インターネットを見ていて、第5回「国際陶磁器展美濃98」(3年毎)を多治見で開催していることを知って妻と二人車で出かけた。(1998.10.30)

 美濃は岐阜県多治見市、土岐市、瑞浪市、可児市、笠原町などをいい、日本の食器の実に50%以上を生産している。

 美濃焼と聞くと緑の織部と、白い志野が思い浮かぶ。
自由で斬新なデザインの織部は、青織部、鳴海織部、総織部、黒織部、赤織部などがあり、千利休の弟子で茶人古田織部から来ていると言われている。

柔らかな白に火色が浮き出る志野には、鼠志野、紅志野、絵志野、赤志野などがある。人間国宝の荒川豊蔵が、志野は瀬戸ではなく美濃で焼かれていたことを示す陶片を発見した。豊蔵資料館は可児市大萱の山中にあり、豊蔵の様々な作品と発掘した桃山時代の陶片が展示してある。前回は観光バスで来たので、豊蔵資料館に続く細い山道で両側の木がバスに擦れていた。

 朝7時出発、中央道を岡谷ICから約2時間で多治見IC。会場の多治見市総合体育館へはICから土岐川を渡り、市之倉方面に向かう。

 会場の多治見市総合体育館には駐車出来ず、近くの山にある駐車場に案内され、そこから無料送迎バスで会場へ行く。

 「土と炎の国際交流」がテーマの広い会場に、世界52カ国から211点が展示されている。見慣れている国内の陶芸展とは明らかに違う作品。白い磁器の皿が多く、デザインが新鮮である。ランプなど光を使った作品もある。私の好きな厚い土ものはあまり見られなかったが、一見の価値有り。

 ゆっくりと見たので、会場を出ると正午をすぎていた。会場の周りで岐阜県物産展をしている。陶磁器はもちろん、食品や食事が出来る店も出ている。陶磁器の店を見て回る。日用陶器がかなり安い。土ものはないが、色と形の参考に数点買う。

 「安土・桃山陶磁の里」に向かう。ここは、「岐阜県陶磁器資料館」と作陶の出来る陶磁の里がある。美濃焼千年の流れとして、古代から現代までの美濃焼が見られる。特に、伝統から発展した現代作家の個性に注目。ショップで織部、志野の作家ものの茶碗を見る。備前・信楽と比較してかなり安く感じる。

 「セラトピア土岐」に向かう。焼き物の里によくある伝統産業会館か。一階にお店が入っているので見てまわり、伝統的な青織部の茶器セットを買う。

土岐ICから帰路に就き約2時間で帰宅。





第6回国際陶磁器展美濃」を見るため多治見へ行く (2002.10)
朝7時出発、中央道を岡谷ICから約2時間で土岐IC。
会場の「セラミックパークMINO」は、土岐ICから国道19号を多治見方面へ向かい、東町交差点を左折した山間部にある。
駒ヶ岳SA、紅葉は少し早い セラミックパークMINO駐車場 谷間に架けられた橋を渡りトンネルへ トンネル内部のウインドー

セラミックパークMINO

平成14年10月12日にオープンした「セラミックパークMINO」は、岐阜県現代陶芸美術館」「オリベスクエア」からなる。

駐車場から谷間に架けられた長い橋とトンネルを通って、「セラミックパークMINO」の屋上に出る。屋上からはエスカレーターで建物に入る。
  1階は
オリベスクエア
  2階は岐阜県現代陶芸美術館
  屋上は展望台、水に囲まれた茶室、作陶館など。

※会場内は撮影できないので写真はありません
屋上の入口にある看板 屋上の岐阜物産展 屋上から見た美術館 1階を見下ろす

 1階 オリベスクエア

「第6回国際陶磁器展美濃」は3年に1度開催される。今回は世界71カ国から4,155点の応募があり、223点(5%)が展示されている。「土と炎の国際交流」がテーマの広い会場。
陶磁器デザイン部門は白い磁器の皿類が多い。極薄い作品や、同一の小物を何百と並べた作品などがある。
陶器部門は何トンも有ろうかという巨大な作品や、ランプなど光を使った作品もある。
見慣れている国内の陶芸展とは違い、本当に小さな作品から大きなものまで多彩である。
見学中の小中学生を避けながら見たので1時間30分くらい掛かる。
図録

 2階 岐阜県現代陶芸美術館

開館記念展として、近現代の個人作家の陶芸作品を照会する「現代陶芸の100年展 第一部 日本陶芸の展開」を開催している。
 美術本で見た、美術館や個人蔵の有名作品が延々と続く。本では大小が分からないが、本物を見ると素晴らしさがよく分かる。
ミュージアムショップに昨年度開催された「大信楽展」の図録があったので購入する。
ここも1時間くらいでゆっくりと見る。
岐阜県現代陶芸美術館入口 ショップ付近 屋上から滝 図録

 屋上
 屋上で岐阜県物産展をしている。食品や食事が出来る店も出ている。お茶と韓国の食材を購入。
 駐車場に戻ると秋晴れになっていた。

美濃焼伝統産業会館

時間が余ったので「荒川豊蔵記念館」を訪ねたが見学は土日月のみとのことで見られず、引き返し「美濃焼伝統産業会館」を見る。
作家の展示室は1室だけで、後は販売コーナーである。
私の作った粉引の汲み出しとそっくりの作品がある。
織部、志野、黄瀬戸がほとんどで焼き締めは見あたらなかった。
入口 ロビーの陶器製テーブル 陶芸村の陶器製窯元図 黄瀬戸・織部の灰皿

美濃陶磁歴史館

ナビに出ない細い道に文化センターがあり、その奥にある小さな古い建物。
見学者は我々の他に誰もいない。
荒川豊蔵(故人・人間国宝)の作品と、発掘された桃山時代の陶片が展示されていた。
織部・黄瀬戸・志野の陶片を見ると、現在制作している作品は、何百年も昔の作品をコピーしていることがよく分かる。黄瀬戸にしても昔の作品にどれだけ似せるかを競っていて新しいモノではない。
時代を象徴する織部のようなものが現代には生まれていないのでは。
   
入口 パンフレット

土岐ICから帰路に就き2時間で帰宅。