冒頭には以下のような音符が記されています。



すなわち音部記号の前に2倍に拡大された主題の頭の部分が記入され、
また最初の小節の中央が縦線で分断されているのです。
こうした書き込みは、Xの書き込みと同様に、
出版譜の作成に自筆譜が参照されたことを示すものと思われます。

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