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以前の「ひとこと」 : 2019年9月前半



9月1日(日) 0と1を使った整数の数列に関する論文(その1)

 先日 arXiv.org で公開になった A Recreational Application of Two Integer Sequences and the Generalized Repetitious Number Puzzle(John Rafael M. Antalan) という論文が面白そうだったので、ちょっと眺めています。(まだちゃんと読んでいません。) まず、この表に目が留まりました。

図 1

 両端が1で間がゼロ、という数列を素因数分解した表です。これを眺めていると、いろいろと連想しました。

(つづく)



 昨日、8月31日(土)に、娘と結婚するという男性がご挨拶に来てくれました。自然体で感じの良い方でした。ああ良かったなあと思います。幸せになってほしいです。

 こんなお土産をいただきました。

図 2

 松江にある王祿酒造という酒蔵のお酒だそうです。とても美味しいお酒でした。

<おまけのひとこと>
 9月は忙しいです。






9月2日(月) バッハのオルガンフーガ(BWV545 C-dur)のテーマ

 先日買った、バッハのオルガンのためのプレリュードとフーガをリストがピアノ用に編曲したCDを聴いていたら、ハ長調のフーガ(Prelude And Fugue Bwv 545 C Major)のテーマが妙に聞き覚えがあるのです。

J.S.Bach : BWV 545 フーガのテーマ

 平均律にこんなフーガがあったっけ? と思って楽譜を取り出してみました。確か7番あたりに alla breveな(2分の2拍子の)フーガがあったような…と思ったのですが、見当たりません。ん? ひょっとして原博か、と思って「ピアノのための24の前奏曲とフーガ」の楽譜を取り出してみたら、ありました、5番の二長調のフーガのテーマがまさにこれでした。

原博:ピアノのための24の前奏曲とフーガ第5番の冒頭

 調は違いますが、テーマはそっくりです。(楽譜が4分の4拍子になっていてすみません。)原博のフーガのほうが好みかなあと思いました。特に途中の転調が素晴らしい効果なのです。ダブルシャープが多用されて初見では厳しいのですが、とても好きなフーガの1つです。



 図書館で、信州の鉄道絵葉書帖(白土貞夫)という本を借りてきました。2019年7月に発行された、新しい本です。

図 3

 母が学生時代に通学で使っていた鉄道の写真などもあって、見せたら懐かしがるのではないかなあと思いました。

<おまけのひとこと>
 9月2日(月)の朝に、8/31〜9/2の3日分をまとめて更新しています。今週も大変です。






9月3日(火) 100...001 ÷ 10...01 が割り切れる場合

 一昨日、11, 101, 1001, 10001 … という数列(両端が1で内側が全部ゼロの自然数)の素因数分解の表を載せました。

 このパターンの素因数分解について、3年ほど前に考えていたのを思い出しました(2016年5月8日のひとこと)。このときには 10^{m(2n+1)}+1 は 10^m+1 で割り切れる

 という結論を書いて終わりにしていました。その根拠として、こういった掛け算の筆算の図を載せて、「だから明らか」とだけ説明していました。

 今回、改めて当時の考察を振り返ってみたのですが、「0と1だけの数字といったら二進法だよなあ」と思って、この割り算は二進法でも成立するのだろうか、とふと考えました。

 上記の筆算で、最終的に途中の桁が全部ゼロになっているのは、十進法の10種類の数字のうちの最上位の9があって、全ての桁において繰り上がりの1が出てくるためです。ということは、二進法であれば使われる数字のうちの最上位の1を、上記の筆算の9と置き換えれば同じことができるはずです(図1)。

図 1:二進法の筆算

 ということは、2^{m(2n+1)}+1 は 2^m+1 で割り切れる

 ということですね。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 すみません、今回は時間がなくて説明が不親切です。






9月4日(水) pの奇数乗+1 は p+1 の倍数である

 両端が1で中がすべてゼロ、という自然数の素因数分解の話から、「それは二進法でも成立するのだろうか?」という話を昨日しました。実はこれは任意のp進法でも同じことが言えるのです。

 ここで、pのm乗を改めてpと置き直してみます。すると、もっと単純にこんな結論になります。

 pの(2n+1)乗+1 は p+1 で割り切れる、言い換えると、「pの奇数乗+1 は p+1 の倍数である」ということです。具体例で言うと、こうなります。

1の奇数乗+1 は 2で割り切れる
2の奇数乗+1 は 3で割り切れる
3の奇数乗+1 は 4で割り切れる
4の奇数乗+1 は 5で割り切れる
5の奇数乗+1 は 6で割り切れる
6の奇数乗+1 は 7で割り切れる
7の奇数乗+1 は 8で割り切れる
8の奇数乗+1 は 9で割り切れる
9の奇数乗+1 は 10で割り切れる
10の奇数乗+1 は 11で割り切れる
11の奇数乗+1 は 12で割り切れる
12の奇数乗+1 は 13で割り切れる
13の奇数乗+1 は 14で割り切れる



pの奇数乗+1 は p+1で割り切れる

 最初の行は「2は2で割り切れる」と言っているだけなので無意味ですが、その次の「2の奇数乗に1を足すと3の倍数になる」というのは、ちょっと検索すると解説されているページがありました。

 ちなみに、これを筆算方式で説明すると以下のようになります。p進法で考えます。p進法は、0から(p-1)までのp種類の数字記号を使って数値を表します。(十進法なら使う数字記号は0〜9の10種類、二進法なら0と1の2種類でした。) p進法において用いられる数字記号の最大値をqとします。q=p-1です。p進法において、pのべき乗は1,10,100,1000,10000 … となります。それに1を加えたものは、11,101, 1001, 10001, 100001, 1000001 … です。

 つまり、「pの奇数乗+1」は p進法では 100...001 であり、「p+1」は p進法では 11 になるのです。「pの奇数乗+1 は p+1 の倍数である」ことを示すには、p進法で 100...001 が 11 の倍数であること示せばよいのです。これは今までの筆算の方式で示すことができます。

 直感的にわかりやすい示し方だと思うのですがいかがでしょうか。

<おまけのひとこと>
 9月21日(土)、22日(日)のリスーピアワークショップですが、ありがたいことに応募が開始になった8月21日から1週間ほどで定員になったようなのですが、昨日の夕方、定員をかなり増やしていただいたようで、今現在だいぶ空きがあります。このページの冒頭のご案内も復活することにしました。






9月5日(木) 三方四面体のバッグ

 幾何学的な形状のデザインのものを見ると気になります。導かれた立体という、三方四面体のかたちのバッグがありました。

図 1

 こちらのボロノイ図のようなデザインも素敵だなあと思います。 

図 2

 でも、少なくとも私の周辺ではこのバッグを持ち歩きそうな人は全く思い浮かびません。仮にお金があったとして、家族に買ってあげたとしても使ってくれるとは思えないなあと思いました。



 今月のリスーピアワークショップでは正十二面体の地球儀を作るのですが、その教材の製作をお願いしている印刷会社さんから、パーツを区別するための記号のようなものがあったほうが良いのではないかという提案をいただいて、データの修正をしました。間違っているといけないので、印刷して組み立ててみて、「てがかり」になる記号が正しいことを確認しました。

 この作業に今朝の2時半から2時間ほどかかってしまいました。このところ本業のほうが忙しくて、こんな時間しか捻出できないのです。まあでも歳をとって早起きは苦にならなくなった(というか勝手に目が覚めてしまう)ので、都合が良いのですが。

<おまけのひとこと>
 このところ毎日、綱渡りのような自転車操業のような仕事のやり方になってしまっていて、良くないなあと思っています。






9月6日(金) 幾何学構造な建造物

 昨日は八丁堀のあたりで仕事でした。打合せが終わった後、木場公園のあたりに用事があったのですが、目的地はどの駅からも15分〜20分くらい歩くような場所でした。調べてみると距離は3km弱くらいだったので、それならいっそ全部歩いてしまおうかと思って、歩くことにしました。

 途中、ちょっとした木立があって、なんだかおもしろそうなものが見えました。

図 1

 小さな公園のようなところに、ドーム型の東屋のようなものがつくられていました。

図 2

 利用している人がいるのかどうかわかりませんが、庭はきれいに手入れされていました。



 もうしばらく行くと、ビルの上にルービックキューブのような立方体が載っている建物がありました。

図 3

 この建物はどんなことをやっている組織(会社?)のものなのかな、と思いました。(調べてみていません)



 こんなものを見ながら、3kmの距離をのんびり1時間近くかけてゆっくり歩きました。昔の江戸の時代はこうしてみんな歩いていたのだろうなあと思いました。伊能忠敬の住居跡とか間宮林蔵のお墓とかがありました。改修中の永代橋を渡った時には川面の景色が素敵でした。こうして歩くのも楽しいです。

<おまけのひとこと>
 すみません時間が無くて単なる日記です。






9月7日(土) ブラームス=キルヒナーのピアノ三重奏曲

 ブラームスの室内楽が大好きなのですが、先日CD屋さんに行ったとき、ブラームスの弦楽六重奏曲のピアノ三重奏曲版というCDがあったので買ってきました。第1番の第2楽章が特に有名な名曲です。

 ピアノ三重奏への編曲は、ブラームスと親交があったテオドール・キルヒナーという作曲家が行っており、ブラームス本人も絶賛していたという逸話が残っているそうです。聴いてみるとなるほど、大変魅力的な曲になっていました。有名な第2楽章こそ、原曲の編成のほうがいいかなと思いましたが、それ以外の楽章は、ピアノトリオになったおかげで曲の良さが際立っているように思いました。特にピアノの伴奏でチェロが朗々とテーマを奏でるところなどは本当に素晴らしいのです。

 また、原曲のどの声部をピアノ・ヴァイオリン・チェロに割り振るのかな、というところも聴いていて楽しいです。



 さらに調べてみると、このピアノ三重奏をさらに編曲して、ピアノ・フルート・チェロの三重奏として演奏しているCDもありました(こちら)。これもちょっと聴いてみたいなと思います。

 「この曲はいいなあ」と思ったときに自分の楽器でやってみたくなる、というのはよくある話だと思うのですが、無尽蔵に良い曲があるピアノやヴァイオリンの人にはそういう感覚はあまりないかもしれません。

<おまけのひとこと>
 週末なので音楽の話です。






9月8日(日) アリの巣

 家の前のインターロッキング舗装の隅っこに、砂が盛り上がっていたのです。

図 1

 アリの巣でした。

図 2

 わずかな時間にこれだけの仕事をするのですから、集団というのはすごいなと思います。困ったものです。 とりあえず薬剤を撒いていなくなってもらうことにしました。

<おまけのひとこと>
 台風、ちょうど首都圏が大変なようです。






9月9日(月) 多面体の紙模型

 こんな模型を作ってみました。

図 1

 この2つは合同です。A4の用紙に型紙を印刷して作ったのですが、2つ分取れたので、2つ作ってみたのです。

 一番大きな面どうしを接するようにしてみました(図2)。

図 2

 離れてしまわないように、土台のカッティングマットを傾けています。これ、どんなかたちなのかわかりますか?

(つづく)



 首都圏は台風で高速道路も鉄道も朝は止まっているようですが、長野県の私の住む地域はほとんど影響がなさそうです。

図 3

 朝5時半の降水状況です。

<おまけのひとこと>
 9/7(土)〜9/9(月)の3日分の更新をまとめて書いています。






9月10日(火) 三角形による八面体

 昨日の模型のCGと型紙を載せておきます。

図 1 図 2

 こんな型紙を作って模型にしました(図3)。

図 3

 底面の大きな正三角形の周りに2種類の三角形が3つずつあって、上の面は小さな正三角形です。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 プライベートでも仕事でもいろいろと心配事があって、悩ましいです。






9月11日(水) 「点と線の不思議」

 先日、久しぶりに「点と線の不思議」(一松信:講談社現代新書782)を読みました。私が持っているのは、昭和60年(1985年)8月20日の第一刷、450円です。(当時は消費税はありませんでした。)おそらく大学の生協で買ったのだと思います。

 今読み返してみると、昔読んだ時にはまったく印象に残らなかったことがいろいろ書かれていることに改めて気が付いて、「この本にはこんなことまで書かれていたんだ」と驚いています。

 たとえば、ハミルトン閉路(グラフの全ての頂点を1回だけ巡ってもとの頂点に戻る経路)についての議論の中で、本居宣長の長男の本居春庭の「詞八衢」(ことばのやちまた)という著作について述べられているのですが、この本が日本語の動詞の活用形について日本で初めて分類されていたり、係り結びの法則について初めて記載されていたりするのだそうです。私が習った義務教育のときの国語の先生がたいへん良い先生で、日本語の文法の面白さを教えていただけたのですが、でも当時、こんな記述は全く記憶に残りませんでした。

 また、ものすごく大きな数として有名なグラハム数という数があります。今日は時間が無いのでグラハム数については書きませんが、3↑3、3↑↑3、3↑↑↑3…などと表記する数です。これについても実はこの一松先生の本で読んだのがたぶん初めてだったのだな、と気が付きました。が、そのときにはこの話もあまり強く記憶には残りませんでした。昔の自分はこういう面白さに関する感度が低かったのだな、と思い知らされた気がしました。

<おまけのひとこと>
 もう若くないので(という言い訳や決めつけは良くないですが)、在社時間が長くなると往復の通勤の運転時間も含めて、かなり疲れます。無理がきかなくなってきているなあと思いました。






9月12日(木) 

 体調があまりよくないので、今日の更新はお休みです。じわじわと風邪のような症状が強まってきている感じです。朝起きても回復していないのが辛いです。今週もあと2日…

<おまけのひとこと>
 リスーピアワークショップの教材用のデータ、何度も作り直しています。3回目に送った“Final”版にもさらに問い合わせが来て、“Final 2”版を昨日送りました。実はそれにも電話で「ここが気になるのですが修正しますか?」という問い合わせが来たのですが、「そこはそのままで大丈夫です」と回答しました。少しでも良いものにしようと考えていただけているのがとてもありがたいです。












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