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以前の「ひとこと」 : 2018年6月後半



6月16日(土) リスーピアワークショップ

 6月16日(土)、17日(日)に、リスーピアでワークショップを担当させていただきました。ご来場下さった方ありがとうございました。今回は盛りだくさんな内容にしてしまって、かなり説明不足だったかなあと反省しています。

図 1

 紙の鎖で六面体を作る工作と、菱形を連結した三角柱パーツを用意して、それをつないでいろいろなかたちを作る、という内容を用意しました。

 三角柱パーツのほうは、図2のようなジョイントを設計しておきました。

図 2

 パーツ全体はこんなかたちで(図3)、

図 3

 こんな手順で組みます(図4)。

図 4

 こんな手順で組みます(図4)。

 このパーツを利用して、こんな風なかたちを作る、というのをやりました。

図 5
図 6

 これは、パーツ3個では安定しません。パーツ6個で互いにはめ合わせることで初めて安定します。そこのところが図などを十分に用意できなかったので、わかりにくかったかなあと思いました。実際の見本を作ってみていただくのがいちばんわかりやすいように思いました。やっぱり実物を見る、さわるというのはとても大切なことだと思いました。



 週末のワークショップのときには必ず前泊しています。金曜日は雨が降っていたので、最寄り駅のパーク&ライドの駐車場に行ったら満車でした。仕方がないので無料の遠い駐車場に車を置いて、折り畳み傘を差して、軽いけれどかさばる荷物を持って駅まで歩きました。

 早めに行って駅で立ち食いそばを食べようと思っていたので、その分の余計な時間があったおかげで予定の列車に乗ることができました。

 今回の泊ったホテルの部屋は16階で、見晴らしがよかったです。

図 7

(つづく)

<おまけのひとこと>
 土曜日の晩、私が投宿した最寄り駅に息子が来てくれました。娘も誘ったのですが、「今日は疲れているから今回はパス」とのことでした。(昨年のワークショップで宿泊したときには娘と二人で3時間くらい飲みました。)

 今回、義父が入院するということで妻も上京していたので、息子と妻と3人で一緒に食事をしました。私はお酒を飲みました。息子は史学を専攻しているのですが、私にはなじみのない分野の話をいろいろ訊くことができてとても楽しかったです。日本の中世の土着の信仰とお城の関係についてのゼミをやっているそうで、どんなふうに仮説を立てるのか、何を根拠としてどんな風に議論が進むのか、全く知らないジャンルの学問の話は新鮮でした。いつのまにかこういう話を真っ当に説明できるようになっていて、頼もしく思いました。

 「大学楽しい?」と尋ねると、楽しいとのことで、本当に良かったと思います。楽しいのが一番です。






6月17日(日) シルバー菱形単位リング4個の絡み目

 今回教材として用意したシルバー菱形9個の三角柱ユニット、これを2つ合わせてできるリングを使って、いろいろなかたちを作ることができるのです。

再掲図

 ここではこれを「単位リング」と呼ぶことにしますが、この単位リングを4つ組み合わせたかたちをワークショップではCGと模型で軽くご紹介しました。(説明の時間がなかったので、単に「部品が8個でこんなかたちができます」と言えただけでした。)

 単位リング4つで組めるかたちはこんなかたちです。

図 1

 それぞれのリングを別々に描画してみました(図2〜図5)。

図 2 図 3
図 4 図 5

 さらに、2個ずつを描画してみました(図6,図7)。

図 6 図 7

 4つのリングの位置関係はこんな風になっています。

図 8 図 9

 一応、色は合わせたつもりです。単位リングは三角柱2つがちょうど通る穴があいているので、このようにそれぞれ2つのリングがぴったり通り抜けるのです。



 今回はいつもと違って「平らに畳めない紙のパズル」なものですから、サンプルや参考作品を持っていくのがとてもかさばって大変でした。

図 10

 ワークショップが終わった後、ステージのテーブルに模型を並べて置いてみてもらえるようにしているのですが、紙の模型を無遠慮に振り回したりして遊ぶ子がいて、はらはらします。結び目を1つ、破かれてしまいました。ちょっと悲しかったです。でも、とても面白がってくれる子供たちもいるので、やはりこういうものを見て触ってもらったほうがいいよな、と思っています。

<おまけのひとこと>
 平日の分と週末に出掛けていた分の洗濯物がたまってしまいました。ワイシャツ5枚にアイロンをかけました。けっこう大変…

 アイロンがけをすると、もともと平面であるはずの布地から、工夫して立体になっていることがわかって面白いです。でもワイシャツ3枚目くらいからは「めんどくさい」という気持ちが強くなってきます。






6月18日(月) シルバー菱形の輪の鎖から組む菱形十二面体

 今回、全く解説はできなかったのですが、シルバー菱形の鈍角型六面体が4つで菱形十二面体が作れます。なので、シルバー菱形の輪が12個で、丈夫な菱形十二面体ができるはずなのです。

 ただこれはかなり組みにくいだろうと思ったので、輪が2つで1つの菱形十二面体を作ることにして、8個の鎖から菱形十二面体を組む、というのを自分でやってみました。

図 1

 こんな感じになります(図2)。図2の左側は、わざと少し崩してみたところです。右側はそれなりに形を整えたところです。

図 2

 この鎖は、いつもTA(ティーチングアシスタント)をやって下さるHさんが準備して下さったものです。

 こんな風に4つの鈍角型菱形六面体が合わさることで菱形十二面体ができることをイメージしながら作ってゆきます。

図 3

 今回、驚いたことに日曜日の午後の回に、「このかたちを教えてほしい」と言ってくれた子がいて、自力でちゃんと菱形十二面体を完成させてくれました。感激です。

 各回1時間のワークショップなのですが、終わった後で30分くらい、ステージに並べたいろいろな模型を興味深そうに見ていって下さる方がたくさんいらっしゃいました。普段見慣れた「直角で構成された立体」ではなく、菱形で構成されたかたちの不思議さを感じていただけたら、それはきっと何かのかたちでその子たちの中に残ってくれるものがあるのではないかなあ、おそらく知識としてではなく、感覚として、と勝手に期待しています。



 昨日、ワークショップが終わった帰り、くたびれて帰りの特急列車でぼんやりと外を眺めていました。列車の窓から外を眺めるのは好きです。八王子を過ぎたあたりで、私はあまり見たことのなかったデザインの、歩道と車道の間のフェンスが続いていました。カメラを取り出して写真を撮ろうと思ったのですが、カメラを出すのが遅すぎて、市街地を通過してしまったため、写真が撮れませんでした。

 帰宅してから「八王子市,歩道,柵,デザイン」なんていうキーワードで検索してみました。そうしたら2つほどお目当てのフェンスが写った写真のあるところがみつかりました。

図 4

 この写真は、こちらのページの写真からトリミングさせていただきました。

 また、次の写真は八王子市の景観標準仕様の基本ルールというpdfファイルに載っていたものの一部です。

図 5

 なんとなくアルファベットのHの文字をモチーフにしたデザインのような気がします。八王子だからHなのかなあ、でも考えすぎかなあと思いながら眺めました。車道側からみると自然なイタリック体のように見えますが、歩道側から見ると不自然です。

<おまけのひとこと>
 18日(月)の朝、大阪で震度6弱の地震がありました。心配です。






6月19日(火) シルバー菱形単位リング6個の絡み目

 シルバー菱形9個の三角柱ユニット2つを合わせてできるリングを使ったかたちの2つ目です。6つのリングの鎖の輪の構造をご紹介します。

 最初に完成形のCGです(図1)。隙間なく絡み合うのでリングの構造がわからないと思いますので、類似の視点から見た、リングの相対的な位置関係がわかるような図も作ってみました(図2)。

図 1 図 2

 といっても、これでもまだわからないと思います。上側の3つのリング、下側の3つのリングに分離したCGも作りました(図3〜図6)。

図 3 図 4
図 5 図 6

 このように、上下3個ずつのリングは接しているだけで絡んでいません。1つのリングは、反対側の2つのリングに絡んで、全体としては6つのリングが鎖の輪のようになっているのです。

 ちなみに図5の3つのリングを構成するパーツのうちの片方を外すと、パーツ3つを並べた六角形の構造になっているのです(図7)。

図 7

 ワークショップでは、会場のスタッフの方々が事前の教材の確認のためにパーツを作る練習をして下さったのですが、そこで作っていただいたたくさんのパーツを使って、いろいろな構造の模型を作って展示することができました。模型はすべて岡部恒治先生に差し上げてきました。段ボール箱いっぱいになりました。



 昨日の大阪の震災、小学生の女の子がブロック塀の下敷きになって亡くなられたそうです。本当にお気の毒です。地震とブロック塀と言えば、1978年の宮城県沖地震でブロック塀の下敷きになって多くの方が亡くなり、大きな社会問題になって連日テレビのニュースで放映されていたことを覚えています。(当時中学生でした。)地震で地面が揺れて思うように歩くことも難しい状況で、あんなに重たいものが倒れてきたら、逃れるのは難しいだろうと思います。

 防犯面からプールに高いフェンスを設けるのは理解できますし、交通安全の観点から道路の端の路側帯を歩くように指導することも理解できます。でも、過去の教訓からブロック塀の施工には厳しい基準が作られているはずだと思うのです。予算や資源は有限で、「あったほうが良い」ことをすべて実現できるわけではなく、どうしても優先順位を付けて妥協することが必要になる場合もあるのは理解できます。ただ、今回の災害はやるせない気持ちになりました。

 鉄道各線もなかなか運転再開ができず、利用者が大変な目に遭っていることが報道されています。案内している駅員さんもとても大変でしょうし、安全確認の点検をされている方も必死だろうなと想像します。そして、運転再開を判断する立場にいる人、とても難しい判断だろうなと思います。

 責任者の方は、それこそ誰よりも、一刻も早く復旧して運転再開したいと思っていらっしゃるでしょう。たくさんの利用者が困っている、こんな時だからみんな早く目的地に行きたい、帰りたいでしょう。でも安全確認が不十分で二次災害を起こしてしまったら、それこそ取り返しがつかないことになってしまいます。駅や保全、運行のスタッフの確保も「いつも通り」というわけにはいかないでしょう。そういったスタッフの安全や疲労、健康や家族のことも考えてあげなければいけないはずです。

 余震や大雨などが心配されていますが、これ以上の大きな被害がありませんように、と思います。

<おまけのひとこと>
 6月でも天気が悪いと肌寒いです。






6月20日(水) シルバー菱形単位リングの鎖(その1)

 シルバー菱形9個の三角柱ユニット2つを合わせてできるリング(図1、図2)について、もう少し考えてみます。

図 1 図 2

 2つの単位リングを絡ませる方法は複数あるのですが、その1つをgifアニメーションでご紹介します(図3)。

図 3

 視点と色を変えて、別々の静止画として表示してみました(図4〜図6)。

図 4 図 5 図 6

 このパターンの特徴は、2つのリングの同一平面上に並ぶ面の位置関係が2×2の2倍のサイズのシルバー菱形になっていることです。図3のgifアニメーションでは手前の面、図6では(見えていませんが)床に接している面がサイズ2倍のシルバー菱形になっています。

 図7、図8のようにリングを並べて重ねると、まっすぐに伸びる鎖になっているのです。

図 7 図 8

 出来上がりのかたちだけを見ると単なる凹六角柱に見えるので、鎖という印象はなくなります。

図 9

(つづく)



 サッカーのワールドカップが始まりました。日本がリーグ戦の初戦でコロンビアに勝ってびっくりしています。すごい。

<おまけのひとこと>
 6月20日(水)の未明から起き出して、6/20と6/21の2日分の更新をしています。外は雨が降っています。






6月21日(木) シルバー菱形単位リングの鎖(その2)

 昨日ご紹介したシルバー菱形9個の三角柱ユニット2つを合わせてできるリングによる鎖の構造ですが、リング2個の場合と6個の場合のパーツのCGを、パーツを若干透明にて描画してみました(図1、図2)。

図 1 図 2

 図1を、鎖の延びる方向から見るとこう見えます(図3)。

図 3

 もともとこのシルバー菱形の多面体シリーズは、断面が正三角形の正三角柱を連結した構造です。図3の視点から見ると、断面が正三角形の組み合わせになっているのがよくわかると思います。

 若干視点をずらした図も描いてみました(図4)。

図 4

 模式的に描くと、断面が正三角形6個を組み合わせた図5のような凹六角形になっている六角柱になるのです。

図 5

 この断面は図6のようにタイリングできますから、結果的にこのシルバー菱形の単位リングは空間を隙間なく重なりなく充填できることがわかります。

図 6

 では、この単位リングで他の鎖の構造を作れないでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 20日(水)の午前0時半過ぎに目が覚めて、そのままワークショップの教材の余りを使って工作をしてみたり、更新のためのCGを準備したりしていたら夜が明けてしまいました。明け方にひと眠りしたらだいぶ遅くなってしまいました。






6月22日(金) シルバー菱形単位リングの鎖(その3)

 シルバー菱形9個の三角柱ユニット2つを合わせてできるリング(再掲図)で直線的に連なる鎖を作れるという話をご紹介しました。実は鎖の作り方はもう1通りあるのです。今日・明日の更新でご紹介します。

再掲図

 もう一つの絡ませ方はこうです(図1〜図3)。

図 1 図 2 図 3

 鎖のパーツの偶数番目と奇数番目を別々に描画してみました(図4、図5)。

図 4 図 5

 これを重ねると、今度はこんな鎖になります。

図 6

 視点を変えてみました(図7)。

図 7

 一昨日にご紹介したもう1つの鎖との違いがわるでしょうか?

再掲図2

(つづく)



 ペットボトルで作られた電気不要のエアコン!という記事が面白かったです。

<おまけのひとこと>
 6月23日(土)の未明から、22日と23日の2日分の更新をしています。ちなみに「未明」は午前零時から3時くらいまで、「明け方」が午前3時から6時くらいまで、なのだそうです。






6月23日(土) シルバー菱形単位リングの鎖(その4)

 シルバー菱形単位リングを絡ませる直線的な鎖が2種類ある、という話をしましたが、その2種類の違いをもう少し説明してみます。

 図1が最初にご紹介した組み方、図2が昨日ご紹介した組み方です。

図 1 図 2

 このリングの穴は鈍角型シルバー菱形六面体なのですが、これは正三角柱2本を斜めに切断したかたちでもあります。なのでこの穴には2つの別なリングを通すことができます(シルバー菱形の穴あき多面体は正三角柱で構成されていますので、その最小のリングであるこの単位リングも4本の正三角柱をつないで作ることができます)。

 図1と図2の絡ませ方は、同時に組むことができます。緑と赤のパーツは干渉しません。同時に組んだ図を図3と図4に描画してみました。

図 3 図 4

 図3は、図1と図2と同じ視点から見たところで、図4は青パーツの穴がよく見える視点から見ています。図1〜図3は青パーツを半透明にしていますが、図4だけは緑と赤パーツを半透明にしています。

 これらの図をよく見ていただくと、2つのパーツを絡ませたときに同一平面上に乗る面の位置関係が違うことがわかりまます。一昨日の更新でちょっとだけ言葉で説明しましたが、2つの面の位置関係が下の図5左のように田んぼの「田」の字のようになる場合と、図5右のようにL字型になる場合があります。

図 5

 テトロミノ(正方形を4つ連結したかたち)の呼び名で言うと、「O型」と「L型」です。以後、シルバー菱形単位リングの「O型連結」「L型連結」と呼ぶことにします。

 昨日までご紹介してきた2種類の一直線上に伸びる鎖や、4個の鎖の輪、6個の鎖の輪がそれぞれO型L型のどちらのタイプなのか整理してみます。

 図6はリング6つの鎖の輪です。側面を見ると明らかですが、これは6つの「O型連結」になっています。同じO型連結でもまっすぐ伸びる鎖になってり、6つで閉じた輪になったりします。

 図7はリング4つの鎖の輪です。わかりやすいように、緑と赤のパーツは半透明にしました。ご覧のようにL型になっているのがわかります。

図 6 図 7

 一直線の鎖の図ももう一度載せておきます。

O型連結の鎖 L型連結の鎖

 O型連結とL型連結を組み合わせて、もっと大きな輪ができそうだなあと思いましたが、今回のご紹介はここまでにします。

<おまけのひとこと>
 この話もマニアックになりすぎて、読んで下さる方がいるのか心もとないですが、自分のための記録と思って書いています。






6月24日(日) シルバー菱形単位リングの鎖:O型連結とL型連結の模型

 昨日、「今回のご紹介はここまでにします」と書きましたが、模型を作ってあったのを思い出したので、その写真を載せておきます。

図 1

 上の図1の左側がO型連結、右側がL型連結です。

図 2

 図1の模型をひっくり返してみました(図2)。これも左側がO型連結、右側がL型連結です。

図 3

 さらに横倒しにしてみました(図3)。しつこいですが左側がO型連結、右側がL型連結です。この向きから見ると、この2つはよく似ているように見えます。特に写真だと奥行き感がなくなるので、一見違いがわかりにくいかなあと思います。水色の菱形が1つ見えているか見えないかの違いがあります。

 シルバー菱形単位リングで少し大きな鎖の輪を作って、さらにそれを単位とした鎖を作って、さらにそれを… という、「鎖の輪の輪の輪の輪の…」というフラクタル構造を想像したらゾクゾクしました。再帰的なアニメーションとかにしたら面白そうです。そのうち作ってみようかなと思いました。



 先週、ワークショップの帰りに特急列車で進行左側の窓側の席だったのですが(隣の通路側は妻でした)、疲れてぼんやり窓の外を眺めながら移動しました。この路線は仕事やプライベートでたぶん100回以上は乗っているので、普段は本を読んだり何かしながら移動するためほとんど窓の外を見たりしません。珍しく明るいうちに移動ということもあって、意外と気が付いていないものがあったりしました。

 途中、笹子の長いトンネルを抜けて甲府盆地に入ってまもなく、盆地の中にぽつんと1つ離れ山があるのが見えました。とりあえず写真を撮って、帰ったら調べてみようと思いました。

図 4

 まず、写真のタイムスタンプと列車の時刻表から、だいたいの位置を推測しました。すると、写真を撮った時刻にはすでに甲府駅を過ぎていることになることがわかりました。「いやいや、それはどう考えてもおかしい。絶対に甲府駅よりだいぶ手前だったはず、と思ってカメラの時計の時刻を確認したら、15分以上進んでいることがわかりました。撮影時刻が正確でないと、こういうときに不便だということが今更ながらわかりました。

 撮影時刻から目星を付けると、これはおそらく図5の中央上寄りの「塩ノ山」だろうと思いました。改めて地図を確認すると、中央東線は塩山を通るためにしばらくほぼまっすぐ北に向かって走っているのがわかりました。図4の写真はそのあたりで撮ったものだと思いました。

図 5

 図5はgoogleの地図ですが、国土地理院の地図でも確認してみました(図6)。

図 6

 今度、青春18きっぷの時季にでも途中下車して登ってみてもいいかなあと思いました(やらない可能性のほうが高いですが)。

 山の名前の目星がついたので検索してみたら、同様に中央東線の列車の車窓から撮影したと思われる写真がいくつかありました。たとえばこちらのblogの写真を見て、塩ノ山で間違いないなと思いました。

 甲州市観光協会のページによると、古今集に「志ほの山 差出の磯に住む千鳥 君が御代をば 八千代とぞなく」という歌があって、この「しほのやま」というのが「塩ノ山」のことのようです。「四方から見える山」が「塩ノ山」になったというのが一説なのだそうです。(実際に塩がとれた、という説もあるらしいです。)

 こちらの山梨にある『塩山』というしょっぱそうな山という記事で、もう少し詳しく論じられていました。確かに中央線には「四方津(しおつ)」という駅がありますね。四方津といえばニュータウンが有名だと思います。特急列車は停車しないので、いつも通過するときにちらっと眺めるだけですが、一度降りてみたいなあと思っている駅の1つです。デイリーポータルZの山梨のマチュピチュ、コモアしおつという記事(2009年10月)が楽しかったです。もう少し硬い記事だと、バブルの象徴? 山梨巨大住宅地の現在(2015年8月)という記事もありました。これもとても興味深い記事でした。マイホームの限界はここか?!山梨に突如現る巨大ベッドタウン「コモアしおつ」 というページも面白かったです。

<おまけのひとこと>
 塩ノ山を調べていたら四方津の話になって、Net検索は面白いなあと思います。ただし情報の信頼度については気を付けないといけないとも思います。






6月25日(月) タングラムで遊ぶ

 最近また古典パズルであるタングラムをいじっています。以前、100円ショップでCDケースに入ったマグネットシート式のタングラムのセットを買ってありました。図1は問題集(27問ありました)に載っていたデザインの1つです。このシルエットはわりと気に入っています。

図 1

 このデザイン、何を表しているのかわかるでしょうか? タングラムのようなシルエットパズルの問題には、そのシルエットが何を表しているのかを示すタイトルがついているのが普通かなあと思いますが、タイトルなしだとちょうどドルードル(簡単な図形に、何かひねりを利かせた題をつけて楽しむ遊び)のようになります。

 問題集にはない、こんなかたちを作ってみたのです(図2)。これはなんだかわかりますか?

図 2

 タングラムの図を作成するのは、Microsoft Officeの図形オブジェクトを使って作っています。

図 3

 何かを背負った人のようにも見えますが…

(つづく)



 先週、6月23日(土)の朝日新聞の地方版(長野)に、こんな記事が載っていました。

図 4

 須坂市在住の和久井輝夫さん(81)が昔のオルガンを修復した、という記事です。和久井さんはピアノの調律師でもあり、我が家にあるYAMAHAのマホガニーのアップライトピアノは、26年前に結婚したときに和久井さんから中古で購入した楽器です。

 「小型だけれどきれいないい音がするんですよ、お勧めです。ただ色がちょっと変わっているんですが…」と言って紹介して下さった楽器で、ピアノと言えば普通は黒ですが、赤いピアノなのです、と言われてちょっとひるんだ覚えがあります。妻と二人で須坂市の和久井さんの工房をお訪ねして、実際の楽器を見せていただいて試奏させていただきました。

 「赤いピアノ」と言われて、こんな感じ(河合楽器のおもちゃのピアノ)

図 5

の、原色の赤い光沢のあるものを想像して見に行きました。実際には落ち着いた深い色調の家具調の楽器で、一目見て気に入りました。同じ色調の椅子も付けていただきました。輸送費、納入時の調律費用、椅子、カバー、それからピアノの足に敷くフットプレートを合わせて、30万円台前半だったと思います。「結婚祝いです」と和久井さんは笑っておっしゃって下さいました。(私の実家のピアノの調律も、私が小学校〜高校時代にピアノを習っていたころから、ずっと和久井さんにやっていただいていました。)

 和久井さんの工房には、そのとき調整中だったKAWAIのグランドピアノもありました。弦を全部張り替えているそうで、「これもとても良い楽器ですよ」とのことで、そちらだったら80万円と言われました。確かにそれもとてもお買い得で、正直、かなり心が動きました。

 大学時代からずっと奨学金とアルバイトで学費・生活費を自分でまかなっていた私は、就職後1年半で結婚したのですが、毎月給料の6割は貯金してささやかな結婚式や新生活の費用にしました。なのでとてもグランドピアノには手が出せませんでした。「いつかはグランドピアノ」と思っていたのですが、その後古楽にはまってチェンバロ(スピネット)を買ってしまって、違う道に進んでしまいました。

 最近はすっかりご無沙汰してしまいましたが、今でもお元気でご活躍されているご様子がわかってとても嬉しかったです。新聞ではモノクロの写真でしたが、こちらには同じ写真のカラー版が載っていました。また、わがまちの手仕事というページには、修復の詳しい写真が載っていました。(いずれもいつまで見ることができるのかわかりませんが。)

<おまけのひとこと>
 昨日の日曜日、午前中は妻と庭仕事をしました。ものすごく広がってしまったアジサイの周辺を刈って、伸び放題のバラをかなり切って、ハナミズキの枝を落として、隣家の境界の雑草を抜いて、2時間半くらい仕事をしました。

 11時過ぎに近所のイタリアンのお店にお昼を食べに行って、午後は資源ごみを出しに行ったのですが、そのときに車のバックドアを私と妻がほぼ同時に閉めようとしてしまって、若干早かった私が勢いよく下に引いたドアに妻の右手の甲がぶつかって、妻が手を痛めてしまいました。不幸な事故なのですが、心配だし悲しい気持ちになりました。






6月26日(火) タングラムで漢字

 昨日のマグネットシート式のタングラムですが、飾っておくぶんにはいいのですが、遊びにくいのです。マグネットシートなので、摩擦抵抗が大きいため、位置を微妙にずらすのが難しいのです。その分、かたちが決まったらずれにくくて良いのですが。

 しかしそれ以前に致命的なのは、このタングラム、表と裏の色が違うのです。7つのタングラムのピースのうち、唯一鏡像対称ではない平行四辺形のパーツがありますが、これを裏返さないと作れないかたちが出てくると、それは表の色では作れません。(ちなみに裏返すとかなり吸着力は弱くなります。)

 というわけで、もう少し試行錯誤しやすいセットが欲しいなあと思って、手持ちのブロックで作ることにしました。こんな感じです(図1)。

図 1

 タングラムというには厚みがありすぎますが、これはこれで楽しいです。ただ、今度は軽くて摩擦が小さすぎてちょっと扱いにくいです。ちゃんとしたタングラムがちょっとほしくなりました。(そもそもパズルファンなのにまともなタングラムを持っていないというのもいかがなものか、という気がしないでもないです。)

 アーテックブロックを使っているので、ジョイント用の小さな正方形の穴があいてしまいます。また、ぴったりパーツを並べると、どこがタングラムのパーツの境界なのかわからないです。なので、ちょっと隙間を空けて基本形の正方形を作ってみました(図2)。

図 2

 これを使っていろいろ試行錯誤してみました。

(つづく)



 webを検索していたら、趙之謙とタングラムというブログに行き着きました。ここに出ていたタングラムで作られた漢字を並べた作品がたいへんインパクトがありました。真似をして同じものを作ってみました(図3)。

図 3

 正確に言うと、同じものを作ろうとしたのですが、微妙な配置までは同じになっておらず、オリジナルのほうがはるかに書道の作品に見えます。これは「山中多白雲」と(右から左に)読みます。すばらしい作品だと感動しました。

 タングラムは、大・大・中・小・小の3種類5つの直角二等辺三角形と、正方形1つ、平行四辺形1つの7片のパーツで構成されています。漢字を表現するには本来は直線をたくさん作りたいところです。ところがこの7つのパーツは直線を表現するのには向いていません。

再掲図:タングラム

 このタングラムでここまですばらしい漢字を構成できるということに感動しました。またこの作品、漢字5文字から構成されていますが、どれか漢字1文字だけを取り出して、「何に見えますか?」と言ったら、それが表現しようとしているものが漢字だと気が付くでしょうか? この5文字が並んでいることで、初めてそれぞれがその文字として認識できるように思います。その点もとても興味深いです。

(つづく)



 サッカーワールドカップ、日本の予選リーグ第2戦が25日(月)午前零時からありました。2時半くらいに目が覚めたので結果を見たら、なんと2-2の同点でした。この更新を書いている現在(25日(月)の午前3時過ぎです)、ポーランドとコロンビアの試合が始まったところですが、同一リーグの全6試合中、ちょうど半分の3試合が終了したところです。「1勝1分け」が2チーム、「1敗」が2チームですが、理屈の上では今後の3試合で、全チームが「1勝1敗1引き分け」になる可能性もあるわけですね。

 4チームの総当たりのリーグ戦で上位2チームが決勝トーナメントに進出できるというシステムは、例えば極端な例でいえば、1チームが3戦全勝、残り3チームが1勝2敗ということも起こりうるので、たとえ2敗してしまっても、その事実だけでは一次リーグ敗退とは決まらない場合があるわけですね。逆に2連勝しても、1チームが3戦全敗で残り3チームが2勝1敗だったとすれば、条件によっては決勝リーグに進めないチームも出てくるわけです。最後まで楽しませてくれるシステムなのだなあと感心します。

<おまけのひとこと>
 「山中多白雲」のタングラム作品の5つの漢字のシルエットをドルードルの「お題」だとしたら、どんなタイトルを付けるでしょう? 何に見えますか?






6月27日(水) タングラムで漢字(その2)

 一昨日のマグネットシート式のタングラムで「これは何でしょう?」という問題を出題していました。本日はその解説をしたいと思います。

問題再掲

 ヒントを言うと、これは漢字一文字です。と言われても、私たちが学校で習う、鉛筆やペン、もしくは毛筆で書いた文字には見えないかと思います。

 では、もう1つの文字と2文字並べてみましょう。これならどうでしょうか?

図 1

 いかがでしょうか? これだと、漢字の読み書きに堪能な人ならば読めるのではないでしょうか? この右側の文字が、先日出題した文字そのものなのです。

 自分ではこの問題の難易度がよくわからないので答を書いておくと、図1は「平和」という文字を表しています。これは私のデザインではなくて、webを検索して見つけた Ling Meng というシャンハイのデザイナーの作品を見て、まねて作った画像です。こちらの227:十中破竹レポート2というページに情報がありましたが、これ以上の情報が見つかっていません。(「十中破竹」というのは「十中八九」をかけているのですよねきっと。10人のデザイナーによるデザイン展ということで、いろいろ意味深いタイトルだなあと感心します。2012年ということでもうだいぶ前ですが。)

 もしもお手元にタングラムのセットをお持ちでしたら、いったんこのページから離れて、(このページを見ずに)「平」「和」の文字をタングラムで作ってみてください。やってみるとこのデザインのすごさがわかると思います。

 上記のページにあったほかの例(を真似て私が作ってみた図)も載せておきます。

図 2 図 3

 元画像が不鮮明で、全く同じようには作れない文字もありました。これらは漢字2文字です。

 これらのデザインに刺激を受けて、私も何かオリジナルの漢字のデザインを作ってみたくなりました。草書体とかを少し検索してみたりしながら、こんな二文字を作ってみました(図4)。こうしてみてみるといかにセンスが不足しているか痛感します。

図 4

 これまでのものに1文字加えて、こんな絵も作ってみました。7文字です。

図 5

 1段目の一番右の文字、「公」という字の出来損ないのように見えますが、一応「ひらがな」のつもりです。これがまた難しい…

 タングラムによる日本の文字のデザイン、意外とみつかっていないのですが、タングラム 問題集 Part22(文字アラカルト編)というページがありました。こちらは日本人がデザインした文字、という気がします。

(つづく)



 いつも通っている道の傍らの電柱がだいぶ傾いているように見えました。

図 5:粟沢橋付近

 大丈夫なのかな…

<おまけのひとこと>
 6月27日(水)の朝に、6/27〜6/28の2日分の更新をしています。

 タングラムは、シルエットの問題を見て解を考えるのも楽しい遊びですが、「お題」を決めてシルエットを作ってみるというのも楽しいですね。パーティーゲームとしても盛り上がるかもしれません。






6月28日(木) タングラムのいろいろなパズル

 最初に、昨日のタングラムによる漢字のデザインが何という文字を表しているのかの答ですが、一応用心して本日の「おまけのひとこと」に書きます。(おそらくいらっしゃらないと思いますが)不用意に答を見たくない、という方はご注意ください。



 タングラムは有名なパズルですので、そのデザインをモチーフとしたパズルもたくさん公開されています。ときどき見に行くAge of Puzzlesの、古典パズルにも、タングラムファミリーというカテゴリで、いくつもパズルが載っています。

 2015年5月5日のひとことでは、「重ね合わせタングラム」というのをご紹介していましたが、これも上記のサイトからのご紹介でした。

 これは「バトルシップ・タングラム」です(図1)。

図 1

 タングラムの7片のピースを、左の白いゲーム盤の点線の枠に合うように配置するのですが、盤の周辺の矢印の差す行または列の上に、ピースを構成する単位三角形が数字の数だけ存在するようにすることが目的です。

 次のパズルは「タングラム・パッキング」です(図2)。

図 2

 ひとつながりになった7片のタングラムのピースを、左の2×2×2の立方体の中に収めてください、というパズルです。それぞれのピースは、立方体の6つの面のどれかと平行になっていること、両端のピースも頂点を共有して、全体として1つの輪っかになること、という条件がついています。

 いずれも、こちらのSolutionsというページに答が載っていますが、この2つ問題だけでなく、たくさんの問題の解答すべてが出ていますのでご注意ください。



 全然別なアプローチとして、ルービックキューブ系のパズルでこんな製品もあるみたいです。タングラム・キューブというパズルです。

図 3

 これは、意外と難しくないのかな(普通のルービックキューブが解けるという前提で)、と想像しました。手持ちのキューブにシールを貼って自作してみてもおもしろいかも、と思いました。

<おまけのひとこと>
 昨日のタングラムによる漢字のデザインの答ですが、図2が「元旦」、図3が「社会」、図4が「日本」、図5が「平和な日本社会」です。






6月29日(金) 6枚短冊組パズル(その1)

 先月、「くねくねループパズル」というカプセルトイにはまって、いろいろなお店のカプセルトイマシーンを見て回りました。結局「くねくねループパズル」はたった1箇所でしかみつけることができなかったのですが、探している途中で、組木パズル系のものも見かけました。

 カプセルトイなので、1つのマシンには同じテーマの5〜6種類が入っていて、どれが出るかわからない、という射幸性をもった売り方になっています。組木パズルのシリーズも、大部分は「これは持っているから敢えて買わなくてもいいかな」というものばかりなのですが、1つだけ、ちょっと気になるものがありました。

 「まあでもこれが出る確率は単純に言って2割以下だし」と思いつつ、1回だけやってみようかなと思ってやってみたら、幸運にも欲しいものが1回で出てきました。

図 1

 アルファベットの“D”のかたちをした板状のパーツが3枚ずつかみ合った6枚組のかたちをしています。webでは見かけたことがありますが、本物はさわったことがありませんでした。

 分解してみると、こんな感じになっています(図2)。

図 2

 完全な「輪っか」(Dの字そのもの)が2つ、あとの4つは外周につながる切り欠きがあって、4つとも構造がちがいます。写真だとわかりにくいかもしれないので、構造を図示しておきます(図3)。

図 3

 ちょっと思い付いたことがあって、これをアーテックブロックで作ってみることにしました。

(つづく)



 最近、紐を使った知恵の輪にちょっと興味を持っています。このジャンルは私は不案内で、特に独自のアイディアとかを持っているわけではありません。

<おまけのひとこと>
 6月30日(土)の早朝に、6/29,6/30の2日分の更新をしています。






6月30日(土) 6枚短冊組パズル(その2)

 昨日の6枚組のパズル、同じ構造のものをアーテックブロックで作ってみました(図1)。

図 1

 あわてていて、肝心の6枚組の完成写真を撮るのを忘れたのですが(もうパーツはばらしてしまいました)、やりたかったことは、この中のこの3つ(図2)

図 2

これをこうやって組みたくなったのです。

図 3

 やってみたかったことは、図1の6つを適切に3つずつの2組に分けて、そのどちらでも図3のように組んでみたいな、と思ったのです。オリジナルの透明な樹脂のパーツは、形状がD字型であることと、パーツの厚みの都合で、こういった組み方ができないようになっていました。なので、アーテックブロックで試してみたのです。

 残念ながら残りの3パーツは同様に組むことはできません。では逆に、6枚全部も組めるし、3枚ずつでも図3のように組めるような6枚のパーツのセットを設計できるでしょうか?

(つづく)



 昨日は賞与支給日でプレミアムフライデーだったので(もう誰も「プレミアムフライデー」なんて言っていない気もしますが)、少し早めに退社すると宣言して、妻と駅前に食事に行きました。

 6月4日のひとことで、駅前の「寒天のオブジェ」をご紹介しましたが(再掲図)、夕方は明かりが灯っていました(図4)。

再掲図 図 4

 同じものなのに、写真を撮る角度で縦横比が違って見えて面白かったです。

<おまけのひとこと>
 お休みだと嬉しくて早く起きてしまうので、ちょっと寝不足です。(夜10時半くらいに寝て、朝3時半くらいに起きたので、5時間くらいは寝ているはずです。途中で一度目が覚めましたが。)






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