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以前の「ひとこと」 : 2019年4月前半



4月1日(月) 「三本の直方体」からの変化(その2)

 一昨日の「三本の直方体からの変化」の続きです。先日ご紹介したもの(再掲図)と、上半分を60度回転したものを並べてみました。

再掲図 図 1

 これも四角柱2つをL字型に組み合わせたものを3つ、互いに接するように配置したかたちになっているのですが、このL字型は先日のものとはL字型に折り曲げる方向が45度異なります。

 3つのL字型をばらばらにしてみると、こうなっています(図2〜図4)。

図 2 図 3 図 4

 このL字型は、もともとの四角柱を斜めに切断したかたち

の切断面の菱形(ちなみにこの菱形は正三角形2つ分です)をぴったり合わせるように接することでできるかたちです。

 この3つ(図2〜図4)がたがいにぴったり接する、というのは面白いと思うのですがいかがでしょうか。

(つづく)



 先週の金曜日の出張の帰りに、列車の中に充電中のオーディオプレーヤーを忘れてきた、という話を書きましたが、昨日(3/31)それを引き取りに行ってきました。もちろん鉄道利用で行きました。朝は風が冷たくて、雨かぱらついていて、少し標高が高いところは雪でした。

 目的の駅の「お忘れ物承り所(Lost & Found)」は小さな独立した部屋になっていて、ガラスの自動ドアを入ると2つの受付窓口があって、比較的年配の男性2人が待機していました。

図 5

 事情を話すとすぐに遺失物を出してきてくれて、住所と名前を書いて、自動車運転免許証を提示して(用紙には「何で身元証明をするか、という選択肢があって、その1つが免許証でした)、すぐに渡してもらえました。(私の書いた住所を見て、「これはまた遠くからいらしていただいて、実は自分の母の実家があなたの隣の地区なんですよ」なんて言われました。)

図 6

 今回、妻も一緒に行くというので二人分の往復の交通費をかけました。ふたりで往復で3,000円くらいかかるのですが、先日の最寄り駅の駅員さんといい、今回の遺失物窓口の駅員さんといい、とても対応が良かったので、行って良かったと思いました。往復とも列車の乗車率は3割くらいでした。

 今後日本の人口が急激に減ってゆくと、だんだんこういうサービスは維持できなくなってゆくのかなあと不安に思います。

<おまけのひとこと>
 4月になりました。今日は夕方は雪の天気予報です。まだまだ冬タイヤを替えられません。

 月初め、年度初めの更新ですが、珍しく(その2)というタイトルです。






4月2日(火) 3つのL字型(その1)

 このところご紹介している、互いに接している3つのL字型ですが、「互いに接している」という条件を保ったままで位置関係を変えてみたくなりました。 まず、考えやすいように対象物の向きを座標系の向きに戻し、パーツはシンプルなL字型にします(図1)。

再掲図 図 1

 これも3つのL字型それぞれだけを描画してみるとこうなります(図2〜図4)。

図 2 図 3 図 4

 これをこんなふうにずらしてみます(図5→図6)。

図 5 図 6

 gifアニメーションにしてみました(図7)。

図 7

 何かのロゴマークにありそうな感じのかたちです。

(つづく)



 デイリーポータルZ社会人が一年で全国1741市町村を巡るためにやったことという記事で、1741全市町村制覇プロジェクトというのを知りました。日本全国の1741の市町村をすべて訪問するという「制覇」系の趣味なのですが、単にその地域に足を踏み入れればよい、というのではなく、必ずその自治体の・市役所、町村役場を訪れて写真を撮る、かつそれは日中でなければならない、という条件が付けられています。もちろんこれは本人が考案した「あそび」であり、そのルールは公式に定められた競技ではありませんけれども、こういったこだわりこそが真剣に楽しむために大変重要です。

 詳しいルールはプロジェクトのページの市町村制覇ルールに記載されています。これを読むと感動します。<基本ルール>、<訪問ルール>、<社会人ルール>が定められており、週末の土日がお休みで年間の有給休暇が20日間取得可能という典型的な社会人が、仕事をないがしろにせずに1年間でこの偉業を達成することを目標として計画され、実行されたのだそうです。

 結果的に1年間ではすべてを訪問することはかなわなかったのだそうですが、2018年1月1日に開始され、2019年2月18日には達成されたのだそうです。こういう、自分であそびのルールを決めてストイックに楽しむというのは大変すばらしいと思います。

 はるかに規模は小さいですが、自分が住んでいる県だけでもやってみたくなりました。それも平成の大合併の前、自分が小学校4年生のときに習った長野県の当時の117市町村の時代の市町村役場(跡)を巡る、なんていうのも楽しそうだなと思いました。調べるのも大変そうですが。

 「移動はすべて自家用車」「全て日帰りで、自宅を出発して自宅にもどる」「訪問時刻は日の出から日の入りまでのみ」という条件で、いったい何日あれば回れるか、机上でドライブプランを考えてみるのも楽しいかな、と思いました。さらに、有料道路を使用してはいけないというルールを追加すると、長野県は広いのでかなり厳しいことになりそうです。

 上記の1471市町村制覇も大切なのは計画で、実行の1年前から綿密に計画を立てて準備し、特に訪問が難しい離島などは天候などタイミングを見計らいながら訪問したのだそうです。これはとても面白い「あそび」だと思いました。

<おまけのひとこと>
 次の年号が令和に決まったそうです。さっそくいろいろなところで話題になったり、妙な深読みがされたりしていますね。こういうことこそが文化の本質なんだと思うのです。私は零和ゲームの「零和」を連想しましたけれども、こういう、衣食住にダイレクトにはつながっていない「元号」のことばからいろいろと連想したことが様々な切り口で論じられる、というのはとても良いことだなあと思いました。






4月3日(水) 四葉のクローバーの折り紙(その1)

 先日、YouTubeの折り紙一枚で!クローバーというのを見て、作ってみました(図1)。いずれも不切折り紙一枚折りです。まずは通常の15cm角の折り紙から折ってみました。

図 1

 裏側はこんな風になっています(図2)。

図 2

 わりと好きな折り紙作品です。気に入りました。単色のタイプのほうが開いてこないでしっかり平らになっています。作ったのは確か2週間ほど前で、写真を撮ったのは今朝です。

 最初の凹ませて折る工程、次のねじり折りの工程はおそらく馴染みのない方には敷居が高いテクニックだと思います。YouTubeのコメント欄にも「難しい」「無理」「できなかった」…等のコメントが並んでいました。

(つづく)



 職場のレイアウト変更があるのですが、出張で不在になるため、自分の机の移動を他のメンバーにお願いしなければならなくなりました。実は昨年の4月のレイアウト変更のときにも忌引きで不在だったため、机を動かしてもらったのです。私の机は引き出しやキャビネットがいっぱいなので重くて大変なのです。大変申し訳ない気持ちです。

<おまけのひとこと>
 このところ急に寒くて、服装をどうしようかなと悩みます。






4月4日(木) 四葉のクローバーの折り紙(その2)

 昨日ご紹介した四つ葉のクローバーの一枚折り、15cmの標準の折り紙からつくるとちょっと大きすぎるので、辺の長さがその半分の7.5cmの小さな折り紙でも折ってみました。

図 1

 小さいサイズのほうが折りにくいですが、出来上がりはこのサイズのほうが好みです。でも、緑系の色のこのサイズの折り紙用紙を使い切ってしまっていました。

 昨日は東京に出張でした。帰りに新宿の東急ハンズに駆け込んで、7.5cm角の「単色いろがみ」(100枚入りで税込108円)というのを買って、帰りの特急の中でいくつか折ってみました(図2)。

図 2

 コピー用紙から正方形を切り取って作ったもの、以前作ってあったものを取り混ぜて写真を撮ってみました。

図 3

 実はこれ以外にもいくつか折り方のバリエーションを試したのです。でも、うまくいっていません。

(つづく)



 3月下旬は東京に日帰りの出張が3回ありました。春休み中ということで家族連れなどの旅行客も多くて、乗車率は90%以上でした。昨日の出張では、学校が始まったからだと思いますが、乗車率はかなり下がっていました。なので折り紙などものんびりできたのですが、行きの列車の中で、先日の忘れ物をした状況を再現してみました(図4)。

図 4

 こんな風に、シートのひじ掛けの下の電源のところに、USBメモリタイプのオーディオプレーヤーを挿したまま、見落として下車してしまったのでした。拡大するとこんな感じです(図5)。

図 5

 これに懲りて、同じパターンの忘れ物はしないようにしようと思います。

<おまけのひとこと>
 昨日の出張は、朝、家を出るときの気温は氷点下7度でした。展示会の見学だったので、荷物になるのがいやでコートを着て行かなかったのですが、かなり寒かったです。






4月5日(金) 四葉のクローバーの折り紙(その3)

 このところご紹介している四つ葉のクローバーの一枚折りですが、用紙のかたちを変えてみたり、折り方をちょっとアレンジしてみたりしてみたりしています。でも、そのいずれの試みもうまくいっていません。今日は「うまくいかなかった実例」の1つをご紹介します。

 この折り紙の敷居が高いのは、最初の工程がねじり折りになっているところだと思うのですが、そのねじり折りの幅を変えてみたのです。図1の右側が通常の手順で折ったもの、左側が折り込まれている部分の幅が広いものです。

図 1

 それぞれをひっくり返すとこうなっています(図2)。

図 2

 逆に、折り込まれる部分の幅が狭いものも作ってみました(図3左)。図3の右は、比較のための通常の手順のものです。

図 3

 これらから折り始めて出来上がったのが図4です。左が図1由来のもの、中央が通常の手順で折ったもの、右が図3由来の折り幅が狭いもの、です。

図 4

 図4の右のものはちょっと面白いかたちだと思いますが、でもたくさん作ってみたいという魅力がある造形ではないです。

 実はこれ以外にも、長方形から始めてみたり、菱形から始めてみたり、正六角形から始めてみたりもしたのですが、良い結果が得られませんでした。このシリーズはいったん今日で終わりにしようと思います。

<おまけのひとこと>
 今日はまた急に気温が高くなるようです。






4月6日(土) バッハのサイン

 最近またバッハの鍵盤曲を少し調べたりしているのですが、JS Bach Keyboard Works(J.S.バッハの鍵盤作品)というページに行ったら、冒頭にこんな図が載っていてとても感心しました。

図 1

 これが何を意味しているのかわかりますか? 現代譜っぽい表記にしてみると、こんな感じになります(図2)。

図 2

 上記のページの最後にこの図に関する解説があるのですが、英語ですので、明日にでも解説を書こうと思います。



 せっかくなので、この「表記法」で別な表現をしてみました(図3、図4)。あんまり良い例が見つけられませんでした。

図 3 図 4

 それぞれ、何を表しているでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 これも広い意味でのパズルの一種だと言い張れないこともないかなあと思いました。






4月7日(日) バッハのサイン(その2)

 昨日の「バッハのサイン」の簡単な解説です。(この解説を読んで「なるほど」と思って下さる方はそもそも解説がなくても読み解ける方のような気もしますし、楽譜の表記に興味がない方はこの解説を読んでもピンとこないでしょう。なんだか意味がないことを書いている気もしますが一応書きます。)

 昨日の図は、楽譜を書くための五線がクロスしています。五線の左側には「音部記号」といって、五線が広い音階の中のどの部分を表しているかを示す記号を描きます。音部記号にはト音記号・ヘ音記号・ハ音記号の3種類があって、さらにそれらは五線の中で異なる位置に表記される場合があります。このあたりの話は2016年12月6日のひとことでも書いていますので、興味がある方はご覧ください。

 五線と音部記号があると、その五線に記載された音符の音の高さ=音の名前が決まります。音の名前は国によって表記や発音が異なりますが、日本では階名と呼ばれる「ド・レ・ミ・ファ…」、和音を意味するコード名で使われる「A,B,C…」、長調や短調といった調性の名前に使われる「イ・ロ・ハ・ニ…」、あとは「アー・ベー・ツェー…」といったドイツ読みをする場合もあります。

 昨日のバッハのサインの図は、クロスする五線の中央に音符が1つだけあって、その周りに4つの音部記号が描かれています。それぞれの音部記号に従って中央の音符を名前を順番に文字にすると、この図が表しているのが“B A C H”、つまりバッハの名前になっている、というしくみです。

図 1

 五線の中央の第三線の音符の名前がA,B,C,D,E,F,G,H になる音部記号の一覧を作ってみました(図2)。

図 2

 やや無理のある音部記号もありますが、これで一通り表記できています。

 また、昨日は中央の音符が第三線に乗っていないパターンも提示しました。たまたまAとEが向き合っていたので、こんな変形ができるな、と思ったのです(図3)。

図 3

 でもこうすると、図案の中心に音符が来ないので、ちょっとバランスが悪いです。

 どうせずらすなら、と思って、通常よく使われるト音記号、ヘ音記号とソプラノ記号の表記のものも作ってみました。これは“C A F E”という意味になります。

図 4

 音符の位置が線の間になってしまうので、かなり音符の存在がわかりにくいのが大きな欠点です。でも、このデザインが「カフェ」という意味なのだというのは面白いと思うのですがいかがでしょうか。



 新聞の週末の別刷りに新たに連載が始まったという「歴史探偵おぼえ書き」(半藤一利)というコラムを読んでいたら、滝廉太郎の「花」(春のうららの墨田川…)についての記事の冒頭に、

 小学校六年間をとおして、唱歌「丙」の、わたくしだってまずまず歌える名曲で…

 という記載がありました。小学校の科目に「唱歌」というのがあったこと、成績が「丙」だったことを知っている読者の割合はどのくらいなんだろう?と思いました。 誤解していただきたくないのですが、私は「通じないかもしれないから新しい表現に置き換えたり、説明を加えたりすべきだ」と言いたいわけではなくて、むしろその正反対で、その当時のことを語るならばその当時の言葉や表現を使うべきだ、という立場です。

 試しに妻に「成績が「丙」ってどういうことかわかる?」と尋ねたところ「あんまりよくない、ということはわかるけれど、それ以上はわからない」とのことでした。「だってそんな風に成績を付けられていなかったから」とのことですが、私だってもちろん「通信簿」とも言わなかったし評価も「甲乙丙」ではありませんでしたけれども、でも、両親や祖父母の世代の人と話をすると、自然とそういう言葉を聞いたものでした。

 ちょっと検索してみたら、宮沢賢治はオール「甲」 岩手の母校で成績簿発見(日本経済新聞 2013年5月21日付)といった記事が出てきました。「甲乙つけがたい」なんていう言葉は今でも日本語に残っていると思います。

 戦前の徴兵検査の「甲種合格」という言葉は小説やドラマなどで知りましたし、現在の法律で定められている資格の一つである「危険物取扱者」には「甲種・乙種・丙種」があるはずです。

 言葉は時代と共に変わってゆくものですけれども、そういった変化もひっくるめて日本語が今後も生きた言葉として使い続けられてほしいなあと思っています。

<おまけのひとこと>
 お休みの日に更新をしていると、なまじ時間があるため、連想したことなどを次々と検索したりしているときりがないです。






4月8日(月) 不切一枚折りの手裏剣(その1)

 先日ご紹介した一枚折りの四葉のクローバーの折り紙に関連して、ねじり折りについて検索していたら、手裏剣の一枚折りという作品がヒットしました。こちらのブログによると、『第9回折紙探偵団コンベンション折り図集』(2003年)に「表裏同等一枚折り手裏剣」という作品の折り図が掲載されたのが最初のようです。

 これを作ってみることにしました。検索してみると、こちらのワンダースクール:しゅりけんの折り方とか、こちらのをり道楽:手裏剣(不切正方形一枚折り)といったページに写真で折り方の手順を紹介して下さっているのを見つけて、自分でも作ってみました。

 こんな、二そう舟や風車の基本形に近いかたちから始めます(図1)。

図 1

 完成直前のかたちです(図2)。

図 2

 完成形です。左の単色のものは、通常の風車から始めた場合です。図3と図4が表と裏です。完成形だけ見ると、通常の手裏剣と同じなのであんまりおもしろくありません。

図 3
図 4

 紙が重なった状態でねじり折りをしないといけないので、ちょっと難しい折り紙になるかと思います。ねじり折りのぶんだけ普通の手裏剣より小さくなります。これは製作するプロセスが楽しい折り紙であって、完成品を楽しむ折り紙ではないですね。

(つづく)



 土曜日の晩に妻を迎えに駅まで行ったら、「よるのどうぶつえん」というイベントをやっていました。駅ビルの窓から漏れた光が、ゲートまでの誘導路のように見えました(図5)。

図 5

 ライトアップされた「よるのどうぶつえん」のゲート(図6)。

図 6

 動物のプレートや(図7)

図 7

 本のかたちをした影絵(図8)、

図 8

 テントのような角錐型のライトの周りの動物たち(図9)

図 9

 など、幻想的な展示でした。4月6日が最終日だったようで、ぎりぎり見ることができて良かったです。

<おまけのひとこと>
 4月から職場の体制が新しくなって、私も上司が変わりました。職場の座席の位置も変わって、周囲の人の雰囲気も変わりました。あと3週間で連休ですが、それまでにやることがたくさんあります。






4月9日(火) 劉徽(りゅうき)の三平方の定理の証明(その1)

 先日出張で東京に行ったときに、イアン・スチュアートの“Significant Figures”という本を買ってきました。

図 1

 知らなかったのですが、今年(2019年)の1月に「数学の真理をつかんだ25人の天才たち」という日本語翻訳版もでているようです。残念ながら日本人の数学者は取り上げられていませんでしたが、第2章が劉徽(りゅうき:Liu Hui)という三国時代の中国の数学者でした。その中に劉徽が考案したという三平方の定理の証明の図が載っていて、パズル的にちょっと面白かったのでご紹介したいと思います。

図 2

 図2のような、三辺の長さがそれぞれ a, b, c (ただし a < b < c) の直角三角形を考えます。劉徽は、小さいほうの2つの正方形を図3のように分割したのだそうです。

図 3

 辺aのほうの正方形は対角線で2分割します(黄色)。辺bのほうの正方形は、もともとの直角三角形と合同な緑色の直角三角形2つと、辺の長さが(b-a)の小さな青い正方形1つと、残った部分を二等分する細長い赤い三角形2つの5つの部分に分割します。

 この分割でできた7つの図形を並べ替えて、辺の長さがcの正方形を作って下さい。

図 4

 これができれば、三平方の定理が証明できたことになります。

(つづく)



 4月8日(月)は、週のはじめだというのに職場の同僚と飲みに行ったのです。今は片道1時間かけて車通勤しているのですが、会社の近くで飲むと、自宅最寄り駅までJRで約1時間、そこから自宅までは歩いたら1時間近くかかります。遅い時刻だと駅まで迎えに来てもらうのも大変ですし、列車を乗り過ごす危険もあります。今回はカプセルホテルに泊まってみることにしたのでした。

 チェックインしたときに、「その日の寝床」の写真を撮ってみました(図5)。

図 5

 自分の占有スペースの入り口はロールカーテン1枚だけでした。昔の鉄道の寝台車のような感覚です。外国人の旅行者と思われる方がかなりの割合でいらしたように思います。

 皆さんとてもマナーが良くて、話し声などは全く聞こえませんでした。ただ、それぞれのスペースから出入りしたり、廊下を歩いたりする音は当然よく聞こえます。また、お気の毒にずっと咳をしている方がいらして、ご本人も眠れなくて大変そうでしたが、けっこう気になりました。

 結局、途切れ途切れにトータルで3時間くらいしか眠れなかったのですが、まあ自宅にいても睡眠のスタイルは似たようなものですし、なかなか楽しかったです。朝は4時半くらいに大浴場に行って、ゆっくりお風呂に入りました。 4時半前にスーツを着て出発してゆく方がいて、こんなに早い時間にどこに行くんだろう?と最初は不思議に思いましたが、高速バスの始発に乗るのかな、と気が付きました。ホテルから徒歩1分くらいのところにバスターミナルがあって、始発が確か4時半なのです。

 私は6時前にチェックアウトして、コンビニで朝ご飯を調達してから始発列車で会社に行きました。

 費用のほうは、ちょうど4月末で失効するポイントが1,000円分使えて、自宅まで往復する交通費と大差のない、一泊1,980円の支払いで泊まることができました。たいへんコストパフォーマンスが高くて満足しました。またやってみてもいいかなと思いました。

<おまけのひとこと>
 急な外泊だったため、4/10(水)の朝に4/9、4/10の2日分の更新をまとめてしています。






4月10日(水) 前川淳の兜の折り紙

 ふと、折り紙で「兜」が折ってみたくなって、前川淳さんの「本格折り紙√2」に載っている、長方形から折る兜の折り紙を折ってみました。

図 1 図 2

 シンプルですがかっこいいデザインだと思います。ちなみにこれは「A5」サイズの長方形から折っています。



 今朝は窓の外が妙に白っぽいなと思って見てみると、雪が積もっていました。

図 3

 会社でも、すでにタイヤを夏用に履き替えてしまった人も多いようで、ちょっと心配です。私はもちろんまだ冬タイヤです。

<おまけのひとこと>
 今日は夏タイヤで慎重に運転している車がきっと路上にはいるでしょうから、通勤にかなり時間がかかるのではないかと心配です。はやく出発しないと…






4月11日(木) カギのない数独系パズル(その1)

 先日ご紹介した「おいしい数学」(ジム・ヘンリー:岩波書店)から、本日は第3章「シンプルな味」で論じられている話題をご紹介します。

図 1

 数独とかナンバープレース(ナンプレ)などと呼ばれているペンシルパズルがあります(図2)。皆さんよくご存じだと思いますが、9×9マスの枠が9つの3×3の枠に分割されていて、各行、各列、およびすべての3×3の枠の中には1〜9の数字が1つずつ入るように、全てのマスに数字を入れてください、というパズルです。

図 2

 解が唯一に定まるように、あらかじめマスの中にはカギ(手がかり)となる数字がいくつか入れられていて、この数字は変更してはいけません。

 著者は、このパズルで数字が使われていることの意味がないことに違和感を感じたのだそうです。このパズルで使われている数字は単なる記号であって、互いに区別ができるものであれば、文字でも色でもなんでもいいわけです(図3)。

図 3

 図3の2つの例は、いずれも図2のパズルと論理的にはまったく等価なパズルになっています。

 著者はこう考えます。

1. パズルの中の数字は意味を持っていてほしい。数字を使うなら、足し算や掛け算のような計算をしてほしい。
2. 数字は、最初は見えない状態であってほしい。カギとして数字が出てくるのは美しくない。

 もちろん、解の一意性(答はただ1つに定まること)はパズルの大前提です。複数の答が出てきてしまうというのはパズルとしては最も避けるべきことです。

 この条件を満たすため、著者らは「正方形を不揃いなかたちの領域に区切り、各領域の数字の合計はすべて等しい」というルールを導入することを思いついたそうです。このルールで解が1つに決まる問題を見つけるのは簡単ではなかったそうですが、ついに見つけたのがこちら(図4)だそうです。

図 4

 この問題は試行錯誤をする必要はなくて、論理的に考えていけば解は一意に定まることが示せるそうです。本にはこのパズルを解くための最初の入り口の考え方が説明されています。ここでは種明かししませんが、最初に決まるマスはどこでしょう? それはなぜその数字になるのでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 ちょっと忙しくて、明日は更新ができないかもしれません。






4月12日(金) 劉徽(りゅうき)の三平方の定理の証明(その2)

 イアン・スチュアートの“Significant Figures”という本に載っていた、劉徽(りゅうき)の三平方の定理の証明のご紹介を4月9日にしましたが、その解答編です。劉徽の分割はこうでした。 (辺aのほうの正方形は対角線で2分割します(黄色)。辺bのほうの正方形は、もともとの直角三角形と合同な緑色の直角三角形2つと、辺の長さが(b-a)の小さな青い正方形1つと、残った部分を二等分する細長い赤い三角形2つの5つの部分に分割します。)

再掲図

 これを、このように並べ替えると大きな正方形が構成できるのです(図1)。

図 1

 いつもコメントをお寄せ下さる尾道の大村さんから解答図を送っていただいて、「線対称に分割しておいて、回転対称に並べる、というのがトリッキーで、鮮やかですね」というコメントをいただきました。ありがとうございました。

 大村さんからは、もっと細長い直角三角形の場合の劉徽の分割図も送っていただきました(図2)。

図 2

 ありがとうございます。この分割はとても素敵だと思います。



 三平方の定理の証明法は200種類以上が知られているのだそうです。こちらのPythagorean Theorem(ピタゴラスの定理)というページには、100種類を超える証明が掲載されています。その中の28番目に、この劉徽の証明が載っていました。

 ただし、上記のページのコメントでは、これが本当に劉徽による証明なのかが極めて疑わしいと書かれています。その真偽の議論の根拠を参照する能力も時間も私にはありませんので、本当のところはよくわかりません。でもこの分割が極めて興味深いことは間違いないことです。



 イアン・スチュアートの本では、この分割図に対して“It is an ingenious and unusual dissection.” とコメントしているのです。最初にこの文を読んだとき、私は“ingenious”という単語がわからなくて、“genius”(天才) という単語に“in-”という否定の接頭辞がついているので「あんまり頭のよくない」みたいな否定的な感想を述べているのかなあ、と思い込んだのです。 いやでもこれはそういう文脈ではないだろう、と思って、素直に辞書をひいてみたら「ingenious:利口な、発明の才に富む、器用な、創意工夫に富む、巧妙な、独創的な」という意味だということがわかりました。

 うーむ、自分の英語力(単語力)の低さを棚に上げて言うと、普通、“in-”という接頭辞が付くと、意味が反対になることが多いと思うのです。たとえば、こんなものが思い浮かびました。

invisible 見えない
inadequate 不十分な
independent 独立した、依存していない
indirect 間接的な、まっすぐではない
informal 非公式の

 でも改めて問題の単語を見ると“ingenius”ではなくて“ingenious”なのですね。一方、“genious”はミススペルで、正しいのは“genius”なのですね。語尾の“-our”が“-or”になったりする例がありますが(favourとfavorとか)、語尾の“-ous”が“-us”になったりする例はないのかな、と思いました。

 さらに、今回の genius と ingenious のように、極めてよく似た綴りの語頭に in- が付いて、かつ単語の意味がよく似ているという例はあるのかな、と思ったのですが、全く思いつきませんでした。

<おまけのひとこと>
 4月13日(土)の朝に、4/12(金)の更新を一日遅れでしています。日付を追いつくために2日分書こうと思ったのですが、とりあえず1日分のみ、更新します。明日の朝、2日分書いて追いつく計画です。






4月13日(土) ふうせんうさぎ(折り紙)

 比較的簡単な「うさぎ」の折り紙に、「ふうせんうさぎ」という作品があります。伝承作品なのかどうかよくわかりませんが、Net上で折り方の解説をよく見かけます。先日、耳の部分にちょっと工夫のある画像を見て、自分でもまねして作ってみました。すみません、情報源を失念してしまいました。

 こんな感じです(図1〜図4)。

図 1 図 2
図 3 図 4

 よく「ふうせんうさぎ」というと、丸々と膨らませてしまう作例を見かけますが、こんな形に仕上げると立体的でいい感じだなあと思うのですがいかがでしょうか。全体の雰囲気が、ちょこんと座っているうさぎを表現している良いデザインだと思うのです。

 このかたちを見ていると、なんとなく「うさぎまんじゅう」を連想します。うさぎまんじゅうのデザインも、うさぎらしさのある一面を上手に表現していると思うのですが、それになんとなく似ている気がします。

<おまけのひとこと>
 昨日の予告の通り、4月14日(日)の朝に、4/13(土)と4/14(日)の2日分の更新をしています。






4月14日(日) おもちゃのレールで「結び目」を組んだ動画がありました

 YouTubeに走れる幾何学モノレールversion右6左1x8という動画がありました。

図 1

 これはとても興味深いです。昨年10月にこんなものを作ったことがありましたが、

再掲図 1 再掲図 2

 レールでこのようなかたちを組んで、その上に列車を走らせる、という発想は素晴らしいと思いました。

 このレールはプラレールでしょうか。調整用の短いレールも活用されているようで、それでもときどき脱線していますが、とても面白いですね。これを実際に作るとしたら、費用はどのくらいかかるのでしょうか。ちょっと作ってみたくなりました。

<おまけのひとこと>
 今日は地区の春の出払い(共同作業)で、朝8時からの砂利道の整備と、朝10時からの用水路の整備があります。二日酔いで辛いです(自業自得)。






4月15日(月) 折り紙、春の出払いなど

 「過去のページ」の最下段となる四月前半の最終日なので、今日は軽い話題です。



 先日折った「ふうせんうさぎ」のつながりで、「紙風船」の系統の折り紙作品として、ロケットを折ってみました。

図 1

 双四角錐(四角錐を2つ、それぞれの底面を合わせたかたち)の本体部分がカッコいいと思うのです。



 こちらのブログのブランコ風車というのを見て、1つ折ってみました。ご本人が考案された作品なのでしょうか。 表と裏です(図2、図3)。

図 2 図 3

 斜めに折り始めて、たとう折りを繰り返す、ちょっと面白い作品だと思いました。



 昨日4/14(日)は、地区の春の道直しの出払い(8時から)と水路の出払い(10時から)がありました。 道直しのほうは、砂利2立米を軽トラに積んで必要な場所に下ろして道を補修するという作業、水路のほうは水路の上流を点検して、大雨のときなど流量が増えたときに水路をふさいでしまうような可能性のある木の枝などを事前に撤去しておく、といった作業です。

 実は昨年から10軒近い家が自治会を退会してしまって、だいぶ人手不足になっているのです。おかげで以前より少し大変になりました。

 こんなミニホイルローダーをお持ちの方がいて、提供して下さるのでとても助かるのです。調べてみると、このタイプのものは中古市場で70万円くらいのようです。こういった重機の中古市場では、走行距離ではなく稼働時間で程度を判断するようですね。今はそんな記憶装置が付いているのでしょうか。私が昔扱っていた、丸太を扱う3自由度のフォークリフトは、そんな機能はなかった気がします。

図 4

 こんな風に砂利を軽トラに積みます。私は今年はこのホイルローダーのバケットの中に鋤簾(じょれん)で砂利を入れる担当をやっていました。軽トラの荷台まで砂利を人手で載せるのに比べればはるかに楽な作業ですが、それでも大変です。以前だと人が余っていたので、交替しながらできたので楽だったのですが。

図 5

 10時からは地区の中を流れる用水路の上流側に行って、周囲の木の枝で危険な状態になっているものを撤去したりする作業をしました。途中、なんだか「だまし絵」のようなシーンを見かけました(図6)。

図 6

 何がおかしいかわかりますか? コンクリートの杭の先端だけが空中に浮かんでいるように見えます。

図 7

 コンクリート製の杭が、おそらく用水路の水に侵食されて、中心の鉄筋だけになってしまっているのです。水の力はすごいなあと改めて思います。

<おまけのひとこと>
 これから地方の高齢化はどんどん進んで、こういった自治会組織というのの維持も難しくなってゆくのだろうと思います。でも、税収も少なくなって行政でできることも絞られてゆくことになるでしょうから、水(河川)の管理、道の管理など、地域でできることを協力してやってゆくことは大切だと思います。ただ、どんな活動は継続すべきで、どんな活動はやめるのか、という判断はなかなか意見が合わない気もします。






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