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以前の「ひとこと」 : 2018年5月後半



5月16日(水) タングルの2成分の絡み目の系列

 リスーピアのワークショップを、来月6月16日(土)、17日(日)に担当させていただきます。ちょうど1か月前の本日の10時から、こちらで申し込みが始まりました。

 今回は、1月くらいから何度かご紹介した、対角線比が1対√2の菱形をつないだ帯で作れる三角柱(図1)

図 1

 を基本とする構造を作ってみたいなと思って準備しています。ただ、菱形の帯から作り始めるといろいろ大変なので、こんなパーツ

図 2

 を準備して、これを組み合わせるだけで、こんなかたち

図 3 図 4

を作っていただくことを目標にしています。

 土・日の二日間の午前午後の4回のうち、すでに日曜午前は満員になっているみたいですが(ありがとうございます)、例年キャンセルがあったり、募集定員を増やしたりといった対応をしていただいたりしておりますので、また上記ページをご覧になっていただけたらと思います。



 5月の頭くらいから、タングル、正確には同様の構造のくねくねループパズルというカプセルトイをたくさん買って、数学の結び目理論の結び目や絡み目の模型を作って楽しんでいます。今回の更新では絡み目 421絡み目 621絡み目 821、という系列をご紹介します。

 簡単に言うと、「結び目」というのは輪っかが1つ(1成分)のもの、「絡み目」というのは輪っかが2つ以上のものです。2成分の絡み目というのは、輪っかが2つ絡み合ったものです。

 結び目同様、絡み目も様々にかたちを変えることができます。その中で対称性があって構造が分かりやすく、きれいなかたちを作りたいなと思っていろいろ試しています。

 今日ご紹介するのは、タングルのパーツ4個による最小の輪(図1の写真では透明パーツを使って作ってみています)に対して、もう1つの輪が2回、3回、4回巻き付いているかたちになっている絡み目模型です。

図 5

 だいたい真上から見下ろしてみたところと(図5)、

図 6

 少しななめから見たところです(図6)。いかがでしょうか、透明な輪っか(トーラス)に、黄色やオレンジや青の輪が巻き付いている様子がわかるでしょうか。(パーツは、黄色は8個、オレンジは12個、青は16個使っています。)

 パーツ20個を使って、5回巻き付くパターンも作ってみたくなりますが、最小の輪に5つのパーツが通らないので断念しました。この系列も今のところ「殿堂入り」(もったいなくて壊せない模型)となりました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 5月17日(火)の午前2時過ぎくらいに目が覚めてしまったので、5/16と5/17の2日分の更新をしています。そろそろ朝4時です。






5月17日(木) タングルの2成分の絡み目:絡み目 421と絡み目 623

 絡み目 421の対称的な表現を追求してみたくなりました。黄色とオレンジのパーツを8つずつ使って、こんなかたちにしてみました。

図 1

 写真で対称性がわかりやすい視点から見るときれいだと思いますが、実物を見ると対称性がちょっとわかりにくいです。またパーツの位置関係が安定しません。なのでこれは写真を撮った後でかたちを変えてしまいました。

 図1を変形して、2つの輪の絡まり具合がわかりやすいかたちにしてみました(図2)。パーツをつなぎ直したりはしていません。

図 2

 このかたちも写真ではわかりやすいと思いますが、2つの輪っかの位置関係が安定しないので、模型として保存するのはやめました。まあこのくらいならすぐに作り直せる、というのもありますが。



 余ったパーツで絡み目 623を作ってみました。

図 3 図 4

 図3と図4は、パーツをつなぎ直さずに互いに行き来できます。同じ結び目なので当たり前と言えば当たり前ですが、実に面白いと思います。

 図3、図4の表現では、片方の輪が交点がなく、もう片方が複雑に絡みついているという構造になっています。でもこの2つの輪は等価なはずなので、この2つが同じ3次元構造になるように、対称性が直感的にわかりやすいかたちを探して変形してみることにしました。

(つづく)



 余談ですが、最初に絡み目 623を作ろうとして、できたつもりで撮った写真がこちらです(図5)。

図 5

 よく見るとこれ、絡み目 421でした。

<おまけのひとこと>
 このところ急に暑くなってきました。先日、自宅の屋根を塗り直したのですが(もちろん自分で作業したわけではなく業者さんにお願いしました)、遮熱性のある素材を塗料に混ぜてもらうというオプションをお願いしました。実験によると表面温度が16℃差が出たということなのだそうです。そのせいか、昨年までと比べて明らかに晴天時の2階の部屋の温度が低い気がします。やってよかったと思いました。






5月18日(金) (カプセルトイではない)タングルを買いました

 昨日、ようやくタングルを買いました。

図 1

 クラシックを2色です。以前持っていたタングルよりも、ジョイントはやや硬く、切り離したりつないだりできます。

 まずはデフォルトの「自明な結び目」のままで、お気に入りの「結ばれていない結び目」から作ってみました。

図 2

 子供のころ、輪ゴムでこの結び方をして「手錠」とか言って遊んだものです。

 先日もご紹介したこのかたちも作ってみました(図3)。

図 3

 続いて、標準セット(パーツ18個)からそのまま作れる結び目としてとても好みなかたちである「8の字結び目」(結び目 41)を作ってみました(図4)。“Tangle”のロゴが入っているパーツの位置にも気を配ったつもりです。

図 4

 やってみるとわかるのですが、きれいにシンメトリーになるようにかたちを整えるのはそんなに簡単ではありません。でも、それがとても楽しいのです。ジョイントはそれなりに硬さがあるので、一度かたちを決めると、手で持ち上げたくらいでは変形しません。そのおかげで、バランスがとれたかたちが作れるともったいなくて崩せないのです。

(つづく)



 余ったパーツを適当につないで、それを構造がわかりやすいように何か対称性がみえるようなかたちに変形してゆくのが楽しいです。

図 5

 色はランダムです。これ、結び目でしょうか(輪っかが1つ)、それとも絡み目(輪っかが2つ以上)でしょうか?

<おまけのひとこと>
 図5のかたちも、朝の忙しい時間だというのについ30分以上いじってしまいました。






5月19日(土) 2成分絡み目 623の変形と3成分絡み目

 一昨日の更新で、2成分の絡み目623を作ってみて、その2つの輪の表現を入れ替えるという操作をしてみました。

再掲図 1 再掲図 2

 この絡み目を、パーツのつなぎ直しをせずに2つとも同じかたちになるような変形を試みてみました。

図 1

 なるほど、こんな風な2つの8の字型になるのですね。かたちの微調整が不十分で、完全に同じかたちとは言い難いですが、いったんこれで満足しました。これは写真を撮って納得したので、「殿堂入り」させなくてもいいかなということで分解してしまうことにしました。



 もう1つ、こんなかたちを作ってみました。3成分の絡み目です。3成分のうち2つは、パーツ4つから作る「単位円」です。3つ目の輪っかが、その2つの単位円に絡まっています。

図 2

 写真だとパーツの太さのせいで、つながり具合がいまいとつ理解しにくいかなあと思ったので、簡単な図も用意してみました。

図 3

 図3の青い輪も、いわゆる「自明な結び目」で、単純な輪っかです。1回だけひねって8の字型をしています。さてこの絡み目、どんなかたちなのかわかりますか? これまで何回もご紹介しているかたちです。

(つづく)



 昔、妻からもらった誕生日プレゼントの「知恵の輪」のスタンドに、図2の絡み目をちょっとだけ変形したものをぶら下げてみました。

図 4

 なかなか良い感じです。

<おまけのひとこと>
 これまでいろいろ試してきた、多面体構造を作れるブロックとは全然違うブロック(敢えてそう呼びます)ですが、面白くてたまりません。机の上には「殿堂入りした」(もったいなくて壊せない)結び目の模型がどんどん増えていて、20個を越えました。(まだご紹介していないのがたくさんあるということです。) 新たにこんな面白いブロックに出会えて幸せです。
 机の上がだんだん狭くなってきたので、そろそろ保管方法を考えないといけないな、と思っています。






5月20日(日) 部品の数を減らして「ボロメオの輪」を作る試み

 昨日ご紹介した、タングルの部品で作った3成分の絡み目はボロメオの輪でした。ボロメオの輪は、6部品によるリング3つで、かたちを変えたものを2つ、今月すでにご紹介しています。

再掲図 1 (5/5 図3) 再掲図 2 (5/11 図3)

 再掲図1のほうは、1セット18個のパーツを全部ばらばらにして、同色の部品6個ずつで作っています。どの2つの輪に注目しても絡まっていないのに、3つが絡まると外れない、という構造です。

 再掲図2のほうは、真上から見るときれいな円形に見えるので美しいのですが、ジョイントに若干無理がかかっています。いずれも部品は18個でできています。

 では、この部品で作るボロメオの輪の構造(ちなみに結び目・絡み目の分類の表記では絡み目 632です)、部品数を18より減らす方法はないでしょうか?

 ちなみに、この部品で輪っかを作ろとすると、最低4個必要です。また、5個では輪として閉じません。6個以上ならば1つの輪(自明な結び目)を作ることができます。18個よりも減らすためには、少なくとも1つの輪は6個より部品数を減らす必要があります。全部で17個で作ろうとすると、可能性があるのは(4,6,7)、(4,4,9)です。

 やってみると、(4,6,8)、(4,4,10)は簡単にできるのですが、1つ減らすというのはなかなかむつかしいのです。昨日ご覧いただいたのは、(4,4,10)の部品18個のボロメオの輪だったのでした。

 もう一度、(4,4,9)に挑戦してみました。図1のように、4個,4個,9個から成る輪っかを用意します。

図 1

 一番長い輪をいったん1箇所外して、小さな2つの輪の中をそれぞれ2回ずつ通します。一応なんとかかたちになりました(図2)。

図 2

 でもやっぱり、ジョイントにかなり負荷がかかるので、写真を撮ったら分解して、(4,4,10)のボロメオの輪に戻しました。この、単位円2つのボロメオの輪の表現、わりと気に入っています。



 1つのシンプルな円形の輪に、もう1つの長い輪をくるくると巻き付ける構造を先日ご紹介しましたが、長いほうの輪の部品の数は、巻き付ける回数の4倍というのが素直な作り方です。標準のタングルの1セットは18個のパーツを使っているので、4の倍数ではありません。これをむりやり5回巻き付けたかたちを作ってみようと思って、金属の輪を見つけてきて(リングキャッチャーで遊んだときにホームセンターで買ったものです)、試してみました。

図 3

図 4

 金属のリングは使わなくても良かったのですが、わかりやすくなるかなと思って敢えて使ってみました。かたちのバランスを調整するときにも少し役に立ちます。

<おまけのひとこと>
 週末、いろいろな結び目・絡み目の模型を作って楽しんでいます。たまには他の話題もはさもうと思っているのですが、つい同じ話題が続いてしまいます。(ほかのこともやっているのですが)






5月21日(月) “タングル”のCG(その1)、ほか

 本題に入る前に、6月のリスーピアワークショップですが、各回の定員を50名から100名に増やしていただいたようです。おかげさまで各回とも50名前後はまだご参加いただけるようになりました。よろしければぜひ。すでに申し込んで下さった皆様、ありがとうございます。



 相変わらずタングルで結び目を作って遊んでいるのですが、CGを作ってみたくなりました。部品はトーラスの4分の1なので、部品そのものはけっこう簡単に記述できます。

 まずは簡単に部品を配置できる、すべての角度が直角の倍数になっている配置の輪っかをいくつか描画してみました。

図 1 図 2

 一番シンプルな輪(タングルの単位円)と、2つの半円の間に同じ向きにパーツを入れた、いわゆる「舟型の六員環」です。

図 3

 図1から図2への変化と同じように、さらにもう2つパーツを増やしてみました(図3)。

図 4 図 5

 図4と図5は、パーツ8つの輪の別な表現です。

 この黄色と青のしましまを見ていると、「エルマーのぼうけん」シリーズの“りゅう”を思い出します。

(つづく)



 新宿西口に、四角柱をひねったようなこんなオブジェがいくつも並んでいます。

図 6

 以前から気になっていたのですが、珍しく歩行者が少ないタイミングで通りかかったので、写真を撮ってみました。

 ちょうど2年前、2016年5月21日のひとことで、前川淳さんの三段弦巻立方体という作品をご紹介したことがありましたけれども、それを連想させるかたちです。

再掲図:2016年5月22日

 根元に近い面がメッシュになっているようでした。通気口でしょうか。

 これもCGにしてみました。

図 7

 なかなか面白いと思いました。いかがでしょうか。もうちょっと縦長のほうがオリジナルに近いですが…

<おまけのひとこと>
 1週間が始まります。今週は出張があったり通院のためにお休みを取らなければいけなかったり、平日なのに会社がお休みになる日があったり、変則的です。






5月22日(火) “タングル”のCG(その2)、機械仕掛けの愛1

 さて、昨日のCGですが、これを作ろうと思い至った動機は、下の図1のようなちょっと変則的な「ボロメオの輪」を作ってみた時、当然ながら隙間が多くて模型のパーツの位置が定まらないのが物足りなかったので、理想的な3パーツの位置関係を図示したくなったのです。

 今回は「エルマーとりゅう」の色ではなくて、青パーツと半透明パーツにしてみました。図1のほうは、パーツの数が4,6,8の18個でできているボロメオの輪です。図2のほうはパーツの数が6,6,6の18個です。

図 1 図 2

 この2つのCGができたので、いったん満足することにしました。パーツが直交座標系に乗っていない配置のCGも作ってみようと思っているのですが、両端が閉じた状態でのパーツの位置を自由にコントロールするプログラムの案がすぐに思いつかなかったので、保留しています。



 ちなみに、ボロメオの輪のように、自明でない絡み目(複数の成分がばらばらにできない)のうち、どの1つの成分を取り除いても自明な絡み目になる場合、その絡み目はブルンの性質を持つと言うのだそうです。ブルンは人名(Hermann Brunn)です。英語で言うと、ブルンの性質を持つ絡み目はブルニアン・リンク(Burrnian links)と言うそうで、これはボロメアン・リング(ボロメオの輪)と日本語の音としてよく似ています。

 「ボロメアンリングはブルニアンリンクの一例である。」なんて言うとちょっと駄洒落っぽいと思いませんか?

 それはともかく、「ブルンの性質を持つ絡み目」と言うからには、ボロメオの輪以外にもこういった絡み目は無限に存在するのですが、4成分以上の「ブルンの性質を持つ絡み目」を見つけられますか?

(つづく)



 先日、法事で妻の実家に行ったとき、業田良家の「機械仕掛けの愛」の1巻を本屋さんの店頭で見つけて買いました。

図 3

 小学館のサイトで検索してみると、5巻まで出版されていて、各巻の最初の一話は結末まで全部試し読みできるようになっています。(全部で5話読めます。)

 それぞれの短編は背景や登場人物など全くつながりがなく(ごくたまに過去の短編の登場人物や背景を引き継いだ話もありますが)、どこからどの話を読んでも大丈夫です。ほのぼのした話、ほっとする結末の話、やるせない救いのない話、悲しい話、考えさせられる話など、いろいろな雰囲気の話があります。第1巻の中では、最終話(第9話)の「グレイト・シード」のロボットの神父さんが好きです。(この話は試し読みできませんが。)

 業田良家は「自虐の詩」「執念の刑事」のころからファンです。独特の絵柄ですが、この「機械仕掛けの愛」のシリーズでは特に絵と話がとても良く合っている気がします。よろしければ上記の「試し読み」だけでもしてみてください。

<おまけのひとこと>
 最近、昔なら何回かに分けて書いていたようなトピックを1日の更新で書いてしまうことが増えてきました。「書きたいこと」というのは、書くとなくなってしまうのではなくて、書けば書くほど増える感じがします。(読んで価値があることが書けているか、というとそれは別問題ですが。)これは、運動をすると運動できなくなってしまうのではなく、逆にすればするほど体が鍛えられてもっと運動ができるようになる、というのとちょっと似ているような気がしました。 運動をする習慣がなくて生活習慣病を抱えている私が言うのもなんですが…






5月23日(水) ブルンの性質を持つ絡み目

 昨日、「自明でない絡み目(複数の成分がばらばらにできない)のうち、どの1つの成分を取り除いても自明な絡み目(絡まっておらず、全てばらばら)になる場合、その絡み目はブルンの性質を持つと呼ぶ」という話をご紹介しましたが、4成分の典型的な例をご紹介します(図1)。

図 1

 両側がタングルの単位円、真ん中の2つは、輪っかを平たく押しつぶしてそれを2つの折り畳んだようなかたちをしています。この4つの輪っかのうち、1つでも取り除くと全部ばらばらになるのがわかるでしょうか。

 ということでばらばらにした状態での写真も撮ってみました(図2)。

図 2

 先日、ボロメオの輪のこんな写真を載せましたが

再掲図

この真ん中の構造と同じものをどんどんつないでゆけば、ブルンの性質を持つN成分の絡み目を作ることができると気が付いたのです。

 4成分のほうもスタンドにぶら下げてみました(図3)。

図 3

 真ん中の輪っかは部品12個で作っています。アクセサリで、こういう構造の鎖を見たことがあるような気がします。部品1つを切断すると全部がばらばらになるというのは、逆にチェーンを組み立てるのは楽なはずです。また、単純な輪をつないだ鎖よりも引っ張り強度は強いのかなあという気もします。一方で鎖としての単位長さあたりの重量は大きくなってしまいそうですし、局所的に変な折り曲がり方をしたりして、鎖全体を引っ張ると、どこかのパーツだけに負荷が集中して破損しやすくなったりするのかなあ、などと想像しました。

 軽くて丈夫でしなやかで扱いやすい鎖の構造について工学的に研究されているのだろうなと思うのですが、私はそういう知識は全くありません。ちょっと興味が出てきたので少し調べてみると、「サッシュ鎖」というのがこの構造のようです。

図 4

 サッシュ鎖というのは金属板をプレス抜きしたものを穴を通して折り曲げて作られているそうで、補助金具等を使わなくても直接ビス止めできること、重量比強度が高いことが特徴なのだそうです。面白いですね。



 昨日は仕事で東京に日帰りだったのですが、渋谷駅から道玄坂方面に歩き始めた途中に、こんなオブジェがあったので写真を撮ってみました。

図 5

 正八面体を5つ、三角形の面を合わせて積み上げたかたちをしています。若干の隙間があります。

 渋谷は大変人が多くて混雑していて、この写真を撮るのも大変でした。帰宅してからgoogleのストリートビューでこのオブジェが写っていないか探してみたら、ちゃんとみつかりました。

図 6 図 7

 これは、区役所で予算をとって作られているのだろうか、金額はいくらくらいかかるのだろうか、デザインを決めたりするプロセスはどうなっているんだろうか、デザインコンペのようなものがあったりするのだろうか、そもそもこれは区の管轄なのか都の管轄なのか、誰にデザイン等の決定権があるのだろうか…等々、気になることがたくさんあります。

<おまけのひとこと>
 特急列車の時間の都合で、打ち合わせ時刻より1時間以上前に現地に到着しました。目的地は、渋谷駅よりも京王井の頭線の神泉駅のほうがずっと近かったので、久々に神泉にも行ってみたりしました。目的地の近くの喫茶店でパソコンを開いて仕事をしていたのですが、そろそろ時間だなと思って立ち上がってお店を出ようとしたら、一緒に訪問することになっている会社の方が同じお店の別の席に座っていてびっくりしました。渋谷なので付近にはそういうお店はいくらでもあるのですが、なぜか同じお店を選択していて面白かったです。






5月24日(木) 菱形4枚を輪にしたら…

 6月のリスーピアのワークショップの準備を少しずつしています。今回は最初に「紙の鎖を組む六面体」から始めたいと思っているのですが、菱形を4枚連結したかたちで、両端をつないで輪にして3つの輪の鎖を作るのですが(再掲図)、

 

再掲図

   

例えば下の図1のような型紙を考えた時、両端をつないで輪にできるのはどんなかたちでしょうか? というのを、この教材を使うときには尋ねてみることにしています。

図 1

 今回もその話を準備しながら、「はて、図1の左上のI字型といっているかたち、これの左右の辺をむりやり合わせたら、全体のかたちはどうなるだろう?」と考えてみたのです。

図 2

 こんな菱形4枚がつながったかたちを用意して、

 しっかり折り線をつけます(図3)。

図 3

 明らかに両端の両辺は位置がおおきくずれています。これをむりやり貼り合わせたら、全体のかたちはどうなるでしょう? 折り筋をつけた菱形の辺はしっかり折られているとします。もちろん、4つの菱形が全部平面上に乗ったままでは両方の端辺は合わせられません。どこにどんな歪みが出てくるでしょう?

(つづく)



 先日、都内の某所を歩いていたら、とあるマンションの前のマンション名の表示が面白かったのです。そのときは写真を撮りそびれたのですが、googleのストリートビューで見てみたら、ちゃんと写っていました。

図 4

 5×4区画あって、左上の区画にはマンション名が書かれています。それ以外の区画は、角度がついた面が置かれているのですが、4通りの向きのうちの1つが選択されています。これがほぼ規則的に配置されているのですが、右上だけパターンから外れているのです。

 そういうデザインなのか、施工ミスなのか…

<おまけのひとこと>
 昨日は2か所の病院に定期通院でした。






5月25日(金) 一般的な角度のタングルのCG

 タングルのCG、連結する2つの部品の間の角度を指定できるようにしてみました。濱中裕明先生スネークキューブを参考にさせていただいています。

 たとえば、こんな風にすべてのパーツの角度を徐々に変えてゆくと、らせん構造になります(図1)。

図 1

 これは解放端なので簡単です。

 通常のタングルの初期状態も作ってみました。図1のらせん構造を出発点として、両端をつなぐためのパーツの角度を手作業で適当に決めています。なのでつなぎ目が実は不正確です。

図 2 図 3

 それでも一応それっぽいかたちができたかなあと思っています。

(つづく)



 冷酒用のグラスを1つ、落として割ってしまいました。

図 4 図 5

 昔、お酒の販促品としておまけでもらったグラスで、全部で3つか4つあるのですが、1つ減ってしまいました。

 グラスの縁を下にしてシンクの平らな部分に落下したので、割れる瞬間はグラスの縁の円周の1箇所だけが接地したはずなのですが、大きく2か所がえぐれるように割れています。どうしてこうなるんだろう? と不思議に思いました。

<おまけのひとこと>
 割れたグラス、意外ときれいなものだなと思ってつい写真を撮りました。






5月26日(土) タングルのCG:51,71,91

 一般的な角度のタングルのCGで、次に作ってみたいなと思っていたのは、交差数が奇数の規則的な結び目の系列である、51,71,91です。これはたいへん美しいと思うのです。

 まず、部品15個を使った51です。

図 1

 実物は5月11日に写真を掲載しています。

再掲図(5/11 図5)

 さらに、71,91のCGも作ってみました。

図 2 図 3

 ちなみに、最初に作ってみた51のCGは、よく見たら自己干渉してしまっていました(図4)。

図 4

 また、実は71は裏返しても(反対側から見ても)同じになっているはずなのですが、91のほうは裏返すと同じになっていないのです。うーむ…

(つづく)



 最近好きなアレンジです。

図 5

 どちらも「自明な結び目」で、部品数が18個の標準的な状態です。手前のほうは、4色×4パーツに黒と透明パーツを追加して、出荷時のコンパクトな状態を作っています。この色の配置が気持ちがいいです。

 奥のほうは、以前載せたこのかたちと同じですが、

パーツの角度のちょっとした違いで全体のかたちや印象がかなり変わって面白いです。

<おまけのひとこと>
 昨日は会社がお休みだったので、車を車検に出しました。最初の車検なので、費用が発生する交換部品はワイパーゴムぐらいでした。






5月27日(日) 菱形4枚を無理やり輪にすると(その2)

 先日、菱形を4枚一列につないだかたち(再掲図)を無理やり輪にしたらどうなるでしょう?という話を書きました。

再掲図

 菱形4つをつなぐと、細長い平行四辺形になります。途中の菱形の3本の折り線がなかったとすれば、平行四辺形の左右の辺を空中で合わせようとすると、図1のように単純な輪になるのは明らかだと思います。

図 1

 では、つなぎ目も含めて4つの菱形の境界線をしっかり折っておくとどうなるかというと、こんな風になります。

図 2

 写真だとわかりにくいですが、菱形の対角線のところが折れ曲がった四角反柱のかたちになります。

 菱形の対角線比を変えたものをCGにしてみました(図3,図4)。

図 3 図 4

 なお、この例では菱形の短いほうの対角線が山折りになっていますが、長いほうの対角線が谷折りになる、凸でない四角反柱を作ることもできます(図5)。

図 5

 これはこのまま平らに畳んでしまいたくなりますね。外に凸になるほうが、折れ曲がる長さが少ないので自然だと思いますが…



 部屋の窓のすぐ外に20年くらい前に植えたモミの木があるのですが、これがすでに2階よりも高くなっていて、根が家の基礎に干渉してくるのではないかとちょっと心配しています。

図 6

 実はこの写真に写っている一番下の枝の葉っぱの茂っているあたりに、おそらく巣立ったばかりと思われるスズメがいるのです。網戸のモアレのせいでとても見ずらいですが。

 子スズメがいるあたりをズームした写真も撮ってみました(図7)。

図 7

 この写真を撮ったのは、部屋に入ってきた妻が、親スズメと思われる成鳥が餌を運んできて餌をやっているのが見えたと教えてくれたためです。家の中からカメラを構えて、次の餌やりのタイミングの写真を撮りたいなと思って待機していたのですが、その前に若いひな鳥は飛び去ってしまいました。なので私は餌をやるところを見損ねました。

 自宅の窓から至近距離で小鳥が見える、というのは嬉しいものです。でもこの距離なので、声はとても大きく聞こえます。

<おまけのひとこと>
 今朝も3時くらいに起きてしまって、今日の更新の図を描いたりCGを作ったりしました。目が覚めると、まだ眠いのに寝続けられないのです。若い頃は朝起きるのが大変でしたが、「眠れる」ということは幸せなことだったなあと思います。
 今、朝5時なのですが、この季節だと外はすっかり明るくなっています。エンジン草刈り機の音が聞こえ始めました。新聞が配達されました。

 CGを作りながら、今日の図3のような「ちょっとだけひねった四角反柱」、側面の8枚の鋭角二等辺三角形を横長に使ったかたち、かっこいいなあと思いました。実物の模型を作ってみようかな。






5月28日(月) タングルのCG:71,91を裏から見る

 一昨日の更新で、タングルのCGの51,71,91をご紹介しましたが、このうち91は裏返すとかたちが違ってしまっているということを書きました。実際にご覧いただきます。

再掲図 図 1

 左側のほうは、黄色のパーツが円周の内側に集まっていますが、裏から見た右側(図1)では青いパーツはもっと外側にあります。輪として閉じていますが、黄色と青の役割は違います。

 一方、71は、表と裏で、黄色と青のパーツの役割は同じになっています。(すみません、あわててCGを作ったら、表と裏でちょっと視点が違っていて、これはまた別の意味で違和感がありますね。)

再掲図 図 2

 71は、図3のように青と黄色のパーツが同一平面上にあるような角度に固定しておいて、緑のパーツの前後の角度を同じように変化させていって、輪として閉じる状態を1パラメータで探索してみて作りました(図3)。

図 3

 同じことを27部品でやろうとしてもうまくいきませんでした。

(つづく)



 たくさん買ったカプセルトイの「くねくねループパズル」ですが、もう少し買い足したいなあと思って、設置されていたお店に行ってみたら、なんとガチャポンマシンそのものが全部撤去されていました。

図 4

 これは、まだ設置されていたときに撮った写真です。

 ちょうどお店の改装の準備をしている雰囲気で、売り場の商品が閑散としていたのですが、また復活するかな…

<おまけのひとこと>
 昨夜(5/27(日))、夕食を食べているときにのどに急に違和感があって、何かのどに引っ掛かっているのに、それが飲み込めないような感じなのです。水(やビール)をたくさん飲んでみたのですが、改善しません。今朝(5/28(月)の早朝の4時くらい)は、飲み込むと痛みを感じます。炎症でも起こしているのかな…
 ちなみに窓の外ではカッコウが盛んに鳴いています。窓のすぐ外、60cmくらい先のモミの木の枝に、小鳥が飛んできて止まったりしています。朝は気持ちがいいです。

 26日(土)は朝から妻と出かけたのですが、高速道路の出口や街中や駐車場が混雑するのがいやな私は、「はやく出よう」と提案しました。妻が「はやすぎるよ」と言うので、じゃあタングルのCGでも作るかなと思って作業をしていたら、面白くてあっという間に時間が経って、かなり遅くなってしまいました。ごめんなさい。






5月29日(火) 数字パズル

 二週間ほど前でしたか、近くの家具屋さんに行ったときに木製のパズルがあったので買ってきましたということを書きましたが、それをご紹介します。

図 1

 「数字パズル」という、数字の0〜9の10個のパーツを、電卓文字の7セグメント表示でデザインして、それをきっちりはめこむパズルです。このアイディア、どこかで見た記憶があるのですが、どなたの作品なのかわかりません。すみません。

 検索エンジンで「数字パズル 木製」で検索するとすぐに出てきます。答がはっきりわかる画像が出てくるので、ややわかりにくいように加工してみました。

図 2

 よく考えたら、こんな画像を載せるのではなくて、よくある「失敗例の途中の状態」を作って写真を撮ればよかったですね。

 こんな枠にはめるのですが(図3)、

図 3

 数字の0とか1とか7とか、文字がばらばらにならないように、7セグメントの構造からちょっと逸脱しているのがわかります。これがまあヒントにもなっていますし、やむを得ずこうなっているのはわかりますが、全体の統一感を乱しているので少々残念ではあります。

 ちなみに希望小売価格は1,000円(税別)なのですが、私が買った家具屋さんでは、「現品なので1割引きしておきますね」と安くしてくれました。ありがとうございます。



 タングル(正確には「くねくねループパズル」)、対称性のある結び目とかではなく、普通に遊ぶ遊び方として「できるだけ設置するパーツの数を減らして立てて、オブジェのように飾る」というのをやってみました。

図 4

 こういうのをCGにしようとすると、逆に大変です。(パラメータの数が多いので)

 机の一角の「最近のお気に入りコーナー」は、今日のところこんな風になっています。

図 5

 このコーナーは入れ替わりが激しいのですが、ここ数日はこんな感じになっています。

<おまけのひとこと>
 会社でレクチャーをいくつか頼まれているのですが、もともと話をするのは好きなのですが、のどが痛くて困ったなあと思っています。

 27日(日)の朝、床屋さんに行きました。朝9時半の開店を狙って、少し前の9:25にお店に着いたら「営業中」の看板がかかっていたので、入ってすぐにやってもらえました。カットだけなので9:35には終わっていました。「はやい」というのも大変ありがたいサービスだと思うのです。






5月30日(水) タングルの結び目:77,816

 タングルの部品を使って結び目の模型を作る話です。今日は77,816という結び目をご紹介します。

図 1 図 2

 図1が77、図2が816の射影図です。いかがでしょうか、似ていると思いませんか。

 どこが似ているかというと、なんとなく☆のかたちというか、上・右上・右下・左上・左下の5か所が「飛び出している」感じがするところかなあと思います。図1の77のほうは、なんとなく漢字のという字を連想するような気もします。

 これらの結び目の模型を作ってみました。

図 3 図 4

 なんとなく「梅の花」を連想するかたちになりました。

 妻に見せてみたのですが、最初はピンとこないようでした。確かに、ちょっと視点がずれるとどんなかたちなのかさっぱりわからなくなります(図5、図6)。

図 5 図 6

 でも、想定した視点から見てもらうと、「確かに梅の花に見える。こういう最中(もなか)があったよね。」というコメントをもらいました。そうなのです。通じて嬉しいです。

 「梅の花 イラスト」とか「梅の花 もなか」とか「梅の花 小皿」とかで画像検索してみたのですが、意外と5回回転対称の図案が多くて、図4のような上が大きくてちょっと横長の、左右に鏡像対称なんだけれども回転対称性はない図案というのは意外と少ないといことがわかりました。

 パーツが足りなくなって、図3、図5の77のほうは分解してしまったのですが、816のほうはしばらくの間はこんな風にスタンドに吊るして飾っておきました。

図 7

 机の上に置くよりも、意図したかたちがわかりやすいように思います。

(つづく)



 Scientific Americanの記事、Why Your Brain Needs More Downtimeをざっと読みました。(正確には、なんとなく読んだつもり、わかったつもりになりました。)自分の能力を発揮し、活動の生産性を上げたり効率を上げたりするためには、しっかり休まないとダメですよ、昼間も休憩や息抜きが必要ですよ、というような内容だと思います。

 うん、そうだよね、と思います。(都合よく読んでいるかもしれません。)

<おまけのひとこと>
 5月31日(木)の午前2時半くらいから起きて、仕事の準備をする前にこのページの5/30と5/31の2日分の更新をしています。もうそろそろ4時になりそうで、ちょっと時間が足りない感じです。(それを承知で昨夜は9時くらいにとても眠くなったので「明日があるさ」と寝てしまったのでした。)






5月31日(木) 模様を作れるお菓子:ピタゴラチョコ

 月末なので、1回限りの話題です。先日出張に行く日の朝に珍しくコンビニに寄りました。そうしたら「ピタゴラチョコ」というお菓子が売っていて、ちょっと迷ったのですが買ってしまいました。

図 1

 「食べ物で遊んだらいけないよね」という禁忌が染みついていて抵抗があったのですが、「衛生面に気を付けて並べてみて、最後はちゃんと食べればいいよね」と思って買うことにしました。

 中身はこんな感じでした。確かこれで全部です。

図 2

 小さなチョコレートはウィスキーに合うので、ウィスキーのおつまみにしようと思って準備をして、木製のトレイのうえにあけてみたのです。

図 3

図 4

 値段を考えると無理もないのですが、まず、パーツの形状の精度がとても低いです。特にパーツの厚み方向が千差万別で、パッケージには「積む」という例もCGで出ていますが、こんなに積むのは不可能だと思いました。なので、並べてみてもかたちが整いません。でも、たとえばこれが路上の敷石だ、と思うとこの「やや不ぞろいな感じ」が意外とリアルな気もします。

 あと、このお菓子は形状で勝負しているので、チョコレートとしての味は、私にとっては正直残念な感じでした。でも、その形状のほうも残念な感じがありました。並べて遊ぶのは楽しかったのは確かですが、「もっと買い足して大掛かりな模様を作ってみようかな」とは思いませんでした。

 小さいころ、「3時のおやつ」に小さな丸いビスケットを10枚、大袋からお皿に出してもらって食べていたのです。1枚食べるごとにきれいに並べ直して遊ぶのが好きでした。数とかたちが好きになったのは、意外とこれが原因かも、と思っています。



 googleで“ピタゴラチョコ”を検索しようと思って入力したら、検索候補として“ピタゴラチョコ まずい”というのが出てきて思わず笑いました。 お菓子も昔からの定番のブランドが強くて、新しい商品企画は難しいのだろうな、と想像します。企画を考える人がいて、パッケージデザインを考える人がいて、製造工程やコストを考える人がいて、それらを検討して承認する人がいて、営業する人がいて、売り上げを見て一喜一憂する人たちがいるんだろうな、と思います。

<おまけのひとこと>
 勤務先とは別の事業所で会議があって、高速道路で移動したのですが、考え事をしていたら降りるべきインターを通り越してしまいました。生涯で2回目です。気を付けないといけないですね。






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