[Home]-[以前のひとこと]-[2024年4月前半]

以前の「ひとこと」 : 2024年4月前半


それぞれの日の記事へのリンクです
Sun Mon Tue Wed Thr Fri Sat
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30



4月1日(月) 等面四面体の展開図

 4月です。一週間前には雪かきをして「まだ冬のようだ」と思っていたら、昨日は夏のような気候です。今年の夏はどうなってしまうのだろうと思います。



 先日、鋭角三角形を展開図とした等面四面体が作れるという話から、

鋭角三角形から等面四面体を作る展開図

 鈍角三角形だとこんな風に等面四面体ができる、という話をしました。

鈍角三角形から等面四面体を作る展開図

 これは、下の図1のように相似比2分の1の三角形を切り取って180°回転して貼り合わせると平行四辺形になると考えることでわかりやすくなります。

図 1

 平行四辺形は4つの合同な三角形に分割でき、そのままその4つの三角形を面とする等面四面体の展開図になっているのです。

 その辺に余っていた紙を鈍角二等辺三角形のかたちに切って、上の図のように折り曲げてセロテープでとめてみました。

 上の図1を見ながら思ったのです。「同じ平行四辺形を4つの合同な三角形に分割する方法は1つではないよね。ならば同じ鈍角三角形から別の等面四面体が作れるのでは?」

 さっそく図を描いてみました。

図 2

 こうすると、4面すべてが2つに分割された等面四面体ができる(のか?)、とちょっと興奮しました。でもすぐに気が付きました。これ、ダメです。

(つづく)



 レールキューブ(リンクはYoutubeです)というクラウドファンディングのおもちゃが面白そうだなと思いました。昔だったら買っていたかもしれません。今は買っても開封しない自信があります。(そうやって未開封で眠っているデッドストックがいくつかあります。)


<おまけのひとこと>
 今日から新年度です。2022年度、2023年度と連続して職場名と上司が変わったのですが(仕事はかわらなかったのですが)、今年は久々に新年度に職場が変わりません。ただ、これまでは良くも悪くも仕事の報告の頻度は非常に低かったのですが、今年度(今日)からは毎週の報告を求められていて、その第1回が今日の朝9時からです。毎週、自分が作成しているドキュメント(メールとかも含めて)はそれなりにあるので、それをベースに報告します。






4月2日(火) 等面四面体の展開図(その2)

 各面が三角形の等面多面体の話のつづきです。



 昨日、こんな展開図を思いついたという話を書きました。

図 1

 これを等面多面体になるように折り曲げられるかというと、それは無理だということがわかりました。下の図2の赤の点線の部分、ここを切り離さないとダメなのです。

図 2

 これが可能なら同じ三角形から異なる形状の等面四面体ができるのでは、と思ったのですがぬか喜びでした。



 同じかたちから異なる形状の等面四面体を作るなら、素直に平行四辺形から始めればよいということに改めて思い至ったので、やってみることにしました。適当な平行四辺形を考えて、それを図3のように二通りの方法で合同な三角形4枚に分割します。

図 3

 いずれも鋭角三角形であれば、立体として組み立てられるはずです。この分割を同じ平行四辺形に重ねて描いて、さらにどちらの組み立て方にも対応できるような「のりしろ」を配置して、これを作ってみることにしました。

図 4

(つづく)



 身の回りにあるちょっとしたチラシなどの丈夫な紙から平行四辺形を切り出して、3本の折り線を入れてセロテープで留めるだけでも楽しいです。

図 5

 A4サイズのチラシを二つ折りにして、その両側から合同な直角三角形を切り取って、合同な2枚の平行四辺形を作ってみました。これを異なる等面四面体にしてみます。

(つづく)


<おまけのひとこと>
 先週末、お隣の北杜市に行ったときにツバメを見ました。例年より早い気がします。






4月3日(水) 等面四面体の展開図(その3)

 各面が三角形の等面多面体の話のつづきです。今日は写真が多いです。



 昨日のこの展開図を2つ印刷して、別々な等面四面体を組んでみました。

展開図

 のりしろの位置があまり合理的ではありませんでした。「どちらの組み方でもできるのりしろ」を目指したので、組みやすさは犠牲になりました。

 組んでみると、もう片方の多面体になるべき面の境界線が見えるのが面白いです。この2つが全く同じ展開図から組めるということは完成形を見てもわからないので、これだけ見せられても面白さはわからないです。

 片方の三角形にはかなり直角に近い角度があったため、上の写真のように四面体がかなり平べったくなりました。無理やり三面が見える視点から見てみました(上の右の写真)。写真はクリックすると拡大します。

 もう片方の四面体は普通な感じです。表面に現れる「もう一つの組み方の面の境界線」をもっと目立つように印刷してみようかなと思いました。

(つづく)



 昨日、A4サイズの丈夫なチラシから合同な平行四辺形を2枚切り出しました。これに下のような折り目を付けました。

 適当に切り出した平行四辺形なので、辺の長さも区切りの良い長さではありません。辺の中点を見つけるのに、カッティングマットのマス目を利用しました。等間隔の平行線を利用します。

 中点を見つけたい辺の両端の頂点を、マス目の5cm幅の縦線に合わせます(下図の黄色いマル印)。真ん中の縦線と辺が交わるところ(下図の黄色い矢印)が辺の中点です。

 これはのりしろを用意していないので、簡単にセロテープでとめました。

 さきほどの例とは違って、今度は似た四面体になりました。


<おまけのひとこと>
 花粉症っぽい症状が出ていて、体調や気分が万全ではありません。今日・明日は天気も悪いようです。






4月4日(木) 幾何の問題(出題編)

 4/4の朝は更新が難しそうなので、4/3の朝に2日分まとめて更新しています。



 こんな図形の問題を思いつきました。与えられた円に、下図左のように正方形を2つ(もしくは辺長が1対2の長方形を)内接させたり、下図右のように正方形を3つ(もしくは辺長が1対3の長方形を)内接させたりすることを考えます。

図 1

 このとき、この2つの正方形の辺の長さの比はどうなるでしょう?

図 2

(つづく)



 昨日、合同な平行四辺形からそれぞれ別の等面四面体を作ったモデル、たまたま二面角が補角に極めて近くなっている組合せがあったので、そこをぴったりくっつけて並べてみました。

 ちょっとしたオブジェのようです。貼り合わせてしまって飾っておいてもいいかもしれないと思いました。左側の写真の視点から見るのがいいかなあと思います。


<おまけのひとこと>
 今日の図1を見ていると、同じ大きさの円のはずなのに、中の正方形が大きい左側(赤い正方形2つ)の円のほうが、右側より若干大きく見える気がしました。錯視現象として説明できる気がします。






4月5日(金) 幾何の問題(解説編)

 4/3〜4/4は出張でした。その時のちょっとした話題と、図形の問題の話です。



 円に内接する正方形2つ(図の赤い線)と正方形3つ(図の青い線)の辺の長さの比は? という問題をご紹介していました。

 普通に三平方の定理を使って解けば比は簡単に求まります。

 でも、こうやって作図してみると(下図)、一目瞭然だということに後から気が付きました。

 計算するまで全く思いつきませんでした。



 出張先のホテルで朝食を食べたとき、カウンター席に座ったらこんな影が見えたのです。食事を済ませてから写真を撮ってみました。

 目の前の目隠し用のパーティションの影ができているのですが、なんでこんな影なんだろう? と一瞬不思議に思いました。 パーティションのほうはこんな模様なのですが、

 影はこんな風に見えます。

 影で平行っぽく見えている線はパーティションの格子の縦の隙間です。(正しくは平行ではなくて1点に集まります。)これが2方向ある、ということはそれぞれ別の光源の影だ、ということです。わかってみればどうということはない話でした。



 出張の移動で昼間に自宅に帰り着いたのですが、玄関脇の花壇に植えっぱなしのチューリップの球根から芽が出ているのに気が付きました。

 明るい時間に花壇を見る機会が少ないです。


<おまけのひとこと>
 春になって、少しずつ家の中を掃除したり整理したりし始めました。






4月6日(土) 塩尻駅の立ち食いそば、名古屋駅のきしめん、豊中の交差点

 今日は雑談のみ(先日の出張の写真のご紹介だけ)です。



 東京で有明のビッグサイトに行くときに、時間があれば東京駅からバスを使うことを検討します。鉄道よりずっと時間がかかるのですが、スマートフォンで地図を見ながら外の様子を眺めると、鉄道の路線図としてしか認識できていない東京の街が、また違って見えて面白いのです。

 先週の出張の時、少し時間に余裕があったので阪急バスに乗ってみました。始発(新大阪駅:阪急バスターミナル)から終点(柴原阪大前駅)まで1時間ほど乗りました。(鉄道だと乗り換えがありますが30分程度です。バスのほうが値段は半額くらいです。) 途中、豊中駅を過ぎたあたりでこんな交差点が見えました。

 なんだか広場のようです。自分が車を運転して来たとしたら、どこに抜けたらいいのか迷いそうです。地図を見てみました。下の赤い〇印のところです。小学校が近くにあるのですね。

 交差点というか広場のようなエリア一面に白い縞模様(ストライプ)が描かれています。これは横断歩道を意味しているのでしょうか。

 気になったのでgoogle map の street view でも見てみました。

 おもしろい交差点ですね。こういうのは鉄道で移動していると気が付きません。バスも楽しいです。



 書く順番が逆になりましたが、上記のバスに乗った日の朝、出張で関西方面に行くためにJR塩尻駅で乗り換えました。JR東日本管轄の中央東線の普通列車とJR東海管轄の中央西線の特急「しなの」の連絡はあまりよくありません。30分以上待つことが多いです。時間があるので、ここで立ち食いそばを食べることが多いです。いつもは途中下車していったん改札の外に出て待合室の中のカウンターで食べるのですが、今回は駅構内の入り口から入る、とても狭いエリアで食べることにしました。

 店舗の入り口です。知らないと見落としそうです。

 エレベータの脇に入り口があります。エレベータの扉の半分よりまだ狭いくらいの入り口です。

 中は二人並んで立つとそれでいっぱいです。券売機でチケットを買ってお店の人に渡します。

 写真を撮り忘れましたが、「かき揚げそば」550円をいただきました。狭いところは妙に落ち着きます。



 名古屋駅で新幹線に乗り換えるのですが、特急「しなの」は悪天候のときなど遅延することがあるので乗り換え時間は十分に余裕を見てJRチケットを取っています。少し早いのですが名古屋の乗り換えで早お昼ということできしめんを食べました。

 先月のデイリーポータルZの名古屋駅に着いたら食べてほしい、新幹線ホーム「住よし」のみそきしめんという記事を読んで、今度は味噌きしめんを食べてみようかなと思っていたのです。(味噌きしめんは以前にも食べたことはあります。)名古屋駅は各ホームにきしめん屋さんがあるので、私は10・11番線ホームの「住よし」を利用することが多いです。

 定刻で名古屋駅に到着し、6両編成の後ろから2両目の2号車から降りて、少し反対方向に歩くと「住よし」があります。こんなポスターが目に入りました。

 「まあ味噌きしめんはいつでも食べられるわけだし」と思って、今回はこちらをいただくことにしました。(ちなみに「味噌きしめん」は700円、「鶏と菜の花のけんちんきしめん」は690円でした。)

 おいしかったです。


<おまけのひとこと>
 私はインドア派でプライベートで旅行に行きたいとかはあまり思わないのですが、出張の空き時間にちょっと足を延ばしてみるのは好きです。






4月7日(日) ラクダとバナナの問題(その1)

 パズルのような問題のご紹介です。



 「ラクダとバナナの問題」(Camel and Banana problem) という問題を知りました。以下のような問題です。

 【問題】 ある商人がバナナ3,000本とラクダを1頭持っていました。商人はラクダを使って1,000km離れた市場までバナナを運んで売りたいと考えました。ラクダは一度に1,000本までバナナを運ぶことができますが、1km進むごとにバナナを1本食べます。商人は市場まで最大で何本のバナナを運ぶことができるでしょうか?

 ラクダにバナナを1,000本積んで1,000km離れた市場をまっすぐ目指したとすると、市場に到着したときにはちょうどぴったり最後のバナナを食べてしまって、1本も残りません。でも出発地点には2,000本のバナナが残っています。どうしたらよいでしょうか?

(つづく)



 上記の問題、別冊サイエンス コンピューター レクリエーション IV(リンクは石野恵一郎さんの「ちょいとパズルでも」の参考文献のページです)の「16. 線路は続くよどこまでも アルゴパズルの山越えて」で紹介されていた「砂漠のきつね」のパズルを連想します。このパズルは、ロンメル将軍率いる「砂漠のきつね」軍団のパトロールがトラックで砂漠の道を進む問題です。トラックのガソリンタンクの容量は10ガロン(約38L)で、トラックは50ガロン入りのドラム缶を1缶だけ積むことができ、トラックの燃費はドラム缶やその中身の多寡にかかわらず1ガロンあたり10マイル走れるとします。出発地点にドラム缶がn本あったとしたら、トラックはいったいどれだけ遠くまで行けるでしょう? という問題でした。

 例えば「川渡りの問題」というパズルがあります。船に乗れるものや人の数が限られていて(通常は2)、船を操れる人が限定されており、どちらかの岸辺や船の中でペアが成立してはいけない組合せが決まっている、というタイプの問題です。狼と羊とキャベツを小さな船で向こう岸に渡す問題とか、嫉妬深い3組の夫婦が川を渡る問題とか、宣教師と人食い人種(泥棒とお巡りさん)とか、いろいろなバリエーションがあります。この「ラクダとバナナの問題」や「砂漠のきつねの問題」も、同じカテゴリのパズルだと思います。



 本屋さんめぐりが楽しくなる!御朱印ならぬ「御書印プロジェクト」知ってる? という記事があって興味深く読みました。私が雑誌「数学セミナー」の定期購読をお願いしている最寄り駅の本屋さんも加盟しているということがわかりました。今度「御書印帖」を手に入れて、加盟している本屋さんに行ったら御書印をいただいてみようかなと思いました。300円だそうです。

 noteの御書印プロジェクト(公式)を見てみると、現在は480店が加盟しているのだそうです。でも、リストの中にはお店を畳んでしまったところもあるようです。本屋さんを訪れるきっかけの1つとして広まるといいなあと思いました。


<おまけのひとこと>
 今日は久々に図も写真もないテキストだけの更新です。等面多面体の話、ご紹介を中断してしまっていますが、模型は着々と増えています。






4月8日(月) ラクダとバナナの問題(その2)

 表記の問題の簡単な解説です。



 昨日ご紹介した

 【問題】 ある商人がバナナ3,000本とラクダを1頭持っていました。商人はラクダを使って1,000km離れた市場までバナナを運んで売りたいと考えました。ラクダは一度に1,000本までバナナを運ぶことができますが、1km進むごとにバナナを1本食べます。商人は市場まで最大で何本のバナナを運ぶことができるでしょうか?

 という問題の解説です。

 バナナを1,000本積んでまっすぐ目的地を目指したら、ゴールした時にはすべてのバナナをちょうどぴったり食べつくしてしまうのでダメでした。とすると、途中でバナナをおろしてスタート地点まで戻る、という行動が必要です。スタート地点をP0、ゴールをP1000と表記することにします。まず、例えばスタートで1,000本積んで、1km先のP1でバナナをおろすことを考えます。P1までで1本、スタートに戻るのに1本のバナナが必要なので、ここには998本のバナナをおろすことができます。P0→P1→P0→P1→P0→P1の2往復半で、5本のバナナを消費して、残りの2,995本をP1に運ぶことができました。これを繰り返します。

 スタートから200km進んだP200でバナナの残り本数は2,000本になります。ここからは2往復半する必要がなくなって、1往復半、つまりP200→P201→P200→P201で、3本のバナナで1km進むことができるようになります。今度は、バナナの残り本数が(1回で運べる上限である)1,000本より少なくなるまでこれを続けます。1,000は3で割り切れないので、P533に到達した時点で1,001本のバナナがあります。P533に1本だけ残して1,000本を積んで1km進むとP534のところで999本になっています。ここでP533まで残り1本を取りに戻るのは無駄なので、それはあきらめることにして残りの区間はひたすらゴールに向かって1本ずつバナナを消費しながら進みます。

 残りは1,000-534=466kmですから、999-466=533本がゴールまで運べる本数ということになります。

 これ、実は1kmずつ小刻みに行ったり来たりしなくても、P200で600本降ろしてスタートに戻る、を2回繰り返して、3回目は戻らなくていいので、P200まで2往復半するとちょうどP200に2,000本を運ぶことができます。同様に、P200からP533まで1往復半でP533に1,001本を運ぶことができます。(1回目で334本をおろします。)あとは同じです。



 上記の問題の一般化を考えます。バナナを1本食べると1km進める、というのは同じですが、バナナはわずか1本しか運べないものとします。(ラクダよりずっと小さな生き物なのですねきっと。)今度は「バナナを運ぶ」ことが目的ではなく、「できるだけ遠くまで行く(=ゴールではバナナは残っていなくてもいい)」ことを目的にします。バナナが1本しかなければスタート地点でそれを食べて1km先まで行けます。バナナ2本ならば、まず1本食べて2本目を積んで出発し、1km進んだ地点で運んできたバナナを食べ、さらに1km進めるのでスタートから2km先まで行けます。ではバナナ3本ならどこまで行けるでしょうか? 残念ながら「3本だから3km」というわけにはいかないです。でも、2kmより先まで行かれるでしょうか? 

 さらに、スタート地点にバナナがn本あったらどれだけ進めるでしょうか? nが無限大になったら、到達距離も無限大に発散するのでしょうか? それともどこかに上限があって、どれだけバナナの本数が多くてもそれ以上先まで行けない、という限界があるのでしょうか?

(つづく)



 昔、娘が使っていた木製のベッドを引き継いで使っていたのですが、部材の接合部分が壊れてしまったのです。丈夫な金属の金具(金物)で留められていたのですが、その金具を木材に固定しているボルトの「ねじ受け」が木材に埋め込まれていたのですが、「ねじ受け」ごと外れてしまったのです。自分では修理ができませんでした。

 ベッドを分解してしばらく地下室に置いておいたのですが、かなり場所を取るのです。先週末、思い立って市の清掃センターに持ち込むことにしました。以前は木製の家具は引き取ってもらえたのです。行ってみたら、「これは清掃センターではなくリサイクルセンターに持ち込んでください」と教えてもらえました。「朝倉山の処理場(車で15分くらいかかる山の上)ですか?」と尋ねると、「いえ、2年ほど前にできたリサイクルセンターがここから400mくらいのところにあるのでそこに持ち込んでください」ということでした。

 清掃センターでもリサイクルセンターでも、対応をして下さった担当の係の方は皆さん親切でした。ゴミを出す前後に車ごと計量して、その差から出したゴミの重量を記録するのですが、清掃センターで2回、リサイクルセンターでは3回、計量をしました。(リサイクルセンターでは分別する種類ごとに計量が必要でした。)1時間くらいかかりましたが、こうして引き取ってもらえてとてもありがたかったです。春になって温かくなってきたためか、同様に清掃センターやリサイクルセンターに持ち込んでいる人がたくさんいました。


<おまけのひとこと>
 急に温かくなって、そろそろ冬タイヤを夏タイヤに履き替えることを検討しなければ…と思っています。まだ突発的に雪が降らないとも限りませんが(八十八夜=立春から88日目なので5月2日くらいを過ぎれば霜もなくなりますが、それまではわからない)、仮に降ってもすぐに溶けるので、4月下旬くらいには替えようかなと思っています。






4月9日(火) ラクダとバナナの問題(その3)

 ラクダとバナナの問題、今日は図を描いてみました。



 昨日、新たにこんな問題をご紹介しました。

 【問題】 ラクダが1頭とn本のバナナがあります。ラクダはバナナを1本食べると1km進むことができます。また、ラクダはバナナを1本だけ運ぶことができます。n本のバナナでラクダはどれだけ遠くまで行くことができるでしょうか?

 改めて、バナナが1本のとき、2本のとき、3本のときについて説明します。

 まず、バナナが1本のときは、ラクダはバナナを食べて1km進みます。

 バナナが2本のとき、ラクダはバナナを食べて(1)、2本目のバナナを背負って1km進み(2)、そこで運んできたバナナを食べて、さらに1km進みます(3)。

 バナナが3本になると、すこしややこしくなります。バナナを背負っていって、途中に置いてくることを考えます。ラクダは1km進めますから、最大で500mの地点まで行ってくることができます。そこにバナナを置いてきたらどうなるか、考えてみましょう。

 3本のバナナA,B,Cがあったとして、ラクダは最初にバナナAを食べ(1)、バナナBを出発点に残してバナナCを背負って歩き始めます(2)。500m(1/2 km)進んだところでバナナCをおろし、出発点まで引き返します。ちょうど1km歩き終わるので、出発点に置いてきたバナナBを食べ、再び進行方向に歩き始めます(4)。500mのところで先ほどおいてきたバナナCを拾って(5)歩き続けます。スタートから1kmとのころでおなかがすくので、背負っているバナナCを食べます。そこからもう1km歩きます(6)。

 あれ、せっかく途中にバナナを置いてきたのに、2本のときと同じ2kmまでしか到達しませんでした。何がいけなかったかというと折り返して戻ってきたとき、出発点でバナナBを食べざるを得なかったのが失敗なのです。以下のようにすればもう少し先まで行かれるのです。

 バナナを1本食べて1本背負って出発するところまでは同じです。違うのは1/2の地点ではなく、1/3の地点で背負ってきたバナナCをおろして引き返すのです。そうすると、出発点に戻ってバナナBを食べるのではなく背負って歩き始められるのです。ちょうどバナナCのある地点まで戻ることができます。この時点で、(おなかがすいた)ラクダが1頭とバナナ2本が1/3の地点に存在していますから、ここからさらに2km進むことができるのです。

 というわけで、バナナが3本ならば、(2+1/3)km 進むことができるのでした。

(つづく)



 先週の出張でホテルに宿泊したのですが、ユニットバスの洗面台のガラスのコップを落として割ってしまったのです。ユニットバスの床面が一段低くなっていたのですが、その段差を意識しないで一歩踏み出したらよろけてしまって、とっさに何かにつかまろうとして手が出て、コップを払い落としてしまったのでした。

 フロントには電話してお詫びをして、お掃除をされる方や次の方が怪我が無いように気を付けてくださいと伝えました。でも、そのメッセージがちゃんと伝わらないといけないと思って、置手紙を残すことにしました。

 誰も怪我をしていないといいなあと思っています。


<おまけのひとこと>
 今日は雨が降っています。出かける用事がなければ雨もいいと思えます。






4月10日(水) ラクダとバナナの問題(その4)

 ラクダとバナナの問題の論文です。



 昨日ご紹介したこの問題、

 【問題】 ラクダが1頭とn本のバナナがあります。ラクダはバナナを1本食べると1km進むことができます。また、ラクダはバナナを1本だけ運ぶことができます。n本のバナナでラクダはどれだけ遠くまで行くことができるでしょうか?

 これは The Camel-Banana Problem(Michiel de Bondt,2024) という論文に載っていたものでした。(すみません、論文では距離の単位は km ではなくマイルでした。)この論文では、できるだけ遠くまで行くための行動戦略を UWC-Strategy と呼び、バナナの本数が偶数の場合、奇数の場合の戦略、および残りが3本以下になった時の戦略が説明され、n本のバナナで到達できる距離を c(n) として、nが1以上のときに成立するちょっと変則的な漸化式が示されています。ただし c(1)=1, c(2)=2 です。

Theorem I. of above paper

 ちなみに UWC というのは “Ultra Wise Camel” (とっても賢いラクダ)の略で、UWC-Strategyは「とっても賢いラクダの戦略」という意味です。

 この式、バナナの本数が偶数の時(c(2n))は、その半分の本数の時の距離c(n)とそれより1本多い時の距離c(n+1)に1を加え、全体を2で割っています。でも、バナナの本数が奇数の時(c(2n+1))は、その前後の本数の距離c(2n+2)とc(2n) の平均になっています。つまり、奇数の時はそれより1つ大きい偶数のときの距離が必要です。

 ExcelのOFFSET関数を使って、バナナが30本までのときの到達距離のグラフを描いてみました。

n本のバナナがあったときの到達距離

 論文の冒頭に、73,083,734本(約7300万本)のバナナがあったらどこまで行けるでしょう? という問いかけがあります。この答えはわずか15km弱(14と、とても桁数の多い真分数)になることが示されています。仮にラクダが1日にバナナを100本消費して100km移動できるとしても、7300万本を消費して7300万km行ったり来たりを繰り返すのに2,000年くらいかかる計算です。それだけかけて実際に進めるのはわずか15km弱です。でもこれは10を底とする対数関数よりは大きな値なのかなあと思います。

 ちなみにこの問題、論文の脚注によると1992-93年にオランダの学生向け数学コンテストの問題の第10番だったようです。arXivにこの論文が投稿されたのが今年(2024年)の2月のようなのですけれども、論文の日付は1996年6月12日となっていて、そのころに著者がこの内容を検討して公表されていたようです。

 今回、この論文を見て「ラクダとバナナの問題」というのは聞いたことがなかったなと思って調べてみたら、見つかったのがCamel and Banana Puzzleというサイトに出ていた問題でした。これがこの話題の初回にご紹介した「一度に1,000本運べて、出発点には3,000本あって、目的地は1,000km先」という条件の問題で、同一の条件の問題に関するページがいくつもありました。

 こういう面白い問題が好きで、長年慣れ親しんできたつもりなのですけれども、知らない面白い問題がまだまだあるというのはとても嬉しいことです。


<おまけのひとこと>
 新年度になって、いろいろ仕事が増えました。仕事が減るより増えるほうが望ましいことだと思います。






4月11日(木) 合同な鋭角三角形4枚を側面とする菱形錐

 等面多面体の話に戻ります。



 3辺の長さが異なる鋭角三角形で等面多面体を作る話に戻ります。1つの角が直角に近い三角形がいいなと思って、こんな三角形を適当に選んでみました。

 まず、同じ内角を持つ頂点を4つ集めた四角錐の側面を作ってみることにしました。展開図です。

 接着は1か所だけなのでとても簡単です。鏡の効果を期待して、タブレットの上に載せて写真を撮ってみました。等面八面体に見えるでしょうか。

 机の上に置いて、見下ろしてみました。

 直角に近い内角を4つ集めると、とても背が低い平べったい四角錐になります。この3種類の四角錐(菱形錐)の側面がすべて同じ三角形である、というのはちょっと面白いと思うのです。

(つづく)



 妻と入れ違いで鉄道を利用して外出する用事ができたのです。私がまず駅まで行って列車に乗り、私が駅に戻る前に妻が駅まで行って列車に乗り、その後私が駅に戻って帰宅し、最後に妻が駅に戻って帰宅します。駅までは車で行きます。それぞれ自分の車で行くと、車を2台、駅の駐車場に停める必要があります。でも、最初に私が駅に行くときには妻に送ってもらって、妻が出かけるときに車を駅の駐車場に停め、私が駅に戻った時にその車で自宅に戻り、最後に妻が駅に帰ってきたときに私が車で迎えに行けば、車を駅の駐車場に停めるのは1台だけで、しかもその時間も短くできます。

 この段取りを妻に提案したら、「ラクダとバナナの問題みたいだね」と言われました。我が家ではこれを「ラクダ方式」と呼ぶことにしました。ポイントは、先に出かける私が、妻の車のキーを忘れずに持ってゆくことです。忘れると最寄駅から自宅まで5km以上、標高差150m以上を1時間かけて歩くことになります。さすがにそれは避けたいです。(最近はタクシーもなかなか駅に居てくれないのです。)


<おまけのひとこと>
 今、朝の5時半です。この時間で外はすっかり明るいです。また春になったなあと思います。






4月12日(金) 合同な鋭角三角形6枚を側面とする等辺六角錐

 昨日のつづきです。(といいつつ、4/11(木)に先行して2日分まとめての更新です。)



 昨日と同じ鋭角三角形を使って、

 今度は同じ内角を持つ頂点を6つ集めた六角錐の側面を作ってみることにしました。

 一番大きな角は6つ集めると360°を越えてしまうため、凸の頂点になりません。なので今度は2種類です。

 これも、双六角錐(=等面十二面体)に見えることを期待してタブレットの上にのせてみました。ちょっとわかりにくいですね。

 見下ろしてみました。90°に近い内角があるため、三角錐っぽく見えます。

 底面を張っていないので、かたちを様々に変形することができます。こんな単純なかたちでも、自分の手でいじってみていろいろな見え方を確かめるというのは楽しい作業です。

(つづく)



 数学セミナー2024年5月号、発売日です。今回の特集も楽しそうです。

 次号(2024年6月号)は曜日の関係で5月11日(土)発売予定だそうですが、五月連休がある影響なのでしょうか、原稿の確認作業が先月よりもだいぶ早めに進められています。連載「あやとりの楽しみ」の第3回の内容について、すでに4往復くらいメールのやりとりをさせていただいています。私が欲張って内容を詰め込みすぎて、レイアウトをして下さるデザイナーの方に大変なご苦労をお掛けしてしまっていて申し訳なく思っています。編集長の飯野さんも、手順を紹介したあやとりをすべて取ってみて下さって、「ここがわかりにくかった」「ここの説明を補足したほうが良いのでは?」等の提案を下さってたいへん感謝しています。

 そういったやり取りの中で、「あやとりの楽しみ」第4回は当初予定していた(原稿も作成し終わっていた)内容を差し替える(準備していた原稿は先送りして別の内容をはさむ)ことにしました。今、構想を練っています。

 「あやとりの楽しみ」第1回は、補足ページを作るような内容ではありませんでしたが、第2回(本日発売です)以降は、記事の内容を補足するようなことを公開してゆこうかなと考えています。


<おまけのひとこと>
 業界団体で公開するガイドラインの文書の作成が大詰めで、その原稿を夜中に書いています。これも楽しい作業です。






4月13日(土) 「あやとりの楽しみ」第2回

 「数学セミナー」の話です。入手するのが遅くなってしまって、このサイトの13日(土)の更新も結局14日(日)になってしまいました。午前中に用事があるので、14日(日)の分は14日午後に更新します。



 数学セミナー2024年5月号を入手して楽しく読んでいます。連載をさせていただいている「あやとりの楽しみ」第2回は、あやとりが「同じ」とは? というサブタイトルで、糸の交差の上下についての話にしました。そこでご紹介しようと思って用意した写真が、紙面ではわかりにくいだろうという判断で掲載を見送りました。せっかくなのでご紹介しておきます。

 「ふたりあやとり」でも出てくる、対角線に二本ずつの糸がかかる「田んぼ」などと呼ばれるかたちがあります。中央に糸の交差が4つあって、菱形のかたちができます。4本の糸それぞれが2回ずつほかの糸と交差しています。どの糸に注目しても、2つの交差の片方が上、もう片方が下になるようにしたいのです。(結び目理論で言う「交代結び目」のように、です。)

 それが可能であることを示しているのが下の写真です。

 交差の上下がわかりやすくなるように、斜めから撮った写真も用意しました。

 あやとりの手法でなくても良いので、1本の輪を机の上で変形して、上記のかたちを作ってみてください。意外とむつかしいのではないかと思います。



 数学セミナー5月号の編集後記に編集長の飯野さんがあやとりについて書いて下さっているのです。わずか300字弱くらいの文章なのですが、それがとてもすてきな内容なのです。あやとりに興味がある方はそこだけでもぜひお読みいただけたらと思います。


<おまけのひとこと>
 「数学セミナー」、郵便で送っていただいているのですが、土日は配達は無いため、おそらく届くのは15日(月)なのだろうと思います。これから労働人口が減って行く時代、ものが届くのに数日かかるというのは自然なことであり、即日配達というのがコストがかかるという認識を持つようにしたいと思っています。






4月14日(日) 御書印帖

 14日(日)の午後の更新です。



 先日、御書印プロジェクトというのを知って、ちょっと興味を持っていたのです。昨日、「数学セミナー」の定期購読をお願いしている今井書店さんに行ったとき、御書印プロジェクトの話を伺ったところ、御書印集めを始めるときに必要な御書印帖は最初に御書印をお願いするときにもらえるということだったので、御書印帖をいただいて最初のページに押してもらいました。

 X(旧twitter)の今井書店さんのトップにある画像と同じデザインでした。絵本作家きくちちきさんの「まつげちゃん」というキャラクターだそうです。

 ちなみに御書印帖の表紙はこんなデザインです。

 表紙の上下に同じヒエログリフが描かれています。これ、何と書いてあるんだろう? と思って、ヒエログリフについて検索してみました。九州国立博物館 おうち de きゅーはくというページに「古代エジプトの文字 ヒエログリフで秘密の手紙を書こう!」という pdf が公開されています。それを使って調べてみました。

 最初(左端)の人物像はアルファベット表にありません。そのあとは L O F E B O O K かなあと思いました。最後は book ですねきっと。でも lofe がわかりません。調べてみると、和楽というサイトの書店と人の思わぬ出会いにワクワク!全国46店参加の「御書印プロジェクト」って何だ?という記事の中に、このヒエログリフは “I Love Book” と書かれているのだという説明がありました。なるほど。

 また、表紙の中央の GO-SHO-IN というロゴ、これはスカラベなのだということもわかりました。

 私は熱心なコレクターではありませんが、どこかに出かけたときに本屋さんに寄って、御書印をいただくのは楽しそうだなと思いました。出張の時のカバンはいつも荷物でパンパンになってしまうので、御書印帖を傷めないで持ち歩くのはちょっとむつかしいかなと思っています。


<おまけのひとこと>
 今井書店の店長さんの田舎の本屋開けてますという note の記事に共感しました。行きつけの街の本屋さんで御書印帖を始められたのは良かったなあと思っています。






4月15日(月) 円石藻:正十二面体の構造を取る藻類

 自然界の正多面体の話です。



 窒素を固定する細胞小器官「ニトロプラスト」が発見される、生物学の教科書が書き換えられる新発見という Gigazine の記事を興味深く読んだのです。窒素というのは地球の大気の約80%を占める気体で、いわゆる不活性ガスで反応性は非常に低いです。気体N2の状態では大部分の生物にとって利用することができません。でも、私たちの体を作っている非常に重要な部品であるタンパク質を構成するアミノ酸にはアミノ基(-NH2)があって、窒素原子は生物にとってなくてはならない重要な元素なのです。空中の窒素を利用できない私たちのような生物は、すでにアミノ基などの分子になった物質を摂取することで窒素を得ています。

 地球の生態系全体でみると、ごく一部の生物が空中の窒素を反応性が高い物質に変換する能力を持っています。これを「窒素固定」と言います。マメ科の植物の根にできる根粒(こんりゅう)に共生する根粒菌という細菌が「窒素固定細菌」として有名です。高校の生物で習います。今考えると、高校の生物では非常に面白いことをたくさん習いました。当時は物理や化学のほうが面白いと思っていましたが、生物学もとても面白いです。

 地球の生態系において、窒素固定ができる生物は大変重要です。この能力を持つ生物が何かの理由でいなくなってしまったら、大部分の生命は維持できなくなってしまうでしょう。冒頭の記事では、従来知られていなかった新たな窒素固定の能力を持つ生物が見つかり、しかもそれが共生から進化した細胞内小器官だったというのが驚くべき発見なのです。

 今回、この記事を話題にしようと思ったのは、この研究の決め手となった藻類の培養に成功されたという萩野恭子氏(採集の様子などがこちらの鳥取県中部地域の円石藻というサイトで公開されています)の地道な研究に感動したのと、何よりもこの藻類の画像に衝撃を受けたためなのです。

 こちらの Braarudosphaera というサイトに画像がありました。

 見事な正十二面体です。サイズは10umくらい、もちろん肉眼では見えません。

 組みあがる途中の画像もありました。まるで多面体ブロックを組み立てている途中のようです。

 藻類の中には正多面体の構造を取るものがある、というのは以前から知っていたのですが、こんなに美しい写真を見たのは初めてな気がします。感動しました。いったいなぜこのような形状を取るように進化したのか、不思議です。



 昨日の午前中に散髪に行ったのですが、そのとき「運動公園の桜がちょうど見ごろだ」という話声が耳に入ったのです。昨日の午後、ちょっと見に行ってきました。

 汗ばむくらいの陽気でした。30分ほどゆっくり散歩してきました。5〜6人くらいの中国人とおぼしきグループが盛んにスマートフォンで自撮りをしたりしていました。こんな人口数万人の地方都市にまでこんな人たちがいるということに驚きました。


<おまけのひとこと>
 急に暑くなりましたが、まだ油断はできません。きっと遅霜とかまだあるかもしれないですし。






[←2024年3月後半]  [↑表紙へ]  [2024年4月後半→]

[Home]-[以前のひとこと]-[2024年4月前半]
mailto:hhase@po10.lcv.ne.jp
2001-2024 hhase