お茶会 (2006年2月26日)
今回の茶花は「アイリス」「ネコヤナギ」 茶花には花型はありません。 朝に咲き、夕べに自然にしぼむ真の姿を直視して、うつろいやすい花の哀れを想い、はかない人生観に徹するのが、自然のままに活ける率直な表現です。
掛け物は
「山色為古今」 「万古清風」 
前夜から大荒れの天気で今日は暴風雨ですが、お茶席は和気会々で楽しめました。

蹲踞(つくばい)の心得
つくばいは、手水鉢のことです。
まず、しゃがみ、右手で つくばいの柄杓を取り、水をすくって左手をすすぎ、 次に柄杓を左手に渡して、右手をすすぎます。
いま一度すくい、左手に水を受けて、口をすすぎます。 (柄杓に口をつけない)
残った水を、静かに柄杓の柄を立てながら流して、柄杓の柄を清めます。 柄杓を元通りに直し、懐中のハンカチでぬぐいます。

懐石の準備 御抹茶の準備 懐石の準備
掛け物
   主菓子と黒文字    

利休七則を勉強しました。
七、相客に心せよ
  「相客」とは同席した客を指し、「心せよ」とは気を配りなさいということです。これは読んで字の如く、同じ場所に居合わせたら、お互いに気遣い、思いやる心を持つように、と説いているのです。これこそが、茶の湯の真髄と言える言葉でしょう。これはまた、「一期一会」の精神が根底にあるからとも言えます。本来は、「一生に一度しか会う機会が無いような、不思議な縁」という意味で、「だから出逢いを大切にするように」と説かれるわけですが、解釈としてはもう一歩進めて、常なる存在にも適用されます。つまり、「見馴れた物にも新鮮な気持ちで、親しい関係にも等閑な態度をとらずに、その縁を大事にする」ということです。初めて会った人を気遣うことは日常においても当たり前、むしろそうではない人にも同じように気を配るのが真の意味でしょう。茶席に上がれば、日ごろ冗談を言い合う友人も、毎日顔を会わせている妻や夫も、皆相客です。「親しさ」「睦まじさ」と「馴れ」の違いを、非日常のこの空間は教えてくれるでしょう。

第19回(2月22日)
今回の茶花は「菜の花」「桃」 いよいよ春近しですね。3月には菜の花を見に千葉へ行きます。
掛け物は
「春千木諸処の花」 字は難しくて読めませんでしたので違っているかも知れません。春花が咲き出した情景を謳っていると思います。
 

おじぎの仕方
おじぎをする時に注意する事は、座った姿勢を正しくすること、相手を敬う心を忘れない事です。
おじぎの仕方には、真(しん)行(ぎょう)草(そう)があります。
「真」は、主客の総礼、客がお茶をいただく時にします。
まず、膝上の両手を膝前から指先から静かにおろして相手を見て、背筋を伸ばしたままで自然に上体を前に曲げ、 手が全部畳について、胸と膝との間が、こぶし一つあく位に下げるが、頭だけがさがることのないよう、手の指はきれいにそろえておきます。
おじぎをする時大切なのは、さげる時より、あげる時です。
静かにさげた後、急にあげたりせずに、 静かに元に戻します。
「行」は、相客の軽い挨拶にします。
指先から静かに下ろして、指の第二関節までが畳につくようにします。
「草」は、会釈とも言いますが、指先が畳につくほどで上体を少しななめに向けるくらいです。

第18回(2月8日)
今回の茶花は「さんしゅう」 山茱萸 ミズキ科 和名・ハルコガネバナ   別名アキサンゴ
葉が萌芽する前の早春に小さな黄色花が塊状に多数咲きます。枝に黄色い小花をいっぱいつけた姿は、明るくまぶしいほど。春の訪れを告げる花木のひとつです。「はるこがねばな」という別名は、文字通り春に金色のような花を咲かせるから。朝鮮半島・中国原産で、江戸時代に渡来した薬用植物です。名前は中国名「山茱萸」の音読みです。そして、秋にはグミのような楕円形の果実が熟して鮮紅色になります。味はやや渋みと酸味があります。

今日からお濃茶が始まりました。
利休居士の時代から濃茶が、又濃茶道具がもっとも 重要視されてきました。
お濃茶はその名の通り、どろりとした、濃いいお茶です。
お湯とお茶とを練るということが主眼で、薄茶のように ただ泡を立てればよいというものではなく、 茶の分量、湯加減、練り加減の三つが肝要なのです。
大寄せのお茶会では一碗で、4〜6人で、まわし飲みいたします。
正客が茶碗を左横におく。全員が総礼をする。次の方に「お先に」と云っておく。
亭主の方が「何人さん」でとおしゃるので、残らないように足らないように三口で、 加減しながら、いただく。
手の上にのせて、2回手前に回していただきます。
飲んだ後は、畳の上において、飲んだ所を濡れ懐紙か、懐紙を揉んで柔らかくして2〜3回拭いて、綺麗にします。 手の上にのせて2回向こうに回して、 茶碗を上の方を右手で、下の方を左手で持って 次の方に手渡します。 次の方は右手が茶碗の右側、左手が茶碗の左側を持ちます。
手渡した後、お互いにお辞儀をします。


第17回(1月26日)
1回風邪で休みました。
今回の茶花は
「椿」 
何もかも古き茶室に一輪の生まれたてなる白玉椿      俵万智

立ち方
まず、両手を膝から軽くあてたまま、両足を同時に爪立て、かがとの上に腰をそっとのせます。
この時腰から上の姿勢は、くずさないようにし、 両足のかがとをきちんと揃えます。
もしかがとが開いていると、後ろから裾の乱れが見え、見にくい姿になりますので、くれぐれも注意して下さい。
立ち上がるとき、下座の方の膝を立てるのが原則ですから、 右膝を少し立て、そして両手は立ちあがるにつれて両脇へ おろし、まっすぐに立ちあがります。
この時右足が、左足より半歩ほど前にあります。
また、男性の場合、両脇へおろした手は、軽く握ります。


第16回(12月21日)
今回の茶花は「椿」 冬は椿しかない・・・・・。

座り方
正座をする時、男性は握りこぶし2ヶ分膝を開けて、女性は1ヶ位開けて座り、足の親指を重ねて座ると、背筋も伸びて楽に座れます。
私は毎回しびれが切れます。
そんな時は、お尻を右の方へ左の方へと移動させたり 少し浮かしぎみにしたりします。
しびれが切れて立てない時は、手で足を揉んだり、 足の親指をそり返したりして元に戻ってから 立ちます。
時間がかかるようなら、足がしびれましたと素直に言い、待ってもらいます。
できないことをできる振りして、ひっくり返るよりは始めにお断りしておくと、相手にもその気持ちは、わかり、 誰もとがめるものはいません。
しびれは誰にでも起こることなのです。

第15回(12月7日)
今回の茶花は「水仙」 彼岸花(ひがんばな)科。 学名 Narcissus
ギリシア神話で,美少年ナルシッサスが水面に映る我が姿に見とれ,そのまま花になってしまったのが水仙だということです。また,自分の美貌に酔いしれる人をナルシストと呼ぶのもここから来ているわけです。園芸品種も多いのですが,日本に古来からある水仙はとてもよい香りがします。


お抹茶のいただき方  
自分の正面に置かれた茶碗を、畳へりうち、先客(右側)との間に置いて「お相伴いたします。」
次に次客(左)側に置いて「お先に」
真ん中に置いて「お手前頂戴いたします。」と挨拶してから、お茶をいただきます。
お茶碗は自分に正面が向くように置いてありますから、右手で取って、左手の平において、感謝の気持ちを込めて、おしいただき、2回手前の方に回して(正面を避けるため)いただきます。
何口で召し上がって頂いてもいいです。
最後は、お茶をスーという音を立てて、吸い切ります。
その場所を右手親指と人差指で、左から右へ拭き、懐紙で指を清めます。
2回向こうに回して正面が自分に向くように下へ置きます。
それから、お茶碗を拝見します。
お茶碗を畳へり外に置いて、全体を見てから、手にとって拝見します。
肘は膝につけて決して高く持ち上げない事。拝見が終われば2回手前に回して、(正面が相手の方に向くように)畳外へ返して置きます。

利休七則を勉強しました。
六、降らずとも傘の用意
 どんなときにも落ち着いて、臨機応変の処置が出来る心の準備と、実際の用意を常に怠らない。
  いわば柔らかい心というか、自由で素直な心を持つことが大切と教えています。

第14回(11月16日)
今回の茶花は「アイリス」 別名「虹の花」とも呼ばれ、日本では、ハナショウブやカキツバタなどが昔から広く鑑賞されてきましたが、実はみんなジャーマンアイリスと同じアヤメ科の仲間です。先生は「今が一年中で一番花の無いときです」と苦労している様子でした。

お茶会でのお菓子の頂き方
御菓子を頂いてから、お抹茶を頂きます。
お菓子は主菓子とお干菓子が出されます。
次客に「お先に」の挨拶をします。
お菓子鉢を、両手で持って、感謝の意味を込めて軽く頭を下げてから、 自分の前に置きます。
自分の懐紙を膝前に置きます。懐紙は、男性は大きめのもの女性は小さめのものを使用します。
菓子鉢を自分の前に置いて、右手で上から箸を取り、左手で受けて、右手で箸を持って、お菓子を取り、懐紙の上に置きます。お箸の汚れは懐紙の端で拭き、元に戻します。
菓子鉢を次客の方へ置きます。
次に、干菓子盆を、同じようにして、自分の前に置きます。干菓子は二種類あるときは、遠い方から手で、とります。
指の汚れは懐紙の端で清めから、次客の前に置きます。
懐紙を左手で持って、お菓子を楊枝で一口大に切って、頂きます。
干菓子は手で頂きます。

掛物  「開門落葉多」 かいもん おちばおうし
       門から露地にはいると落ち葉を敷き詰めてある情景。

利休七則を勉強しました。
 
五、刻限は早めに
   
約束の時間を守る。早めに出向くということはもちろんですが、自分の心にゆとりをもつことが大切です。
   ゆとりとは、時間を尊重することです。
   これは同時に相手の時間を大切にすることに通じるのです。

第13回(11月2日)
今月から炉になりました。

今回は、初めての「茶事」です。
本来、茶の湯とは「茶事」をすることをいいます。茶事では懐石料理をいただき、お酒も出ます。
待合で汲み出しをいただきます。葛湯に生姜が入っていました。
床の拝見。「和顔愛語」
茶花は「侘助」
「侘助」(ワビスケ)は椿と茶の木の雑種の園芸種です。椿と違うところは花がラッパ状に咲き8分程度しか開かずに、椿のようにポトッと花が散ってしまいます。ワビスケは昔から千利休などの茶人が愛した花、侘び、寂びの奥ゆかしさの世界です。
     職退きて 庭の侘助あるを知る

折敷(膳)に飯椀と汁碗と向付。お酒(燗鍋)も出て、小吸物椀(梅の実が入っていました)が出ます。
懐石の後は、普段の稽古と同じ、主菓子からお茶をいただきます。
緊張の中にも温かい雰囲気で楽しい会でした。

一期一会 (いちごいちえ)  
「人生は無常かつ老少不定であり、今日の一日は絶対二度とないことを肝に銘じ、 今日の茶会は生涯にただ一回限りの茶会であると心得て、主客と共に誠心誠意を もって真剣にその会に対処すべき」 茶道大辞典より
このような言葉を聞くと、何事においても心してかからねばいけないと思う。

利休七則を勉強しました。
 
四、夏は涼しく冬暖かに
   
相手を思いやり、もてなす心を表現しています。
    四季の移ろいに応じて日本人は昔から様々な工夫をしてきました。
    四季を愛し、自然と共に生活する姿勢は、風流という美意識につながります。

第12回(10月19日)
今回の茶花は「山茶花」
山茶花」(さざんか) 「山の茶の花」という名前よりははるかに豪華な花です。特に冬の色気のない景色の中で赤や白の山茶花の花は目立ちます。ところで、山茶花と椿は似ていますけど、どこが違うと思いますか?椿の花は落ちるときにボテッと全部一緒に落ちてしまいますが、山茶花は花びらが一枚いちまいばらばらに散ります。昔の俳優に「山茶花究」という人がいましたが、この命名の由来は「3 × 3 = 9」だったそうです。
 
 工房の山茶花(朝倉)が咲きました  紫式部

今年は春に「黒椿」を、秋には「西王母」を植えました。「黒椿」のつぼみが大きくなりました。春が楽しみです。

「黒椿」は暗紅色の花色から命名されたヤブツバキ系の江戸椿。小さめの、可愛らしい花を咲かせます
「西王母」とは中国の最高位の仙女の名前だそうです。漢の武帝に、不老長寿の仙桃(桃の実)を与えたと言われています。西王母はふくよかで品のあるやさしい花色が女神をイメージさせる人気の茶花椿です。

ツバキは仲秋の「西王母」に始まり、惜春の「黒椿」で終わるといわれます。じつに半年にもおよぶ花期の長さと、2千種という花種の豊富さから、茶花として、日本人の心の花として愛されています。

茶席での道具拝見
自分が頂いたお茶碗は、お茶が残っているようでしたら懐紙で拭きとって拝見します。
お茶碗を畳のへり外、自分の前に置いて、全体を眺めてから手にとって拝見します。
決して高い位置から見ないこと。
拝見が終わると、二回廻して、正面が相手になるようにして返します。
亭主が用意したお茶碗を拝見するのは、亭主が用意してくださったことへの感謝の気持ちの表現でもあります。
先客より回された道具は、次客に「お先に」と言ってから自分の前に置きます。
茶席では、菓子鉢、干菓子盆、主茶碗、替え茶碗(二個)薄器 茶杓などが拝見に回されます。

第11回(10月5日)
今回の茶花は「秋の麒麟草」「鳥兜」「竜胆」
秋の麒麟草」(あきのきりんそう) 日当たりの良い山野に自生している多年草。
名前は秋に咲くキリンソウという意味で、花の美しさをベンケイソウ科のキリンソウに例えたものである。
キリンソウのほうは6月ごろに黄色の花をたくさんつけ、漢字で書くと麒麟」ではなく「黄輪」で、「黄輪」である。
このアキノキリンソウはキク科の植物。漢名は一枝黄花という。なかなかの佳名である。

鳥兜」(とりかぶと)きんぽうげ科とりかぶと属 すこし高地の林の縁や草原に生える
花茎は細長く伸び葉脇に兜状の集団花を列状に咲かせる
猛毒を持っているせいか繁殖力は弱い
鮮明な紫色が特異な個性を象徴している
猛毒植物なのでふれないようにする
近寄ると危険性あり  爬虫類や蝶でも赤や黄は要注意
人にもいえますが鳥兜の様な危険な人っていますね。周りの人をだめにする人。
まあ、そういう人には近づかないことです。

正面
器物には正面があります。
お盆は「丸前角向こう」で、丸盆でつなぎ目があれば正面、角盆でつなぎ目のない方が正面。

第10回(9月28日)
今回の茶花は藤袴「秋明菊」
藤袴」(ふじばかま)花の色が藤(ふじ)色で、花弁の形が 袴(はかま)のようであることから この名前に。全体に桜餅のような香りがする。可憐で、どことなく寂しげな花姿が日本人に愛されてきた。淡紫の風情のある花で、源氏物語にも藤袴の巻きなどあり、古来より愛されてきた。
秋の七草のひとつ。
「秋明菊」しゅうめいぎく)キンポウゲ科の多年草。別名:キセンギク(貴船菊),キブネギク(貴船菊) 白く見えるのは花ではなく、萼です。葉は根本に大きいのがあり,花をつける茎には小さな葉しかありません 秋風にゆれる姿は優美で趣がある。花はピンクや白の一重咲きが多く、清楚な美しさが魅力です。    (工房に咲く秋明菊)

掛物  「本来無一物」 ほんらい‐むいちもつ
〔仏〕本来空(くう)であるから一物として執着すべきものはなく、一切のものから自由自在になった心境。 (広辞苑 第五版)
〔仏〕万物は実体ではなく、空にすぎないのだから、執着すべき対象は何一つないということ。〔禅宗で用いる語〕 (大辞林 第二版)

利休七則を勉強しました。
 
三、花は野にあるように
   この言葉に茶道が理想とする全てがあります。
   茶花は流儀花でなく、天・地・人等の規則や、約束、制限は有りません。
   (色調が華美過ぎるとか、香りが強すぎるものは避けられますが)
   茶花の美しさの基準は、「侘び」「寂び」という茶道独特の美の観念から計られます。
   利休居士が最も好んで使った花は椿でした。茶花では、あの楚々とした清らかな美しさが特に好まれます。

第9回(9月14日)
【茶道】を国語辞典ではちゃどう」が正式で「さどう」ではない。
茶の湯によって精神を修養し礼法を究める道。千利休(せんのりきゆう)が大成、侘茶(わびちや)として広まった。利休後は表千家・裏千家・武者小路千家の三千家に分かれ、ほかに多くの分派がある。現在では、ふつう「さどう」という。
・・・(「さどう」が一般的になっているのは響きがきれいで、上品に聞こえるからだろうか)
国語辞典から「茶道具」(ちゃどうぐ)
茶事を行ううえで必要な道具。装飾用具(掛け物・花入れなど)・点茶用具(茶入れ・茶碗・茶杓など)・懐石用具(折敷(おしき)・四つ碗など)・水屋用具(水桶(みずおけ)など)・待合用具(円座など)の五つに大別される。
国語辞典から「茶坊主」(ちゃぼうず)

権力者におもねる者をののしっていう語。茶坊主が が権力者の威を借りて威張る者が多かったところからいう。
・・・現代の茶坊主は茶を入れませんが、しっかりと生き残っています。

今回の茶花は「三時草」と「風船蔓」。
「三時草」(さんじそう)スベリヒユ科(別名三時花、爆蘭(ハゼラン)、三時の乙女、三時の貴公子)の花は、文字通り3時頃に咲きます。
「風船蔓」(フウセンカズラ)(ムクロジ科)は紙風船のよう実をつけ、中に白黒巴模様の丸い種子が入っています。

利休七則を勉強しました。
 
二、炭は湯の沸くように置き
   炭の扱い方は炭点前といい、湯が沸くように火をおこすのは難しいのです。
   釜の湯には湯相といって湯の姿があります。
   湯の沸き立つ音を「松風」といい、シュンシュンというとき75度でお茶を点てるのによい湯相です。
   松風の音は90度でボコボコボコとなり、100度でプップッと聞こえます。

第8回(8月24日)
今回の茶花は「ウド」と「ひまわり」。
ウド (ウコギ科タラノキ属) ウドは背が高く太い茎を持っていますがやわらかく役に立たないことから、大きいだけで役に立たない者を「ウドの大木」といいます。我が家では春の山菜の季節には、新潟の親戚の山で自動車に一杯採ってきます。
ひまわり
 はすぐに同名の映画を思い出します。
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ 音楽:ヘンリー・マンシーニ 出演:マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン
第2次大戦下のイタリアで結婚して12日目、夫はロシア戦線送りとなる。やがて戦争は終わるが夫は帰らない。
彼は雪の中で倒れ、助けてくれたロシア人と結婚してその地で静かに暮らす。
彼の生存を信じる彼女は一人でロシアに向かう。そして、
どこまでも続くひまわりの花。ここはかって戦場だった。
(こんなに広いひまわり畑を見たのは初めてでした。)
夥しい白樺の十字架が丘陵に見渡す限り連なっている。
スヴェトロフの詩が戦没者の碑となっている。
『ナポリの子よ、何が君をロシアの野に呼んだ・・・故郷の海に飽きたのか、異国の丘に想うはベスビオの山・・・』
だが、彼女の探索行には意外な結末が待っていた・・・。
夫は約束の毛皮を持ってイタリアへ会いに来る。でも、今更どうにもならない。
ミラノ駅で列車で去るアントニオを万感の想いで見送るジョヴァンニ。この駅から出征する夫を見送ったのが運命の分かれ道となったのである。もう再び会うことはないであろう。遠ざかる列車の姿が溢れる涙で霞んでいった。
マストロヤンニの悲しい目と、ソフィア・ローレンの強く美しく、しかし悲しみに曇った瞳。
そしてまたどこまでも続くひまわり畑。
繰り返し流れるヘンリー・マンシーニのテーマ曲は、心に染み込んでくるような美しさだ。



米国の大学で日本文化を教えている郡司紀美子さんの話。
学生に作法を教え、点前を一通り見せたあとで感想を聞くと「
『お先に』が気に入った」という答えが良く返ってくる。お茶をいただく前に隣の客を気遣い、軽く会釈するというしぐさが、とても気持ちがいいと言うのである。難しい講釈などはいらない。茶道で学生たちの人生が少しでも豊になり、心を癒す場になればと強く願っている。

第7回(8月10日)
今回の茶花は「秋海棠」と「斑入りススキ」。
秋海棠(しゅうかいどう)。シュウカイドウ科ベゴニア属の球根性多年草。中国原産。中国名が「秋海棠」で、その音読みが 「しゅうかいどう」。晩夏から秋にかけて咲く。 いかにも「秋到来」という感じの名前。 長い茎の先に小さなピンクの小花をたくさん咲かせ、真ん中の黄色い花弁がいい
 我が家の秋海棠

薄(すすき)別名 尾花 イネ科ススキ属

”尾花”は花がしっぽにていることからきている。また、夏に茎葉を切り取ったものを”茅(かや)”と呼んで屋根を葺く材料に。観賞用としては斑入り葉の”鷹の羽(矢羽)すすき”や”縞すすき”が使われます。すすきは「芒」とも書く。秋の七草のひとつ。

掛物  
「和顔愛語」  無文老師筆
山田 無文(やまだ むもん)       明治33年〜昭和63年(1900〜1988)
臨済宗、京都五山、妙心寺派26代管長。花園大学学長。通仙洞と号した。
陶芸の師匠 故山田剛敏先生は無文老師の「無文」をいただき「夢門窯」としていた。

第6回(7月27日)
お茶の稽古での息抜きは、花を教えていただくこと。
今回の茶花は「吾木香」と「玉紫陽花」。
「吾木香」(われもこう)は薔薇(ばら)科。 秋の高原で咲く。 暗赤色の丸い花穂がおもしろい。秋の十五夜のお月見には薄(すすき)とともに欠かせない。いろんな漢字があてられている。 「吾木香」 わが国(日本)の木香の意で、ここでいう「木香」とはインド原産の菊科の根のことで、強い芳香があり 健胃剤、防虫剤としても使われる。 「吾亦紅」 和歌、俳句などで一般に使われる。 われもまた紅い、との意味。 花言葉は「愛慕」

「玉紫陽花」(たまあじさい)はユキノシタ(雪ノ下)科アジサイ(紫陽花)属。花期8〜9月、落葉低木、枝先に淡紫色の小さな花を多数つけ、周りに直径2〜3センチの白い萼片を3〜5個つける夏から秋にかけて咲く紫陽花で、つぼみが球形なので玉紫陽花の名前がついた。
利休七則を勉強しました。
 
一、茶は服のよきように
 最初、「服」? と理解出来ませんでした。
 実は、「お茶はおいしく点てましょう」という単純明快な言葉です。
 服加減の良いお茶は、抹茶の分量と湯加減で決まります。、一碗の薄茶は三口半で飲める分量が飲みやすいのです。
 また、「服のよきよう」とは、お茶が甘い、おいしいだけでなく、一碗の茶に亭主の心意気を味わい、それを受ける客の喜びを感じる。
 そういう主客の気持ちが合致したとき、真の意味のよき茶が供されたことになるのです。   

第5回(7月13日)
お茶で大切なことは
「季節」であることが少しずつ見えてきた。
茶人は季節を先取りして茶事を楽しむという。
今は1年中トマトが食べられるが、自家菜園で作るトマトは、今という季節を実感させてくれる。
稽古事は難しいが、茶道は自然と触れ合う芸術と考えると楽しい。

今回の茶花は「半夏生」。ドクダミ科の多年草。はんげしょうは水辺に生え、茎は高さ約80センチメートル。葉は長卵形。夏、茎頂に花穂をつけ、白色の小花を密生する。花穂のすぐ下の葉は下半部が白色となり目立つ。別名:カタシログサ(片白草)。
夏至から11日目を半夏至(半夏生)と呼ぶそうです。雑節の一で太陽が黄経100度に達する日のことだとか・・・。そのころ咲くことから半夏生の名前が、また、葉の半分ほどを白く化粧することから半化粧とも言われていますが、緑の葉が半分白くなるのは不思議です。

覚えたばかりの
茶の湯の用語
  風炉(ふろ)          5月から10月までの夏期に用いられる湯を沸かす道具
  懐紙(かいし)         菓子を取る時に使う和紙
  茶杓(ちゃしゃく)       薄茶器の抹茶を茶碗に入れるときに使う竹のさじ
  茶巾(ちゃきん)        茶碗を清めた後に拭く小さな布巾
  茶筅(ちゃせん)        抹茶とお湯をまぜ、お茶を点てる竹で出来た道具
  茶筅通し(ちゃせんとおし) 茶を点てる前に湯で軟らかくし、穂先が折れていないか調べる所作      

第4回(6月29日)
今回の茶花は「大山レンゲ」
モクレン科の落葉高木。オオヤマレンゲは前回の泰山木の仲間。カップ形の巨大花と幅広の大きな葉を持ちます。純白の花弁で芳香を持ち、ルビーのような鮮紅色の葯が美しい花が横向きに咲きます。
覚えたばかりの茶の湯の用語
  盆略点(ぼんりゃくだて)  盆の上に棗、茶碗をのせる最も簡単な薄茶点前。現在私がけいこしている。
  亭主(ていしゅ)        茶事の主催者。
  正客(しょうきゃく)      茶会における主客。先頭と最後には座らず人の間に座ること。
  割けいこ            茶の湯でのさまざまな動作、振る舞いを細かく分けてけいこすること。
  黒文字(くろもじ)       主菓子に添えて出す楊子。黒文字の木を削って作る。
  建水(けんすい)       茶碗を洗った湯や水を捨てる器。  
  蹲踞(つくばい)        手を洗う手水鉢(ちょうずばち)。 
  棗(なつめ)          茶を入れる器物。形が植物の棗の実に似ていることから名付けられた。 

第3回(6月15日)
今回の茶花は「泰山木」。木蓮(もくれん)科。Magnolia(マグノリア)。 「大山木」とも書く。大きい白いカップ形の花。 背丈がかなり高くならないと花が咲かない。 花、葉、樹形などが大きくて立派なことから 賞賛してこう名づけられた。 また、花の形を大きな盃(さかずき)に 見立てて「大盃木」、それからしだいに 「泰山木」になったとも。厚手の光沢のある、つばきに似た葉。白い、香りのある、なんとなく梅雨空に似合う花でした。
お菓子
 干菓子(薄茶)は2種類出る。斜め上のものから1つ指でつまむ。
     つまんでいただく。
 主菓子(濃茶)は陶磁器の鉢で出る。
     箸を右手で上からとり、左手で下から受け、右手をすべらせてつかむ。
     取りやすいものを1つ左手を添えて取る。
     黒文字(楊子)でいただく。
     今回は水無月(6月)で水に関するお菓子でした。

帛紗(ふくさ)さばき
    亭主の場合男は下から、女は上から腰にはさむ。
    さばいたら、帛紗を女は胸より下に、男は胸の高さに横に構える。
    この後は言葉では難しい。何れ写真で見ていただくこととする。  

第2回(6月1日)
 今日は当番なので準備のため30分早く行く。

水屋
は茶室に付属した施設で点前の準備をする場所です。
水屋には点前に必要な道具がすべてそろえてあり、道具を置く場所は決められています。
いちばん下は竹のすのこになっていて、水が流せます。
(なつめ)に茶を山形に入れます。
茶碗を仕組みます。@.茶碗を清め、たたんだ茶巾を入れます。A.茶筅の穂先を水に浸し、とじ目を上にして茶碗に入れます。B.茶杓を清めて茶碗に伏せてのせる。
当番は稽古の終了後片付けをします。

立ち居振舞  
1.すわり方
  背筋を伸ばし、あごを引く。亭主は手を膝、客は畳のヘリから24センチに座り、右手を上に重ねる。
2.おじぎ
  「真」のおじぎ−−−両手を全部畳につけ、おなかを膝につけるくらいのつもりでかがめる。
                客がお茶をいただく時にする。
   「行」のおじぎ−−−手の指の第二関節から先が畳につくように。
                客どおしの挨拶などに使う。
  「草」のおじぎ−−−指先を畳につけ、上体を軽く前に下げる。
                亭主が点前の途中で挨拶するときのおじぎ。
   立礼も「真」「行」「草」があります。

3.立ち方
  両手を軽く膝に置き、両足を揃え、同時に爪立て、かかとの上に腰をのせる。
   右膝を少し立て、立ち上がる。右足は左よりも半歩出ているので、左足をへりまで進め、右足から入る。
   出る場合は左膝を少し立てる。

4.ふすまの開け閉め
  ふすまの正面にすわり、建付けに近い方の手を引き手にかけ手が入るだけ開ける。
   その手を下から24センチのところにかけ、からだの中央まで開ける。
   反対の手で手がかりになる分だけ残し開ける。
   閉めるときは反対の手順。

今年一年間茶道講座を受講する。裏千家 有賀 冨美子先生

簡単に茶道と裏千家について触れておく。
(図書館で借りた茶道の本から)
お茶の木は、ツバキ属の常緑低木です。よく、おいしいお茶は甘いと言われますが、これはテアニンです。茶の湯に用いられる抹茶は収穫前に直射日光をさえぎり、和らげられた光で栽培されテアニンを多くしています。濃茶は古木から、薄茶は若い木から採取されます。
千利休により確立した「侘び茶」は四代「宗室」により裏千家(今日庵)となりました。ちなみに、表千家(不審庵)、武者小路千家(官休庵)を合わせて三千家と言います。

利休七則 (茶の湯の心得として有名ですが、今の私には難しいので後日解説します。)
   一、茶は服のよきように
   一,炭は湯のわくように
   一.花は野にあるように
   一,夏は涼しく冬は暖かに
   一,刻限は早めに
   一,降らずとも傘の用意
   一,相客に心せよ
      
第1回(5月25日)は自己紹介と茶の湯の簡単な説明で、とにかくお茶を飲むこととする。
先生のお話。
 茶道は日本文化のあらゆる物の集大成です。たとえば、
   露地     ガーデニング・造園
   茶室     建築・和室
   掛物     書・絵画 (今日の掛け物は、閑打坐?−−忘れましたが、静かな心と言ったような意味です)
   茶花
(ちゃばな) (あやめ 花筏、山紫陽花−−−そのほか忘れましたが、先生が自宅から摘んできた花です。
            私も自宅の庭に、いろいろな茶花を植えようと考えています。
            先生は、花を運ぶ為の入れ物の中にペットボトルの上を切ったものを使っていました。)
   茶碗、水差   やきもの。
  昔からの儀礼、習慣。客をもてなすノウハウ。和の生活の立ち居振舞。
  美に対する感性。四季の美しさと自然の素晴らしさ。
   その他、着物、和菓子、釜、茶器、扇子、竹、紙、布、炭等々、知識を得ようとすればどれも奥が深そう。

薄茶点前については次回書くとして、今回の感想はとにかく足が痛い。1時間30分の最後には何も考えられず頭の中は足の痛みで真っ白でした。

PS.花筏(はないかだ)
園芸店をひやかしていたら花筏があった。今後、庭には茶花を植えていきたいので買う。花筏はオスとメスを植えないと葉の上に実が付かないそうです。メスの葉には花が咲いています。