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以前の「ひとこと」 : 2019年4月後半



4月16日(火) 対称2枚貼り折り紙:立方体

 昨年だったか、丸善の折り紙コーナーをのぞいていたら、ものづくりのための立体折紙練習帳(野島武敏・杉山文子 2015:日本折り紙協会)という型紙集を見かけて、面白そうだと思って購入しました。  

図 1

 リンク先のページには、サンプルとしていくつかのページの高品質な画像が掲載されていますのでご覧になってみてください。

 この「練習帳」は、こちらのものづくりのための立体折紙 〜2枚貼り折紙の提案〜という本の別冊のような位置づけのようです。検索してみると、共著者の杉山さんのものづくりのための2枚貼り折り紙(日本機械学会誌 2016. 10) という2ページの解説記事もありました。

 この「練習帳」の最初のほうに、立方体、正八面体、正二十面体を平らに畳むモデルが掲載されています。(サンプル画像の1つ目には正二十面体のモデルの展開図が載っているので、これを見るだけでも試作ができると思います。) また、オリジナルの「ものづくりのための立体折紙」の表紙の画像を見ると、立方八面体や菱形三十面体のモデルも載っています。

 これは面白そうだと思って、まずは立方体から作ってみることにしました。



 展開図を作って印刷し、折り筋を入れて切り取ります(図2)。

図 2

 二つ折りにして、上下2か所と左右1箇所ののりしろを接着します(図3)。これを徐々に変形して立体化してゆくと(図4)、

図 3 図 4

 立方体になります(図5)。

図 5

 手を離してもちゃんと立方体のかたちを保っていて気持ちがいいです。これは面白いなあと思って、他のかたちもデザインして作ってみることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 最近、生活のサイクルがますます前倒しになってきていて、夜は9時くらいに早々に寝てしまって、朝は2時〜3時くらいに起きる、というのが定着してしまっています。しかも通勤に片道1時間かかるのです。会社の定時後に会議があったりすると、さすがに9時に寝るのは無理なのですが、遅くとも19時までには退社するようにしています。家に帰って夕食(というか晩酌)が1時間弱くらいで、すぐに寝てしまいます。
 5〜6時間寝て、目が覚めてから1〜2時間は本を読んだり何か作ったりこのページの更新をしたりして、朝食は朝4時半。それからシャワーを浴びて出かける準備をして、朝5時半〜6時の間には家を出ます。
 最近は出張が多くなったのですが、始発の特急列車での出張はいつもより家を出る時間が遅くてもいい上に、乗車後2時間以上は座ってなんでもできるので(通常の出勤時は自家用車通勤なので車を運転しなければいけないので、何かを聴くくらいしかできません)、出張のほうがある意味楽です。






4月17日(水) 対称2枚貼り折り紙:正八面体

 ものづくりのための立体折紙練習帳から、昨日の立方体に続いて正八面体を作ってみました。  

 展開図を作って印刷し、折り筋を入れて切り取ります(図1)。この作図は簡単です。

図 1

 二つ折りにして、3か所ののりしろを接着します(図2)。これを徐々に変形して立体化してゆきます(図3)。

図 2 図 3

 今日の模型は手を離すと開いてきてしまうため、写真撮影のために輪ゴムで仮止めしました(図4)。

図 4

 シンプルなデザインなので、かたちはきれいに決まっています。手で形を保持する分には問題ないです。また、8つの正三角形の面に分割線や折り線が入らないのは美しいと思います。手を離しても安定していた、ただし2面が分割されている昨日の立方体と比べてどちらが良いか、微妙なところです。

 この2つのモデルが面白かったので、同じ思想のオリジナルな多面体をデザインしてみることにしました。

(つづく)



 このところ出張が多いのです。以前はJR券(乗車券・特急券)は会社の専門の部署で発行してもらえたのですが、3月16日のダイヤ改正以降は個人でNet予約するシステムに変わってしまいました。乗車6分前までに発券してもらう必要があるということなのですが、万一、窓口が混雑していたりして発券が遅れると特急券から買い直す必要があるらしく、「十分な時間の余裕をもった発券をお願いします」などとアナウンスされています。

 ダイヤ改正前の3/15までは始発の特急は最寄り駅6:39発で新宿着が9:12でした。次の特急は40分後の7:19発→新宿着9:26で、到着時刻は14分しか違わなかったのです。それが、ダイヤ改正で始発は6:55発とだいぶ遅くなりました。新宿到着時刻は同じ9:12で、2本目の特急は発着時刻は変更有りません。東京近郊の中央線のダイヤを変えることはできない、ということなのだろうなと想像しています。

 3月16日のダイヤ改正以降、この1ヵ月で出張で東京には6往復しているのですが、以上のようなわけで、いつも始発の特急に乗るために発車20分前くらいに駅に着いて余裕をもって発券する、ということをしています。昨日も出張だったのですが、気持ちの良い朝だったので、何枚か写真を撮ってみました。

 その時間だと駅周辺にはまだほとんど人の気配はありません。駅前の通りもだれもいません(図5)。

図 5

 いつもはそれなりに混雑している駐車場もからっぽです。一台も車が止まっていません(図6)。

図 6

 だいぶ日が長くなって、気持ちの良い朝でした。

<おまけのひとこと>
 東京は20℃を超える気温でしたが、朝は車を停めた駐車場のわきの水たまりには氷が張っていました。朝、列車に乗るまでの間だけのためにジャケットの下にセーターを着てゆきました。






4月18日(木) 対称2枚貼り折り紙:菱形十二面体の設計

 ものづくりのための立体折紙練習帳に載っていた、対称2枚貼り折り紙の立方体と正八面体を作ってみて、なかなか面白かったので別の多面体も同じ思想でデザインしてみることにしました。最初に考えてみたのは菱形十二面体です(図1)。

図 1:菱形十二面体

 対称2枚貼り折り紙は、まず対象の多面体を鏡像対称面で二等分するところからデザインが始まります。菱形十二面体の場合、図2のように向かい合う面の中心を結ぶ青い直線の垂直二等分面(赤い六角形)で二等分する方法と、図3のように次数4の向かい合う頂点を結ぶ青い直線の垂直二等分面(赤い正方形)で二等分する方法が考えられます。

図 2 図 3

 図2のほうは、全部で12ある菱形の面のうち、2面だけが短い対角線で二等分されます。図3のほうだと、4つの菱形が長い対角線で二等分されます。まずは図2のほうが平らにつぶしやすいだろうと思って、そちらを設計して作ってみることにしました。

 こんな展開図になりました(図4)。

図 4

 黄色い面が組み立てて立体化したときに表に出る菱形十二面体の面の部分です。青い矢じりのような部分は、立体化したときに多面体の内側に折り畳まれる部分です。赤い部分は「のりしろ」です。

 これを、A4の用紙にだいたいいっぱいになるくらいのサイズにして、印刷して切り出して組み立ててみました。

(つづく)



 今年は息子が新卒で就職活動をしています。特に口を出したりしていません。今は、この職業に就けば安心とか、この会社に就職できれば一生安泰とかいうことは言えない時代だと思います。 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。」 花形の産業というのは数十年という単位でどんどん変わっています。 大卒の新卒で、最も人気が高い業種にはその年代で最も優秀と言われる人が就職するのだと思うのですが、その人たちが40代〜50代になる頃はその業種は斜陽を迎えていたりする、ということがままあるように思います。昔の繊維産業や半導体産業などがわかりやすい例かなと思います。

 今、日本の産業の中で、「ここなら将来安泰」と確実に言えるような業界、それも50年後まで安泰と言えるような業界を言い当てることは誰もできないと思います。 私自身は地方のメーカーに勤務してそろそろ28年くらい経ちました。この間に、仕事の仕組みや道具もずいぶんと変化しました。これからはその変化ももっと早く激しくなるでしょう。何か1つの技を身に付けたら、それで一生食べて行けるということはもはやあり得ないと思います。

 大切なのは、新しいことを面白いと思えること、自分の考えをまとめて表現すること(話すこと、書くこと)、相手の言いたいことや考えていること、感じていることを理解すること、だと思っています。仕事の内容や環境が変わっても、そういう人は適応して活躍してくれます。

 大局的に見ると、時代は確実に良い方向に向かっていると思います。私たちの生活は昔よりはるかに快適になり、衣食住の質は向上し、多くの情報を簡単に入手できるようになり、昔に比べると自由な時間も増え、健康寿命も長くなっていると思います。(もちろん個別には大変な状況にある人もたくさんいらっしゃると思います。)

 でも、統計データとかを見ると、日本人の幸福度は必ずしも高くないようです。なぜなんだろうなあと思います。(自分なりの仮説は持っていますが、長くなるのでこの辺で。)

<おまけのひとこと>
 すみません雑談でした。






4月19日(金) 対称2枚貼り折り紙:菱形十二面体の制作

 昨日設計してみた対称2枚貼り折り紙の菱形十二面体を、実際に印刷、折り筋付け、切り出しをして組み立ててみました。今日はその写真をご紹介します。

 切り出した直後の写真、撮ったつもりが撮っていませんでした。図1は折り線を軽く山折、谷折してから2つ折りにして「のりしろ」5か所を接着したところです。

図 1

 少し膨らませて完成形に近づけたところです(図2)。

図 2

 図2の状態のものを横から見たところです(図3)。

図 3

 完成した菱形十二面体です(図4)。

図 4

 残念ながら手を離すと開いてしまうので、輪ゴムで押さえました。出来栄えがいまひとつです。頂点付近の折り筋の精度が低いのが原因です。紙の厚さの分をどのように逃がした処理をすると完成形が美しくなるのか、私がまだよくわかっていないのです。

 もう少し研究してみたいと思います。

(つづく)



 このところ忙しくて家を出る時間を早くしているのですが、昨日の朝5時過ぎに、大型の郊外店が並ぶ道路を車で走っていたら、市街の中心方向から離れる方向に、若い男性4人が横一列に並んで歩いていました。身軽な服装で、といってランニングとかをしているような感じでもなく、いったいこの時間にどこに向かっているのだろう?と不思議に思いました。 昼夜二交代勤務の工場とかだろうか? と思ったのですが、心当たりがないです。

 もう1kmほど同じ道路を走ったら、今度は自転車が4台、これも横に並んで並走していました。これは私が走っているのと同じ方向だったのですが、見ると普通に前に荷物かごがついた街乗り用の普通の自転車で、乗っているのは若いサラリーマン風の男性のようで、皆さん春物っぽいコートを着て、黒っぽいデイバッグを背負った感じでした。

 始発の電車まではまだ1時間くらいある時刻で、自転車なら駅まで10分もかからないくらいの距離で、この格好でいったいどこへ行くのだろう?と不思議に思いました。

<おまけのひとこと>
 だいぶ日が長くなって、こんな時刻に家を出てもすっかり明るくなりました。






4月20日(土) 「折り紙の科学」、市内の火事

 4月21日(日)の朝に、4/20(土)と4/21(日)の2日分の更新をしています。



 先日、東京に出張に行った際に帰りに本屋さんにちょっと寄って、おもしろサイエンス「折り紙の科学」(萩原一郎、奈良知惠:日刊工業新聞)という本を買って、帰りの特急列車の中で読んできました。軽く読めてなかなか面白かったです。

図 1

 興味深いトピックがいくつかあったのですが、ちょうど四葉のクローバーの折り紙にはまっていたときだったので、ねじり折りの節を見て、正三角形や正六角形でいくつか試してみました。

図 2

 図2、こちらの面は用紙の表面と裏面が両方見えています。右の白い六角形のものは、表も裏も白い用紙から折ったため単色に見えています。

図 3

 図3は裏返してみたところです。これを基本形にしていろいろと折ってゆくと面白そうです。

 先週いくつかご紹介した「対称2枚貼り折り紙」も、この「折り紙の科学」に紹介されていました。それ以外にももう1つ、自分でも模型を作ってみたいと思ったトピックがあったのですが、説明の言葉と簡単な図がまだ読み解けていなくて、元論文に当たってみたくてもフリーでは公開されていなくて、ちょっとお手上げです。



 先日、確か4月5日(金)だったと思うのですが、たまたま妻が不在だった日に、以前から気になっていた「から揚げ専門店」のから揚げを買って帰ったのです。それがなかなか美味しかったので、お昼に買いに行こうと思ったのです。しばらく妻の車を修理に出していたのですが、妻が代車の運転をしたがらないので買い物が滞っていて、お米などの重量物を買ったりしながら、最後にから揚げ屋さんに寄って帰ってこようということになって、朝9時過ぎに家を出ました。

 図4は、4/5(金)の仕事帰りにそのお店に寄った時の写真です。オーダーするとその場で揚げてくれるのでちょっとだけ待ち時間があるのですが、その間に家族LINEに送った画像です。

図 4

 家を出ると、なんだか空気がかすんでいるのです。野焼きの煙のようにも見えるのですが、火元がわかりません。こんなに広範囲に煙が広がっているのはおかしいので、強力な春霞だろうか、などと思っていました。

 食品スーパーに寄ったり、本屋さんに寄って雑誌を買ったり、ドラッグストアに寄ったりして買い物を済ませて、最後にから揚げ屋さんに行こうと思ったら、そちらに向かう道路が通行止めになっていました。やむを得ず別ルートでお店にアプローチしたのですが、その道からもお店の前の道路に出るところが封鎖されていました。

 結局諦めて帰ることにしたのですが、とにかく周辺の道路の渋滞が酷いことになっていました。いったい何が起こったのだろう?と思って自宅に帰って検索してみると、火災だったということがわかりました。 目指していたから揚げ屋さんのすぐ裏手のようです。

図 5 図 6

 幸いにも亡くなった方や怪我をされた方はいなかったようなので、大きなニュースにはなっていませんが、火事は恐ろしいです。

<おまけのひとこと>
 最近の生活のサイクルがどんどん前倒しになっているのを修正したくて(というのを言い訳に)、お昼にビールを飲んで午後にお昼寝をしました。幸せ…。おかげで夜は11時過ぎまで起きていました。朝は3時半に目が覚めました。いつもより1時間以上遅い時間です。若干効果があったかな。






4月21日(日) 「ベンゼン環の化学」

 週末の楽しみの1つに、近隣の公立図書館に行くことがあります。どこの図書館も入り口に近いところに「新しく入った本」のコーナーがあって、最初にそこをチェックするのが習慣になっています。先日借りた新刊本の「ベンゼン環の化学」(齋藤勝裕:技術評論社)が面白かったので簡単にご紹介します。

図 1

 最初にベンゼンを題材に無機物、有機物の説明があって、原子の構造、s軌道やp軌道といった原子軌道の話、分子を形成する混成軌道の話があって、様々な有機分子の話が広がってゆきます。

 分子は3次元空間で様々なかたちをしていて、そのかたちが分子の性質を決めるために大変重要です。「立体化学」というジャンルがあるくらいです。(この本には「立体化学」という言葉は出てこないですが。)私のような多面体マニアにとって化学というのはとても面白い分野なのです。

 私の化学の知識は1980年代で止まってしまっているので、知らない話題もいくつもあって、読んでいてとても楽しかったです。特に、石炭に関する記述は全然知りませんでした。石炭というのは、全ての物質と同様に多くの分子の集合体だ、ということはなんとなく想像はできるのですが、その実体は「ベンゼン環やナフタレン環、あるいはピリジン環など、各種の芳香族環が無秩序に雑然と繋がってい」るものなのだそうです(カッコ内は「ベンゼン環の化学」p.128より引用)。

 こちらの理科年表のページを見ると、こんな図が載っていました(本のp.129にはこの図の左側が紹介されていました)。

図 2

 検索してみると、石炭の持つ可能性〜有機デバイスの低コスト化へ向けて(山下 誠/中央大学理工学部准教授)という解説ページもありました。

図 3

 検索してみると、石炭の構造という1950年代の論文があったり、だいぶ新しいものでは石炭分子工学の確立という、何かのプロジェクトのレポートがあったりしました。

 石炭というのは、長い長い年月をかけてゆっくりと反応が進んで、安定な芳香族環の構造ができて、その間を炭素鎖でランダムに結合されたような複雑で多種多様なかたちの分子の集合体なのですね。 なんだかイメージできたような気がしました。



 本の最後のほうに、「一分子自動車」という話が出てきました。ここ数年、一般メディアでもごくまれに構造式がヒトのかたちをしている分子や車のかたちをしている分子といった話題が紹介されることがあります。「だから何だ」「それがどうした」「なんの役に立つんだ」といった批判がありそうですが、私は科学というのは「おもしろいか?」というのがとても大切だと思っていて、やっていると思いがけないところで思いがけない価値が生まれることがあります。(まあ、「ヒト型の分子」よりは「分子自動車」のほうがまだ実用を考えているとは思いますが。)なので、こういう研究は応援しています。

 こういう研究をやる余裕がある国であってほしいと願っています。

<おまけのひとこと>
 このところご紹介している「対称2枚貼り折り紙」、もう少しストックがあるのですが、そろそろ次の話題に行きたいなあと思い始めました。来週後半は次の話題にします。連休の更新はどうしようか、と思っています。






4月22日(月) 対称2枚貼り折り紙:正十二面体の設計

 先日来ご紹介している対称2枚貼り折り紙、次に正十二面体を作ってみることにしました。正十二面体は正五角形12枚の正多面体です(図1)。

図 1:正十二面体

 まず最初に鏡像対称面を探します。正十二面体は図2の赤い面で切ると、ちょうど鏡像対称になっています。。

図 2:鏡像対称面

 あとは、平らにつぶせるように稜線に沿って切り離すことを考えます。図3の青い線で切ってやれば平らになりそうです。

図 3:切断の構想

 切り離された部分を矢じりのようなかたちでつなぎます。こんな展開図になりました(図4)。

図 4

 菱形十二面体のときと同じように着色してみました。黄色い面が組み立てて立体化したときに表に出る部、青い矢じりのような部分が立体化したときに多面体の内側に折り畳まれる部分、赤い部分が「のりしろ」です。

 これも印刷して切り出して組み立ててみました。

(つづく)



 図書館で「モディリアーニにお願い」というマンガの1巻と2巻を借りました。たいへん面白いです。(こちらの公式ページの「ためし読み」から第1話が読めます。)

図 5

 東北の美大が舞台のマンガです。学年に男子学生が3人しかいない、その3人を中心としたお話です。たくさんの人の心を撃つ良い作品を創りたい、世の中に認められたいといった想い、自分の才能に対する期待と不安、そんな中で悩みながらもひたむきに「何か」を創り出そうとする彼らの言動に心を打たれます。

 スポーツでも音楽でも同じだと思いますが、自分が好きだったり得意だったりするものが、先に進むと周りにはどんどんすごい才能を持っていると思える人がたくさん現れて、しかも努力量、勉強量でも全然かなわなかったりして、「上には上がいるんだなあ」と思うことは、大部分の人は経験しているのではないかなあと思うのです。

 「人が100頑張ったら101、頑張ったよ。」「だって、そうでもしないとさ、才能ある人に勝てないんだもん。永遠に。」というセリフ、プラス1%というところがとても実感がこもっているなあと思いました。よく、「人の2倍がんばれ」なんて無責任なことを言うことがありますが、才能がある人は努力が苦にならないのです。そんな人と同じだけ頑張れるだけで、もう十分に才能があると思うのです。その上、プラス1%というのがどれほど大変なことか。

 あと、モザイク画のシーンで、「地味な作業である。何らかの罰を受けているかのようだ。」「しかし完成するとそのことを忘れて達成感ばかり残る。」「そしてまた作り始めて、すぐまた後悔するのだ。」という地の文、とても納得感がありました。

<おまけのひとこと>
 通販で買うのも電子bookを買うのも嫌いなので、どこかで見かけたら買いたいと思います。






4月23日(火) 対称2枚貼り折り紙:正十二面体の制作

 昨日の展開図を実際に作ってみました。

 最初に、折り筋を付けて二つ折りにして「のりしろ」5か所を接着したところです(図1)。

図 1

 図1の状態から少し膨らませました。反時計回りに60度くらい回転しています(図2)。

図 2

 視点を下げて横から見てみました(図3)。

図 3

 また別の視点から見たところ(図4)。

図 4

 完成した正十二面体です(図5、図6)。残念ながらこれも輪ゴムでとめる必要がありました。

図 5 図 6

 この「対称2枚貼り折り紙」の手法では4種類の多面体を作ってみましたが、この正十二面体が一番気に入りました。いったんこれで満足しました。せめて正二十面体までは作ろうかなと思っていましたが、またそのうち気が向いたら、ということにしました。



 「烈火わさび」〜超激辛おかき〜(植垣米菓)というおかきを買いました。

図 7

 近くの食品スーパーで、半額で山積みになっていたのです。2つ買いました。確かに強烈なわさび味です。辛いものが好きな私は、お酒のおつまみにいただきました。温かいお蕎麦に乗せて食べてみたりもしました。それはそれでなかなか良かったです。

 気が付いたら少し減っていて、妻が少しずつ食べ進んでいたのだそうです。こんなに辛いのによく食べるなあとちょっと驚きました。自分が気に入った食べ物を食べてくれるのは嬉しいです。

 単純に分量と値段を考えると、普通のおかきより少々値段は高いと思います。もちろん特別な味付けなので、製品として高いとは思いませんが、万人向けの製品ではないかなと思います。だからきっと半額になっていたのかな、お店は次は仕入れてくれないだろうな、と思いました。もっとたくさん買っておけばよかったと後悔しました。

 作っているのは神戸の会社で、関西方面では比較的入手しやすいようですが、このあたりでは見かけません。でももしまた見かけたら買うと思います。

<おまけのひとこと>
 昨日の帰り道はたまたま混雑する時間帯にあたってしまって、自宅の最寄りのインターチェンジで高速道路を降りてから自宅に着くまでに45分くらいかかってしまいました。渋滞は精神的に疲れます。 朝、5時過ぎくらいに家を出ると、最寄りインターまでは10分くらいで着くのです(距離が8kmくらいなので、平均時速40km/hだとすれば12分です)。またその時間だと、高速道路上でもしばしば前方にもバックミラーにも他の車は全く見えない、というような状況になるくらい車が少ないです。






4月24日(水) すざかでさがす春

 高速道路で通勤しているのですが、このところ職場の近くのサービスエリアのイートインスペースで朝ご飯を食べるのが日課になっています。そのときに観光案内のチラシなどを眺めたりするのですが、「すざかでさがす春」(須坂で探す春)というチラシを見ました。長野県の須坂市(長野市の北東に位置する、鉄道はJRは昔から通っておらず、長野電鉄の駅がある街)のさくら情報が書かれているチラシでした。

 これをひらがなで表記しているのは、「すざか」と「さがす」という言葉の表記が似ているからかな、と思って、何がどう似ているのだろうと思いました。

 部品を「か」「さ」「す」と3つのひらがなと「゛」(濁点)の4つに分解してみると、その4つを並べ替えているのだということがわかります(図1)。

図 1

 この4つの部品で、他にも意味のある言葉ができるでしょうか?

 幸いにして(?)、「か」→「が」、「さ」→「ざ」、「す」→「ず」と、ひらがな3文字とも濁点をつけられる文字です。全部の組み合わせを表記してみることにしました(図2)。

図 2

 最初に「か」「さ」「す」を辞書順に6通りに並べておいて(グレーの文字で表記)、1文字ずつ濁点を付けてゆきます。「翳す(かざす)」「上総(かずさ)」「流石(さすが)」なんていう言葉が見つかりました。

 ちょっと面白い言葉遊びでした。

<おまけのひとこと>
 寝坊してしまいました。今朝は簡単な更新です。






4月25日(木) 同じ数字3つで6を作る:出題編

 今日は数字のパズル、というか遊びの話です。たぶん以前ご紹介したことはなかったのではないかなあと思います。

 「同じ数字を3個使って、四則演算などの計算をして、6を作って下さい」という問題です。例えば簡単な例ならば、

2+2+2=6

です。

 まず最初に、1桁の自然数3個で6を作ってみてください。

 3つの1で6を作って下さい_
 3つの2で6を作って下さい
 3つの3で6を作って下さい
 3つの4で6を作って下さい
 3つの5で6を作って下さい
 3つの6で6を作って下さい
 3つの7で6を作って下さい
 3つの8で6を作って下さい
 3つの9で6を作って下さい

 この中では例示した2が一番簡単です。おそらく1と8が難しいかなと思います。

 もう少し難しい問題です。

任意の自然数Nを3つ使って6を作って下さい

 ヒントは「対数」です。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 今日の内容は、2016年7月くらいのメモのテキストファイルからのご紹介なのですが、既出なのかどうか自信が無くて、サイト内検索をしてみたり、自分のPCの過去のページのコンテンツのローカルフォルダを探索したりしてみたのです。






4月26日(金) 同じ数字3つで6を作る:回答編

 昨日の「同じ数字を3個使って、四則演算などの計算をして、6を作って下さい」という問題の回答編です。

 間を空けるようなことはしないで、いきなり答を載せます。テキストではなく画像で載せておきます。

図 1

 解は他にもあります。

 次に一般解です。ただし、N>1 です。

図 2

 いかがでしょうか、面白いと思いませんか。

 この考案者がどなたなのか、どこで見たのかメモを失くしてしまいました。すみません。

<おまけのひとこと>
 昨日は出張で帰りが遅かったため、今朝は起きるのが遅くなりました。






4月27日(土) 数学検定カレンダー・算数検定カレンダー

 日本数学協会の渡邊さんから、「2019年度版の数学検定カレンダーを作りました」という情報をいただきました。

 日本数学検定協会の、数学検定・算数検定のページの「申し込みについて」→「団体受験について」の中に、 各種資料のダウンロードというページがあって、その一番下に、2019年度版(4月始まり)のA4横サイズのカレンダーのpdfを公開して下さっています。

 左が「数学検定カレンダー2019」、右が「算数検定カレンダー2019」の表紙の画像です。(勝手にリンクするわけにはいかないですから、pdfにはこの画像からはリンクしていません。) 2018年度版は紙に印刷したものを配布されたそうなのですが、2019年度版はpdfで公開するというやり方に変えたそうです。また、算数検定カレンダーも作製されたということです。ありがたいです。

 下の図は、数学カレンダーの2ページ目にある「使い方」の説明の一部です。

 毎日1問ずつ問題が出題され、想定するレベルが書かれています。平日は比較的易しい問題、週末は少し難しい問題になっています。最下段には答だけが簡潔に書かれています。

 たとえば本日4月27日(土)はこんな問題です。

 数理的に折り紙をやる人ならば即答しそうな問題ですね。

 このカレンダー、とてもおすすめです。「算数検定カレンダー」のほうも、侮れません。面白いです。いずれも印刷して貼っておこうかなと思いました。教えていただいてありがとうございました。

<おまけのひとこと>
 今日から10連休が始まりますが、私は今日は出勤です。






4月28日(日) フィボナッチ小町算

 1から9までの数字を順に並べて、その間に適当な演算子(+,−,×,÷,空白)を補って100になるようにしなさい、という「小町算」という遊びがあります。空白を入れるというのは、その前後の2つの数字を連結して2桁の数字にするという意味です。

 この手法で、100ではなくフィボナッチ数列の数字を作る、という試みがJoseph S. Madachy(リンクは英語のWikipediaです)によって発表されているというのを読みました。面白かったのでご紹介します。

 ご覧のように第9項の34までは、加減算と乗算だけで実現されています。第10項は数字を連結した2桁の数を使っていて、11項目は平方根、12項目は階乗を使っています。

 発案者のMadachy氏は娯楽数学の世界では著名な方のようです。残念ながら5年ほど前に亡くなられているようですが、上記のWikipediaのリファレンスのリンクをたどってみると、いろいろと面白い情報がありそうです。



 4月27日(土)の休日出勤は、勤務先の事業所は設備点検のために停電していたため、別の事業所に出社しました。お昼休みに飲み物などの自動販売機があるリフレッシュコーナー(休憩スペース)に行ってみたのですが、そうしたら窓枠のところにお菓子の包み紙で折られた小さな折り紙作品が3つ、こっそりと飾られていました。

 左の「兜」がうまく自立していなかったので、ちょっとだけ手を入れさせていただきました。

 こういうものを休憩時間に手慰みに作る人が社内にいるんだなあと思ったらちょっと楽しくなりました。

<おまけのひとこと>
 労働組合が主催の「ボードゲーム大会」のポスターも貼られていて、規模の大きな事業所はいろんなことをやっているのだなあと思いました。

 連休で出かけたりしていて、更新を3日分ためてしまいました。4/30(火)、平成の最後の日に4/28〜4/30の3日分をのんびり更新しています。強い風が吹いています。






4月29日(月) 土合駅訪問

 一足遅く連休に入ったので、以前から行きたかった土合(どあい)駅に行ってきました。ちょっと検索するとたくさん情報が出てくるので、写真などで簡単にご紹介します。

図 1:土合駅

 鉄道の駅ですから、本当は列車で訪問したいのです。でも、自宅から往復すると、時間もお金もかなりかかってしまいます。朝6時過ぎの始発の中央東線で小淵沢に出て、小海線に乗って佐久平から新幹線で高崎に行って、あとは上越線を北上すると、12時前に土合に着きます。 そこから地上まで500段近い階段を上って、12:39の上り列車に乗って、同じルートで帰ってくると、最寄り駅には21時過ぎに帰ってくることができます。交通費は往復で1万3千円くらいです。

 (ちなみに青春18きっぷのシーズンに普通列車だけを乗り継いで行こうとすると、日帰りはできません。八王子から八高線を使うルートも調べてみたのですが、高麗川(こまがわ)から高崎に行くには、川越線で大宮を回っていくほうがはるかに便利なのですね。)

 このプラン、魅力的ではあるのですが、今回は妻も同行してくれるということで、素直に車で行くことにしました(JRさんごめんなさい)。ルートはこんな感じです(図2)。行きは高速道路を使わないで一般道で行きました。緑色の線は群馬県の県境を表しています。目的地の土合駅は谷川岳の入り口、新潟県との県境です。

図 2

 一般道で行くなら、群馬県へは湯ノ丸(地蔵峠)を越えて行けば3時間半くらいで行けそうでした。でも、久々に内山峠を通ってみたくて、佐久から下仁田に抜けて行きました。道の駅などで休憩時間しっかり取りながら行ったので、到着は12時前くらいになりました。途中、SLみなかみ号を撮影しようとしていると思われる「撮り鉄」の人たちがたくさんいました。土合駅も、私たち同様車で訪問している人がたくさんいて、20台近く車がとまっていたと思います。

 土合駅は上りホームは地上、下りホームは地下にあります。下りホームは、駅舎から道路と渓流を越える連絡通路を通って地下に続く階段を下りていきます。図3が連絡通路を外から見たところ、図4は中の写真です。

図 3 図 4

 階段の一番上から下のホームを見下ろしたところです(図5)。

図 5

 階段は幅が広く、5段ごとに踊り場になっているので、万一ころんでしまってもはるか下まで転落する危険はありません。両側には手すりがあって、右側には水が流れています。

 下りホームまで行ってみました。(図6)。昔は待避線があった様子です。ホームに小さな待合室があって、ここにも駅ノートがありました。トイレもありました。

図 6

 地下の駅ホームを堪能して、これから階段を上がります(図7)。まっすぐな階段なので、頂上が見えています。

図 7

 意外にもそれほど息も切れずに上ることができました。

 上りホームのほうにも出てみました。ホーム側から駅舎を見てみました(図8)。冬は雪が厳しい感じで、窓の外には板が打ち付けられていました。また、駅舎の屋根から雪を下すためでしょうか、梯子が固定されています。

図 8

 昔、学生時代に青春18きっぷでここは通ったことはあるのですが、そのときは先を急いでいたため下車しなかったのです。鉄道がこんなにすたれてしまう前に、もっと乗っておけばよかったと残念に思っています。

 帰りは沼田ICから高速道路にのりました。佐久南ICまで行こうと思っていたのですが、連休前半ということで下り方向の高速道路は混雑していて、下仁田ICの出口付近と碓氷軽井沢ICの出口付近が渋滞、という情報が出ていたので、富岡ICで降りて、来た道(内山峠)で帰りました。自宅には夕方6時くらいに到着しました。

 交通費は、燃料代と高速代で合わせても3,000円以下だと思います。これで二人で往復できたので、経済的でした。



 土合駅で、12:39発の上り普通列車に駆け込んできた大学生と思しき男性3名のグループがいたのです。私もこの列車に乗って、湯檜曽まで行ってループ線を走ってみたいなあと思いました。昔、普通列車でここを通った時は夜だったのです。でも、折り返しの列車が何時間もなさそうだったので諦めました。

 帰り道、車で沼田方面に向かって走っているとき、水上駅のあたりで土合駅で見かけた3人組を見かけました。ちょうどSLみなかみ号の罐(かま)に火が入って煙と蒸気を上げているのが見えました。今度、青春18きっぷの季節になったら、ちゃんと鉄道で再訪したいなあと思いました。

<おまけのひとこと>
 昔のお城のように、鉄道はもはや文化財になってきているのかなあと思います。令和の時代の鉄道はどうなるのでしょうか。乗れるときに乗っておかないと…と思いました。






4月30日(火) 韮崎市の七里岩

 鉄道と地理の話つながりで、山梨県の韮崎(にらさき)の七里岩(しちりいわ)の話です。

 3月中旬から4月にかけて、毎週東京に出張がありました。朝の列車は進行方向左側の席を取ることが多いです。韮崎駅直前のあたりは市街地が見渡せるので、写真を撮ってみました。

中央東線「韮崎」付近

 川が刻んだ谷を通る道、というのは全国至る所にあると思います。そういった道筋に沿って集落ができ、鉄道が通り、自動車が通る道路が整備され、どんどん交通の便がよくなってきました。鉄道の線路と自動車の道路は、多くの場合同じルートを通っていて、トンネルや橋でときどき交差しながら川と鉄道と道路が絡み合って通っているところがたくさんあります。

 一方で、後の時代に作られた高速道路や新幹線は、土木工事の技術が向上したこともあって、できるだけアップダウンが少なく、遠回りしないように設計されるため、橋やトンネルを駆使して在来線や一般道とは別なルートを通っていることが多いと思います。

 韮崎は釜無川と塩川という2つの川が合流する付近にあって、2つの川の間には七里岩という台地があります(図2)。

図 2

 この付近では、釜無川沿いに走る国道20号(甲州街道)と、七里岩の北側を走るJR中央東線、さらに塩川の東側の山すそを通る中央高速道がすべて異なるルートを選択しているのがとても面白いと思います。

 七里岩の航空写真(図3)と地形図(図4)です。

図 3 図 4

 比較的鉄道に近いところを通っている「七里岩ライン」という道路があって、このあたりを車で走るときには国道20号、七里岩ライン、中央道の3つの選択肢があります。自分がその地形のなかのどのあたりを走っているのかを意識してみるととても楽しいです。

<おまけのひとこと>
 平成の時代の終わりということで、なんだか大晦日のような雰囲気です。






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